JP2014124816A - 積層体および積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の積層体100は、基材101と、基材101の少なくとも一方の面に設けられた無機層102と、無機層102上に設けられた、環状オレフィン共重合体(P)の架橋体(Q)を含む樹脂層103と、を含む。環状オレフィン共重合体(P)は、オレフィン由来の繰り返し単位(A)と、環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)と、を含む。
【選択図】図1
Description
しかし、このようなバリア材料は、上記酸化物が堆積しない部分(ピンホール)が発生し、ガスバリア性が損なわれることがある。
この多層積層体は、高度のガスバリア性を有し、食品保存容器などの材料として好適であると記載されている。
基材と、
上記基材の少なくとも一方の面に設けられた無機層と、
上記無機層上に設けられた、環状オレフィン共重合体(P)の架橋体(Q)を含む樹脂層と、を含み、
上記環状オレフィン共重合体(P)が、
下記一般式(I)で表される1種または2種以上のオレフィン由来の繰り返し単位(A)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位および下記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選択される1種または2種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)と、を含む、積層体:
上記[1]に記載の積層体において、
上記無機層は、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、錫(Sn)、インジウム(In)、および珪素(Si)から選択される元素、並びに上記元素を含む酸化物、窒化物、窒酸化物、硫化物、リン化物、リン酸化物、リン窒化物およびリン窒酸化物からなる群から選択される1種または2種以上を含む、積層体。
上記[1]または[2]に記載の積層体において、
上記繰り返し単位(B)を構成する環状非共役ジエンが、5−ビニル−2−ノルボルネン、8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、およびジシクロペンタジエンからなる群から選択される1種または2種以上である、積層体。
上記[1]乃至[3]いずれか一つに記載の積層体において、
上記環状オレフィン共重合体(P)中に含まれる、繰り返し単位の合計モル数を100モル%としたとき、
上記繰り返し単位(A)の割合が、1モル%以上80モル%以下であり、
上記繰り返し単位(B)の割合が、0.1モル%以上45モル%以下である、積層体。
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載の積層体において、
上記環状オレフィン共重合体(P)が、下記一般式(VI)で表される1種または2種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)をさらに含む、積層体:
上記[5]に記載の積層体において、
上記環状オレフィン共重合体(P)中に含まれる、繰り返し単位の合計モル数を100モル%としたとき、
上記繰り返し単位(C)の割合が、0.1モル%以上50モル%以下である、積層体。
上記[1]乃至[6]いずれか一つに記載の積層体において、
上記無機層が、ポリシラザン膜を熱処理またはエネルギー線照射によって変性することにより得られたものである、積層体。
上記[1]乃至[7]いずれか一つに記載の積層体において、
上記基材の少なくとも一方の面に、複数の上記無機層と複数の上記樹脂層とが交互に積層してなる、積層体。
上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載の積層体において、
上記樹脂層上に、有機エレクトロルミネッセンス部材、電子ペーパー部材、および液晶表示部材から選択される電子部材がさらに設けられた、積層体。
上記[1]に記載の積層体を製造するための製造方法であって、
上記基材の少なくとも一方の面に、気相法またはウェット法により上記無機層を形成する工程と、
上記無機層上に上記樹脂層を形成する工程と、
を含む、積層体の製造方法。
上記[10]に記載の積層体の製造方法において、
上記ウェット法により上記無機層を形成する工程は、
上記基材の少なくとも一方の面に、ポリシラザン膜を形成した後、加熱処理またはエネルギー線照射によって上記ポリシラザン膜を変性する工程を含む、積層体の製造方法。
上記[11]に記載の積層体の製造方法において、
上記エネルギー線照射は、紫外線照射またはプラズマ照射である、積層体の製造方法。
まず、本実施形態に係る積層体100について説明する。図1は、本発明に係る実施形態の積層体の構造の一例を示す断面図である。
