JP2014112610A - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、耐久性に優れた有機薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】有機半導体と無機半導体とを含有する有機薄膜太陽電池であって、前記有機半導体は、金属錯体型のP型半導体を含有する有機薄膜太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換効率が高く、耐久性に優れた有機薄膜太陽電池に関する。
従来から、複数種の半導体層を積層し、この積層体の両側に電極を設けた光電変換素子が開発されている。また、このような積層体の代わりに、複数種の半導体層を混合して複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、各半導体層がP型半導体又はN型半導体として働き、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、半導体層にシリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうことから、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池が注目されている。
有機太陽電池においては、ほとんどの場合フラーレンが用いられている。フラーレンは、主にN型半導体として働くことが知られている。例えば、特許文献1には、P型半導体となる有機化合物とフラーレン類とを用いて形成された半導体ヘテロ接合膜が記載されている。しかしながら、フラーレンを用いて製造される有機太陽電池において、その劣化の原因はフラーレンであることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、フラーレンよりも耐久性の高い材料を選択することが求められている。
また、フラーレンに代わる優秀な有機半導体は少ないことから、フラーレンの代わりに無機半導体を用い、有機半導体と無機半導体とを併用した有機太陽電池も検討されており、無機半導体として、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等が用いられている。このような有機太陽電池として、例えば、特許文献2には、有機電子供与体と化合物半導体結晶とを含有する活性層を二つの電極の間に設けた有機太陽電池が記載されている。しかしながら、酸化亜鉛、酸化チタン等を用いても、充分な耐久性は得られず、また、フラーレンを用いた場合と比べて光電変換効率が低下するという問題もある。
特開2006−344794号公報 特許第4120362号公報
Reese et al.,Adv.Funct.Mater.,20,3476−3483(2010)
本発明は、光電変換効率が高く、耐久性に優れた有機薄膜太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、有機半導体と無機半導体とを含有する有機薄膜太陽電池であって、前記有機半導体は、金属錯体型のP型半導体を含有する有機薄膜太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、有機薄膜太陽電池において、有機半導体と無機半導体とを併用し、かつ、有機半導体のなかでも金属錯体型のP型半導体を用いることにより、高い光電変換効率を維持しつつ耐久性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の有機薄膜太陽電池は、有機半導体と無機半導体とを含有するものであり、有機半導体は、金属錯体型のP型半導体を含有する。なお、無機半導体は、N型半導体として働いてもよいし、P型半導体として働いてもよい。
このような有機薄膜太陽電池においては、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
有機半導体と無機半導体とを併用し、かつ、有機半導体のなかでも金属錯体型のP型半導体を用いることにより、高い光電変換効率を維持しつつ耐久性を向上させることができる。一方、例えば、有機半導体が金属錯体型のP型半導体を含有しない場合、金属錯体型のP型半導体が無機半導体と併用されない場合等には、充分な耐久性と光電変換効率とを両立させることは困難である。
また、N型半導体とP型半導体とがいずれも無機半導体である場合はこれらの固溶体が界面で析出する可能性があるのに対し、本発明の有機薄膜太陽電池においては固溶体の析出がなく、高温時においても高い安定性を得ることができる。また、有機半導体を用いることにより、本発明の有機薄膜太陽電池は、耐衝撃性、フレキシビリティ等にも優れたものとなる。
本明細書中、金属錯体型とは、中心金属を有し、その中心金属に特定の有機分子が配位している構造を有することを意味する。金属錯体型のP型半導体を用いることにより、本発明の有機薄膜太陽電池は、耐久性に優れたものとなる。
上記金属錯体型のP型半導体において、中心金属は特に限定されず、例えば、Mg、Zn、Co、Ni、Pb、Al、Li、Sn、In、Ga、Ti、Be、Mn、Fe,Cu、Ag、Na等が挙げられる。なかでも、金属拡散が生じにくく、有機薄膜太陽電池の耐久性が高くなることから、Mg、Zn、Co、Ni、Cu、Pb、Al、Li、Sn、In、Ga、Ti、又は、Beが好ましい。
また、上記中心金属は、有機薄膜太陽電池の光電変換効率が高くなることから、2価の金属であることが好ましい。上述した中心金属のうち、2価の金属として、例えば、Mg、Zn、Co、Ni、Pb、Sn、Mn、Fe、Cu等が挙げられる。
