JP2014097234A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ミシンモーター34と、布押さえ41と、布押さえに上昇動作を付与する押さえ上げモーター42と、布押さえの上昇動作を作業者が指示入力する操作レバー11と、操作レバーの揺動角度変化の発生を検出する検出部12と、押さえ上げモーターの動作制御を行う制御部90とを備えるミシンにおいて、制御部は、ミシンモーターの停止中に検出部が操作レバーの揺動角度変化を検出した場合には、押さえ上げモーターにより布押さえを布解放高さまで上昇させ、ミシンモーターの動作中に検出部が操作レバーの揺動角度変化を検出した場合には、押さえ上げモーターによる布押さえの上昇動作を禁止又は布解放高さよりも上昇動作量が少ない規制高さまで上昇させる。
【選択図】図5
Description
しかし、この膝レバーは、布押さえに布保持圧を付与するバネに抗して布押さえを上昇させることから、布押さえの昇降動作が繰り返されると、作業者には負担生じるものとなっていた。
そこで、近年は、布押さえに上昇動作を付与するアクチュエーターを搭載するミシンが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
上記のミシンの場合には、膝スイッチが布押さえの上昇動作の指示入力を検知するとアクチュエーターが布押さえを上昇させるので、膝レバーに加える操作力を軽くすることができ、布押さえの昇降が繰り返される場合でも作業者への負担を飛躍的に軽減することが可能であった。
そのため、布押さえの上昇動作をアクチュエーターで行う場合でも、膝レバーにある程度のバネ圧を付与する状態とすることで誤操作の防止が図る必要があった。このため、布押さえの上昇における作業者負担の軽減を十分に図ることが出来ないという問題が生じていた。
なお、布押さえに押さえ圧を付与する押圧手段は弾性体でもよいし、アクチュエーター等のように積極的に押圧力を付与するものでもよい。また、押さえ上げモーターが押さえ圧の付与も行う構成としてもよい。
特に、縫製中に布押さえの上昇を完全に禁止した場合には、不慮の操作レバーの揺動による布押さえの上昇を原因とする縫い目形成の乱れをより厳格に防止することができる。
また、縫製中の布押さえの上昇動作量を布解放高さよりも低い規制高さに制限した場合には、不慮の膝レバー11の揺動を生じた場合における縫い目形成の乱れを低減すると共に、縫製中に意図的に操作レバーを操作して、縫い進路を変更しやすくすることが可能となる。
特に、請求項3記載の発明のように、操作レバーの揺動角度と布押さえの高さの一定の対応関係を複数種類用意し、これらを選択可能とした場合には、作業者の作業容易性や作業種に応じて適切な操作レバーの揺動角度と布押さえの高さとの対応関係を選択することができ、作業性をより向上することが可能となる。
また、ミシンモーターの停止中に検出される揺動角度について、予め定められた布解放高さ到達角度により布押さえを布解放高さに到達させるので、布押さえが布解放高さに到達するまでの操作レバーの操作量を一定量に確定することができ、布押さえの高さを調節する場合の操作性を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態であるミシン10について説明する。
ミシン10は、図1に示すように、ミシンテーブルT上に設置されたミシン本体1と、ミシンテーブルTの下部に備えられ後述するミシンモーターの起動及び回転速度を操作するための起動手段してのペダルPと、ミシンの各部を統括制御する制御部90とを備えている。
上軸(図示省略)には、プーリ3が取り付けられており、その上軸はプーリ31とプーリ32に掛け渡されたベルト33を介してミシンモーター34に連結されている。このミシンモーター34の回転駆動により回転されるプーリ32の回動によって上軸に回動力が付与されて、上軸が回転する。また、下軸(図示省略)は、図示しない動力伝達機構を介して上軸と連結しており、ミシンモーター34の駆動力によって上軸が回転すると、その回動力が伝達されて下軸も回転する。
