JP2014118470A - 接着助剤、rfl接着剤処理液及びゴム組成物−繊維複合体 - Google Patents

接着助剤、rfl接着剤処理液及びゴム組成物−繊維複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ゴム組成物と繊維間の初期接着力と耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を改善するための接着助剤、RFL接着剤処理液並びにゴム組成物−繊維複合体を提供する。
【解決手段】 塩化ビニルと0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニルを含む共重合体を含み、界面活性剤を含まず、かつ、平均粒子径が1.0μm以下のソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスを含有することを特徴とする接着助剤、当該接着助剤とレゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液、さらにゴムラテックスを含むRFL液を含有することを特徴とするRFL接着剤処理液、及び、当該RFL接着剤処理液を繊維に含浸し、その後乾燥して得られる処理繊維とゴム組成物を加硫して得られるゴム組成物−繊維複合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着助剤、RFL接着剤処理液及びゴム組成物−繊維複合体に関するものであり、特にゴム組成物と繊維間の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を高める接着助剤、その接着助剤を含むRFL接着剤処理液並びにそのRFL接着剤処理液で処理して得られるゴム組成物−繊維複合体に関する。
タイヤ、ベルト、ホース、空気バネ等のゴム製品が自動車部品や工業用部品や建築資材等の分野で使用されている。これらの製品は、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等のゴムを原料に、カーボンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤等を配合したゴム組成物に、接着剤を含浸・乾燥させたポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維等の繊維を加硫接着した複合体として製造されている。
ゴム組成物と繊維間の接着力を高める接着剤としては、レゾルシンとホルマリンの縮合物溶液(RF液)や、RF液にビニルピリジンスチレンブタジエン共重合体樹脂ラテックス等のゴムラテックスを混合した処理液(RFL液)、さらにはRFL液にイソシアネート化合物やエポキシ化合物等を混合した処理液等が用いられている。これらの接着剤はゴムや繊維間の接着力を高めるが、耐熱疲労屈曲後の接着性を高めるためにハロゲン系ゴムラテックスの使用や、特定の割合のビニルピリジン−共役ジエン系ゴムラテックスの使用による各種繊維とゴムの接着方法等が提案されている。
(1)ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンターポリマーラテックス、ブタジエンラテックス及びRF液を含む処理液で処理後、クロロスルホン化ポリエチレン、イソシアネート、加硫剤や鉛化合物を含む処理液で処理されたガラス繊維とゴム複合体がゴムベルトやタイヤ等のゴム製品の強度を増大させるために提案されている(例えば特許文献1)。この方法は確かにゴム加硫後の接着性を良好に維持できる有機繊維コード用接着剤組成物を得るが、長時間加硫後の接着性や屈曲疲労性に課題があった。また鉛を使用するので環境問題があり、使用される繊維もガラス繊維に限定される課題があった。
(2)ポリエステル繊維を90℃以上加熱処理し、その後RF液とビニルピリジン−共役ジエン系共重合体ラテックスを混合した処理液に浸漬処理し、更に特定の割合のビニルピリジン−共役ジエン系ゴムラテックスで処理されたテトロン繊維とゴムの接着方法が提案されている(例えば特許文献2)。この方法は確かにゴム加硫後の接着性を良好に維持できる有機繊維コード用接着剤組成物を得るが、長時間加硫後の接着性や、自動車タイヤに使用された際の高速走行中の補強用繊維の疲労劣化による接着力の低下に課題があった。また使用される繊維もテトロン繊維に限定される課題があった。
特開昭63−126975号公報 特開平1−96224号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、テトロン繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維等の各種繊維と、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム等の各種ゴム組成物間の初期接着力、熱劣化後の繊維とゴム組成物間の耐熱接着力、耐熱屈曲疲労後の接着力に優れた接着助剤、その接着助剤を含むRFL接着剤処理液及びそのRFL接着剤処理液で処理して得られるゴム組成物−繊維複合体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の塩化ビニル系樹脂ラテックスが、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、塩化ビニルと0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニルを含む共重合体を含み、界面活性剤を含まず、かつ、平均粒子径が1.0μm以下のソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスを含有することを特徴とする接着助剤、その接着助剤を含むRFL接着剤処理液、そのRFL接着剤処理液で処理して得られるゴム組成物−繊維複合体である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の接着助剤は、特定のソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスを含有するものである。
本発明の接着助剤が含有するソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、塩化ビニルと0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニルを含む共重合体を含み、界面活性剤を含まず、かつ、平均粒子径が1.0μm以下のものである。
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、塩化ビニルと0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニルを含む共重合体を含むものである。共重合体中のエポキシ基含有ビニルの含有量は0.2〜6重量%である。0.2重量%未満の場合は、初期接着力、耐熱劣化後の接着力、及び耐熱屈曲疲労後の接着力が劣る。6重量%を超える場合は、初期接着力は優れるが、耐熱劣化後の接着力や耐熱屈曲疲労後の接着力が劣る。
