JP2005134841A - 液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体 - Google Patents

液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体 Download PDF

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昌則 鈴木
Takashi Kawada
隆 川田
Hiroyuki Mizouchi
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Akihiko Morikawa
明彦 森川
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Abstract

【課題】 空隙を設けなくても割れ等の基層の損傷を抑制することができ、薄くすることができる液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を提供する。
【解決手段】 本液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体1は、液晶ディスプレイユニット5を構成する透明の基層2と、基層上に配設されている透明の衝撃吸収層3とを備える。また、上記衝撃吸収層は、エラストマーにより構成されており、共役ジエンのブロック(共)重合体、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体、これらの各水素添加物、エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び/又は金属化合物とよりなるエラストマー、ブチルゴム、並びにアクリル系ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種及び/又はこれらの組成物である。更に、上記基層は無アルカリガラスからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体に関する。更に詳しくは、層間に空隙を設けなくても割れ等の損傷を抑制することで、厚さをより薄くすることができる液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体に関する。
本液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は、携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ(カーナビゲーション用ディスプレイ等)、タッチパネル、テレビジョン及び時計等に用いることができる。
従来、携帯機器等で平面状の液晶ディスプレイパネルを用いる場合、そのディスプレイパネルを保護するためのポリカーボネート製又はアクリル製等の透明樹脂層を更に用意する必要があった。液晶ディスプレイパネルを構成するガラス板等の基層は、薄く且つ無アルカリガラスを使用する必要があるためにあまり強度がなく、押さえ付けたり、ぶつけたりすることで容易に破損するためである。
また、図9に示すように透明樹脂層8を設けても、液晶ディスプレイパネルユニット5における基層2との間に空隙9を設けないと、透明樹脂層8のゆがみが基層2に伝わり、基層2が破損してしまうことがあった。更に、空隙9と透明樹脂層8との間や、空隙9と基層2との間で光が反射し二重映り等を起こし、見にくくなることがあった。
しかし、携帯電話等、携行する製品用途では、できるだけ薄くできることが好ましく、ディスプレイパネルの損傷を起こすことがなく、保護板自体の厚さを薄くすること、並びにディスプレイパネル及び保護板間の空隙9を無くすことができる手段が望まれている。
一方、樹脂フィルムの一方の面に粘着剤等を設け、ディスプレイパネルの表面に貼付するディスプレイパネル保護フィルムが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開平4−30120号公報 特開平2000−56694号公報
しかし、特許文献1に示すようなディスプレイパネル保護フィルムは、梱包状態の輸送時の保護や、据置型ディスプレイの保護用がおもな用途であり、携帯電話等用ディスプレイパネルの保護のために作られたものではない。
また、特許文献2のディスプレイパネル用保護フィルムは、衝撃や引っ掻き等の保護をすることができるが、落下して床に衝突することによる衝撃、尻ポケットに該装置を入れて座ったり、押さえ付けられたり等の携帯時の負荷に対しては言及されていない。
本発明は、上記問題点を解決するとともに上記必要性を達成するものであり、空隙を設けなくても割れ等の基層の損傷を抑制することができ、薄くすることができる液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を提供することを目的とする。
本発明の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は以下の通りである。
1.液晶ディスプレイユニットを構成する透明の基層と、該基層上に配設されている透明の衝撃吸収層とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
2.液晶ディスプレイユニットを構成する透明の基層と、該基層上に配設され且つ液晶表示体を構成する1以上の機能層と、該基層と該機能層との間、該機能層間及び最表面側の該機能層上のうちの少なくとも1箇所に配設されている透明の衝撃吸収層と、を備えることを特徴とする液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
3.上記機能層は、偏光板、アレイ基板、カラーフィルタ、視野角拡大フィルム、アンチリフレクションフィルム、アンチグレアフィルム、透明導電膜及び位相差フィルムのうちの少なくとも1種である上記2.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
4.上記衝撃吸収層は、エラストマーにより構成される上記1.乃至3.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
5.上記衝撃吸収層は、少なくとも一部が、電子線照射、紫外線照射、及び架橋剤を用いる方法から選ばれる手段により架橋されたエラストマーにより構成される上記1.乃至3.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
6.上記エラストマーは、共役ジエンのブロック(共)重合体、共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物、エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び/又は金属化合物とよりなるエラストマー、ブチルゴム、並びにアクリル系ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種及び/又はこれらの組成物である上記4.又は5.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
7.上記極性基変性オレフィン系共重合体に含まれる極性基が、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、並びにスルホン酸基のうちの少なくとも1種である上記6.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
8.上記極性基変性オレフィン系共重合体は、オレフィン系単量体の1種又は2種以上と、極性基を有する不飽和単量体の1種又は2種以上とを共重合して得られる共重合体であり、且つ上記極性基変性オレフィン系共重合体中の単量体単位を100モル%とした場合、上記極性基を有する不飽和単量体単位の割合は0.01〜20モル%である上記6.又は7.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