上軸(図示省略)の前端側には、上軸の回動により上下動する針棒35が配設されており、その針棒35の下端には、縫い針36が交換可能に備えられている。また、下軸(図示省略)の前端には、釜(図示省略)が設けられている。
そして、ペダルPが踏み込まれてミシンモーター34が駆動し、上軸とともに下軸が回動すると、縫い針36と釜(図示省略)との協働により縫い目が形成される。
なお、ミシン10におけるペダルP、ミシンモーター34、上軸(図示省略)、針棒35、縫い針36、下軸(図示省略)、釜(図示省略)等の接続構成および縫製動作は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
布押さえ41は、ミシンフレーム20内に配されている布押さえリンク機構40を介して押さえ上げモーター42に連結されている。
そして、第二ベルクランク47は、布押さえ41を下端部で保持する布押さえ棒48に連結されており、布押さえ棒48は布押さえ41に押さえ圧を付与する押圧手段としての押さえバネ49が併設されている。
そして、押さえ上げモーター42が駆動を行うと、そのトルク出力により第一リンク43が回動して第二リンク44を下方に引っ張り、その引っ張り力が第一ベルクランク45で図示左方への押圧力に変換され、さらに、第三リンク46を介して第二ベルクランク47にて上方への引っ張り力に変換されて布押さえ棒48が押さえバネ49に抗して引き上げられるようになっている。
なお、上記押さえ上げモーター42は、ステッピングモーターであり、制御部90の制御により布押さえ41を任意の高さに位置決めすることが可能となっている。
この膝レバー11は、下端部において作業者の膝が押し当てられることにより図1における反時計回りに揺動を行う。
また、膝レバー11の上端部において当該膝レバー11を支持する支軸には、角度センサー12が装備されている。膝レバー11は、外部から操作を加えられない状態ではほぼ垂直下方を向いた状態にあり、角度センサー12は膝レバー11が垂直下方を向いた状態に対する変化位置(揺動角度)を検出して制御部90に出力する。この角度センサー12は、制御部90(後述)との協働により膝レバー11の変化位置、変化量、変化角度、ないし変化の向きなどが把握できればよく、ロータリーエンコーダー、ポテンショメーターなど膝レバー11の揺動角度を電気信号に変換可能ないずれのセンサーを使用しても良い。
次いで、ミシン10の制御系について説明する。
制御部90は、図2に示すように、ミシン10における様々な動作処理を実行するための制御プログラムや制御データが書き込まれているROM92と、制御プログラムに従って各処理を実行するCPU91と、CPU91の各種処理データを記憶するRAM93と、各種の設定データを記憶し書き換え可能な不揮発性メモリであるデータメモリ94とを有している。また、RAM93には、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、各処理におけるワークエリアとしても使用される。
また、ミシンモーター34と押さえ上げモーター42は、CPU91との間にそれぞれドライバー回路を介在させているが、これらも図示を省略している。
さらに、CPU91には、図示しない入力インターフェイスを介して操作パネル96が接続されている。この操作パネル96は、作業者が後述する各種の設定を入力する入力部97と所定の各種情報を表示する表示部98とを有している。
上記構成のミシン10において、ミシンモーター34の回転動作中に角度センサー12が膝レバー11の揺動角度変化を検出した場合には、CPU91は、押さえ上げモーター42に対して、布押さえ41の上昇を禁止又は布解放高さよりも低い規制高さまで制限的に上昇するよう動作制御を行う。
