JP2013234112A - 板状酸化マグネシウム - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の目的は、透明性に優れ樹脂の強化剤として有用な板状酸化マグネシウムを提供することにある。また本発明の目的は、樹脂に少量含有させても優れた放熱性を示す板状酸化マグネシウムを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上である板状酸化マグネシウムである。
【選択図】
なし
本発明の目的は、透明性に優れ樹脂の強化剤として有用な板状酸化マグネシウムを提供することにある。また本発明の目的は、樹脂に少量含有させても優れた放熱性を示す板状酸化マグネシウムを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上である板状酸化マグネシウムである。
【選択図】
なし
Description
本発明は、新規な板状酸化マグネシウム、その製造方法、および該酸化マグネシウムを含有する放熱性等に優れた樹脂組成物に関する。
酸化マグネシウムは、その結晶対称性が立方晶であるため、結晶の成長が等方的になり、結晶外形は球形から立方体に近い。したがってアスペクト比は5以下のものがほとんどである。酸化マグネシウムは、そのアルカリ性を利用するハロゲンゴムの添加剤、胃酸中和剤、下剤等の化学的用途に用いられる。
また酸化マグネシウムは、高い熱伝導率と電気絶縁性を利用して樹脂の放熱剤に用いられる。しかし酸化マグネシウムは、結晶外形が球形から立方体に近いため、樹脂の放熱性を必要レベルまで上げるには、大量に充填しなければならない。また大量に充填しても機械的強度向上には作用しないという欠点がある。
したがって本発明の目的は、透明性に優れ樹脂の強化剤として有用な酸化マグネシウムを提供することにある。また本発明の目的は、樹脂に少量含有させても優れた放熱性を示す酸化マグネシウムを提供することにある。また本発明の目的は、前記酸化マグネシウムを含有する機械的強度および放熱性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上である板状酸化マグネシウムである。
また本発明は、100重量部の樹脂および0.1〜200重量部の厚さが0.5μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上の板状酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物である。また本発明は、前記樹脂組成物からなる放熱板である。
また本発明は、結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、アスペクト比が10以上の板状水酸化マグネシウムを、400〜1500℃で焼成する、前記板状酸化マグネシウムの製造方法である。
また本発明は、100重量部の樹脂および0.1〜200重量部の厚さが0.5μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上の板状酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物である。また本発明は、前記樹脂組成物からなる放熱板である。
また本発明は、結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、アスペクト比が10以上の板状水酸化マグネシウムを、400〜1500℃で焼成する、前記板状酸化マグネシウムの製造方法である。
本発明の板状酸化マグネシウムは、樹脂に含有させると、樹脂組成物の機械的強度を向上させる。また本発明の板状酸化マグネシウムは、樹脂に少量含有させても優れた放熱性を示す。
また本発明の樹脂組成物は、機械的強度および放熱性に優れる。すなわち、放熱性を達成するに必要な酸化マグネシウム量は、従来の酸化マグネシウムでは樹脂100重量部に対し、300重量部必要であったが、本発明の板状酸化マグネシウムでは樹脂100重量部に対し、200重量部以下で同等の放熱性を達成できる。
さらに、本発明の板状酸化マグネシウムを樹脂に含有させると、成形品の表面の平滑性が向上し成形品の外観が良くなる。
また、本発明の板状酸化マグネシウムを電磁鋼板の焼鈍分離剤に使用すると、鋼板との密着性が向上する。
また本発明の樹脂組成物は、機械的強度および放熱性に優れる。すなわち、放熱性を達成するに必要な酸化マグネシウム量は、従来の酸化マグネシウムでは樹脂100重量部に対し、300重量部必要であったが、本発明の板状酸化マグネシウムでは樹脂100重量部に対し、200重量部以下で同等の放熱性を達成できる。
さらに、本発明の板状酸化マグネシウムを樹脂に含有させると、成形品の表面の平滑性が向上し成形品の外観が良くなる。
また、本発明の板状酸化マグネシウムを電磁鋼板の焼鈍分離剤に使用すると、鋼板との密着性が向上する。
本発明の板状酸化マグネシウムの結晶の厚さは、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である。本発明の板状酸化マグネシウムの形態は板状結晶である。本発明の板状酸化マグネシウムの横幅は、1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上である。結晶の厚さと横幅は、SEM写真により測定した10個の結晶の平均値として算出する。
