JP2005314563A - 帯電防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電防止性に優れ、且つ透明性、柔軟性及び耐衝撃性に優れる帯電防止フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下であることを特徴とする。また、本発明の他の帯電防止フィルムは、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物からなる基層と、該基層の一面に形成された帯電防止性を有する帯電防止層と、より構成され、該帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下であることを特徴とする。また、本発明の他の帯電防止フィルムは、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物からなる基層と、該基層の一面に形成された帯電防止性を有する帯電防止層と、より構成され、該帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、帯電防止フィルムに関する。更に詳しくは、帯電防止性に優れ、且つ透明性、柔軟性及び耐衝撃性に優れる帯電防止フィルムに関する。
従来、携帯電話等におけるディスプレイパネルなどの光学部品の表面には、表面保護の目的でポリエチレン、ポリプロピレン等の透明な保護フィルムが積層されている。ディスプレイ等の組込みが完了した後に、これらの保護フィルムが剥離によって除去される場合が多いが、この剥離時に静電気が発生し、周囲のゴミが巻き込まれるという問題があった。特に、近年、高精細化に対応したTFT方式による液晶ディスプレイでは、保護フィルムを剥離した際の剥離帯電によりTFT素子が破壊されてしまうという問題もある。
一方、従来より保護フィルムとして用いられているポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムは、透明性が十分とはいえず、ディスプレイが組み込まれた後に、製品の欠陥検査等を行う際、その保護フィルムの透明性が不十分であるために欠陥検査を精度良く行うことができないことがあった。
このような課題を解決するための保護フィルムとしては、一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材フィルムと、その基材フィルムの一方の面に形成された帯電防止層と、その基材フィルムの他方の面に形成されたアクリル系粘着層とにより構成される保護フィルム等が知られている(特許文献1参照)。また、基材フィルムの片面に微粘着層を有し、もう一方の面に帯電防止性の耐溶剤層を有するフィルム等が知られている(特許文献2参照)。
一方、従来より保護フィルムとして用いられているポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムは、透明性が十分とはいえず、ディスプレイが組み込まれた後に、製品の欠陥検査等を行う際、その保護フィルムの透明性が不十分であるために欠陥検査を精度良く行うことができないことがあった。
このような課題を解決するための保護フィルムとしては、一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材フィルムと、その基材フィルムの一方の面に形成された帯電防止層と、その基材フィルムの他方の面に形成されたアクリル系粘着層とにより構成される保護フィルム等が知られている(特許文献1参照)。また、基材フィルムの片面に微粘着層を有し、もう一方の面に帯電防止性の耐溶剤層を有するフィルム等が知られている(特許文献2参照)。
上記保護フィルム等により保護される光学部品には精密なものが多く、用途においては、帯電防止性及び透明性と共に、より耐衝撃性に優れるものが求められている。しかし、上記特許文献1及び2のフィルムにおいては、耐衝撃性に関して言及されていない。更には、製品の製造時において、色調による識別等を可能にし、作業効率の向上を図るという観点等から、着色性に優れていることも求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、帯電防止性に優れ、且つ透明性、柔軟性及び耐衝撃性に優れる帯電防止フィルムを提供することを目的とする。
本発明は以下に示される。
1.エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
2.上記エラストマー組成物は、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含む上記1に記載の帯電防止フィルム。
3.上記エラストマー組成物は、低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤及び導電性フィラーから選ばれる少なくとも1種の帯電防止剤を含む上記1又は2に記載の帯電防止フィルム。
4.ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物からなる基層と、該基層の一面に形成された帯電防止性を有する帯電防止層と、より構成され、該帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
5.本帯電防止フィルムを厚さ0.5mmとした場合、その全光線透過率は90%以上である上記1乃至4のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
6.本帯電防止フィルムの一面に粘着性を有する上記1乃至5のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
7.上記ジエン系重合体は、スチレン・ブタジエン共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレン共重合体及びその水素添加物、ブタジエンブロック共重合体及びその水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、並びに、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる少なくとも1種である上記2乃至6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
8.上記ジエン系重合体は、共役ジエン系ブロック重合体の水素添加物であり、該水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有する共役ジエン系ブロック重合体中の、オレフィン性不飽和結合が水素添加されたものである上記2乃至7のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
9.上記エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基及びニトリル基から選ばれる官能基を有する上記2乃至6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
10.上記エラストマー組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含む上記9に記載の帯電防止フィルム。
11.上記エラストマー組成物は、着色剤を含む上記1乃至10のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
12.携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン及び時計用である上記1乃至11のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
1.エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
2.上記エラストマー組成物は、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含む上記1に記載の帯電防止フィルム。
3.上記エラストマー組成物は、低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤及び導電性フィラーから選ばれる少なくとも1種の帯電防止剤を含む上記1又は2に記載の帯電防止フィルム。
4.ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物からなる基層と、該基層の一面に形成された帯電防止性を有する帯電防止層と、より構成され、該帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
5.本帯電防止フィルムを厚さ0.5mmとした場合、その全光線透過率は90%以上である上記1乃至4のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
6.本帯電防止フィルムの一面に粘着性を有する上記1乃至5のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
7.上記ジエン系重合体は、スチレン・ブタジエン共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレン共重合体及びその水素添加物、ブタジエンブロック共重合体及びその水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、並びに、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる少なくとも1種である上記2乃至6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
8.上記ジエン系重合体は、共役ジエン系ブロック重合体の水素添加物であり、該水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有する共役ジエン系ブロック重合体中の、オレフィン性不飽和結合が水素添加されたものである上記2乃至7のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
9.上記エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基及びニトリル基から選ばれる官能基を有する上記2乃至6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
10.上記エラストマー組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含む上記9に記載の帯電防止フィルム。
11.上記エラストマー組成物は、着色剤を含む上記1乃至10のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
12.携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン及び時計用である上記1乃至11のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなり、特定の範囲の表面固有抵抗値及び剪断貯蔵弾性率(G’)を有するため、帯電防止性に優れ、且つ優れた柔軟性を有する。
また、エラストマー組成物が、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる重合体を含む場合には、透明性、耐衝撃性、耐熱性、着色性及び剥離性に優れる帯電防止フィルムとなる。
