JP6645483B2 - 軒先用板金具及び軒先当たり部の防水構造。 - Google Patents

軒先用板金具及び軒先当たり部の防水構造。 Download PDF

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Description

この発明は、構造物の外壁と、外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根の軒先との接続部から屋内への水の浸入を防止する軒先用板金具に関する。
建築物の外壁と外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根との接続部分は、雨水が集中しやすいため屋内への漏水を起こしやすく、特に外壁と軒先との接続部分には、漏水を防ぐために板金加工された軒先用板金具を設置することが一般的である。これらの板金具は、設置位置の性質上、複数の板金を重ね合わせた複雑な形状に形成されることが多く、板金同士の重なり部分にはシーリング処理が施されている。しかしながら、シーリングが経年劣化などで切れてしまうと漏水を防止できないため、従来より簡易な構造の軒先用板金具が提案されている。
特許文献1の発明では、1枚の板金を折曲して形成される軒先の雨押え用板金具について記載されている。この雨押え用板金具は、外壁と勾配屋根の接続部分に流れ落ちてきた水を軒先側に設置される誘導溝と、誘導溝よりも屋外側に立上がる前板部とによって軒樋に誘導することができる。また、外壁よりも屋内側に配置される壁下地材の表面にあてがわれる板状の側板部を有しており、万が一雨水が軒樋から溢れて壁を構成する外装部材の接合箇所から侵入することがあっても、側板部の板面に沿わせて下方へ流れ落とし、雨水を誘導溝及び前板部によって軒樋へ誘導することができる。
特開平9−60223
しかしながら、特許文献1の雨押え用板金具は、水を専ら軒樋へ向けて誘導するだけであるので、昨今のゲリラ豪雨のように降雨量が非常に多い場合は、軒樋による雨水の排水が間に合わず、水が側板部を越えて屋内へと侵入する可能性がある。また、1枚の板金を折曲して雨押え用板金具を形成しているので、外壁と勾配屋根との様々な接合部形状に対応させることが難しいという問題点がある。
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、構造物の外壁と、該外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根の軒先と、の接続部から屋内への漏水を防止する軒先用板金具及びその構造であって、従来のように複数の板金を組み合わせて形成される軒先用板金具の内部に水が浸入した場合であっても、屋内への漏水を防止できる軒先用板金具及び軒先当たり部の防水構造を提供する。
本発明の第1の軒先用板金具は、構造物の外壁と、該外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根の軒先と、の接続部に配置されて屋内への漏水を防止する軒先用板金具であって、水を受ける箱状の箱部を有する水受け部材と、前記箱部の一側方を覆うように配置され、前記水受け部材と接合する略平板状の壁防水部材と、を備え、前記壁防水部材と前記箱部の底板との間に隙間を形成することを特徴としている。
本発明の第2の軒先用板金具は、前記底板が、前記壁防水部材に向けて下方へ傾斜していることを特徴としている。
本発明の第3の軒先用板金具は、前記壁防水部材が、前記水受け部材の上面よりも上方へ突出し、該水受け部材の下面よりも下方へ延びることを特徴としている。
本発明の軒先当たり部の防水構造は、構造物の外壁と、該外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根の軒先と、の接続部の漏水を防止する軒先当たり部の防水構造であって、前記外壁を支持する躯体に設置される平板状の壁下地材と、前記勾配屋根の屋根仕上材よりも下部に設置される平板状の野地板と、前記野地板の上面に設置される第1から第3のいずれかに記載の軒先用板金具と、を備え、前記箱部は、前記軒先の前記壁下地材側の端部に設置され、前記壁防水部材は、前記壁下地材の表面に沿って設置されることを特徴としている。
