JP5404352B2 - 太陽電池モジュール用水切り構造 - Google Patents
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Description
太陽電池を屋外に設置する場合、多くは施設あるいは家屋の屋根への設置が想定されるが、風雨に十分に耐え得る構造が必要となる。そのため、屋根等の敷設面への太陽電池の固定に際しては、ボルトやビスなどが使われている。
そして、防水機能の付加においては、これまでシーリングに頼ったものが多かったが、シーリング材の経年劣化や、作業者の熟練度による仕上がりのバラつきなど、改善の余地があった。
また、特許文献2では、傾斜した屋根の上に雨水が流下する金属板を配し、この金属板の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、太陽光利用機器を固定する支持体と、この支持体を覆うカバー体とから成り、前記金属板における屋根設置架台の配設領域の上流部分に当該金属板を折り曲げて成る鍔部を形成し、この鍔部の下に前記カバー体の端部を挿入した太陽光利用システムが提案されている。
また、特許文献2記載の技術では、固定金具の基底部上に、防水カバーを接着剤で接着しているだけであるため、時間の経過と共に防水カバーが剥がれるなどして、防水効果が減じてしまうという問題があった。
その上で、本発明は特に、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋等に対する負担を小さくすることの出来る水切り構造を提供することを目的とする。
さらに、本発明に係る水切り構造は、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋等に対する負担を小さくすることが出来る。
本実施形態に係る水切り構造では、図1及び図2に示されるように、屋根等の敷設面1上において、心木12に設置された設置金具4に水切りカバー2を介して太陽電池モジュール3が取り付けられている。
なお、図2において、設置金具4は実際には水切りカバー2に隠れて側面からは見えないが、説明の便宜のため、描画している。
敷設面1の梁行方向(y方向)棟側端部には、敷設面1を覆う覆装部材11が取り付けられている。この覆装部材11は平板状の金属板からなり、梁行方向(y方向)軒側に延出して、その先端を敷設面1側へ折り畳んだ鍔部11aを備える。鍔部11aと、敷設面1あるいは心木12との間は接着されておらず、僅かな隙間を形成しているか、若しくは鍔部11aを僅かに持ち上げて隙間を形成することが出来るようになっている。
なお、本例においては、本発明に係る水切り構造を、切妻造りの瓦棒葺き屋根に適用しているが、これに限らず、瓦棒のない屋根や、寄棟造りの屋根等にも適用することが出来る。
また、通常、瓦棒葺き屋根は、心木12を含め、敷設面1全体に金属板が葺かれているが、本実施形態においては、説明の便宜上、この金属板の図面への図示及び説明を省略する。
なお、この太陽電池モジュール3のフレームには、図6に示されるように、設置金具4に太陽電池モジュール3を載置ないし取り付けるための台座部32が設けられている。この台座部32は、太陽電池モジュール3の周縁を囲うフレームの一側縁部から、下方へ垂直に延出した支持部31の先に鍔状に形成された平板である。
設置金具4は、敷設面1上に太陽電池モジュール3を設置するために、敷設面1に取り付けられる金具である。設置金具4の材質には、アルミ、鉄やステンレスなどの金属を適用でき、特に限定されないが、耐候性の良いものが好適である。
なお、締結孔43aにはバーリング加工が施されており、内周面に螺刻された雌ネジに締結用のボルト(後述の図6又は図7に示される締結ボルト43b)を螺合させる構造となっている。
カバー本体21は、一枚の金属板を折り曲げて形成されており、設置金具4に取り付けられた際の下端面が全面に亘って開口した断面コの字形の中空の棒状体である。
さらに、カバー本体21の開口面と対向する面には、心木12に取り付けられた各設置金具4の締結孔43aに対応して、カバー本体21を取り付けるための締結孔21aが穿設されている。
この差込体22の開口部の幅は、心木12及びカバー本体21の幅より僅かに広く形成され、また、開口部の深さは、設置金具4の立設部42の立設幅よりも深く形成されている。これにより、カバー本体21を部分的に覆いながら、差込体22を設置金具4に取り付けた際、差込体22が設置金具4全体、及び心木12の一部に覆い被さる。
また、差込体22には、設置金具4の立設部42の立設幅に相当する高さの段差が形成されており、設置金具4に取り付けた際に、カバー本体21の上から設置金具4の載置部43上に載置される金具当接部221と、心木12に直接当接する心木当接部222とからなる。このうち、金具当接部221の開口面と対向する面には、心木12に取り付けられる設置金具4の締結孔43a、及びカバー本体21の棟側端部に形成された締結孔21aに対応して、設置金具4に差込体22を取り付けるための締結孔22aが穿設されている。
なお、差込体22の開口部の幅は少なくとも、金具当接部221においては、カバー本体21の幅より広く形成されていればよく、また、心木当接部222において、心木12の幅よりも僅かに広く形成されていればよい。そのため、金具当接部221と心木当接部222の開口部の幅を異なるものとしてもよい。
心木12上に所定の間隔を置いて一列に配置された設置金具4は、取付孔41aを介して、心木12及び野地板13にねじ込まれた取付ネジ41bによって敷設面1に取り付けられている。
また、水切りカバー2の棟側端部は、覆装部材11の鍔部11aの下部に差し込まれている。
なお、取付ネジ41bによる取り付けに際しては、座面を保護するために、適宜ワッシャー41cを挟み込むとよい。
なお、カバー本体21と差込体22との連結においては、遮水性の接着剤によって両端部を接着させるものとしてもよい。