また、上記中心金属は、有機薄膜太陽電池の光電変換効率が高くなることから、イオン半径が80pm以下の金属であることが好ましい。上述した中心金属のうち、イオン半径が80pm以下の金属として、例えば、Mg、Zn、Co、Ni、Mn、Fe、Cu等が挙げられる。
上記金属錯体型のP型半導体として、具体的には例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ベンゾポルフィリン骨格やテトラアザポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、ホルマザン骨格等を有する化合物が挙げられる。なかでも、比較的耐久性が高いことから、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ベンゾポルフィリン骨格、テトラアザポルフィリン骨格を有する化合物が好ましい。なかでも、耐久性が高いことから、フタロシアニン骨格を有する化合物が特に好ましい。
上記無機半導体は特に限定されず、例えば、金属硫化物、金属酸化物等が挙げられる。なかでも、有機薄膜太陽電池の耐久性と光電変換効率とが高くなることから、金属硫化物が好ましい。
上記金属硫化物は特に限定されないが、周期表15族元素の硫化物が好ましい。周期表15族元素の硫化物は耐久性が高いことから、周期表15族元素の硫化物を用いることにより、有機薄膜太陽電池の耐久性が高くなる。
上記周期表15族元素の硫化物は特に限定されず、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、周期表15族元素の2種以上の元素を同一の分子に含有する複合硫化物であってもよい。なかでも、硫化アンチモン、硫化ビスマスが好ましく、硫化アンチモンがより好ましい。
硫化アンチモンは、有機半導体とのエネルギー準位の相性がよく、かつ、従来の酸化亜鉛、酸化チタン等より可視光に対する吸収が大きい。このため、上記周期表15族元素の硫化物が硫化アンチモンであることにより、有機薄膜太陽電池の電荷分離効率が極めて高くなり、光電変換効率が高くなる。
更に、上記周期表15族元素の硫化物が硫化アンチモンであることにより、他の周期表15族元素の硫化物である場合よりも、有機薄膜太陽電池の光電変換効率の再現性が高くなる。この理由ははっきりとは判っていないが、硫化アンチモンは結晶構造が安定であることから、アンチモン金属が硫化アンチモン中に析出しにくいためと推測される。一方、周期表15族元素のなかでも、例えばビスマスは結晶構造が不安定であり、ビスマス金属が硫化ビスマス中に析出しやすく有機薄膜太陽電池の光電変換効率の再現性が低下しやすいと推測される。
なお、光電変換効率の再現性とは、同一の方法で有機薄膜太陽電池を複数個作製したときの各有機薄膜太陽電池間での光電変換効率の再現性を意味する。
上記金属酸化物は特に限定されず、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。なかでも、電子伝導性が高いことから、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムが好ましい。
上記無機半導体は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上述したような主成分となる無機半導体に加えて他の元素を含有していてもよい。上記他の元素は特に限定されないが、周期表の第4周期、第5周期及び第6周期に属する元素が好ましく、具体的には例えば、インジウム、ガリウム、スズ、カドミウム、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銀、チタン、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、鉄、コバルト等が挙げられる。これらの他の元素は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、電子の移動度が高くなることから、インジウム、ガリウム、スズ、カドミウム、亜鉛、銅が好ましい。
上記他の元素の含有量は、上記無機半導体中の好ましい上限が50重量%である。上記含有量が50重量%を超えると、上記無機半導体と上記有機半導体との相性が悪くなり、光電変換効率が低下することがある。
上記無機半導体は、結晶性半導体であることが好ましい。上記無機半導体が結晶性半導体であることにより、電子の移動度が高くなり、光電変換効率が高くなる。
なお、結晶性半導体とは、X線回折測定等で測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味する。
また、上記無機半導体の結晶性の指標として、結晶化度を用いることもできる。上記無機半導体の結晶化度は、好ましい下限が30%である。上記結晶化度が30%未満であると、電子の移動度が低くなり、光電変換効率が低下することがある。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
なお、結晶化度は、X線回折測定等により検出された結晶質由来の散乱ピークと、非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶質部分の比を算出することにより求めることができる。
上記無機半導体の結晶化度を高める方法として、例えば、無機半導体に対して、焼成、レーザー又はフラッシュランプ等の強度の強い光の照射、エキシマ光照射、プラズマ照射等を行う方法が挙げられる。なかでも、無機半導体の酸化を低減できることから、強度の強い光の照射、プラズマ照射等を行う方法が好ましい。
本発明の有機薄膜太陽電池は、有機半導体と無機半導体とを含有していれば、有機半導体層と無機半導体層とを含む積層体を有していてもよいし、有機半導体成分と無機半導体成分とを混合して複合化した複合膜を有していてもよいが、有機半導体の電荷分離効率を向上させることができるため、複合膜を有することがより好ましい。