本発明の軒先当たり部の外壁防水構造は、前記箱部が、前記野地板よりも前記底板を低い位置に配置していることを特徴としている。
本発明の第1の軒先用板金具によると、水を受ける箱状の箱部を有する水受け部材と、箱部の一側方を覆うように配置され、水受け部材と接合する略平板状の壁防水部材と、を備え、壁防水部材と箱部の底板との間に隙間を形成する。したがって、水受け部材に水が浸入した場合、浸入した水は、箱部に集水された後、壁防水部材と箱部の底板との間に形成される隙間から排水されて壁防水部材の表面に当たって下方へ流れ落ちる。つまり、水受け部材を軒先の外壁側の端部、且つ、勾配屋根の屋根仕上材よりも下部に設置される野地板との間に設置し、壁防水部材を外壁よりも屋内側に配置される壁下地材の表面に沿って設置することにより、万が一、雨水が屋根仕上材より下部に浸入しても水受け部材の箱部に集水されて前記隙間から排水され、壁防水部材の表面を流れ落ちるので、雨水の壁防水部材よりも屋内側への侵入を防ぐことができる。また、軒先用板金具自体に排水機能を設けているので、複数部材を組み合わせ、各繋ぎ目にシーリングを施している軒先用板金具の場合であっても、シーリングの経年劣化による漏水を憂慮する必要がない。
本発明の第2の軒先用板金具によると、底板が、壁防水部材に向けて下方へ傾斜しているので、箱部に浸入した水を確実に壁防水部材との間に設けた隙間から排水することができる。
本発明の第3の軒先用板金具によると、壁防水部材が、水受け部材の上面よりも上方へ突出し、また水受け部材の下面よりも下方へ延びる。したがって、軒先用板金具を外壁と勾配屋根の接続部に設置した場合、壁防水部材を壁下地材の表面に沿って設置することにより、軒先に設置された水受け部材の箱部で受け切れなかった水は、壁防水部材によって屋内側へ浸入することを阻止され、また、隙間から排水された水は、壁防水部材の表面を伝って下方へ流れ落とされ、壁防水部材よりも屋内側へ侵入することはない。
本発明の軒先当たり部の防水構造によると、野地板の上面に設置される第1から第3のいずれかの軒先用板金具を備えており、箱部は、軒先の壁下地材側の端部に設置され、壁防水部材は、壁下地材の表面に沿って設置されるので、万が一屋根仕上材から雨水が浸入しても水受け部材で集水し壁防水部材によって流れ落とすので、壁防水部材よりも屋内側への水の浸入を防ぐことができる。
本発明の軒先当たり部の防水構造によると、箱部が、底板を野地板の設置高さよりも低い位置に形成しているので、万が一屋根仕上材から野地板まで水が浸入しても、水が野地板の上に溜まることはなく、箱部の側板及び底板を流れ落ちて隙間から排出することができる。
建築物を示す概略斜視図。 軒先当たり部の防水構造を示す斜視図。 軒先用板金具を示す分解斜視図。 壁防水部材と固定部材との接合、水受け部材の箱部と蓋部の接合、及び基板部と二次水受け部材との接合状況を示す斜視図。 二次水受け部材及び水受け部材と接合された基板部材と、固定部材を接合された壁防水部材との接合状況を示す斜視図。 外壁を上から見た様子を示す斜視図。 軒先に軒先鉄板を設置する様子を示す斜視図。 軒先の外壁側の端部に軒先用板金具を設置する様子を示す斜視図。 図2のX部を示す部分拡大斜視図。
以下、軒先用板金具の最良実施形態について各図を参照しつつ説明する。軒先用板金具1は、図1のX部に示すように、建築物Aのような構造物の外壁2と、外壁2の屋内側の面から面外方向へ延びる勾配屋根3の軒先31と、の接続部に使用することができるものである。なお、図1は勾配屋根3の一例として切妻屋根を示しているが、本願の軒先用板金具1は、他に片流れ屋根や庇などの勾配を有する屋根に使用することができる。
軒先用板金具1は、図2及び図3に示すように、複数の板金部材を組み合わせて形成された部材で、水を受ける箱状の箱部11aを有する水受け部材11と、箱部11aの一側方を覆うように配置され、水受け部材11と接合する略平板状の壁防水部材12と、水受け部材11の下部に配置される基板部材13と、基板部材13の水受け部材11を設置する面と反対側の面に設置される二次水受け部材14と、壁防水部材12及び基板部材13とを接合する固定部材15と、を備えている。