9.上記共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエンと他のモノマーとの質量比が100〜50/0〜50であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)と、をそれぞれ分子中に少なくとも1つ有するブロック重合体中のエチレン性不飽和結合が水素化されてなるものである上記6.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
10.上記エラストマーは、液状材料を含む上記4.乃至9.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
11.上記液状材料の40℃における動粘度が800mm/s以下である上記10.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
12.上記液状材料の含有量は、上記エラストマーに含有される重合体の合計100質量部に対して、50〜5000質量部である上記10.又は11.に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
13.上記衝撃吸収層は厚さが2.0mm以下である上記1.乃至12.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
14.上記基層は、無アルカリガラスにより構成される上記1.乃至13.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
15.厚さが2.5mm以下である上記1.乃至14.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
16.上記衝撃吸収層上に透明樹脂層が更に配設されており、該衝撃吸収層及び該透明樹脂層の厚さの合計は3.5mm以下である上記1.乃至15.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
17.上記衝撃吸収層の配設方法は、接着又はホットプレスである上記1.乃至16.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
18.携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン及び時計用である上記1.乃至17.のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
本発明の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体によれば、基層上に衝撃吸収層を設けることにより、従来よりも薄い厚さで、衝撃等から基層の割れ等を保護することができる。また、従来のように保護板パネルを設け、保護板パネルと基層との間に空隙を設ける必要がなくなるため、本発明を用いた筐体等の設計に自由度が増し、容易に設計することができる。
以下、本発明の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を詳しく説明する。
本発明の「液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体」は、液晶ディスプレイユニットを構成する透明の基層と、この基層上に配設されている透明の衝撃吸収層とを備えることを特徴とする。
本発明の他の「液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体」は、液晶ディスプレイユニットを構成する透明の基層と、この基層上に配設され且つ液晶表示体を構成する1以上の機能層と、基層と機能層との間及び/又は機能層間に配設されている透明の衝撃吸収層とを備えることを特徴とする。
上記「基層」は、液晶ディスプレイユニットを構成する透明な基層である。
この基層を構成するものとしては、任意の材質のガラス板及びプラスチック板等を挙げることができる。これらのうち、ガラス板が好ましい。このガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等が挙げられる。また、これらのガラス等の低アルカリガラス及び無アルカリガラスなどが挙げられる。更には、シリカガラスやソーダ石灰ガラス等が挙げられる。これらのうち、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス及びこれらの低アルカリガラスが好ましく、更にはこれらの無アルカリガラスが好ましい。
この基層の厚さは対象となる製品等に合わせて任意に選択することができる。例えば、0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜1.1mm、更に好ましくは0.3〜1.0mm)等とすることができる。
上記「衝撃吸収層」は、ディスプレイパネルの表示内容の視認性を確保できる透明性を具備し、基層の押さえ付けや衝突等に由来する破損から防ぐことができるものであれば、エラストマー(油展ゴムを含む)により構成されていてもよいし、樹脂により構成されていてもよい。
上記エラストマーとしては、共役ジエンのブロック(共)重合体、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体、共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物、エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び/又は金属化合物とよりなるエラストマー、アクロルニトリル−ブタジエン系ゴム等のニトリル系ゴム、ブチルゴム、アクリル系ゴム、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリアミドエラストマー(TPAE)、ジエン系エラストマー(1,2−ポリブタジエン等)などの熱可塑性エラストマー、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマーなどを挙げることができる。
まず、共役ジエンのブロック(共)重合体、及び芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体について説明する。
上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレン及び1,3−ペンタジエンが好ましく、特に1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。この共役ジエンを用いてなるブロック(共)重合体としては、ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−イソプレン−ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン等が挙げられる。上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。この芳香族ビニル化合物と共役ジエンとを用いてなるブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
また、本発明においては、上記のように、共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物であってもよい。前者の場合は、ブロック共重合体として、以下のブロック重合体の水素添加物を用いることが好ましい。即ち、この水素添加物とするためのブロック重合体としては、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量比が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有するジエン系ブロック重合体(以下、「重合体(P)」という。)が好ましい。
上記ブタジエン重合体ブロック(I)において、ビニル結合(1,2−結合)の含量は、好ましくは25%未満、より好ましくは5〜20%、更に好ましくは7〜19%である。従って、上記ブタジエン重合体ブロック(I)は、水素添加によりエチレン・ブテン共重合体に類似した構造を示す結晶性のブロックとなる。ビニル結合含量を上記範囲とすることにより、成形体の力学的性質及び形状保持性を向上させることができる。