また、角度センサー12がミシンモーター34の回転動作中であって布押さえ41が上昇途中又は規制高さに位置する状態で膝レバー11の揺動角度変化を検出し、制御部90のCPU91が膝レバー11の揺動方向が時計回りと認識した場合には、CPU91は、押さえ上げモーター42に対して、布押さえ41を針板上面の押さえ位置まで下降させる動作制御を行う。
また、布押さえ41の布解放高さは、ミシンベッド部22から被縫製物である布を取り除く場合又はセットする場合に適した位置、即ち、作業の妨げとならないように極力高い位置、例えば、布押さえ41の可動範囲の最も高い位置とする。
この規制高さは、操作パネル96の入力部97により、高さ0から布解放高さ未満の範囲で任意に設定することができ、その設定値はデータメモリ94内に登録されるようになっている。
即ち、規制高さが0に設定された場合には、前述したように、縫製中に膝レバー11の揺動が行われても、ミシンモーター34の回転動作中の布押さえ41の上昇が完全に禁止される状態となり、規制高さが0よりも大きな値に設定された場合には、ミシンモーター34の回転動作中の布押さえ41の上昇量が制限される。
なお、以下の記載において、布押さえ41の上昇が禁止される場合と制限される場合とを区別するために、単に「規制高さ」という場合には0以外の値に制限された場合を示し、
「高さ0」という場合には禁止される場合を示すものとする。
即ち、ミシンモーター34の回転動作中において膝レバー11が揺動を行っても、上昇開始角度に到達しなければ、布押さえ41は上昇を行わず、膝レバー11が上昇開始角度以上まで揺動を行うことで初めて布押さえ41の上昇が開始される。
また、膝レバー11の上昇開始角度から規制高さ到達角度までの角度変化と布押さえ41の高さの関係については、例えば、後述する上昇開始位置から布解放高さ到達角度までの相関関係におけるいずれかのパターン(1)〜(3)(図4参照)と同じ相関関係を持たせても良い。
さらに、布押さえ41を下降させる場合も同様であり、膝レバー11が設定上昇位置到達角度未満となった時に布押さえ41の下降が開始され、膝レバー11が規制高さ到達角度から上昇開始角度まで揺動を行うことで、針板に布押さえ41が到達するよう押さえ上げモーター42は制御される。
そして、これらの布押さえ41の上昇開始角度及び布押さえ41の規制高さ到達角度は、前述した操作パネル96の入力部97により予め設定することが可能となっている。
また、制御部90のCPU91は、ミシンモーター34の停止中に角度センサー12が膝レバー11の揺動角度変化を検出し、それを反時計回りの揺動角変化と判定した場合には、押さえ上げモーター42に対して、布押さえ41を布解放高さまで上昇させる動作制御を行う。
この時、CPU91は、ミシンモーター34の停止中の押さえ上げ制御について、角度センサー12により検出される膝レバー11の揺動角度と布押さえ41の高さとの間で一定の対応関係を満たすように押さえ上げモーター42を制御する。
この膝レバー11の揺動角度と布押さえ41の押さえ位置から布解放高さまでの高さとの対応関係は、図3に示すように、パターン(1)〜(4)までの四種類が選択可能となっている。
パターン(2)は、膝レバー11の揺動角度の増加と布押さえの高さ変化が比例関係にあり、膝レバー11が一定速度で揺動すると、布押さえ41も一定速度で上昇を行う。
パターン(4)は、膝レバー11が一定の揺動角度に達するまでは布押さえ41が動作せず、一定の揺動角度に達すると布押さえ41は一度に布解放高さまで上昇する動作を行う。つまり、このパターン(4)では、上昇途中で布押さえ41を停止させることは出来なくなっている。
これらのパターン(1)〜(4)については、いずれも膝レバー11の揺動角度と布押さえ41の高さとの相関関数が設定されており、膝レバー11の揺動角度が検出されると、相関関数に基づいて布押さえ41の高さが求められ、これを目標高さとするように押さえ上げモーター42の動作制御が行われる。
そして、CPU91は、データメモリ94内に登録されたパターン(1)〜(4)の何れかに従って、ミシンモーター34の停止中の押さえ上げ制御を実行する。
