JP2016066605A - 表示素子用封止剤 - Google Patents

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由季 小林
Yoshiki Kobayashi
由季 小林
和志 伊藤
Kazuyuki Ito
和志 伊藤
山本 拓也
Takuya Yamamoto
拓也 山本
卓夫 鈴木
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
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Abstract

【課題】アウトガスの発生を抑制することができ、接着性、及び、硬化物の透明性に優れる表示素子用封止剤を提供する。【解決手段】1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、重合開始剤とを含有する表示素子用封止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、アウトガス発生の抑制と高い接着性を両立でき、硬化物の透明性にも優れる表示素子用封止剤に関する。
近年、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を有する表示素子として、液晶表示素子や有機EL表示素子等が広く利用されている。これらの表示素子では、通常、液晶や発光層の封止等に光硬化性樹脂組成物が用いられる。
例えば、液晶表示素子は、通常、2枚の電極付き透明基板を所定の間隔をおいて対向させ、その周囲を封止剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、この液晶注入口を、液晶注入口用封止剤を用いて封止することにより製造される。
従来、液晶注入口用封止剤としては、1液型又は2液型の硬化性エポキシ樹脂組成物や、特許文献1に記載されているような光硬化型のアクリル系樹脂組成物等が広く用いられてきた。
しかしながら、1液型の硬化性エポキシ樹脂組成物は、一般的に高温で長時間の加熱を要するため生産性に劣り、2液型の硬化性エポキシ樹脂組成物は、主剤と硬化剤とを混合するのに手間がかかる上に、混合後は可使時間(ポットライフ)内に使用しなければならないため、特に作業性に劣るものであった。
光硬化型のアクリル系樹脂組成物は、作業性や生産性には優れるものの、液晶汚染による色むら発生や、表示素子の製造過程で残存するアクリル樹脂による多量のアウトガス発生、接着性や硬化物の透明性に劣るものであったりするという問題があった。
また、有機EL表示素子は、有機発光材料層や電極が外気に曝されると、その性能が急激に劣化する。そこで、有機EL表示素子の安定性や耐久性を高めるために、有機発光材料層と電極とを、無機材料膜を介して樹脂膜で被覆して封止する方法が提案されている。
特許文献2には、無機材料膜の上にアクリル系の樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する方法が開示されている。しかしながら、このような場合もアクリル樹脂によるアウトガス発生等の問題があった。
特開2010−196001号公報 特開2001−307873号公報
本発明は、アウトガス発生の抑制と高い接着性を両立でき、硬化物の透明性にも優れる表示素子用封止剤を提供することを目的とする。
本発明は、1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、重合開始剤とを含有する表示素子用封止剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、接着性に優れ、硬化物の透明性に優れる表示素子用封止剤として、アクリル樹脂に代えて、1分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物とを含有する樹脂組成物(以下、「エン−チオール系樹脂組成物」ともいう)を用いることを検討した。しかしながら、このようなエン−チオール系樹脂組成物を用いた場合でも、低アウトガス性と高接着性を両立させることが困難であった。
本発明者らは、更に鋭意検討した結果、エン−チオール系樹脂組成物に用いるポリチオール化合物として、1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物とを組み合わせて用いることで、アウトガスの発生の抑制と高い接着性を両立し、硬化物の透明性に優れる表示素子用封止剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物を用いることにより、表示素子用封止剤の反応性が高くなり、硬化後の架橋密度も高くなるためアウトガスの発生を抑制することができる。しかしながら、1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物のみを用いた場合には、接着性が低下してしまう。そこで1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物を併用することにより、高い反応性と低アウトガス性を維持しながら、高い接着性をも得ることができると考えられる。
本発明の表示素子用封止剤は、1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物(以下、「ポリチオール化合物(a)」ともいう。)を含有する。上記ポリチオール化合物(a)は、ポリエン化合物と反応して硬化物を生成するための成分であって、表示素子用封止剤の反応性を高め、硬化後の架橋密度を高くしてアウトガスの発生を抑制する役割を有する。
上記ポリチオール化合物(a)の1分子中に含まれるチオール基の数は4個以上である。これにより、表示素子用封止剤の反応性を高め、硬化後の架橋密度を高くしてアウトガスの発生を抑制する効果を発揮することができる。上記ポリチオール化合物(a)の1分子中に含まれるチオール基の数は、4個以上、6個以下であることが好ましい。チオール基の数がこの範囲であることにより、反応時の分子の運動性が高く、チオール基が充分に反応して、得られる表示素子用封止剤が硬化性により優れるものとなる。
上記ポリチオール化合物(a)としては、例えば、下記一般式(1)で表されるポリチオール化合物、又は、下記一般式(2)で表されるポリチオール化合物が挙げられる。
Figure 2016066605
式(1)、式(2)中、X〜Xは、各々独立して、下記式(3)、式(4)及び式(5)からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有し、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
