JP2019191480A - 調光フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】経時的あるいは使用環境の変化に伴う封止部の変性による破断,変形,剥離の問題を解消した周縁シール部を具備する調光フィルムの提案。【解決手段】樹脂フィルム上に透明電極層を有する第1及び第2の積層体により調光層を挟持し、調光層の電気的制御により光の透過状態を変調する調光フィルムにおいて、積層構造が露出した側端面を覆うシール部を有し、シール部は、側端面を覆うように封止材が塗布形成されており、調光フィルムの積層構造が露出した側面端部から樹脂フィルム上にかかる部分(a)と、端部から樹脂フィルム外側の周辺方向に延出する部分(b)とを有しており、(a)部が10mm以下、(b)部が10μm以上1000μm以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電気的制御によって光の透過状態を変調する光学素子を備えた調光フィルムに関する。
光学素子の種類としては、調光フィルムにより発揮される視覚効果の要求に応じて、液晶素子,エレクトロクロミック材料,懸濁粒子(SPD:Suspended Particle Device)等が適宜選択されうる。以下、液晶素子により代表して説明する。
液晶表示装置は、一般的な表示装置として、数値などの情報表示装置,映像などの画像表示装置などの様々な領域で利用されている。
液晶材料を用いた表示装置では、一定の間隔を保持して配置された電極を有する基板間に液晶分子を配向して挟み込み、さらにこれらを2枚の偏光板で挟み込んだものであり、電気的に液晶を駆動することにより、偏向光の透過率を変えることで、セル(画素)単位での透光状態−遮光状態の変調による表示を可能にしている。
一方で、建築や自動車などの居住空間における窓などの領域において、外部環境の変化に応じて居住空間を常に快適に保つための光学的な機能を窓ガラスに持たせた調光ガラスの検討がなされてきた(例えば、非特許文献1)。
このような調光ガラス用として液晶材料を用いる場合には、先に示した表示装置用の方式とは異なり、偏光板を用いず、光の利用効率の高い液晶表示素子として、液晶の透過状態(透明状態)と散乱状態(不透明状態)との間でスイッチングを行う液晶表示素子があり、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に配置された液晶分子を有する構成のポリマーネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、または、液晶分子がポリマー中に分散配置された構成の高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)を用いたものが知られており、透光−遮光でなく透明−散乱の状態変化を奏する素子として採用されている。
液晶層は、酸,水分,紫外線などによって劣化が生じやすく、特に、液晶層が挟持されたシート端部(周縁部)は水分や酸,紫外線などに触れる可能性が高く、液晶層の劣化が生じ易い。
前面基板上にPDLCがコーティングされ、これに背面基板をラミネートした形態のPDLCパネルにおける周縁部のシール構造に係る提案として、特許文献1では、前面基板の表面と背面基板の側面およびPDLCの側面に、シール剤を塗布するシール構造が開示されている。
特許文献1では、シール剤に要求される特性として、粘度が10万〜50万CPの無溶剤シリコーン系接着剤であること,シール剤の色をPDLCパネルの色と類似色にして、シール剤の存在を目立たなくすることが開示されている。
PDLCパネルの別形態では、
(1)前面基板と背面基板がスペーサを介して隙間を保持され、両基板の周囲数mmの対向面にシール剤が印刷等により塗布され、パネルとして形成されており、このパネル内に
液晶を注入した形態(たとえば、特許文献2参照)
(2)前面基板と背面基板が共にリジッドな基材(ガラス,樹脂板)でなく、フレキシブルな樹脂フィルムを用い、ロール・トゥ・ロール(roll to roll)方式での製造に適した形態に係る提案が見られるが、それぞれに適した特性,手法による周縁部のシール構造が要求される。
特開平6−186574号公報 国際公開第2017/146039号
NEW GLASS Vol.13 No.1 1998 P48−51 透明電極(あるいは、さらに配向膜)が成膜されたフレキシブルな樹脂フィルム製基材に光学素子(液晶材料)が挟持された剛性の不十分な調光フィルムを剛性の十分な透明基板に貼り合わせずに(あるいは2枚の透明基板に挟み込まずに)、全体としてフレキシブルな調光フィルムとして実用に供する使用形態もある。この場合、劣化が生じ易い光学素子(液晶層)を、フィルム端部(周縁部)での水分や酸,紫外線などとの接触から確実に保護し、2枚の樹脂フィルム製基材の剥離を回避することが必要となる。
調光フィルムを長期間使用する場合、封止剤が樹脂フィルム製基材から徐々に剥がれ、空気が浸入するといった問題が発生し、調光フィルムにかかる温度変化が大きくなるほど、封止部が剥がれやすい傾向を示す。そのため、長期にわたって密着不良のない封止技術の確立が調光フィルムでの重要な課題となっている。