さらに、CPU91は、ミシンモーター34の停止中の押さえ上げ制御におけるパターン(1)〜(3)のいずれかが選択されている場合には、予め設定された布押さえ41の上昇開始角度と布押さえ41の布解放高さ到達角度とに基づいて、パターン(1)〜(3)の対応関係を満たすように押さえ上げモーター42を制御する。
即ち、パターン(1)〜(3)のいずれが選択されている場合でも、角度センサー12により検出される膝レバー11の揺動角度が布押さえ41の上昇開始角度に達するまでは布押さえ41は上昇を開始せず、布押さえ41の上昇開始角度から布押さえ41の布解放高さ到達角度までの間で、選択されているパターン(1)〜(3)の何れかに従って布押さえ41の上昇動作が行われ、布解放高さ到達角度で布押さえ41が布解放高さに到達して停止するよう、押さえ上げモーター42の動作制御が行われる。
また、パターン(1)〜(3)については、膝レバー11の揺動角度と布押さえ41の高さとの相関関数が、設定された布押さえ41の上昇開始角度及び布押さえ41の布解放高さ到達角度に基づいて修正される。
そして、CPU91は、データメモリ94内に登録された、布押さえ41の上昇開始角度から布押さえ41の布解放高さ到達角度に従って、ミシンモーター34の停止中の押さえ上げ制御を実行する。
さらに、CPU91は、ミシンモーター34の停止中に角度センサー12で検出される膝レバー11の揺動角度に基づく膝レバー11の揺動角速度が、予め定められた規定値以上となった時には、ミシンモーター34の停止中の押さえ上げ制御におけるパターン(1)〜(4)(揺動角度と布押さえの高さの対応関係)に拘わらず、布押さえ41を即座に布解放高さまで上昇させるように押さえ上げモーター42を制御する。
即ち、CPU91は、所定のサンプリング周期で検出される膝レバー11の揺動角度を逐次積算し、所定の所要期間内での積算値が規定値以上となった場合に、布押さえ41を最速で布解放高さまで上昇させる。
例えば、所要期間100[msec]における揺動角度の積算値が10°以上となった時には布押さえ41を最速で布解放高さまで上昇させるよう押さえ上げモーター42が制御される。
押さえ上げ制御による動作を図5のフローチャートに示す。
制御部90のCPU91は、ミシンの主電源がONされると、ミシンモーター34の駆動状態を監視し(ステップS1)、回転駆動中である場合には、角度センサー12による揺動角度信号から膝レバー11の布押さえ上昇方向の揺動の有無を判定する(ステップS3)。
そして、制御部90のCPU91は、膝レバー11の布押さえ上昇方向の揺動を検出した場合には、膝レバー11の現在の揺動角度が上昇開始角度以上、規制高さ到達角度未満の範囲内であるか判定する(ステップS5)。そして、膝レバー11の揺動角度がこの範囲内にある場合には、押さえ上げモーター42による布押さえ41の上昇駆動を実行し(ステップS7)、ステップS1に処理を戻す。
一方、ステップS5において、膝レバー11の揺動角度が上昇開始角度未満又は規制高さ到達角度以上である場合にはステップS15に処理を進め、押さえ上げモーター42が駆動中の場合には駆動を停止させてステップS1に処理を戻す。
また、ステップS9において、制御部90のCPU91は、膝レバー11の布押さえ下降方向の揺動を検出した場合には、膝レバー11の現在の揺動角度が上昇開始角度を超えて規制高さ到達角度以下の範囲内であるか否かを判定する(ステップS11)。そして、膝レバー11の揺動角度がこの範囲内にある場合には、押さえ上げモーター42による布押さえ41の下降駆動を実行し(ステップS13)、ステップS1に処理を戻す。
また、ステップS11において、膝レバー11の揺動角度が上昇開始角度以下又は規制高さ到達角度を超えている場合には、ステップS15に処理を進め、押さえ上げモーター42が駆動中の場合には駆動を停止させてステップS1に処理を戻す。
そして、膝レバー11の布押さえ上昇方向の揺動を検出した場合には、膝レバー11の揺動の角速度を求め、当該角速度が規定値を超えているか判定する(ステップS19)。