式(1)、式(2)中、Y〜Yは、各々独立して、チオール基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基及び水素からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有し、少なくとも4つはチオール基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
Figure 2016066605
式(3)、(4)中、Z、Zは、各々独立して、エステル、エーテル又はスルフィドのいずれかの構造を表す。
式(3)、(4)、(5)中、R〜Rは、各々独立して、炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
上記式(1)で表されるポリチオール化合物の具体例としては、例えば、ペンタエリスリチオール、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)等が挙げられる。
上記式(2)で表されるポリチオール化合物の具体例としては、例えば、ジペンタエリスリチオール、ジペンタエリスリトール−ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール−ヘキサキス(3−メルカプトアセテート)等が挙げられる。
上記ポリチオール化合物(a)としては、得られる表示素子用封止剤が透明性に優れるものとなることから、上記一般式(1)で表されるポリチオール化合物、上記一般式(2)で表されるポリチオール化合物のなかでもX〜Xが上記式(3)、式(4)で表されるエステル結合含有ポリチオール化合物又はスルフィド結合含有ポリチオール化合物が好ましい。
より具体的には、上記ポリチオール化合物(a)は、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトール−ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)及びジペンタエリスリトール−ヘキサキス(3−メルカプトアセテート)からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記ポリチオール化合物(a)としては、その他にも例えば、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、4,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、5,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール等のスルフィド含有ポリチオール化合物や、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン等の芳香族ポリチオール化合物等を用いることができる。
これらのポリチオール化合物(a)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の表示素子用封止剤は、1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物(以下、「ポリチオール化合物(b)」ともいう。)を含有する。
上記ポリチオール化合物(b)は、ポリチオール化合物(a)と併用することにより、表示素子用封止剤に高い反応性と低アウトガス性を維持しながら、高い接着性を付与する役割を有する。
上記ポリチオール化合物(b)としては、例えば、下記一般式(6)で表されるポリチオール化合物(1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物)等の環状スルフィド化合物や下記一般式(7)で表されるポリチオール化合物等が挙げられる。
Figure 2016066605
上記式(6)中、mは1〜12の整数を表す。
上記式(7)中、X10〜X12は、各々独立して、上記式(3)、式(4)及び式(5)からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有し、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
上記式(7)中、Y〜Yは、各々独立して、チオール基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基及び水素からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有し、少なくとも2つはチオール基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
上記式(7)中、Wは、水素、又は、アミノ基、カルボニル基、水酸基、カルボキシ基、エーテル結合、若しくは、スルフィド結合を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を表す。
上記式(6)で表されるポリチオール化合物の具体例としては、例えば、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトエチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトプロピル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトブチル−1,4−ジチアン等が挙げられる。
上記式(7)で表されるポリチオール化合物の具体例としては、例えば、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−トリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール−トリス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
上記ポリチオール化合物(b)としては、得られる表示素子用封止剤が透明性に優れるものとなることから、上記式(6)で表されるポリチオール化合物のなかでもmが1〜3であるポリチオール化合物、又は、上記式(7)で表されるポリチオール化合物のなかでもX10〜X12が式(3)、式(4)で表されるエステル結合含有ポリチオール化合物又はスルフィド結合含有ポリチオールが好ましい。
上記ポリチオール化合物(b)としては、その他にも例えば、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール等の脂肪族ポリチオールや、トリレン−2,4−ジチオール、キシレンジチオール等の芳香族ポリチオールや、ジグリコールジメルカプタン、トリグリコールジメルカプタン、テトラグリコールジメルカプタン、チオジグリコールジメルカプタン、チオトリグリコールジメルカプタン、チオテトラグリコールジメルカプタン、テトラエチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリス−[(3−メルカプトブチルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、4−(メルカプトメチル)−3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール等が挙げられる。