本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなる基層と、この基層の一面に形成された特定の範囲の表面固有抵抗値を有する帯電防止層と、より構成されるため、帯電防止性に優れ、且つ優れた柔軟性を有する。
また、エラストマー組成物が特定の重合体を含む場合には、透明性、耐衝撃性、耐熱性、着色性及び剥離性により優れる帯電防止フィルムとなる。
更に、エラストマー組成物が金属イオン及び/又は金属化合物を含む場合には、耐熱性及び剥離性により優れる帯電防止フィルムとなる。
また、エラストマー組成物が着色剤を含む場合には、製品あるいは製造段階のものの種類を容易に判別することができる。
また、エラストマー組成物が、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる重合体を含む場合には、透明性、耐衝撃性、耐熱性、着色性及び剥離性に優れる帯電防止フィルムとなる。
本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなる基層と、この基層の一面に形成された特定の範囲の表面固有抵抗値を有する帯電防止層と、より構成されるため、帯電防止性に優れ、且つ優れた柔軟性を有する。
また、エラストマー組成物が特定の重合体を含む場合には、透明性、耐衝撃性、耐熱性、着色性及び剥離性により優れる帯電防止フィルムとなる。
更に、エラストマー組成物が金属イオン及び/又は金属化合物を含む場合には、耐熱性及び剥離性により優れる帯電防止フィルムとなる。
また、エラストマー組成物が着色剤を含む場合には、製品あるいは製造段階のものの種類を容易に判別することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下である。
本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは、エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下である。
上記「エラストマー組成物」は特に限定されないが、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むことが好ましい。尚、このエラストマー組成物は、これらの重合体と、他の成分とを含むものであってもよいし、これらの重合体のみであってもよい。従って、本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは、これらの重合体と、他の成分とを含むエラストマー組成物から形成されるものであってもよいし、これらの重合体のみで構成されるエラストマー組成物から形成されるものであってもよい。
上記ジエン系重合体としては、共役ジエンを用いてなる重合体が好ましく、共役ジエンの単独重合体、共重合体であってもよいし、共役ジエンと他の単量体との共重合体であってもよい。また、単独重合体と共重合体とを組み合わせて用いてもよい。
上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレン及び1,3−ペンタジエンが好ましく、特に1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、共重合体とする場合の他の単量体としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;ビニルピリジン等の窒素原子含有ビニル化合物等が挙げられる。これらのうち、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記ジエン系重合体が共役ジエンと他の単量体との共重合体である場合、共役ジエン単位は、ランダム、テーパー(分子鎖に沿って単量体が増加又は減少するもの)及び一部ブロックから選ばれる分布であってよい。
上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレン及び1,3−ペンタジエンが好ましく、特に1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、共重合体とする場合の他の単量体としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;ビニルピリジン等の窒素原子含有ビニル化合物等が挙げられる。これらのうち、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記ジエン系重合体が共役ジエンと他の単量体との共重合体である場合、共役ジエン単位は、ランダム、テーパー(分子鎖に沿って単量体が増加又は減少するもの)及び一部ブロックから選ばれる分布であってよい。
上記ジエン系重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・イソプレン重合体、アクロルニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられるが、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体等の共役ジエン系ブロック共重合体であってもよい。この共役ジエン系ブロック共重合体は、共役ジエンの共重合体であってもよいし、上記のように共役ジエンと、芳香族ビニル化合物等の1種以上の他の単量体との共重合体であってもよい。従って、このブロック共重合体のブロック構造としては、(A−B)mA、(B−A)mB、(A−B−A)m、(B−A−B)m等が挙げられ、更に、(A−B)mX、(B−A)mX、(A−B−A)mX、(B−A−B)mX等のように、カップリング剤残基Xを介して重合体分子鎖が延長又は分岐されたものでもよい。各一般式において、「A」は共役ジエン単位を主体とするブロック、「B」は他の共役ジエン単位又は他の単量体単位を主体とするブロック、mは1以上の整数である。尚、本発明に関わるジエン系重合体は、上記重合体の水素添加物(水素添加重合体)であってもよい。水素添加物を用いる場合のその水素添加率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。水素添加率が高いほど、得られる帯電防止フィルムの耐光性、形状保持性及び力学的性質を向上させることができる。
本発明に関わる上記ジエン系重合体としては、共役ジエン系ブロック重合体の水素添加物を用いることが好ましい。この水素添加物とするための共役ジエン系ブロック重合体としては、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有するジエン系ブロック重合体(以下、「重合体(P)」という。)が好ましい。
上記ブタジエン重合体ブロック(I)において、ビニル結合(1,2−ビニル結合)の含量は、好ましくは25%未満、より好ましくは5〜20%、更に好ましくは7〜19%である。従って、上記ブタジエン重合体ブロック(I)は、水素添加によりエチレン・ブテン共重合体に類似した構造を示す結晶性のブロックとなる。ビニル結合含量を上記範囲とすることにより、得られる帯電防止フィルムの力学的性質及び形状保持性を向上させることができる。
また、上記重合体ブロック(II)は、共役ジエン単位のみからなるブロックであってもよいし、共役ジエン単位(a1)と他の単量体単位(a2)とからなるブロックであってもよい。共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合(a1)/(a2)は、好ましくは(100〜50)/(0〜50)であり、より好ましくは(100〜70)/(0〜30)、更に好ましくは(100〜90)/(0〜10)である。このような範囲とすることにより、粘弾性に優れた帯電防止フィルムを得ることができる。
尚、上記重合体ブロック(II)において、ビニル結合(1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合)の含量は、好ましくは25〜95%であり、より好ましくは25〜90%、更に好ましくは30〜85%である。
尚、上記重合体ブロック(II)において、ビニル結合(1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合)の含量は、好ましくは25〜95%であり、より好ましくは25〜90%、更に好ましくは30〜85%である。
従って、上記重合体(P)としては、ブタジエン重合体ブロック(I)を「A1」、重合体ブロック(II)を「B1」とした場合、(A1−B1)m1、(A1−B1)m2−A1、(B1−A1)m3−B1等で表されるものを用いることができる。各一般式において、m1〜m3は1以上の整数を示す。
また、上記重合体(P)は、トリブロック以上のブロックを有する共重合体であると、水素添加物とした場合に、更に形状保持性及び力学的性質により優れる帯電防止フィルムを得ることができる。従って、上記一般式において、m1は、2以上の整数であることが好ましい。
また、上記重合体(P)は、トリブロック以上のブロックを有する共重合体であると、水素添加物とした場合に、更に形状保持性及び力学的性質により優れる帯電防止フィルムを得ることができる。従って、上記一般式において、m1は、2以上の整数であることが好ましい。
尚、上記重合体(P)は、上記ブタジエン重合体ブロック(I)及び上記重合体ブロック(II)をそれぞれ分子中に少なくとも1つ有していればよく、これら以外に、他のブロック、例えば、共役ジエン単位以外の他の単量体単位からなるブロックを有する重合体であってもよい。
上記重合体(P)を構成する上記ブタジエン重合体ブロック(I)及び上記重合体ブロック(II)の含有割合(I)/(II)は、好ましくは(5〜60)/(95〜40)、より好ましくは(7〜55)/(93〜45)、更に好ましくは(7〜50)/(93〜50)である。上記各ブロックの含有割合を上記範囲とすることにより、水素添加物とした場合に、形状保持性及び力学的性質に特に優れた帯電防止フィルムを得ることができる。
尚、上記重合体(P)においても、(A1−B1)nX、(B1−A1)nX、(A1−B1−A1)nX、(B1−A1−B1)nX等のように、カップリング剤残基Xを介して重合体分子鎖が延長又は分岐されたものでもよい。各一般式において、nは2以上の整数を示す。また、上記各一般式において、nが3以上のとき、水素添加物とした場合に、形状保持性、ホットメルト粘・接着性に優れた帯電防止フィルムを得ることができる。
上記カップリング剤としては、1,2−ジブロモエタン、メチルジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化アマニ油、テトラクロロゲルマニウム、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ブチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン等が挙げられる。
上記カップリング剤としては、1,2−ジブロモエタン、メチルジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化アマニ油、テトラクロロゲルマニウム、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ブチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン等が挙げられる。