エポキシ基含有ビニルとしては、例えば、メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)、アクリル酸グリシジル(グリシジルアクリレート)、β−メチルグリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸のジグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル等を挙げることができ、これらは2種類以上含有してもよい。
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、界面活性剤を含まないものである。界面活性剤を含むと、ゴム組成物と接着助剤を含むRFL液によって処理された繊維とのゴム組成物−繊維複合体の初期接着力、耐熱劣化後の接着力、及び耐熱屈曲疲労後の接着力が損なわれる。
ここで界面活性剤とは、少量で著しい界面活性(水に溶けて水の表面張力を低下させる作用)示す物質をいい、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルなどのアルキル硫酸エステル塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類等が挙げられ、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリメタクリル酸メチル等が挙げられ、カチオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリルアミアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、塩化ビニルとエポキシ基含有ビニルの他に、カルボン酸ビニルエステルを含むことができる。カルボン酸ビニルエステルを含むことにより、カルボン酸ビニルエステルのケン化反応によって、重合体中にヒドロキシル基を有することができ、ゴム組成物−繊維複合体の初期接着力、耐熱劣化後の接着力、耐熱屈曲疲労後の接着力が更に向上する。ここに、カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、安息香酸ビニル等を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、平均粒子径が1.0μm以下である。平均粒子径が1.0μmを超えるとゴム組成物と接着助剤を含むRFL液によって処理された繊維とのゴム組成物−繊維複合体の初期接着力、耐熱劣化後の接着力、及び耐熱屈曲疲労後の接着力が損なわれる。ゴム組成物−繊維複合体の接着力をより向上させるため、平均粒子径は0.3〜0.8μmが好ましい。
ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは乳化重合によって製造できる。乳化重合は、水、又は水と水に混合し得る有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、塩化ビニル単量体と0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニル単量体、又は、塩化ビニル単量体と0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニル単量体とカルボン酸ビニルエステル単量体を、界面活性剤を含有しない水性媒体中で、重合開始剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは、60〜90℃で3〜24時間、必要に応じて連鎖移動剤を単量体に溶解させ、撹拌下重合を行うことにより得られる。また、ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスは、2種類以上のソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスをブレンドして用いることも可能である。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)、アクリル酸グリシジル(グリシジルアクリレート)、β−メチルグリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸のジグリシジルエステル等を挙げることができ、これらは2種類以上使用してもよい。
カルボン酸ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、安息香酸ビニル等を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
乳化重合の際は、必要に応じて塩化ビニル単量体に共重合可能な単量体を使用することもできる。塩化ビニル単量体に共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸又はその無水物類、アクリル酸のメチル、エチル、ブチル等のエステル類、メタクリル酸のメチル、エチル、ブチル等のエステル類:マレイン酸エステル、フマル酸エステル、桂皮酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステル類、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどのモノオレフィン類、塩化ビニリデン;スチレン及びその誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の単量体を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
重合開始剤は、例えば、過硫酸カリウム、過酸化アンモニウムなどの水溶性開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシピパレートなどのアゾ化合物、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカボーネートなどの油溶性開始剤等を挙げることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
連鎖移動剤は、例えば、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;2−メルトカプトエタノール、3−メルトカプトプロピオン酸オクチル、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;アセトン、n−ブチルアルデヒド等のアルデヒド類等が挙げられることができ、これらは2種類以上でも用いることができる。
本発明で使用される水性媒体とは、水とその他水溶性の重合助剤(緩衝剤等)のことで、塩化ビニル単量体などの有機層を分散させる媒体である。
本発明の接着助剤は、ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスの他に、必要に応じて、老化防止剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤等を含有することができる。
本発明のRFL接着剤処理液は、上記した接着助剤、及びレゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液とゴムラテックスを含むRFL液を含有するものである。
