JP2014111526A - 高熱伝導性ベーマイト及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導性ベーマイト及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベーマイトの有する難燃性や高充填性の特性を備えかつ熱伝導性の高められた高熱伝導性ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトの製造方法を提供すること。
【解決手段】下記の数式1から導出される熱伝導率が11.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性ベーマイト。
【数1】
Figure 2014111526

(但し、Vf:ベーマイトの体積充填率、λc:ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率(W/m・K)、λf:ベーマイトの熱伝導率(W/m・K)、λm:樹脂の熱伝導率(W/m・K)、n:Hamiltonと Crosserが提案したフィラー粒子の形状因子、Ψ:ベーマイト粒子体積と等しい体積を有する球の表面積を実際の粒子表面積で割った値、^:累乗)
【選択図】図2

Description

本発明は、熱伝導性が高められたベーマイト及び当該ベーマイトの製造方法に関する。
近年、電気機器の高性能化、小型化、軽量化等に伴い、電子部品の高密度実装化やLSIの高集積化及び
高速化等が進み、電子部品の発熱量が増大する傾向にあり、効率良く冷却を行わないと電子部品の性能低下を招くおそれがある。そのため、電子部品からの熱を外部へ効果的に放散させることは重要な問題である。また、液晶ディスプレイや車のヘッドライトに使われるLEDにおいても、LEDチップが蓄熱すると光量が低下するため放熱させることが必要である。これら電子部品やLEDチップは電子基板に搭載されるため、電子基板の熱伝導率を上げ、放熱を促進させることが好ましい。
従来、電子基板は、成形性の良さや安価であることから、樹脂基板が使われてきたが、樹脂は熱伝導性が低いため、熱伝導が必要な電子基板には、金属基板やセラミックス基板が利用されることがある。しかし、金属基板は電導性があるため直接電子部品を搭載できない上に重いことや高価であること等の問題があり、また、セラミックス基板は複雑な形状を作ることが困難である上に高価である問題があるため、やはり樹脂基板を利用することが好ましいとされていた。
そこで、樹脂基板の熱伝導性を向上させ、熱を放散させる方法として、熱伝導性の無機フィラーを電子基板や電子部品を構成する樹脂に充填する方法がある(特許文献1、特許文献2参照)。
従来使用される熱伝導性の無機フィラーは、金属粉(銀、銅、アルミニウム等)、窒化物(窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等)、炭化物(炭化珪素等)、α−アルミナ、シリカ等がある。各種の無機フィラーの特性については、図1に示すように一長一短がある。金属粉、窒化物及び炭化物は、熱伝導性に優れるという長所がある反面、高価であるという短所がある。また、電子基板や電子部品を構成する樹脂に充填される無機フィラーは、絶縁性の高いことが望まれる。この点に関し、金属粉は導電性であり、絶縁性が低いという短所がある。さらに、電子基板の穴加工の際に樹脂に充填される無機フィラーの硬さが硬いとドリルが摩耗し易くなるため、無機フィラーの硬さは軟らかいことが望まれる。この点に関し、窒化物、炭化物、α−アルミナ及びシリカは、硬さが硬く、ドリル加工性が悪いという短所がある。
一方、従来、難燃剤、補強材、光輝材等として広く用いられている無機フィラーにベーマイトがある。ベーマイトは、図1に示すように他の無機フィラーに比べ特に安価であり、また、絶縁性、重さ、硬さ、難燃性の点でも優れている。さらに、結晶形状を制御した合成が容易であるため、比表面積を小さくしたりアスペクト比を低くして電子部品に高充填できるように充填性を高めたり、アスペクト比を高くして熱電導性パス(熱の通り道)を作り同じ充填量でも熱電導性を高くすることができる点でも優れている。したがって、ベーマイトは、熱伝導性の無機フィラーとして使用できれば極めて有用である。
特開2011−184507号公報 特開2011−127053号公報
