JP2011117204A - 太陽電池モジュール用水切り構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池モジュール3を載置する載置部55を備えた設置金具5と、設置金具5が載置される載置部41と、載置部41上であって、載置部41上に設置金具5が載置された際に、設置金具5の取付孔5aが位置する箇所の外側に形成された突設部41aとを備えた水切り板4と、水切りカバー6とを有する。水切り板4は敷設面1上に載置される。設置金具5は載置部41上に載置されると共に、取付ネジによって、水切り板4を介して敷設面1に取り付けられる。水切りカバー6は設置金具5を覆う。太陽電池モジュール3は、水切りカバー6及び縦材2を介して載置部55上に載置される。
【選択図】図2
Description
太陽電池を屋外に設置する場合、多くは施設あるいは家屋の屋根への設置が想定されるが、風雨に十分に耐え得る構造が必要となる。そのため、屋根等の敷設面への太陽電池の固定に際しては、ボルトやビスなどが使われている。
そして、防水機能の付加においては、これまでシーリングに頼ったものが多かったが、シーリング材の経年劣化や、作業者の熟練度による仕上がりのバラつきなど、改善の余地があった。
また、特許文献2では、傾斜した屋根の上に雨水が流下する金属板を配し、この金属板の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、太陽光利用機器を固定する支持体と、この支持体を覆うカバー体とから成り、前記金属板における屋根設置架台の配設領域の上流部分に当該金属板を折り曲げて成る鍔部を形成し、この鍔部の下に前記カバー体の端部を挿入した太陽光利用システムが提案されている。
また、特許文献2記載の技術では、固定金具の基底部上に、防水カバーを接着剤で接着しているだけであるため、時間の経過と共に防水カバーが剥がれるなどして、防水効果が減じてしまうという問題があった。
さらに、特許文献1、2共に、固定部材ないしは固定金具の角部分において、屋根等の敷設面に局所的な圧力が加えられ、敷設面が突き破られる虞があるし、敷設面上における雨水等の横走りを防止することについては特段の配慮がなされていなかった。
その上で、本発明は特に、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋ないしは屋根等に対する負担を小さくすることの出来る水切り構造を提供することを目的とする。
さらに、本発明に係る水切り構造は、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋ないしは屋根等に対する負担を小さくすることが出来る。
本実施形態に係る水切り構造では、図1及び図2に示されるように、屋根等の敷設面1上に水切り板4があてがわれ、その上に設置金具5、水切りカバー6、及び縦材2を介して太陽電池モジュール3が取り付けられている。
ここで、金属板12は、軒側端部においては、棟側方向に下面側へ折り返した顎部12aを形成し、棟側端部においては、軒側方向に上面側へ折り返した顎部12bを形成している。そして、上下に隣り合う屋根板において、棟側の金属板12の顎部12aと、軒側の金属板12の顎部12bとは互いに係合しており、当該係合部分においては、梁行方向(y方向)棟側の屋根板が軒側の屋根板上に被さるように段差を形成している。
なお、金属板12の裏面には適宜、発砲スチレン、発砲スチロール等の裏打材が積層されている。
この縦材2は、図6に示されるように、中空の直方体形状からなる棒状体である。
上面には長さ方向に開口した開口部21aが形成され、この開口部21aの両脇の水平面は、太陽電池モジュールを載置するための載置部21を構成する。また、載置部21の側端部から敷設面1に向かって側面部22が延び出ており、側面部22の下端部には、水平な基底部23が形成されている。そして、この載置部21、側面部22、及び基底部23に囲まれて中空部21bが形成されている。