本発明の板状酸化マグネシウムのアスペクト比は、10以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上、さらに好ましくは40以上である。アスペクト比は結晶の厚みに対する横幅(長さ)の比で表わされる。酸化マグネシウムのアスペクト比が高いほど、樹脂中での酸化マグネシウム結晶同士の接点が増加し、酸化マグネシウムの回路が形成されやすくなるし、曲げ弾性率等の機械的強度および成形品外観(光沢)が向上する傾向にある。
板状酸化マグネシウムは、結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上であることが好ましい。板状酸化マグネシウムは、結晶の厚さが0.1μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上であることが好ましい。板状酸化マグネシウムは、結晶の厚さが0.1μm以下で、横幅が3μm以上で、且つアスペクト比が30以上であることが好ましい。
板状酸化マグネシウムの製造方法
本発明の板状酸化マグネシウムは、原料板状水酸化マグネシウムMg(OH)2を、400〜1500℃で焼成して製造することができる。
本発明の板状酸化マグネシウムは、原料板状水酸化マグネシウムMg(OH)2を、400〜1500℃で焼成して製造することができる。
原料板状水酸化マグネシウム
原料板状水酸化マグネシウムの厚さは、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である。原料板状水酸化マグネシウムの横幅は、1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上である。原料板状水酸化マグネシウムのアスペクト比は、10以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。 原料の板状水酸化マグネシウムは、水溶性マグネシウム塩の水溶液又は1価の有機酸イオンの存在下に、好ましくは当量以下のアルカリを攪拌下に加え、共沈させた後、1価の有機酸イオンまたはアルカリ金属塩の共存下に100〜350℃で1〜20時間水熱処理することで製造できる。
原料板状水酸化マグネシウムの厚さは、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である。原料板状水酸化マグネシウムの横幅は、1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上である。原料板状水酸化マグネシウムのアスペクト比は、10以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。 原料の板状水酸化マグネシウムは、水溶性マグネシウム塩の水溶液又は1価の有機酸イオンの存在下に、好ましくは当量以下のアルカリを攪拌下に加え、共沈させた後、1価の有機酸イオンまたはアルカリ金属塩の共存下に100〜350℃で1〜20時間水熱処理することで製造できる。
水溶性のマグネシウム塩として、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等が挙げられる。アルカリの量は、1モルのマグネシウム塩に対して、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜90モル%である。
1価の有機酸イオンとして、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸イオン等が挙げられる。1価の有機酸イオンの量は、1モルのMgに対して、好ましくは0.1〜100モル%、より好ましくは5〜50モル%である。
アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等が挙げられる。アルカリの量は、1モルのマグネシウム塩に対して、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜90モル%である。
1価の有機酸イオンとして、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸イオン等が挙げられる。1価の有機酸イオンの量は、1モルのMgに対して、好ましくは0.1〜100モル%、より好ましくは5〜50モル%である。
共沈反応温度は、好ましくは40℃以下、より好ましくは1〜30℃である。
水熱処理温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜250℃である。水熱処理時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜8時間である。
水熱処理温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜250℃である。水熱処理時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜8時間である。