また、差込体22の取り付けの際、カバー本体21の棟側端部から覆装部材11までの長さに応じ、予め長めに作成された差込体22の端部を適宜カットして、長さを調整するものとしてもよい。
なお、この締結ボルト43bの取り付けに際しても、座面を保護するために、適宜ワッシャー43cを挟み込むとよい。
この水切りカバー7は、既述した水切りカバー2のカバー本体21と差込体22とが一体成形されたものである。
これにより、予め設置金具4の配置や、設置金具4と覆装部材11の距離等が規格化されている場合等には、施工が単純化して便利である。
さらに、経年劣化に耐え、太陽電池モジュール3を取り付ける家屋等に対する負担を小さくすることが出来る。
11 覆装部材
11a 鍔部
12 心木
12a 取付孔
13 野地板
14 垂木
2 水切りカバー
21 カバー本体
21a 締結孔
22 差込体
22a 締結孔
221 金具当接部
222 心木当接部
2a 締結孔
3 太陽電池モジュール
31 支持部
32 台座部
4 設置金具
41 基底部
41a 取付孔
41b 取付ネジ
41c ワッシャー
42 立設部
43 載置部
43a 締結孔
43b 締結ボルト
43c ワッシャー
5 押え金具
51 基台部
51a 締結孔
52 押え部
6 押え金具
61 基台部
61a 締結孔
62 押え部
7 水切りカバー
71 カバー本体部
72 差込部
71a 締結孔
x 桁行方向
y 梁行方向
Claims (5)
- 太陽電池モジュールが取り付けられた敷設面の水切り構造であって、
全面に亘って開口した開口面を下端に有する中空の略棒状体からなる水切りカバーと、
上記敷設面上に載置されると共に、取付ネジによって上記敷設面に取り付けるための取付孔が形成された基底部と、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュールを載置する載置部と、を備えた複数の太陽電池モジュール設置用金具と、を有し、
複数の上記太陽電池モジュール設置用金具が、上記敷設面上に所定の設置間隔を置いて一列に配置させられると共に、上記基底部の取付孔に取付ネジを挿通させることにより、上記敷設面上に取り付けられ、
上記水切りカバーが、上記開口面より、上記敷設面上に一列に設置された複数の太陽電池モジュール設置用金具を一体的に覆い、
上記太陽電池モジュールが、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に、上記水切りカバーを介して載置される、
ことを特徴とする水切り構造。 - 上記太陽電池モジュールを、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に固定するための押え部材、をさらに有し、
上記太陽電池モジュールには、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュール設置用金具上に載置するための台座部が設けられ、
上記太陽電池モジュール設置用金具の載置部上には、締結ボルトを挿通させるための第一の締結孔が形成され、
上記水切りカバーには、上記太陽電池モジュール設置用金具を上記水切りカバーで覆った際に上記第一の締結孔に対応する位置に、上記締結ボルトを挿通させるための第二の締結孔が形成され、
上記押え部材には、上記第一の締結孔及び第二の締結孔に対応して、上記所定の締結ボルトを挿通させるための第三の締結孔が形成されており、
上記太陽電池モジュールは、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に、上記水切りカバーを介して上記台座部が載置され、
上記押え部材は、上記水切りカバー上に載置されると共に、上記水切りカバー上に載置された上記太陽電池モジュールの台座部を当該水切りカバー上に押さえ、
上記太陽電池モジュールが、上記第一の締結孔、上記第二の締結孔、及び上記第三の締結孔に挿通された締結ボルトによって、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に上記水切りカバーを介して固定される、
請求項1記載の水切り構造。 - 上記敷設面は所定の勾配を形成すると共に、その棟側端部において、当該敷設面を覆うと共に、梁行方向軒側に延出して折り返された鍔部を備える覆装部材が取り付けられており、
上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具を覆うカバー本体と、上記鍔部に差し込まれる差込体と、からなり、
上記複数の太陽電池モジュール設置用金具は、上記敷設面の梁行方向に沿って一列に且つ所定の間隔を置いて設置されており、
上記カバー本体と上記差込体は、上記差込体の棟側端部が上記鍔部に差し込まれると共に、上記カバー本体の棟側端部に上記差込体の軒側端部が一体的に連結されて水切りカバーを構成し、上記敷設面上に梁行方向に一列に設置された複数の太陽電池モジュール設置用金具を一体的に覆う、
請求項1又は2記載の水切り構造。 - 上記カバー本体と上記差込体とは、一体的に成形されている、
請求項3記載の水切り構造。 - 上記敷設面は、所定の勾配を形成する建築物の屋根上において、梁行方向に掛け渡された心木であり、
上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具を覆った際に、当該太陽電池モジュール設置用金具の桁行側の面に対応する部分が、上記太陽電池モジュール設置用金具の高さよりも長く形成されており、
上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具に取り付けられた際に、上記太陽電池モジュール設置用金具の桁行方向の面を覆う部分が、上記太陽電池モジュール設置用金具と共に、当該太陽電池モジュール設置用金具の桁行方向の面の下方に食み出して、上記心木を覆う、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の水切り構造。
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