JP2014101423A - 添加剤マスターバッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】造粒性に優れたマスターバッチ及びペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法を提供する。
【解決手段】〔1〕側鎖結晶性ポリマー(A)、及び樹脂用添加剤(B)を含む添加剤マスターバッチ、〔2〕側鎖結晶性ポリマー(A)、及び樹脂用添加剤(B)を含む粉体組成物をディスクペレッター方式の造粒機を用いて成型する、ペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂に配合するために用いられる添加剤マスターバッチ、及びペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法に関し、特に、高濃度の添加剤マスターバッチ、及びペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法に関する。
熱可塑性樹脂は多方面で用いられており、その要求スペックは高度化している。このため、熱可塑性樹脂に添加剤を配合し、樹脂性能向上、耐久性向上、意匠性向上、成型加工性向上などの課題に対応している。
特に熱可塑性樹脂の着色には、コストダウンや材料管理の観点から、顔料マスターバッチが広く用いられている。マスターバッチ中の顔料の含有量が高く、さらには、顧客の要望に応じ、多くの種類のマスターバッチを迅速に少量ずつ提供することが求められている。
特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂、炭素数8以上の高級α−オレフィン単位を50モル%以上含む重合体及び導電性フィラーを含んでなる複合樹脂組成物であって、導電性(帯電防止性)、耐溶剤性、剛性、耐衝撃性などの機械物性、塗膜密着性などの塗装性及び成形品外観に優れる複合樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、感熱性組成物及びそれを用いた熱転写記録媒体に関し、(A)側鎖結晶性ポリマー、さらに、(B)着色剤を含む感熱性組成物が開示されている。
特許文献3には、植物系樹脂ペレット等に関し、木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる木質樹脂ペレットが開示されている。
特開2007−39592号公報 特開2008−260147号公報 特開2011−236410号公報
市販されている顔料マスターバッチの顔料含有量は最大でも60質量%程度である。これは二軸押出機などの溶融混練押出法によってマスターバッチが成型されるために、バインダーとして用いる樹脂の粘度が高く、顔料の含有量の増加とともに粘度が上がり、成型不能となるためである。
また、溶融混練による製造法は、バインダーとして用いる樹脂の融点以上に加熱する必要がある上、せん断発熱により添加剤が熱履歴を受け熱劣化を生じやすい。
さらに、溶融混練による製造法は、相応の加熱(エネルギー)が必要であること、押出機が大きく、設備費用が効果であること、顔料マスターバッチの製造において顔料の変更時に押出機の清掃が煩雑であり、少量ロットでの製造ではコストがかかる、といった課題がある。そのため、簡易な方法で造粒可能な添加剤マスターバッチが求められる。
特許文献1は、結晶性高級アルファオレフィン重合体60質量%、と導電性フィラー(カーボンナノチューブ)40質量%からなるマスターバッチの例示があるが、混練により製造されたマスターバッチであり、更にフィラーが50%以上の具体例は無く、造粒性に関する記述もない。
特許文献2は、結晶性高級アルファオレフィン重合体と着色剤からなる組成物が開示されているが、カーボンブラックの組成物中の含有量は24質量%が上限である。マスターバッチとしての有用性についての記載が無く、造粒性に関する記述もない。
特許文献3は、結晶性高級アルファオレフィン重合体1〜15重量部からなるマスターバッチが開示されているが、木粉のマスターバッチに限定されている。
そこで従来の問題点を考慮し、本発明は造粒性に優れたマスターバッチ及びペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は〔1〕〜〔6〕に関する。
〔1〕 側鎖結晶性ポリマー(A)、及び樹脂用添加剤(B)を含む添加剤マスターバッチ。
〔2〕 金属石鹸(C)を更に含む、〔1〕に記載の添加剤マスターバッチ。
〔3〕 樹脂用添加剤(B)の含有量が、該添加剤マスターバッチに対して99.9〜50質量%である、〔1〕又は〔2〕に記載の添加剤マスターバッチ。
〔4〕 樹脂用添加剤(B)が顔料(b)である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の添加剤マスターバッチ。
〔5〕 側鎖結晶性ポリマー(A)が下記(1)及び(2)を満たす高級αオレフィン重合体(a)である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の添加剤マスターバッチ。
(1)炭素数10以上の高級αオレフィン、又は炭素数10以上の高級α−オレフィンと他のオレフィン一種以上とを重合して得られ、高級α−オレフィン単位含有量が50モル%以上である
(2)融点(Tm)が100℃以下である
〔6〕 側鎖結晶性ポリマー(A)、及び樹脂用添加剤(B)の混合物をディスクペレッター方式の造粒機を用いて成型する、ペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法。
本発明によれば、造粒性に優れた添加剤マスターバッチ及びペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法を提供することができる。
図1は、示差走査型熱量計により測定される吸熱ピークを示す融解曲線において、吸熱ピーク時の半値幅の導出方法を示す図である。
本発明の添加剤マスターバッチは、側鎖結晶性ポリマー(A)(以下、単に「(A)成分」と称することがある)、及び樹脂用添加剤(B)(以下、単に「(B)成分」と称することがある)を含む。本発明によれば、側鎖結晶性ポリマー(A)が含まれることで造粒性に優れた高濃度の添加剤マスターバッチが得られる。
以下、本発明の各構成について詳細に説明する。
[側鎖結晶性ポリマー(A)]
側鎖結晶性ポリマー(A)は、くし型ポリマーとも呼ばれるものであり、有機構造体からなる骨格(主鎖)に対し、脂肪族及び/又は芳香族からなる側鎖を有するポリマーであって、側鎖は結晶構造に入り得る構造であることを特徴としているものである。その側鎖部分の長さは、側鎖間の距離の5倍以上である。側鎖結晶性ポリマー(A)は、低粘度であり、熱可塑性樹脂に配合した際に、(特に射出成型の)成形性向上剤としても貢献する。
側鎖結晶性ポリマー(A)は、粉末であることが好ましい。側鎖結晶性ポリマー(A)は常温で硬く、粉砕により容易に粉末にすることができる。粉末の粒径は、特に限定されないが、粗大粒子が含有されないことが好ましく、粉末中に含まれる最大粒径は、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましい。なお、当該最大粒系は、粉末が振動ふるいを通過する目の大きさより算出される値とする。
(A)成分の側鎖結晶性ポリマーとしては、α−オレフィン系ポリマー、アルキルアクリレート系ポリマー、アルキルメタクリレート系ポリマー、アルキルエチレンオキシド系ポリマー、ポリシロキサン系ポリマー及びアクリルアミド系ポリマーなどの側鎖結晶性ポリマーが挙げられる。この中でも、特に原料が安価で入手しやすいα−オレフィンを重合したα−オレフィン系ポリマー、特に高級α−オレフィン系重合体が好ましい。アルキルアクリレート系ポリマーやアルキルメタクリレートポリマーは、加水分解を起こしやすく、熱により経時劣化するため保管安定性が低い。(A)成分の側鎖結晶性ポリマーは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分の側鎖結晶性ポリマーは、以下の(1)及び(2)を満足する高級α−オレフィン系重合体(a)であることが好ましい。
(1)炭素数10以上の高級α−オレフィン、又は炭素数10以上の高級α−オレフィンと他のオレフィン一種以上とを重合して得られ、高級α−オレフィン単位含有量が50モル%以上である。
上記(1)を満足する高級α−オレフィン系重合体は、構造的に安定であり、加水分解などの環境による劣化や分解が発生しにくく、また高温でも安定である。
(A)成分の側鎖結晶性ポリマーが、炭素数10以上の高級α−オレフィンを含むものであると、側鎖結晶性ポリマーの側鎖結晶性が高くなるため、融解と結晶化における結晶性の変化が大きくなり、高い造粒性を有する添加剤マスターバッチを得ることができる。上記高級α−オレフィンの炭素数は、より好ましくは12以上、さらに好ましくは12〜50、特に好ましくは14〜30である。また、高級α−オレフィン単位の含有量が50モル%以上であると、側鎖結晶性ポリマーの側鎖結晶性が高くなるため、融解と結晶化における結晶性の変化が大きくなり、高い造粒性を有する添加剤マスターバッチを得ることができる。上記高級α−オレフィン単位の含有量は、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%である。
(2)融点(Tm)が100℃以下である。
融点(Tm)は以下のようにして測定する。すなわち、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−30℃で5分間保持した後、190℃まで、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される最大ピークのピークトップとして定義される融点(TmD)を有し、さらに、190℃で5分保持した後、−30℃まで、5℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測されるピークトップを融点(Tm)として定義する。この融点(Tm)を測定する2回目の昇温過程にて、複数のピーク(ショルダーピークを含む)が観測されることがあるが、(A)成分の側鎖結晶性ポリマーとしては、1つのピークが観測されることが好ましい。ピークが1つであることは、他のピークやショルダーと見られる吸収が無いことを意味する。
