JP2014111379A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非フッ素ゴム層(A)と、非フッ素ゴム層(A)上に積層されたフッ素ゴム層(B)と、を備える積層体であって、非フッ素ゴム層(A)は、加硫用ゴム組成物から形成される層であり、加硫用ゴム組成物は、未加硫アクリルゴム(a1)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5、及び、イミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(a2)、並びに、ジチオカルバミン酸鉄及びアルデヒドアミン加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(a4)を含有し、フッ素ゴム層(B)は、フッ素ゴム(b1)を含有するフッ素ゴム組成物から形成される層であることを特徴とする積層体。
【選択図】 なし
Description
本発明の第一の積層体は、加硫用ゴム組成物が上記特定の構成、特に、ジチオカルバミン酸鉄及びアルデヒドアミン加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(a4)を使用することにより、アクリルゴムとフッ素ゴムとを強固に直接接着させることができるものである。
本発明の第一の積層体では、フッ素ゴムとアクリルゴムとを積層させるにあたって、特に複雑な工程を組まずに、ゴム加硫時に化学的に強固な接着が得られるため、接着に特別の工程が不要であり、低コストでの成形が可能であり、成形も容易である。また、押出成形のような普通の方法で成形することができるため、薄膜化も可能であり、柔軟性の点でも改善される。
非フッ素ゴム層(A)は、加硫用ゴム組成物(以下、非フッ素ゴム層(A)を形成するための加硫用ゴム組成物を「加硫用ゴム組成物(1)」とも言う)から形成される層である。
未加硫アクリルゴム(a1)は、アクリル酸エステルに基づく重合単位からなる重合体である。未加硫アクリルゴム(a1)は、1種のアクリル酸エステルに基づく重合単位からなる単独重合体であってもよいし、2種以上のアクリル酸エステルに基づく重合単位からなる共重合体でもよいし、1種又は2種以上のアクリル酸エステルに基づく重合単位と、アクリル酸エステルと共重合可能な単量体に基づく重合単位とからなる共重合体であってもよい。
未加硫アクリルゴム(a1)は、アクリル酸エステルの種類、重合単位の量を選択することにより、アクリルゴム組成物の常態物性、耐寒性、耐油性等を調整することができる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート等が挙げられる。
アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレート等が挙げられる。
例えば、n−ブチルアクリレートの共重合比率を多くすると耐寒性を向上させることができる。また、エチルアクリレートの共重合比率を多くすると耐油性を向上させることができる。
アクリルゴムは、熱や紫外線等の影響によりその主鎖が切断し、引張強さや破断伸びといった機械的特性が低下してしまうことがある。そこで、架橋反応を起こしやすいカルボキシル基を有する酢酸ビニルを未加硫アクリルゴム(a1)の主鎖に共重合させておくと、架橋後のアクリルゴムの主鎖が切断してしまった際に、酢酸ビニルに基づく重合単位中のカルボキシル基が架橋部位となって、切断した分子間を再度架橋させることができる。
加硫用ゴム組成物(1)は、加硫助剤や共加硫剤を併用してもよい。上記加硫助剤又は共加硫剤としては特に限定されない。中でも、加硫性、加硫物の物性、積層体の接着性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)がより好ましい。
化合物(a2)の含有量は、未加硫アクリルゴム(a1)100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以下であることがより好ましく、3.5質量部以下であることが更に好ましく、2.0質量部以下であることが特に好ましい。
より優れた接着性が得られることから、化合物(a4)はジチオカルバミン酸鉄であることが好ましい。
上記化合物(a4)の配合量が少なすぎると、フッ素ゴム層(B)と非フッ素ゴム層(A)とが充分に接着しないおそれがある。また、加硫ゴム物性が悪くなる傾向がある。ジチオカルバミン酸鉄及びアルデヒドアミン加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(a4)が多すぎると未加硫物性が悪くなる傾向がみられる。
ジチオカルバミン酸亜鉛、及び、ジチオカルバミン酸銅からなる群より選択される少なくとも1種のジチオカルバミン酸塩(a5)の配合量は特に限定されないが、例えば、未加硫アクリルゴム(a1)100質量部に対して0.5〜3.0質量部が好ましい。
耐酸性が特に優れることから、酸化マグネシウム(a3)の含有量は、未加硫アクリルゴム(a1)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、5質量部未満であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましく、3質量部未満であることが特に好ましく、酸化マグネシウム(a3)を含有しないことが最も好ましい。
従来、フッ素ゴムとアクリルゴムとを接着させるためには、非フッ素ゴム層を形成するための加硫用ゴム組成物(1)に酸化マグネシウムを添加することが必要と考えられていた。
しかしながら、本発明の第一の積層体は、加硫用ゴム組成物(1)が化合物(a2)及びジチオカルバミン酸鉄及びアルデヒドアミン加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(a4)を含有することによって、加硫用ゴム組成物(1)中の酸化マグネシウムの含有量が少ない又は加硫用ゴム組成物(1)が酸化マグネシウムを含有しない場合であっても、非フッ素ゴム層(A)とフッ素ゴム層(B)とがより強固に接着可能となる。そして、酸化マグネシウム(a3)の含有量を、未加硫アクリルゴム(a1)100質量部に対して5質量部以下とすることによって、耐酸性が優れる積層体が得られることも見出した。
MgxZnyAlz(OH)2(x+y)+3z−2CO3・wH2O (2)
(xとyは0〜10の実数、ただしx+y=1〜10、zは1〜5の実数、wは0〜10の実数を表す。)で示される合成ハイドロタルサイト類、及び一般式(3):
〔Al2Li(OH)6〕nX・mH2O (3)
(式中Xは、無機又は有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数である。)で示されるLi−Al系包接化合物が挙げられる。
受酸剤の含有量は、耐酸性の観点から、未加硫アクリルゴム(a1)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。
MgxAly(OH)2x+3y−2CO3・wH2O (4)
