JP2014117232A - 梅加工食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 油っぽさが抑えられながらまろやかさが付与されたこれまでにない風味を有する梅加工食品を提供する。
【解決手段】 梅干し、梅漬け、干し梅、梅のアルコール漬け、梅の糖漬けなどの漬け梅、好ましくは未成熟な青梅をカルシウム塩及び塩で漬けた硬質梅漬を、漬け梅に対して、質量比で好ましく5〜30%、漬け梅や油、その他の調味料などを含めた全体量に対して25%以下、好ましくは5〜20%の油で炒める。また、塩、しょうゆ、砂糖、味噌、酒、みりん、魚醤、アミノ酸などの調味料、コショウや唐辛子、西洋カラシ、生姜、ナツメグなどの香辛料、ネギや紫蘇、ゴマ、山椒、ユズなどの香味料を加えて炒めてもよい。
【選択図】なし
【解決手段】 梅干し、梅漬け、干し梅、梅のアルコール漬け、梅の糖漬けなどの漬け梅、好ましくは未成熟な青梅をカルシウム塩及び塩で漬けた硬質梅漬を、漬け梅に対して、質量比で好ましく5〜30%、漬け梅や油、その他の調味料などを含めた全体量に対して25%以下、好ましくは5〜20%の油で炒める。また、塩、しょうゆ、砂糖、味噌、酒、みりん、魚醤、アミノ酸などの調味料、コショウや唐辛子、西洋カラシ、生姜、ナツメグなどの香辛料、ネギや紫蘇、ゴマ、山椒、ユズなどの香味料を加えて炒めてもよい。
【選択図】なし
Description
本発明は梅の加工食品に関する。
梅干しは古くから食されてきた食品である。塩漬けした梅の果実を梅酢につけた梅干しは塩味や酸味が強く、その消費量が漸次低減している。このような状況に鑑み、近年、梅干しに新たな味覚を付与する技術が提供されている。
例えば、特許文献1は、辛子成分として5%のカラシ油を含有する調味油に、減塩した梅干し又は梅漬けを浸漬する方法を開示する。この方法は、カラシ油を含む調味液を用いることで、防腐性を高めるとともに梅干しにカラシ味を付与する方法である。
特許文献2は、60〜100℃の加熱油中に減塩した梅干しを浸漬して加熱処理を行った後に、乾燥・脱油する方法を開示する。この方法は、油を用いて加熱することで短時間に加熱殺菌を行い、風味を残しつつ梅干し中の水分を除去して減塩した梅干しの保存性を高める方法である。
特許文献3は、油脂含量が15%以上である調味油に、梅干しなどの固形梅を添加して梅加工品を製造する方法を開示する。この方法は、油脂を多く含む調味油に浸漬することで、梅の酸味や塩味を緩和する方法である。
特許文献4は、梅干しにオリーブ油などの食用油をまぶすか浸漬する方法を開示する。この方法は、食用油に浸漬することで、梅干しにまろやかさを付与し、減塩梅干しの保存性を高める方法である。
しかしながら、特許文献1の方法はカラシ味を有する梅干を提供する方法であり、味のバラエティが欠け、梅の味がカラシ味によりマスキングされるおそれがある。特許文献2の方法は梅干しの表面に油をコーティングする方法であり、風味に関して考慮がなされた方法ではない。特許文献3や4では、梅干しにまろやかさのみならず種々の風味が付与されるが、15%以上の油脂を含む調味油若しくはほぼ100%の食用油に浸漬されただけであるので、非常に油っぽい味覚となる。
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであって、油っぽさが抑えられながらまろやかさが付与されたこれまでにない風味を有する梅加工食品を提供することを目的とする。
本発明は、漬け梅を油で炒めることを特徴とする。
本発明によると、漬け梅を油で炒めているので、得られた梅加工品は油っぽくなく、梅にまろやかさが付与される。また、みそやしょうゆなどの調味料、ごまや紫蘇、こしょう、唐辛子などの香辛料を加えることで種々の味覚を有する梅加工品が提供される。
本発明に係る梅加工食品は、漬け梅を油で炒めたものである。本明細書において、漬け梅とは、青梅を塩漬け又は調味液に漬けて得られる加工された梅の実である。漬け梅は、例えば、梅干しであり、梅漬けであり、干し梅であり、梅のアルコール漬けであり、梅の酢漬であり、梅の糖漬けでありえる。ここにおいて、梅干しとは、青梅を塩漬けした後、日干しを経て得られる梅である。梅漬けとは、青梅を塩漬けした後日干しをせずに得られる梅であり、例えば、塩漬けしただけの梅(白干し)や、塩漬けした後に各種の調味液に漬けた梅、塩漬けした後に脱塩して各種の調味液に漬けた梅、さらには、塩漬けする際にカルシウム塩を添加して得られる梅であり得る。また、干し梅とは、梅干しや梅漬けを乾燥させた梅である。梅のアルコール漬けとは、日本酒や焼酎、ブランデーなどの飲用酒に青梅を漬けて得られる梅である。梅の酢漬けとは、食用酢に青梅を漬けて得られる梅である。また、梅のアルコール漬けや梅の酢漬けには、アルコールや酢に漬けた後に干した梅も含まれる。梅の糖漬けとは、砂糖に青梅を漬けた梅である。これらの漬け梅には、一般的な製法に多少の変更が加えられて製造された漬け梅も含まれる。例えば、アルコール漬けや酢漬け、砂糖漬けに関して、少量の塩を用いて製造された漬け梅が挙げられる。