これらのポリチオール化合物(b)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の表示素子用封止剤において、上記ポリチオール化合物(a)と上記ポリチオール化合物(b)との配合割合は、重量比で、ポリチオール化合物(a):ポリチオール化合物(b)=3:97〜97:3であることが好ましい。上記ポリチオール化合物(a)と上記ポリチオール化合物(b)との配合割合がこの範囲内であれば、得られる表示素子用封止剤は、高い反応性と低アウトガス性を維持しながら、より高い接着性を発揮することができる。上記ポリチオール化合物(a)と上記ポリチオール化合物(b)とのより好ましい配合割合は、ポリチオール化合物(a):ポリチオール化合物(b)=15:85〜85:15であり、更に好ましい配合割合は、ポリチオール化合物(a):ポリチオール化合物(b)=25:75〜75:25である。
以下、上記ポリチオール化合物(a)と上記ポリチオール化合物(b)とを併せて、単に「ポリチオール化合物」ともいう。
本発明の表示素子用封止剤は、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物を含有する。上記ポリエン化合物は、上記ポリチオール化合物と反応して硬化物を生成するための成分である。
上記ポリエン化合物としては、例えば、(メタ)アリル化合物、(メタ)アクリル化合物、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのポリエン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アリル化合物としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル(後述する式(9−2)で表される化合物)、1,3,4,6−テトラアリル−3a−メチルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル(後述する式(9−3)で表される化合物)等が挙げられる。なかでも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリルが好適である。
上記(メタ)アクリル化合物としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1分子中に2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、スルフィド型エポキシ化合物、ジフェニルエーテル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、アルキルポリオール型エポキシ化合物、ゴム変性型エポキシ化合物、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド化合物等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能のエステル化合物や、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等の3官能以上のエステル化合物等が挙げられる。
本発明の表示素子用封止剤における上記ポリエン化合物の含有量は、上記ポリチオール化合物(a)とポリチオール化合物(b)との合計量100重量部に対する好ましい下限が20重量部、好ましい上限が80重量部である。上記ポリエン化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用封止剤を低アウトガス性と接着性とにより優れるものとすることができる。上記ポリエン化合物の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は70重量部である。
本発明の表示素子用封止剤は、上記ポリチオール化合物(a)又はポリチオール化合物(b)と上記ポリエン化合物とを反応させることにより形成されるチオエーテルオリゴマーを含有してもよい。上記チオエーテルオリゴマーを含有することにより、アウトガスの発生をより抑制することができ、表示素子用封止剤の塗布性を向上させることもできる。
上記チオエーテルオリゴマーは、未反応チオール基や未反応炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいし、未反応チオール基や未反応炭素−炭素二重結合を含んでいなくてもよい。即ち、上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物との付加重合反応を充分に進めて得られるチオール基や未反応炭素−炭素二重結を含まないチオエーテルオリゴマーであってもよい。
なお、上記チオエーテルオリゴマーを含有する場合、上記ポリチオール化合物の含有量、上記ポリエン化合物の含有量、及び、上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物との配合割合等は、それぞれ上記チオエーテルオリゴマーの原料を含めたものを意味する。
本発明の表示素子用封止剤が上記チオエーテルオリゴマーを含有する場合、上記ポリチオール化合物(a)及びポリチオール化合物(b)と上記ポリエン化合物とを含有する表示素子用封止剤において、ポリチオール化合物とポリエン化合物との付加重合反応の途中で反応を停止させることにより得られるものであってもよいし、予め調製したチオエーテルオリゴマーを上記ポリチオール化合物(a)又はポリチオール化合物(b)と上記ポリエン化合物とに配合してもよい。
上記チオエーテルオリゴマーを予め調製する方法としては、原料となるポリチオール化合物とポリエン化合物とを重量比で3:1〜1:3の範囲で混合した後、重合開始剤の存在下で光照射又は加熱して付加重合反応させる方法が挙げられる。なお、ポリエン化合物の炭素−炭素二重結合のモル数に対するポリチオール化合物のチオール基のモル数(チオール基のモル数/炭素−炭素二重結合のモル数)が0.15以下である場合は、得られる反応混合物中にポリエン化合物が未反応成分として残る。
上記チオエーテルオリゴマーの原料となるポリチオール化合物及びポリエン化合物は、上述した本発明の表示素子用封止剤に含有されるポリチオール化合物及びポリエン化合物と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
上記重合開始剤としては、後述する光重合開始剤又は熱重合開始剤等を用いることができる。
上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は4万である。上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用封止剤を塗工性により優れるものとすることができる。上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量のより好ましい下限は1500、より好ましい上限は1万であり、更に好ましい下限は2000、更に好ましい上限は8000である。