上記融点(Tm)は、通常100℃以下であるが、0〜100℃が好ましく、さらに好ましくは20〜100℃、特に好ましくは25〜80℃である。
上記融点を有することで、低融点であり、ディスクペレッター方式の造粒機で発生する熱で溶融し、バインダーとしての特性を発揮することができ、また、常温で硬く、べた付きが抑制された添加剤マスターバッチを得ることができる。従来の低融点材料であるパラフィンやコーンスターチ等は高温での安定性が低いため、得られたマスターバッチを熱可塑性樹脂等に配合し成型する際の高温下で劣化による着色や発煙、発火の可能性がある。また、これらの従来の低融点材料はべた付きやすく、ブリードの危険もあるため、マスターバッチのハンドリング性が低い。
(A)成分の側鎖結晶性ポリマーは、さらに、以下の(3)〜(7)の少なくともいずれかを満足することがより好ましい。
(3)広角X線散乱強度分布における、15deg<2θ<30degに観測される側鎖結晶化に由来する、単一のピークX1が観測される。
広角X線散乱強度分布において、側鎖結晶に由来する単一ピークXが観測されることは、結晶が均一であることを示すものであり、融解と結晶化における結晶性の変化が狭い温度範囲で達成できるようになる。X線強度分布において、側鎖結晶に由来するピークが観測されない場合、側鎖結晶に由来するピークが単一でない場合、結晶が不均一であることとなり、特に、融解挙動がシャープでなくなることにより、融解と結晶化における結晶性の変化が急激に起りにくくなる。このため、高い造粒性が得られにくくなる。
広角X線散乱強度分布における、20deg<2θ<30degに観測される側鎖結晶化に由来する、単一のピークX1及びその強度比(%)は実施例に記載の方法により測定することができる。
(4)ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)が1,000〜10,000,000の範囲にある。
GPC法により測定したポリスチレン換算された質量平均分子量(Mw)が1,000以上であると、結晶性が向上し、ブリードの発生が抑制されるとともに、融解ピークの半値幅で定義されるシャープメルト性の向上により造粒性が向上する。また、10,000,000以下である場合、感熱性組成物の混錬や成形が良好となる。感熱性組成物における光の透過性の変換を良好なものとする観点から、上記質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは2,000〜500,000、特に好ましくは3,000〜100,000、一層好ましくは4,000〜50,000である。
(5)GPC法により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)から求めた分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下である。
GPC法により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)から求めた分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であると、平均分子量よりも極端に低い分子量や高い分子量の成分が少なくなるため成形体の表面特性が向上し、特にべたつきやブリードの発生が抑制され、また、造粒性が向上する。これらの観点から、上記分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.3以下である。
(6)高級α−オレフィン連鎖部に由来する立体規則性指標値M2が30モル%以上である。
この条件(6)は、本発明で用いる(A)成分の側鎖結晶性ポリマーが、アイソタクチック構造であることを示すものである。立体規則性指標値M2が30モル%以上であると、融解と結晶化における結晶性の変化が大きくなるため、より高い造粒性が得られる。また、立体規則性指標値M2が90モル%以下であると、結晶性が高すぎず適度のものとなるため、主鎖の結晶性が発現することがなく、融解と結晶化における結晶性の変化が狭い範囲で発生するため、より高い造粒性が得られる。立体規則性指標値M2は、好ましくは50〜90モル%、より好ましくは55〜85モル%、さらに好ましくは55〜75モル%である。
また、ペンタッドアイソタクティシティーと同様の指標である立体規則性指標値M4は、25〜60モル%であることが好ましく、より好ましくは25〜45モル%である。さらに、立体規則性の乱れの指数である立体規則性指標値MRは、2.5モル%以上であることが好ましく、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上である。
これらの立体規則性指標値M2、M4及びMRは、T.Asakura,M.Demura,Y.Nishiyamaにより報告された「Macromolecules,24,2334(1991)」で提案された方法に準拠して求めることができる。すなわち、13C−NMRスペクトルで側鎖α位のCH2炭素が立体規則性の違いを反映して分裂して観測されることを利用して求めることができる。上記M2又はM4の値が小さいほどアイソタクティシティーが小さいことを示し、上記MRの値が大きいほど、立体規則性に乱れがあることを示す。
13C−NMRの測定は、下記の装置及び条件にて行う。
装置:日本電子株式会社製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:1000回
また、立体規則性指標値M2、M4及びMRは、以下のようにして計算することができる。すなわち、混合溶媒に基づく大きな吸収ピークが、127〜135ppmに6本見られ、これらのピークのうち、低磁場側から4本目のピーク値を131.1ppmとし、化学シフトの基準とする。このとき側鎖α位のCH2炭素に基づく吸収ピークが34〜37ppm付近に観測される。このとき、以下の式を用いてM2、M4及びMR(モル%)を求める。
M2=[(36.2〜35.3ppmの積分強度)/(36.2〜34.5ppmの積分強度)]×100
M4=[(36.2〜35.6ppmの積分強度)/(36.2〜34.5ppmの積分強度)]×100
MR=[(35.3〜35.0ppmの積分強度)/(36.2〜34.5ppmの積分強度)]×100
(7)示差走査型熱量計(DSC)を用いることにより得られた融解吸熱カーブから観測される半値幅(Wm)が10℃以下である。
半値幅(Wm)は、上記(2)における融点(Tm)測定において、融点の融解ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅として定義される融解ピーク半値幅である。半値幅(Wm)が10℃以下であると、所定の温度でシャープに融解・結晶化が起こり、より高い造粒性が発現される。このような観点から、半値幅(Wm)は、好ましくは7℃以下、より好ましくは6℃以下、さらに好ましくは5℃以下、特に好ましくは2〜4℃である。
融点(Tm)測定において得られる融解ピークの面積から計算される、(A)成分の側鎖結晶性ポリマーの融解熱(ΔH)は、通常30J/g以上、好ましくは50J/g以上、より好ましくは60J/g以上、さらに好ましくは75J/g以上である。ΔHが30J/g以上であると、結晶性が低すぎず適度のものとなり、優れた造粒性を発揮する。また、融解熱(ΔH)は、通常200J/g以下、好ましくは180J/g以下、より好ましくは160J/g以下、さらに好ましくは140J/g以下である。
本発明において、(A)成分の側鎖結晶性ポリマーとして、高級α−オレフィン系重合体を用いる場合、原料であるα−オレフィンモノマーや、その原料中に含まれる不純物が含まれていてもよい。高級α−オレフィン系重合体中の原料の残留量は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。原料の残留量は、GC(ガスクロマトグラフィ)法による測定で求めることができる。具体的には、サンプルをヘプタンにて100倍に希釈し、絶対検量線法にて測定を行う。
本発明においては、(A)成分の側鎖結晶性ポリマーとして、高級α−オレフィン系重合体を変性した重合体を用いることもできる。この場合、着色剤の分散性がさらに向上する。ここでいう変性とは、極性化合物又はハロゲン化合物を反応させることをいう。極性化合物の導入とは、例えば、酸変性のことであり、この酸変性は、ラジカル開始剤(分解剤)と有機酸を用いて、公知の方法で行なうことができる。有機酸としては、特に制限はなく、例えば、不飽和カルボン酸やその誘導体を用いることができる。