しかし、ベーマイトの熱伝導性は、他の無機フィラーに比べ劣るという問題があったため、従来熱を放散させる熱伝導性の無機フィラーとしての用途は限られていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ベーマイトの有する難燃性や高充填性の特性を備えかつ熱伝導性の高められた高熱伝導性ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトの製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者等は種々検討を重ね本発明に想到した。すなわち、本発明は、下記の数式1から導出される熱伝導率が11.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性ベーマイト。
Figure 2014111526
(但し、Vf:ベーマイトの体積充填率、λc:ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率(W/m・K)、λf:ベーマイトの熱伝導率(W/m・K)、λm:樹脂の熱伝導率(W/m・K)、n:Hamiltonと Crosserが提案したフィラー粒子の形状因子、Ψ:ベーマイト粒子体積と等しい体積を有する球の表面積を実際の粒子表面積で割った値、^:累乗)
上記の数式1は、金成の式と呼ばれ、充填剤を配合した高分子材料のような複合材料の熱伝導率を解析するために用いられる数式である(金成克彦:複合系の熱伝導率、高分子、Vol.26,No.8,pp.557-561,1977)。
数式1におけるベーマイトの体積充填率(Vf)は、以下のように求められる。
Vf=A÷(A+B)(A:樹脂に配合されるベーマイトの質量を比重で除した値、B:樹脂の質量を比重で除した値)
なお、表1〜表5及び図2〜図6のVfは、vol%で表示した。
数式1におけるΨは、以下のように求められる。
Ψ = {(9πz)^(1/3)} / {z+(8)^(1/2)}
z:ベーマイトのアスペクト比
本発明は、700℃脱水量が14.0%〜15.7%であることを特徴とする高熱伝導性ベーマイトを要旨とする。ここで、700℃脱水量とは、100℃の脱水量を0%とし、温度を上昇させていき、700℃まで昇温したときに減少した質量の割合を%で示すものである。
本発明は、ベーマイトを320℃〜430℃で加熱処理することを特徴とする高熱伝導性ベーマイトの製造方法を要旨とする。
上記の熱伝導性ベーマイトの製造方法において、ベーマイトを加圧雰囲気で加熱処理してもよい。また、ベーマイトを過熱水蒸気で加熱処理してもよい。
本発明の高熱伝導性ベーマイトは、ベーマイトの特性を備えつつ熱伝導性が高められるので、コスト面、絶縁性、重さ、硬さの点で優れるばかりか、ベーマイトの特性である難燃性、高充填性を備える熱伝導性の無機フィラーを提供できる。
本発明の高熱伝導性ベーマイトの製造方法は、原料のベーマイトを加熱処理するだけなので、簡単で安価に高熱伝導性ベーマイトを製造できる。
熱伝導性の無機フィラーの特性を評価した表である。評価の記号は、表中の無機フィラーの特性を相対的に評価した結果を示す。 実施例1、4、5、7の高熱伝導性ベーマイトと比較例1、2、4、7、10の未処理ベーマイトがそれぞれ配合された樹脂の熱伝導率(ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率)λcの実測値のプロットと数式1に基づき作成されたグラフ(プロットに最も近い「Vf−λc」曲線)並びに実測値と計算値を表示した表である。図面中の未処理ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトは、未処理ベーマイトが配合された樹脂との複合体及び高熱伝導性ベーマイトが配合された樹脂との複合体をそれぞれ示す。 実施例27〜実施例29の高熱伝導性ベーマイトと比較例25〜比較例27の未処理ベーマイトがそれぞれ配合された樹脂の熱伝導率(ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率)λcの実測値のプロットと数式1に基づき作成されたグラフ(プロットに最も近い「Vf−λc」曲線)並びに実測値と計算値を表示した表である。図面中の未処理ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトは、未処理ベーマイトが配合された樹脂との複合体及び高熱伝導性ベーマイトが配合された樹脂との複合体をそれぞれ示す。 