本実施形態に係る積層体100は、基材101と、基材101の少なくとも一方の面に設けられた無機層102と、無機層102上に設けられた、環状オレフィン共重合体(P)の架橋体(Q)を含む樹脂層103と、を含む。環状オレフィン共重合体(P)は、後述するオレフィン由来の繰り返し単位(A)と、環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)と、を含む。
以下、本実施形態に係る積層体100の各構成要素について説明する。
本実施形態に係る基材101としては、例えば、シリコンなどの金属基板、ガラス基板、セラミックス基板、樹脂フィルム、電子部品などが挙げられる。本実施形態に係る基材101は、これらの基材を1種または2種以上組み合わせたものも含まれる。例えば、樹脂フィルム上に電子部品を積層させたものである。
基材101としては、樹脂フィルムおよび電子部品からなる群から選択される1種または2種以上を用いるのが好ましい。基材101の厚みは、用途により適宜選択することができる。
これらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリブテンなどのポリオレフィン;環状オレフィンポリマー;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート;ポリアミドなどにより形成されるフィルムが、延伸性、透明性、剛性が良好な点から好ましい。
樹脂フィルムの厚みは、通常は1μm以上1000μm以下の範囲である。
無機層102は、例えば、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、錫(Sn)、インジウム(In)、および珪素(Si)から選択される元素を含む金属、並びに上記元素を含む酸化物、窒化物、窒酸化物、硫化物、リン化物、リン酸化物、リン窒化物およびリン窒酸化物からなる群から選択される1種または2種以上の無機化合物により形成される。これら無機化合物の中でも、上記元素を含む酸化物および窒酸化物が好ましく、透明性に優れる点から酸化アルミニウム、酸化珪素(シリカ)、珪素窒酸化物および酸化インジウムが好ましく、酸化アルミニウム、酸化珪素(シリカ)および珪素窒酸化物が特に好ましい。
(a)基材101上にポリシラザン含有液を塗布し、塗膜を形成する工程
(b)塗膜を低酸素・低水分濃度雰囲気下において乾燥し、ポリシラザン膜を形成す
る工程
(c)ポリシラザン膜に加熱処理またはエネルギー線照射を行い、ポリシラザン膜の少なくとも一部を変性する工程
工程(a)においては、基材101上に下記一般式(1)で表されるポリシラザンを含む溶液を塗布すことにより、塗膜を形成する方法が挙げられる。
上記一般式(1)において、R1〜R3はそれぞれ水素原子または炭素数が1〜10のアルキル基である。
エネルギー線照射は、例えば、0.1Paから大気圧の圧力範囲で行うことができる。
上記一般式(2)式中、Rは炭素原子数1〜22個の脂肪族基または脂環式基であり、Mは下記金属群から選択される1種または2種以上の金属であり、nは金属Mの原子価である。
上記一般式(3)式中、Mはn価の金属を表す。
上記一般式(4)中、R4〜R6は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。上記アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、トリヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミンなどが挙げられる。なお、これらアミン化合物に含まれる炭化水素鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。特に好ましいアミン化合物は、トリエチルアミン、トリペンチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミンおよびトリオクチルアミンである。
上記ハロゲン化遷移金属としては、例えば、クロロ白金酸(H2PtCl6.nH2O )、PtCl2、PtCl4、PtCl2(NH3)2、Na2(PtCl4).nH2O、[PtCl(cyclohexene)2](μ−Cl)2、RhCl3、Tris(dibutylsulfide)RhCl3、(NH4)3[RhCl6] 、RhI3、(NH3)6RhCl3 、RuCl3、[Ru(p−cymeme)Cl2]2、[Ru(benzene) Cl2]2、(NH4)2RuCl6、(NH3)4[RuCl4(H2O)]2(μ−N)、Ni(triphenylphosphine)3Br2、Mn(CO)5Br、IrCl3、(NH4)2IrCl6、FeCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、OsCl3、(NH4)2OsCl6、W(cyclopentadiene)2Cl2、などから選択される1種または2種以上である。
工程(b)においては、工程(a)で形成されたポリシラザンを含む塗膜を、低酸素・低水分濃度雰囲気下において乾燥し、ポリシラザン膜を形成する。