RFL液が含むレゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液は、例えば、1,3−ベンゼンジオール、1,5−ベンゼンジオール、ビスヒドロキシメチルフェノール、ビスヒドロキシエチルフェノールの如きビスヒドロキシアルキルフェノール等のレゾルシンとホルマリンとの縮合物の水溶液が挙げられる。これらは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基性触媒、もしくは塩酸、硫酸等の酸触媒によって製造される。
RFL液が含むゴムラテックスは、例えば、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスをカルボキシル基等で変性した変性ラテックス、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス及びその変性ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム及びその変性ラテックス、天然ゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ブチルゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体ラテックス等から選ばれた1種または2種以上を混合したラテックス混合物としても使用可能であるが、中でもビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスを含むことが望ましい。
レゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液とゴムラテックスを含むRFL液は、レゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液とゴムラテックスを任意の割合で混合することで得られる。
本発明のRFL接着剤処理液は、接着助剤をレゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液とゴムラテックスを含むRFL液に混合・分散して得られる。混合・分散する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、攪拌翼による混合分散、ホモジナイザー等による混合分散等が挙げられる。
本発明のRFL接着剤処理液には、必要に応じて、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ化合物等を含有していてもよい。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等のポリイソシアネート、またはこれらのイソシアネートと活性水素原子を2個以上有する化合物、例えば、トリメチロールプロパンヤペンタエリスリトール等と反応して得られる多価アルコール付加ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物としては、前記ポリイソシアネートに、例えば、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン類;フタル酸イミド類;カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類;アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム類等のブロック化剤を反応させたブロック化ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、分子内に2個以上のエポキシ有するポリエポキシド化合物で、例えば、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類やエピクロルヒドリンの如きハロゲン含有エポキシド類との反応物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応物や、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロメチル)アジペート等が挙げられる。
これらのイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ化合物を繊維処理剤として、直接、繊維に有機溶剤に酢酸エチル等に希釈し塗布乾燥してもよく、または、RFL接着剤処理液に混合・分散させる方法は、これらの化合物を攪拌機により混合・分散させてもよい。
本発明のRFL接着剤処理液により処理される繊維は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、スフ等が挙げられるが特に限定されるものではない。また繊維の形状は糸状、コード状、織物、不織布、シート、短繊維、フィルム、シート等の種々の形態があるが特に限定されるものではない。
繊維を本発明のRFL接着剤処理液に浸漬させる方法は、特に限定されるものではないが、1)本発明のRFL接着剤処理液を繊維に含浸乾燥させる方法、2)イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物またはエポキシ化合物を予め酢酸エチル等の有機溶剤に希釈し繊維に浸漬乾燥した後、本発明のRFL接着剤処理液をその繊維に含浸乾燥させる方法、3)イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物またはエポキシ化合物を本発明のRFL接着剤処理液に混合・分散させ繊維に含浸乾燥させる方法等があげられる。
本発明のRFL接着剤処理液によって含浸処理された繊維は、80〜150℃で水分を除去する乾燥処理を行った後、RFL接着処理液の樹脂化や繊維との化学結合を促進するため150℃以上の温度で熱処理(ベーキング)を行うことが好ましいが、ベーキング方法に特に制限はない。また、ベーキング処理を行う必要のない繊維はこの処理を行わなくても良い。
本発明のゴム組成物−繊維複合体に用いられるゴム組成物とは、原料ゴムと、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤及び加工助剤等からなる副原料物を混練して得られるゴム配合物のことである。
原料ゴムは特に限定されるものでは無いが、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴム等の不飽和型ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン、水素添加ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴムやフッ素ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム等の飽和型ゴム等が挙げられるが、これらは単独の使用もしくは2種以上のゴムを併用しても構わない。