水受け部材11は、勾配屋根3の軒先31に設置される部材で、図3に示すように、側方が開いた箱部11aと蓋部11bを接合して形成されている。箱部11aは、上方と一側方を開放された矩形平板状の底板11cを有する箱状の部材で、開放された側方に隣接する2つの側面材のうち、基板部材13側の側面材は、底板11cから下方へ延びる第1羽片11dを形成しており、第1羽片11dを形成する側面材に対向する側面材は、その上端を他の側面材の上端よりも上方へ突出させて先端部11eを形成している。また、底板11cは、壁防水部材12によって覆われる開放された側方に向って下方に傾斜している、
蓋部11bは、略L字形に形成された面材で、出隅部が壁防水部材12側に位置するように配置される。また、L字の2つの突出部分のうち一方の突出部11fは、箱部11aの上方を覆うとともにその先端に形成された第2羽片11gを先端部11eと接合し、また、蓋部11bの他方の突出部及び出隅部からなる接着部11hは、基板部材13に接着固定される。さらに、蓋部11bの出隅を形成する二辺のうち一方の突出部11f側の一辺には壁防水部材12と接合される第3羽片11iが形成されている。
壁防水部材12は、図2及び図3に示すように、外壁2よりも屋内側に配置される壁下地材21の表面に沿って設置される略平板状の部材で、平面視略L字形に形成されている。L字形の入隅部を形成する二辺には、それぞれ基板部材13に接合される2つの第4羽片12aが設けられており、出隅部を形成する二辺には、それぞれ固定部材15に接合される2つの第5羽片12bが設けられている。また、壁防水部材12は、水受け部材11と接合した際に、箱部11aの開放された側方を覆うことができる大きさに形成されるとともに、水受け部材11の上端よりも上方へ突出し、且つ、水受け部材11の下端よりも下方へ延びる大きさに形成される。
基板部材13は、勾配屋根3の屋根仕上材よりも下部に設置される野地板33の上面に設置される部材である。図3に示すように、基板部材13は、平板状の当接部13aと、当接部13aの上端を折曲して水受け部材11の接着部11eと接着固定される固定部13bと、当接部13aの下端の一部を固定部13bと同じ方向へ折曲した折曲部13cを形成している。また、当接部13aの側端のうち、折曲部13c側と反対の側端には、固定部材15と接合する2つの第6羽片13dが設けられている。
二次水受け部材14は、基板部材13の水受け部材11を設置する面と反対側の面を伝って流れ落ちてきた水を集水するための部材である。図3に示すように、二次水受け部材14は、矩形平板状の底板14aと底板14aの隣り合う2つの縁端を上方へ折曲げて形成した2つの側板14b、14cを有している。一方の側板14bは、側縁から側方向へ延びて固定部材15に接合される2つの第7羽片14dを形成し、他方の側板14cは、その上端を底板14aと反対方向へ折曲して基板部材13の折曲部13cに接合する第8羽片14eを形成している。また、底板14aは、一方の側板14b側の縁端に対向する縁端を上方へ延ばして基板部材13の当接部13aと接合する第9羽片14fを形成している。
固定部材15は、壁防水部材12及び基板部材13と接合して外壁2の屋内側に配置される壁下地材21に固定される部材で、図3に示すように、略平板L字形に形成されている。
以上に説明した複数の板金部材は、図2、図4及び図5に示すように、互いに接合して軒先用板金具1を形成することができる。なお、各部材同士は、両面テープや接着剤、及びリベットによって接合されるが、その接合部には軒先用板金具1内部への水の浸入を防ぐシーリング剤が打設されている。まず、図4に示すように、壁防水部材12の第5羽片12bと固定部材15のL字形の入隅を形成する2つの縁端部とをリベット接合して壁防水部材12と固定部材15を一体とし、また、水受け部材11の先端部11eと第2羽片11gとをリベット接合して箱部11aと蓋部11bとを一体にする。さらに、二次水受け部材14の第8羽片14eと基板部13の折曲部13cとを接着固定するとともに第9羽片14fと当接部13aとをリベット接合し、基板部材13と二次水受け部材14を一体とする。
次に、図5に示すように、水受け部材11の接着部11hを基板部材13の上方から固定部13bに接着固定する。このとき、水受け部材11は、箱部11aが当接部13aを挟んで二次防水部材14と反対側に位置するように基板部材13に接着固定される。そして、水受け部材11の第1羽片11dを当接部13aにリベット接合する。また、固定部材15の基板部材13側の面と反対側の面には、平板状の下地材15aが接着固定される。