また、上記重合体ブロック(II)は、共役ジエン単位のみからなるブロックであってもよいし、共役ジエン単位(a1)と他の単量体単位(a2)とからなるブロックであってもよい。共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量比(a1)/(a2)は、好ましくは(100〜50)/(0〜50)であり、より好ましくは(100〜70)/(0〜30)、更に好ましくは(100〜90)/(0〜10)である。このような範囲とすることにより、粘弾性に優れた成形体を得ることができる。
尚、上記重合体ブロック(II)において、ビニル結合(1,2−結合及び3,4−結合)の含量は、好ましくは25〜95%であり、より好ましくは25〜90%、更に好ましくは30〜85%である。
従って、上記重合体(P)としては、ブタジエン重合体ブロック(I)を「A」、重合体ブロック(II)を「B」とした場合、(A−Bm1、(A−Bm2−A、(B−Am3−B等で表されるものを用いることができる。各一般式において、m1〜m3は1以上の整数を示す。
また、上記重合体(P)は、トリブロック以上のブロックを有する共重合体であると、水素添加物とした場合に、更に形状保持性及び力学的性質により優れる成形体を得ることができる。従って、上記一般式において、m1は、2以上の整数であることが好ましい。
尚、上記重合体(P)は、上記ブタジエン重合体ブロック(I)及び上記重合体ブロック(II)をそれぞれ分子中に少なくとも1つ有していればよく、これら以外に、他のブロック、例えば、共役ジエン単位以外の他の単量体単位からなるブロックを有する重合体であってもよい。
上記重合体(P)を構成する上記ブタジエン重合体ブロック(I)及び上記重合体ブロック(II)の含有割合(I)/(II)は、好ましくは(5〜60)/(95〜40)、より好ましくは(7〜60)/(93〜40)、更に好ましくは(8〜50)/(92〜50)である。上記各ブロックの含有割合を上記範囲とすることにより、水素添加物とした場合に、形状保持性及び力学的性質に特に優れた成形体を得ることができる。
尚、上記重合体(P)においても、(A−BX、(B−AX、(A−B−AX、(B−A−BX等のように、カップリング剤残基Xを介して重合体分子鎖が延長又は分岐されたものでもよい。各一般式において、nは2以上の整数を示す。また、上記各一般式において、nが3以上のとき、水素添加物とした場合に、形状保持性、ホットメルト粘・接着性に優れた成形体を得ることができる。
上記カップリング剤としては、1,2−ジブロモエタン、メチルジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化アマニ油、テトラクロロゲルマニウム、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ブチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン等が挙げられる。
上記重合体(P)の水素添加は、ブロック中のオレフィン性不飽和結合に対して行い、水添率を、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上と高くすることで、得られる水素添加物により成形体とした場合の形状保持性及び力学的性質を向上させることができる。尚、上記重合体(P)の水素化は、特開平2−133406号公報、特開平3−128957号公報、特開平5−170844号公報等に開示される方法等によって行うことができる。
次に、エチレン・α−オレフィン共重合体等について説明する。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、以下に例示するα−オレフィンとの共重合体であれば特に限定されず、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体等であってもよい。但し、上記エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体におけるα−オレフィンは、エチレンを除くα−オレフィンであるものとする。このα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等が挙げられ、炭素数が3〜12であるα−オレフィンが好ましく、特に、プロピレン及び1−ブテンが好ましい。尚、上記例示したα−オレフィンは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・3−エチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、エチレン・1−ウンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、エチレン・プロピレン共重合体及びエチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。尚、上記例示したエチレン・α−オレフィン共重合体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体とする場合の上記非共役ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体としては、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記例示したエチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、上記エチレン・α−オレフィン共重合体及び上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、ニトリル基等の極性基を有する極性基変性オレフィン系共重合体であってもよい。即ち、この極性基変性オレフィン系共重合体は、重合体中に、他の単量体(a)からなる単量体単位を含有する重合体である。他の単量体(a)としては、上記官能基を有する不飽和化合物が好ましい。このような不飽和化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記不飽和化合物の使用量は、極性基変性オレフィン系共重合体中の単量体単位を100モル%とした場合に、好ましくは0.01〜20モル%、より好ましくは0.1〜10モル%である。この不飽和化合物の使用割合を0.01モル%以上とすると、得られる成形体の架橋密度を高くすることができ、その結果、成形体の機械的強度及び耐熱性を向上させることができるので好ましい。一方、上記官能基を有する不飽和化合物の使用割合を20モル%以下とすると、架橋密度が高くなり過ぎることにより、硬度が高すぎて脆い成形体となることを抑制することができるので好ましい。
カルボキシル基を有する不飽和化合物としては、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、下記一般式(1)で表される環式化合物等を用いることができる。
Figure 2005134841
(上記一般式(1)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Y、Y及びYは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は−COOHであり、Y、Y及びYのうち少なくとも1つは−COOHであり、また、Y、Y及びYのうち2つ以上が−COOHである場合は、それらは互いに連結して形成された酸無水物(−CO−(O)−CO−)であってもよい。pは0〜2の整数であり、qは0〜5の整数である。)
上記環式化合物としては、5,6−ジメチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシ)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシ)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、8,9−ジメチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)で表される化合物を用いる場合のその使用量は、全単量体に対して、好ましくは0.01〜5モル%、より好ましくは0.01〜4モル%である。