また、基底部23には、設置金具5の設置間隔に応じて、設置金具5に取り付けられる締結ボルト5bを挿通させるための締結孔2aが設けられている。
また、載置部21上に太陽電池モジュール3を載置し、予め太陽電池モジュール3のフレームに設けられている締結孔と、載置部21間の開口部21aとに所定の締結ボルトを挿通させ、中空部21b内でナット等とで螺合することにより、縦材2上に太陽電池モジュール3が固定的に設置される。
この太陽電池モジュール3のフレームには、太陽電池モジュール3を縦材2に設置するための締結孔が予め設けられており、この締結孔と、縦材2の基底部21間の開口部21aに締結ボルトを挿通させると共に、ナット等を螺合することにより、縦材2上に太陽電池モジュール3が固定される。
この水切り板4は、図4(a)に示されるように、一枚の矩形状の金属板を成形加工してなり、敷設面1上に載置されると共に、設置金具5を載置する載置部41と、載置部41の一側縁部を上面側へ折り返して形成した折返部42とからなる。
ここで、桁行側突設部41xは、梁行方向(y方向)に真っ直ぐに形成されている。一方、梁行側突設部41yは、中央部分が梁行方向(y方向)棟側に張り出すと共に、両端部に向かって、梁行方向(y方向)軒側へ傾斜している。これにより、敷設面上を雨水等が横走りした場合でも、雨水等の浸入が突設部41aに妨げられて、取付ボルト51bによって敷設面1に取り付けることによって敷設面1に空けられた孔(以下、敷設面1に取付ボルト51bを取り付けた箇所を「取付面」という)から雨水等が浸入するのを防止することができる。
一方、水切り板7は、水切り板4とは異なり、突設部71aとは異なる位置に空隙部71bを設けられている。即ち、空隙部71bは、突設部71aの外側において、梁行方向(y方向)に真っ直ぐに形成されている。このような形状からなる水切り板7によってもやはり、敷設面上を横走りする雨水等は突設部71aによって浸入を妨げられるし、水切り板7の下面に浸入してくる雨水等は空隙部71bを伝って軒側へ排水され、取付面から雨水等が浸入するのを防止することができる。
なお、本例における水切り板4は、桁行方向(x方向)では、縦材2が2本で1枚の太陽電池モジュール3を支持する間隔を形成するように、敷設面1上に取り付けられている。また、梁行方向(y方向)では、隣り合う屋根板の段差部ごとに取り付けられている。しかしながら、水切り板4ないしは水切り板4を介して取り付けられる設置金具5の設置間隔は、上述の例に限られるものではなく、桁行方向(x方向)において、3本以上の縦材2によって1枚の太陽電池モジュール3を支持する設置間隔とすることもできるし、梁行方向(y方向)において、屋根板の段差部の幾つかを飛ばし、例えば2つ置きといったような設置間隔とすることもできる。
そして、図2に示されるように、中空部5a内には締結ボルト5bの頭部分が差し込まれ、開口部55aから、基底部51ないしは掛架部53と対向する向きに、締結ボルト5bの軸部分が突き出している。
設置金具5の中空部5a及び開口部55aから突き出て、水切りカバー6の締結孔6a及び縦材2の締結孔2aに挿通された締結ボルト5bは、ナット5cと螺合して、これらを一体的に固定している。
また、水切りカバー6の中央には、設置金具5から突き出した締結ボルト5bを挿通させるための締結孔6aが穿設されている。
なお、図3の(a)平面図、及び(b)正面図では、水切りカバー6に覆われた設置金具5の形状等を示すため、水切りカバー6を破線により示している。
まず、敷設面1上において、横葺きされた複数枚の屋根板の間に水切り板4の折返部42を差し込んで、水切り板4を設置する。この際、水切り板4は、梁行方向(y方向)においては一列に且つ、屋根板の段差部分毎に差し込む。また、桁行方向(x方向)においては2つの縦材2で太陽電池モジュール3を支えるように、所定の間隔をおいて取り付ける。
なお、水切り板4を敷設面1に設置する際には、図2を参照して前述したとおり、水切り板4の折返部42を、下面側が、軒側の金属板12上に当接すると共に、上面側が、棟側の金属板12の顎部12aに当接するように、金属板12の係合部へ差し込む。