なお、本明細書において、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
本発明の表示素子用封止剤において、上記ポリチオール化合物(a)、ポリチオール化合物(b)、ポリエン化合物及びチオエーテルオリゴマーの合計100重量部中における上記チオエーテルオリゴマーの含有量の好ましい下限は30重量部、好ましい上限は90重量部である。上記チオエーテルオリゴマーの含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用封止剤を、低アウトガス性と塗工性とにより優れるものとすることができる。上記チオエーテルオリゴマーの含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は80重量部であり、更に好ましい下限は40重量部である。
本発明の表示素子用封止剤全体中における、ポリチオール化合物の含有量は5〜40重量%であり、ポリエン化合物の含有量は5〜40重量%であり、チオエーテルオリゴマーの含有量は30〜90重量%であることが好ましい。上記ポリチオール化合物、上記ポリエン化合物、及び、上記チオエーテルオリゴマーの含有量がこの範囲であることにより、アウトガスの発生を抑制する効果、塗工性、接着性、及び、硬化物の透明性の全てにおいて、充分な効果を発揮できるものとなる。
本発明の表示素子用封止剤は、上記ポリチオール化合物及び/又はポリエン化合物と反応可能な反応性官能基並びにグリコールウリル骨格を有する化合物(以下、「反応性官能基含有グリコールウリル化合物」ともいう)を含有することが好ましい。
上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物を含有することにより、本発明の表示素子用封止剤は、高温高湿環境下における信頼性に優れるものとなる。
上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物は、硬化物が耐熱性に優れるものとなることから、1分子中に4個以上の反応性官能基を有することが好ましい。
上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物における反応性官能基としては、例えば、チオール基、炭素−炭素二重結合、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基等が挙げられる。なかでも、チオール基及び/又は炭素−炭素二重結合が好ましい。
即ち、上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物は、反応性官能基としてチオール基を1分子中に2個以上有する場合には上記ポリチオール化合物に含まれるものとなり、反応性官能基として炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上有する場合にはポリエン化合物に含まれるものとなり、これら以外の場合には後述するその他の重合性化合物に含まれるものとなる。
なかでも、上記ポリチオール化合物(a)がグリコールウリル骨格を有することが好ましい。また、上記ポリエン化合物がグリコールウリル骨格を有することも好ましい。
上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物としては、具体的には、下記式(8)で表される化合物が好ましく、下記式(9−1)で表される化合物、下記式(9−2)で表される化合物、下記式(9−3)で表される化合物、及び、下記式(9−4)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、下記式(9−1)で表される化合物、下記式(9−2)で表される化合物、及び、下記式(9−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
Figure 2016066605
式(8)中、R及びRは、水素又はメチル基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは、チオール基を含む基又は炭素−炭素二重結合を含む基であり、各Xは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Figure 2016066605
上記重合性化合物100重量部中における上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物の含有量の好ましい下限は10重量部である。上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物の含有量が10重量部以上であることにより、得られる表示素子用封止剤が高温高湿環境下における信頼性を向上させる効果により優れるものとなる。上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物の含有量のより好ましい下限は20重量部である。
本発明の表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記ポリチオール化合物、ポリエン化合物、及び、チオエーテルオリゴマー以外のその他の重合性化合物を含有してもよい。本発明の表示素子用封止剤は、上記その他の重合性化合物として、上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物を含有してもよい。
上記その他の重合性化合物である上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物としては、例えば、1−メルカプトメチルグリコールウリル、1−(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、1−アリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラグリシジルグリコールウリル(上記式(9−4)で表される化合物)、1,3,4,6−テトラキス(カルボキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(カルボキシエチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシエチル)グリコールウリル等が挙げられる。
