JP6769894B2 - 硬化性樹脂組成物及び表示素子用封止剤 - Google Patents
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Description
液晶表示素子は、通常、2枚の電極付き透明基板を所定の間隔をおいて対向させ、その周囲を封止剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、この液晶注入口を、特許文献1に記載されているような硬化性樹脂組成物からなる液晶表示素子用封口剤を用いて封止することにより製造される。
また、有機EL表示素子では、有機発光材料層や電極が外気に曝されると、その性能が急激に劣化してしまうため、有機EL表示素子の安定性や耐久性を高めるために、有機発光材料層と電極とを、無機材料膜を介して樹脂膜で被覆して封止する方法が提案されている。例えば、特許文献2には、無機材料膜の上にアクリル系の樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する方法が開示されている。また、特許文献3には光カチオン重合による方法も開示されている。
式(3−2)中、R3は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。
式(3−3)中、R4は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。
式(3−4)中、R5は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表し、mは、1〜4の整数を表す。
式(3−5)中、nは、0〜3の整数を表す。
以下に本発明を詳述する。
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、更に特定の構造を有するチアジアゾール系化合物及び/又はトリアジン系化合物を配合することで、金属イオンが共存していたり、金属と接していたりする場合でも保存安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記式(1)で表されるチアジアゾール系化合物及び/又は上記式(2)で表されるトリアジン系化合物を含有することにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、金属イオンが共存していたり、金属と接していたりする場合でも保存安定性に優れるものとなる。また、上記式(1)で表されるチアジアゾール系化合物及び/又は上記式(2)で表されるトリアジン系化合物は、本発明の硬化性樹脂組成物の使用時等に金属と接触した際の酸化を防止する効果も有する。
なお、本明細書において、上記式(1)で表されるチアジアゾール系化合物が上記式(3−3)中のR4が水素である基(−SH基)を2個有する場合や、上記式(2)で表されるトリアジン系化合物が上記式(3−3)中のR4が水素である基(−SH基)を2個以上有する場合、これらは後述するポリチオールモノマーではなく、それぞれ式(1)で表されるチアジアゾール系化合物及び式(2)で表されるトリアジン系化合物として扱う。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物が上記式(1)で表されるチアジアゾール系化合物と上記式(2)で表されるトリアジン系化合物との両方を含有する場合、上述した含有量は、これらの合計の含有量を意味する。
なお、本明細書において上記「炭素−炭素二重結合」は、エチレン性不飽和結合を意味する。
なかでも、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)が好ましく、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)がより好ましく、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)が特に好ましい。
なお、上記2級チオール基を有する3官能以上のポリチオールモノマーは、有する全てのチオール基が2級チオール基であってもよいし、一部のチオール基のみが2級チオール基であってもよい。
以下、1分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオールモノマーを、単に「ポリチオールモノマー」ともいう。
なお、本明細書において上記「(メタ)アリル」とは、アリル又はメタリルを意味し、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ナフトールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物等が挙げられる。
以下、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエンモノマーを、単に「ポリエンモノマー」ともいう。
即ち、上記反応性官能基含有グリコールウリル化合物は、反応性官能基としてチオール基を1分子中に2個以上有する場合には上記ポリチオールモノマーに含まれるものとなり、反応性官能基として炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上有する場合には上記ポリエンモノマーに含まれるものとなる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記チオエーテルオリゴマーを含有することにより、接着性が向上し、かつ、硬化性樹脂組成物の粘度が適度に高くなって塗工時にムラが生じにくいものとなる。
なお、上記チオエーテルオリゴマーは、未反応チオール基や未反応炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいし、未反応チオール基や未反応炭素−炭素二重結合を含んでいなくてもよい。即ち、上記ポリチオールモノマーと上記ポリエンモノマーとの付加重合反応を充分に進めて得られる、チオール基や未反応炭素−炭素二重結合を含まないチオエーテルオリゴマーであってもよいし、該付加重合反応の途中で反応を停止させることにより得られる、未反応チオール基や未反応炭素−炭素二重結合を含むチオエーテルオリゴマーであってもよい。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤としては、後述する本発明の硬化性樹脂組成物に含有される重合開始剤として挙げる光重合開始剤と同様のものを用いることができる。
また、上記チオエーテルオリゴマーは、予め作製したものをポリチオールモノマー、ポリエンモノマー等と混合してもよい。
上記チオエーテルオリゴマーを予め作製する場合、上記チオエーテルオリゴマーの原料となるポリチオールモノマー及びポリエンモノマーは、上述した、本発明の硬化性樹脂組成物に含有される上記3官能以上のポリチオールモノマー及び上記3官能以上のポリエンモノマーとそれぞれ同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