本発明では、漬け梅の中で、特に塩漬けの際にカルシウム塩を添加して漬けた硬質梅漬けが好ましい。この硬質梅漬けは一般的にカリカリ梅として知られている漬け梅であり、カルシウムイオンが梅の実中のペクチンと結合することにより、梅の実の軟化が抑制された梅漬けである。硬質梅漬けの製造に用いられるカルシウム塩としては、例えば乳酸カルシウムが挙げられる。また、卵の殻のようにカルシウムイオンが溶出して梅の実の軟化が抑えられる素材をカルシウム塩の代替又はそれと共に用いてもよい。硬質梅漬けは適度な硬さを有するので、シャキシャキとした歯触りが付与される。
本発明に係る梅加工食品は、上記の漬け梅の1種又は2種以上を用いて油炒めしたものである。炒める方法は一般的な方法であり、フライパンや鍋などを用いて加熱する方法である。炒める際には適量の油が加えられる。
用いられる油は、食用油であれば特に制約はなく、常温で液体である脂肪油、常温で固体である脂肪の何れでもよいが、食感からは常温で液体である脂肪油が好ましい。脂肪油は、例えば、サラダ油であり、ナタネ油であり、ゴマ油であり、コーン油であり、大豆油であり、白絞油であり、サフラワー油であり、綿実油であり、オリーブオイルであり、アーモンドオイルであり、レタス油であり、魚油であり、鯨油であり得る。また、脂肪はカカオバターであり、パーム油であり、ラードであり、ヘットであり、バターなどの乳脂であり、マーガリンやショートニングのような硬化油であり得る。これらの1種又は2種以上の油が用いられる。また、豆板醤のように原材料に油が含まれる調味料で炒めても差し支えない。
油の量は、用いる漬け梅の種類や油の種類によっても異なるが、その量は、漬け梅の質量に対して、50%以下、好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは3〜35%程度、さらに望ましくは5〜30%である。また、漬け梅や油、その他の調味料などを含めた全体量に対して、例えば25%以下、好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは5〜20%である。なお、本明細書において「%」は「質量%」を意味する。この際、油の量が多くなり、素揚げのようにならないようにするのが好ましい。油っぽくなりすぎるからである。また、火加減を調整し焦げないように注意するとともに、漬け梅がまんべんなく加熱され、香ばしさが出るようにする。
梅の形が残る漬け梅を炒めてもよいが、好ましくは種を除いた漬け梅又は種を除いた漬け梅を刻んだ後に炒める。また、漬け梅を炒めながらつぶし、漬け梅全体をまんべんなく加熱するのが好ましい。
こうして得られた炒め梅は、香ばしく、濃厚な梅の味がするだけでなく、まろやかな味覚を有する。また、油で炒められることによって、漬け梅が有していた酸っぱさがやわらげられ、さっぱりした味に変化する。こうして、従来にはない味覚で、油に漬けた漬け梅とは全く異なる味覚の梅加工食品が提供される。この梅加工食品は、そのまま食するだけでなく、いわゆる飯の共やおにぎりの具材、魚肉や肉類の調味料として用いることもできる。
また、本発明に係る梅加工食品は、味付けや味を調えるために、各種の調味料や香辛料を含み得る。調味料は料理に通常用いられるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、塩、しょうゆ、砂糖、味噌、酒、みりん、魚醤、豆板醤、コチュジャン、さらにはうま味成分と称される各種のアミノ酸が例示される。また、香辛料は、辛さを与えるものという狭義の意味で用いられるものではなく、香り付けやあしらいとして用いられる香味料を含む広義の意味で用いられる。例えば、コショウや唐辛子、西洋カラシ、生姜、ナツメグなど狭義の意味での香辛料、ネギや紫蘇、ゴマ、山椒、ユズなどの香味料が例示される。本発明の梅加工食品には、1種又は2種以上の調味料や香辛料が用いられる。調味料等を加える時期は、加える調味料や香辛料に応じて適宜決めればよい。例えば、炒める前、炒めている間、炒めた後の何れでもよく、また、炒めている間と炒めた後など、複数回に分けて加えることができる。
調味料や香辛料を加えることにより、濃厚な梅の味や香ばしさに加えて、種々の匂いや味わい(うま味)が付与された梅加工食品が提供される。