上記一般式(1)で表される化合物を共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。また、共重合により得られたランダム共重合体の、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは、好ましくは1,000〜3,000,000、より好ましくは3,000〜1,000,000、更に好ましくは5,000〜700,000である。
また、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体に化学的架橋構造又はそれと類似した拘束点を有する構造を形成させる場合には、金属イオン、金属化合物等を用いることができる。この金属イオンは、以下に例示する元素のイオン及びこの元素を含む金属化合物のイオンも意味する。この金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ルビジウム、チタン、亜鉛、銅、鉄、錫、鉛、ジルコニウム等周期表第1A〜5B族の元素等が挙げられる。これらの元素を含むイオンは、上記で得られたランダム共重合体中の官能基に対するイオン結合あるいは静電的な結合により共重合体どうしの間に架橋構造を形成することもできる。尚、上記金属化合物のイオンとするための物質としては、各金属の酸化物、水酸化物、塩、錯体、金属元素を含む有機化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、CuO、MgO、BaO、ZnO、Al、Fe、SnO、CaO、TiO等の金属酸化物、LiOH、NaOH、KOH、Cu(OH)、CuO(OH)、Mg(OH)、MgO(OH)、Ba(OH)、Zn(OH)、Sn(OH)、Ca(OH)等の金属水酸化物等が挙げられる。
また、金属元素を含む有機化合物は、有機基を有する金属化合物であればよく、金属−炭素結合を有する化合物の他、金属−有機基中のヘテロ原子(酸素等)結合を有する化合物、有機化合物の金属塩、錯体等も含む。上記金属元素を有する有機化合物として具体的には、例えば、金属アルコキシド、アルキルアルコキシ金属化合物[アルキル(エチル等)トリアルコキシ金属化合物、ジアルキル(エチル等)ジアルコキシ金属化合物、トリアルキル(エチル等)アルコキシ金属化合物]、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。上記金属アルコキシドを構成するアルコキシドの炭素数は、通常1〜8、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、より具体的には、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。更に、上記金属元素を有する有機化合物としてより具体的には、例えば、ジルコニウムブトキシド〔Zr(OBu)〕、チタンブトキシド〔Ti(OBu)〕、アルミニウムブトキシド〔Al(OBu)〕、及び亜鉛ブトキシド〔Zn(OBu)〕等が挙げられる。
上記イオンとするための物質の使用量は、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体を構成する環式化合物より形成された単位の1当量に対し、好ましくは0.01〜50当量、より好ましくは0.05〜10当量、特に好ましくは0.1〜5当量である。上記イオンとするための物質の使用量が少なすぎると、得られる成形体は、架橋密度が低く、機械的強度及び耐熱性に劣る傾向がある。一方、使用量が多すぎると、得られる成形体は、架橋密度が高くなり、硬度が高すぎて脆いものとなることがある。
更に、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体に対する、上記イオンとするための物質の混和性及び得られる成形体の耐熱性を向上させるために、上記イオンとするための物質以外に、活性剤としてカルボン酸等の有機酸の金属塩を添加してもよい。このカルボン酸の金属塩としては、炭素数3〜23の1価のカルボン酸の金属塩を用いることが好ましい。
また、活性剤として用いられる金属塩における金属元素としては、上記イオンとするための物質を構成する金属元素から選択すればよいが、上記イオンとするための物質を構成する金属元素と同種の元素を含む金属塩を用いることが好ましい。
更に、ブチルゴムについて説明する。
ブチルゴムとしては、イソブチレンとイソプレンとの共重合体、イソブチレンとイソプレンと極性基含有単量体との共重合体、更にはこれらの部分架橋共重合体等を挙げることができる。
極性基含有単量体(極性基を有する共重合性単量体)としては、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシシリル基及びニトリル基等のうちの少なくとも1種を有する単量体を挙げることができる。
また、部分架橋共重合体は、これらの単量体に多官能性不飽和結合含有単量体を共重合して得られるが、この多官能性不飽和結合含有単量体としては、多価アリル化合物、多価(メタ)アクリレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合物、ジオキシム化合物などが挙げられる。
即ち、具体的なブチルゴムとしては、イソブチレン−イソプレン共重合体を挙げることができる。また、この共重合体がハロゲン化された塩素化イソブチレン−イソプレン共重合体、及び臭素化イソブチレン−イソプレン共重合体等であってもよい。
また、アクリル系ゴムについて説明する。
アクリル系ゴムとしては、少なくともアクリル酸アルキルエステルを用いて重合又は共重合されたゴムである。共重合ゴムである場合は、アクリル酸アルキルエステル以外に、アルキルビニルエーテル、極性基を有する共重合性単量体及びその他の単量体を用いることができるが、通常、アルキルビニルエーテルが用いられる。これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。更にはこれらの部分架橋共重合ゴムであってもよい。
上記アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができる。
また、アルキルビニルエーテルとしては、クロロメチルビニルエーテル及びクロロエチルビニルエーテル等を挙げることができる。
更に、その他の単量体として、アクリル系ゴムの耐寒性を向上させることができるアクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル及びアクリル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキルや、エチレン等を用いることもできる。また、各単量体と共重合することで部分架橋共重合ゴムを得ることができる多官能性不飽和結合含有単量体を挙げることができる。この多官能性不飽和結合含有単量体は、前記ブチルゴムの説明における前記多官能性不飽和結合含有単量体を適用できる。
尚、これらのエラストマーは、衝撃吸収層とする場合、重合体のみを構成材料とすることもできるが、軟化剤、可塑剤、滑剤、架橋剤、架橋助剤、光増感剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、難燃剤、防菌・防かび剤、耐候剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、造核剤、顔料、染料、有機フィラー、無機フィラー、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の添加剤や他の重合体を含有する組成物を構成材料とすることもできる。即ち、エラストマー組成物として用いることができる。
更に、樹脂について説明する。