副原料物は、例えば、カーボンブラックやマイカ、シリカ、クレイ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、マイカ、フェライト等の充填剤に加え、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、大豆油、菜種油等の植物油、ジブチルフタル酸エステルやジオクチルフタル酸エステル等のフタル酸エステル類、液状ブタジエンゴム等液状ゴム等の可塑剤、硫黄、ベンゾイルパーオキサイド等の加硫剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、モルホリノジチオベンゾチアゾール、ジフェニルチオウレア、ジフェニルグアニジン、メルカプトベンゾチアゾール、N−スルフェンアミド、ジメチルジカルバミン酸亜鉛等の加硫促進剤、酸化マグネシウム、鉛丹等の金属酸化物からなる加硫促進助剤、無水フタル酸、ニトロソジフェニルアミン等のスコーチ防止剤、N−イソプロピルN´−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチルカテコール、メルカプトベンツイミダゾール等の老化防止剤、チオキシレノール、ジキシルジスルフィド等の素練り促進剤、ワックス、ステアリン酸等の活剤、テルペンフェノール、がムロジン、トール油ロジン等の粘着付与剤、重炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、p,p´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の発泡剤等が挙げられ、これらを使用するにあたり特に制限はない。
原料ゴムと副原料物の混練は、オープンロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等のミキサーによって混合分散されるが特に制約を受けるものではない。
繊維の形態がコード、織物、シート等である場合、例えば、ゴム組成物と繊維間の接着力を高める本発明のRFL接着剤処理液により浸漬し、乾燥し水分を除去した後、繊維(ベーキング処理が必要な繊維はベーキング処理を施した繊維)とゴム組成物を密着させ、これを加硫することにより、ゴム組成物と繊維との接着を同時に行い、本発明のゴム組成物−繊維複合体を得ることができる。また、繊維の形態が短繊維である場合、例えば、ゴム組成物と本発明のRFL接着剤処理液により浸漬し、乾燥した短繊維とを混練し、これを加硫することにより、ゴム組成物と繊維との接着を同時に行い、本発明のゴム組成物−繊維複合体を得ることができる。加硫方法には、例えば、プレス加硫、蒸気加硫、熱空気加硫、UHF加硫、電子線加硫または溶融塩加硫等があり、いずれの方法を用いてもよい。
上記した本発明のゴム組成物−繊維複合体を成型することでゴム組成物−繊維複合体の成型体を得ることができる。成型方法としては、例えば、カレンダ加工、押出し成型、射出成型、圧縮成型等が挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
本発明の接着助剤をRFL液に混合・分散した本発明のRFL接着剤処理液は作業環境性に優れるものであり、繊維に含浸後乾燥することにより、本発明のゴム組成物−繊維複合体は、ゴム組成物と繊維間の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱疲労屈曲後の接着力に優れる。
以下の実施例、比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何らの制限を受けるものではない。
<平均粒子径の測定方法>
ソープフリー塩化ビニル系ラテックス中の共重合体の平均粒子径は、レーザー透過率が75〜85%となるように水を添加し濃度調整を行った測定用試料を、レーザー回析/散乱式粒径測定装置(LA920、堀場製作所(株)製)を用い、メジアン粒径を求め、平均粒子径とした。
<ゴム組成物−繊維複合体の初期接着力の測定>
恒温室(25℃、相対湿度65%)で1日以上放置したゴム組成物−繊維複合体のシートをJISK6502に準拠し、幅25mm、長さ100mm以上の短冊状の試験片を作製した。試験片は、引張り試験機(オリエンテック社製、型式RTM−500)を用い、50mm/分の剥離速度で加硫ゴム組成物と繊維間の剥離試験により剥離力を求め、初期の接着力とした。
<ゴム組成物−繊維複合体の耐熱劣化後の接着力の測定>
ゴム組成物−繊維複合体のシートを175℃、2時間の後加硫をギヤーオーブン中で行い、ゴム組成物−繊維複合体シートの剥離試験を初期接着強度と同様の方法で行い耐熱劣化後の接着力とした。
<ゴム組成物−繊維複合体の耐熱屈曲疲労後の接着力の測定>
ゴム組成物−繊維複合体のシートを定伸長屈曲疲労試験機(上島製作所製)を用い、100℃、300rpmで10万回耐熱疲労試験を行った後、ゴム組成物−繊維複合体シートの剥離試験を初期接着強度と同様の方法で行い耐熱屈曲疲労後の接着力とした。
実施例1
表1に示す通り、2.5Lオートクレーブ中に初期仕込みとして脱イオン水600.0g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5重量%)、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を撹拌翼で回転数120rpmを維持するよう撹拌し、反応混合物を60℃に上げて重合を開始した。グリシジルメタクリレート11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)を重合開始〜4hr後まで、2.8g/hrで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止して、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た。平均粒子径は、0.45μmであった。
Figure 2014118470
実施例2
表1に示す通り、グリシジルメタクリレートの代わりにアリルグリシジルエーテル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系ラテックス)を得た(平均粒子径:0.45μm)。
実施例3
表1に示す通り、初期仕込みを塩化ビニル単量体393.8g(全仕込み単量体に対して87.5重量%)、酢酸ビニル単量体45.0g(全仕込み単量体に対して10.0重量%)とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.40μm)。
実施例4
表1に示す通り、塩化ビニル単量体448.6g(全仕込み単量体に対して99.7重量%)、グリシジルメタクリレート1.4g(全仕込み単量体に対して0.3重量%)を重合開始〜2hr後まで0.7g/hrで連続添加とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.50μm)。
実施例5
表1に示す通り、塩化ビニル単量体427.5g(全仕込み単量体に対して95.0重量%)、グリシジルメタクリレート22.5g(全仕込み単量体に対して5.0重量%)を重合開始〜4hr後まで5.63g/hrで連続添加とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.31μm)。
実施例6
表1に示す通り、塩化ビニル単量体448.9g(全仕込み単量体に対して99.76重量%)、グリシジルメタクリレート1.1g(全仕込み単量体に対して0.24重量%)を重合開始〜2hr後まで0.55g/hrで連続添加とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系ラテックス)を得た(平均粒子径:0.75μm)。
実施例7
<RF液の調製>
