JP2011099256A - 太陽光利用パネルの設置台、設置装置、及び設置構造 - Google Patents

太陽光利用パネルの設置台、設置装置、及び設置構造 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数が少なく施工が容易であるとともに、コストが安く、長尺の部品を使用する必要がなく、作業性、運搬や保管の容易な太陽光利用パネルの設置台、設置装置、設置構造を提供する。
【解決手段】前側の太陽光利用パネル5の上部枠5aを固定するための上側固定部2aと、後側の太陽光利用パネル5の下部枠5bを固定するための下側固定部2bと、水平状面Gへの接地部2cを一体的に設けたことを特徴とする太陽光利用パネルの設置台1A、当該設置台1Aに固定金具4が設けられたことを特徴とする設置装置1B、及びこの設置装置1Bを利用した太陽光利用パネルの設置構造を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池モジュール等の太陽光利用パネルを陸屋根や平地といった水平状面に固定するための太陽光利用パネルの設置台、設置装置、及び設置構造に関し、更に詳しくは、安価で、部品点数が少なく施工が容易であるとともに風の影響を受けにくい太陽光利用パネルの設置台、設置装置、及び設置構造に関するものである。
近年、化石燃料コストの上昇や世界的な環境意識の高揚により様々な代替エネルギーが求められているが、そのうちの1つとして、太陽エネルギーの利用が行われている。具体的には太陽光を直接電気に変換する太陽電池モジュール、太陽熱により水を温めて風呂の湯等として用いる太陽熱温水器、同じく空気を温めて暖房等に用いる空気集熱器等があるが、これらは通常パネル状のユニットとされて屋根の上等に設置されている(これらのパネル状のユニットを総称して太陽光利用パネルと称する)。
このような太陽光利用パネルは、従来、山形の屋根の南側の斜面に設置されることが多かったので、斜面に適するような太陽光利用パネル及びその取り付け構造については多数商品化され、低コスト化も進んでいる。
一方、最近になって、二酸化炭素排出量の削減等のため、太陽光の利用が益々推奨されるようになり、陸屋根や平地など、水平状面への太陽光利用パネルの設置も徐々に多くなっている。しかしながら、水平状面に特に適する太陽光利用パネルの需要はそれほど多くないため、水平状面に太陽光利用パネルを設置する技術はあまり報告されておらず、また低コスト化も進んでいないのが実情である。
例えば、従来から陸屋根等の水平状面に太陽光利用パネルを設置するための構造としては、断面形状が直角三角形状の架台を設けて斜面を作り、山形の屋根に取り付ける場合と同様、この斜面上に太陽光利用パネルを取り付ける支持構造が用いられてきた。しかしながら、この方法では太陽光利用パネルの高さが高くなりすぎ、大きな風圧が加わるので、その対策として、架台が設置される基盤に補強が必要になるうえ、架台にも風圧に耐えるだけの剛性を有する部材や補強材が必要になり、コストも高くなる。
また、他の方法としては、太陽電池パネルの下端側を支持する下端側支持部材と、太陽電池パネルの上端側を下端側よりも高い位置に支持する上端側支持部材とを備え、複数本のレール部材上に前記下端側支持部材と前記上端側支持部材とが支持されてなる支持構造が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この構造では下端側支持部材、上端側支持部材、及びこれらを支持するレール部材が全て長尺物であり、大きく且つ重すぎて当該長尺物の保存、運搬等に困難が伴う。また、この支持構造を組み立てるには、各レール部材の間や、上端支持部材と下端指示部材の間の距離を太陽光利用パネルの大きさにあわせて、正確に測定してから各部材を固定する必要が生じるため、組立作業も煩雑となり作業性も低下する。
特開2001−152619号公報
本発明は、かかる実情に鑑み、上記従来技術の問題点を解決し、コンパクトで保存や運搬のためのスペースや労力や費用が少なくて済み、部材間の距離を正確に測定する必要もなく、従って施工が容易で作業性が良好な太陽光利用パネルの設置台、設置装置、及び設置構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る本発明は、水平状面に太陽光利用パネルを列設するための設置台であって、前側の太陽光利用パネルの上部枠を固定するための上側固定部と、後側の太陽光利用パネルの下部枠を固定するための下側固定部と、水平状面への接地部を一体的に設けたことを特徴とする太陽光利用パネルの設置台を内容とする。