不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,クロトン酸,シトラコン酸,ソルビン酸,メサコン酸,アンゲリカ酸等が挙げられる。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物,エステル,アミド,イミド,金属塩等があり、例えば、無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル、マレイン酸モノエチルエステル,アクリルアミド,マレイン酸モノアミド,マレイミド,N−ブチルマレイミド,アクリル酸ナトリウム,メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸グリシジルエチル、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。これらの中で、特に無水マレイン酸が好ましい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、ラジカル開始剤としては有機過酸化物が好適であり、この有機過酸化物としては、例えば、ジベンゾイルパーオキシド,ジ−8,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド,ジラウロイルパーオキシド,ジデカノイルパーオキシド,ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキシド等のジアシルパーオキシド類、t−ブチルヒドロパーオキシド,キュメンヒドロパーオキシド,ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド,2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキシド,ジクミルパーオキシド,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン,2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシオクトエート,t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチルパーオキシネオデカノエート,t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート,ジイソプロピルパーオキシジカーボネート,ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート,t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート類などが挙げられる。これらの中では、ジアルキルパーオキシド類が好ましい。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の不飽和カルボン酸やその誘導体及びラジカル開始剤の使用量としては特に制限はなく、目的とする変性高級α−オレフィン系重合体の所望物性に応じて適宜選定される。
不飽和カルボン酸やその誘導体の使用量は、高級α−オレフィン系重合体100質量部に対して、通常0.1〜70質量部程度、好ましくは0.1〜30質量部の範囲である。一方、ラジカル開始剤の使用量は、高級α−オレフィン系重合体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部程度、好ましくは0.01〜5質量部の範囲である。
変性高級α−オレフィン系重合体における有機酸による変性量は、通常0.001〜30質量%程度、好ましくは0.05〜20質量%である。
(A)成分の側鎖結晶性ポリマーの合成法は特に限定されないが、この側鎖結晶性ポリマーが、炭素数10以上の高級α−オレフィン単位を含む結晶性高級α−オレフィン系ポリマーである場合、いわゆるメタロセン触媒と呼ばれる均一系の触媒で合成されることが好ましい。その中でも特に、アイソタクチックポリマーを合成できる、C2対称及びC1対称の遷移金属化合物を用いることが好ましい。具体的に例示すれば、(X)下記一般式(I)
Figure 2014101423
で表される遷移金属化合物、及び(Y)(Y−1)該(X)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(Y−2)アルミノキサンから選ばれる成分を含有する重合用触媒の存在下、炭素数10以上の高級α−オレフィンを重合する方法が挙げられる。
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられる。これらの中ではオレフィン重合活性などの点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及び珪素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。E1及びE2は互いに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。
Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。このXの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基などのアリール基などが挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基やフェニル基などのアリール基が好ましい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。炭素数1〜20のアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチルアミド基、ジシクロヘキシルアド基、メチルエチルアミド基等のアルキルアミド基や、ジビニルアミド基、ジプロペニルアミド基、ジシクロヘキセニルアミド基などのアルケニルアミド基;ジベンジルアミド基、フェニルエチルアミド基、フェニルプロピルアミド基などのアリールアルキルアミド基;ジフェニルアミド基、ジナフチルアミド基などのアリールアミド基が挙げられる。
炭素数1〜20の珪素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基などのモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基などのジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などのトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基などの珪素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などの珪素置換アリール基などが挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基などが好ましい。
炭素数1〜20のホスフィド基としては、ジメチルホスフィド基、ジエチルホスフィド基、ジプロピルホスフィド基、ジブチルホスフィド基、ジヘキシルホスフィド基、ジシクロヘキシルホスフィド基、ジオクチルホスフィド基などのアルキルホスフィド基;ジビニルホスフィド基、ジプロペニルホスフィド基、ジシクロヘキセニルホスフィド基などのアルケニルホスフィド基;ジベンジルホスフィド基、フェニルエチルホスフィド基、フェニルプロピルホスフィド基などのアリールアルキルホスフィド基;ジフェニルホスフィド基、ジトリルホスフィド基、ビス(ジメチルフェニル)ホスフィド基、ビス(トリメチルフェニル)ホスフィド基、ビス(エチルフェニル)ホスフィド基、ビス(プロピルフェニル)ホスフィド基、ビス(ビフェニル)ホスフィド基、ジナフチルホスフィド基、ビス(メチルナフチル)ホスフィド基、ジアントラセニルホスフィド基、ジフェナントニルホスフィド基などのアリールホスフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のスルフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基などのアルキルスルフィド基;ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基などのアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基などのアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントニルスルフィド基などのアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE1,E2又はXと架橋していてもよい。このYのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類などを挙げることができる。アミンとしては、炭素数1〜20のアミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン等のアルキルアミン;ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミンなどのアルケニルアミン;フェニルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミンなどのアリールアルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミンなどのアリールアミンが挙げられる。
エーテル類としては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル等の脂肪族単一エーテル化合物;メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチル−n−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチル−n−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の脂肪族混成エーテル化合物;ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル等の脂肪族不飽和エーテル化合物;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル等の芳香族エーテル化合物、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環式エーテル化合物が挙げられる。