上記重合体(P)の水素添加は、ブロック中のオレフィン性不飽和結合に対して行い、水素添加率を、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上と高くすることで、得られる水素添加物により帯電防止フィルムの耐光性、形状保持性及び力学的性質を向上させることができる。尚、上記重合体(P)の水素添加は、特開平2−133406号公報、特開平3−128957号公報、特開平5−170844号公報等に開示される方法等によって行うことができる。
また、上記イソブチレン・イソプレン共重合体は、一般に「ブチルゴム」として用いられるものであるが、イソブチレン及びイソプレンと、更に他の単量体、例えば極性基を有する化合物(以下、「極性基含有化合物」ともいう。)との共重合体であってもよい。更にはこの極性基含有化合物等による部分架橋共重合体等であってもよい。
上記極性基含有化合物としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基及びニトリル基等から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物を用いることができる。
また、上記部分架橋共重合体は、これらの極性基含有化合物に多官能性不飽和結合を有する化合物を共重合することにより得られるが、この化合物としては、多価アリル化合物、多価(メタ)アクリレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合物、ジオキシム化合物等が挙げられる。
また、上記部分架橋共重合体は、これらの極性基含有化合物に多官能性不飽和結合を有する化合物を共重合することにより得られるが、この化合物としては、多価アリル化合物、多価(メタ)アクリレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合物、ジオキシム化合物等が挙げられる。
上記ブチルゴムとしては、イソブチレン・イソプレン共重合体等がハロゲン化された塩素化イソブチレン・イソプレン共重合体、臭素化イソブチレン・イソプレン共重合体等であってもよい。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体におけるα−オレフィンは、エチレンを除くα−オレフィンであるものとする。このα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等が挙げられ、炭素数が3〜12であるα−オレフィンが好ましく、特に、プロピレン及び1−ブテンが好ましい。尚、上記例示したα−オレフィンは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・3−エチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、エチレン・1−ウンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、エチレン・プロピレン共重合体及びエチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。尚、上記例示したエチレン・α−オレフィン共重合体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・3−エチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、エチレン・1−ウンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、エチレン・プロピレン共重合体及びエチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。尚、上記例示したエチレン・α−オレフィン共重合体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体とする場合の上記非共役ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体としては、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体としては、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、上記エチレン・α−オレフィン共重合体及び上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、各重合体中に、他の単量体(a)からなる単量体単位を含有する重合体であってもよい。他の単量体(a)としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、ニトリル基等の官能基を有する不飽和化合物が好ましい。このような不飽和化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記不飽和化合物の使用量は、全単量体に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
カルボキシル基を有する不飽和化合物としては、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、下記一般式(1)で表される環式化合物等を用いることができる。
(上記一般式(1)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は−COOHであり、Y1、Y2及びY3のうち少なくとも1つは−COOHであり、また、Y1、Y2及びY3のうち2つ以上が−COOHである場合は、それらは互いに連結して形成された酸無水物(−CO−(O)−CO−)であってもよい。pは0〜2の整数であり、qは0〜5の整数である。)
上記環式化合物としては、5,6−ジメチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、8,9−ジメチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)で表される化合物を用いる場合のその使用量は、全単量体に対して、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
上記一般式(1)で表される化合物を共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。また、共重合により得られたランダム共重合体の、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは、好ましくは1,000〜3,000,000、より好ましくは3,000〜1,000,000、更に好ましくは5,000〜700,000である。
上記一般式(1)で表される化合物を共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。また、共重合により得られたランダム共重合体の、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは、好ましくは1,000〜3,000,000、より好ましくは3,000〜1,000,000、更に好ましくは5,000〜700,000である。
上記例示したエチレン・α−オレフィン共重合体及び上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の第1の観点の帯電防止フィルムに関わるエラストマー組成物は、得られる帯電防止フィルムの表面固有抵抗値を低下させるために、帯電防止剤を含むものとすることができる。
この帯電防止剤としては、帯電防止効果がある化合物であれば特に制限されないが、好ましくは低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤及び導電性フィラーが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記低分子型帯電防止剤としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノラウリレートなどのグリセリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなどのアニオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルベンジルアンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤等が挙げられる。
上記高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド・エピクロルヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体などのポリエーテル系ポリマー、第4級アンモニウム塩含有(メタ)アクリレート共重合体、第4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体などの第4級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリスチレンスルホン酸塩などのスルホン酸塩含有ポリマー等が挙げられる。
上記導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどのカーボン、ニッケル、銅、銀、金などの金属粒子、金属ワイヤー等が挙げられる。
上記帯電防止剤の使用量は特に限定されないが、上記エラストマー組成物に含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.1〜25質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.1〜15質量部である。
この帯電防止剤としては、帯電防止効果がある化合物であれば特に制限されないが、好ましくは低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤及び導電性フィラーが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記低分子型帯電防止剤としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノラウリレートなどのグリセリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなどのアニオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルベンジルアンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤等が挙げられる。
上記高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド・エピクロルヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体などのポリエーテル系ポリマー、第4級アンモニウム塩含有(メタ)アクリレート共重合体、第4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体などの第4級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリスチレンスルホン酸塩などのスルホン酸塩含有ポリマー等が挙げられる。
上記導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどのカーボン、ニッケル、銅、銀、金などの金属粒子、金属ワイヤー等が挙げられる。