請求項2に係る発明は、コンクリート製であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光利用パネルの設置台を内容とする。
請求項3に係る発明は、繊維混入プレス成形セメントモルタル製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光利用パネルの設置台を内容とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の設置台の上側固定部及び/又は下側固定部に太陽光利用パネルの上部枠又は下部枠を固定するための固定金具が設けられていることを特徴とする太陽光利用パネルの設置装置を内容とする。
請求項5に係る発明は、固定金具は上部枠又は下部枠を掛止するための鉤部材と、鉤部材を前後に摺動可能とするための軌道部材と、前記鉤部材と軌道部材を一体化させるための締結部材からなることを特徴とする請求項4に記載の太陽光利用パネルの設置装置を内容とする。
請求項6に係る発明は、水平状面に載置された請求項4又は5に記載の設置装置とその前側及び/又は後側に配置された太陽光利用パネルからなる太陽光利用パネルの設置構造であって、前記設置装置の下側固定部に後側の太陽光利用パネルの下部枠が固定されており、前記設置装置の上側固定部に前側の太陽光利用パネルの上部枠が固定されていることを特徴とする太陽光利用パネルの設置構造を内容とする。
請求項7に係る発明は、太陽光利用パネルが少なくとも4隅付近で設置装置に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽光利用パネルの設置構造を内容とする。
請求項8に係る発明は、太陽光利用パネルの傾斜角αが4〜25°であり、前側に設置した太陽光利用パネルの上部枠と、後側に設置した太陽光利用パネルの下部枠のなす角βが30〜60°であることを特徴とする請求項6又は7に記載の太陽光利用パネルの設置構造を内容とする。
請求項9に係る発明は、太陽光利用パネルの側面に防風板が設けられることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の太陽光利用パネルの設置構造を内容とする。
請求項10に係る発明は、設置台の接地部が、水平状面に固定されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の太陽光利用パネルの設置構造を内容とする。
本発明の太陽光利用パネルの設置台は、太陽光利用パネルの上部枠を固定するための上側固定部と、後側の太陽光利用パネルの下部枠を固定するための下側固定部を一体化してなるので、該設置台を配置すれば、太陽光利用パネルの前後間の距離については自動的に定まり、測定する必要がないので、施工が容易である。
また、設置台がコンパクトであるばかりでなく、太陽光利用パネルを設置するための部品点数が少ないので資材管理もし易く、かつ長尺の部材を使用しないので、安価で、取り扱い性が良好で、保存や運搬も容易である。
更にまた、水平状面と太陽光利用パネルとの隙間が小さくなるため風が入り込みにくく、太陽光利用パネルが風で舞い上がるといったトラブルも抑えられる。
設置台をコンクリート製、特に繊維混入プレス成形セメントモルタル製とすれば、設置台として十分な強度及び寸法精度、ひび割れ防止性能を有するばかりでなく、成形も容易で、また、風で太陽光利用パネルが容易に舞い上がらない程度の十分な重量を得ることができる。
設置台の上側固定部及び/又は下側固定部に固定金具を設けて設置装置とすれば、太陽光利用パネルの形状に関わらず、少ない種類の設置台で当該太陽光利用パネルを支持することができるので、汎用性が増す。
また、支持金具を鉤部材と、軌道部材と、締結部材から形成すると、設置台を配置する場所が多少ずれたとしても、鉤部材を軌道部材上で摺動させることにより位置の調整ができるので、設置台や設置装置の配置位置を正確に測定する必要がなく、施工性がさらに向上する。
設置装置の下側固定部に後側の太陽光利用パネルの下部枠を固定するとともに、設置装置の上側固定部に前側の太陽光利用パネルの上部枠を固定すれば、太陽光利用パネルは適切な斜面状に設置されるとともに、前後の太陽光利用パネルの間隔も適切に設定されるので、後側の太陽光利用パネルが前側の太陽光利用パネルの影に入るようなこともなく、発電効率やメンテナンス性に優れている。この際、太陽光利用パネルを少なくとも4隅付近で固定すれば、安定性が増す。