ホスフィン類としては、炭素数1〜20のホスフィンが挙げられる。具体的には、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ヘキシルホスフィン、シクロヘキシルホスフィン、オクチルホスフィンなどのモノ炭化水素置換ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジオクチルホスフィンなどのジ炭化水素置換ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのトリ炭化水素置換ホスフィン等のアルキルホスフィンや、ビニルホスフィン、プロペニルホスフィン、シクロヘキセニルホスフィンなどのモノアルケニルホスフィンやホスフィンの水素原子をアルケニルが2個置換したジアルケニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルケニルが3個置換したトリアルケニルホスフィン;ベンジルホスフィン、フェニルエチルホスフィン、フェニルプロピルホスフィンなどのアリールアルキルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアリール又はアルケニルが3個置換したジアリールアルキルホスフィン又はアリールジアルキルホスフィン;フェニルホスフィン、トリルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン、プロピルフェニルホスフィン、ビフェニルホスフィン、ナフチルホスフィン、メチルナフチルホスフィン、アントラセニルホスフィン、フェナントニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが2個置換したジ(アルキルアリール)ホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが3個置換したトリ(アルキルアリール)ホスフィンなどのアリールホスフィンが挙げられる。チオエーテル類としては、前記のスルフィドが挙げられる。
次に、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
このような架橋基のうち、少なくとも一つは炭素数1以上の炭化水素基からなる架橋基であることが好ましい。このような架橋基としては、例えば一般式
Figure 2014101423
(Dは炭素、珪素、ゲルマニウム又はスズ、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基で、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環構造を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)
で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基などを挙げることができる。これらの中では、重合活性がより高くなる点から、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、一般式(II)
Figure 2014101423
で表される二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物が好ましい。
上記一般式(II)において、M,A1,A2,q及びrは、一般式(I)と同じである。X1はσ結合性の配位子を示し、X1が複数ある場合、複数のX1は同じでも異なっていてもよく、他のX1又はY1と架橋していてもよい。このX1の具体例としては、一般式(I)のXの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。Y1はルイス塩基を示し、Y1が複数ある場合、複数のY1は同じでも異なっていてもよく、他のY1又はX1と架橋していてもよい。このY1の具体例としては、一般式(I)のYの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
4〜R9はそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少なくとも一つは水素原子でないことが必要である。また、R4〜R9は互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。なかでも、R6とR7は環を形成していること及びR8とR9は環を形成していることが好ましい。R4及びR5としては、酸素、ハロゲン、珪素等のヘテロ原子を含有する基が、重合活性が高くなり好ましい。
この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子間の架橋基に珪素を含むものが好ましい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−メチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−イソプロプルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジ−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジイソプロピルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’−ジフェニルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル) ジルコニウムジクロリド、 (1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、 (1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、 (1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジイソブロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドなど及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げることができる。もちろんこれらに限定されるものではない。また、他の族又はランタノイド系列の金属元素の類似化合物であってもよい。また、上記化合物において、(1,1’−)(2,2’−)が(1,2’−)(2,1’−)であってもよく、(1,2’−)(2,1’−)が(1,1’−)(2,2’−)であってもよい。
次に、(Y)成分のうちの(Y−1)成分としては、上記(X)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III)又は(IV)で表されるものを好適に使用することができる。
([L1−R10k+a([Z]-b ・・・(III)
([L2k+a([Z]-b ・・・(IV)
(但し、L2はM2、R11123、R13 3C又はR143である。)
[(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、[Z]-は、非配位性アニオン[Z1-及び[Z2-、ここで[Z1-は複数の基が元素に結合したアニオン、すなわち、〔M112・・・Gf-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、[Z2-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組み合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン、フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは[L1−R10]、[L2]のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。]
ここで、L1の具体例としては、アンモニア、メチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン等のアミン類;トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、安息香酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等を挙げることができる。
10の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、トリチル基等を挙げることができ、R11、R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基等を挙げることができる。
13の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基等を挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィン、フタロシアニン、アリル、メタリル等を挙げることができる。
また、M2の具体例としては、Li、Na、K、Ag、Cu、Br、I、I3等を挙げることができ、M3の具体例としては、Mn、Fe、Co、Ni、Zn等を挙げることができる。
また、[Z1]、すなわち、[M112・・・Gf]において、M1の具体例としてはB、Al、Si、P、As、Sb等、好ましくはB及びAlが挙げられる。また、G1、G2〜Gfの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、フェノキシ基等、炭化水素基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−オクチル基、n−イコシル基、フェニル基、p−トリル基、ベンジル基、4−t−ブチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基等、ハロゲン原子としてフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基、トリメチルゲルミル基、ジフェニルアルシン基、ジシクロヘキシルアンチモン基、ジフェニル硼素等が挙げられる。