工程(b)の乾燥処理は、酸素濃度が20%(200,000ppm)以下、好ましくは2%(20,000ppm)、さらに好ましくは0.5%(5,000ppm)以下の範囲であり、相対湿度が70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下の範囲である、低酸素・低水分濃度雰囲気下で行われることが好ましい。なお、酸素濃度の数値範囲と、相対湿度の数値範囲とは適宜組み合わせることができる。
工程(c)においては、ポリシラザン膜に、加熱処理またはエネルギー線照射を行い、ポリシラザン膜の少なくとも一部を変性する。
加熱処理では、通常は50℃〜500℃の範囲、好ましくは100℃〜250℃の範囲で処理する。加熱処理により、ポリシラザンを酸化珪素、窒化珪素またはこれらの混合物に変質し、無機層102を形成することができる。
エネルギー線照射方法としては、プラズマ処理または紫外線処理を挙げることができ、これらを組み合わせて処理することもできる。
エネルギー線照射の波長の範囲としては、150nm以下が好ましく、30〜150nmの範囲がより好ましい。
本実施形態で用いるプラズマ処理について以下に説明する。プラズマ処理は、低圧プラズマ処理、大気圧近傍プラズマ処理がある。これらの中でも低圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理に用いるガスとしては、窒素ガスなどの不活性ガス;アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス、キセノンガスなどの希ガス;水素ガス、アンモニアガスなどの還元ガス;酸素ガスなどが挙げられる。これらの中でも、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、水素ガスなどから選択される1種または2種以上が好ましい。
低圧プラズマには、真空の密閉系内に公知の電極または導波管を配置し、直流、交流、ラジオ波あるいはマイクロ波などの電力を、電極または導波管を介して印加することにより任意のプラズマを発生させることができる。プラズマ処理時に印加する電力(W)は、電極の単位面積(cm2)あたり、好ましくは0.0001W/cm2〜100W/cm2、より好ましくは0.001W/cm2〜50W/cm2である。
低圧プラズマ処理では、上記プラズマガス種を導入し、ガス分圧500Pa〜0.1Paの低圧で行う。より好ましくは、100Pa〜0.1Paで行うとプラズマ発生効率が良い。
本実施形態で用いるプラズマの生成方式は、従来から知られた方式を用いることができる。好ましくは、幅広の基材101に形成したポリシラザン膜の処理に対応できる方式が良く、例えば、次に示す(A)〜(E)の方式が挙げられる。
高周波電力を印加した側の電極と接地側の電極との間にプラズマを生成する方式で、対向した平板電極が代表的な電極構造である。高周波電力を印加した側の電極は、平板状だけでなく、凹凸形状であっても良い。
アンテナコイルに高周波電流を流し、コイルが作る磁場による誘導電界でプラズマを生成する方式で、一般に容量結合プラズマに比べ高い電子密度(プラズマ密度)が得られるとされる。誘電体窓を介してアンテナコイルをチャンバの外に置く外部アンテナ型、アンテナコイルをチャンバ内に設置する内部アンテナ型のどちらを採用してもよい。また、幅広の基材に対応するため、アンテナコイルをアレイ状に配置するなどの工夫をしても良い。
(C)表面波プラズマ
(D)電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ
(E)ヘリコン波プラズマ
大気圧近傍プラズマ処理としては、二つの電極間にガスを通し、このガスをプラズマ化してから照射する方式や、二つの電極間に照射するポリシラザン膜付き基材を配置し、そこへガスを通してプラズマ化する方式などが挙げられる。
大気圧近傍プラズマ処理において、印加する電力(W)は、電極の単位面積(cm2)あたり、好ましくは0.0001W/cm2〜100W/cm2、より好ましくは0.001W/cm2〜50W/cm2である。大気圧プラズマ処理における、ポリシラザン膜付き基材の移動速度は、好ましくは0.001〜1000m/minであり、より好ましくは0.001〜500m/minである。
紫外線処理は、大気圧下または真空下で行うことができる。具体的には、酸素および水蒸気を実質的に含まない雰囲気下、大気圧下または真空下で行うことができる。または、紫外線処理は、酸素濃度0.5%(5000ppm)以下、好ましくは0.1%(1000ppm)以下、相対湿度0.5%以下、好ましくは0.1%以下の低酸素・低水蒸気濃度雰囲気下において行うことができる。上記の低水蒸気濃度雰囲気下(常圧)においてプラズマ処理を行う場合は、不活性ガスまたは希ガスまたは還元ガス雰囲気中にて行うことが好ましい。
ポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。具体的なポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどが挙げられる。また、具体的なポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール;ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール;アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどが挙げられる。アクリレートを構成するモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらを紫外線で硬化して使用する場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。
これらのアンダーコート層の目付量は、通常は0.05〜5.0g/m2であり、好ましくは0.1〜3.0g/m2である。
また、無機層102の表面は樹脂層103を設ける前に、コロナ処理、グロー放電処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ放電処理などの前処理をすることが望ましい。中でもコロナ処理が好適である。コロナ処理の条件は、特に限定されないが、例えば放電周波数は、5〜40kHz、中でも10〜30kHz程度を用いることもでき、波形として例えば交流正弦波がある。電極と誘電体ロールとのギャップのクリアランスを0.1〜10ミリメートル、中でも1.0〜2.0ミリメートル程度とし、処理量として0.3〜0.4KV・A・分/m2程度とすることもできる。空気中常圧で処理できる点で好適である。
本実施形態に係る樹脂層103は、環状オレフィン共重合体(P)の架橋体(Q)を含む。
また、架橋性基と無機層102との反応により、無機層102との間で高い密着性が発現する。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(P)の共重合原料の一つであるオレフィンモノマーは、付加共重合して上記一般式(I)で表される骨格を与えるモノマーであり、下記一般式(Ia)で表されるオレフィンである。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(P)の共重合原料の一つである環状非共役ジエンモノマーは付加共重合して上記一般式(II)、上記一般式(III)、または上記一般式(IV)の構成単位を形成するものである。具体的には、上記一般式(II)、上記一般式(III)、上記一般式(IV)にそれぞれ対応する一般式(IIa)、(IIIa)、(IVa)で表される環状非共役ジエンモノマーが用いられる。
また、上記環状非共役ジエンモノマー由来の繰り返し単位(B)の割合が上記範囲内であると、環状オレフィン共重合体(P)の成形性、溶解性が良好で、架橋体(Q)の製造が容易となり、製品の歩留まりが向上する。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(P)の共重合原料の一つである環状非共役ジエン以外の環状オレフィンモノマーは付加共重合して上記一般式(VI)、上記一般式(VII)または上記一般式(VIII)で表される環状非共役ジエン以外の環状オレフィン由来の構成単位(C)を形成するものである。具体的には、上記一般式(VI)、上記一般式(VII)または上記一般式(VIII)にそれぞれ対応する一般式(VIa)、(VIIa)または(VIIIa)で表される環状オレフィンモノマーが用いられる。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(P)は、鎖状ポリエンをさらに共重合してもよい。例えば、下記一般式(Va)で表される鎖状ポリエンが挙げられる。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(P)の製造方法は、例えば、国際公開第2012/0246443号パンフレットの段落0075〜0219に記載の環状オレフィン共重合体の製造方法や国際公開第2006/118261号パンフレットの段落0095〜0234に記載の環状オレフィン共重合体の製造方法にしたがって製造することができる。ここでは詳細は省略する。
本実施形態において得られた環状オレフィン共重合体(P)は、溶媒と混合することによりワニスとすることができる。上記ワニスを調整するための溶媒としては、環状オレフィン共重合体(P)に対して溶解性または親和性を示すものが好ましい。溶媒として好ましく用いられるものは、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。より好ましくはトルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレンである。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
なお、環状オレフィン共重合体(P)が得られた際の反応溶液をそのまま溶媒として用いてワニスを調製してもよい。また、環状オレフィン共重合体(P)を精製した後、別途溶媒を添加することによりワニスを調製してもよい。