上記帯電防止剤の使用量は特に限定されないが、上記エラストマー組成物に含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.1〜25質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.1〜15質量部である。
尚、本発明に関わるエラストマー組成物に含有される重合体は、上記例示した重合体に加え、アクリル系重合体、ウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ素系重合体、シリコーン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、エポキシ系重合体等の重合体を任意に組み合わせて用いることもできる。
更に、本発明に関わるエラストマー組成物は、上記例示した重合体のみからなるものであってもよいし、帯電防止フィルムの透明性を損なわない範囲で添加剤等を含有するものであってもよい。添加剤としては、軟化剤、可塑剤、滑剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、難燃剤、防菌・防かび剤、耐候剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、造核剤、顔料、染料、有機フィラー、無機フィラー、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
また、本発明の帯電防止フィルムは、透明性を有するのみならず、柔軟性をも有するが、上記エラストマー組成物に含有される重合体を単独で用いる場合と、上記エラストマー組成物に含有される重合体の少なくとも一部を架橋させて用いる場合とがあり、後者の場合には架橋構造を有することで、得られる帯電防止フィルムの耐熱性及び剥離性がより向上する。更には、粘着性を付与することができる。
上記エラストマー組成物に含有される重合体の少なくとも一部を架橋させる場合には、架橋剤が用いられる。例えば、有機過酸化物、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ベイゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボナート、t−ブチルパーオキシアリルカーボナート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ベイゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボナート、t−ブチルパーオキシアリルカーボナート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体に化学的架橋構造又はそれと類似した拘束点を有する構造を形成させる場合には、金属イオン、金属化合物等を用いることができる。この金属イオンは、以下に例示する元素のイオン及びこの元素を含む金属化合物のイオンも意味する。この金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ルビジウム、チタン、亜鉛、銅、鉄、錫、鉛、ジルコニウム等周期表第I〜VIII族の元素等が挙げられる。これらの元素を含むイオンは、上記で得られたランダム共重合体中の官能基に対するイオン結合あるいは静電的な結合により共重合体どうしの間に架橋構造を形成することもできる。尚、上記金属化合物のイオンとするための物質としては、各金属の酸化物、水酸化物、塩、錯体、金属元素を含む有機化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、CuO、MgO、BaO、ZnO、Al2O3、Fe2O3、SnO、CaO、TiO2等の金属酸化物、LiOH、NaOH、KOH、Cu(OH)2、Cu2O(OH)2、Mg(OH)2、Mg2O(OH)2、Ba(OH)2、Zn(OH)2、Sn(OH)2、Ca(OH)2等の金属水酸化物等が挙げられる。
また、金属元素を含む有機化合物は、有機基を有する金属化合物であればよく、金属−炭素結合を有する化合物の他、金属−有機基中のヘテロ原子(酸素等)結合を有する化合物、有機化合物の金属塩、錯体等も含む。上記金属元素を有する有機化合物として具体的には、例えば、金属アルコキシド、アルキルアルコキシ金属化合物[アルキル(エチル等)トリアルコキシ金属化合物、ジアルキル(エチル等)ジアルコキシ金属化合物、トリアルキル(エチル等)アルコキシ金属化合物]、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。上記金属アルコキシドを構成するアルコキシドの炭素数は、通常1〜8、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、より具体的には、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。更に、上記金属元素を有する有機化合物としてより具体的には、例えば、ジルコニウムブトキシド〔Zr(OBu)4〕、チタンブトキシド〔Ti(OBu)4〕、アルミニウムブトキシド〔Al(OBu)4〕、及び亜鉛ブトキシド〔Zn(OBu)4〕等が挙げられる。
具体的には、例えば、CuO、MgO、BaO、ZnO、Al2O3、Fe2O3、SnO、CaO、TiO2等の金属酸化物、LiOH、NaOH、KOH、Cu(OH)2、Cu2O(OH)2、Mg(OH)2、Mg2O(OH)2、Ba(OH)2、Zn(OH)2、Sn(OH)2、Ca(OH)2等の金属水酸化物等が挙げられる。
また、金属元素を含む有機化合物は、有機基を有する金属化合物であればよく、金属−炭素結合を有する化合物の他、金属−有機基中のヘテロ原子(酸素等)結合を有する化合物、有機化合物の金属塩、錯体等も含む。上記金属元素を有する有機化合物として具体的には、例えば、金属アルコキシド、アルキルアルコキシ金属化合物[アルキル(エチル等)トリアルコキシ金属化合物、ジアルキル(エチル等)ジアルコキシ金属化合物、トリアルキル(エチル等)アルコキシ金属化合物]、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。上記金属アルコキシドを構成するアルコキシドの炭素数は、通常1〜8、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、より具体的には、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。更に、上記金属元素を有する有機化合物としてより具体的には、例えば、ジルコニウムブトキシド〔Zr(OBu)4〕、チタンブトキシド〔Ti(OBu)4〕、アルミニウムブトキシド〔Al(OBu)4〕、及び亜鉛ブトキシド〔Zn(OBu)4〕等が挙げられる。
上記イオンとするための物質の使用量は、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体を構成する環式化合物より形成された単位の1当量に対し、好ましくは0.01〜50当量、より好ましくは0.1〜10当量、特に好ましくは0.2〜5当量である。上記イオンとするための物質の使用量が少なすぎると、得られる帯電防止フィルムは、架橋密度又は拘束点密度が低く、機械的強度及び耐熱性に劣る傾向がある。一方、使用量が多すぎると、得られる帯電防止フィルムは、架橋密度又は拘束点密度が高くなり、硬度が高すぎて脆いものとなることがある。
更に、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体に対する、上記イオンとするための物質の混和性及び得られる帯電防止フィルムの耐熱性を向上させるために、上記イオンとするための物質以外に、活性剤としてカルボン酸等の有機酸の金属塩を添加してもよい。このカルボン酸の金属塩としては、炭素数3〜23の1価のカルボン酸の金属塩を用いることが好ましい。
また、活性剤として用いられる金属塩における金属元素としては、上記イオンとするための物質を構成する金属元素から選択すればよいが、上記イオンとするための物質を構成する金属元素と同種の元素を含む金属塩を用いることが好ましい。
また、活性剤として用いられる金属塩における金属元素としては、上記イオンとするための物質を構成する金属元素から選択すればよいが、上記イオンとするための物質を構成する金属元素と同種の元素を含む金属塩を用いることが好ましい。
上記着色剤としては、公知の顔料、染料を用いることができる。これらは、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。着色剤を用いることによって、製造途中のものや製品の種類を容易に判別することが可能となる。
上記着色剤の使用量は、上記エラストマー組成物に含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.0001〜5質量部、より好ましくは0.0005〜1質量部、更に好ましくは0.001〜1質量部、特に好ましくは0.001〜0.5質量部である。
上記着色剤の使用量は、上記エラストマー組成物に含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.0001〜5質量部、より好ましくは0.0005〜1質量部、更に好ましくは0.001〜1質量部、特に好ましくは0.001〜0.5質量部である。
また、本発明においては、上記エラストマー組成物に、液状材料を含有させてもよい。この場合、より柔軟性を有する帯電防止フィルムとすることができる。更には、粘着性を付与することができる。
この液状材料としては、40℃における動粘度が好ましくは500mm2/s(1mm2/s=10cSt)以下、より好ましくは400mm2/s以下、更に好ましくは0.1〜100mm2/sであるものであれば、上記添加剤成分等をそのまま用いることができる。即ち、上記液状材料としては、動粘度が上記条件を満たす物質であれば、軟化剤、可塑剤、滑剤、液状重合体等を好適に用いることができる。
この液状材料としては、40℃における動粘度が好ましくは500mm2/s(1mm2/s=10cSt)以下、より好ましくは400mm2/s以下、更に好ましくは0.1〜100mm2/sであるものであれば、上記添加剤成分等をそのまま用いることができる。即ち、上記液状材料としては、動粘度が上記条件を満たす物質であれば、軟化剤、可塑剤、滑剤、液状重合体等を好適に用いることができる。
軟化剤としては、パラフィン系油等の天然又は合成の石油系軟化剤、エチレン・α−オレフィン系オリゴマー、ギルソナイト等の鉱物油系軟化剤、オレイン酸、リシノール酸等の脂肪酸等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバシン酸誘導体、フマル酸誘導体、クエン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、リン酸誘導体、マレイン酸誘導体等の各種脂肪酸の誘導体等が挙げられる。
滑剤としては、パラフィン系滑剤、炭化水素系滑剤、金属セッケン等が挙げられる。
また、液状重合体としては、液状ポリブタジエン、液状スチレン・ブタジエンゴム等の液状ゴム、ポリイソブチレン、シリコーンオイル等が挙げられる。
上記例示した液状材料は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバシン酸誘導体、フマル酸誘導体、クエン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、リン酸誘導体、マレイン酸誘導体等の各種脂肪酸の誘導体等が挙げられる。