また、非配位性のアニオン、すなわちpKaが−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組み合わせの共役塩基[Z2-の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3-、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、過塩素酸アニオン(ClO4-、トリフルオロ酢酸アニオン(CF3CO2-、ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF6-、フルオロスルホン酸アニオン(FSO3-、クロロスルホン酸アニオン(ClSO3-、フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3/SbF5-、フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(FSO3/AsF5-、トリフルオロメタンスルホン酸/5−フッ化アンチモン(CF3SO3/SbF5-等を挙げることができる。
このような上記(X)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、すなわち(Y−1)成分の化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1'−ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸銀、過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等を挙げることができる。この(B−1)成分の化合物は一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(Y−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
Figure 2014101423
(式中、R15は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基等の炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。なお、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
Figure 2014101423
(式中、R15及びwは上記一般式(V)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
上記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、(1) 有機アルミニウム化合物を有機溶媒に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(2) 重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(3) 金属塩等に含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(4) テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法等がある。
なお、アルミノキサンとしては、トルエン等の炭化水素系溶媒に不溶性のものであってもよい。これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(X)触媒成分と(Y)触媒成分との使用割合は、(Y)触媒成分として(Y−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲が望ましく、上記範囲を逸脱する場合は、単位重量ポリマー当りの触媒コストが高くなり、実用的でない。
また、(Y−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。触媒成分(Y)としては(Y−1)及び(Y−2)は、それぞれ単独で又は二種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いるα−オレフィン系重合体の製造における重合用触媒としては、上記(X)成分及び(Y)成分に加えて(Z)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。ここで、(Z)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
16 vAlJ3-v ・・・(VII)
[式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である。]
で表される化合物が用いられる。
上記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
上記(X)触媒成分と(Z)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10〜1:1000の範囲が望ましい。上記(Z)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存する恐れがある。
本発明においては、触媒成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができる。この該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好ましい。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO2,Al23,MgO,ZrO2,TiO2,Fe23,B23,CaO,ZnO,BaO,ThO2やこれらの混合物、例えば、シリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー等が挙げられる。これらの中では、特に、SiO2,Al23が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩等を含有してもよい。
一方、上記以外の担体として、MgCl2,Mg(OC252等のマグネシウム化合物等で代表される一般式MgR17 x1 yで表されるマグネシウム化合物やその錯塩等を挙げることができる。ここで、R17は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X1はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2であり、かつx+y=2である。各R17及び各X1はそれぞれ同一でもよく、又異なってもいてもよい。
また、有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリプロピレン,置換ポリスチレン,ポリアリレート等の重合体やスターチ,カーボン等を挙げることができる。
本発明において用いられる担体としては、MgCl2、MgCl(OC25)、Mg(OC252、SiO2、Al23などが好ましい。また、担体の形状は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因になる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/g、細孔容積は通常0.1〜5cm3/g、好ましくは0.3〜3cm3/gである。比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。
担体の比表面積及び細孔容積は、例えば、BET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ,第60巻,第309ページ(1983年)参照)。
さらに、上記担体が無機酸化物担体である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
触媒成分の少なくとも一種を上記担体に担持させる場合、(X)触媒成分及び(Y)触媒成分の少なくとも一方を、好ましくは(X)触媒成分及び(Y)触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。
上記担体に、(X)成分及び(Y)成分の少なくとも一方を担持させる方法については、特に制限されないが、例えば、(1) (X)成分及び(Y)成分の少なくとも一方と担体とを混合する方法、(2) 担体を有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有珪素化合物で処理した後、不活性溶媒中で(X)成分及び(Y)成分の少なくとも一方と混合する方法、(3) 担体と(X)成分及び/又は(Y)成分と有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有珪素化合物とを反応させる方法、(4) (X)成分又は(Y)成分を担体に担持させた後、(Y)成分又は(X)成分と混合する方法、(5) (X)成分と(Y)成分との接触反応物を担体と混合する方法、(6) (X)成分と(Y)成分との接触反応に際して、担体を共存させる方法等を用いることができる。なお、上記(4)、(5)及び(6)の反応において、(Z)成分の有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
このようにして得られた触媒は、一旦溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。また、本発明においては、(X)成分及び(Y)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成させることができる。
例えば、(X)成分及び(Y)成分の少なくとも一方と担体とさらに必要により上記(Z)成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレン等のオレフィンを常圧〜2MPa加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合を行って触媒粒子を生成させる方法を用いることができる。
本発明においては、(Y−1)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましく、(Y−2)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ましくは1:1〜1:50とするのが望ましい。(Y)成分として二種以上を混合して用いる場合は、各(Y)成分と担体との使用割合が質量比で上記範囲内にあることが望ましい。