水熱処理後、国際公開特許WO2012/050222号公報に記載の、ろ過、水洗、表面処理、脱水、造粒、乾燥、粉砕、分級等の慣用の工程を適宜取捨選択して行うことができる。原料の板状水酸化マグネシムは、表面処理剤で処理した後、焼成しても良い。原料の板状水酸化マグネシムの焼成は、大気中、真空中、窒素等の不活性ガス雰囲気中、酸化雰囲気中で、好ましくは非還元性雰囲気中で行う。
本発明の板状酸化マグネシウムは、原料の板状水酸化マグネシウムを、400〜1500℃で焼成して製造することができる。
焼成温度は、500〜1500℃、好ましくは700〜1000℃、より好ましくは800〜900℃である。焼成時間は、1〜10時間、好ましくは1〜5時間、より好ましくは1〜3時間である。
焼成温度は、500〜1500℃、好ましくは700〜1000℃、より好ましくは800〜900℃である。焼成時間は、1〜10時間、好ましくは1〜5時間、より好ましくは1〜3時間である。
本発明の板状酸化マグネシウムはそのまま用いることもできるが、アニオン系界面活性剤、シラン系カップリグ剤、チタネート系カップリグ剤、アルミニウム系カップリッグ剤、リン酸エステル、金属脂肪酸、シリコーンオイル等により、表面処理して使用することができる。表面処理剤の量は上記強化剤に対し、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。表面処理方法は、慣用の湿式または乾式で行うことができる。
さらに、本発明の板状酸化マグネシウムは、慣用の方法で造粒して用いることもできる。そうすることにより、樹脂の嵩に近づけることができ、混練作業性、樹脂との混練性の改善につながる。
本発明の板状酸化マグネシウムは、その構造的特徴から前記以外にも、例えばパール顔料の基材、塗料の防錆剤、ハロゲン含有ゴムの受酸剤、電磁鋼板の焼鈍分離剤、塗料等の種々の利用が可能である。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、100重量部の樹脂および0.1〜200重量部の厚さが0.5μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上の板状酸化マグネシウムを含有する。含有される板状酸化マグネシウムは、厚さが0.2μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上であることが好ましい。板状酸化マグネシウムの含有量は、100重量部の樹脂に対して、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜100重量部である。
本発明の樹脂組成物は、100重量部の樹脂および0.1〜200重量部の厚さが0.5μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上の板状酸化マグネシウムを含有する。含有される板状酸化マグネシウムは、厚さが0.2μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上であることが好ましい。板状酸化マグネシウムの含有量は、100重量部の樹脂に対して、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜100重量部である。
樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、エチレンとアクリル酸エチルとの共重合体、エチレンとアクリル酸メチルとの共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと他のα―オレフィンの共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体、エチレンとプロピレンジエンゴムまたはブタジエンとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ABS、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。
熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。ゴムとして、EPDM、SBR、NBR、エチレンと他のα―オレフィン例えばプロピレン、オクテン等との共重合ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、クロロスルフォン化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等が例示される。
本発明の樹脂組成物は、酸化マグネシウム以外に、グラファイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、硼化窒素等の熱伝導剤を含有していてもよい。これら熱伝導剤の含有量は、樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜150重量部である。