滑剤としては、パラフィン系滑剤、炭化水素系滑剤、金属セッケン等が挙げられる。
また、液状重合体としては、液状ポリブタジエン、液状スチレン・ブタジエンゴム等の液状ゴム、ポリイソブチレン、シリコーンオイル等が挙げられる。
上記例示した液状材料は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記液状材料を用いる場合のその使用量は、上記エラストマー組成物に含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは50〜5000質量部、より好ましくは50〜4000質量部、更に好ましくは50〜3000質量部、特に好ましくは70〜2000質量部である。上記液状材料の配合量が50質量部未満であると、所望の弾性率を有する帯電防止フィルムが得られない場合がある。一方、上記液状材料の配合量が5000質量部を超えると、フィルムから液状材料がにじみ出ることがあり、透明性を維持することが困難になる場合がある。
本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは優れた帯電防止性を有する。具体的には、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、好ましくは1×102〜1×1012Ω/□、より好ましくは1×103〜1×1010Ω/□である。この表面固有抵抗値が1×1013Ω/□を超える場合、十分な帯電防止性を得ることができない。尚、上記表面固有抵抗値は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
また、本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは優れた柔軟性を有する。具体的には、温度30℃及び周波数1Hzでの条件下、動的粘弾性測定により得られる剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下であり、好ましくは1×109dyn/cm2以下、より好ましくは1×108dyn/cm2以下(通常、1dyn/cm2以上)である。この剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2を超える場合、十分な柔軟性が得られず、被着物に対する衝撃を十分に吸収することができない。尚、上記剪断貯蔵弾性率は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
更に、本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは透明性に優れる。例えば、この帯電防止フィルムを厚さ0.5mmとした場合、その全光線透過率を好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、更に好ましくは92%以上とすることができる。上記全光線透過率は、広い温度範囲で得ることができ、例えば、−100〜110℃、好ましくは−50〜100℃で得ることができる。尚、全光線透過率は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
また、本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは耐熱性にも優れており、好ましくは−80〜110℃、より好ましくは−50〜100℃において、柔軟性、透明性及び形状保持性を併せ持つ。従って、本発明の帯電防止フィルムは、常温のみならず、0℃以下の低温時における使用にも好適である。
本発明の第1の観点の帯電防止フィルムは、上記エラストマー組成物を用い、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成型、真空成形、積層成形、カレンダー成形、キャスト成形、コーター成形、ロール成形、Tダイコーター、Tダイ押出成形、注入成形等の公知の方法によって得ることができる。
この帯電防止フィルムの厚さについては特に限定はなく、用途等の必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、本発明の帯電防止フィルムの厚さは1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、更に好ましくは1〜100μmである。
この帯電防止フィルムの厚さについては特に限定はなく、用途等の必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、本発明の帯電防止フィルムの厚さは1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、更に好ましくは1〜100μmである。
本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物からなる基層と、該基層の一面に形成された帯電防止性を有する帯電防止層と、より構成され、該帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下である。
上記「エラストマー組成物」は、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むものであり、これらの重合体と、他の成分とを含むものであってもよいし、これらの重合体のみであってもよい。
従って、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムにおける基層は、これらの重合体と、他の成分とを含むエラストマー組成物から形成されるものであってもよいし、これらの重合体のみで構成されるエラストマー組成物から形成されるものであってもよい。
また、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムにおける上記重合体を含むエラストマー組成物については、前記第1の観点の帯電防止フィルムにおける説明をそのまま適用することができる。
上記「エラストマー組成物」は、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むものであり、これらの重合体と、他の成分とを含むものであってもよいし、これらの重合体のみであってもよい。
従って、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムにおける基層は、これらの重合体と、他の成分とを含むエラストマー組成物から形成されるものであってもよいし、これらの重合体のみで構成されるエラストマー組成物から形成されるものであってもよい。
また、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムにおける上記重合体を含むエラストマー組成物については、前記第1の観点の帯電防止フィルムにおける説明をそのまま適用することができる。
また、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムにおける「帯電防止層」は、通常、粘着剤成分と帯電防止剤とを含む組成物よりなり、粘着性を有するものである。
この粘着剤成分としては、例えば、アクリル系、ゴム系及びウレタン系等の粘着剤を用いることができる。また、これらの粘着剤の硬化機構は、熱硬化型、UV硬化型、EB硬化型、ホットメルト型等のいずれであってもよい。
また、帯電防止剤としては、上記例示したものを用いることができる。
この粘着剤成分としては、例えば、アクリル系、ゴム系及びウレタン系等の粘着剤を用いることができる。また、これらの粘着剤の硬化機構は、熱硬化型、UV硬化型、EB硬化型、ホットメルト型等のいずれであってもよい。
また、帯電防止剤としては、上記例示したものを用いることができる。
本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは優れた帯電防止性を有する。具体的には、帯電防止フィルムにおける帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、好ましくは1×102〜1×1012Ω/□、より好ましくは1×103〜1×1010Ω/□である。この表面固有抵抗値が1×1013Ω/□を超える場合、十分な帯電防止性を得ることができない。尚、上記表面固有抵抗値は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
また、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは透明性に優れる。例えば、この帯電防止フィルムを厚さ0.5mmとした場合、その全光線透過率を好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、更に好ましくは92%以上とすることができる。上記全光線透過率は、広い温度範囲で得ることができ、例えば、−100〜110℃、好ましくは−50〜100℃で得ることができる。尚、全光線透過率は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
更に、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは柔軟性に優れる。例えば、温度30℃及び周波数1Hzでの条件下、動的粘弾性測定により得られる剪断貯蔵弾性率(G’)を好ましくは1×1010dyn/cm2以下、より好ましくは1×109dyn/cm2以下、更に好ましくは1×108dyn/cm2以下(通常、1dyn/cm2以上)とすることができる。この剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下である場合、十分な柔軟性を得ることができ、被着物に対する衝撃を十分に吸収することができる。尚、上記剪断貯蔵弾性率は、実施例記載の方法により測定した値を示す。
また、本発明の第2の観点の帯電防止フィルムは耐熱性にも優れており、好ましくは−80〜110℃、より好ましくは−50〜100℃において、柔軟性、透明性及び形状保持性を併せ持つ。従って、本発明の帯電防止フィルムは、常温のみならず、0℃以下の低温時における使用にも好適である。
この帯電防止フィルムは、上記エラストマー組成物を用い、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成型、真空成形、積層成形、カレンダー成形、キャスト成形、コーター成形、ロール成形、Tダイコーター、Tダイ押出成形、注入成形等の公知の方法によって得られる基層上に、上記粘着剤成分と帯電防止剤とを含む組成物を用い、帯電防止層を形成することで得ることができる。また、この帯電防止フィルムは、T−ダイ押出法等の方法により、基層と帯電防止層とを同時に成形して得ることもできる。
また、上記帯電防止層の厚さについては特に限定はなく、用途等の必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、帯電防止層の厚さは1〜200μm、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜50μmである。
更に、基層と帯電防止層の厚さの合計についても特に限定はなく、用途等の必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、基層と帯電防止層の厚さの合計は、1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、更に好ましくは1〜100μmである。