また、(X)成分と担体との使用割合は、質量比で、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましい。(Y)成分〔(Y−1)成分又は(Y−2)成分〕と担体との使用割合、又は(X)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。
このようにして調製された重合用触媒の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/gである。平均粒径が2μm以上であると重合体中の微粉の増大が抑制され、200μm以下であると重合体中の粗大粒子の増大が抑制される。また、比表面積が20m2/g以上であると活性の低下が抑制され、1000m2/g以下であると重合体の嵩密度の低下が抑制される。
また、本発明で用いる触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲内であると、活性の低下が抑制される。
このように担体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
本発明で用いる高級α−オレフィン系重合体は、上述した重合用触媒を用いて、高級α−オレフィンを単独重合又は共重合させることにより製造される。この場合、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法等のいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(X)成分(モル比)が好ましくは1〜108、特に100〜105となることが好ましい。さらに、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜20MPa(G)、特に好ましくは常圧〜10MPa(G)である。
本発明で用いる高級α−オレフィン系重合体の製造方法において、水素を添加すると重合活性が向上するので好ましい。水素を用いる場合は、通常、常圧〜5MPa(G)、好ましくは常圧〜3MPa(G)、さらに好ましくは常圧〜2MPa(G)である。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、高級α−オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いてもよい。なお、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
重合に際しては、上記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、例えばエチレン、炭素数3〜50程度のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げることができるが、該重合において用いる高級α−オレフィンと同じ高級α−オレフィンを用いることが有利である。
予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができる。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度[η](135℃デカリン中で測定)が0.1dl/g以上、触媒中の遷移金属成分1mmol当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
また、重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類、使用量、重合温度の選択、さらには水素存在下での重合などがある。窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。
本発明の添加剤マスターバッチにおいて、(A)成分の側鎖結晶性ポリマーは、溶媒・分散媒へ溶解・分散した状態で配合されていてもよく、エマルションとして配合されてもよい。エマルションの平均粒径は、通常、2.0μm以下、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下である。このような平均粒径となるように側鎖結晶性ポリマーを分散する方法としては、側鎖結晶性ポリマーを適当な保護コロイドや界面活性剤の共存下で、ダイノミルやサンドミル等公知の湿式分散機で分散する方法などが挙げられる。エマルションの微粒子化の観点からは、一旦側鎖結晶性ポリマーを加熱して融解した後、側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で、側鎖結晶性ポリマーが不溶又は難溶の溶媒中で高速攪拌し、超音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用して乳化する方法や、ワックスを適当な溶媒に溶解した後、ワックスが不溶又は難溶の溶媒中で側鎖結晶性ポリマーを乳化する方法などが好ましい。この際、適当な保護コロイドや界面活性剤を併用してもよい。
(A)成分の側鎖結晶性ポリマーを乳化分散する際の乳化剤としては、一般に乳化剤として用いられる種々のものを用いることができる。乳化剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの一般的な分散・乳化剤や、分子中にエチレン性不飽和基等を持つ反応性乳化剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
また、溶媒・分散媒としては、水の他に、メタノールやエタノールなどのアルコールや、トルエン、キシレン、イソオクタン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン系、エーテル系、酢酸エチル、大豆油などが挙げられる。
本発明の側鎖結晶性ポリマー(A)の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量に対して、好ましくは0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは1〜15質量%である。
配合量が上記下限より多いと顔料等の配合剤の粒子径制御をうまく行うことができ、配合量が上記上限値より少ないと顔料の分散性に優れるため好ましい。
[樹脂用添加剤(B)]
樹脂用添加剤(B)は、樹脂に配合される添加剤であれば特に制限は無いが、例えば、顔料(b)、難燃剤、耐光安定剤、発泡剤、耐熱安定剤、防曇剤、防菌・防カビ・防虫剤、導電剤、帯電防止剤、滑剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、目ヤニ防止剤、が挙げられる。これらの中でも顔料(b)が好ましい。
樹脂用添加剤(B)は、粉末であることが好ましい。
〔顔料(b)〕
顔料(b)としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、アルミニウム顔料、ベンガラ、群青、紺青、黄色酸化鉄、黄鉛、鉛丹、チタンイエロー、クロムバーミリオン、複合酸化物系顔料等の無機顔料;アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン系顔料等の有機顔料;が挙げられる。これらの中でも、好ましくは無機顔料であり、より好ましくは無機酸化物系の無機顔料であり、より好ましくは酸化チタンである。
顔料(b)は粉末であることが好ましい。
難燃剤としては、酸化アンチモン、金属水酸化物、有機リン酸エステル、クロレンド酸、テトラブロモ無水フタル酸、ペンタブロモジフェニルエーテルなどの臭素化合物、塩素化パラフィンなどの塩素化合物、リン原子やハロゲン原子を含むポリオール等が挙げられる。
耐光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤等が挙げられる。
発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、ジニトロソテトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、スルフォニルヒドラジド、スルフォニルセミカルハジドなどの化合物およびその誘導体等が挙げられる。
耐熱安定剤としては、リン系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
防曇剤としては、ショ糖系脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸3級アミド、高級アルコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
防菌・防カビ・防虫剤としては、チオスルファミド、チオフタルイミド、ビスツェノキシアルシン、チアベタゾール、アミノベンズイミダゾールなどの化合物およびその誘導体等が挙げられる。
導電剤としては、鱗状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭コークス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスファルトピッチ、コールタール、活性炭、メソフェーズピッチ、ポリアセン等の炭素材料、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、金属粉末等が挙げられる。
帯電防止剤としては、炭素数14〜30の脂肪酸のモノグリセリド、具体的にはステアリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド等を、あるいはポリアミドポリエーテルブロック共重合体が挙げられる。
滑剤としては、高級ジカルボン酸金属塩及び高級カルボン酸エステル等が挙げられる。