本発明は、前面基板および背面基板としてフレキシブルな樹脂フィルムが用いられた調光フィルムを、ガラス基板など剛性の十分な基材(透明基板)に保持、固定することなく使用するにあたり、経時的あるいは使用環境の変化に伴う封止部の変性による破断,変形,剥離の問題を解消し、信頼性を向上する上で有効な周縁シール部を具備する調光フィルムを提案することを目的とする。
本発明による調光フィルムは、
樹脂フィルム上に少なくとも透明電極層を有する第1及び第2の積層体により調光層を挟持し、電気的制御によって調光層の変調により光の透過状態を変調して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
積層構造が露出した側端面を覆うシール部を有し、
前記シール部は、前記側端面を覆うように封止材が塗布形成されており、
前記シール部は、調光フィルムの積層構造が露出した側面端部から樹脂フィルム上にかかる部分(a)と、前記端部から樹脂フィルム外側の周辺方向に延出する部分(b)とを有しており、各部分の長さが、(a)部が10mm以下、(b)部が10μm以上1000μm以下であることを特徴とする。
封止材は、第1と第2の積層体の間に挟持されている構成も採用しうる。

調光フィルムの積層方向での封止材の厚さ(c)が、封止部を除いた調光フィルムの厚さ(f)の0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。
第1及び第2の積層体を剥離するために要する強度が4N/25mm以上であることが好ましい。
本発明により、調光フィルムのシール部の封止状態が好適に維持され、経時的あるいは使用環境の変化に伴う封止部の変性による破断,変形,剥離の問題が解消され、信頼性を向上する上で有効な周縁シール部を具備する調光フィルムが提供される。
本発明の実施形態に係る調光フィルムの一例を示す説明図。 本発明の実施形態に係る調光フィルムの他例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る調光フィルム調光装置に適用した一例を示す平面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、同様または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面は本発明の実施形態の一例を示すもので、これらに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る調光フィルムの一例を示す平面図(A),断面図(B)である。
図1(B)に示す通り、調光フィルム11は、調光層(液晶層)13とその両面を挟み込むように、透明電極15が成膜されたフレキシブルな透明性フィルム14が配置されており、調光フィルム11の周縁部にはシール部12が設けられて、調光フィルム10(全体)が構成されている。
透明性フィルム11は、ロール・トゥ・ロール(roll to roll)方式での製造に適した実質的に透明なフレキシブルフィルム基材であれば、いずれも用いることができる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース誘導体、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などからなるフィルムを用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
このような透明性フィルムには、紫外線吸収剤、安定剤などが添加されてあっても良いし、透明性フィルムのいずれかの面に、紫外線吸収層,熱線反射層,バリア層などが設けられてあってもなんら問題ない。
また、透明性フィルムには、適宜、易接着処理、帯電防止処理、などが施されてあっても何ら問題ない。
透明電極15は、従来公知の透明性を有する電極材料であればいずれも用いることができ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)導電膜,酸化錫導電膜,酸化亜鉛導電膜,高分子導電膜などからなる電極を用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。この様な透明電極15は、真空蒸着法やスパッタリング法等の物理的気相成長法(PVD法),各種化学的気相成長法(CVD法),各種塗布法等を用いることにより
形成することができる。
また、透明電極15のパターニングが必要となった場合には、エッチング法,リフトオフ法,レーザトリミング法,各種マスクを用いる方法など、任意の方法によって行うことができる。
透明電極15の上(調光層13側)には、必要に応じて適宜、配向膜などが設けられてあっても良い。配向膜は従来公知の配向膜であれば、水平配向膜,垂直配向膜のいずれが用いられていても良く、用途に応じて適宜選定することができる。
本発明では、調光層13としてPDLC,PNLCの何れのタイプの液晶組成物も採用可能である。