そして、膝レバー11の角速度が規定値以下であれば、膝レバー11の現在の揺動角度が上昇開始角度以上、布解放高さ到達角度未満の範囲内であるか判定する(ステップS21)。そして、膝レバー11の揺動角度がこの範囲内にある場合には、予め選択されたパターン(1)〜(4)(図3参照)の何れかに従って押さえ上げモーター42による布押さえ41の上昇駆動を実行し(ステップS23)、ステップS1に処理を戻す。
一方、ステップS21において、膝レバー11の揺動角度が上昇開始角度未満又は布解放高さ到達角度以上である場合には、ステップS15に処理を進める。
また、ステップS25において、膝レバー11の現在の揺動角度が布解放高さ到達角度以上と判定した場合には、ステップS15に処理を進める。
そして、膝レバー11の布押さえ下降方向の揺動も検出されない場合には、前述したステップS15に処理を進める。
また、ステップS29において、膝レバー11の布押さえ下降方向の揺動を検出した場合には、制御部90のCPU91は、膝レバー11の現在の揺動角度が上昇開始角度を超えて布解放高さ到達角度以下の範囲内であるか否かを判定する(ステップS31)。そして、膝レバー11の揺動角度がこの範囲内にある場合には、押さえ上げモーター42による布押さえ41の下降駆動を実行し(ステップS33)、ステップS1に処理を戻す。
また、膝レバー11の揺動角度が上昇開始角度以下又は布解放高さ到達角度を超えている場合にはステップS15に処理を進め、押さえ上げモーター42が駆動中の場合には駆動を停止させてステップS1に処理を戻す。
具体的には、ステップS21が「NO」である場合に、制御部90のCPU91は、角度センサー12による揺動角度信号から膝レバー11の揺動角度が布解放高さ到達角度か否かを判定し、NOであればステップS15に進み、YESであればさらにペダルPの起動の入力を判定する。そして、起動入力があった場合にミシンモーター34の停止状態を維持する制御を行い、起動入力がなければステップS15に処理を進める。
なお、上述のミシンモーター起動禁止制御の実行の有無は、予め、選択手段としての入力部97から設定可能とすることが望ましい。
上記ミシンモーター起動禁止制御により、布押さえ41を布解放高さまで上昇させているにも拘わらずミシンモーター34を起動させてしまう誤操作を防止することが可能となる。
以上のように、ミシン10の制御部90は、押さえ上げ制御(1)により、ミシンモーター34の回転動作中に膝レバー11の上昇方向の揺動角度変化を検出した場合には、布押さえ41の上昇を禁止又は布解放高さよりも低い規制高さまで制限的に上昇するよう動作制御を行うので、膝レバー11の不慮の誤操作の場合であっても、布押さえ41の解放を制限することができ、縫いの乱れを抑止することが可能である。このため、膝レバー11の上昇動作を抑制する為のバネ圧の付与を不要あるいは微弱なもので良くし、縫い品質を損なうことなく作業者の負担軽減を実現することが可能である。
また、縫製中の布押さえ41の上昇動作量を布解放高さよりも低い規制高さに制限した場合には、不慮の膝レバー11の揺動を生じた場合における縫い目形成の乱れを低減すると共に、縫製中に意図的に膝レバー11を操作して、縫い進路を変更しやすくすることが可能となる。
また、規制高さを任意に設定可能とした場合には、被縫製物の布厚に応じて布押さえ41を上昇させられるので、高い縫い品質を維持しつつ縫い進路を変更する縫製を実現することが可能となる。
さらに、上記ミシンモーター34の回転駆動中の制御において、上昇開始角度を任意に設定可能とするので、膝レバー11が上昇開始角度に達しない範囲で揺動しても、布押さえ41が上昇せず、これにより誤作動も防止可能となる。
また、規制高さ到達角度を任意に設定可能とするので、膝レバー11の揺動角度と布押さえ41の高さとの間に相関関係を持たせることが出来る。
また、ミシンモーター34の停止中の制御において、予め定められた布解放高さ到達角度により布押さえ41を布解放高さに到達させるので、布押さえ41が布解放高さに到達するまでの膝レバー11の操作量を一定量に確定することができ、布押さえ41の高さを調節する場合の操作性を向上させることができる。