結晶核剤としては、高融点ポリマー、芳香族スルホン酸塩もしくはその金属塩、有機リン酸化合物もしくはその金属塩、ジベンジリデンソルビトールもしくはその誘導体、ロジン酸部分金属塩、無機微粒子、イミド酸、アミド酸、キナクリドン類、キノン類等が挙げられる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス,シリコーンオイル,長鎖カルボン酸,長鎖カルボン酸塩等が挙げられる。
可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル等が挙げられる。
アンチブロッキング剤としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、リン酸カルシウム或いはアルミナなどの無機粉末、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリベンゾグアナミン等の有機物の粉末などが挙げられ、具体的には富士シリシア(株)製の「サイリシア」や、水澤化学工業(株)製の「ミズカシル」等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸亜鉛、グリセリンモノステアレート等が挙げられる。
目ヤニ防止剤としては、高級脂肪酸の金属塩、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
樹脂用添加剤(B)の含有量は、(A)成分から(C)成分の合計量に対して、好ましくは99.9〜50質量%、好ましくは99.5〜60質量%、さらに好ましくは99〜70質量%、特に好ましくは90〜75質量%である。
配合量が上記下限値以上であると顔料等の配合剤の粒子径制御がうまく行われ、配合量が上記上限値以下であると顔料の分散が良好になるので好ましい。
[金属石鹸(C)]
本発明の添加剤マスターバッチは、金属石鹸(C)(以下、単に「(C)成分」と称することがある)を含むことが好ましい。金属石鹸を含むことで、より優れた造粒性を有する添加剤マスターバッチが得られる。
金属石鹸(C)は、粉末であることが好ましい。
金属石鹸(C)としては、金属イオンを含有する界面活性剤であれば、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ヒドロキシステアリン酸カルシウムが挙げられる。これらの中でも、2価以上の金属イオンを含有する界面活性剤が好ましく、ステアリン酸マグネシウムがより好適である。
金属石鹸(C)の配合量は、上記(A)成分〜(C)成分の合計量に対して、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜25質量%、さらに好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。配合量が上記下限値以上で顔料等の配合剤の粒子径制御がうまく行われ、配合量が上記上限値以下で顔料の分散が良好になるので好ましい。
[シランカップリング剤]
本発明の添加剤マスターバッチは、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤を含有することで顔料等の樹脂用添加剤の粒子径を制御ができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトトリプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.2〜2質量部である。
[他の樹脂]
本発明の添加剤マスターバッチには、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂を配合することができる。他の樹脂としては、例えば以下のα−オレフィン系エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーなど、ゴム弾性的な性質を持つ物質を挙げることができる。
α−オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンが共重合してなるエラストマー、あるいはこれらのα−オレフィンと、環状オレフィン、スチレン系モノマー、非共役ジエンとが共重合してなるエラストマーやプラストマーと呼ばれているものなどが挙げられる。一般的には密度が0.91g/cm3以下の物質をプラストマーやエラストマーと呼んでいるが、ゴム弾性的な性質を持つものであれば密度には制限されず、化学的架橋されているものでも化学的架橋されていないものでもよい。
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどを挙げることができる。
上記α−オレフィン系エラストマーとして具体的には、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー、エチレン・1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン・1‐ヘキセン共重合体エラストマー、エチレン・1‐オクテン共重合体エラストマー、エチレン・スチレン共重合体エラストマー、エチレン・ノルボルネン共重合体エラストマー、プロピレン・1‐ブテン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン・1−ブテン−非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・1−ブテン−非共役ジエン共重合体エラストマーなど、オレフィンを主成分とする無定型の弾性共重合体を挙げることができる。これらのなかでも、炭素原子数が2〜8のオレフィンを主な構成単位とする重合体が好ましく、エチレン単位を主な構成単位とする共重合体がより好ましい。
また、α−オレフィン系のエラストマーとしては、立体規則性を制御したポリプロピレンやポリブテンなども挙げられる。これは、立体規則性を下げることにより結晶性を下げ、ゴム的な弾性を発現させたものであり、特開2001−172325号公報、特開2002−322213号公報に示される重合体が例示される。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体およびその水添体が挙げられる。
このスチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンなどが挙げられる。これらの中でもブタジエン、イソプレンが好ましい。
また、上記スチレン系熱可塑性エラストマーの分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの組み合わせなどいずれであってもよい。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーとして具体的には、スチレン・ブタジエンジブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・イソプレンジブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・ブタジエンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体の水素添加物、スチレン・イソプレンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体の水素添加物を挙げることができる。
さらに、例えば以下の熱可塑性樹脂を配合することもできる。すなわち、エラストマー以外のポリオレフィンやポリオレフィン共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・カルボン酸不飽和エステル共重合体等の極性基含有ポリオレフィン系樹脂;ポリスチレンやゴム強化ポリスチレン(HIPS)、アイソタクティックポリスチレン、シンジオタクタクティックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂;アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)等のポリアクリルニトリル系樹脂;ポリメタクリレート系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンスルフォン系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クロマン・インデン系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの他の樹脂は、粉末であることが好ましく、樹脂のパウダーとしては具体的にはパウダーレジン(東京インキ製)などが挙げられる。
本発明の添加剤マスターバッチにおけるこれらの他の樹脂の配合量は、(A)成分の側鎖結晶性ポリマー100質量部あたり、通常300質量部以下、好ましくは1〜100質量部である。
また、本発明の添加剤マスターバッチには、シリコーン化合物や、他の従来の公知であるワックスやオイルを配合することもできる。ワックスとしては、例えば、パラフィン、酸化パラフィン、塩素化パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタン、ペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス;ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス;蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、セレシン等の鉱物系ワックス及びその誘導体;硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体の水素化ワックス;ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ラウリン酸、セバシン酸、ベヘン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、アジピン酸、イソフタル酸等の、アマイド、ビスアマイド、エステル、ケトン、金属塩及びその誘導体などが挙げられる。シリコーン化合物としては、アルキル変性シリコーン樹脂、アミド変性シリコーン樹脂など挙げられる。これらのワックスやシリコーン化合物は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の添加剤マスターバッチにおけるこれらのワックスやシリコーン化合物の使用量は、(A)成分の側鎖結晶性ポリマー100質量部あたり、通常300質量部以下、好ましくは1〜100質量部である。