液晶素子からなる調光層13には、その使用態様により、ノーマルモードとリバースモードの二種が知られている。ノーマルモードとは、電圧印加(ON)により透過状態となり、電圧除去(OFF)により散乱状態となるモードを言う。また、リバースモードとは、電圧除去(OFF)により透過状態となり、電圧印加(ON)により散乱状態となるモードを言う。リバースモードの場合、透明電極15の上に配向膜が形成されたフィルム基材を要することとなる。
PNLCによる調光層では、相分離において未反応成分が殆どなく、ポリマーネットワークと液晶領域が高い純度で明確に分かれる挙動を示す。
また、基板(導電膜)のラビングによるプレチルト配向処理を行なうことなく、理想的な配向状態を実現することが可能であり、液晶分子はポリマーネットワークによって分割されたドメインごとにほぼ一様に配向することになる。
PNLCの駆動電圧は、一般にポリマーネットワークの構造上の特性(ドメインの大きさや形状,ポリマーネットワークの膜厚など)に依存しており、ポリマーネットワークの構造と、得られる光透過度あるいは光散乱度との関係において、駆動電圧が決定されている。100V以下の電圧領域において、十分な光透過あるいは散乱度が得られるようなPNLCを構成するには、各ドメインがいずれも適正な大きさで均一となるように、かつ、形状も均一となるようにポリマーネットワークを形成する必要がある。
本発明では、ポリマーネットワーク構造に依存するドメインサイズを3μm以下、好ましくは2μm以下、一層好ましくは約1μmとなる様に制御する。
高分子材料は、従来公知の材料をいずれも用いることができるが、紫外線照射によって重合反応を誘起し、硬化させることが可能な紫外線硬化型樹脂が好適に用いられる。
具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどの各種(メタ)アクリレート化合物などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
このような紫外線硬化型樹脂には、重合開始剤や増感剤,各種安定剤などが添加されてあっても良い。
液晶材料は、ネマチック液晶,スメクチック液晶,コレステリック液晶など従来公知の液晶材料をいずれも用いることができる。中でも、低電圧での駆動ならびに散乱特性などを考慮すると、誘電率の異方性が高く、屈折率の異方性の大きいものが好ましい。
このような液晶材料は、先に示した高分子材料の重合反応に供するエチレン基などの官能基を有していても良く、あるいは重合反応前の高分子材料に予め側鎖として導入されてあっても良い。
上述のような調光層13には、スペーサが導入されてあっても良い。スペーサを導入することにより、調光層13の厚さを均一に保つことが可能となる。
スペーサとしては、特に限定するものではないが、粒状の樹脂スペーサや、粒状のガラススペーサなどを好適に用いることができる。
調光層13を設けるための方法としては、前記透明電極を有する透明性フィルム上に、各種コーター等を用いて液晶組成物を塗布した後、もう一方の透明電極を有する透明性フィルムをラミネートする方法や、液晶組成物を滴下する所謂ODF(One−Drop−Fill)法など、従来公知の工法を任意に用いることができる。
上述の様にして得られた調光フィルム11の周縁部には、調光層13を水分,酸,紫外線などから守るためのシール部12が塗布形成により設けられている。
シール部12に用いられる封止材料としては、例えば、エポキシ系樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,酢酸ビニル系樹脂,エン−チオール系樹脂,シリコーン系樹脂,変性ポリマーなどの各種樹脂系において、熱硬化型,光硬化型,湿気硬化型,嫌気硬化型などの各種樹脂材料を用いることができる。
この様な特性を得るためのシール部12は、実質的に透明であることが望ましいと言えるが、状況に応じて適宜、色素やフィラー類などが添加されてあっても良い。色素を添加する場合には、耐候性等を考慮すると、顔料系の色素であることが望ましい。
図1(A)(B)に示す様に、シール部12は、調光フィルム11の積層構造が露出した側面端部から樹脂フィルム上にかかる部分(a)と、前記端部から樹脂フィルム外側の周辺方向に延出する部分(b)とを有しており、各部分の長さが、(a)部が10mm以下、(b)部が10μm以上1000μm以下となる様に形成される。図1では、(b)部は調光フィルム11の積層構造が露出した側面端部を覆うシール材料(封止材)の塗布厚に相当する。
シール部12の構造として、図2の断面図に示すように、調光フィルム11の端部で樹脂フィルム14(透明電極も含めて)により封止材を挟み込んだ構造も採用しうる。図2では、調光フィルム11の積層構造が露出した側面端部を掘り込んで樹脂フィルム14の厚さに近いシール部12を埋め込んだ様に図示されているが、実際には一方の樹脂フィルム14上に封止材を塗布した上で他方の樹脂フィルム14で挟み込んだ構成となる。シール部12および樹脂フィルム14は厚さ50μm以上200μm以下で、挟持される調光層13は厚さ10μm以上25μm以下,透明電極15は厚さ80nm以上150nm以下なので、シール部12および樹脂フィルム14の占める厚さが支配的になる筈であるが、説明の便宜上、実際の縮尺とは異なるサイズで誇張して図示している。