上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物となるもの以外の上記その他の重合性化合物としては、光又は熱で硬化反応するものであれば特に限定されず、例えば、上述したエポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ化合物や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物」とは、1分子中に1個以上のエポキシ基と1個の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を意味する。また、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物は、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の1個のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
本発明の表示素子用封止剤は、重合開始剤を含有する。
上記重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤を用いることができる。なかでも、光重合開始剤が好適である。
上記光重合開始剤としては、例えば、アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物、α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物、ベンジルケタール骨格を有する化合物、α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物、ベンゾイン骨格を有する化合物、オキシムエステル骨格を有する化合物、チタノセン骨格を有する化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、オリゴマー化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。なかでも、光硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物、α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物、ベンジルケタール骨格を有する化合物、α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物、ベンゾイン骨格を有する化合物、オキシムエステル骨格を有する化合物、チタノセン骨格を有する化合物、及び、オリゴマー化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく、アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物、及び/又は、オリゴマー化合物であることがより好ましい。
ここで、上記アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物とは、アシルホスフィンオキサイドの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物とは、α−アミノアセトフェノンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記ベンジルケタール骨格を有する化合物とは、α−ジヒドロキシアセトフェノンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物とは、α−モノヒドロキシアセトフェノンの水酸基以外の一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記ベンゾイン骨格を有する化合物とは、ベンゾインの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記オキシムエステル骨格を有する化合物とは、N−アセチルジメチルオキシムの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記チタノセン骨格を有する化合物とは、チタノセンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記有機過酸化物とは、ペルオキシ基を有する化合物を意味する。上記アゾ化合物とは、アゾ基を有する化合物を意味する。
上記アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、「LUCILIN TPO」)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、「IRGACURE 819」)等が挙げられる。
上記α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製、「IRGACURE 907」)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(BASF社製、「IRGACURE 369」)、1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社製、「IRGACURE 379」)等が挙げられる。
上記ベンジルケタール骨格を有する化合物としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製、「IRGACURE 651」)等が挙げられる。
上記α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF社製、「IRGACURE 127」)等が挙げられる。
上記オキシムエステル骨格を有する化合物としては、例えば、1−(4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)(BASF社製、「IRGACURE OXE01」)、O−アセチル−1−(6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)エタノンオキシム(BASF社製、「IRGACURE OXE02」)等が挙げられる。
上記チタノセン骨格を有する化合物としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(BASF社製、「IRGACURE 784」)等が挙げられる。
上記光重合開始剤として挙げたオリゴマー化合物は、アウトガスの発生を低減する観点から、重合度が2〜10のものが好ましく、更に、アウトガスが発生しにくいことから、水酸基やアミノ基等の水酸結合性官能基を有することが好ましい。