上記樹脂としては、1,2−ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、通常、3質量%以上の酢酸ビニル単位を含有する。)及びポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂{(メタ)アクリレート樹脂等}、ビニルエステル樹脂(EVAを除く。)、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン等)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びケイ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうち、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の軟質樹脂が好ましい。
尚、これらの樹脂は、衝撃吸収層とする場合、重合体のみを構成材料とすることもできるが、上記エラストマーと同様に前記添加剤や他の重合体を含有する組成物を構成材料とすることもできる。即ち、樹脂組成物として用いることができる。
また、本発明における衝撃吸収層は、上記エラストマー及び上記樹脂のうち、エラストマーにより構成されていることが好ましい。
更に、上記衝撃吸収層は、架橋されていないエラストマーにより構成されていてもよいし、少なくとも一部が架橋されたエラストマーにより構成されていてもよい。少なくとも一部が架橋されたエラストマーにより構成されている場合、成形体の耐熱性を向上させることができる。
上記エラストマーを架橋する方法については特に限定はなく、例えば、電子線照射、紫外線照射、及び架橋剤(例えば、有機過酸化物等)を用いる方法から選ばれる手段が挙げられる。
上記架橋を電子線照射により行う場合は、得られた成形体について、電子線照射装置により電子線照射することにより、架橋を形成することができる。また、紫外線照射の場合は、得られた成形体について、紫外線照射装置により紫外線照射することにより、必要に応じて配合された光増感剤の効果によって架橋を形成することができる。更に、架橋剤を用いる方法の場合は、得られた成形体について、通常、窒素雰囲気等、空気の存在しない雰囲気で加熱することにより、必要に応じて配合された有機過酸化物等の架橋剤、更には架橋助剤の効果によって架橋を形成することができる。
上記エラストマーのなかでも、共役ジエンのブロック(共)重合体、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体、これらの水素添加物、エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び/又は金属化合物とよりなるエラストマー、ブチルゴム及びアクリル系ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種及び/又はこれらの組成物(エラストマー組成物)が好ましい。特に、共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び/又は金属化合物とよりなるエラストマーが好ましい。
また、本発明においては、上記エラストマーに、液状材料を含有させてもよい。この場合、より柔軟性を有する液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
上記液状材料は、25℃において液体又はペースト状であれば、その種類に特に限定はない。上記液状材料は、より詳細には、通常−100〜50℃、好ましくは−80〜50℃、更に好ましくは−50〜50℃で不揮発性(液状)の液状材料であり、その種類について特に限定はない。また、上記液状材料の40℃における動粘度は、通常800mm/s(=800cSt)以下、好ましくは700mm/s以下、更に好ましくは600mm/s以下、より好ましくは0.1〜500mm/sである。上記液状材料の40℃における動粘度を上記範囲とすると、広い温度領域で形状を保持することができるので好ましい。より具体的には、例えば、上記液状材料として、40℃における動粘度が800mm/s以下であり、−100〜50℃で不揮発性の液状材料が好ましい。更に、低温環境における使用の観点から、上記液状材料は、流動点が−10℃以下、特には−20℃以下、更には−40℃以下、水分が500ppm以下、特には200ppm以下、更には100ppm以下であり、重金属等の不純物が少ないものが好ましい。尚、動粘度の単位として、1cm/s=1Stである。
上記液状材料として具体的には、例えば、プラスチック・ゴム用の各種滑剤、可塑剤、軟化剤及び液状オリゴマー等の1種又は2種以上が挙げられる。上記滑剤としては、パラフィン系滑剤、炭化水素系滑剤、金属セッケン等が挙げられる。また、上記可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバシン酸誘導体、フマル酸誘導体、クエン酸誘導体等の各種脂肪酸誘導体等の1種又は2種以上が挙げられる。更に、上記軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル等の石油系軟化剤、エチレン−α−オレフィン系コオリゴマー及びギルソナイト等の鉱物油系軟化剤、オレイン酸やリシノール酸等の脂肪酸等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記液状オリゴマーとしては、ポリイソブチレンや各種液状ゴム(ポリブタジエンやスチレン−ブタジエンゴム等)、シリコーンオイル等の1種又は2種以上が挙げられる。特に、携帯電話等、屋外で使用される液晶ディスプレイパネル等に使用される場合は、上記液状材料として、パラフィン系プロセスオイル、パラフィン系合成油、水添パラフィン系オイル等のように、二重結合がないオイル又は二重結合を有する成分が少ない(具体的には20質量%以下、更には10質量%以下)オイルの1種又は2種以上を用いると、耐候性に優れた成形体とすることができるので好ましい。尚、上記液状材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記液状材料を用いる場合のその使用量は、上記エラストマーに含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは50〜5000質量部、より好ましくは50〜4000質量部、更に好ましくは50〜3000質量部、特に好ましくは50〜2000質量部、最も好ましくは60〜1800質量部である。上記液状材料の配合量が50質量部未満であると、所望の耐衝撃性を有する成形体が得られない場合がある。一方、上記液状材料の配合量が5000質量部を超えると、成形体から液状材料がにじみ出ることがあり、形状を維持することが困難になる場合がある。
衝撃吸収層の透明度は配設される位置により任意に選択することができるが、ディスプレイの表示面側に配設される際には、厚さを0.5mmとした場合に、その全光線透過率が90%以上、特に91%以上、更には92%以上であることが好ましい。
衝撃吸収層の厚さは任意に選択することができ、例えば2.0mm以下(好ましくは、1.2mm以下、更に好ましくは1.0mm以下)とすることができる。
また、配設される衝撃吸収層の層数は、1層であってもよいし、複数であってもよい。
更に、この衝撃吸収層は、(1)前記基層と機能層との間、(2)機能層間、及び(3)最表面側の機能層上のうちの少なくとも1箇所に配設されていてもよい。
上記「機能層」としては、例えば、偏光板(偏光板を構成する各種フィルム等も含む)、アレイ基板、カラーフィルタ、視野角拡大フィルム、アンチリフレクションフィルム、アンチグレアフィルム、透明導電膜及び位相差フィルム等が挙げられる。上記偏光板を構成する各種フィルム等としては、偏光フィルム、基板フィルム、保護フィルム及び粘着剤層等が挙げられる。配設される機能層の層数は、1層であってもよいし、複数であってもよい。
また、本液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体においては、更に透明樹脂層が配設されていてもよい。この透明樹脂層は、1層のみ配設されていても、複数層配設されていてもよく、液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体における各層間や最表面に配設することができる。
上記透明樹脂層は、ディスプレイパネルの表示内容の視認性を大きく阻害することがない材質であればよく任意の樹脂を用いることができる。