本実施形態の架橋体(Q)は、上述の環状オレフィン共重合体(P)を架橋することにより得られる。環状オレフィン共重合体(P)の架橋方法としては特に制限はないが、ラジカル重合開始剤や硫黄、電子線や他の放射線を用いて、任意の形に成形しながら、または成形後に架橋する方法などが挙げられる。
架橋反応を起こすため使用される硫黄系化合物は公知の種々のものが使用でき、例えば、硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。また加硫促進剤も種々のものを使用でき、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミドなどのチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンなどのグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン反応物;ブチルアルデヒド−アニリン縮合物;ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミン、またはアルデヒド−アンモニア系;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系;チオカルバニリド、ジエチルチオユリアジブチルチオユリアなどのチオユリア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛などのジチオ酸塩系;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系;などを挙げることができる。加硫促進剤としては、酸化亜鉛、活性亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、酸化マグネシウム、リサージ、鉛丹、塩基性炭酸鉛などの金属酸化物系;ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸鉛などの脂肪酸系;トリエタノールアミン、ジエチレングリコールなどの有機アミン・グリコール系などを挙げることができる。
本実施形態の樹脂層103の製造方法としては、本実施形態の環状オレフィン共重合体(P)と有機溶媒を混合して、環状オレフィン共重合体(P)を含んだワニスを得る。次に無機層102上に塗布して乾燥後、前述した加熱処理などの架橋反応をおこなうことにより、無機層102上に樹脂層103を形成する方法が挙げられる。
ワニスの無機層102への塗布方法は特に限定されないが、例えば、スピンコーターを用いた塗布、スプレーコーターを用いた塗布、バーコーターを用いた塗布などを挙げることができる。
本実施形態に係る積層体100は、その少なくとも片面に、目的の用途に合わせて以下のような熱硬化性樹脂層、紫外線硬化性樹脂層、ハードコート樹脂層、易滑層、導電層、熱融着層、機能素子封止樹脂層をさらに積層しても良く、単一でも組み合わせても、何層か積層させても良い。
一般的な熱硬化性樹脂層や紫外線硬化性樹脂、ハードコート樹脂をコートし、加熱や紫外線や電子線などにより架橋させて形成することができる。具体的には、(メタ)アクリル樹脂や、エポキシ樹脂などである。また、これらの樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、必要に応じて、併用してもよい。
紫外線で硬化して使用する場合は、光ラジカル開始剤、光カチオン開始剤、光酸発生剤、光増感剤を混合して使用するのが好ましい。
また、熱硬化性樹脂層、紫外線硬化性樹脂層、ハードコート樹脂層には、滑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機また有機の充填剤などの各種添加剤を添加してもよい。
導電性を有する金属、セラミックス、カーボン材料を積層することで、電子部材として好適な積層体100が得られる。金属としては、特に限定されないが、金、銀、白金、銅、鉛などの金属が好適である。セラミックスでは、インジウムスズ酸化物、酸化亜鉛、酸化チタンなどが使用できる。カーボン材料では、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが使用できる。
導電層は、上記金属、セラミックスまたはカーボン材料の微粒子を水や有機溶媒に分散したペースト状の塗工液をコーティングしたり、蒸着やスパッタといった気相堆積法を用いたりして、金属またはセラミックスまたはカーボン材料の薄膜を作製することができる。