(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の整数を表す)で表される化合物であってもよい。更に具体的に例示すれば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O等を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられ、具体的にはたとえば、SAF−HS(N2SA:142m2/g、DBP:130ml/100g)、SAF(N2SA:142m2/g、DBP:115ml/100g)、N234(N2SA:126m2/g、DBP:125ml/100g)、ISAF(N2SA:119m2/g、DBP:114ml/100g)、ISAF−LS(N2SA:106m2/g、DBP:75ml/100g)、ISAF−HS(N2SA:99m2/g、DBP:129ml/100g)、N339(N2SA:93m2/g、DBP:119ml/100g)、HAF−LS(N2SA:84m2/g、DBP:75ml/100g)、HAS−HS(N2SA:82m2/g、DBP:126ml/100g)、HAF(N2SA:79m2/g、DBP:101ml/100g)、N351(N2SA:74m2/g、DBP:127ml/100g)、LI−HAF(N2SA:74m2/g、DBP:101ml/100g)、MAF−HS(N2SA:56m2/g、DBP:158ml/100g)、MAF(N2SA:49m2/g、DBP:133ml/100g)、FEF−HS(N2SA:42m2/g、DBP:160ml/100g)、FEF(N2SA:42m2/g、DBP:115ml/100g)、SRF−HS(N2SA:32m2/g、DBP:140ml/100g)、SRF−HS(N2SA:29m2/g、DBP:152ml/100g)、GPF(N2SA:27m2/g、DBP:87ml/100g)、SRF(N2SA:27m2/g、DBP:68ml/100g)、SRF−LS(N2SA:23m2/g、DBP:51ml/100g)、FT(N2SA:19m2/g、DBP:42ml/100g)、MT(N2SA:8m2/g、DBP:43ml/100g)などが挙げられる。これらのカーボンブラックは単独で使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。中でも、HAF、HAF−LS、LI−HAF、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、SAF及びSAF−HSからなる群より選択される少なくとも1種であることが接着性の点から好ましい。
なかでも、カーボンブラックの好ましいものとしては、窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜180m2/gであって、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が40〜180ml/100gであるカーボンブラックが挙げられる。なお、カーボンブラックとして、N2SAやDBPの値の高いものを用いることによって、接着性を高めることができる。
フッ素ゴム層(B)は、フッ素ゴム組成物(以下、フッ素ゴム層(B)を形成するためのフッ素ゴム組成物を「フッ素ゴム組成物(1)」とも言う)から形成される層である。フッ素ゴム組成物(1)は、フッ素ゴム(b1)を含有する。
上記ポリオール加硫可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール加硫可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリオール加硫可能な部位としては特に限定されず、例えば、ビニリデンフルオライド(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記加硫部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に加硫部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
上記フッ素ゴム(b1)としては、以上説明したものを1種に限らず2種以上用いてもよい。
上記多官能性化合物は、1つの分子中に同一又は異なる構造の2つ以上の官能基又は二重結合を有する化合物であることが好ましい。
上記多官能性化合物が有する官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アミド基、オレフィン基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、エポキシ基等、一般に反応性を有することが知られている官能基であれば任意に用いることができる。
これらの官能基を有する化合物は、フッ素ゴムとの親和性が高いだけではなく、フッ素樹脂が有する官能基とも反応し更に接着性が向上することが期待される。
上記金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩及びアルカリ土類金属の弱酸塩としては、周期表第(II)族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第(IV)族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩等が挙げられる。
金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩及びアルカリ土類金属の弱酸塩の具体的な例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化錫、塩基性亜リン酸錫等をあげることができる。
有機過酸化物を加硫剤として使用する場合には、上記金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩、アルカリ土類金属の弱酸塩の含有量は、3質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以下、耐酸性の観点からは、含まないことが更に好ましい。
石油系炭化水素樹脂としては、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、不飽和炭化水素の重合体、イソプレン系樹脂、水素添加炭化水素樹脂、炭化水素系粘着化樹脂、重合型特殊ポリエステル、ポリブテン、アタクチック・ポリプロピレン、液状ポリブタジエン、低分子量ブチルゴムなどをあげることができる。ロジン誘導体としては、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、水素添加ロジン、高度に水添したウッドロジン、水素添加ロジンのメチル・エステル、水素添加ロジンのトリエチレングリコール・エステル、水素添加ロジンのペンタエリスリトール・エステル、水素添加ロジン・エステル、高融点エステル系樹脂、重合ロジン、重合ロジンのグリセロール・エステル、樹脂酸亜鉛、硬化ロジン、ロジン系粘着付与剤などをあげることができる。また、その他の粘着付与剤としては、樹脂酸とアミン−樹脂石けんの混合品、テレピン系粘着付与剤、合成樹脂とフタル酸エステルの共縮合品などがあげられる。粘着付与剤の含有量はフッ素ゴム(b1)100質量部に対して0〜5重量部が接着性と圧縮永久ひずみのバランスの点から好ましい。