実施例30〜実施例32の高熱伝導性ベーマイトと比較例28〜比較例30の未処理ベーマイトがそれぞれ配合された樹脂の熱伝導率(ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率)λcの実測値のプロットと数式1に基づき作成されたグラフ(プロットに最も近い「Vf−λc」曲線)並びに実測値と計算値を表示した表である。図面中の未処理ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトは、未処理ベーマイトが配合された樹脂との複合体及び高熱伝導性ベーマイトが配合された樹脂との複合体をそれぞれ示す。 実施例33〜実施例35の高熱伝導性ベーマイトと比較例31〜比較例33の未処理ベーマイトがそれぞれ配合された樹脂の熱伝導率(ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率)λcの実測値のプロットと数式1に基づき作成されたグラフ(プロットに最も近い「Vf−λc」曲線)並びに実測値と計算値を表示した表である。図面中の未処理ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトは、未処理ベーマイトが配合された樹脂との複合体及び高熱伝導性ベーマイトが配合された樹脂との複合体をそれぞれ示す。 実施例36〜実施例38の高熱伝導性ベーマイトと比較例34〜比較例36の未処理ベーマイトがそれぞれ配合された樹脂の熱伝導率(ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率)λcの実測値のプロットと数式1に基づき作成されたグラフ(プロットに最も近い「Vf−λc」曲線)並びに実測値と計算値を表示した表である。図面中の未処理ベーマイト及び高熱伝導性ベーマイトは、未処理ベーマイトが配合された樹脂との複合体及び高熱伝導性ベーマイトが配合された樹脂との複合体をそれぞれ示す。 全体の粉末X線回析パターンを示す。破線は比較例1の未処理ベーマイトで、実線は実施例1の高熱伝導性ベーマイトを示す。以下、図8〜図10についても同様である。 200面の回析ピーク位置の比較を示す。 020面の回析ピーク位置の比較を示す。 002面の回析ピーク位置の比較を示す。
本発明の高熱伝導性ベーマイトは、ベーマイトを所定温度で加熱処理することにより製造することができる。原料となるベーマイトは、ベーマイトの製造方法(例えば、水酸化アルミニウムから水熱合成したベーマイト、水酸化アルミニウムに添加剤を加えて水熱合成したベーマイト、各種のアルミニウム塩やアルミニウムアルコキシドから合成したベーマイト前駆体から合成したベーマイト、遷移アルミナを水熱処理で水和したベーマイト、アルミニウムドーソナイトから合成したベーマイト、天然ベーマイト)、ベーマイトの形状(例えば、平板状のベーマイト、針状のベーマイト、鱗片状のベーマイト、立方体状のベーマイト、円盤状のベーマイト、凝集体のベーマイト)、ベーマイトの一次粒子の大きさ等に限定されることなく、いかなるベーマイトも使用することができる。
ベーマイトはアルミナの1水和物で、下記の反応により脱水し、脱水量の理論値は15%である。
2AlOOH→Al+H
脱水量が理論値より大小することは不純物を含むことを示す。脱水量が15%の理論値より低くなるほどγ−アルミナを含有する。また、脱水量が15%の理論値より高くなるほど水酸化アルミニウムや擬ベーマイトを含有する。そのため、700℃脱水量は、14.0%〜15.7%が好ましく、14.5%〜15.2%がより好ましい。700℃脱水量が14.0%より低いとγ−アルミナの生成により熱伝導性を低下させるからであり、15.7%より高いと擬ベーマイトの生成により熱伝導性を低下させるからである。
原料のベーマイトを過剰に加熱し、γ-アルミナが生成すると比表面積が高まる。そのため、高熱伝導性ベーマイトの比表面積は、原料のベーマイトの比表面積の95%〜1114%が好ましく、100%〜110%がより好ましい。加熱処理により、比表面積が小さくなることはほとんどないが、95%を下回ると、結晶成長が進行し、結晶形状が壊れていることが示唆され好ましくない。一方、114%を上回るとγ−アルミナが生成していることが示唆され、熱伝導性ばかりか難燃性や充填性が低下するので好ましくない。