図1,図2の何れの場合においても、第1及び第2の積層体(透明電極15の形成された樹脂フィルム14)を剥離するために要する強度が4N/25mm以上であることが望ましい。
調光フィルム11とシール部12は、共に厚さ方向の中心が一致して、中心線を介して
厚さにおいて一方に偏らず、対称であることが望ましい。
また、シール部12は、更に紫外線遮蔽機能を有し、波長380nmの光(紫外線)の透過率が、0%以上60%以下の範囲であることが好ましい。これにより、調光フィルム10の周縁部から紫外線が入射することによって調光層13が劣化するのを防ぐことができる。この様な特性を有するシール部12を得るために、封止材には紫外線吸収剤が添加されていることが望ましい。
紫外線吸収剤は、従来公知のものをいずれも任意に用いることができる。具体的には、例えば、酸化チタン,酸化亜鉛,酸化セリウムなどの無機系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール系,トリアジン系,ベンゾフェノン系等の有機系紫外線吸収剤などを適宜選定し、単独あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
上述の様なシール部12を設けることにより、極めて意匠性が高く、また劣化などの問題を抑えた信頼性の高い調光フィルム10ならびに調光装置を提供する事ができる。
図3は、実用に供する上で調光フィルム10に交流電源31ならびに制御部32を設け、調光装置1とした例を示している。
交流電源31は、制御部32に接続され、制御部32によって、調光フィルム10に設けられた透明電極15に供給(印加)される電圧が制御される。(図中の20は、調光装置1における交流電源31,制御部32を取り付けて支持する対象部材を示す。)
例えば、調光フィルム10に印加される電圧をONまたはOFFすることにより、調光層13中の液晶材料の配向状態を制御し、調光フィルム10を透明状態あるいは散乱状態とすることができ、調光フィルムのヘイズ(白色度)を制御することが可能となる。
以上の様にして得られる調光装置1は、建物の窓,自動車の窓やサンルーフ,パーテーションなど各種の用途に用いることができる。
以下、シール部14について、JIS R 3255に規定されたスクラッチ試験に基づく密着性,JIS K 7127に規定された引張試験に基づく引張弾性率,引張強さが種々異なる実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
ITO層付きフレキシブル樹脂フィルム基材を2枚用意し、その一方の基材に25μmの厚さ(液晶が挟持されるギャップとなる)でスペーサを塗布した。
その後、スペーサ塗布面に、ODF法にて下記液晶組成物を滴下し、次いで、他方のフィルム基材のITO面が向き合うように貼り合わせを行ない、350nm以下の波長をカットした照度60mWのメタルハライドランプを用いて、365nm換算で7J/cmの紫外線照射を行ない、調光フィルムとなる液晶表示素子を得た。液晶セルに紫外線を照射する際の照射装置内を25℃に制御した。
液晶層が挟持された調光フィルムの端部において、両方の透明電極層(ITO)から調光層を電気制御するための給電部を形成した。
両面それぞれの透明電極層(ITO)について、一方の樹脂フィルムに切り欠けを形成し、接続領域となる他方の樹脂フィルム側のITOを露出させた上で、ITO上に給電電極部(導電ペースト,導電テープを形成し、リード線をはんだ付け)を形成してなる調光フィルムを得た。給電電極部には、必要に応じて接続領域を覆う状態で紫外線硬化性エポ
キシ樹脂あるいは紫外線硬化性アクリル樹脂からなる電極保護層を形成するが、実施例および比較例においては省略する。
調光フィルムを2.5cm×15cmの小片サンプルにカットし、調光フィルム(小片サンプル)の端部2mmから調光フィルムの外側100μmにかけて膜厚が調光フィルムの膜厚の1.5倍になるように封止材(後述する「封止材1」)を塗布してシール部とし、ブラックライトを表面のタック性がなくなるまで照射し、目視にて検査を行った。シール部は、図1に示す形状である。
<液晶組成物>
液晶組成物には、液晶と硬化性樹脂、二官能モノマー、並びにヒドロキシ基、カルボキシ基及びリン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有するモノマーを含む。液晶には、ネマチック液晶、スメクチック液晶又はコレステリック液晶を用いることができる。
<封止材>
シール部となる封止材としては、ポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型樹脂液として調製したものを用いることができ、ポリエン化合物としてはアリル化合物、プロペニル化合物、(メタ)アクリレート化合物等が上げられ、ポリエン−ポリチオール系樹脂、(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。本発明においては、処方の異なる封止材を6種類用意して、それぞれ「封止材1」〜「封止材6」と称して、以下の実施例(全12)と比較例(全8)に採用した。