また、上記帯電防止層の厚さについては特に限定はなく、用途等の必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、帯電防止層の厚さは1〜200μm、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜50μmである。
更に、基層と帯電防止層の厚さの合計についても特に限定はなく、用途等の必要に応じて種々の範囲とすることができる。通常、基層と帯電防止層の厚さの合計は、1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、更に好ましくは1〜100μmである。
また、本発明の第1及び第2の観点の帯電防止フィルムは、帯電防止性に優れ、且つ透明性、柔軟性及び耐衝撃性に優れているという特性を有する。更には、耐熱性、着色性及び剥離性に優れている。よって、本発明の第1及び第2の観点の帯電防止フィルムは、これらの特性が要求される様々な用途、部材に使用することができる。これらの帯電防止フィルムは、例えば、電子・電気機器、医療機器、事務機器部品等の種々の用途に使用することができる。より具体的には、例えば、電子・電気機器等のディスプレイパネル、包装材、各種機器における透明表示部材等に使用することができる。
更に、これらの帯電防止フィルムは、特に電子・電気機器等のディスプレイパネルに好適に使用することができる。上記ディスプレイパネルの用途は特に限定されず、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ等のディスプレイ機能単体の用途の他、携帯電話、携帯情報端末(いわゆるPDA、モバイル機器を含む)、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン、時計及び測定機器等に組み込む用途を例示することができる。更に、携行及び据置等の形態を問わない。また、上記ディスプレイパネルは、板状ディスプレイパネルであれば好ましいが、その形状は問わない。例えば、平坦でもよいし、湾曲していてもかまわない。更に、ディスプレイパネルの種類の例として、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイパネル等を挙げることができる。
また、本発明の第1及び第2の観点の帯電防止フィルムは、製品の帯電防止だけでなく、製造段階のものにも好適に使用することができる。この場合、種類の判別等が容易となる。また、従来のものよりも透明性に優れるため、欠陥検査等の精度を向上させることができる。
また、本発明の第1及び第2の観点の帯電防止フィルムは、製品の帯電防止だけでなく、製造段階のものにも好適に使用することができる。この場合、種類の判別等が容易となる。また、従来のものよりも透明性に優れるため、欠陥検査等の精度を向上させることができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
1.エラストマー組成物の調製
以下に示す方法で得た重合体及び液状材料を用いて表1に記載の割合で混合し、エラストマー組成物(i)〜(x)を調製した。
1−1.重合体
(1)ブタジエンブロック重合体の水素添加物(A1)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム3.9gを投入し、70℃で断熱重合を行った。反応完結後、反応溶液の温度を40℃とし、テトラヒドロフラン100g及び1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.7gを添加し、15分反応を行い、反応を完結させた。
次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を撹拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、反応溶液を90℃としてテトラクロロシラン0.8gを更に添加し、約20分間撹拌した。次いで、チタノセン化合物を主体とした水素添加触媒を反応溶液に加え、水素ガスの供給圧を0.8MPaとして2時間水素添加反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。その後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ブロック重合体A1を得た。得られた水素添加ブロック重合体A1の水素添加率は99%、重量平均分子量は34万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は15%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は49%であった。
1.エラストマー組成物の調製
以下に示す方法で得た重合体及び液状材料を用いて表1に記載の割合で混合し、エラストマー組成物(i)〜(x)を調製した。
1−1.重合体
(1)ブタジエンブロック重合体の水素添加物(A1)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム3.9gを投入し、70℃で断熱重合を行った。反応完結後、反応溶液の温度を40℃とし、テトラヒドロフラン100g及び1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.7gを添加し、15分反応を行い、反応を完結させた。
次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を撹拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、反応溶液を90℃としてテトラクロロシラン0.8gを更に添加し、約20分間撹拌した。次いで、チタノセン化合物を主体とした水素添加触媒を反応溶液に加え、水素ガスの供給圧を0.8MPaとして2時間水素添加反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。その後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ブロック重合体A1を得た。得られた水素添加ブロック重合体A1の水素添加率は99%、重量平均分子量は34万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は15%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は49%であった。
(2)ブタジエンブロック重合体の水素添加物(A2)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム4.1gを投入し、70℃で断熱重合を行った。反応完結後、反応溶液の温度を35℃とし、テトラヒドロフラン27g及び1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.9gを添加し、15分反応を行い、反応を完結させた。
次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を攪拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、反応溶液を90℃としてテトラクロロシラン0.9gを更に添加し、約20分間撹拌した。次いで、チタノセン化合物を主体とした水素添加触媒を反応溶液に加え、水素ガスの供給圧を0.8MPaとして2時間水素添加反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。その後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ブロック重合体A2を得た。得られた水素添加ブロック重合体A2の水素添加率は98%、重量平均分子量は29万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は14%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は35%であった。
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム4.1gを投入し、70℃で断熱重合を行った。反応完結後、反応溶液の温度を35℃とし、テトラヒドロフラン27g及び1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.9gを添加し、15分反応を行い、反応を完結させた。
次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を攪拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、反応溶液を90℃としてテトラクロロシラン0.9gを更に添加し、約20分間撹拌した。次いで、チタノセン化合物を主体とした水素添加触媒を反応溶液に加え、水素ガスの供給圧を0.8MPaとして2時間水素添加反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。その後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ブロック重合体A2を得た。得られた水素添加ブロック重合体A2の水素添加率は98%、重量平均分子量は29万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は14%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は35%であった。
(3)ブタジエンブロック重合体の水素添加物(A3)
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム4.1gを投入し、70℃で断熱重合を行った。反応完結後、反応溶液の温度を5℃とし、テトラヒドロフラン350g及び1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.9gを添加し、15分反応を行い、反応を完結させた。
次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を撹拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、反応溶液を90℃としてテトラクロロシラン0.9gを更に添加し、約20分間撹拌した。次いで、チタノセン化合物を主体とした水素添加触媒を反応溶液に加え、水素ガスの供給圧を0.8MPaとして2時間水素添加反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。その後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ブロック重合体A3を得た。得られた水素添加ブロック重合体A3の水素添加率は99%、重量平均分子量は30万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は15%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は78%であった。
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム4.1gを投入し、70℃で断熱重合を行った。反応完結後、反応溶液の温度を5℃とし、テトラヒドロフラン350g及び1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.9gを添加し、15分反応を行い、反応を完結させた。