原料のベーマイトの加熱処理は加圧下で行うことが好ましい。さらに、水蒸気を含む加圧下で行うことがより好ましい。加圧下及び水蒸気を含む加圧下で加熱することでベーマイトの脱水によるγ-アルミナの生成が抑えられるからである。圧力は、大気圧を超え2MPa以下が好ましい。2MPaを超えると処理のための耐圧設備が高価になる割にγ−アルミナの生成を抑制する効果が期待できないので不経済である。
原料のベーマイトの加熱処理は過熱水蒸気により行うことが好ましい。過熱水蒸気で加熱することでベーマイトの脱水によるγ -アルミナの生成が抑えられるからである。
高熱伝導性ベーマイトを製造するための加熱温度は、320℃〜430℃が好ましく、、350℃〜400℃がより好ましい。加熱温度が320℃より低いと原料のベーマイトの熱伝導性を十分に高められないからであり、430℃より高いと原料のベーマイトが熱伝導性の低いγ−アルミナに変化し易くなるからである。なお、加熱温度の320℃〜430℃は、加熱される原料ベーマイト自体の温度であり、加熱装置の加熱温度がこの温度範囲を超えてもよい。例えば、噴霧加熱や少量加熱の場合、加熱装置の温度を800℃〜1000℃程度にして、数秒程度の短時間で原料のベーマイト自体を320℃〜430℃の温度まで加熱することもできる。
加熱処理の方法は、所定温度で加熱処理できる限り特に限定されず、棚式乾燥機、電気炉のような静置式方法、撹拌羽式、パドルミキサ式、回転ドラム式、ロータリー式のような撹拌式方法、その他、流動層式、噴霧式、スプレー式、加熱管内のような自由落下させる方法を例示できる。また、加熱源は、所定温度に加熱できる限り特に限定されず、加熱電気ヒーター、ガスバーナー、熱風、マイクロ波、誘導加熱を例示できる。
加熱時間は、上記の加熱処理方法により様々であり、特に限定されない。例えば、撹拌式方法では、加熱効率が良いため、加熱時間は短時間で良い。噴霧式では、単位時間当たりの処理量が少ないため、さらに短時間で処理できる。同じ加熱処理方法でも加熱時間を長くすれば、熱伝導性は向上するが、長過ぎるとγ−アルミナが生成するため好ましくない。加熱時間として、静置式方法は3時間/350℃を例示できるが、通常、320℃〜430℃で2〜10時間である。また、撹拌式では0.5時間/350℃、噴霧式方法では数秒/400℃を例示できる。
高熱伝導性ベーマイトが配合される樹脂は、特に限定されず、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、 アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の汎用樹脂等を例示できる。
原料のベーマイトを加熱処理することにより熱伝導性が高められる機序は、原料のベーマイト中に存在する結晶欠陥を排除又は再配列させることにより発現すると推測される。
〔高熱伝導性ベーマイトの製造(1)〕
表1に示す実施例及び比較例の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト1を用いた。実施例1〜実施例8は、原料のベーマイトを静置電気炉を用いて所定温度で所定時間加熱処理し、表1に示す本発明の高熱伝導性ベーマイトを製造し樹脂に配合した。比較例1、2、4、7、10は、原料のベーマイトを加熱処理しない未処理のベーマイトを樹脂に配合した。比較例3、5、8、11は、原料のベーマイトを静置電気炉を用いて450℃で加熱処理し、一部がγ−アルミナ化した高熱伝導性ベーマイト(以下、「γ−アルミナ化高熱伝導性ベーマイト」という)を樹脂に配合した。比較例6、9、12は、原料のベーマイトを静置電気炉を用いて1250℃で所定時間加熱処理し、得られたα−アルミナを樹脂に配合した。樹脂に高熱伝導性ベーマイト、未処理ベーマイト、γ−アルミナ化高熱伝導性ベーマイト及びα−アルミナをそれぞれを配合した後、樹脂の熱伝導率を測定した。
実施例は高熱伝導性ベーマイトを、比較例1、2、4、7、10は未処理ベーマイトを、比較例3、5、8、11はγ−アルミナ化高熱伝導性ベーマイトを、比較例6、9、12はα−アルミナをエポキシ樹脂(ダウケミカル社製DER-331J)40gに対し、表1に示す体積充填率になる割合をそれぞれ秤量して容器に入れ、自転公転ミキサー(シンキー社製ARE-310)を用いて公転2000rpm・自転1200rpmで2分間撹拌混合した。