なお、本明細書において、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、光重合開始剤や上述した熱重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤が好適に用いられる。
ここで、上記アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物とは、アシルホスフィンオキサイドの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物とは、α−アミノアセトフェノンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記ベンジルケタール骨格を有する化合物とは、α−ジヒドロキシアセトフェノンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物とは、α−モノヒドロキシアセトフェノンの水酸基以外の一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記ベンゾイン骨格を有する化合物とは、ベンゾインの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記オキシムエステル骨格を有する化合物とは、N−アセチルジメチルオキシムの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記チタノセン骨格を有する化合物とは、チタノセンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記有機過酸化物とは、ペルオキシ基を有する化合物を意味する。上記アゾ化合物とは、アゾ基を有する化合物を意味する。
具体的には例えば、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパン)(Lamberti社製、「ESACURE KIP 150」)、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、(2−カルボキシメトキシチオキサントン)−(ポリテトラメチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol TX」)、(カルボキシメトキシベンゾフェノン)−(ポリエチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol BP」)等が挙げられる。
上記安定剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。なかでも、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)が好ましい。これらの安定剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記接着性付与剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、チタンカップリング剤や、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。これらの接着性付与剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
なお、上記可視光の平均透過率を測定する硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物に対して、2000mJ/cm2の紫外線を照射する方法等により得ることができる。
なお、上記重量減少率を測定する硬化物は、厚さ50μmとなるように塗布した本発明の硬化性樹脂組成物に対して、2000mJ/cm2の紫外線を照射する方法等により得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を光照射により硬化させる方法としては、例えば、300〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cm2の積算光量の光を照射する方法等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「表示素子」とは、液晶表示素子と有機EL表示素子とを表す。
なお、本明細書において上記「全面」とは、表示素子の有する面の必ずしも100%を意味するものではなく、表示素子に求められる必要な封止面全体を意味する。また、上記「前面」とは、光線を取り出す側、即ち、視認側の面を意味する。
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、撹拌機(新東科学社製、「スリーワンモーター HEIDON BLH300」)を用いて混合した後、80℃で10分加熱することにより、実施例1〜15及び比較例1〜4の硬化性樹脂組成物を調製した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について、以下の方法により評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について、製造直後及び温度25℃、湿度50%RHの雰囲気下で168時間保存した後に、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、20℃、20rpmの条件で粘度を測定し、増粘率を下記の式にて計算した。
増粘率(%)=100×(保存後の粘度)/(製造直後の粘度)
増粘率が105%未満であった場合を「○」、105%以上110%未満であった場合を「△」、110%以上であった場合を「×」として保存安定性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について、0.5mgをSUS630製の板上に直径1cmの円状になるよう塗布した状態のまま、温度25℃、湿度50%RHの雰囲気下で最大7日間保存した。保存開始から1日毎に、乾いたウエスで拭き取り、板上に硬化性樹脂組成物が固着していることが確認された最短時点の日数を記録した。