次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を撹拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素化リチウムとした。その後、反応溶液を90℃としてテトラクロロシラン0.9gを更に添加し、約20分間撹拌した。次いで、チタノセン化合物を主体とした水素添加触媒を反応溶液に加え、水素ガスの供給圧を0.8MPaとして2時間水素添加反応を行い、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。その後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ブロック重合体A3を得た。得られた水素添加ブロック重合体A3の水素添加率は99%、重量平均分子量は30万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は15%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は78%であった。
(4)エチレン・α−オレフィン共重合体(A4)
エチレンに由来する構造単位を75.1モル%、プロピレンに由来する構造単位を22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位を1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位を0.3モル%含み、重量平均分子量(Mw)が16.0×104である官能基含有オレフィン系共重合体100部をトルエン1000部に溶解した後、官能基含有オレフィン系共重合体中の官能基1当量に対して、1/4当量のジルコニウム(IV)ブトキシド(85%の1−ブタノール溶液(和光純薬工業社製)を使用)を加え、80℃で1時間攪拌した後、トルエンを乾燥除去して重合体A4を得た。
エチレンに由来する構造単位を75.1モル%、プロピレンに由来する構造単位を22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位を1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位を0.3モル%含み、重量平均分子量(Mw)が16.0×104である官能基含有オレフィン系共重合体100部をトルエン1000部に溶解した後、官能基含有オレフィン系共重合体中の官能基1当量に対して、1/4当量のジルコニウム(IV)ブトキシド(85%の1−ブタノール溶液(和光純薬工業社製)を使用)を加え、80℃で1時間攪拌した後、トルエンを乾燥除去して重合体A4を得た。
(5)熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A5)
比較用として、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(クラレ社製、商品名「クラミロンU1190」)を用いた。
比較用として、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(クラレ社製、商品名「クラミロンU1190」)を用いた。
1−2.液状材料
B1;40℃における動粘度が30.85mm2/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−32」)である。
B2;40℃における動粘度が95.54mm2/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−90」)である。
B3;40℃における動粘度が381.6mm2/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−380」)である。
1−3.帯電防止剤
C1;低分子型帯電防止剤(理研ビタミン社製、商品名「リケマールS−100」)
C2;高分子型帯電防止剤(三洋化成工業社製、商品名「ペレスタット300」)
1−4.着色剤
D1;コバルトブルー(大日精化工業社製、商品名「コバルトブルー」)
B1;40℃における動粘度が30.85mm2/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−32」)である。
B2;40℃における動粘度が95.54mm2/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−90」)である。
B3;40℃における動粘度が381.6mm2/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−380」)である。
1−3.帯電防止剤
C1;低分子型帯電防止剤(理研ビタミン社製、商品名「リケマールS−100」)
C2;高分子型帯電防止剤(三洋化成工業社製、商品名「ペレスタット300」)
1−4.着色剤
D1;コバルトブルー(大日精化工業社製、商品名「コバルトブルー」)
2.帯電防止フィルムの作製及びその評価
実施例1
上記エラストマー組成物(i)を用い、コーター成形により板状薄肉体を得て、これを帯電防止フィルムとした。この帯電防止フィルムを以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。
(1)帯電防止性
ASTM D257に従い、帯電防止フィルムの表面固有抵抗値(Ω/□)を測定し、以下の基準で帯電防止性を評価した。
「○」:表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、帯電防止性能に優れる。
「×」:表面固有抵抗値が1×1013Ω/□より大きく、帯電防止性能に劣る。
(2)透明性
厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラス(コーニング社製、商品名「Corning 1737」)2枚の間に、厚さ0.5mmの帯電防止フィルムをはさみ、25℃における全光線透過率(%)を、全光線透過率ヘイズ測定装置(BYK−Gardner社製、商品名「Haze−gard plus4725」)により測定し、以下の規準で透明性を評価した。
「○」:全光線透過率が90%以上であり、透明性に優れる。
「×」:全光線透過率が90%より小さく、透明性に劣る。
(3)柔軟性
動的粘弾性測定装置(レオロジー社製、型式「MR−500」)により、温度30℃及び周波数1Hzの条件でフィルム(厚さ500μm)の剪断貯蔵弾性率(G’)を測定し、以下の規準で柔軟性を評価した。尚、このG’値の低いものほど柔軟であり、被着物の表面に対する衝撃を吸収することができる。
「○」:G’値が1×1010dyn/cm2以下であり、柔軟性に優れる。
「×」:G’値が1×1010dyn/cm2よりも大きく、柔軟性に劣る。
(4)耐衝撃性
図1に示すように、実施例1〜9及び比較例1〜3の各帯電防止フィルム11を、厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸ガラス板である基層2(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)と、厚さ0.5mmのアクリル板3(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)との間に挟んで、積層体1を得た。そして、大理石等からなる基台62の上に、厚さ2mmの鉄板61(SUS304製)を載せ、この上に、積層体1をアクリル板3が上になるように載せた。次いで、鋼球7(直径5cm、質量550g)を所定高さから積層体1上に自由落下させて衝突させた。その後、積層体1にヒビや割れ等の破損が起きていないかを目視で確認した。そして、積層体1が破損した時の高さを落球高度(cm)として求め、この落球高度から以下の基準で耐衝撃性を判断した。
「○」:落球高度が50cmより大きく、耐衝撃性に優れる。
「×」:落球高度が50cm以下であり、耐衝撃性に劣る。
(5)耐熱性
剪断貯蔵弾性率(G’)を、動的粘弾性測定装置(レオロジー社製「MR−500」)により、温度30℃、1Hz、及び70℃、1Hzの各条件で測定し、剪断貯蔵弾性率の30℃における値(G’30)と70℃における値(G’70)からG’の変化量δG’〔log(G’30/G’70)〕を計算し、以下の規準で耐熱性を評価した。
「○」:δG’が3.00未満であり、耐熱性に優れる。
「×」:δG’が3.00以上であり、耐熱性に劣る。
(6)着色性
帯電防止フィルムを目視で観察し、以下の基準で着色性を評価した。
「○」:帯電防止フィルムが均一で色むらが観察されず、着色性に優れる。
「×」:帯電防止フィルムに色むらが観察され、着色性に劣る。
(7)剥離性
帯電防止フィルムを、厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラス(コーニング社製、商品名「Corning 1737」)に1kgfのロールを1往復して貼りつけた後、この帯電防止フィルムを剥離した後のガラス板表面の糊残りの有無を目視で観察し、以下の基準で剥離性を評価した。
「○」:ガラス板表面に糊残りが観察されず、剥離性に優れる。
「×」:ガラス板表面に糊残りが観察され、剥離性に劣る。
実施例1
上記エラストマー組成物(i)を用い、コーター成形により板状薄肉体を得て、これを帯電防止フィルムとした。この帯電防止フィルムを以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。
(1)帯電防止性
ASTM D257に従い、帯電防止フィルムの表面固有抵抗値(Ω/□)を測定し、以下の基準で帯電防止性を評価した。
「○」:表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、帯電防止性能に優れる。
「×」:表面固有抵抗値が1×1013Ω/□より大きく、帯電防止性能に劣る。
(2)透明性
厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラス(コーニング社製、商品名「Corning 1737」)2枚の間に、厚さ0.5mmの帯電防止フィルムをはさみ、25℃における全光線透過率(%)を、全光線透過率ヘイズ測定装置(BYK−Gardner社製、商品名「Haze−gard plus4725」)により測定し、以下の規準で透明性を評価した。
「○」:全光線透過率が90%以上であり、透明性に優れる。
「×」:全光線透過率が90%より小さく、透明性に劣る。
(3)柔軟性
動的粘弾性測定装置(レオロジー社製、型式「MR−500」)により、温度30℃及び周波数1Hzの条件でフィルム(厚さ500μm)の剪断貯蔵弾性率(G’)を測定し、以下の規準で柔軟性を評価した。尚、このG’値の低いものほど柔軟であり、被着物の表面に対する衝撃を吸収することができる。
「○」:G’値が1×1010dyn/cm2以下であり、柔軟性に優れる。
「×」:G’値が1×1010dyn/cm2よりも大きく、柔軟性に劣る。
(4)耐衝撃性
図1に示すように、実施例1〜9及び比較例1〜3の各帯電防止フィルム11を、厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸ガラス板である基層2(コーニング社製、商品名「コーニング1737」)と、厚さ0.5mmのアクリル板3(日東樹脂工業社製、商品名「クラレックス」)との間に挟んで、積層体1を得た。そして、大理石等からなる基台62の上に、厚さ2mmの鉄板61(SUS304製)を載せ、この上に、積層体1をアクリル板3が上になるように載せた。次いで、鋼球7(直径5cm、質量550g)を所定高さから積層体1上に自由落下させて衝突させた。その後、積層体1にヒビや割れ等の破損が起きていないかを目視で確認した。そして、積層体1が破損した時の高さを落球高度(cm)として求め、この落球高度から以下の基準で耐衝撃性を判断した。