この透明樹脂層を構成する樹脂として具体的には、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、1,2−ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環状オレフィン共重合体、変性ノルボルネン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、脂環式アクリル樹脂、ポリシクロヘキシルエチレン等の非晶性ポリオレフィン、非晶性フッ素樹脂、ポリスチレン系樹脂、透明ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、非晶性コポリエステル、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、セルロースアセテート、アリルジグリコールカーボネート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、通常、3質量%以上の酢酸ビニル単位を含有する。)、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ビニルエステル系樹脂(EVAを除く。)、非晶性ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂並びにケイ素系樹脂等が挙げられる。これらのうち、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂等の樹脂が好ましい。また、透明樹脂層が2層以上配設される場合には、それぞれ異なる材質を選択してもよいし、同じ材質を選択することもできる。
透明樹脂層の厚さは特に限定されないが、3.0mm以下(好ましくは、2.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以下)とすることが好ましい。
また、前記衝撃吸収層及び透明樹脂層の厚さの合計は3.5mm以下(好ましくは、2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下)とすることが好ましい。
更に、2層の透明樹脂層を具備する場合(それぞれを第1透明樹脂層、第2透明樹脂層とする)、第1透明樹脂層、第2透明樹脂層及び衝撃吸収層の厚さの合計は5.0mm以下(好ましくは、4.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以下)とすることが好ましい。
また、衝撃吸収層を、前記基層、機能層、透明樹脂層等に配設と接合する方法は、接合させる層同士を密着させることができる方法であれば特に限定されず、任意に選択することができる。例えば、所定の温度(例えば、室温等)にて貼り合わせて接着したり、接着剤(又は粘着剤)を用いて接着することができる。更には、ホットプレス及びコールドプレス等により所定の場所に直接形成してもよい。
また、本液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体の厚さは2.5mm以下(好ましくは、2.3mm以下、更に好ましくは2.0mm以下)とすることが好ましい。
本液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体の用途としては、例えば、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、カーナビゲーション用ディスプレイ等のディスプレイ機能単体の用途の他、携帯電話、携帯情報端末(いわゆるPDA、モバイル機器を含む)、車載用コンピュータ、ノート型コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン、時計及び測定機器等に組み込む用途を例示することができる。
また、本液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は、前記基層、衝撃吸収層、機能層、透明樹脂層等を任意の形態で組み合わせたものとすることができる。以下に、その形態を例示する。
例えば、図3に示すように、基層2上に衝撃吸収層3を設け、その上に透明樹脂層41を形成した液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
また、図4に示すように、基層2上に透明樹脂層41を設け、その上に衝撃吸収層3を形成した液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
更に、図5に示すように、基層2、第1透明樹脂層41、衝撃吸収層3及び第2透明樹脂層42をこの順に形成した液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
また、図6に示すように、基層2、衝撃吸収層3及び偏光板51がこの順に配設された液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
更に、図7に示すように、基層2、カラーフィルタ52、衝撃吸収層3及び偏光板51がこの順に配設された液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
また、図8に示すように、基層2、偏光板51及び衝撃吸収層3がこの順に配設された液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体とすることができる。
以下、本発明の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を図1〜5を用いて説明する。
1.液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体の構成
本実施例1の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体1は図1に示すように、基層2及び衝撃吸収層3を積層してなる。
また、実施例2〜4及び7の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は図3に示すように、基層2上に衝撃吸収層3を設け、その上に透明樹脂層41を形成する。
更に、実施例5、6の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は図5に示すように基層2、第1透明樹脂層41、衝撃吸収層3及び第2透明樹脂層42をこの順に形成する。
基層2は、厚さ0.7mm、縦幅60mm、横幅80mmの溶融成形アルミノケイ酸薄板ガラス(コーニング社製、「corning 1737」)である。
また、衝撃吸収層3は、各実施例において下記のものを用いた
(1)実施例1、2、3、5の衝撃吸収層(A−1)及びその製造方法
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(1.25g)、ブタジエン(1500g)、及びn−ブチルリチウム(4.5g)を加え、70℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を15℃としてテトラヒドロフラン(350g)及び1,3−ブタジエン(3500g)を添加して断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン(3.23g)を添加し、15分反応を行った。反応が完結した後、n−ブチルリチウム2g、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンを水素化リチウムとした。反応溶液を90℃にし、特開2000−37632号公報記載のチタノセン化合物を使用して水添反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ジエン系重合体である水添ブロック重合体1を得た。表1に示すように、得られた水添ブロック重合体1の水添率は98%、重量平均分子量は28万、水添前ポリマーの1段目のポリブタジエンブロックのビニル結合含量は14%、水添前ポリマーの2段目のポリブタジエンブロックのビニル結合含量は80%であった。