また、低コスト化、柔軟性付与等の観点からは、フッ素ゴム層(B)の片面(非フッ素ゴム層(A)が積層されていない面)に、非フッ素ゴム層(A)及びフッ素ゴム層(B)とは異なるポリマー層(C)が積層されている3層以上の積層体であってもよいし、非フッ素ゴム層(A)の片面(フッ素ゴム層(B)が積層されていない面)に、非フッ素ゴム層(A)及びフッ素ゴム層(B)とは異なるポリマー層(C)が積層されている3層以上の積層体であってもよい。
また、フッ素ゴム層(B)の両側に非フッ素ゴム層(A)が積層されている3層以上の積層体であってもよいし、非フッ素ゴム層(A)の両側にフッ素ゴム層(B)が積層されている3層以上の積層体であってもよい。
上記ポリマー層(C)としては特に限定されず、本発明の第一の積層体から得られる加硫積層体の用途等に応じて適宜決定すればよく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素化物からなることが好ましい。
なお、各層の厚さ、形状等は、使用目的、使用形態等によって適宜選定すればよい。
また、耐圧向上の目的で、補強糸等の補強層を適宜設けてもよい。
加硫フッ素ゴム層(B1)は、フッ素ゴム層(B)が上記加熱処理によって加硫したものである。
上記加熱処理により、非フッ素ゴム層(A)及びフッ素ゴム層(B)が加硫され、加硫非フッ素ゴム層(A1)と加硫フッ素ゴム層(B1)とが加硫接着した加硫積層体が得られる。
加硫処理の条件は特に制限されるものではなく、通常の条件で行うことができるが、150〜170℃で、3分〜80分、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛加硫等を用いて処理を行うことが好ましい。より好ましくは、160℃で、5〜45分かけて行う。
本発明の第二の積層体は、加硫用ゴム組成物が多官能性化合物(d6)を含有し、かつフッ素ゴム組成物が有機過酸化物(e2)を含有することによって、フッ素ゴムとアクリルゴムとを強固に接着させることができる。特に、高温においても優れた接着性が得られることから、高温で使用される用途に好適に利用可能である。
本発明の第二の積層体では、フッ素ゴムとアクリルゴムとを積層させるにあたって、特に複雑な工程を組まずに、ゴム加硫時に化学的に強固な接着が得られるため、接着に特別の工程が不要であり、低コストでの成形が可能であり、成形も容易である。また、押出成形のような普通の方法で成形することができるため、薄膜化も可能であり、柔軟性の点でも改善される。
非フッ素ゴム層(D)は、加硫用ゴム組成物(以下、非フッ素ゴム層(D)を形成するための加硫用ゴム組成物を「加硫用ゴム組成物(2)」とも言う)から形成される層である。
未加硫アクリルゴム(d1)としては、上述した未加硫アクリルゴム(a1)と同じものを使用することができる。
未加硫アクリルゴム(d1)は、アクリル酸エステルに基づく重合単位からなる重合体である。未加硫アクリルゴム(d1)は、1種のアクリル酸エステルに基づく重合単位からなる単独重合体であってもよいし、2種以上のアクリル酸エステルに基づく重合単位からなる共重合体でもよいし、1種又は2種以上のアクリル酸エステルに基づく重合単位と、アクリル酸エステルと共重合可能な単量体に基づく重合単位とからなる共重合体であってもよい。
未加硫アクリルゴム(d1)は、アクリル酸エステルの種類、重合単位の量を選択することにより、加硫用ゴム組成物の常態物性、耐寒性、耐油性等を調整することができる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート等が挙げられる。
アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレート等が挙げられる。
例えば、n−ブチルアクリレートの共重合比率を多くすると耐寒性を向上させることができる。また、エチルアクリレートの共重合比率を多くすると耐油性を向上させることができる。
アクリルゴムは、熱や紫外線等の影響によりその主鎖が切断し、引張強さや破断伸びといった機械的特性が低下してしまうことがある。そこで、架橋反応を起こしやすいカルボキシル基を有する酢酸ビニルを未加硫アクリルゴム(d1)の主鎖に共重合させておくと、架橋後のアクリルゴムの主鎖が切断してしまった際に、酢酸ビニルに基づく重合単位中のカルボキシル基が架橋部位となって、切断した分子間を再度架橋させることができる。
多官能性化合物(d6)は、1つの分子中に同一又は異なる構造の2つ以上の官能基又は二重結合を有する化合物であることが好ましい。
官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アミド基、オレフィン基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、エポキシ基等、一般に反応性を有することが知られている官能基であれば任意に用いることができる。
多官能性化合物(d6)としては、二重結合を複数(2以上)有する化合物、ポリアミン化合物、ポリヒドロキシ化合物、及び、ポリチオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。これらの中でも、多官能性化合物は二重結合を複数有する化合物が好ましい。二重結合を複数有する化合物は、多価ビニル化合物、多価アリル化合物、多価(メタ)アクリル酸エステルなどを例示できる。好ましいものとしては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルフタルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどがあげられる。これらの中でも、接着性の観点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
上記加硫用ゴム組成物(2)は、加硫助剤や共加硫剤を併用してもよい。上記加硫助剤又は共加硫剤としては特に限定されない。
DBU塩、及びDBN塩としては、DBU又はDBNの塩酸塩、炭酸塩、長鎖脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、オルトフタル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、フェノール塩、フェノール樹脂塩、ナフトエ酸塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、フェノールノボラック樹脂塩等があげられ、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセニウムクロライド(DBU−B)、ナフトエ酸塩、オルトフタル酸塩、フェノール塩、及び、ギ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
化合物(d2)の含有量は、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以下であることがより好ましく、3.5質量部以下であることが更に好ましく、2.0質量部以下であることが特に好ましい。