太陽光利用パネルの傾斜角αを4〜25°とすると、太陽光を受光し易くなり発電効率が上昇し、太陽光利用パネルの表面に雨や埃がたまりにくくなり、さらに、太陽光利用パネルが吹き飛ばされにくくなる。また、前側に設置した太陽光利用パネルの上部枠と、後側に設置した太陽光利用パネルの下部枠のなす角βを30〜60°とすると、前側の太陽光利用パネルの影が後側の太陽光利用パネルに掛らないため、発電効率は低下しない。
また、太陽光利用パネルの側面に防風板を設けると、横風が吹いた場合でも太陽光利用パネルの下に風が入り込まず、太陽光利用パネルが横風で舞い上がるのを防ぐことができるとともに、埃やゴミの侵入を防ぐことができる。
さらに、設置台の接地部を水平状面に固定すれば、太陽光利用パネルは一層安定的に設置され、風等で吹き飛ばされる恐れがなくなる。
(a)は本発明の太陽光利用パネル設置台の一例を示す側面図であり、(b)はその平面図である。 本発明の太陽光利用パネルの設置装置の一例を示す側面図である。 図1の設置台の上側/下側固定部に取り付ける固定金具の一例であり、(a)はその平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。 (a)は図3(a)におけるA−A断面図であり、(b)はそのB−B断面図である。 図3の固定金具で一般的な太陽光利用パネルを固定した状態を示す概略説明図である。 本発明の太陽光利用パネルの設置構造の一例を示す側面図である。 図6の太陽光利用パネルの設置構造の平面図である。 本発明の太陽光利用パネルの設置構造の他例を示す側面図である。 図8の太陽光利用パネルの設置構造の平面図である。 設置台の接地部が水平状面に固定された状態の一例を示す概略断面図である。
本発明の太陽光利用パネルの設置台1Aは、水平状面に太陽光利用パネルを列設するための設置台であって、図1に例示するように、前側の太陽光利用パネルの上部枠を固定するための上側固定部2aと、後側の太陽光利用パネルの下部枠を固定するための下側固定部2bと、水平状面で該設置台を安定させるための接地部2cを一体的に設けたことを特徴とする。
また、本発明の太陽光利用パネルの設置装置1Bは、図2に例示するように、上記の設置台1Aの上側固定部2a及び/又は下側固定部2bに太陽光利用パネルの上部枠5a又は下部枠5bを固定するための、固定金具4が設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の太陽光利用パネルの設置構造1Cは、図6に例示するように、上記の設置装置1Bとその前側及び/又は後側に配置された太陽光利用パネル5からなる太陽光利用パネルの設置構造1Cであって、設置装置の下側固定部2bに後側の太陽光利用パネルの下部枠5bが固定されており、設置装置の上側固定部2aに前側の太陽光利用パネルの上部枠5aが固定されていることを特徴とする。
なお、本発明において前側とは、傾斜して設置された太陽光利用パネルの低い側が位置する方向を指し、後側とはその反対側の高い側が位置する方向を指す。
また、本発明において水平状面とは、ビルの屋上といった陸屋根や地面等の実質的に水平状である面を指す。
本発明において、設置台1Aは上側固定部2aと下側固定部2bと接地部2cが一体的に設けられている。
上側固定部2a及び下側固定部2bは太陽光利用パネルの上部枠5a及び下部枠5bを固定するための部分であり、上部/下部枠5a、5bを上側/下側固定部2a、2bに直接固定できるようにしてもよいし、後述の固定金具4等を用いて固定できるようにしてもよい。図1に示した例では、設置台1Aの前側に小高い平面部を設け、ここに固定金具取付用の小孔2dを穿設して上側固定部2aとし、同様に設置台1Aの後側に低い平面部を設け、ここにも固定金具取付用の小孔2dを穿設して、下側固定部2bとしている。
上側/下側固定部2a、2bは設置される太陽光利用パネル5の傾斜角αと実質的に平行になるような傾斜を付けられた平面状とすれば、上側/下側固定部2b(又は後述の固定金具4)と太陽光利用パネル5が密着し、安定性が増す。
しかしながら、この効果を最大限発揮するためには、施工時に設置台1Aの間隔を厳密に測定するとともに、常に同じ大きさの太陽光利用パネル5を使用する必要があり、この場合、施工性と汎用性が共に低下する。
従って、安定性、施工性、汎用性を両立させるためには、上側固定部2aの傾斜角を設置される太陽光利用パネル5の傾斜角α(例えば6°)に対し、数度(例えば1〜2°)深くするとともに(例えば8°)、下側固定部2bの傾斜角を数度浅くする(例えば5°)ほうが好ましい。また、弾性シートを介在させて、傾斜角を調整することもできる。