熱伝導剤以外に、慣用の他の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、顔料、難燃剤、充填剤等の樹脂添加剤を適宜選択して含有させることができる。酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤および顔料の含有量は各々、樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部である。滑剤の含有量は、樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部である。難燃剤および充填剤の含有量は各々、樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例中、(a)アスペクト比、(b)熱伝導率は下記方法にて測定した。
(a)アスペクト比:
板状酸化マグネシウムのSEM写真中、任意の10個の結晶子の横幅、厚さの測定値の算術平均から求めた。
(b)熱伝導率:
ホットディスク法熱物性測定装置を用い、TPA−501(京都電子工業製)7mmφセンサー、RTK−7を使用して、ISO/CD 22007−2により求めた。
(a)アスペクト比:
板状酸化マグネシウムのSEM写真中、任意の10個の結晶子の横幅、厚さの測定値の算術平均から求めた。
(b)熱伝導率:
ホットディスク法熱物性測定装置を用い、TPA−501(京都電子工業製)7mmφセンサー、RTK−7を使用して、ISO/CD 22007−2により求めた。
板状酸化マグネシウムの製造
試薬1級の塩化マグネシウムとプロピオン酸ソーダの混合水溶液(Mg=2モル/L、プロピオン酸ソーダ=1モル/L、20℃)20Lに攪拌下、4モル/Lの試薬1級の水酸化ナトリウム水溶液(30℃)16Lを加え反応させた。この反応物を容量50Lのオートクレーブに入れ、180℃で5時間水熱処理をした。水熱処理物を取り出し、減圧濾過、水洗後、乾燥、粉砕した。得られた粉末の結晶の厚さおよび横幅をSEM写真によりを測定した結果、結晶の厚さが0.08μm、横幅が3.9μm、アスペクト比が49の板状結晶であった。
この粉末をシリコニット炉を用い、900℃で2時間焼成した。焼成物を粉砕後、その結晶の厚さおよび横幅をSEM写真によりを測定した。その結果、得られた焼成物は、厚さが0.08μm、横幅が3.8μmで、アスペクト比が48の板状結晶であった(図1)。焼成物はX線回折法による測定の結果、酸化マグネシウムMgOと同定された。
試薬1級の塩化マグネシウムとプロピオン酸ソーダの混合水溶液(Mg=2モル/L、プロピオン酸ソーダ=1モル/L、20℃)20Lに攪拌下、4モル/Lの試薬1級の水酸化ナトリウム水溶液(30℃)16Lを加え反応させた。この反応物を容量50Lのオートクレーブに入れ、180℃で5時間水熱処理をした。水熱処理物を取り出し、減圧濾過、水洗後、乾燥、粉砕した。得られた粉末の結晶の厚さおよび横幅をSEM写真によりを測定した結果、結晶の厚さが0.08μm、横幅が3.9μm、アスペクト比が49の板状結晶であった。
この粉末をシリコニット炉を用い、900℃で2時間焼成した。焼成物を粉砕後、その結晶の厚さおよび横幅をSEM写真によりを測定した。その結果、得られた焼成物は、厚さが0.08μm、横幅が3.8μmで、アスペクト比が48の板状結晶であった(図1)。焼成物はX線回折法による測定の結果、酸化マグネシウムMgOと同定された。
板状酸化マグネシウムの製造
実施例1で得られた原料板状水酸化マグネシムを、攪拌機で水に分散後、約80℃に加熱し、これに予め用意しておいた5%のステアリン酸ソーダ水溶液(80℃)を、水酸化マグネシウムに対し、2重量%(ステアリン酸換算)の量加え、表面処理した。この後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕した。
得られた粉末を、真空炉に入れ、真空に排気後、窒素ガスに置換し、該ガスを流しながら、800℃で1時間焼成した。室温まで冷却後、粉砕した。得られた粉末は、厚さが0.08μm、横幅が3.9μm、アスペクト比が49の板状結晶であった。この焼成粉末は、僅かに灰色であったことから、炭素が酸化マグネシウムの結晶表面に存在していることわかった。この焼成粉末はX線回折法による測定の結果、酸化マグネシウムのみであったことから、炭素は結晶化していないと推定された。この焼成粉末は、ヘンシェルミキサーに入れ、攪拌下にメチルハイドロジェンシリコーンの10%メタノール液を加え表面処理した後、乾燥した。
実施例1で得られた原料板状水酸化マグネシムを、攪拌機で水に分散後、約80℃に加熱し、これに予め用意しておいた5%のステアリン酸ソーダ水溶液(80℃)を、水酸化マグネシウムに対し、2重量%(ステアリン酸換算)の量加え、表面処理した。この後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕した。
得られた粉末を、真空炉に入れ、真空に排気後、窒素ガスに置換し、該ガスを流しながら、800℃で1時間焼成した。室温まで冷却後、粉砕した。得られた粉末は、厚さが0.08μm、横幅が3.9μm、アスペクト比が49の板状結晶であった。この焼成粉末は、僅かに灰色であったことから、炭素が酸化マグネシウムの結晶表面に存在していることわかった。この焼成粉末はX線回折法による測定の結果、酸化マグネシウムのみであったことから、炭素は結晶化していないと推定された。この焼成粉末は、ヘンシェルミキサーに入れ、攪拌下にメチルハイドロジェンシリコーンの10%メタノール液を加え表面処理した後、乾燥した。