加硫用ゴム組成物(2)が、ジチオカルバミン酸鉄及びアルデヒドアミン加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(d4)を含むことにより、フッ素ゴム層(E)と非フッ素ゴム層(D)とをより強固に接着させることができる。
ジチオカルバミン酸鉄としては、ジメチルジチオカルバメートの鉄塩(FeMDC)、ジエチルジチオカルバメートの鉄塩、ジイソプロピルジチオカルバメートの鉄塩、ジブチルジチオカルバメートの鉄塩、ジベンジルジチオカルバメートの鉄塩、ピペラジンジチオカルバメートの鉄塩等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸鉄以外のカルバミン酸金属塩の配合量は特に限定されないが、例えば、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して0.5〜3.0質量部が好ましい。
上記ジチオカルバミン酸塩(d5)を併用することによって、フッ素ゴム層(E)と非フッ素ゴム層(D)とをより強固に接着させることができる。
ジチオカルバミン酸亜鉛、及び、ジチオカルバミン酸銅からなる群より選択される少なくとも1種のジチオカルバミン酸塩(d5)の配合量は特に限定されないが、例えば、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して0.5〜3.0質量部が好ましい。
耐酸性が特に優れることから、酸化マグネシウム(d3)の含有量は、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、5質量部未満であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましく、3質量部未満であることが特に好ましく、酸化マグネシウム(d3)を含有しないことが最も好ましい。
従来、フッ素ゴムとアクリルゴムとを接着させるためには、非フッ素ゴム層を形成するための加硫用ゴム組成物に酸化マグネシウムを添加することが必要と考えられていた。
しかしながら、本発明の第二の積層体は、加硫用ゴム組成物(2)が多官能性化合物(d6)を含有することによって、加硫用ゴム組成物(2)中の酸化マグネシウムの含有量が少ない又は加硫用ゴム組成物(2)が酸化マグネシウムを含有しない場合であっても、非フッ素ゴム層(D)とフッ素ゴム層(E)とがより強固に接着可能となる。そして、酸化マグネシウム(d3)の含有量を、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して5質量部以下とすることによって、耐酸性が優れる積層体が得られることも見出した。
受酸剤の例としては、周期表第(II)族金属の酸化物(但し、酸化マグネシウムを除く)、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第(IV)族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩等、及び下記一般式(2):
MgxZnyAlz(OH)2(x+y)+3z−2CO3・wH2O (2)
(xとyは0〜10の実数、ただしx+y=1〜10、zは1〜5の実数、wは0〜10の実数を表す。)で示される合成ハイドロタルサイト類、及び一般式(3):
〔Al2Li(OH)6〕nX・mH2O (3)
(式中Xは、無機又は有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数である。)で示されるLi−Al系包接化合物が挙げられる。
受酸剤の含有量は、耐酸性の観点から、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。
MgxAly(OH)2x+3y−2CO3・wH2O (4)
(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の整数を表す)で表される化合物であってもよい。更に具体的に例示すれば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O等を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられ、具体的にはたとえば、SAF−HS(N2SA:142m2/g、DBP:130ml/100g)、SAF(N2SA:142m2/g、DBP:115ml/100g)、N234(N2SA:126m2/g、DBP:125ml/100g)、ISAF(N2SA:119m2/g、DBP:114ml/100g)、ISAF−LS(N2SA:106m2/g、DBP:75ml/100g)、ISAF−HS(N2SA:99m2/g、DBP:129ml/100g)、N339(N2SA:93m2/g、DBP:119ml/100g)、HAF−LS(N2SA:84m2/g、DBP:75ml/100g)、HAS−HS(N2SA:82m2/g、DBP:126ml/100g)、HAF(N2SA:79m2/g、DBP:101ml/100g)、N351(N2SA:74m2/g、DBP:127ml/100g)、LI−HAF(N2SA:74m2/g、DBP:101ml/100g)、MAF−HS(N2SA:56m2/g、DBP:158ml/100g)、MAF(N2SA:49m2/g、DBP:133ml/100g)、FEF−HS(N2SA:42m2/g、DBP:160ml/100g)、FEF(N2SA:42m2/g、DBP:115ml/100g)、SRF−HS(N2SA:32m2/g、DBP:140ml/100g)、SRF−HS(N2SA:29m2/g、DBP:152ml/100g)、GPF(N2SA:27m2/g、DBP:87ml/100g)、SRF(N2SA:27m2/g、DBP:68ml/100g)、SRF−LS(N2SA:23m2/g、DBP:51ml/100g)、FT(N2SA:19m2/g、DBP:42ml/100g)、MT(N2SA:8m2/g、DBP:43ml/100g)などが挙げられる。これらのカーボンブラックは単独で使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。中でも、HAF、HAF−LS、LI−HAF、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、SAF及びSAF−HSからなる群より選択される少なくとも1種であることが接着性の点から好ましい。
なかでも、カーボンブラックの好ましいものとしては、窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜180m2/gであって、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が40〜180ml/100gであるカーボンブラックが挙げられる。なお、カーボンブラックとして、N2SAやDBPの値の高いものを用いることによって、接着性を高めることができる。
フッ素ゴム層(E)は、フッ素ゴム組成物(以下、フッ素ゴム層(E)を形成するためのフッ素ゴム組成物を「フッ素ゴム組成物(2)」とも言う)から形成される層である。フッ素ゴム組成物(2)は、フッ素ゴム(e1)を含有する。