また、この際、水切り板4とこれに当接する敷設面1との間をシーリングしてもよい。ここで使用するシーリング剤は、前述の通り、接着性を有するものであれば特に限定されない。
この際、少なくとも水切りカバー6の棟側部分の内側とこの部分に当接する水切り板4との間をシーリングするとよい。ここで使用するシーリング剤は、前述の通り、接着性を有するものであれば特に限定されない。なお、水切りカバー6とこれに当接する水切り板4との間を全体的にシーリングすることもできる。
さらに、設置金具5と敷設面1との間に水切り板4が挟持されているため、設置金具5の角部分において、屋根等の敷設面に局所的にかかる力を緩衝することができ、敷設面の突き破りを防ぐことができる。また、水切り板4に突設部41aが設けられていることで、敷設面上における雨水等の横走りにより、取付面から屋内等へ雨水等が浸入することを防止することができる。また、水切り板4に空隙部41bが設けられていることで、水切り板4の下面に雨水等が横走りして浸入等した場合であっても、雨水は空隙部41bを伝って軒側へ排水され、取付面から雨水等が浸入することを防止することができる。
本実施形態に係る水切り構造は、図7及び図9に示されるように、第一の実施形態の水切りカバー6とは異なる長尺形状の水切りカバー8を用い、敷設面1上に梁行方向へ一列に設置された複数の設置金具5を一体的に覆う。
なお、水切りカバー8以外の構成については、第一の実施形態と同様であって、図7に示されるように、屋根等の敷設面1上に水切り板4があてがわれ、その上に設置金具5、水切りカバー8、及び縦材2が取り付けられる。また、第一の実施形態の図1と同様に、縦材2上には太陽電池モジュール3が取り付けられている。
また、上面に縦材2を載置する載置部83上には、設置金具5から突き出した締結ボルト5bを挿通させるための締結孔8aが、設置金具5の取付間隔に応じて穿設されている。
なお、図8の(a)平面図、及び(b)正面図では、水切りカバー8に覆われた設置金具5の形状等を示すため、水切りカバー6を破線により示している。
さらに、水切りカバー8は、敷設面1上に梁行方向(y方向)に一列に設置された複数の設置金具5を、一体的に覆うことの出来る長さを有している。
なお、本例においては、水切りカバー8の端部は、水切り板4の載置部41上に当接しているが、これに限らず、水切りカバー8の幅を本例よりも広く形成することにより、水切り板4の外側において、水切りカバー8の端部が敷設面1に当接するように構成してもよい。
まず、第一の実施形態と同様に、敷設面1上において、横葺きされた複数枚の屋根板の段差部内に水切り板4の折返部42を係合して、水切り板4を設置する。この際、水切り板4は、梁行方向(y方向)においては一列に且つ、段差部分毎に差し込む。また、桁行方向(x方向)においては2つの縦材2で太陽電池モジュール3を支えるように、所定の間隔をおいて取り付ける。
この際、少なくとも水切りカバー8の傾斜部81の内側の面と、この部分に当接する水切り板4との間をシーリングしてもよい。ここで使用するシーリング剤は、前述の通り、接着性を有するものであれば特に限定されない。
11 野地板
12 金属板
12a 顎部
12b 顎部
2 縦材
2a 締結孔
21 載置部
21a 開口部
21b 中空部
22 側面部
23 基底部
3 太陽電池モジュール
4 水切り板
41 載置部
41a 突設部
41b 空隙部
41x 桁行側突設部
41y 梁行側突設部
42 折返部
5 設置金具
5a 中空部
5b 締結ボルト
5c ナット
51 基底部
51a 取付孔
51b 取付ネジ
52 斜設部
53 掛架部
54 立設部
55 載置部
55a 開口部
6 水切りカバー
6a 締結孔
7 水切り板
71 載置部
71a 突設部
71b 空隙部
72 折返部
8 水切りカバー
8a 締結孔
81 傾斜部
82 立設部
83 載置部
x 桁行方向
y 梁行方向
Claims (12)
- 太陽電池モジュールが取り付けられた敷設面の水切り構造であって、