そこへ開始剤の2−エチル4−メチルイミダゾール(和光純薬社製)を0.8g(エポキシ樹脂に対して2wt%)添加した後、遊星撹拌機を用いて公転2000rpm・自転1200rpmで2分間混合し、さらに脱泡処理運転を2分間行った。その後、真空脱泡処理し、120℃で2時間加熱硬化させ、実施例及び比較例の熱伝導率測定用試験試料を得た。得られた熱伝導率測定用試験試料を40mm×40mm×20mmの試験片として切り出し、25℃の恒温槽で2時間以上保持した。その後、試験片を迅速熱伝導計(京都電子工業社製QTM-500)を使用し、樹脂の熱伝導係率を測定した。また、表1の「フィラーの特性」欄に高熱伝導性ベーマイト、未処理ベーマイト、γ−アルミナ化高熱伝導性ベーマイト及びα−アルミナのそれぞれについての700℃脱水量及び比表面積を示した。なお、700℃脱水量は、熱分析装置(ブルカーエイエックスエス社製)を用いて熱重量測定により行った。また、比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置(日本ベル社製BELSORPmini)を用いて測定し、BET法による解析にて求めた。
Figure 2014111526
表1から、高熱伝導性ベーマイトが樹脂に配合された実施例の熱伝導率は、未処理ベーマイトが樹脂に配合された比較例に比べ高かった。また、実施例の高熱伝導性ベーマイトの700℃脱水量は、14.4%〜14.9%の範囲内であった。γ−アルミナ化高熱伝導性ベーマイトが樹脂に配合された比較例の熱伝導率は、実施例に比べ低かった。α−アルミナが樹脂に配合された比較例の熱伝導率は、実施例に比べ高かった。α−アルミナは、熱伝導率が高いが、原料のベーマイトを1000℃を超える高い温度で所定時間加熱処理する必要があるため、高熱伝導性ベーマイトに比べコストが高く、また水和物でないので難燃性がない。比較例3、5、8、11のγ−アルミナ化高熱伝導性ベーマイトは、原料のベーマイトの多くが水和物ではないγ−アルミナに変化しているので、未処理ベーマイトに比べ700℃脱水量が低下していた。比較例6、9、12のα−アルミナは、原料のベーマイトがα−アルミナに変化しているため、700℃脱水量は0%であった。実施例の高熱伝導性ベーマイトの比表面積は、比較例の未処理ベーマイトの比表面積と差違がなく、原料のベーマイトがほとんどγ−アルミナ化又擬ベーマイト化していなかった。
〔高熱伝導性ベーマイトの製造(2)〕
表2に示す実施例9〜実施例13及び比較例13〜比較例18の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト3を、実施例14〜実施例19及び比較例19の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト4をそれぞれ用いた。実施例9〜実施例19は、原料のベーマイトを静置電気炉を用いて所定温度で所定時間加熱処理し、表2に示す本発明の高熱伝導性ベーマイトを製造し樹脂に配合した。比較例14〜比較例18は、280℃又は300℃で所定時間加熱処理した加熱処理ベーマイトを樹脂に配合した。比較例13及び比較例19は、原料のベーマイトを加熱処理しない未処理のベーマイトを樹脂に配合した。高熱伝導性ベーマイト、加熱処理ベーマイト及び未処理ベーマイトの樹脂への配合(高熱伝導性ベーマイト、加熱処理ベーマイト及び未処理ベーマイトの配合量は表2に示す体積充填率になる割合とした)、熱伝導率の測定、700℃脱水量の測定及び比表面積の測定は、高熱伝導性ベーマイトの製造(1)と同様に行った。
Figure 2014111526
表2から、加熱温度が高いほど、また、加熱時間が長いほど熱伝導率は高くなるが、加熱時間を長くしても熱伝導率に差違のない場合があった(実施例18と19参照)。また、比較例14〜比較例18の熱伝導率は、比較例13に比べて高いが、実施例に比べ低く、好ましい加熱温度ではなかった。実施例の高熱伝導性ベーマイトの700℃脱水量は、15.2%〜15.7%の範囲内であった。実施例の高熱伝導性ベーマイトの比表面積は、比較例の未処理ベーマイトの比表面積と差違がなく、原料のベーマイトがほとんどγ−アルミナ化又擬ベーマイト化していなかった。
〔高熱伝導性ベーマイトの製造(3)〕