その後、この水添ブロック重合体1及び鉱物油系軟化剤(出光興産株式会社製、品名「PW−90」)を100:800(重量比)の割合で混合し、衝撃吸収層を作製した。尚、各衝撃吸収層の厚さはそれぞれ0.8mm、0.3mm、0.8mm、0.3mmであり、縦幅は全て60mm、横幅は全て80mmである。
(2)実施例4の衝撃吸収層(A−2)及びその製造方法
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(1.25g)、ブタジエン(1000g)、及びn−ブチルリチウム(4.00g)を加え、70℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を30℃としてテトラヒドロフラン(125g)及び1,3−ブタジエン(4000g)を添加して断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン(2.87g)を添加し、15分反応を行った。反応が完結した後、n−ブチルリチウム2g、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンを水素化リチウムとした。反応溶液を90℃にし、特開2000−37632号公報記載のチタノセン化合物を使用して水添反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水素添加ジエン系重合体である水添ブロック重合体2を得た。表1に示すように、得られた水添ブロック重合体2の水添率は98%、重量平均分子量は34.8万、水添前ポリマーの1段目のポリブタジエンブロックのビニル結合含量は14%、水添前ポリマーの2段目のポリブタジエンブロックのビニル結合含量は47%であった。
その後、この水添ブロック重合体2及び鉱物油系軟化剤(出光興産株式会社製、品名「PW−90」)を100:1600(重量比)の割合で混合し、衝撃吸収層(厚さ0.7mm、縦幅60mm、横幅80mm)を作製した。
Figure 2005134841
(3)実施例6の衝撃吸収層(A−3)
イソブチレン−イソプレンゴム(JSR株式会社製、品名「JSR Butyl268」)を用いて、衝撃吸収層(厚さ0.5mm、縦幅60mm、横幅80mm)を得た。
(4)実施例7の衝撃吸収層(A−4)及びその製造方法
極性基変性オレフィン系共重合体として、エチレンに由来する単量体単位の含量が86.3モル%、プロピレンに由来する単量体単位の含量が10.6モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する単量体単位の含量が2.6モル%、及び8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する単量体単位の含量が0.5モル%であり、且つ重量平均分子量(MW)が16.5×10である共重合体を用いた。
また、金属化合物として、テトラn−ブトキシジルコニウム(和光純薬社製)を用いた。
窒素雰囲気下で、上記共重合体100質量部及び上記金属化合物0.6質量部をそれぞれ230℃に加熱した10L双腕型加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、40rpmで20分間混練りした(ずり速度200s−1)。その後、得られた溶融状態の塊状混練物を180℃、40rpmに設定したフィーダールーダー(モリヤマ社製)によって造粒し、ペレット化したエラストマー材料を得た。そして、得られたエラストマー材料のペレットを、電熱加圧プレス成形機(関西ロール社製)によって、金型温度が180℃、加圧加熱時間が10分間、加圧冷却時間が5分間の条件でプレス成形することにより、衝撃吸収層(厚さ0.3mm、縦幅60mm、横幅80mm)を作製した。
更に、透明樹脂層41、42は厚さ0.5mmのアクリル板(日東樹脂工業株式会社製、「クラレックス」)を用いた。
これらの液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は、各層を積層後、ホットプレス(圧力50kg/cm、80℃、5分)で形成した。尚、各層の厚みを表2に示す。
Figure 2005134841
また、厚さ1.0mmのアクリル板と実施例1と同様の基層を積層した比較例1、及び厚さ1.5mmのアクリル板と実施例1と同様の基層を積層した比較例2の各液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を用意した。
2.物性評価
上記実施例1〜7及び比較例1〜2の各液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を用い、下記に記載の方法により、耐衝撃性、透明性及び視認性を評価した。それぞれの結果を表2に併記する。
(1)耐衝撃性試験
図2に示すように、大理石等からなる基台72の上に、シリコーンゴム板61(厚さ5.15mm)を載せ、この上に表2に示す構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体1を載置した。次いで、ゴルフボール7(直径42.7mm、質量45.8g)を、所定高さから液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体1上に自由落下させ、衝突させた。その後、液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体1の基層2に、ひびや割れが起きていないか目視で確認し、破損したときの高さを落球高度とした。
(2)透明性試験
上記実施例1〜7及び比較例1〜2の各液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を用いて、BYK−Gardner Gmbh社製モデル(haze−gard plus)を使用して、25℃における全光線透過率(%)を求め、透明性を評価した。
(3)視認性試験
上記実施例1〜7及び比較例1〜2の各液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を、レーザープリンタで黒色印字を行った白色の普通紙コピー機用紙(PPC用紙)上に載置し、目視で印字の見え易さを「○」、「△」及び「×」で判定した。尚、各基準は次の通りである。
「○」;印字の輪郭がぼやけたりすることなく、はっきりと読み取ることができる。
「△」;印字の輪郭が若干ぼやける、又は全体が薄暗く見える。
「×」;印字がぼやける、又は読み取ることができない。
3.実施例の効果
表2によれば、耐衝撃性においては、エラストマーにより構成される衝撃吸収層を設けた実施例1〜7の落球高度は、最低で31cm(実施例3)、最高で73cm(実施例4)であり、透明樹脂層のみを載置した比較例1の落球高度(14cm)、及び比較例2の落球高度(18cm)に比べて、大幅に破損しにくくなっており、耐衝撃性に優れるものであることがわかる。
特に、実施例1の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は図1に示すように、厚さが1.5mmと比較例1、2の1.7mm又は2.2mmより薄く、鉱物油系軟化剤と混合した水添ブロック重合体1により構成される衝撃吸収層3を有するので、落球高度が32cmと比較例1、2の14cm、18cmより高く、強度が上がっているのがわかる。
また、実施例2〜4及び7の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は図3に示すように、厚さが1.5mm、2.0mm、1.9mm、1.5mmと比較例2の2.2mmより薄く、衝撃吸収層3の上に透明樹脂層41を有している。このため、落球高度が順に28cm、31cm、73cm、40cmと比較例1、2の14cm、18cmより高く、強度が上がっているのがわかる。また、特に実施例4の衝撃吸収層は鉱物油系軟化剤と混合した水添ブロック重合体2により構成されているため、落球高度が73cmと大きな保護性能を備えることができた。
更に、実施例5、6の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体は図5に示すように、基層2、第1透明樹脂層41、衝撃吸収層3及び第2透明樹脂層42をこの順に積層しているため、落球高度が53cm、55cmと比較例1、2の14cm、18cmより高く、強度が上がっているのがわかる。