[ペレット状添加剤マスターバッチの製造方法]
ペレット状添加剤マスターバッチの製造方法は、特に限定されないが、側鎖結晶性ポリマー(A)と樹脂用添加剤(B)原料を混合する工程(1)と、該工程(1)で処理した原料を造粒して、ペレット状添加剤マスターバッチを得る工程(2)を有することが好ましい。
工程(1)においては、更に金属石鹸(C)、シランカップリング剤、その他の樹脂、シリコーン化合物、ワックス、水を含むことが好ましい。これらの中でも水を添加することが好ましい。水を含むことで造粒性がより高くなる。
〔水〕
添加される水は、特に限定されず、水道水、蒸留水、イオン交換水、硬水、軟水等が用いられる。水の添加量は、樹脂用添加剤(B)に対し、0.1〜100質量%、好ましくは0.5〜50質量%、さらに好ましくは1〜20質量%、よりさらに好ましくは2〜10質量%添加する。
また、樹脂用添加剤(B)として顔料(b)を使用する場合には、配合する顔料を前もってシランカップリング剤で処理してもよい。
側鎖結晶性ポリマー(A)と樹脂用添加剤(B)、必要に応じて任意成分を、常温で配合し、混合機を用いて均一化することが好ましい。これらの原料は、粉末の原料を用いることで、均一化した粉末を得ることができる。ここで用いる混合機には特に制限はないが、SPGシリーズ(ダルトン社)などが挙げられる。
続いて工程(1)で処理した原料を造粒して、ペレット状添加剤マスターバッチを得ることができる。
ペレット状添加剤マスターバッチの造粒方法としては、圧縮造粒方式を用いることが好ましく、ディスクペレッター方式、ブリケッティング方式、ダブレッティング方式などがより好ましい。これらの中でも、ディスクペレッター方式を用いることが好ましい。
ディスクペレッター方式の造粒機は、目皿押出式成型機とも呼ばれる。ディスクペレッター方式の造粒機等は、通常、加熱システムを有しないが、運転時に発生するせん断発熱により、側鎖結晶性ポリマーが溶融することにより添加剤のバインダーとしての役割を果たすことができる。
この際、側鎖結晶性ポリマー(A)がバインダーとして樹脂用添加剤(B)に対し均一に分散していること好ましいので、粉体同士での均一配合が望ましい。
ディスクペレッター方式の造粒機は、直径数ミリの穴が多数あけられたディスクと、ディスクの穴に原料を圧送するためのローラーとを有する。またディスクは2個設けられていてもよい。ディスクとローラーの間、もしくは2個のディスクの間に供給された原料が、ローラーの回転に伴いディスクの穴に圧送され押出成形される。更に、ディスクの裏面においてカッター等で適当な長さに切断されることで、ペレット状添加剤マスターバッチを得ることができる。
ディスクペレッター方式としては、より具体的には、ローラー・ディスクダイ方式やローラー・リングダイ方式、ダブルダイス方式、フラットダイ方式がある。市販のディスクペレッター方式の造粒機としては、例えばダルトン社製のディスクペレッターシリーズが挙げられる。
また、ディスクペレッター方式の造粒機の下流に振動ふるい等を設けることで、微粉の混入を避けることができる。
[添加剤マスターバッチ]
本発明の添加剤マスターバッチは、圧縮成形により得られる成形添加剤マスターバッチであることが好ましく、ペレット状であることが好ましく、円柱状であってもよい。円柱状である場合、高さとしては0.1〜20mm、好ましくは0.5〜10mmである。直径としては2.0〜30mm、好ましくは2.5〜5.0mmである。
本発明の添加剤マスターバッチは、例えば、熱可塑性樹脂と溶融混練して用いられる。
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。実施例において各種数値は以下の方法により測定した。
1)示差走査型熱量計を用いた測定(融点、半値幅の測定)
測定はJIS−K7121に準拠して行った。示差走査型熱量計としては、DSC−7(商品名、パーキンエルマー社製)を用いた。具体的には、試料を室温から190℃まで、100℃/分で昇温し、190℃で5分保持した後、−30℃まで、10℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることで、吸熱ピークを示す融解曲線を得た。得られた融解曲線におけるピークトップの温度を融点(Tm)とした。また、前述のようにして、得られた融解曲線から半値幅(℃)を求めた。半値幅の算出方法は以下の通りである。
図1に示したような示差走査型熱量計により測定される融解曲線において、融点より高温域の融解曲線が安定した所(直線領域)に沿って低温域へ直線kを延ばし、融点位置でのその直線の位置(Tm,Pl)と融解曲線上での融点での位置(Tm,Ph)の中点の位置(Tm,Pm)を通り、かつ、直線kに平行な直線lを引き、その直線lが融解曲線と交わる温度の高温側と低温側との温度差を半値幅(℃)とした。
2)分子量測定方法
ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の装置及び条件で測定した。重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレンの検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いた。
(GPC測定装置)
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT(商品名、東ソー社製)
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C(商品名、ウォーターズ社製)
(測定条件)
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:145℃
流速:1.0ミリリットル/分
試料濃度:2.2mg/ミリリットル
注入量:160マイクロリットル
検量線:Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
3)広角X線散乱強度分布の測定
理学電機工業株式会社製の対陰極型ロータフレックスRU−200を用い、30kV、100mA出力のCuKα線(波長=0.154nm)の単色光を、径2mmのピンホールによって平行とし、位置敏感型比例計数管を用い、露光時間1分で広角X線散乱(WAXS)強度分布を測定することにより、単一のピークX1を測定した。強度比は、複数のピーク(ピークX)が観測された場合、ピーク分離を行い、それぞれの強度比を計算することにより求めることができる。
製造例1[側鎖結晶性ポリアルファオレフィン樹脂(融点70℃)粉体の製造]
加熱乾燥した1Lオートクレーブに、炭素数26、28のα−オレフィンの57/43質量%混合体を400mL入れ、重合温度110℃まで昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.5mmol、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドを2μmol、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを8μmol加え、水素を0.15MPa導入し、120分間重合した。重合反応終了後、反応物をアセトンにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥処理することにより、製造例1の重合体を200g得た。
得られた重合体のGPCによる質量平均分子量(Mw)は16,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、融点(Tm)を測定したときに観測されたピークは一つであり、融点は77℃、融解の半値幅は3℃であり、広角X線散乱強度分布の15deg<2θ<30degに、側鎖結晶化に由来する、単一のピークが観測された。
得られた重合体を粉砕機を用いて粉砕し、振動ふるいを用いて粒径250μm以下の粉体を得た。
実施例1〜4、比較例1
表に示す組成の原料を混合機(ダルトン社製 SPG−25)にて470rpmの条件で混合し、得られたパウダーを造粒機(ダルトン社製 ディスクペレッター F−5/11−175)に投入しペレット状の顔料マスターバッチを得た。
Figure 2014101423
本発明によれば、造粒性に優れた高濃度の添加剤マスターバッチ及びペレット状添加剤マスターバッチの製造方法を提供することができる。本発明の添加剤マスターバッチは、例えば、熱可塑性樹脂と溶融混練して用いられる。

Claims (6)

  1. 側鎖結晶性ポリマー(A)、及び樹脂用添加剤(B)を含む添加剤マスターバッチ。
  2. 金属石鹸(C)を更に含む、請求項1に記載の添加剤マスターバッチ。
  3. 樹脂用添加剤(B)の含有量が、該添加剤マスターバッチに対して99.9〜50質量%である、請求項1又は2に記載の添加剤マスターバッチ。
  4. 樹脂用添加剤(B)が顔料(b)である、請求項1〜3のいずれかに記載の添加剤マスターバッチ。
  5. 側鎖結晶性ポリマー(A)が下記(1)及び(2)を満たす高級αオレフィン重合体(a)である、請求項1〜4のいずれかに記載の添加剤マスターバッチ。
    (1)炭素数10以上の高級αオレフィン、又は炭素数10以上の高級α−オレフィンと他のオレフィン一種以上とを重合して得られ、高級α−オレフィン単位含有量が50モル%以上である
    (2)融点(Tm)が100℃以下である
  6. 側鎖結晶性ポリマー(A)、及び樹脂用添加剤(B)の混合物をディスクペレッター方式の造粒機を用いて成型する、ペレット状の添加剤マスターバッチの製造方法。
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