続いて、図5に示すように、壁防水部材12の2つの第4羽片12aを基板部材13の当接部13a及び固定部13bと合致させ、当接部13aと当接部13a側の第4羽片12aをリベット接合し、固定部13bと固定部13b側の第4羽片12aを接着固定する。そして、基板部材13の第6羽片13dを固定部材15に接着固定し、最後に水受け部材11の第3羽片11iを壁防水部材12にリベット接合し、図2に示す軒先用板金具1を形成する。
このように形成される軒先用板金具1は、図9に示すように、壁防水部材12と箱部11aの底板11cとを接合せずに両部材の間に隙間Sを形成している。また、先述したように、底板11cは、壁防水部材側の側方に向って下方へ傾斜しているので、水Wが水受け部材11の蓋部11bを潜り抜けて箱部11aに浸入した場合、水Wは底板11cの傾斜に沿って隙間Sから排水され、壁防水部材12に当たって下方へ流れ落ちることになる。
次に、軒先用板金具1を使用した軒先当たり部の防水構造4について説明する。軒先当たり部の防水構造4は、図1に示すように建築物Aのような構造物の外壁2と、外壁2の面外方向へ延びる勾配屋根3の軒先31と、の接続部の漏水を防止する構造であって、図2に示すように、外壁2を支持する躯体5に設置される壁下地材21と、勾配屋根3の屋根仕上材よりも下部に設置される平板状の野地板33と、軒先用板金具1と、を備えている。
図6は、外壁2を上から見下ろした様子を示す斜視図であり、外壁2は、屋外に面する外壁材22と、外壁材22よりも屋内側へ配置される外壁下地材23とから形成されている。また、壁下地材21は、外壁2よりも屋内側に配置されて、外壁2を支持する梁や柱などの躯体5に設置される平板状の部材である。なお、図示例では、躯体5が木質系の部材となっているが、本願の軒先当たり部の防水構造4は、躯体5が鉄骨であっても使用することができる。また、野地板33は、勾配屋根3の軒を支持する長尺な軒先母屋34に載置され、勾配屋根3の屋根仕上材(図示しない)よりも下部に設置される平板状の部材である。なお、野地板33の上面には、軒先用板金具1を設置した後、アスファルトルーフィングのような防水シート(図示しない)が全面に貼着される。
続いて、軒先当たり部の防水構造4の施工手順について説明する。図7に示すように、梁や柱に囲まれた空間には、壁下地材21が外壁2の面内方向と合致するように設置されている。また、軒先母屋34は、壁下地材21の面外方向へ延びており壁下地材21との間に若干の空間を空けて配置される。なお、軒先母屋34には、軒先母屋34と平面視直交する方向へ延びて屋根勾配を形成する複数の垂木材36が設置されている。
まず、図7に示すように、軒先母屋34の上面に軒方向へ延びる平板状の軒先鉄板35を載置する。軒先鉄板35は、その幅を軒先母屋34の幅よりも大きく形成されており、幅方向の一端を軒先母屋34から勾配屋根3と反対の方向へ突出させている。また、この突出した部分の長手方向の壁下地材21側の縁端には、壁下地材21に向って延びる板片35aが形成されている。このとき、軒先鉄板35は、後に軒先母屋34の壁下地材21側の端部に設置される軒先用板金具1のスペースを空けて軒先母屋35に載置される。
続いて、図8に示すように、軒先母屋34、軒先鉄板35、及び垂木材36の上面に野地板33を設置する。野地板33は、軒先母屋34から突出した軒先鉄板35の形状に合わせて壁下地材21側の端部をL字形に切り欠いている。そして、軒先鉄板35の板片35aを野地板33の小口面を覆うように折曲げ、軒先用板金具1を壁下地材21と野地板33との接合部分に設置する。
軒先用板金具1は、図9に示すように、基板部材13の固定部13bを野地板33の壁下地材21側の端部、且つ、軒先31部分に接着固定させるとともに、固定部材15の壁防水部材12よりも突出した部分を壁下地材21と軒先母屋34との間に差し込むように配置する。そして、固定部材15に設置された下地板15aを壁下地材21に当接させ、下地板15aの位置する部分に屋外側から固定部材15を介して釘やビスなどを打ち込み、軒用板金具1を壁下地材21に固定する。このとき、壁防水部材12は、壁下地材21の表面に沿って配置されることになり、また、箱部11aの底板11cは、野持板33の設置高さよりも低い位置に配置される。