上記パーオキサイド加硫可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド加硫可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記パーオキサイド加硫可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子、臭素原子等を挙げることができる。
上記ポリオール加硫可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール加硫可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリオール加硫可能な部位としては特に限定されず、例えば、ビニリデンフルオライド(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記加硫部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に加硫部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
パーオキサイド加硫可能なフッ素ゴムとしては、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有し、ヨウ素原子及び臭素原子の含有量の合計がフッ素ゴム(e1)に対して0.05〜10重量%であるものが好ましい。ヨウ素原子及び臭素原子の含有量の合計は、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
ヨウ素原子及び臭素原子含有量の測定は、試料(フッ素ゴム)12mgにNa2SO3を5mg混ぜ、純水20mlにNa2CO3とK2CO3とを1対1(重量比)で混合したものを30mg溶解した吸収液を用い、石英製の燃焼フラスコ中、酸素中で燃焼させ、30分放置後、島津製作所社製20Aイオンクロマトグラフを用い測定することができる。検量線はKI標準溶液、ヨウ素イオン0.5ppmを含むもの又は1.0ppmを含むものを用いることができる。
上記ヨウ素原子または臭素原子の結合位置は、主鎖の末端でも側鎖の末端でもよく、もちろん両者であってもよい。上記パーオキサイド加硫可能なフッ素ゴムは、ヨウ素または臭素含有単量体を使用する、重合開始剤又は連鎖移動剤として臭素化合物又はヨウ素化合物を使用する、ことなどによって製造することができる。
上記フッ素ゴム(e1)としては、以上説明したものを1種に限らず2種以上用いてもよい。
上記加硫助剤や共加硫剤の配合量としては、フッ素ゴム(e1)100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.3〜6質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が更に好ましい。加硫剤や共加硫剤が、0.2質量部未満であると、加硫密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部を超えると、加硫密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
上記ポリオール系加硫剤としては特に限定されず、例えば、ポリヒドロキシ化合物、特に、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。上記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては特に限定されず、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールA等を挙げることができる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等であってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。
上記ポリオール系加硫剤としては、加硫後のフッ素ゴムの圧縮永久歪みが小さく、成形性に優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、耐熱性が優れることからポリヒドロキシ芳香族化合物がより好ましく、ビスフェノールAFが更に好ましい。
上記金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩及びアルカリ土類金属の弱酸塩としては、周期表第(II)族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第(IV)族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩等が挙げられる。
金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩及びアルカリ土類金属の弱酸塩の具体的な例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化錫、塩基性亜リン酸錫等をあげることができる。
有機過酸化物を加硫剤として使用する場合には、上記金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩、アルカリ土類金属の弱酸塩の含有量は、3質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以下、耐酸性の観点からは、含まないことが更に好ましい。
カーボンブラックとしては、上記加硫用ゴム組成物(2)において例示したものと同じものを使用することができる。これらのカーボンブラックは単独で使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。カーボンブラックとしては、中でも、HAF、HAF−LS、LI−HAF、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、SAF及びSAF−HSからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
多官能性化合物(e3)としては、上述した多官能性化合物(d6)と同じものを使用できる。
クマロン樹脂としては、クマロン・インデン樹脂が挙げられる。フェノール・テルペン系樹脂としては、p−第三ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール樹脂などをあげることができる。
石油系炭化水素樹脂としては、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、不飽和炭化水素の重合体、イソプレン系樹脂、水素添加炭化水素樹脂、炭化水素系粘着化樹脂、重合型特殊ポリエステル、ポリブテン、アタクチック・ポリプロピレン、液状ポリブタジエン、低分子量ブチルゴムなどをあげることができる。ロジン誘導体としては、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、水素添加ロジン、高度に水添したウッドロジン、水素添加ロジンのメチル・エステル、水素添加ロジンのトリエチレングリコール・エステル、水素添加ロジンのペンタエリスリトール・エステル、水素添加ロジン・エステル、高融点エステル系樹脂、重合ロジン、重合ロジンのグリセロール・エステル、樹脂酸亜鉛、硬化ロジン、ロジン系粘着付与剤などをあげることができる。また、その他の粘着付与剤としては、樹脂酸とアミン−樹脂石けんの混合品、テレピン系粘着付与剤、合成樹脂とフタル酸エステルの共縮合品などがあげられる。粘着付与剤の含有量はフッ素ゴム(e1)100質量部に対して0〜5重量部が接着性と圧縮永久ひずみのバランスの点から好ましい。