レゾルシン16.6g、ホルマリン37%水溶液14.7g(乾燥重量5.4g)、水酸化ナトリウム1.3g及び水334.4gを0.5リットルビーカー中で溶解し、室温(25℃)で2時間マグネチックスターラーを用い攪拌し縮合させた後、樹脂固形分6.4重量%のRF液366.0gを得た。
<RFL液の調製>
固形分にして、RF23.3gとポリビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴム100.0gになるようにRF液366.0g及びポリビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン社製、ニポール2518GL)250.0gを1リットルの攪拌機のついたビーカーに入れ、攪拌しながら約20時間熟成し、固形分濃度20重量%のRFL液616.0gを得た。
<RFL接着剤処理液の調製>
固形分にして、RFL樹脂100.0重量部と実施例1で調製したソープフリー塩化ビニル系樹脂20.0重量部になるようにRFL液200.0g及び接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系ラテックス)19.1gを0.5リットルビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら10分間熟成後、イソシアネート化合物として2.1重量部のバルカボンドMDX(アクロスケミカル社製)4.3gを加え20分間攪拌した後100メッシュの金網でろ過し、固形分濃度22重量%のRFL接着剤処理液を調製した。
<RFL接着剤処理液での処理(テトロン繊維の調製)>
テトロン布(敷島カンバス社製、T−81)をRFL接着剤処理液に10分間浸漬後、140℃のギヤーオーブンで乾燥し、引き続いて240℃の電熱プレス上で2分間無圧のベーキング処理を行い、RFL接着剤処理液による処理繊維とした。
<ゴム組成物の調製>
天然ゴムを原料ゴムとし、以下の配合により天然ゴム組成物を12インチロールで調製した。
天然ゴム 100.0重量部
亜鉛華 5.0
ステアリン酸 2.0
FEFカーボンブラック 45.0
プロセス油 5.0
N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド 1.0
硫黄 2.5
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物 1.0
1,3−ジフェニルグアニジン 0.2
<ゴム組成物−繊維複合体の調製>
ゴム組成物−繊維複合体は、RFL接着剤処理液で処理したテトロン繊維を天然ゴム組成物ではさみ、150℃で30分間プレス加硫して調製した。ゴム組成物−繊維複合体について、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表2に示す。表2から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(天然ゴム組成物−テトロン繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
Figure 2014118470
実施例8〜12
実施例7と同様にして、表2に示すとおりの実施例2〜6で調製した接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系ラテックス)を用いたRFL接着剤処理液、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表2に示す。表2から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(天然ゴム組成物−テトロン繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
実施例13
<ゴム組成物の調製>
スチレン・ブタジエンゴム(SBR)を原料ゴムとし、以下の配合によりSBR組成物を12インチロールで調製した。
SBR(JSR1502、JSR社製) 100.0重量部
亜鉛華 3.0
ステアリン酸 2.0
FEFカーボンブラック 85.0
プロセス油 20.0
N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド 1.0
硫黄 1.5
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物 1.0
1,3−ジフェニルグアニジン 0.2
<ゴム組成物−繊維複合体の調製>
ゴム組成物−繊維複合体は、RFL接着剤処理液で処理したテトロン繊維をSBR組成物ではさみ、150℃で30分間プレス加硫して調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表3に示す。表3から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(SBR組成物−テトロン繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
Figure 2014118470
実施例14
<ゴム組成物の調製>
クロロプレンゴム(CR)を原料ゴムとし、以下の配合によりCR組成物を12インチロールで調製した。
CR(R−10、東ソー製) 100.0重量部
亜鉛華 5.0
酸化マグネシウム 4.0
ステアリン酸 1.5
FEFカーボンブラック 40.0
ジオクチルアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル) 5.0
オクチル化ジフェニルアミン 2.0
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン 0.35
<ゴム組成物−繊維複合体の調製>
ゴム組成物−繊維複合体は、RFL接着剤処理液で処理したテトロン繊維をCR組成物ではさみ、150℃で30分間プレス加硫して調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表3に示す。表3から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(CR組成物−テトロン繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
実施例15
<ゴム組成物の調製>
クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)を原料ゴムとし、以下の配合によりCSM組成物を12インチロールで調製した。
CSM(エクトス(登録商標)ET−8010、東ソー製) 100.0重量部
酸化マグネシウム 4.0
ステアリン酸 1.5
SRFカーボンブラック 40.0
ペンタエリスリトール 3.0
ジペンタメチレンジスルフィド 0.2
<ゴム組成物−繊維複合体の調製>
ゴム組成物−繊維複合体は、予めイソシアネート化合物であるディスモジュールRE(住友バイエル社製)を酢酸エチルで希釈した5%溶液に浸漬し、140℃で乾燥したテトロン繊維を、樹脂固形分にして、RFL樹脂100.0重量部と実施例1で調製したソープフリー塩化ビニル系樹脂20.0重量部になるようにしたRFL接着剤処理液で処理したテトロン繊維をCSM組成物ではさみ、150℃で30分間プレス加硫して調製し、実施例7と同様の方法で評価した。その結果を表3に示す。表3から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(CSM組成物−テトロン繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