なお、標準よりも短い太陽光利用パネル5を使用した結果、傾斜角αが上側固定部2aの傾斜角よりも深くなったり(上記の例では例えば9°)、或いは逆に長い太陽光利用パネル5を使用した結果、傾斜角αが下側固定部2bの傾斜角よりも浅くなったり(上記の例では例えば4°)すれば、太陽光利用パネルの端部に通常設けられる係合突起5cが上側/下側固定部2a、2b(又は後述の固定金具4)に対し浮いてしまい、固定部分の安定性が低下してしまう。このような事態を避けるため、太陽光利用パネル5のサイズに関わらず使用できるような汎用性を重視する場合は上側固定部2aの傾斜角を更に深めにし、下側固定部2bの傾斜角を更に浅めにするほうが好ましい。具体的には、上側固定部2aの傾斜角を下側固定部2bの傾斜角に対して3〜10°深くなるようにすればよい。
本発明において接地部2cは、水平状面の上に設置台1Aを安定的に載置するための部分である。図1に示した例では、上側固定部2aの前側、上側固定部2aと下側固定部2bの間、下側固定部2bの後側にそれぞれ設けられているが、別の態様でもよく、最も単純には一枚の平板状であってもよい。
設置台1Aの材質は、太陽光利用パネル5を支持できる程度の強度があれば特に限定されないが、風に煽られた際の重しになる程度の重量がある材料が好ましく、さらにはコスト及び成型のし易さの点からコンクリート製が好ましく、その中でも特に強度及び寸法精度、ひび割れ防止性能に優れている点で繊維混合プレス成型セメントモルタル製が好ましい。
本発明の設置台1Aの形状は、上記上側固定部2aと下側固定部2bと接地部2cが含まれる限りどんな形状でもよいが、具体的には図1に示したような、急傾斜板状の立上げ部3aと、緩傾斜平板状の上側固定部2aと、急傾斜板状の第1斜降部3bと、緩斜面平板状の下側固定部2bと、急斜面板状で第1斜降部よりも低い第2斜降部3cとを連続的に設け、立上げ部3aと第1/第2斜降部3b、3cの下端が接地部2cとされた形状が例示できる。その他、平板状の接地部2cに高いテーブル状の上側固定部2aと、低いテーブル状の下側固定部2bを固着したような形状も例示できる。
本発明の設置台1Aは、その上側/下側固定部2a、2bと太陽光利用パネル5の上部/下部枠5a、5bの形状によっては単独で使用できる場合もあるが、上側/下側固定部2a、2bに上部/下部枠5a、5bを固定するための固定金具4を設ければ、上部/下部枠5a、5bの形状に関わらず固定でき、汎用性が向上する。
固定金具4の形状、構造は、設置台1Aと太陽光利用パネル5の間に介在して、これらを固定できるものであれば特に限定されず、例えば種々の太陽光利用パネル5、5における係合突起5cの形状や大きさに合わせて専用の固定金具4をそれぞれ用意し、必要に応じて最適な固定金具4に付け替えてもよいが、図3及び図4に示したような、鉤部材4aと、軌道部材4bと、締結部材4cからなるものが汎用性の点で好ましい。
図3及び図4に示す固定金具4において、鉤部材4aは太陽光利用パネルの端部に通常設けられている係合突起5cに係合されて、上部/下部枠5a、5bを掛止する部材である(図5参照)。鉤部材4aの形状は、太陽光利用パネルの上部/下部枠5a、5bを掛止可能な形状であれば特に限定されないが、図示した例においては、中央に後述の締結部材4cとして使用するボルトの軸が挿通可能な孔が穿設された平板部分と、その縁部に設けられ前記係合突起5cと係合可能な鉤部分からなるものが使用されている。
軌道部材4bは鉤部材4aと未締結状態の締結部材4cを一定軌道に沿って摺動させるための部材である。これにより、設置装置1Bの配置が少々ずれたとしても、鉤部材4aを摺動させることにより調整して太陽光利用パネル5を掛止可能となり、作業性が向上する。
軌道部材4bの形状は、鉤部材4aと未締結状態の締結部材4cを摺動させる際に、その移動方向を規制できる形状であれば特に限定されないが、図示した例では、下部板と、間隔保持壁を介して前記下部板に固着された上部板からなり、上部板には後述の締結部材4cとして使用するボルトの軸が挿通可能であり、ボルトの頭及びナットが挿通不能な幅のスリットが設けられ、下部板と上部板の間は少なくとも前記ボルトの頭が挿通可能な空間が形成されている形状のものが使用されている。また、下部板には前記設置台1Aの小孔2dと連通する固定孔が穿設されている。
締結部材4cは、必要に応じて緊締し上記鉤部材4aを軌道部材4b上に固定するとともに、太陽光利用パネル5を掛止し、さらに別の必要に応じて緩めて鉤部材4aを摺動可能にするための手段である。