表3に示す実施例20、21及び比較例20、21の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト8を、実施例22及び比較例22の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト9を、実施例23及び比較例23の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト5をそれぞれ用いた。実施例20〜実施例23は、原料のベーマイトを静置電気炉を用いて所定温度で所定時間加熱処理し、表3に示す本発明の高熱伝導性ベーマイトを製造し樹脂に配合した。比較例20〜比較例23は、原料のベーマイトを加熱処理しない未処理のベーマイトを樹脂に配合した。高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの樹脂への配合(高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの配合量は表3に示す体積充填率になる割合とした)、熱伝導率の測定、700℃脱水量の測定及び比表面積の測定は、高熱伝導性ベーマイトの製造(1)と同様に行った。
Figure 2014111526
表3から、原料のベーマイトの製造方法が相違しても、実施例の熱伝導率は比較例に比べ高かった。また、実施例の高熱伝導性ベーマイトの700℃脱水量は、14.0%〜15.2%の範囲内であった。実施例22の高熱伝導性ベーマイトの比表面積は、比較例22の未処理ベーマイトの比表面積の95%であったが、他の実施例では差違がなく、原料のベーマイトがほとんどγ−アルミナ化又擬ベーマイト化していなかった。なお、特にデータは示さなかったが、遷移アルミナを水和して合成したベーマイトを原料とする場合も加熱処理により熱伝導率が向上し、高熱伝導性ベーマイトとしての使用が可能であった。
〔高熱伝導性ベーマイトの製造(4)〕
表4に示す実施例及び比較例の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト1を用いた。実施例24〜実施例26は、原料のベーマイトを所定温度で所定時間加熱処理し、表4に示す本発明に係る高熱伝導性ベーマイトを製造し樹脂に配合した。加熱処理の方法は、高熱伝導性ベーマイトの製造(1)〜(3)の静置電気炉による方法に代え、加圧加熱処理、過熱水蒸気処理及び少量加熱で行った。なお、実施例24の圧力は、0.5MPaとした。比較例24は、原料のベーマイトを加熱処理しない未処理のベーマイトを樹脂に配合した。高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの樹脂への配合(高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの配合量は表4に示す体積充填率になる割合とした)、熱伝導率の測定、700℃脱水量の測定及び比表面積の測定は、高熱伝導性ベーマイトの製造(1)と同様に行った。なお、少量加熱は、内容積7.5Lの電気炉(いすゞ製作所社製SSTS-25R)を1000℃に加熱しておき、この電気炉へ金属製シャーレに厚さ1.5mm以下で薄く広げた原料ベーマイト1gを入れ、5秒後に取り出す方法により行った。この方法による加熱処理直後の原料ベーマイトの温度は、390℃であった。
Figure 2014111526
表4から、加熱処理の方法が相違しても実施例の熱伝導率は比較例より高かった。また、実施例の高熱伝導性ベーマイトの700℃脱水量は、14.8%〜15.5%の範囲内であった。実施例の高熱伝導性ベーマイトの比表面積は、比較例の未処理ベーマイトの比表面積と差違がなく、原料のベーマイトがほとんどγ−アルミナ化又擬ベーマイト化していなかった。
〔高熱伝導性ベーマイトの製造(5)及び熱伝導率の導出〕
表5に示す実施例27〜実施例29及び比較例25〜比較例27の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト7を、実施例30〜実施例32及び比較例28〜比較例30の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト6を、実施例33〜実施例35及び比較例31〜比較例33の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト3を、実施例36〜実施例38及び比較例34〜比較例36の原料のベーマイトは、表6に示すベーマイト2をそれぞれ用いた。実施例27〜実施例38は、原料のベーマイトを静置電気炉を用いて所定温度で所定時間加熱処理し、表5に示す本発明の高熱伝導性ベーマイトを製造し樹脂に配合した。比較例25〜比較例36は、原料のベーマイトを加熱処理しない未処理のベーマイトを樹脂に配合した。高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの樹脂への配合(高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの配合量は表5に示す体積充填率になる割合とした)、熱伝導率の測定、700℃脱水量の測定及び比表面積の測定は、高熱伝導性ベーマイトの製造(1)と同様に行った。