本発明の有機薄膜太陽電池は、有機半導体層と無機半導体層とを含む積層体、又は、有機半導体成分と無機半導体成分とを混合して複合化した複合膜を、一組の電極間に有することが好ましい。上記電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、陽極材料として、例えば、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。また、陰極材料として、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の有機薄膜太陽電池は、更に、基板、ホール輸送層、電子輸送層等を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等が挙げられる。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
特に、本発明の有機薄膜太陽電池は、一組の電極間に、有機半導体層と無機半導体層とを含む積層体を有し、一方の電極と無機半導体層との間に更に電子輸送層を有することが好ましい。更に、他方の電極と有機半導体層との間に更にホール輸送層を有することがより好ましい。
有機半導体層と無機半導体層とを含む積層体を有する本発明の有機薄膜太陽電池の一例を図1に模式的に示す。図1に示す有機薄膜太陽電池1においては、基板2、透明電極(陽極)3、有機半導体層4、無機半導体層5、電子輸送層6、電極(陰極)7がこの順で積層されている。
上記有機半導体層の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm未満であると、充分に光を吸収することができず、光電変換効率が低下することがある。上記厚みが5000nmを超えると、電荷分離できない領域が発生してしまい、光電変換効率の低下につながることがある。上記有機半導体層の厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記無機半導体層の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm未満であると、充分に光を吸収することができず、光電変換効率が低下することがある。上記厚みが5000nmを超えると、電荷分離できない領域が発生してしまい、光電変換効率の低下につながることがある。上記無機半導体層の厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
また、本発明の有機薄膜太陽電池は、一組の電極間に、有機半導体成分と無機半導体成分とを混合して複合化した複合膜を有し、一方の電極と複合膜との間に更に電子輸送層を有することが好ましい。更に、他方の電極と複合膜との間に更にホール輸送層を有することが好ましい。
有機半導体成分と無機半導体成分とを混合して複合化した複合膜を有する本発明の有機薄膜太陽電池の一例を図2に模式的に示す。図2に示す有機薄膜太陽電池8においては、基板9、透明電極(陽極)10、ホール輸送層11、有機半導体成分12と無機半導体成分13との複合膜14、電子輸送層15、電極(陰極)16がこの順で積層されている。
上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm未満であると、充分に光を吸収することができず、光電変換効率が低下することがある。上記厚みが3000nmを超えると、電荷が電極に到達できなくなるため、光電変換効率の低下につながることがある。上記複合膜の厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記複合膜においては、有機半導体成分と無機半導体成分との比率が非常に重要である。有機半導体成分と無機半導体成分との比率は、1:9〜9:1(体積比)であることが好ましい。上記比率が上記範囲から外れると、ホール又は電子が電極まで到達することができないことがあり、そのため光電変換効率の低下につながることがある。上記比率は、2:8〜8:2(体積比)であることがより好ましい。
上記ホール輸送層の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm未満であると、充分に電子をブロックできないことがある。上記厚みが2000nmを超えると、ホール輸送の際の抵抗になり、光電変換効率が低下することがある。上記ホール輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm未満であると、充分にホールをブロックできないことがある。上記厚みが2000nmを超えると、電子輸送の際の抵抗になり、光電変換効率が低下することがある。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の有機薄膜太陽電池を製造する方法は特に限定されず、有機半導体層と無機半導体層とを含む積層体を有する場合には、基板上に電極(陽極)を形成した後、この電極(陽極)の表面上に有機半導体層をスピンコート法等の印刷法により成膜し、次いで、この有機半導体層の表面上に真空蒸着法等により無機半導体層を成膜し、更に、この無機半導体層の表面上に電極(陰極)を形成する方法等が挙げられる。また、基板上に電極(陰極)を形成した後、無機半導体層、有機半導体層、電極(陽極)をこの順で形成してもよい。
本発明の有機薄膜太陽電池を製造する際には、スピンコート法等の印刷法により安定的かつ簡便に有機半導体層を形成することができるため、有機半導体層の形成コストを削減することができる。上記無機半導体層を形成する際にも、真空蒸着法の代わりに、無機半導体の前躯体溶液又はナノ粒子分散液をスピンコート法等の印刷法により成膜することもできる。