また、透明性においては、実施例1〜7の25℃での全光線透過率が91%以上の値を示しており、透明性に優れるものであることがわかる。
更に、視認性においては、比較例1、2はいずれも「△」であり、各実施例に比べると視認性が好ましくなかった。一方、実施例1〜7はいずれも「○」であり、干渉縞等も見られず良好な視認性を得ることができた。
尚、本発明においては、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、透明樹脂層中に粒径100nm以下の粒子を分散させることができる。この粒子は、例えば、コロイダルシリカなどを用いることができる。このような粒子を含めることによって、透明樹脂層にかかった力を複数の粒子が受け止めて応力を分散させることができる。
液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体の衝撃試験を説明するための模式図である。 異なる構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 異なる構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 異なる構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 異なる構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 異なる構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 異なる構成の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体を説明するための模式断面図である。 従来のディスプレイパネルにおける、基層周辺の構成を説明するための模式図である。
符号の説明
1;液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体、2;基層、3;衝撃吸収層、41;透明樹脂層(第1透明樹脂層)、42;透明樹脂層(第2透明樹脂層)、5;液晶ディスプイレイユニット、51;偏光板、52;カラーフィルタ、61;弾性板、62;基台、7;ゴルフボール、8;透明樹脂層、9;空隙。

Claims (18)

  1. 液晶ディスプレイユニットを構成する透明の基層と、該基層上に配設されている透明の衝撃吸収層とを備えることを特徴とする液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  2. 液晶ディスプレイユニットを構成する透明の基層と、該基層上に配設され且つ液晶表示体を構成する1以上の機能層と、該基層と該機能層との間、該機能層間及び最表面側の該機能層上のうちの少なくとも1箇所に配設されている透明の衝撃吸収層と、を備えることを特徴とする液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  3. 上記機能層は、偏光板、アレイ基板、カラーフィルタ、視野角拡大フィルム、アンチリフレクションフィルム、アンチグレアフィルム、透明導電膜及び位相差フィルムのうちの少なくとも1種である請求項2に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  4. 上記衝撃吸収層は、エラストマーにより構成される請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  5. 上記衝撃吸収層は、少なくとも一部が、電子線照射、紫外線照射、及び架橋剤を用いる方法から選ばれる手段により架橋されたエラストマーにより構成される請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  6. 上記エラストマーは、共役ジエンのブロック(共)重合体、共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物、エチレン・α−オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体、極性基変性オレフィン系共重合体と金属イオン及び/又は金属化合物とよりなるエラストマー、ブチルゴム、並びにアクリル系ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種及び/又はこれらの組成物である請求項4又は5に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  7. 上記極性基変性オレフィン系共重合体に含まれる極性基が、カルボキシル基及びその誘導体、水酸基、エポキシ基、並びにスルホン酸基のうちの少なくとも1種である請求項6に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  8. 上記極性基変性オレフィン系共重合体は、オレフィン系単量体の1種又は2種以上と、極性基を有する不飽和単量体の1種又は2種以上とを共重合して得られる共重合体であり、且つ上記極性基変性オレフィン系共重合体中の単量体単位を100モル%とした場合、上記極性基を有する不飽和単量体単位の割合は0.01〜20モル%である請求項6又は7に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  9. 上記共役ジエンのブロック(共)重合体の水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエンと他のモノマーとの質量比が100〜50/0〜50であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)と、をそれぞれ分子中に少なくとも1つ有するブロック重合体中のエチレン性不飽和結合が水素化されてなるものである請求項6に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  10. 上記エラストマーは、液状材料を含む請求項4乃至9のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  11. 上記液状材料の40℃における動粘度が800mm/s以下である請求項10に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  12. 上記液状材料の含有量は、上記エラストマーに含有される重合体の合計100質量部に対して、50〜5000質量部である請求項10又は11に記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  13. 上記衝撃吸収層は厚さが2.0mm以下である請求項1乃至12のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  14. 上記基層は、無アルカリガラスにより構成される請求項1乃至13のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  15. 厚さが2.5mm以下である請求項1乃至14のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  16. 上記衝撃吸収層上に透明樹脂層が更に配設されており、該衝撃吸収層及び該透明樹脂層の厚さの合計は3.5mm以下である請求項1乃至15のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  17. 上記衝撃吸収層の配設方法は、接着又はホットプレスである請求項1乃至16のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
  18. 携帯電話、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン及び時計用である請求項1乃至17のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル用衝撃吸収多層体。
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