締結部材4cの形状は、鉤部材4aと軌道部材4bの上部板を共に緊締できる形状であれば特に限定されないが、図示した例においては、ボルト、ナット、座金の組み合せを締結部材として使用し、ボルトの頭を軌道部材4bの下部板と上部板の間に挿入して、軸の部分を軌道部材4bのスリット及び鉤部材4aの平板部中央に穿設された孔に挿入し、座金を介してナットで締め付けるようにされている。
上記のような設置装置1Bを用いて太陽光利用パネル5を設置するには、図6に示したように、一の設置装置1Bの下側固定部2bに後側の太陽光利用パネル5の下部枠5bを固定するとともに、同設置装置1Bの上側固定部2aに前側の太陽光利用パネル5の上部枠5aを固定し、後側の太陽光利用パネル5の上部枠5a及び前側の太陽光利用パネル5の下部枠5bについては他の設置装置1Bを用いて固定すればよい。即ち、前後に配列された太陽光利用パネルの間隙部分を本発明の設置装置1Bを用いて接続する構造にすれば、太陽光利用パネルを適切な角度に傾斜させた太陽光利用パネルの設置構造1Cが形成される。なお、最前の太陽光利用パネルの下部枠5b及び最後尾の太陽光利用パネルの上部枠については、本発明の設置装置1Bの上側/下側固定部2a、2bの一方だけを用いてもよいし、別途、端部用の設置装置を用いてもよい。
太陽光利用パネル5の固定は、少なくとも上部枠5a側及び下部枠5b側でそれぞれ一箇所づつ固定すれば足りるが、図7に示したように太陽光利用パネル5の4隅付近を設置装置1Bで固定すれば、太陽光利用パネル5を安定的に設置することができる。なお、必要に応じ、上記よりも多くの設置装置1Bを用いて固定してもよい。
なお、太陽光利用パネル5の傾斜角αを4〜25°程度とすれば、雨水や埃等が斜面に沿って流下又は落下するため、太陽光を効率よく受光することができるとともに、メンテナンスの手間が激減するため好ましい。そのためには、本発明の設置台1A、設置装置1Bにおける上側固定部2aと下側固定部2bの高度差を、太陽光利用パネル5のサイズを勘案して定めればよい。例えば、使用する太陽光利用パネル5の長さがLのとき、上側固定部2aと下側固定部2bの高度差をL×Sin4°乃至L×Sin25°(太陽光利用パネル5の長さが90cmのとき高度差は約6.3〜38cm)にすればよい。
また、前側に設置した太陽光利用パネル5の上部枠と、後側に設置した太陽光利用パネル5の下部枠のなす角(便宜上、パネル間隙部の傾斜角と称することがある)βについては30〜60°程度が好ましい。この程度であれば、前側の太陽光利用パネル5の影が後側の太陽光利用パネル5にかかることもないので、太陽光の利用効率は悪化しない。なお、パネル間隙部の傾斜角βは本発明の設置台1A、設置装置1Bの形状にほぼ依存するが、固定金具4の鉤部材4aをスライドさせて太陽光利用パネルの上部/下部枠5a、5bの固定個所をずらすことにより微調整することもできる。
本発明による太陽光利用パネルの設置構造1Cを高層ビルの屋上や海辺近くの平地等のように風が強い場所に設置する場合は、太陽光利用パネル5の下に風が入り込み、この太陽光利用パネル5が吹き飛ばされてしまう危険がある。従って、風が強い場所に太陽光利用パネルの設置構造1Cを設ける場合には、側面又は後方から風が入り込まないようにしておくほうが好ましい。
側面からの風を防ぐには、図8、図9に示すように、太陽光利用パネル5の側面に防風板6を設けるのが好ましい。防風板6の形状は太陽光利用パネル5の下への風を妨げる形状であれば特に限定されないが、太陽光利用パネル5の下のみならず、上側/下側固定部2a、2bの下の空間も塞げれば更に好ましい。なお、太陽光利用パネル5に積もった埃等を吹き飛ばすことが出来るよう、防風板6は太陽光利用パネル5の上側にはみ出さないようにするほうがよい。
後方からの風を防ぐには、前述のような防風板を設けることも可能であるが、図9に示す様に、上側固定部2aと下側固定部2bの間に板状の斜降部(図1における第1斜降部3b及び第2斜降部3cに相当)を有する設置装置1Bを横一列に並設することにより、斜降部が防風板の役割を果たすので、防風の効果を得ることができる。また、これらの並設した設置装置1Bで太陽光利用パネル5を支持すれば、設置構造1Cが全体として重くなるので、風の影響を受けにくくなる。なお、設置装置1Bは図9に示すように、隙間無く並設したほうが防風効果は高いが、風がそれほど強くない場合は適当な間隔を空けて並設してもよく、風の強さに応じて適宜調節することができる。