「○」:落球高度が50cmより大きく、耐衝撃性に優れる。
「×」:落球高度が50cm以下であり、耐衝撃性に劣る。
(5)耐熱性
剪断貯蔵弾性率(G’)を、動的粘弾性測定装置(レオロジー社製「MR−500」)により、温度30℃、1Hz、及び70℃、1Hzの各条件で測定し、剪断貯蔵弾性率の30℃における値(G’30)と70℃における値(G’70)からG’の変化量δG’〔log(G’30/G’70)〕を計算し、以下の規準で耐熱性を評価した。
「○」:δG’が3.00未満であり、耐熱性に優れる。
「×」:δG’が3.00以上であり、耐熱性に劣る。
(6)着色性
帯電防止フィルムを目視で観察し、以下の基準で着色性を評価した。
「○」:帯電防止フィルムが均一で色むらが観察されず、着色性に優れる。
「×」:帯電防止フィルムに色むらが観察され、着色性に劣る。
(7)剥離性
帯電防止フィルムを、厚さ0.7mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラス(コーニング社製、商品名「Corning 1737」)に1kgfのロールを1往復して貼りつけた後、この帯電防止フィルムを剥離した後のガラス板表面の糊残りの有無を目視で観察し、以下の基準で剥離性を評価した。
「○」:ガラス板表面に糊残りが観察されず、剥離性に優れる。
「×」:ガラス板表面に糊残りが観察され、剥離性に劣る。
実施例2〜8
上記エラストマー組成物(ii)〜(viii)を用い、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを得た。各帯電防止フィルムを実施例1と同様に評価し、その結果を表2に併記する。
上記エラストマー組成物(ii)〜(viii)を用い、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを得た。各帯電防止フィルムを実施例1と同様に評価し、その結果を表2に併記する。
実施例9
反応容器に、脱イオン水40部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1部を仕込み、窒素ガスに置換したのち、攪拌しながら70℃に昇温した。
また、別容器中で、アクリル酸2−エチルヘキシル50部、アクリル酸n−ブチル30部、メチルメタクリレート15部、酢酸ビニル3部、アクリル酸2部、脱イオン水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を充分攪拌して、プレエマルジョンを調製した。
上記プレエマルジョンの全量を、80℃に保持した上記反応容器に4時間かけて連続的に滴下し、攪拌下で乳化重合を行った。添加終了後、80℃でさらに2時間攪拌を続け、乳化重合を完結させた。次いで、グリセリンモノステアレート1部を添加して30分撹拌後冷却し、アクリル系共重合体エマルジョンを得た。エラストマー組成物(vii)をコーター成形して得られた500ミクロン厚のフィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の厚みが20ミクロンとなるよう上記アクリル系共重合体エマルジョンを塗布・乾燥して帯電防止性を持つ粘着剤層を形成し、実施例9の帯電防止フィルムを得た。この帯電防止フィルムを実施例1と同様に評価した。その結果を表2に併記する。
反応容器に、脱イオン水40部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1部を仕込み、窒素ガスに置換したのち、攪拌しながら70℃に昇温した。
また、別容器中で、アクリル酸2−エチルヘキシル50部、アクリル酸n−ブチル30部、メチルメタクリレート15部、酢酸ビニル3部、アクリル酸2部、脱イオン水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を充分攪拌して、プレエマルジョンを調製した。
上記プレエマルジョンの全量を、80℃に保持した上記反応容器に4時間かけて連続的に滴下し、攪拌下で乳化重合を行った。添加終了後、80℃でさらに2時間攪拌を続け、乳化重合を完結させた。次いで、グリセリンモノステアレート1部を添加して30分撹拌後冷却し、アクリル系共重合体エマルジョンを得た。エラストマー組成物(vii)をコーター成形して得られた500ミクロン厚のフィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の厚みが20ミクロンとなるよう上記アクリル系共重合体エマルジョンを塗布・乾燥して帯電防止性を持つ粘着剤層を形成し、実施例9の帯電防止フィルムを得た。この帯電防止フィルムを実施例1と同様に評価した。その結果を表2に併記する。
比較例1及び2
上記エラストマー組成物(ix)及び(x)を用い、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを得た。各帯電防止フィルムを実施例1と同様に評価し、その結果を表2に併記する。
上記エラストマー組成物(ix)及び(x)を用い、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを得た。各帯電防止フィルムを実施例1と同様に評価し、その結果を表2に併記する。
3.評価結果について
表2によれば、帯電防止剤が添加されていない比較例1は、表面固有抵抗値が大きく、帯電防止性能に劣っていた。また、エラストマー組成物に含まれる重合体が熱可塑性ポリウレタンエラストマーである比較例2は、柔軟性、耐衝撃性及び耐熱性に劣っていた。
これに対して、実施例1〜9は、いずれも帯電防止性、透明性、柔軟性、耐衝撃性、耐熱性、着色性及び剥離性に優れていた。
表2によれば、帯電防止剤が添加されていない比較例1は、表面固有抵抗値が大きく、帯電防止性能に劣っていた。また、エラストマー組成物に含まれる重合体が熱可塑性ポリウレタンエラストマーである比較例2は、柔軟性、耐衝撃性及び耐熱性に劣っていた。
これに対して、実施例1〜9は、いずれも帯電防止性、透明性、柔軟性、耐衝撃性、耐熱性、着色性及び剥離性に優れていた。
尚、本発明においては、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
本発明の第1及び第2の観点の各帯電防止フィルムは、帯電防止性に優れており、且つ従来のフィルムに比べて透明性、柔軟性及び耐衝撃性に優れている。更には、耐熱性、着色性及び剥離性に優れている。そのため、これらの特性が要求される分野、例えば、電子・電気機器、医療機器、事務機器部品等の種々の用途に幅広く利用することができる。
また、本発明の第1及び第2の観点の各帯電防止フィルムは、上記特性を生かして、携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用、ノート型コンピュータ用、又は車載用コンピュータ(カーナビゲーション等)用ディスプレイ、タッチパネル、テレビジョン、及び時計等のディスプレイ用パネル等に好適に使用することができる。
また、本発明の第1及び第2の観点の各帯電防止フィルムは、上記特性を生かして、携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用、ノート型コンピュータ用、又は車載用コンピュータ(カーナビゲーション等)用ディスプレイ、タッチパネル、テレビジョン、及び時計等のディスプレイ用パネル等に好適に使用することができる。
1;積層体、11;帯電防止フィルム、2;基層、3;アクリル板、61;鉄板、62;基台、7;鋼球。
Claims (12)
- エラストマー組成物からなり、表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であり、且つ温度30℃及び周波数1Hzでの剪断貯蔵弾性率(G’)が1×1010dyn/cm2以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
- 上記エラストマー組成物は、ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含む請求項1に記載の帯電防止フィルム。
- 上記エラストマー組成物は、低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤及び導電性フィラーから選ばれる少なくとも1種の帯電防止剤を含む請求項1又は2に記載の帯電防止フィルム。
- ジエン系重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物からなる基層と、該基層の一面に形成された帯電防止性を有する帯電防止層と、より構成され、該帯電防止層の表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
- 本帯電防止フィルムを厚さ0.5mmとした場合、その全光線透過率は90%以上である請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 本帯電防止フィルムの一面に粘着性を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 上記ジエン系重合体は、スチレン・ブタジエン共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレン共重合体及びその水素添加物、ブタジエンブロック共重合体及びその水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、並びに、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる少なくとも1種である請求項2乃至6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 上記ジエン系重合体は、共役ジエン系ブロック重合体の水素添加物であり、該水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有する共役ジエン系ブロック重合体中の、オレフィン性不飽和結合が水素添加されたものである請求項2乃至7のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 上記エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基及びニトリル基から選ばれる官能基を有する請求項2乃至6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 上記エラストマー組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含む請求項9に記載の帯電防止フィルム。
- 上記エラストマー組成物は、着色剤を含む請求項1乃至10のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン及び時計用である請求項1乃至11のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
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-
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