具体的には例えば、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパン)(Lamberti社製、「ESACURE KIP 150」、「ESCURE1」)、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、(2−カルボキシメトキシチオキサントン)−(ポリテトラメチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol TX」)、(カルボキシメトキシメトキシベンゾフェノン)−(ポリエチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol BP」)等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、分子量の好ましい下限が250、好ましい上限が1500である。分子量が250〜1500の光重合開始剤を用いることにより、本発明の表示素子用封止剤は、アウトガスの発生を抑制する効果が更に向上する。上記光重合開始剤の分子量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用封止剤が低アウトガス性と硬化性とにより優れるものとなる。アウトガスの発生をより低減する等の観点から、上記光重合開始剤の分子量のより好ましい下限は300、より好ましい上限は1050、更により好ましい下限は348、更により好ましい上限は790である。
上記熱重合開始剤としては特に限定されないが、アゾ化合物、有機過酸化物等の熱ラジカル重合開始剤が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量は、上記重合性化合物の合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。上記重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用封止剤の作業性や硬化性が向上し、より均一な硬化物を得ることができる。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は4重量部である
本発明の表示素子用封止剤は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤は、硬化後の硬化物が透明となるものが好ましく、例えば、チオール化合物、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤のうち市販されているものとしては、例えば、HN−2200、HN−2000、HN−5500、MHAC−P(いずれも日立化成社製)、フジキュアー7000、フジキュアー7001、フジキュアー7002、トーマイド410−N、トーマイド215−70X、トーマイド423、トーマイド437、トーマイドTXC−636−A(いずれもT&K TOKA社製)、MEH−8000H、MEH−8005(いずれも明和化成社製)等が挙げられる。
本発明の表示素子用封止剤は、接着性付与剤を含有してもよい。
上記接着性付与剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、チタンカップリング剤や、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。これらの接着性付与剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の表示素子用封止剤は、酸化防止等を目的として安定剤を含有してもよい。
上記安定剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。これらの安定剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の表示素子用封止剤は、更に、本発明の目的を阻害しない範囲において、充填剤、硬化促進剤、可塑剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収材、有機溶剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の表示素子用封止剤を製造する方法としては、例えば、ポリチオール化合物とポリエン化合物、又は、ポリチオール化合物とポリエン化合物とチオエーテルオリゴマー、重合開始剤、及び、必要に応じて添加される接着性付与剤等を、攪拌機を用いて均一に混合する方法等が挙げられる。
本発明の表示素子用封止剤は、コーンローター式粘度計を用いて、20℃、20rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が50mPa・s、好ましい上限が40Pa・sである。上記粘度がこの範囲であることにより、得られる表示素子用封止剤が塗工性や透明性により優れるものとなる。上記粘度のより好ましい下限は400mPa・s、より好ましい上限は25Pa・sである。
本発明の表示素子用封止剤は、硬化物の波長380〜780nmの領域での可視光の平均透過率が80%以上であることが好ましい。上記可視光の平均透過率が80%以上であることにより、透明性が求められる用途に好適に用いることができる。上記可視光の平均透過率は、95%以上であることがより好ましい。
なお、上記可視光の平均透過率を測定する硬化物は、本発明の表示素子用封止剤が上記光重合開始剤を含有する場合には2000mJ/cmの紫外線を照射する方法により得ることができ、上記熱重合開始剤を含有する場合には150℃、60分間以上加熱する方法により得ることができる。
本発明の表示素子用封止剤は、厚さ100μmの硬化物を、昇温速度10℃/minで150℃まで加熱したときの重量減少率が0.15%以下であることが好ましい。上記重量減少率は、アウトガス発生量とみなすことができるため、0.15%以下であることにより、表示素子への悪影響を抑制できるものとなる。上記重量減少率は、0.1%以下であることがより好ましい。
なお、上記重量減少率を測定する硬化物は、本発明の表示素子用封止剤が上記光重合開始剤を含有する場合には2000mJ/cmの紫外線を照射する方法により得ることができ、上記熱重合開始剤を含有する場合には150℃、60分間以上加熱する方法により得ることができる。
本発明の表示素子用封止剤を光硬化させる場合の硬化方法としては、例えば、300〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cmの積算光量の光を照射する方法等が挙げられる。
本発明の表示素子用封止剤に光を照射するための光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の表示素子用封止剤への光の照射手段としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を用いてもよい。
本発明の表示素子用封止剤を熱硬化させる場合の硬化方法としては、例えば、100〜200℃の温度で60分間以上加熱する方法等が挙げられる。
本発明の表示素子用封止剤に熱を加えるための熱源としては、例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ランプ等が挙げられる。これらの熱源は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の表示素子用封止剤は、表示素子の面、全面、前面、後面、若しくは、周囲を封止するための封止剤、シール剤、又は、表示素子に設けられた開口部を封止するための封口剤として用いることができる。なかでも、表示素子の全面を封止するために好適に用いられる。
