JP2015227576A - 止水板及び止水構造 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、傾斜を有するスレート瓦葺きの屋根では、桁行方向に隣接するスレート瓦同士が突き合わされる位置と垂木の位置が重なるようにスレート瓦が葺かれることが多いが、この場合、このスレート瓦同士が突き合わされる位置に、設置物をスレート瓦上に支持する支持部材等を固定するための木ビスが打ち込まれる。
また、特許文献2では、瓦上に載置可能な板金で構成され、前記板金の上面に上方へ突出しかつ前記板金の左端部から右端部に向かって斜め方向に延びる水切部を設け、前記板金の下面における左端部近傍及び右端部近傍に、前後方向に延びかつ下面に粘着剤を介して離型フィルムが剥離可能に貼り付けられた止水シートをそれぞれ貼り付けたことを特徴とする瓦用防水板金が提案されている。
また、止水シート等を別途取り付けなくとも、本発明に係る止水板のみによって確実に水漏れを防止することができるので、部材のコストの面でも優れている。
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る止水板1は、所定の傾斜を有したスレート屋根2上に設置物5が設置された際、スレート屋根2上を横走りする雨水等が、当該設置物5の設置個所から屋内に浸入し、水漏れを惹き起こすのを防止するために取り付けられる板状の部材である。
このスレート屋根2は、流れ方向と直交する桁行方向においてはスレート瓦21が複数、互いに重畳することなく隣接して葺かれている。また、流れ方向においては、隣接するスレート瓦21のうち、水下側のスレート瓦21の上に水上側のスレート瓦21の端部が部分的に重畳して葺かれている。さらにこの流れ方向においては、桁行方向において隣接する水下側の一対のスレート瓦21間の境界部分に、水上側のスレート瓦21の略中央部分が重なるように葺かれている。
また、一対の支持部33間は開口部33aを構成し、この開口部33aからは、締結ボルト33bの軸部分が上方に突出している。この締結ボルト33bはその頭部分が、一対の支持部33間から上方へ抜出不能に支持部33の下面側に納められている。
本例における縦材4は、中空の直方体形状からなる棒状部材であり、下端の基底部41は、設置金具3の支持部33上に支持される部分であって、設置金具3の設置間隔に応じて、締結ボルト33bを通すための締結孔41aが設けられている。また、上面には長さ方向に開口した開口部42aが形成されており、この開口部42aの両脇の水平面は、設置物5を載置するための載置部42を構成する。
本例の設置物5として示された太陽電池モジュールは、太陽電池素子を枠状のフレームで囲った構造からなり、設置金具3と縦材4により、スレート屋根2上に設置されている。詳細には、設置物5を縦材4上に設置するための締結孔がフレーム等に予め設けられており、この締結孔と、縦材4の載置部42間の開口部42aに締結ボルトを通した上、ナット等でネジ止めすることにより、縦材4上に設置物5が固定される。
ここで、スレート屋根2上において止水板1が取り付けられる位置は、止水板1を介して設置金具3が設置される位置に対応する。即ち本実施形態では、設置金具3をスレート屋根2上に取り付けるための取付ネジ31bが、桁行方向に隣接する一対のスレート瓦21間を貫いて野地板22に固定される。そのため、この桁行方向に隣接する一対のスレート瓦21間に止水板1が載置されると共に、この一対のスレート瓦21とその水上側に葺かれているスレート瓦21の間に止水板1の端部が挿し込まれる。
本例に係る止水板1は、図4に示されるように略五角形様の平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工して作製された鋼板である。
この固定部11には、上面側に載置された設置金具3を固定するため、設置金具3の取付孔31aに対応した位置に、取付ネジ31bを通すための取付孔11aが設けられている。本例では、設置金具3に設けられている一対の取付孔31aに応じて、止水板1の長さ方向に並んで二つの取付孔11aが設けられている。
また、この突出部14は、下面側が図5(a)、図5(c)に示されるように開放されており、その断面は略半筒形状からなる。これにより、止水板1がスレート屋根2に取り付けられた際には、この突出部14とスレート瓦21の間に、上方へ溝状に窪んだ空隙が形成される。