このように設置された軒用板金具1は、野地板33の上部に設置される屋根仕上材から万が一水Wが浸入しても、金具自体の性能で適切に水を排水することができる。例えば、外壁2と勾配屋根3の接続部分を流れ落ちる雨水などの水Wが、屋根仕上材から野地板33の上面に貼着される防水シートまで浸入した場合、水Wは、屋根勾配に沿って水受け部材11の蓋部11bに流れ落ちる。これらの水Wのほとんどは、蓋部11bによって屋内への侵入を阻止されるが、蓋部11bを潜り抜けて蓋部11bと箱部11aとの繋ぎ目から少量の水Wが浸入した場合、水Wは箱部11aの底板11cに流れ落ち、底板11cの傾斜に沿って隙間Sから外部へ排水される。
このとき、壁防水部材12が壁下地材21の表面に沿って屋内側に配置されているので、隙間Sから排水された水Wは、壁防水部材12に阻害されて屋内へ侵入することはない。また、壁防水部材12は、先述したように、水受け部材11の上面よりも上方へ突出し、また水受け部材の下面よりも下方へ延びている。したがって、軒先用板金具1を設置した場合、軒先31に設置された水受け部材11の箱部11aで受け切れなかった水Wは、壁防水部材12によって屋内側へ浸入することを阻止され、また、隙間Sから排水された水は、壁防水部材12の表面を伝って下方へ流れ落とされ、壁防水部材12よりも屋内側へ侵入することはない。
このように、軒先当たり部の防水構造4は、防水シートや水切材などの防水部材同士の納まりに依存せず、軒先用板金具1自体の排水性能によって屋内への水の浸入を防止することができる。また、軒先用板金具1の各接合部のシールが経年劣化によって切れてしまったとしても、箱部11a及び壁防水部材12との間に形成される隙間Sによって水Wを排水することができるので、屋内への水の浸入を防止することができる。
また、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
この発明は、構造物の外壁と、外壁の面外方向へ延びる勾配屋根の軒先との接続部において好適に使用することができる。
1 軒先用板金具
11 壁防水部
12 水受け部
2 外壁
21 壁下地材
3 勾配屋根
31 軒先
33 野地板
4 軒先当たり部の外壁防水構造
S 隙間

Claims (5)

  1. 構造物の外壁と、該外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根の軒先と、の接続部に配置されて屋内への漏水を防止する軒先用板金具であって、
    水を受ける箱状の箱部を有する水受け部材と、
    前記箱部の一側方を覆うように配置され、前記水受け部材と接合する略平板状の壁防水部材と、を備え、
    前記壁防水部材と前記箱部の底板との間に隙間を形成することを特徴とする軒先用板金具。
  2. 前記底板は、前記壁防水部材に向けて下方へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の軒先用板金具。
  3. 前記壁防水部材は、前記水受け部材の上面よりも上方へ突出し、該水受け部材の下面よりも下方へ延びることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軒先用板金具。
  4. 構造物の外壁と、該外壁の屋外側の面から面外方向へ延びる勾配屋根の軒先と、の接続部の漏水を防止する軒先当たり部の防水構造であって、
    前記外壁を支持する躯体に設置される平板状の壁下地材と、
    前記勾配屋根の屋根仕上材よりも下部に設置される平板状の野地板と、
    前記野地板の上面に設置される請求項1から請求項3のいずれかに記載の軒先用板金具と、を備え、
    前記箱部は、前記軒先の前記壁下地材側の端部に設置され、
    前記壁防水部材は、前記壁下地材の表面に沿って設置されることを特徴とする軒先当たり部の防水構造。
  5. 前記箱部は、前記野地板よりも前記底板を低い位置に配置していることを特徴とする請求項4に記載の軒先当たり部の防水構造。
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