また、必要に応じ、設置台1Aの接地部2cを水平状面Gに固定することができる。これにより、太陽光利用パネル5は一層安定的に設置され、例えば風で吹き飛ばされるのを確実に防止することができる。固定方法は特に限定されないが、例えば図10に示すように基礎コンクリート7aにアンカーボルト7bを埋め込み、これを用いて固定する方法や、基礎コンクリート7aの上をアスファルトで舗装し、このアスファルトに接地部2cを半ば埋め込むように設置台1Aを配置する方法が例示できる。その他、コンクリート釘、押さえ金具、接着剤などの固定手段を使用して、設置台1Aを水平状面Gに固定してもよい。
上記したとおり、本発明の太陽光利用パネルの設置台、設置装置、設置構造は、部品点数が少なく、コストが安く、長尺物を使用する必要がないので、施工が容易であるとともに、保管や運搬が容易で、取り扱い性も良好であり、極めて有用性の高いものである。
1A 設置台
1B 設置装置
1C 設置構造
2a 上側固定部
2b 下側固定部
2c 接地部
2d 小孔
3a 立上げ部
3b 第1斜降部
3c 第2斜降部
4 固定金具
4a 鉤部材
4b 軌道部材
4c 締結部材
5 太陽光利用パネル
5a 上部枠
5b 下部枠
5c 係合突起
6 防風板
7a 基礎コンクリート
7b アンカーボルト
G 水平状面
α 太陽光利用パネルの傾斜角
β パネル間隙部の傾斜角

Claims (10)

  1. 水平状面に太陽光利用パネルを列設するための設置台であって、
    前側の太陽光利用パネルの上部枠を固定するための上側固定部と、後側の太陽光利用パネルの下部枠を固定するための下側固定部と、水平状面への接地部を一体的に設けたことを特徴とする太陽光利用パネルの設置台。
  2. コンクリート製であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光利用パネルの設置台。
  3. 繊維混入プレス成形セメントモルタル製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光利用パネルの設置台。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の設置台の上側固定部及び/又は下側固定部に太陽光利用パネルの上部枠又は下部枠を固定するための固定金具が設けられていることを特徴とする太陽光利用パネルの設置装置。
  5. 固定金具は上部枠又は下部枠を掛止するための鉤部材と、鉤部材を前後に摺動可能とするための軌道部材と、前記鉤部材と軌道部材を一体化させるための締結部材からなることを特徴とする請求項4に記載の太陽光利用パネルの設置装置。
  6. 水平状面に載置された請求項4又は5に記載の設置装置とその前側及び/又は後側に配置された太陽光利用パネルからなる太陽光利用パネルの設置構造であって、
    前記設置装置の下側固定部に後側の太陽光利用パネルの下部枠が固定されており、
    前記設置装置の上側固定部に前側の太陽光利用パネルの上部枠が固定されていることを特徴とする太陽光利用パネルの設置構造。
  7. 太陽光利用パネルが少なくとも4隅付近で設置装置に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽光利用パネルの設置構造。
  8. 太陽光利用パネルの傾斜角αが4〜25°であり、前側に設置した太陽光利用パネルの上部枠と、後側に設置した太陽光利用パネルの下部枠のなす角βが30〜60°であることを特徴とする請求項6又は7に記載の太陽光利用パネルの設置構造。
  9. 太陽光利用パネルの側面に防風板が設けられることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の太陽光利用パネルの設置構造。
  10. 設置台の接地部が、水平状面に固定されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の太陽光利用パネルの設置構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013029005A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Daimaru Sogo Kikaku Kk ソーラパネルの設置方法および設置構造
JP2018197442A (ja) * 2017-05-24 2018-12-13 日栄インテック株式会社 折板屋根用架台

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