この縁辺部15の端部には、固定部11の下面よりもスレート屋根2側に延び出すと共に、縁辺部15の下面側へ鋭角に折り返された当接部16が連設している。
また、この当接部16は、止水板1がスレート屋根2に取り付けられた際には、その端部がスレート屋根2の上面に当接する。そして、取付ネジ31bによって固定部11上に設置金具3が固定された際には、当接部16は、全体がスレート屋根2の上面に当接した状態となる。
この挿込部17は、水上側突出部141に連接して流れ方向水上側に延び出ており、止水板1がスレート屋根2に取り付けられる際、流れ方向において重畳するスレート瓦21間に挿し込まれる。
また、この挿込部17は、その下面が固定部11の下面と同一面上にあり、その先端部分には、挿込部17の上面側へ折り返された折返部18が連設している。
まず、止水板1をスレート屋根2に取り付ける場合、図6に示されるように、流れ方向において重畳して葺かれたスレート瓦21について、水上側のスレート瓦21の端部を持ち上げ、重畳するスレート瓦21間に止水板1の挿込部17を挿し込む。
また、止水板1のカバー部13は、止水板1の下面側のスレート瓦21の水下側端部よりも僅かに水下側にはみ出した位置にある。
本例に係る止水板61は図10に示されるように、矩形の略平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工等して作製される。
この固定部611には、上面側に載置された設置金具3を固定するため、設置金具3の取付孔31aに対応した位置に、取付ネジ31bを通すための取付孔611aが一対、設けられている。
この縁辺部612の桁行方向の両端部には、固定部611の下面よりもスレート屋根2側に延び出すと共に、縁辺部612の下面側へ鋭角に折り返された当接部613が連設している。
なお、スレート屋根2上における止水板61の取付位置は、第一の実施例に係る止水板1と同様である。
この第二の実施例に係る止水板61、及び止水板61を用いた止水構造においても、スレート瓦21と当接部613が当接している一方、縁辺部612の下面側がスレート屋根2と当接していないことから、止水板61の幅方向あるいは桁行方向から止水板61の下面側に浸入してくる水は、スレート瓦21と当接部613が当接している箇所を伝い、当接部613よりも内側へ侵入することなく、流れ方向水下側へ排出される。
また、止水板61も、固定部611及び縁辺部612を撓ませつつ、当接部613の反発力に抗して、スレート屋根2上に固定されている。そのため、当接部613はスレート瓦21に対して強く押し付けられた状態となっており、雨水等が当接部613よりも内側へ侵入するのをより効果的に防ぐことができる。
本例に係る止水板62は図11に示されるように、矩形の略平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工等して作製される。
また、固定部621に連接する縁辺部622は固定部621よりも上方にある。
この縁辺部622の桁行方向の両端部には、スレート屋根2側へ、固定部621の下面の位置まで延び出した当接部623が連設している。
なお、スレート屋根2上における止水板62の取付位置は、第一の実施例に係る止水板1と同様である。
この第三の実施例に係る止水板62、及び止水板62を用いた止水構造においても、スレート瓦21と当接部623が当接している一方、縁辺部622の下面側がスレート屋根2と当接していないことから、止水板62の幅方向あるいは桁行方向から止水板62の下面側に浸入してくる水は、スレート瓦21と当接部623が当接している箇所を伝い、当接部623よりも内側へ侵入することなく、流れ方向水下側へ排出される。
本例に係る止水板63は図12に示されるように、二等辺三角形の略平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工等して作製される。
また、固定部631に連接する縁辺部632は固定部631よりも上方にある。
この縁辺部632の桁行方向の両端部及び流れ方向水上側の端部には、スレート屋根2側へ、固定部631の下面の位置まで延び出した当接部633が連設している。
なお、スレート屋根2上における止水板63の取付位置は、第一の実施例に係る止水板1と同様である。