実施例16〜19
<RF液の調製>
レゾルシン11.0g、ホルマリン37%水溶液16.2g(乾燥重量6.0g)、水酸化ナトリウム0.3g及び水235.8gを0.5リットルビーカー中で溶解し、室温(25℃)で6時間マグネチックスターラーを用い攪拌し縮合させた後、樹脂固形分6.5重量%のRF液266.0gを得た。
<RFL液の調製>
固形分にして、RF17.3gとポリビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴム100.0gになるようにRF液266.0重量部及びポリビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン社製、ニポール2518FS)247.0g及び水74.0gを加え1リットルの攪拌機のついたビーカーに入れ、攪拌しながら約20時間熟成し、固形分濃度20重量%のRFL液587.0gを得た。
<RFL接着剤処理液の調製>
固形分にして、RFL樹脂100.0重量部と実施例1で調製したソープフリー塩化ビニル系樹脂20.0重量部になるようにRFL液200.0gと接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)19.1gを0.5リットルビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら30分間熟成後、固形分濃度22重量%のRFL接着剤処理液を調製した。
<RFL接着剤処理液での処理(ナイロン繊維の調製)>
ナイロン布(敷島カンバス社製、N−856)をRFL接着剤処理液に10分間浸漬後、140℃のギヤーオーブンで乾燥し、引き続いて190℃の電熱プレス上で2分間無圧のベーキング処理を行い、RFL接着剤処理液による処理繊維とした。
<ゴム組成物−繊維複合体の調製>
ゴム組成物−繊維複合体は、RFL接着剤処理繊維を各々天然ゴム組成物、SBR組成物、CR組成物、CSM組成物ではさみ、150℃で30分間プレス加硫して調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(天然ゴム組成物−ナイロン繊維複合体、SBR組成物−ナイロン繊維複合体、CR組成物−ナイロン繊維複合体、CSM組成物−ナイロン繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
Figure 2014118470
実施例20〜23
<RFL液の調製>
固形分にして、RF23.3重量部とポリビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴム100.0重量部になるようにRF液366.0g及びポリビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン社製、ニポール2518GL)250.0gを1リットルの攪拌機のついたビーカーに入れ、攪拌しながら約20時間熟成し、固形分濃度20重量%のRFL液616.0gを得た。
<RFL接着剤処理液の調製>
固形分にして、RFL樹脂100.0重量部と実施例1で調製したソープフリー塩化ビニル系樹脂20.0重量部になるようにRFL液200.0g及び接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)19.1gを0.5リットルビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら10分間熟成後、イソシアネート化合物として2.1重量部のバルカボンドMDX(アクロスケミカル社製)4.3gを加え20分間攪拌した後100メッシュの金網でろ過し、固形分濃度21重量%のRFL接着剤処理液を調製した。
<RFL接着剤処理液での処理(ガラス繊維の調製)>
ガラス繊維布(カネボウ社製、KS4300UNT)をRFL接着剤処理液に10分間浸漬後、140℃のギヤーオーブンで乾燥し、RFL接着剤処理液による処理繊維とした。
<ゴム組成物−繊維複合体の調製>
ゴム組成物−繊維複合体は、RFL接着剤処理繊維を各々天然ゴム組成物、SBR組成物、CR組成物、CSM組成物ではさみ、150℃で30分間プレス加硫して調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、得られたゴム組成物−繊維複合体(天然ゴム組成物−ガラス繊維複合体、SBR組成物−ガラス繊維複合体、CR組成物−ガラス繊維複合体、CSM組成物−ガラス繊維複合体)の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力が優れていた。
Figure 2014118470
比較例1
表6に示す通り、5重量%のラウリン酸アンモニウム(アニオン系界面活性剤)水溶液180.0gを重合開始の90分後から360分後まで、40g/hrで連続仕込みとし、実施例1の脱イオン水を420.0gとした以外は、実施例1と同様の方法で、接着助剤(界面活性剤を含む塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.40μm)。
Figure 2014118470
比較例2
表6に示す通り、塩化ビニル単量体を449.2g全仕込み単量体に対して99.82重量%)、グリシジルメタクリレート0.8g(全仕込み単量体に対して0.18重量%)を重合開始〜2hr後まで0.4g/hrで連続添加とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.87μm)。
比較例3
表6に示す通り、塩化ビニル単量体を414.0g(全仕込み単量体に対して92.0重量%)、グリシジルメタクリレート36.0g(全仕込み単量体に対して8.0重量%)を重合開始〜4hr後まで9.0g/hrで連続添加しとした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.32μm)。
比較例4
表6に示す通り、塩化ビニル単量体を369.0g(全仕込み単量体に対して82.0重量%)、酢酸ビニル45.0g(全単量体に対して10.0重量%)、グリシジルメタクリレート36.0g(全仕込み単量体に対して8.0重量%)を重合開始〜4hr後まで9.0g/hrで連続添加した以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:0.33μm)。
比較例5
表6に示す通り、塩化ビニル単量体を449.4g全仕込み単量体に対して99.85重量%)、グリシジルメタクリレート0.67g(全仕込み単量体に対して0.15重量%)を重合開始〜2hr後まで0.33g/hrで連続添加とした以外は、実施例1と同様の方法により、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を得た(平均粒子径:1.20μm)。
比較例6