また、低コスト化、柔軟性付与等の観点からは、フッ素ゴム層(E)の片面(非フッ素ゴム層(D)が積層されていない面)に、非フッ素ゴム層(D)及びフッ素ゴム層(E)とは異なるポリマー層(F)が積層されている3層以上の積層体であってもよいし、非フッ素ゴム層(D)の片面(フッ素ゴム層(E)が積層されていない面)に、非フッ素ゴム層(D)及びフッ素ゴム層(E)とは異なるポリマー層(F)が積層されている3層以上の積層体であってもよい。
また、フッ素ゴム層(E)の両側に非フッ素ゴム層(D)が積層されている3層以上の積層体であってもよいし、非フッ素ゴム層(D)の両側にフッ素ゴム層(E)が積層されている3層以上の積層体であってもよい。
上記ポリマー層(F)としては特に限定されず、本発明の第二の積層体から得られる加硫積層体の用途等に応じて適宜決定すればよく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素化物からなることが好ましい。
なお、各層の厚さ、形状等は、使用目的、使用形態等によって適宜選定すればよい。
また、耐圧向上の目的で、補強糸等の補強層を適宜設けてもよい。
加硫フッ素ゴム層(E1)は、フッ素ゴム層(E)が上記加熱処理によって加硫したものである。
上記加熱処理により、非フッ素ゴム層(D)及びフッ素ゴム層(E)が加硫され、加硫非フッ素ゴム層(D1)と加硫フッ素ゴム層(E1)とが加硫接着した加硫積層体が得られる。
加硫処理の条件は特に制限されるものではなく、通常の条件で行うことができるが、150〜170℃で、3分〜80分、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛加硫等を用いて処理を行うことが好ましい。より好ましくは、160℃で、5〜45分かけて行う。
用いられる分野としては例えば、半導体関連分野、自動車分野、航空機分野、宇宙・ロケット分野、船舶分野、化学プラント等の化学品分野、医薬品等の薬品分野、現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野、塗装設備等の塗装分野、分析機器、計器等の分析・理化学機械分野、食品プラント機器及び家庭用品を含む食品機器分野、飲料食品製造装置分野、医薬品製造装置分野、医療部品分野、化学薬品輸送用機器分野、原子力プラント機器分野、鉄板加工設備等の鉄鋼分野、一般工業分野、電気分野、燃料電池分野、電子部品分野、光学機器部品分野、宇宙用機器部品分野、石油化学プラント機器分野、石油、ガス等のエネルギー資源探索採掘機器部品分野、石油精製分野、石油輸送機器部品分野などが挙げられる。
また、チューブ、ホース、ロール、各種ゴムロール、フレキシブルジョイント、ゴム板、コーティング、ベルト、ダンパー、バルブ、バルブシート、バルブの弁体、耐薬品用コーティング材料、ラミネート用材料、ライニング用材料などとしても使用できる。
なお、上記リング、パッキン、シールの断面形状は、種々の形状のものであってよく、具体的には、例えば、四角、O字、へルールなどの形状であってもよいし、D字、L字、T字、V字、X字、Y字などの異形状であってもよい。
上述のようなエンジン本体やその周辺装置では、耐熱性、耐油性、燃料油耐性、エンジン冷却用不凍液耐性、耐スチーム性が要求される各種シール材に本発明の加硫積層体を用いることができ、そのようなシール材としては、例えば、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール等のシールや、セルフシールパッキン、ピストンリング、割リング形パッキン、メカニカルシール、オイルシール等の非接触型又は接触型のパッキン類、ベローズ、ダイアフラム、ホース、チューブの他、電線、緩衝材、防振材、ベルトAT装置に用いられる各種シール材などが挙げられる。
制御系電装部品における具体的な使用形態としては、各種センサー線の被覆材料などが挙げられる。
上記装備電装部品における具体的な使用形態としては、カーエアコンのO−リング、パッキンや、クーラーホース、高圧エアコンホース、エアコンホース、電子スロットルユニット用ガスケット、ダイレクトイグニッション用プラグブーツ、ディストリビューター用ダイアフラムなどが挙げられる。また、電装部品の接着にも用いることができる。
また、ディーゼルエンジンに関する部品において、直噴インジェクター用のO−リングシール、回転ポンプシール、制御ダイアフラム、燃料ホース、EGR、プライミングポンプ、ブーストコンペンセーターのダイアフラムなどとして用いることができる。また、尿素SCRシステムに用いられるO−リング、シール材、ホース、チューブ、ダイアフラムや、尿素SCRシステムの尿素水タンク本体、及び尿素水タンクのシール材などにも用いることができる。
ミッションオイルシールや、ATのミッションオイルホース、ATFホース、O−リング、パッキン類なども挙げられる。
なお、トランスミッションには、AT(オートマチック・トランスミッション)、MT(マニュアル・トランスミッション)、CVT(連続可変トランスミッション)、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)などがある。
また、手動または自動変速機用のオイルシール、ガスケット、O−リング、パッキンや、無段変速機(ベルト式またはトロイダル式)用のオイルシール、ガスケット、O−リング、パッキンの他、ATFリニアソレノイド用パッキング、手動変速機用オイルホース、自動変速機用ATFホース、無断変速機(ベルト式またはトロイダル式)用CVTFホースなども挙げられる。
ステアリング系における具体的な使用形態としては、パワーステアリングオイルホースや高圧パワステアリングホースなどが挙げられる。
自動車エンジンの主運動系においては、クランクシャフトシール、カムシャフトシールなどのシャフトシールなどに用いることができる。
自動車エンジンの動弁系においては、エンジンバルブのバルブステムオイルシール、バタフライバルブのバルブシートなどに用いることができる。
自動車エンジンの潤滑・冷却系においては、エンジンオイルクーラーのエンジンオイルクーラーホース、オイルリターンホース、シールガスケットや、ラジエータ周辺のウォーターホース、ラジエータのシール、ラジエータのガスケット、ラジエータのO−リング、バキュームポンプのバキュームポンプオイルホースなどの他、ラジエーターホース、ラジエータータンク、オイルプレッシャー用ダイアフラム、ファンカップリングシールなどに用いることができる。