また、有機半導体成分と無機半導体成分とを混合して複合化した複合膜を有する場合には、有機半導体と、無機半導体の前躯体溶液又はナノ粒子分散液とを混合した混合液を用いて複合膜とすることができる。また、有機半導体と無機半導体とを共蒸着することにより複合膜を作製することもできる。
本発明によれば、光電変換効率が高く、耐久性に優れた有機薄膜太陽電池を提供することができる。
有機半導体層と無機半導体層とを含む積層体を有する本発明の有機薄膜太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。 有機半導体成分と無機半導体成分とを混合して複合化した複合膜を有する本発明の有機薄膜太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
<陰極>
ガラス基板上に、陰極として厚み240nmのITO膜を形成し、アセトン、メタノール及びイソプロピルアルコールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
<電子輸送層>
ITO膜の表面上に、電子輸送層として酸化亜鉛ナノ粒子の分散液をスピンコート法により50nmの厚みに成膜した。
<光電変換層(積層体)>
電子輸送層の表面上に、無機半導体として硫化アンチモン(Sb)を真空蒸着法により40nmの厚みに成膜して、260℃で2分間アニーリングを行った。更に、この硫化アンチモンからなる層の表面上に、有機半導体としてMgフタロシアニン(Mgの価数は2価、イオン半径は65pm)を真空蒸着法により15nmの厚みに成膜した。
<陽極>
Mgフタロシアニンからなる層の表面上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、有機薄膜太陽電池を得た。
(実施例2〜20、比較例1〜3)
有機半導体及び/又は無機半導体を表1、2及び3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機薄膜太陽電池を得た。
比較例1で用いたP3HTとは、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(アルドリッチ社製)であり、比較例2で用いたMDMO−PPVとは、ポリ[2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](アルドリッチ社製)である。P3HT及びMDMO−PPVは、金属錯体型を有さない有機半導体である。また、比較例3では、無機半導体の代わりにC60を使用した。C60とは、フラーレン(アルドリッチ社製)である。
<評価>
実施例及び比較例で得られた有機薄膜太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1、2及び3に示した。
(1)光電変換効率の測定
有機薄膜太陽電池の電極間に、電源(KEYTHLEY社製、236モデル)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて有機薄膜太陽電池の光電変換効率を測定した。光電変換効率が3%以上の場合をA、2%以上3%未満の場合をB、1%以上2%未満の場合をC、1%未満の場合をDとして4段階で評価した。
(2)耐久性評価
有機薄膜太陽電池をガラス封止せずに、温度85℃、湿度85%で24時間経過した後の光電変換効率の劣化率を測定した。24時間経過前後の光電変換効率を上記(1)と同様にして測定し、24時間経過前(初期)に対する24時間経過後の光電変換効率の劣化率を測定した。劣化率が10%未満の場合をA、10%以上50%未満の場合をB、50%以上の場合をCとして3段階で評価した。
(3)総合評価
Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点として、上記(1)及び(2)の合計点を求めた。合計点が5点以上の場合を○、5点未満の場合を×として評価した。
Figure 2014112610
Figure 2014112610
Figure 2014112610
本発明によれば、光電変換効率が高く、耐久性に優れた有機薄膜太陽電池を提供することができる。
1 有機薄膜太陽電池
2 基板
3 透明電極(陽極)
4 有機半導体層
5 無機半導体層
6 電子輸送層
7 電極(陰極)
8 有機薄膜太陽電池
9 基板
10 透明電極(陽極)
11 ホール輸送層
12 有機半導体成分
13 無機半導体成分
14 複合膜
15 電子輸送層
16 電極(陰極)

Claims (5)

  1. 有機半導体と無機半導体とを含有する有機薄膜太陽電池であって、前記有機半導体は、金属錯体型のP型半導体を含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 金属錯体型のP型半導体において、中心金属が、Mg、Zn、Co、Ni、Cu、Pb、Al、Li、Sn、In、Ga、Ti、又は、Beであることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 金属錯体型のP型半導体において、中心金属が、2価の金属であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 金属錯体型のP型半導体において、中心金属が、イオン半径が80pm以下の金属であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 無機半導体は、金属硫化物であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の有機薄膜太陽電池。
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