固形分にして実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部に相当するRFL液200.0gに対し、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を入れないで、RFL液に対し2.1重量部に相当するバルカボンドMDX4.3gを0.5リットルビーカーに入れ、マグネチックスターラーで20分間攪拌後、100メッシュの金網でろ過したRFL接着剤処理液を調製した。この処理液に対し、テトロン繊維を10分間浸漬し140℃で水分を除去した後、240℃で2分間ベーキング処理を行い処理繊維を得た。この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表7に示す。表7から明らかなように、接着助剤を含まないRFL接着剤処理液は、実施例7に比べ、初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
Figure 2014118470
比較例7
固形分にして実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部とクロロスルホン化ポリエチレンが20.0重量部になるようにRFL液及びクロロスルホン化ポリエチレンラテックス(CSMラテックス)の接着助剤(CSM4500(製鉄化学工業社(株)製)とバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着処理液を調製し、テトロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表7に示す。表7から明らかなように、CSMラテックスを接着助剤としたRFL接着剤処理液は、実施例7に比べ、初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例8
固形分にして、実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部と比較例1の接着助剤(界面活性剤を含む塩化ビニル系樹脂ラテックス)とバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着剤処理液を調製し、テトロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例7に比べ、比較例1を用いたゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
Figure 2014118470
比較例9
固形分にして、実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部と比較例2のソープフリー塩化ビニル系樹脂が20.0重量部になるようにRFL液及びグリシジルメタクリレート0.2重量%を含む接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)とバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着剤処理液を調製し、テトロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例7に比べ、比較例2を用いたゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例10
固形分にして、実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部と比較例3のソープフリー塩化ビニル系樹脂が20.0重量部になるようにRFL液及びグリシジルメタクリレート12重量%を含む接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)とバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着剤処理液を調製し、テトロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例7に比べ、比較例3を用いたゴム組成物−繊維複合体の初期接着力は優れたが、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例11
固形分にして、実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部と比較例4のソープフリー塩化ビニル系樹脂が20.0重量部になるようにRFL液及びグリシジルメタクリレート12重量%、酢酸ビニル単量体2.0重量部を含む接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)とバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着剤処理液を調製し、テトロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例7に比べ、比較例4を用いたゴム組成物−繊維複合体の初期接着力は優れたが、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例12
固形分にして、実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部と比較例5のソープフリー塩化ビニル系樹脂が20.0重量部になるようにRFL液及びグリシジルメタクリレート0.1重量%を含む接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)とバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着剤処理液を調製し、テトロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例7に比べ、比較例5を用いたゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例13
固形分にして実施例7と同一組成のRFL樹脂100重量部に相当するRFL液にバルカボンドMDX2.1重量部を加えたRFL接着剤処理液を調製した。そしてこれを用いテトロン繊維の処理を行い、この処理繊維とSBR組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表9に示す。表9から明らかなように、接着助剤を含まないRFL接着剤処理液は、実施例13に比べ、初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
Figure 2014118470
比較例14
ゴムをSBRからCRに変更した以外は比較例13と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表9に示す。表9から明らかなように、接着助剤を含まないRFL接着剤処理液は、実施例14に比べ、初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例15
固形分にして実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部に相当するRFL接着剤処理液を調製した。テトロン繊維はディスモジュールREで実施例15と同じように前処理し、CSM組成物−テトロン繊維複合体を調製し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表9に示す。表9から明らかなように、実施例15に比べ、CSMとテトロン繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例16