この第四の実施例に係る止水板63、及び止水板63を用いた止水構造においても、スレート瓦21と当接部633が当接している一方、縁辺部632の下面側がスレート屋根2と当接していないことから、止水板63の幅方向、即ち桁行方向から止水板63の下面側に浸入してくる水は、スレート瓦21と当接部633が当接している箇所を伝い、当接部633よりも内側へ侵入することなく、流れ方向水下側へ排出される。
また、当接部633が、流れ方向水上側においてもスレート瓦21と当接しているため、流れ方向水上側から侵入してくる水も、当接部633とスレート瓦21が当接している箇所を伝って、流れ方向水下側へ排出される。
さらに、重畳するスレート瓦21間に挿し込まれる部分が二等辺三角形の頂角に当たるため、重畳するスレート瓦21間に止水板63を挿し込みやすい。
なお、本例では、止水板63を二等辺三角形に構成したが、これに限らず、正三角形など他の三角形に構成することもできる。
本例に係る止水板64は図13に示されるように、二等辺三角形の略平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工等して作製される。
また、固定部641に連接する縁辺部642は固定部641よりも上方にある。
この縁辺部642の桁行方向の両端部及び流れ方向水上側の端部には、スレート屋根2側へ、固定部641の下面の位置までスレート屋根2側に延び出すと共に、縁辺部642の下面側へ鋭角に折り返された当接部643が連設している。
なお、スレート屋根2上における止水板64の取付位置は、第一の実施例に係る止水板1と同様である。
この第五の実施例に係る止水板64、及び止水板64を用いた止水構造においても、第四の実施例に係る止水板63の場合と同様、スレート瓦21と当接部643が当接している一方、縁辺部642の下面側がスレート屋根2と当接していないことから、桁行方向及び流れ方向水上側から止水板64の下面側に浸入してくる水は、スレート瓦21と当接部643が当接している箇所を伝い、当接部643よりも内側へ侵入することなく、流れ方向水下側へ排出される。また同様に、重畳するスレート瓦21間に挿し込まれる部分が二等辺三角形の頂角に当たるため、重畳するスレート瓦21間に止水板64を挿し込みやすい。
さらに、当接部643は縁辺部642の下面側へ折り返されているため、当接部643とスレート瓦21が当接する面積が広い。その結果、止水板1の下面側への水の浸入をより確実に防ぐことができる。
なお、本例では、止水板64を二等辺三角形に構成したが、これに限らず、正三角形など他の三角形に構成することもできる。
本例に係る止水板65は図14に示されるように、矩形の略平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工等して作製される。
この固定部651には、上面側に載置された設置金具3を固定するため、設置金具3の取付孔31aに対応した位置に、取付ネジ31bを通すための取付孔651aが一対、設けられている。
この縁辺部652の桁行方向の両端部には、上方へ所定の角度で突出した突出部653が連設している。
なお、スレート屋根2上における止水板65の取付位置は、第一の実施例に係る止水板1と同様である。
この第六の実施例に係る止水板65、及び止水板65を用いた止水構造においても、スレート瓦21と当接部654が当接している一方、縁辺部652の下面側がスレート屋根2と当接していないことから、止水板65の幅方向、即ち桁行方向から止水板65の下面側に浸入してくる水は、スレート瓦21と当接部654が当接している箇所を伝い、当接部654よりも内側へ侵入することなく、流れ方向水下側へ排出される。
また、縁辺部652よりもさらに上方へ突出した突出部653が設けられているため、止水板65の上面側を風によって横走りしてくる雨水等に対しても、突出部653によって固定部651に水が浸入するのを妨げることができ、やはり水漏れを防止することができる。
本例に係る止水板66は図15に示されるように、矩形の略平板形状からなり、一枚の矩形状の金属板を成形加工等して作製される。
また、固定部661の桁行方向の両端部には、スレート屋根2側へ、固定部661の下面の位置まで延び出した当接部662が連設している。
また、固定部661とスレート瓦21との間に挟持されるスペーサ663には適宜、取付孔661aに対応した取付孔が予め設けられている。
なお、スレート屋根2上における止水板66の取付位置は、第一の実施例に係る止水板1と同様である。