なお、本明細書において「表示素子」とは、液晶表示素子、有機EL表示素子等を表す。また、本明細書において上記「全面」とは、表示素子有する面の必ずしも100%を意味するものではなく、表示素子に求められる必要な封止面を意味する。更に、本明細書において「前面」とは、光線を取り出す側、即ち、視認側の面を意味する。
本発明の表示素子用封止剤は、例えば、有機EL表示素子用シール剤、有機EL表示素子用封止剤、液晶シール剤、液晶封止剤、エレクトロクロミック基板用シール剤、エレクトロクロミック基板用封止剤、電子ペーパー用シール剤、電子ペーパー用封止剤等に用いることができる。
本発明によれば、アウトガスの発生を抑制することができ、接着性、及び、硬化物の透明性に優れる表示素子用封止剤を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1〜15、比較例1〜9)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を攪拌機(新東科学社製、「スリーワンモーター HEIDON BLH300」)を用いて70℃にて3時間加熱混合することにより、実施例1〜15及び比較例1〜9の表示素子用封止剤を調製した。
なお、チオール基含有シルセスキオキサン樹脂としては荒川化学工業社製「コンポセランSQ101」を用いた。
(評価)
各実施例及び各比較例で得られた表示素子用封止剤について、以下の方法により評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)表示素子用封止剤の粘度
コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、20℃、20rpmの条件で各表示素子用封止剤の粘度を測定した。
(2)表示素子用封止剤の塗工性
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、ガラス基板上に各表示素子用封止剤を塗工した際の塗工性を評価した。ディスペンスノズルを400μm、ノズルギャップを30μm、塗出圧を300kPaに固定して塗工したとき、かすれやダレがなく塗工できた場合を「○」、かすれやダレが生じた場合を「△」、大きな塗工切れや塗工ムラが生じたり、全く塗工できなかったりした場合を「×」として評価した。
(3)アウトガス発生量
各実施例及び各比較例で得られた表示素子用封止剤を、バーコーターを用いて塗工後の厚さが100μmとなるように塗工し、超高圧水銀灯を用いて2000mJ/cmの紫外線を照射してフィルムを形成した。得られたフィルムを熱分析装置(Seiko Instruments社製、「TG/DTA6200」)を用いて、昇温速度10℃/minで150℃まで加熱したときの重量減少率を測定し、これをアウトガス発生量とした。重量減少率が、0.005%未満であったものを「◎◎」、0.005%以上0.01%未満であったものを「◎」、0.01%以上0.05%未満であったものを「○」、0.05%以上0.1%未満であったものを「△」、0.1%以上であったものを「×」としてアウトガス発生量を評価した。また、「−」は組成物が硬化しなかったことによる「未測定」を意味する。
(4)接着性
各実施例及び各比較例で得られた表示素子用封止剤をマイクロピペットを用いてガラス基板上に0.05g塗工した。この基板を、スペーサーを配置した別のガラス基板と50μmの厚みとなるように貼り合わせ、高圧水銀灯を用いて2000mJ/cmの紫外線を照射して、接着力試験用試料を作製した。得られた接着力試験用試料について、EZ GRAPH(島津製作所社製)を用いて、剥離速度5mm/minの条件で剥離試験を行い、接着力を測定した。接着力が2.0N/cm以上であったものを「◎」、接着力が1.5N/cm以上2.0N/cm未満であったものを「○」、接着力が1.0N/cm以上1.5N/cm未満であったものを「△」、接着力が1.0N/cm未満であったものを「×」として接着性を評価した。また、「−」は組成物が硬化しなかったことによる「未測定」を意味する。
(5)硬化物の透明性
各実施例及び各比較例で得られた表示素子用封止剤を、PET樹脂フィルムに挟み、2000mJ/cmの紫外線を照射して、厚さ50μmの透過率測定用サンプルを作製した。得られた透過率測定用サンプルについて、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」、条件300〜800nm)を用いて、波長380〜780nmにおける光線透過率を測定した。波長380〜780nmにおける平均透過率が95%以上であったものを「◎」、90%以上95%未満であったものを「○」、80%以上90%未満であったものを「△」、80%未満であったものを「×」として透明性を評価した。また、「−」は組成物が硬化しなかったことによる「未測定」を意味する。
(6)表示素子の表示性能
(6−1)液晶表示素子の表示性能
(液晶表示素子の作製)
厚さ1000ÅのITO電極を表面に成膜した後、更にスピンコートにて厚さ800Åの配向膜を表面に塗布したガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)を2枚用意し、一方の基板に熱硬化性エポキシ樹脂(周辺シール剤)を用いて、液晶注入口部を設けるようにしたパターンの印刷をスクリーン印刷にて行った。次に、パターンの印刷を行った基板を80℃で3分間保持することにより予備乾燥と基板への周辺シール剤の融着とを行った後、室温に戻した。次いで、もう一方の基板に5μmのスペーサーを散布した後、それぞれの基板を貼り合わせ、130℃に加熱した熱プレスで2時間の圧着を行って周辺シール剤を硬化させ、空の液晶表示素子を得た。得られた空の液晶表示素子を真空吸引した後、注入口より液晶(メルク社製、「ZLI−4792」)を注入し、注入口を各実施例及び各比較例で得られた表示素子用封止剤を用いて封止し、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cmの紫外線を照射して封止剤を硬化させた。その後、120℃で1時間液晶のアニールを行い、液晶表示素子を作製した。
(液晶表示素子の配向乱れ)
得られた液晶表示素子を、AC3.5Vの電圧にて中間調の表示状態で駆動させ、注入口近傍の液晶の配向乱れを偏光顕微鏡で観察した。配向乱れが確認されなかった場合を「◎」、1mm未満の配向乱れが確認された場合を「○」、1mm以上の薄い配向乱れが確認された場合を「△」、1mm以上のはっきりとした配向乱れ(濃い色むら)があった場合を「×」として液晶表示素子の表示性能を評価した。また、「−」は組成物が硬化しなかったことによる「未測定」を意味する。
(6−2)有機EL表示素子の表示性能