<実施例2〜12>
<比較例1〜8>
封止材の種類,(a)部長さ,(b)部長さ,封止材の厚さ(c)と調光フィルムの厚さ(f)との比(c/f)を各種変更した組み合わせデータを持つ実施例2〜12,比較例1〜8に係るシール部を全20種類(実施例1を含む)のサンプルを作製し、評価した。
指標となるシール部のサイズは、(a)≦10mm,(b)=10〜1000μm,(c)=シール部を除いた調光フィルム(図1(B)における11)の厚さの0.5〜2倍である。
密着性については、JIS R 3255に規定されたスクラッチ試験(本来は、ガラス基板と薄膜との付着性評価手段)に基づく封止材と樹脂フィルムとの密着性が1.0mN以上であるサンプルを良品と判定した。
引張強さについては、JIS K 7127に規定された引張試験に基づく封止材の引張強さが2.0MPa以上であるサンプルを良品と判定した。
剥離強度については、引張試験機を用いて、調光フィルムの透明導電フィルム間を300mm/minの速さで引っ張り、透明導電フィルム間の剥離強度を測定した。この際、剥離強度が4N/25mm以上のものを良好とした。
意匠性については、1mの距離からサンプルを肉眼観察し、封止材が目立たないものを意匠性が良好とした。
評価結果を表1に示す。
実施例1〜12は、シール部の上記(a)(b)(c/f)が指標数値範囲内であり、
密着性,引張強さ,剥離強度,意匠性の評価項目を全てクリアしている。
比較例1では、シール部の(a)(b)(c/f)は指標数値範囲内であるが、封止材5の物性に問題があり、引張強さ,剥離強度の評価項目で合格判定値に至っていない。
比較例2では、シール部の(a)(b)(c/f)は指標数値範囲内であるが、封止材5の物性に問題があり、密着性,剥離強度の評価項目で合格判定値に至っていない。
比較例3,4では、シール部の(b)が指標数値範囲外(不足)であり、剥離強度の評価項目で合格判定値に至っていない。
比較例5では、シール部の(b)が指標数値範囲外(過剰)であり、意匠性の評価項目で合格判定されていない。
比較例6では、シール部の(a)が指標数値範囲外(過剰)であり、意匠性の評価項目で合格判定されていない。
比較例7では、シール部の(c/f)が指標数値範囲外(不足)であり、剥離強度の評価項目で合格判定値に至っていない。
比較例8では、シール部の(c/f)が指標数値範囲外(過剰)であり、意匠性の評価項目で合格判定されていない。
1 … 調光装置
10 … 調光フィルム
11 … 調光フィルム(シール部を除く)
12 … シール部
13 … 調光層(液晶層)
14 … 透明性フィルム
15 … 透明電極
20 … 交流電源,制御部の支持部材
31 … 交流電源
32 … 制御部

Claims (8)

  1. 樹脂フィルム上に少なくとも透明電極層を有する第1及び第2の積層体により調光層を挟持し、電気的制御によって調光層の変調により光の透過状態を変調して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
    積層構造が露出した側端面を覆うシール部を有し、
    前記シール部は、前記側端面を覆うように封止材が塗布形成されており、
    前記シール部は、調光フィルムの積層構造が露出した側面端部から樹脂フィルム上にかかる部分(a)と、前記端部から樹脂フィルム外側の周辺方向に延出する部分(b)とを有しており、各部分の長さが、(a)部が10mm以下、(b)部が10μm以上1000μm以下であることを特徴とする調光フィルム。
  2. 前記封止材は、前記第1と第2の積層体の間に挟持されていることを特徴とする請求項1記載の調光フィルム。
  3. 調光フィルムの積層方向での封止材の厚さが、封止部を除いた調光フィルムの厚さの0.5倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の調光フィルム。
  4. 第1及び第2の積層体を剥離するために要する強度が4N/25mm以上である請求項1〜3の何れかに記載の調光フィルム。
  5. 調光フィルムとシール部の厚さ方向における中心が一致することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の調光フィルム。
  6. JIS R 3255に規定されたスクラッチ試験に基づく封止材と樹脂フィルムとの密着性が1.0mN以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の調光フィルム。
  7. JIS K 7127に規定された引張試験に基づく封止材の引張強さが2.0MPa以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の調光フィルム。
  8. 前記調光層と前記透明導電フィルム間に、さらに配向層を備えることを特徴とする請求項1〜6記載の調光フィルム。
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