Figure 2014111526
表5から、表6に示す原料のベーマイトの粒子形状が相違しても、実施例の熱伝導率は比較例に比べ高かった。また、実施例の高熱伝導性ベーマイトの700℃脱水量は、14.5%〜15.5%の範囲内であった。実施例の高熱伝導性ベーマイトの比表面積は、比較例の未処理ベーマイトの比表面積と差違がなく、原料のベーマイトがほとんどγ−アルミナ化又擬ベーマイト化していなかった。
図2に示す実施例1、4、5、7及び比較例1、2、4、7、10、図3に示す実施例27〜29及び比較例25〜比較例27、図4に示す実施例30〜実施例32及び比較例28〜比較例30、図5に示す実施例33〜実施例35及び比較例31〜比較例33、図6に示す実施例36〜実施例38及び比較例34〜比較例36における高熱伝導性ベーマイト及び未処理ベーマイトの熱伝導率を数式1を用いて導出した。
熱伝導率の導出は、以下の数値を用いた。
Vf(ベーマイトの体積充填率):表5に示す体積充填率
λc(ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率):表5に示す熱伝導率
λm(樹脂の熱伝導率):0.24W/m・K
実施例1、4、5、7及び比較例比較例1、2、4、7、10のベーマイトのΨ:0.795
実施例27〜実施例29及び比較例25〜比較例27のベーマイトのΨ:0.754
実施例30〜実施例32及び比較例28〜比較例30のベーマイトのΨ:0.708
実施例33〜実施例35及び比較例31〜比較例33のベーマイトのΨ:0.362
実施例36〜実施例38及び比較例34〜比較例36のベーマイトのΨ:0.665
なお、ベーマイトは約1300℃まで所定の形状を維持するため、320℃〜430℃での加熱では所定の形状に変化はなく、本発明の高熱伝導性ベーマイトのΨは、原料のベーマイトのΨと差違がない。
横軸にVf(Vol%)、縦軸にλcをとったグラフを用意し、当該グラフに表5のVfとλcをプロットした。次いで、上記の数値(nは、3÷Ψで求めた数値)と任意のベーマイトの熱伝導率λfを数式1に代入して得られる「Vf−λc」曲線をグラフ中に重ね、「Vf−λc」曲線の中からプロットに最も近い「Vf−λc」曲線を選択し、その「Vf−λc」曲線を得るために代入したλfの値を実施例の高熱伝導性ベーマイト及び比較例の未処理ベーマイトの熱伝導率として導出した。プロットに最も近い「Vf−λc」曲線から得られた各図に示す計算値と実測値はよく一致し、実施例の高熱伝導性ベーマイトの熱伝導率と比較例の未処理ベーマイトの熱伝導率は以下の通りで、高熱伝導性ベーマイトの熱伝導率は比較例の未処理ベーマイトの熱伝導率の約2.4〜3.3倍の高値であった。
実施例1、4、5、7:11.0W/m・K
比較例1、2、4、7、10:4.5W/m・K
実施例27〜実施例29:12.0W/m・K
比較例25〜比較例27:4.2W/m・K
実施例30〜比較例32:13.0W/m・K
比較例28〜比較例30:4.5W/m・K
実施例33〜比較例35:17.0W/m・K
比較例31〜比較例33:5.1W/m・K
実施例36〜実施例38:18.0W/m・K
比較例34〜比較例36:5.5W/m・K
Figure 2014111526
〔ベーマイトの高熱伝導化のメカニズム〕