上記航空機分野においては、例えば、航空機用各種シール部品、航空機用エンジンオイル用途の航空機用各種部品、ジェットエンジンバルブステムシールやガスケットやO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール、燃料供給用ホースやガスケットやO−リング、航空機用ケーブルやオイルシールやシャフトシールなどとして用いることが可能である。
また、船舶分野においては、例えば、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライバルブのバルブシートや軸シール、バタフライ弁の軸シール、船尾管シール、燃料ホース、ガスケット、エンジン用のO−リング、船舶用ケーブル、船舶用オイルシール、船舶用シャフトシールなどとして使用することができる。
上記化学品分野及び薬品分野における具体的な使用形態としては、化学装置、化学薬品用ポンプや流量計、化学薬品用配管、熱交換器、農薬散布機、農薬移送ポンプ、ガス配管、燃料電池、分析機器や理化学機器(例えば、分析機器や計器類のカラム・フィッティングなど)、排煙脱硫装置の収縮継ぎ手、硝酸プラント、発電所タービン等に用いられるシールや、医療用滅菌プロセスに用いられるシール、メッキ液用シール、製紙用ベルトのコロシール、風洞のジョイントシール;反応機、攪拌機等の化学装置、分析機器や計器類、ケミカルポンプ、ポンプハウジング、バルブ、回転計等に用いられるO−リングや、メカニカルシール用O−リング、コンプレッサーシーリング用のO−リング;高温真空乾燥機、ガスクロマトグラフィーやpHメーターのチューブ結合部等に用いられるパッキンや、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキン;ダイアフラムポンプ、分析機器や理化学機器等に用いられるダイアフラム;分析機器、計器類に用いられるガスケット;分析機器や計器類に用いられるはめ輪(フェルール);バルブシート;Uカップ;化学装置、ガソリンタンク、風洞等に用いられるライニングや、アルマイト加工槽の耐食ライニング;メッキ用マスキング冶具のコーティング;分析機器や理化学機器の弁部品;排煙脱硫プラントのエキスパンジョンジョイント;濃硫酸等に対する耐酸ホース、塩素ガス移送ホース、耐油ホース、ベンゼンやトルエン貯槽の雨水ドレンホース;分析機器や理化学機器等に用いられる耐薬品性チューブや医療用チューブ;繊維染色用の耐トリクレン用ロールや染色用ロール;医薬品の薬栓;医療用のゴム栓;薬液ボトル、薬液タンク、バッグ、薬品容器;耐強酸、耐溶剤の手袋や長靴等の保護具などが挙げられる。
上記写真分野、印刷分野及び塗装分野における具体的な使用形態としては、複写機の転写ロールの表面層、複写機のクリーニングブレード、複写機のベルト;複写機、プリンター、ファクシミリ等のOA機器用のロール(例えば、定着ロール、圧着ロール、加圧ロールなどが挙げられる。)、ベルト;PPC複写機のロール、ロールブレード、ベルト;フィルム現像機、X線フィルム現像機のロール;印刷機械の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、ベルト;プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト;塗布、塗装設備の塗装ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品;現像ロール、グラビアロール、ガイドロール、磁気テープ製造塗工ラインのガイドロール、磁気テープ製造塗工ラインのグラビアロール、コーティングロールなどが挙げられる。
上記食品機器分野における具体的な使用形態としては、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール、ジャーポットのパッキン、サニタリーパイプパッキン、圧力鍋のパッキン、湯沸器シール、熱交換器用ガスケット、食品加工処理装置用のダイアフラムやパッキン、食品加工処理機用ゴム材料(例えば、熱交換器ガスケット、ダイアフラム、O−リング等の各種シール、配管、ホース、サニタリーパッキン、バルブパッキン、充填時にビンなどの口と充填剤との間のジョイントとして使用される充填用パッキン)などが挙げられる。また、酒類、清涼飲料水等の製品、充填装置、食品殺菌装置、醸造装置、湯沸し器、各種自動食品販売機等に用いられるパッキン、ガスケット、チューブ、ダイアフラム、ホース、ジョイントスリーブなども挙げられる。
上記エネルギー資源探索採掘機器部品分野における具体的な使用形態としては、ドリルビットシール、圧力調整ダイアフラム、水平掘削モーター(ステーター)のシール、ステーターベアリング(シャフト)シール、暴噴防止装置(BOP)に用いられるシール材、回転暴噴防止装置(パイプワイパー)に用いられるシール材、MWD(リアルタイム掘削情報探知システム)に用いられるシール材や気液コネクター、検層装置(ロギングエクイップメント)に用いられる検層ツールシール(例えば、O−リング、シール、パッキン、気液コネクター、ブーツなど)、膨張型パッカーやコンプリーションパッカー及びそれらに用いるパッカーシール、セメンチング装置に用いられるシールやパッキン、パーフォレーター(穿孔装置)に用いられるシール、マッドポンプに用いられるシールやパッキンやモーターライニング、地中聴検器カバー、Uカップ、コンポジションシーティングカップ、回転シール、ラミネートエラストメリックベアリング、流量制御のシール、砂量制御のシール、安全弁のシール、水圧破砕装置(フラクチャリングエクイップメント)のシール、リニアーパッカーやリニアーハンガーのシールやパッキン、ウェルヘッドのシールやパッキン、チョークやバルブのシールやパッキン、LWD(掘削中検層)用シール材、石油探索・石油掘削用途で用いられるダイアフラム(例えば、石油掘削ピットなどの潤滑油供給用ダイアフラム)、ゲートバルブ、電子ブーツ、穿孔ガンのシールエレメントなどが挙げられる。
また、自転車におけるゴム部品、ブレーキシュー、ブレーキパッドなどにも用いることができる。
上記ベルトとしては、次のものが例示される。動力伝達ベルト(平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、歯付きベルトなどを含む)、搬送用ベルト(コンベアベルト)として、農業用機械、工作機械、工業用機械等のエンジン周りなど各種高温となる部位に使用される平ベルト;石炭、砕石、土砂、鉱石、木材チップなどのバラ物や粒状物を高温環境下で搬送するためのコンベアベルト;高炉等の製鉄所などで使用されるコンベアベルト;精密機器組立工場、食品工場等において、高温環境下に曝される用途におけるコンベアベルト;農業用機械、一般機器(例えば、OA機器、印刷機械、業務用乾燥機等)、自動車用などのVベルトやVリブドベルト;搬送ロボットの伝動ベルト;食品機械、工作機械の伝動ベルトなどの歯付きベルト;自動車用、OA機器、医療用、印刷機械などで使用される歯付きベルトなどが挙げられる。
特に、自動車用歯付きベルトとしては、タイミングベルトが代表的である。
多層構造である場合、本発明のベルトは、本発明の架橋性組成物を架橋して得られる層及び他の材料からなる層からなるものであってもよい。
多層構造のベルトにおいて、他の材料からなる層としては、他のゴムからなる層や熱可塑性樹脂からなる層、各種繊維補強層、帆布、金属箔層などが挙げられる。