この第七の実施例に係る止水板66、及び止水板66を用いた止水構造においても、スレート瓦21と当接部662が当接している一方、縁辺部662の下面側において、スレート屋根2と当接していない部分が設けられることから、止水板66の幅方向、即ち桁行方向から止水板66の下面側に浸入してくる水は、スレート瓦21と当接部662が当接している箇所を伝い、当接部662よりも内側へ侵入することなく、流れ方向水下側へ排出される。
また、本例においても、設置金具3と止水板66をスレート屋根2上に一体的にネジ止めする取付ネジ31bによって、スレート屋根2に設けられるネジ孔の周囲が、スペーサ663によって覆われるので、このネジ孔への水の浸入を防ぐことができる。
11 固定部
11a 取付孔
12 延出部
13 カバー部
14 突出部
141 水上側突出部
142 桁行側突出部
15 縁辺部
16 当接部
17 挿込部
18 折返部
2 スレート屋根
21 スレート瓦
22 野地板
23 垂木
3 設置金具
4 縦材
5 設置物
61 止水板
62 止水板
63 止水板
64 止水板
65 止水板
66 止水板
Claims (8)
- 所定の傾斜を有し、複数の平板状のスレート瓦が流れ方向に重畳して葺かれたスレート屋根上において、所定の設置物の設置個所に取り付けられ、当該設置個所からの水漏れを防止する略平板状の止水板であって、
上記設置物が上面側に載置されると共に、取付ネジによって、上記スレート屋根上に上記設置物と共に固定される固定部と、
上記固定部の外側のうち、桁行方向の両側及び流れ方向水上側において連接すると共に、上方に突出し、上記スレート屋根から離間した突出部と、
上記突出部の外側のうち、桁行方向の両側において、上記固定部の下面よりも上記スレート屋根側に延び出て、上記スレート屋根に当接する一対の当接部と、
上記固定部の流れ方向水上側に設けられ、重畳する上記スレート瓦間に挿し込まれる挿込部と、を有し、
上記固定部が上記取付ネジによってスレート屋根上に固定された際、上記固定部が撓んで上記スレート屋根上に当接すると共に、上記一対の当接部が、当接する上記スレート屋根に対して押し付けられる、
ことを特徴とする止水板。 - 上記突出部の桁行方向の両側から夫々、外側に延び出した一対の縁辺部、をさらに有し、
上記当接部は、上記一対の縁辺部の端部から、上記スレート屋根側に延び出ると共に、上記縁辺部の裏面側へ折り返されて、上記スレート屋根に当接する、
請求項1記載の止水板。 - 上記当接部は、上記縁辺部の下面側と離間しつつ、鋭角に折り返されている、
請求項2記載の止水板。 - 上記挿込部は、一の頂点を流れ方向水上側に向けた略三角形状からなる、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の止水板。 - 上記挿込部は、流れ方向水上側の端部が上面側に折り返されている、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の止水板。 - 上記止水板は鋼板からなる、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の止水板。 - 上記固定部の外側のうち、流れ方向水下側において、上記スレート屋根側に延び出したカバー部、をさらに有する、
請求項1乃至6いずれかの項に記載の止水板。 - 所定の傾斜を有し、複数の平板状のスレート瓦が流れ方向に重畳して葺かれたスレート屋根上において、
所定の設置物が上面側に載置されると共に、取付ネジによって、上記スレート屋根上に上記設置物と共に固定される固定部と、
上記固定部の外側のうち、桁行方向の両側及び流れ方向水上側において連接すると共に、上方に突出し、上記スレート屋根から離間した突出部と、
上記突出部の外側のうち、桁行方向の両側において、上記固定部の下面よりも上記スレート屋根側に延び出て、上記スレート屋根に当接する一対の当接部と、
上記固定部の流れ方向水上側に設けられ、重畳する上記スレート瓦間に挿し込まれる挿込部と、を有する略平板状の止水板により、上記設置物の設置個所からの水漏れを防止する止水構造であって、
上記固定部が上記取付ネジによって上記スレート屋根上に固定されると共に、上記スレート屋根上に撓んで当接し、上記一対の当接部が、当接する上記スレート屋根に対して押し付けられている、
ことを特徴とする止水構造。
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