熱融着層を積層することで、熱ヒートシール可能な包装用フィルムとして好適な積層体100が得られる。このような熱融着層としては、通常熱融着層として公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1などのα−オレフィンの単独若しくは共重合体;高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体などのポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成物;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体あるいはその金属塩、EVAとポリオレフィンとの組成物;などから得られる層である。
中でも、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体から得られる熱融着層が低温ヒートシール性、ヒートシール強度に優れるので好ましい。
このような熱融着層の厚さは通常1〜50μmである。
図2は、本発明に係る実施形態の積層体の構造の一例を示す断面図である。
本実施形態に係る積層体100は、樹脂層103上に、電子部材200がさらに設けらてもよい。電子部材200は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス部材、電子ペーパー部材、および液晶表示部材から選択される電子部材である。
本実施形態に係る電子部材200は、例えば、図2に示すように、基材201と、基材201上に搭載された電子部品203と、基材201上および電子部品203を覆う封止樹脂層205とを含む。そして、電子部材200上に、基材101と無機層102と樹脂層103とを含む積層体が、樹脂層103が電子部材200側となるように配置される。
基材201としては、前述した基材101で述べた樹脂フイルムやガラスが用いられる。
電子部品203としては、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの素子;光デバイスなどの有機機能素子;無機EL素子などの無機機能素子;面状発光体;電子ペーパーなどを挙げることができる。
封止樹脂層205は、電子部品203を封止する樹脂層である。封止樹脂層205には、特に限定されないが、ヒートシール性熱可塑性樹脂や、または前述した熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂が用いられる。
封止樹脂層205は、樹脂層103と、接着積層することができる。樹脂層103と封止樹脂層205の間に、必要に応じて接着層として硬化性樹脂を用いることができる。
ヒートシール性熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、低密度ポリエチレン;エチレンと炭素数4ないし8のα−オレフィンとのランダム共重合体であるLLDPE;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系エラストマー;ブテン・エチレン共重合体などのブテン系エラストマー;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体などのエチレンと極性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
これらは、さらに、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸やエポキシ基含有モノマーなどの極性基含有モノマーで変性されたものでもよい。これらのヒートシール性熱可塑性樹脂は、ラミネートにより積層される方法、コーティングによりコート層として形成される方法がある。
このような層の中でも、コート剤としては、エチレン−ビニル酢酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸ナトリウム塩共重合体などのアイオノマーが例示される。
例えば、図3に示すように、基材101の両面に無機層102および樹脂層103が積層されていてもよい。また、図4に示すように、基材101の少なくとも一方の面に、複数の無機層102と複数の樹脂層103とが交互に積層していてもよい。
遷移金属化合物(1)
(特開2004−331965号公報に記載の方法により合成。)
シクロヘキサン(和光純薬工業社製:和光特級)
トルエン(和光純薬工業社製:和光特級)
キシレン(和光純薬工業社製:和光特級)
ジシクロペンタジエン(関東化学社製:鹿1級)
5−ビニル−2−ノルボルネン(東京化成工業社製)
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(三井化学社製)