本発明の高熱伝導性ベーマイトの熱伝導性が高まるメカニズムを結晶構造の変化から考察すべく、表1の比較例1のベーマイト(表6のベーマイト1の未処理ベーマイト)と表1の実施例1のベーマイト(表6のベーマイト1が350℃で10時間加熱処理された高熱伝導性ベーマイト)をそれぞれ試料としてマークチューブ(直径0.3mm、トーホー社製)に充填し、大型放射光施設のBL5S2にて粉末X線回析パターン(X線波長:1.0Å)を測定した。X線回析パターンの測定精度を確かなものとするため、標準物質としてアメリカ合衆国の国立標準技術研究所 (National Institute of Standards and Technology, NIST)製のシリコンであるスタンダード リファレンス マテリアル(Standard Reference Material)640dをベーマイトに対し1.0重量%添加した。図7に全体の粉末X線回析パターンを示した。また、得られた粉末X線パターンをミラー指数づけした。ミラー指数は、hklのように表記し、hはa軸、kはb軸、lはc軸とそれぞれ対応している。ベーマイトでは、40.8°付近のピークは200面に、9.4°付近のピークは020面に、31.4°付近のピークは002面に該当した。それらの面の回析ピーク位置を図8〜図10に示した。
図8〜図10の比較例1のベーマイトと実施例1のベーマイトのそれぞれの3つの面のピークトップの位置を比較したところ、いずれの面においても位置にシフトがみられた。
粉末X線回析パターンより、比較例1のベーマイトと実施例1のベーマイトのd値(面間隔距離)及び格子定数の解析を行った。なお、d値は、測定値の2θとλ(1)に基づき数式2により算出できる。また、格子定数は、ベーマイトは斜方晶であるため数式3により算出できる。実施例1のベーマイトと比較例1のベーマイトの2θの値及び一連の算出結果を表7に、d値及びd値より算出した格子定数と各軸におけるその差を表8に示した。
Figure 2014111526
Figure 2014111526
Figure 2014111526
Figure 2014111526
表8に示されるように、実施例1のベーマイトはいずれの軸方向においても加熱処理により格子定数の値が比較例1のベーマイトより小さくなっていた。このことから、ベーマイトを加熱処理することにより結晶格子の値が小さくなったために、すなわち、結晶全体が縮んで結晶構造が密になったために、ベーマイトの熱伝導性が高められたものと解釈される。
表2の比較例19のベーマイト(表6のベーマイト4の未処理ベーマイト)と表2の実施例15のベーマイト(表6のベーマイト4が350℃で10時間加熱処理された高熱伝導性ベーマイト)をそれぞれ試料として、上記と同様の解析を行った。d値及び格子定数は、それぞれ数式2、数式3により算出した。また、実施例15のベーマイトと比較例19のベーマイトの2θの値及び一連の算出結果を表9に、d値及びd値より算出した格子定数と各軸におけるその差を表10に示した。
Figure 2014111526
Figure 2014111526
粒状のベーマイト1である実施例1のベーマイトは、上記のようにいずれの軸方向においても加熱処理により格子定数の値が比較例1のベーマイトより縮んだが、鱗片状のベーマイト4である実施例15のベーマイトではa軸とb軸では格子定数の値が比較例19のベーマイトより小さくなるものの、c軸では格子定数の値に変化がみられなかった。これは、ベーマイトの鱗片状の形状が影響している可能性が高いと思われる。しかし、前述の通り、a軸とb軸では格子定数の値が小さくなっているために、すなわち、鱗片状のベーマイトも結晶構造が密になったために、熱伝導性が向上したものと解釈される。

Claims (5)

  1. 下記の数式1から導出される熱伝導率が11.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性ベーマイト。
    Figure 2014111526
    (但し、Vf:ベーマイトの体積充填率、λc:ベーマイトと樹脂の複合体の熱伝導率(W/m・K)、λf:ベーマイトの熱伝導率(W/m・K)、λm:樹脂の熱伝導率(W/m・K)、n:Hamiltonと Crosserが提案したフィラー粒子の形状因子、Ψ:ベーマイト粒子体積と等しい体積を有する球の表面積を実際の粒子表面積で割った値、^:累乗)
  2. 700℃脱水量が14.0%〜15.7%であることを特徴とする高熱伝導性ベーマイト。
  3. ベーマイトを320℃〜430℃で加熱処理することを特徴とする高熱伝導性ベーマイトの製造方法。
  4. ベーマイトを加圧雰囲気で加熱処理することを特徴とする請求項3に記載の高熱伝導性ベーマイトの製造方法。
  5. ベーマイトを過熱水蒸気で加熱処理することを特徴とする請求項3に記載の高熱伝導性ベーマイトの製造方法。
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