(有機発光材料層を含む積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alqの入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を含む積層体が配置された基板を取り出した。
(無機材料膜Aによる被覆)
得られた有機発光材料層を含む積層体が配置された基板の、該積層体の全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量を10sccm及び200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成されたシリコンナイトライドの無機材料膜Aの厚さは、約0.2μmであった。
(樹脂保護膜の形成)
真空装置内に、無機材料膜Aで被覆された積層体が配置された基板を設置し、真空装置の中に設置された加熱ボートに各実施例及び各比較例で得られた表示素子用封止剤を0.5g入れ、10Paに減圧して、積層体を含む11mm×11mmの四角形の部分に、表示素子用封止剤を200℃にて加熱し、厚さが0.5μmになるように真空蒸着を行った。その後、真空環境下で高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して、表示素子用封止剤を硬化させて樹脂保護膜を形成した。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜が形成された基板の11mm×11mmの樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して表示素子(有機EL表示素子)を得た。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成されたシリコンナイトライドの無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
(有機EL表示素子の発光状態)
作製した有機EL表示素子をそれぞれ60℃、90%RHの条件下に100時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、発光状態(発光及びダークスポット、画素周辺消光の有無)を目視で観察し、ダークスポットや周辺消光が無く均一に発光した場合を「◎」、ダークスポットや周辺消光が若干認められた場合を「○」、ダークスポットや周辺消光が認められた場合を「△」、非発光部が著しく拡大した場合を「×」として有機EL表示素子の表示性能を評価した。また、「−」は組成物が硬化しなかったことによる「未測定」を意味する。
Figure 2016066605
Figure 2016066605
本発明によれば、アウトガスの発生を抑制することができ、接着性、及び、硬化物の透明性に優れる表示素子用封止剤を提供することができる。

Claims (9)

  1. 1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、重合開始剤とを含有することを特徴とする表示素子用封止剤。
  2. 1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物は、4個以上6個以下のチオール基を有することを特徴とする請求項1記載の表示素子用封止剤。
  3. 1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物は、下記一般式(1)で表されるポリチオール化合物、又は、下記一般式(2)で表されるポリチオール化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の表示素子用封止剤。
    Figure 2016066605
    式(1)、式(2)中、X〜Xは、各々独立して、下記式(3)、式(4)及び式(5)からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有し、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
    式(1)、式(2)中、Y〜Yは、各々独立して、チオール基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基及び水素からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有し、少なくとも4つはチオール基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
    Figure 2016066605
    式(3)、(4)中、Z、Zは、各々独立して、エステル、エーテル又はスルフィドのいずれかの構造を表す。
    式(3)、(4)、(5)中、R〜Rは、各々独立して、炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
  4. ポリチオール化合物及び/又はポリエン化合物と反応可能な反応性官能基並びにグリコールウリル骨格を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示素子用封止剤。
  5. 1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物が、グリコールウリル骨格を有することを特徴とする請求項4に記載の表示素子用封止剤。
  6. 1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物が、グリコールウリル骨格を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示素子用封止剤。
  7. 1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物は、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトール−ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)及びジペンタエリスリトール−ヘキサキス(3−メルカプトアセテート)からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の表示素子用封止剤。
  8. 1分子中に4個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と1分子中に2個以上3個以下のチオール基を有するポリチオール化合物との配合割合が重量比で3:97〜97:3であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の表示素子用封止剤。
  9. 更にチオエーテルオリゴマーを含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の表示素子用封止剤。
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