(比較例1)
酸化マグネシウムの製造
厚さが0.4μm、横幅が0.9μm、アスペクト比が2.5の市販の水酸化マグネシウムをシリコニット炉で大気雰囲気下、900℃で2時間焼成し、冷却後粉砕した。得られた酸化マグネシウムは、SEM写真により厚さと横幅を測定した結果、厚さが0.34μm、横幅が0.85μm、アスペクト比が2.5であった。(図2)
酸化マグネシウムの製造
厚さが0.4μm、横幅が0.9μm、アスペクト比が2.5の市販の水酸化マグネシウムをシリコニット炉で大気雰囲気下、900℃で2時間焼成し、冷却後粉砕した。得られた酸化マグネシウムは、SEM写真により厚さと横幅を測定した結果、厚さが0.34μm、横幅が0.85μm、アスペクト比が2.5であった。(図2)
樹脂組成物
シリコーンゴム100重量部に対し、実施例2で得られた板状酸化マグネシウムを150重量部配合し、加圧ニーダーを用い、常温、約30℃で混練した。混練物はプレス成形機を用い、160℃で、直径50mm、厚さ8mmの試験片を作成し、定常熱流計法(ASTM E1530に準拠)で熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
シリコーンゴム100重量部に対し、実施例2で得られた板状酸化マグネシウムを150重量部配合し、加圧ニーダーを用い、常温、約30℃で混練した。混練物はプレス成形機を用い、160℃で、直径50mm、厚さ8mmの試験片を作成し、定常熱流計法(ASTM E1530に準拠)で熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
樹脂組成物
実施例2で調製した板状酸化マグネシウムの代わりに、比較例1で調製した酸化マグネシウムをシリコーンゴム100重量部に対し、150重量部配合する以外は、実施例3と同様に試験片を作成した。結果を表1に示す。
樹脂組成物
実施例2で調製した板状酸化マグネシウムの代わりに、比較例1で調製した酸化マグネシウムをシリコーンゴム100重量部に対し、150重量部配合する以外は、実施例3と同様に試験片を作成した。結果を表1に示す。
(比較例3)
樹脂組成物
厚みが0.8μm、横幅が1.0μmの球形に近い酸化マグネシウムをシリコーンゴム100重量部に対し、300重量部配合した以外は、比較例2と同様にして試験片を作成した。結果を表1に示す。
樹脂組成物
厚みが0.8μm、横幅が1.0μmの球形に近い酸化マグネシウムをシリコーンゴム100重量部に対し、300重量部配合した以外は、比較例2と同様にして試験片を作成した。結果を表1に示す。
(比較例4)
酸化マグネシウムを配合していないシリコーンゴム単独の熱伝導率の測定結果を表1に示す。
酸化マグネシウムを配合していないシリコーンゴム単独の熱伝導率の測定結果を表1に示す。
Claims (8)
- 結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上である板状酸化マグネシウム。
- 結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上である請求項1の板状酸化マグネシウム。
- 結晶の厚さが0.1μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上である請求項1の板状酸化マグネシウム。
- 結晶の厚さが0.1μm以下で、横幅が3μm以上で、且つアスペクト比が30以上である請求項1の板状酸化マグネシウム。
- 100重量部の樹脂および0.1〜200重量部の厚さが0.5μm以下で、横幅が1μm以上で、且つアスペクト比が10以上の板状酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物。
- 板状酸化マグネシウムの厚さが0.2μm以下で、横幅が2μm以上で、且つアスペクト比が20以上である請求項5の樹脂組成物。
- 請求項5記載の樹脂組成物からなる放熱板。
- 結晶の厚さが0.2μm以下で、横幅が1μm以上で、アスペクト比が10以上の板状水酸化マグネシウムを、400〜1500℃で焼成する、請求項1記載の板状酸化マグネシウムの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016069221A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 日本ピラー工業株式会社 | 立体樹枝状充填材、樹脂組成物、成形体、及び立体樹枝状充填材の製造方法 |
CN110203950A (zh) * | 2019-06-14 | 2019-09-06 | 河北镁神科技股份有限公司 | 涂料级硅酸镁锂及其专用的超细片状氧化镁以及制备方法 |
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2013
- 2013-04-08 JP JP2013080542A patent/JP2013234112A/ja active Pending
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