十分に窒素置換した内容積2Lのガラス製オートクレーブにトルエン1500mL、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)5.8ml、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(TD)12.9mlを装入し、液相及び気相を100NL/hの流量のエチレンガスで飽和させた。その後、このオートクレーブにメチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で0.86mmol、引き続き、遷移金属化合物(1)0.0017mmolをトルエン1mLに溶解させて加え、重合を開始した。上記のエチレンガス雰囲気下25℃常圧で25分間反応させた後、少量のイソブチルアルコールを添加することで重合を停止した。重合終了後、反応物を、20mLの濃塩酸を加えたアセトン5600mLとメタノール1900mLの混合溶媒に投入してポリマーを全量析出させ、撹拌後濾紙でろ過した。本操作を反応物がなくなるまで繰り返して得られた全ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥した後、エチレン/TD/VNB共重合体を2.66g得た。極限粘度[η]は0.65(dL/g)、NMRにより決定したポリマー中のVNB由来構造の組成比は11.8mol%、TD由来構造の組成比は19.8mol%であった。
基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm、「A4100」、東洋紡績社製)上に、ウレタンアクリレート(ウレタンアクリレート系UV硬化塗材(新中村化学社製 商品名 UA−100)を酢酸エチルで希釈し、メイヤーバーを用いて1.2g/m2(固形分)になるように塗布し、100℃、15秒間乾燥した。次いで、コート面にUV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:250mW/cm2、積算光量:117mJ/cm2の条件で光硬化し、アンダーコート層を形成した。さらにこの上にポリシラザン(NL110A、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)の4.5wt%キシレン(脱水)溶液をバーコートし、150℃で90秒間乾燥して、厚さ0.15μmのポリシラザン膜を作製した。
プラズマ処理装置:低圧容量結合プラズマ処理装置
ガス:He
ガス流量:50mL/min
圧力:19Pa
電極単位面積あたりの印加電力:1.3W/cm2
周波数:13.56MHz
処理時間:30秒
合成例1で得られたエチレン/VNB/TD共重合体500mgをキシレン3mLに溶解させ、ワニスを得た。得られたワニスを、アプリケーターを用いて、実施例1と同様に作製した無機層上に塗布した。その後、窒素気流下送風乾燥機中で80℃30分間、その後120℃に昇温して2時間加熱して樹脂層を作製し、積層体を得た。
基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm、「A4100」、東洋紡績社製)上に、ウレタンアクリレート(ウレタンアクリレート系UV硬化塗材(新中村化学社製 商品名 UA−100)を酢酸エチルで希釈し、メイヤーバーを用いて1.2g/m2(固形分)になるように塗布し、100℃、15秒間乾燥した。
次いで、コート面にUV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:250mW/cm2、積算光量:117mJ/cm2の条件で光硬化し、アンダーコート層を形成した。さらにこの上にスパッタコーターを使用して酸化珪素の無機層を作製した。
その後、合成例1で得られたエチレン/VNB/TD共重合体500mg、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製、製品名パーヘキサ25Z)20mgをキシレン3mLに溶解させ、ワニスを得た。得られたワニスを、アプリケーターを用いて、無機層上に塗布した。その後、窒素気流下送風乾燥機中で80℃30分間、その後120℃に昇温して2時間加熱して樹脂層を作製し、積層体を得た。
架橋性基を有さない環状オレフィン系共重合体(アペル、三井化学社製〉500mgをキシレン3mLに溶解させ、ワニスを得た。得られたワニスを、アプリケーターを用いて、実施例1と同様に作製した無機層の上に塗布した。その後、窒素気流下送風乾燥機中で80℃30分間、その後120℃に昇温して2時間加熱して樹脂層を作製し、積層体を得た。
架橋性基を有さない環状オレフィン系共重合体(アペル、三井化学社製〉をキシレン3mLに溶解させ、ワニスを得た。得られたワニスを、アプリケーターを用いて、実施例3と同様に作製した無機層の上に塗布した。その後、窒素気流下送風乾燥機中で80℃30分間、その後120℃に昇温して2時間加熱して樹脂層を作製し、積層体を得た。
<評価方法>
(1)酸素透過率[ml/(m2・day・atm)]
得られた積層体の酸素透過率を、モコン社製OX−TRAN2/20を用いて、JIS K 7126に準じ、温度23℃、湿度90%RHの条件で測定した。
得られた積層体の水蒸気透過率をセンテック社製Ca腐食法水蒸気透過試験装置US710を用いて測定した。積層体片面にカルシウムを真空蒸着した後、さらに続いてカルシウムを完全にカバーするようにアルミニウムを1000nmの厚さで真空蒸着し、蒸着面に耐温熱性のある接着材を用いてガラス板と貼り合わせてサンプルを作製した。サンプルは温度60℃、湿度90%RHの雰囲気に120時間置き、積層体のカルシウム/アルミニウム被覆面の反対側から透過してきた水蒸気とカルシウムとの反応によって形成される水酸化カルシウムの腐食スポットを試験装置で観察し、腐食スポットの面積の経時での増加率から水蒸気透過量を計算した。