以下に本発明に係る梅加工食品を、具体例を挙げながら説明するが、本発明は下記の実施例に限られることのないのは言うまでもない。
刻んだ硬質梅漬け(白干カリカリ梅)200gとサラダ油40gを加熱したフライパンに入れ、強火で5分炒めた。しゃきしゃきとした歯触りがあり、香ばしく、適度な甘さとまろやかな酸っぱさを感じた。
刻んだ硬質梅漬け(白干カリカリ梅)100gに、グラニュー糖25g、味噌45g、豆板醤5g、胡麻油30gを加え、フライパンで強火で8分炒めた。梅のカリカリ感があり、適度な甘さと梅の酸っぱさを感じた。
種を除いた調味液で漬けた梅漬け300gと綿実油10gをフライパンに入れ、中火で5分炒めた。途中で、刻んだ青紫蘇の葉3gを入れ、さらに2分炒めた。油っぽさがなくまろやかさであったが、やや酸味が強かった。
種を除いた紫蘇を用いて漬けた梅漬け100gとグラニュー糖35g、グルタミン酸ナトリウム5g、イノシン酸0.5g、白ゴマ15g、輪切りにした唐辛子0.3g、魚醤10g、ラー油0.3g、胡麻油30gを加熱したフライパンに加えて、弱火で10分炒めた。まろやかな梅の風味と香ばしさが感じられた。
種を除いた干し梅100gとグラニュー糖25g、味噌50g、豆板醤5g、コチュジャン10g、ナタネ油20gをフライパンに入れて、強火で5分炒めた。
本発明によると、ご飯の共や食材として利用できるまろやかでかつ香ばしい味覚を有する新たな梅加工食品が提供される。
Claims (8)
- 漬け梅の食用油による油炒めからなる梅加工食品。
- 前記漬け梅は、梅干し、梅漬け、干し梅、梅のアルコール漬け、梅の糖漬けからなる群から選ばれる1又は2以上である請求項1に記載の梅加工食品。
- 前記梅漬けは、未成熟な青梅をカルシウム塩及び塩で漬けた硬質梅漬である請求項1又は2に記載の梅加工食品。
- 香辛料及び/又は調味料を含む請求項1〜3の何れかに記載の梅加工食品。
- 漬け梅に食用油を加えて炒める工程を有する梅加工食品の製造方法。
- 香辛料及び/又は調味料を添加して油炒めする請求項6に記載の梅加工食品の製造方法。
- 前記漬け梅は、梅干し、梅漬け、干し梅、梅のアルコール漬け、梅の酢漬、梅の糖漬けからなる群から選ばれる1又は2以上である請求項6又は7に記載の梅加工食品の製造方法。
- 前記梅漬けは、未成熟な青梅をカルシウム塩及び塩で漬けた硬質梅漬である請求項8に記載の梅加工食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012275159A JP2014117232A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 梅加工食品 |
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JP2012275159A JP2014117232A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 梅加工食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014117232A true JP2014117232A (ja) | 2014-06-30 |
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ID=51172659
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JP2012275159A Pending JP2014117232A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 梅加工食品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104431889A (zh) * | 2014-11-15 | 2015-03-25 | 高润锁 | 一种食疗保健虫草咸菜及其制备方法 |
JP2019176741A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 電子レンジ加熱調理耐性食材の製造方法 |
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2012
- 2012-12-17 JP JP2012275159A patent/JP2014117232A/ja active Pending
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