ジョイント部材とは、配管及び配管設備に用いられる継ぎ手のことであり、配管系統から発生する振動、騒音の防止、温度変化、圧力変化による伸縮や変位の吸収、寸法変動の吸収や地震、地盤沈下による影響の緩和、防止などの用途に用いられる。
フレキシブルジョイント、エキスパンションジョイントは、例えば、造船配管用、ポンプやコンプレッサーなどの機械配管用、化学プラント配管用、電気配管用、土木・水道配管用、自動車用などの複雑形状成形体として好ましく用いることができる。
ブーツは、例えば、等速ジョイントブーツ、ダストカバー、ラックアンドピニオンステアリングブーツ、ピンブーツ、ピストンブーツなどの自動車用ブーツ、農業機械用ブーツ、産業車両用ブーツ、建築機械用ブーツ、油圧機械用ブーツ、空圧機械用ブーツ、集中潤滑機用ブーツ、液体移送用ブーツ、消防用ブーツ、各種液化ガス移送用ブーツなどの各種産業用ブーツなどの複雑形状成形体として好ましく用いることができる。
また、上記自動車関連における燃料としては、軽油、ガソリン、ディーゼルエンジン用燃料(バイオディーゼルフューエルを含む)などが挙げられる。
得られた非フッ素ゴム組成物に対して、キュラストメーターII型(型番:JSRキュラストメーター、JSR社製)を用いて、160℃にて最大トルク値(MH)と最小トルク値(ML)を測定し、誘導時間(T10)及び最適加硫時間(T90)を求めた。測定結果を表2に示す。なお、T10は、{(MH)−(ML)}×0.1+MLとなる時間であり、T90は、{(MH)−(ML)}×0.9+MLとなる時間であり、MH及びMLは、JIS K 6300−2に準じて測定した値である。
下記の方法で作製した非フッ素ゴム加硫シートを、引張試験機(エーアンドディー社製 テンシロンRTG−1310)を使用して、JIS K6251(1993年)に準じて、500mm/分の条件下、ダンベル5号にて、23℃における引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)及び100%モジュラス(M100)を測定する。また、JIS K6253に準じ、デュロメータ タイプAにて硬度(ピーク値、3秒後)を測定した。測定結果を表2に示す。
得られた積層体を幅10mm×長さ40mm×3セットの短冊状に切断し、離型フィルムを剥がして掴みしろとした試験片を作製した。この試験片について、オートグラフ(エーアンドディー社製 テンシロンRTG−1310)を使用して、JIS K6256−1993に記載の方法に準拠し、25℃又は140℃において50mm/minの引張速度でT型剥離試験を行った。
実施例1〜12及び比較例1〜6では剥離モードを観測する事によって、以下の基準で接着性を評価した。得られた結果を表3及び6に示す。
[評価基準]
○…積層体の界面で加硫後の非フッ素ゴムシート又はフッ素ゴムシートが材料破壊し、界面で剥離するのが不可能であった。
×…積層体の界面で比較的容易に剥離した。
実施例13〜18及び比較例7では剥離時または材料破壊時の接着強度を測定して接着性を評価した。得られた結果を表7に示す。
下記の方法で作製した非フッ素ゴム加硫シートを用いて、JIS K−6258(2010年)に従い、表2記載の条件で浸漬試験を行い、体積変化率ΔVと重量変化率ΔWを求めた。
下記表1又は4に示す材料を、25℃に温調した8インチオープンロールを用いて混練することにより、約1.2mm厚みのシート状のフッ素ゴム組成物(未加硫フッ素ゴムシート)1〜9を得た。
下記表2又は5に示す材料を、25℃に温調した8インチオープンロールを用いて混練することにより、約1.2mm厚みのシート状の非フッ素ゴム組成物(未加硫非フッ素ゴムシート)1〜15を得た。
上記の方法で得られた非フッ素ゴム組成物(未加硫非フッ素ゴムシート)を160℃で30分間プレス加硫することにより、厚み2mmの非フッ素ゴム加硫シートを得た。
以下の手順で積層体を作製し、接着性評価を行った。
厚さ約1.2mmの上記フッ素ゴム組成物(未加硫フッ素ゴムシート)と、厚さ約1.2mmの上記非フッ素ゴム組成物(未加硫非フッ素ゴムシート)とを重ね合わせ、片方の端部に幅約10〜15mmの樹脂フィルム(厚さ10μmの離形フィルム)を両シートの間に挟んだ後、得られる積層体が厚み2mmになる金型に挿入し、160℃で45分間プレスすることにより、シート状の積層体を得た。
Claims (14)
- 非フッ素ゴム層(D)と、非フッ素ゴム層(D)上に積層されたフッ素ゴム層(E)と、を備える積層体であって、
非フッ素ゴム層(D)は、加硫用ゴム組成物から形成される層であり、
加硫用ゴム組成物は、未加硫アクリルゴム(d1)及び多官能性化合物(d6)を含有し、
フッ素ゴム層(E)は、フッ素ゴム(e1)及び有機過酸化物(e2)を含有するフッ素ゴム組成物から形成される層である
ことを特徴とする積層体。 - フッ素ゴム(e1)が、パーオキサイド加硫可能なフッ素ゴムである請求項1記載の積層体。
- 加硫用ゴム組成物は、多官能性化合物(d6)が、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して0.3質量部以上、10質量部以下である請求項1又は2記載の積層体。
- フッ素ゴム組成物は、有機過酸化物(e2)が、フッ素ゴム(e1)100質量部に対して0.1質量部以上、5質量部以下である請求項1、2又は3記載の積層体。
- フッ素ゴム組成物は、多官能性化合物(e3)を含有する請求項1、2、3又は4記載の積層体。
- フッ素ゴム(e1)は、ビニリデンフルオライド単位を含むフッ素ゴムである請求項1、2、3、4又は5記載の積層体。
- 加硫用ゴム組成物は、更に、未加硫アクリルゴム(d1)100質量部に対して0〜20質量部の酸化マグネシウム(d3)を含有する請求項1、2、3、4、5又は6記載の積層体。
- フッ素ゴム層(E)と非フッ素ゴム層(D)とからなる2層構造である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
- フッ素ゴム層(E)の両側に非フッ素ゴム層(D)が積層されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
- フッ素ゴム層(E)の両側に非フッ素ゴム層(D)が積層され、さらにその両側もしくは片側にフッ素ゴム層(E)以外のポリマー層(F)が積層されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
- フッ素ゴム層(E)の片側に非フッ素ゴム層(D)が積層され、かつ他方に非フッ素ゴム層(D)及びフッ素ゴム層(E)以外のポリマー層(F)が積層されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
- ポリマー層(F)は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素化物からなる請求項11記載の積層体。
- 非フッ素ゴム層(D)の両側にフッ素ゴム層(E)が積層されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の積層体を加熱処理して得られ、加硫非フッ素ゴム層(D1)と加硫フッ素ゴム層(E1)とが加硫接着されていることを特徴とする加硫積層体。
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