実施例16〜19と同一組成のRFL樹脂100.0重量部に相当するRFL接着剤処理液を調製した。そしてこれを用いナイロン繊維の処理を行い、この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表10に示す。表10から明らかなように、実施例16に比べ、天然ゴムとナイロン繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
Figure 2014118470
比較例17
ゴムを天然ゴムからSBRに変更した以外は比較例16と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表10に示す。表10から明らかなように、実施例17に比べ、SBRとナイロン繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例18
ゴムを天然ゴムからCRに変更した以外は比較例16と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表10に示す。表10から明らかなように、実施例18に比べ、CRとナイロン繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例19
ゴムを天然ゴムからCSMに変更した以外は比較例16と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表10に示す。表10から明らかなように実施例19に比べ、CSMとテトロン繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例20
固形分にして、実施例7と同一組成のRFL樹脂100.0重量部に相当するRFL液200.0gに対し、接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を入れないで、RFL液に対し2.1重量部に相当するバルカボンドMDX4.3gを0.5リットルビーカーに入れ、マグネチックスターラーで20分間攪拌後、100メッシュの金網でろ過したRFL接着剤処理液を調製した。この処理液に対し、ガラス繊維を10分間浸漬し140℃で水分を除去した処理繊維を得た。この処理繊維と天然ゴム組成物を加硫接着し、ゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表11に示す。表11から明らかなように、実施例20に比べ天然ゴムとガラス繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
Figure 2014118470
比較例21
ゴムを天然ゴムからSBRに変更した以外は比較例20と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表11に示す。表11から明らかなように、実施例21に比べ接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を含有しないSBRとガラス繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例22
ゴムを天然ゴムからCRに変更した以外は比較例20と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表11に示す。表11から明らかなように、実施例22に比べ接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を含有しないCRとガラス繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
比較例23
ゴムを天然ゴムからCSMに変更した以外は比較例20と同様にしてゴム組成物−繊維複合体を調製し、初期接着力、耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力を評価した。その結果を表11に示す。表11から明らかなように、実施例23に比べ接着助剤(ソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックス)を含有しないCSMとガラス繊維からなるゴム組成物−繊維複合体の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力は劣っていた。
本発明のゴム組成物−繊維複合体は、本発明の接着助剤を用いた本発明のRFL接着剤処理液を用いることにより、ゴム組成物と繊維間の初期接着力や耐熱劣化後の接着力及び耐熱屈曲疲労後の接着力に優れるため、本発明のゴム組成物−繊維複合体の成型体は、自動車用タイヤや自動二輪・自転車用タイヤ、産業車用ソリッドタイヤ等のタイヤ用途、Vベルト、歯付ベルト、コンベヤベルト、動力伝達用平ベルト等の自動車用ベルトや工業用ベルト等の各種ベルト、自動車用ゴムホース、工業用ゴムホース類、トラック・バス等空気羽根、自動車用空気羽根、鉄道車両用空気羽根、産業機械用空気羽根等の空気羽根用途、土木建築用シート、ゴム履物の日用品等の広範な用途に使用される。

Claims (7)

  1. 塩化ビニルと0.2〜6重量%のエポキシ基含有ビニルを含む共重合体を含み、界面活性剤を含まず、かつ、平均粒子径が1.0μm以下のソープフリー塩化ビニル系樹脂ラテックスを含有することを特徴とする接着助剤。
  2. エポキシ基含有ビニルがグリシジルメタクリレート又はアリルグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の接着助剤。
  3. 前記共重合体が、塩化ビニルとエポキシ基含有ビニルの他にカルボン酸ビニルエステルを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接着助剤。
  4. カルボン酸ビニルエステルが酢酸ビニルであることを特徴とする請求項3に記載の接着助剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の接着助剤、及び、レゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液とゴムラテックスを含むRFL液を含有することを特徴とするRFL接着剤処理液。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の接着助剤を、レゾルシンとホルマリン縮合物の水溶液とゴムラテックスを含むRFL液に混合・分散することを特徴とする請求項6に記載のRFL接着剤処理液の製造方法。
  7. 請求項5に記載のRFL接着剤処理液を繊維に含浸し、その後乾燥して得られる処理繊維とゴム組成物を加硫して得られることを特徴とするゴム組成物−繊維複合体。
JP2012273979A 2012-12-14 2012-12-14 接着助剤、rfl接着剤処理液及びゴム組成物−繊維複合体 Expired - Fee Related JP6040751B2 (ja)

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