保存開始から5日以上経過した後でも固着していることが確認されなかった場合を「○」、保存開始から2日以上5日未満の経過で固着していることが確認された場合を「△」、保存開始から2日未満の経過で固着していることが確認された場合を「×」として金属接触状態での保存安定性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、波長365nmのLEDランプを用いて、2000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で30分間加熱してフィルムを形成した。その後、FT−IRを用いた分析方法により、炭素−炭素二重結合に由来するピークの減少率から反応率を測定した。反応率が90%を超えた場合を「○」、80%を超え90%以下であった場合を「△」、80%以下であった場合を「×」として硬化性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を、スリットコーターを用いて100mm/秒の速度で塗布後の厚さが50μmとなるようにして塗布し、波長365nmのLEDランプを用いて2000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で30分間加熱してフィルムを形成した。
得られたフィルムを熱分析装置(Seiko Instruments社製、「TG/DTA6200」)を用いて、昇温速度10℃/minで130℃まで加熱したときの重量減少率を測定し、これをアウトガス発生量とした。アウトガス発生量が0.1%未満であったものを「○」、アウトガス発生量が0.1%以上0.3%未満であったものを「△」、アウトガス発生量が0.3%以上であったものを「×」として低アウトガス性を評価した。
(5−1)液晶表示素子の表示性能
(液晶表示素子の作製)
厚さ1000ÅのITO電極を表面に成膜した後、更にスピンコートにて厚さ800Åの配向膜を表面に塗布したガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)を2枚用意し、一方の基板に熱硬化性エポキシ樹脂(周辺シール剤)を用いて、液晶注入口部を設けるようにしたパターンの印刷をスクリーン印刷にて行った。次に、パターンの印刷を行った基板を80℃で3分間保持することにより予備乾燥と基板への周辺シール剤の融着とを行った後、室温に戻した。次いで、もう一方の基板に5μmのスペーサーを散布した後、それぞれの基板を貼り合わせ、130℃に加熱した熱プレスで2時間の圧着を行って周辺シール剤を硬化させ、空の液晶表示素子を得た。得られた空の液晶表示素子を真空吸引した後、注入口より液晶(メルク社製、「ZLI−4792」)を注入し、注入口を実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を用いて封止し、波長365nmのLEDランプを用いて、2000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で30分間加熱した。その後、120℃で1時間液晶のアニールを行い、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子を、50℃、90%RHの条件下に240時間暴露した後、AC3.5Vの電圧にて中間調の表示状態で駆動させ、注入口近傍の液晶の配向乱れを偏光顕微鏡で観察した。配向乱れが確認されなかった場合を「○」、1mm未満の配向乱れが確認された場合を「△」、1mm以上のはっきりとした配向乱れ(濃い色むら)があった場合を「×」として液晶表示素子の表示性能を評価した。
(有機発光材料層を含む積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alq3の入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を含む積層体が配置された基板を取り出した。
得られた有機発光材料層を含む積層体が配置された基板の、該積層体の全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiH4ガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiH4ガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成されたシリコンナイトライドの無機材料膜Aの厚さは、約0.2μmであった。
上記無機材料膜A上に、実施例及び比較例で得られた各表示素子用透明封止剤を、スリットコーターを用いて、100mm/秒の速度で塗布後の厚さが50μmとなるようにして塗布した。次いで、波長365nmのLEDランプを用いて、2000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で30分間加熱して樹脂保護膜を形成した。
上記樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して表示素子(有機EL表示素子)を得た。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiH4ガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiH4ガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成されたシリコンナイトライドの無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
作製した有機EL表示素子をそれぞれ85℃、85%RHの条件下に240時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、発光状態(発光及びダークスポットや、画素周辺消光の有無)を目視で観察し、ダークスポットや周辺消光が無く均一に発光した場合を「○」、ダークスポットや周辺消光が認められた場合を「△」、非発光部が著しく拡大した場合を「×」として有機EL表示素子の表示性能を評価した。
Claims (3)
- 1分子中に3個以上のチオール基を有するポリチオールモノマー、及び、1分子中に3個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエンモノマーを含有する重合性化合物と、重合開始剤と、下記式(1)で表されるチアジアゾール系化合物及び/又は下記式(2)で表されるトリアジン系化合物とを含有する
ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
式(3−2)中、R3は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。
式(3−3)中、R4は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。
式(3−4)中、R5は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表し、mは、1〜4の整数を表す。
式(3−5)中、nは、0〜3の整数を表す。 - 式(1)で表されるチアジアゾール系化合物及び/又は式(2)で表されるトリアジン系化合物の含有量が、重合性化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする表示素子用封止剤。
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