積層体の表面をカッターを使用して碁盤目状に軽くキズを付けた。さらにこれにセロハンテープを接着した後、剥離した。剥離後の積層体表面を光学顕微鏡にて観察し、積層体の樹脂層の剥離度合いを以下の式により評価した。X/100の数値が高いほど、接着強度は高いことを意味する。
剥離度数=X / 100
X: 剥離後に残った切片の数、100碁盤目の数(10×10)
以上の結果を表1に示す。
101 基材
102 無機層
103 樹脂層
200 電子部材
201 基材
203 電子部品
205 封止樹脂層
Claims (12)
- 基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられた無機層と、
前記無機層上に設けられた、環状オレフィン共重合体(P)の架橋体(Q)を含む樹脂層と、を含み、
前記環状オレフィン共重合体(P)が、
下記一般式(I)で表される1種または2種以上のオレフィン由来の繰り返し単位(A)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位および下記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選択される1種または2種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)と、を含む、積層体:
- 請求項1に記載の積層体において、
前記無機層は、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、錫(Sn)、インジウム(In)、および珪素(Si)から選択される元素、並びに前記元素を含む酸化物、窒化物、窒酸化物、硫化物、リン化物、リン酸化物、リン窒化物およびリン窒酸化物からなる群から選択される1種または2種以上を含む、積層体。 - 請求項1または2に記載の積層体において、
前記繰り返し単位(B)を構成する環状非共役ジエンが、5−ビニル−2−ノルボルネン、8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、およびジシクロペンタジエンからなる群から選択される1種または2種以上である、積層体。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載の積層体において、
前記環状オレフィン共重合体(P)中に含まれる、繰り返し単位の合計モル数を100モル%としたとき、
前記繰り返し単位(A)の割合が、1モル%以上80モル%以下であり、
前記繰り返し単位(B)の割合が、0.1モル%以上45モル%以下である、積層体。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載の積層体において、
前記環状オレフィン共重合体(P)が、下記一般式(VI)で表される1種または2種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)をさらに含む、積層体:
- 請求項5に記載の積層体において、
前記環状オレフィン共重合体(P)中に含まれる、繰り返し単位の合計モル数を100モル%としたとき、
前記繰り返し単位(C)の割合が、0.1モル%以上50モル%以下である、積層体。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の積層体において、
前記無機層が、ポリシラザン膜を熱処理またはエネルギー線照射によって変性することにより得られたものである、積層体。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載の積層体において、
前記基材の少なくとも一方の面に、複数の前記無機層と複数の前記樹脂層とが交互に積層してなる、積層体。 - 請求項1乃至8いずれか一項に記載の積層体において、
前記樹脂層上に、有機エレクトロルミネッセンス部材、電子ペーパー部材、および液晶表示部材から選択される電子部材がさらに設けられた、積層体。 - 請求項1に記載の積層体を製造するための製造方法であって、
前記基材の少なくとも一方の面に、気相法またはウェット法により前記無機層を形成する工程と、
前記無機層上に前記樹脂層を形成する工程と、
を含む、積層体の製造方法。 - 請求項10に記載の積層体の製造方法において、
前記ウェット法により前記無機層を形成する工程は、
前記基材の少なくとも一方の面に、ポリシラザン膜を形成した後、加熱処理またはエネルギー線照射によって前記ポリシラザン膜を変性する工程を含む、積層体の製造方法。 - 請求項11に記載の積層体の製造方法において、
前記エネルギー線照射は、紫外線照射またはプラズマ照射である、積層体の製造方法。
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