取付ネジによって上記敷設面に取り付けるための取付孔が形成された基底部と、上記太陽電池モジュールを載置する第一の載置部と、を備えた太陽電池モジュール設置用金具と、
上記太陽電池モジュール設置用金具が載置される第二の載置部と、当該第二の載置部上であって、当該第二の載置部上に太陽電池モジュール設置用金具が載置された際に、上記太陽電池モジュール設置用金具の取付孔が位置する箇所の外側に、上記敷設面に対して直角な向きに突出して形成された突設部と、を備えた水切り板と、
下面側に開口面を有した水切りカバーと、を有し、
上記水切り板は、上記敷設面上に載置され、
上記太陽電池モジュール設置用金具は、上記水切り板の第二の載置部上に上記基底部を載置させられると共に、上記取付孔を介し、取付ネジによって、上記水切り板を介して上記敷設面に取り付けられ、
上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具を覆い、
上記第一の載置部上に、上記水切りカバー、及び所定の太陽電池モジュール設置用部材を介して、上記太陽電池モジュールが載置される、
ことを特徴とする水切り構造。 - 上記敷設面は所定の勾配を形成しており、
上記突設部は、上記第二の載置部のうち、載置される太陽電池モジュールの基底部の外周形状に沿って、梁行方向棟側と桁行方向の両側において形成されている、
請求項1記載の水切り構造。 - 上記水切りカバーの梁行方向棟側の外周面は、中央部分が棟側へ突出すると共に、両端方向に向かって軒側へ傾斜する、
請求項1又は2記載の水切り構造。 - 上記突設部の梁行方向棟側部分は、中央部分が棟側へ突出すると共に、両端方向に向かって軒側へ傾斜する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の水切り構造 - 上記敷設面は、複数の屋根板が梁行方向に葺き上げられた横葺き屋根であり、
上記複数の屋根板は、隣り合う屋根板同士において、梁行方向棟側の屋根板の端部が、軒側の屋根板の端部に被さって上下に段差を形成しており、
上記水切り板の棟側端部が、上記段差内に差し込まれている、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の水切り構造。 - 上記水切り板の棟側端部には、軒側へ折り返した折返部が形成されており、
上記段差内に差し込まれた折返部が、上記梁行方向棟側の屋根板の下面に当接している、
請求項5記載の水切り構造。 - 少なくとも、上記突設部の梁行方向棟側の部分と、当該部分に当接する上記水切りキャップの内周面とがシーリングされている、
請求項1乃至6いずれかの項に記載の水切り構造。 - 上記水切り板の第二の載置部の下面側であって、上記第二の載置部上に太陽電池モジュール設置用金具が載置された際に、上記太陽電池モジュール設置用金具の取付孔が位置する箇所の外側に、軒側端部に向かって上面側へ溝状に窪むと共に、この窪みの軒側端部が外部に向かって開口した空隙部、を備える、
請求項1乃至7いずれかの項に記載の水切り構造。 - 上記空隙部は、上記突設部に沿って、上記水切り板の第二の載置部の下面側に形成されている、
請求項8記載の水切り構造。 - 上記水切りカバーは、下面側に開口面を有した中空のキャップ状体からなる、
請求項1乃至9いずれかの項に記載の水切り構造。 - 上記水切りカバーは、下面側において、長さ方向に開口した中空の略棒状体からなり、
複数の上記太陽電池モジュール設置用金具が、上記基底部の取付孔に取付ネジを挿通させることにより、上記敷設面上に所定の設置間隔を置いて一列に取り付けられ、
上記水切りカバーが、上記開口面より、上記敷設面上に一列に設置された複数の太陽電池モジュール設置用金具を一体的に覆う、
請求項1乃至9いずれかの項に記載の水切り構造。 - 上記敷設面と上記水切り板との間は、シール材によりシーリングされている、
請求項1乃至11いずれかの項に記載の水切り構造。
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