特に、布解放高さを任意に設定可能とするので、布押さえ41が布解放高さに到達するまでの膝レバー11の操作量を任意に調節することができ、操作性をさらに向上させることが可能となる。
10 ミシン
11 膝レバー(操作レバー)
12 角度センサー(検出部)
34 ミシンモーター
41 布押さえ
42 押さえ上げモーター
49 押さえバネ(押圧手段)
90 制御部
94 データメモリ
95 エンコーダー
96 操作パネル
97 入力部(選択入力部)
P ペダル
Claims (7)
- 縫製の駆動源となるミシンモーターと、
押圧手段からの押圧力を受けて縫製時に被縫製物を上方から押さえる布押さえと、
前記布押さえに上昇動作を付与する押さえ上げモーターと、
前記押さえ上げモーターによる前記布押さえの上昇動作を作業者が指示入力する操作レバーと、
前記操作レバーの指示入力による揺動角度変化の発生を検出する検出部と、
前記押さえ上げモーターの動作制御を行う制御部とを備えるミシンにおいて、
前記制御部は、
前記ミシンモーターの停止中に前記検出部が前記操作レバーの揺動角度変化を検出した場合には、前記押さえ上げモーターにより前記布押さえを布解放高さまで上昇させ、
前記ミシンモーターの動作中に前記検出部が前記操作レバーの揺動角度変化を検出した場合には、前記押さえ上げモーターによる前記布押さえの上昇動作を禁止又は前記布解放高さよりも上昇動作量が少ない規制高さまで上昇させることを特徴とするミシン。 - 前記検出部は、前記操作レバーの指示入力による揺動角度を検出し、
前記制御部は、前記ミシンモーターの停止中に前記検出部で検出される揺動角度と前記布押さえの高さとが一定の対応関係を満たすように前記押さえ上げモーターを制御することを特徴とする請求項1記載のミシン。 - 前記検出部で検出される揺動角度と前記布押さえの高さの前記対応関係を複数種類記憶する記憶部と、
前記複数種類の対応関係の中から一つを選択する選択入力部とを備え、
前記制御部は、前記ミシンモーターの停止中に前記検出部で検出される揺動角度と前記布押さえの高さとが前記選択入力部で選択された対応関係を満たすように前記押さえ上げモーターを制御することを特徴とする請求項2記載のミシン。 - 前記制御部は、前記ミシンモーターの停止中に前記検出部で検出される揺動角度に基づく前記操作レバーの揺動角速度が、予め定められた規定値以上となった時には、前記対応関係に拘わらず、前記布押さえを布解放高さまで上昇させるように前記押さえ上げモーターを制御することを特徴とする請求項2又は3記載のミシン。
- 前記検出部は、前記操作レバーの指示入力による揺動角度を検出し、
前記制御部は、前記ミシンモーターの停止中に前記検出部で検出される揺動角度について、前記布押さえの上昇開始角度と前記布押さえの布解放高さ到達角度とを記憶すると共に、これら二つの揺動角度の間で前記布押さえを布解放高さまで上昇させるように前記押さえ上げモーターを制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のミシン。 - 前記ミシンモーターの起動を入力するために操作する起動手段を備え、
前記制御部は、前記ミシンモーターの停止中であって前記操作レバーの指示入力による揺動角度が前記布押さえの布解放高さを示している時に、前記起動手段による起動の入力を検出した場合には、前記ミシンモーターの起動を禁止するミシンモーター起動禁止制御を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のミシン。 - 前記ミシンモーター起動禁止制御の実行の有無を予め選択設定する選択設定手段を備え、
前記制御部は、前記選択設定手段により実行が選択されている場合に限り、前記ミシンモーター起動禁止制御を実行することを特徴とする請求項6記載のミシン。
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