JP2014096629A - 周波数変換回路、原子発振器、電子機器及び周波数変換回路の制御方法 - Google Patents

周波数変換回路、原子発振器、電子機器及び周波数変換回路の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模や消費電力の増加を抑制しながら高い分解能で周波数変換が可能な周波数変換回路等を提供すること。
【解決手段】周波数変換回路1は、入力信号IN(第1の信号)に基づく基準信号REFの位相と出力信号OUT(第2の信号)に基づくフィードバック信号FBの位相とを比較し、位相差に応じた信号を出力する位相比較器20と、位相比較器20の出力信号に応じた周波数で発振し、出力信号OUTを生成する電圧制御発振器50と、位相の異なる複数の信号DLY1,DLY2を生成して出力する移相回路70と、当該位相の異なる複数の信号DLY1,DLY2の中から1つの信号を選択し、フィードバック信号FBとして出力する選択回路80と、選択回路80が位相の異なる複数の信号DLY1,DLY2の各々を順番に選択するように制御する制御回路90と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、周波数変換回路、原子発振器、電子機器及び周波数変換回路の制御方法に関する。
近年、携帯電話やスマートフォン等の情報機器の高度化・多機能化が進み、データ通信に使用される発振器の周波数精度や周波数安定度に対する要求がますます厳しくなっている。このような高い要求を満たす発振器としてルビジウムやセシウム等の原子の共鳴現象を利用した原子発振器が広く利用されている。原子発振器としては、原子に共鳴周波数と一致する周波数差の2種類の共鳴光を同時に照射することで生じる電磁誘起透過(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象(CPT(Coherent Population Trapping)と呼ばれることもある)を利用するものや原子に励起光を照射するとともに空洞共振器に原子の共鳴周波数と一致するマイクロ波を印加することで生じる光マイクロ2重共鳴現象を利用するものが知られている。いずれの場合も、原子セルを透過する光の強度に応じて電圧制御発振器の発振周波数を制御し、この発振信号を周波数変換することで原子の共鳴周波数の信号を得ている。ここで、例えば、電圧制御発振器の発振信号を原子発振器の出力信号として正確に所望の周波数(例えば10MHz)にしたい場合、ルビジウム原子の共鳴周波数は6.8346826128GHzであり、セシウム原子の共鳴周波数は9.192631770GHzであるため、原子の共鳴周波数は電圧制御発振器の発振周波数の整数倍の関係にはならない。そのため、従来の発振器では、周波数シンセサイザーと混合器を用いて電圧制御発振器の発振周波数を原子の共鳴周波数に変換する構成がとられていたが、回路が複雑になるといった問題があった。この問題を解決するために、特許文献1では、周波数変換回路をPLL(Phase Locked Loop)回路で構成し、そのフィードバックループ内にK/L分周を行うフラクショナル分周器を設けることで、回路構成を単純化するとともに調整箇所の削減と低消費電力化を実現した原子発振器が提案されている。この原子発振器によれば、個々の原子発振器毎に、フラクショナル分周器の分周比を適切に設定することで、出力周波数を一定の精度で調整することができる。
特開2011−244120号公報
しかしながら、周波数精度の要求が高くなるとフラクショナル分周器の分解能を高くする必要が生じ、回路規模や消費電力の増加が避けられず、PLL回路のフィードバックループ内にフラクショナル分周器を用いた構成には限界があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、回路規模や消費電力の増加を抑制しながら高い分解能で周波数変換が可能な周波数変換回路、当該周波数変換回路を用いることで高い周波数精度を実現可能な原子発振器、当該原子発振器を用いた電子機器、及び、当該周波数変換回路の制御方法を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る周波数変換回路は、第1の信号が入力され、当該第1の信号の周波数が変換された第2の信号を生成する周波数変換回路であって、前記第1の信号に基づく基準信号の位相と前記第2の信号に基づくフィードバック信号の位相とを比較し、位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、前記位相比較器の出力信号に応じた周波数で発振し、前記第2の信号を生成する発振器と、位相の異なる複数の信号を生成して出力する移相回路と、前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択し、前記フィードバック信号又は前記基準信号として出力する選択回路と、前記選択回路が前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御する制御回路と、を含む。
本適用例に係る周波数変換回路では、移相回路が生成する位相の異なる複数の信号が選択回路によって順番に選択されて基準信号又はフィードバック信号となり、位相比較器によって基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御がかかる。これにより、移相回路の入力信号と選択回路の出力信号との周波数を変えることができ、周波数シンセサイザーやフラクショナル分周器を使用することなく、第1の信号を周波数変換した第2の信号を生成することができる。そして、この周波数変換率は、移相回路の移相量を適切に設定することで任意に選択することができるので、本適用例に係る周波数変換回路によれば、回路規模や消費電力の増加を抑制しながら高い分解能で周波数変換を実現することができる。
[適用例2]
上記適用例に係る周波数変換回路において、前記制御回路は、前記選択回路が、前記位相の異なる複数の信号の各々を、前記移相回路の入力信号との位相差が小さい順又は大きい順に選択するように制御するようにしてもよい。
[適用例3]
上記適用例に係る周波数変換回路において、前記移相回路は、移相量を変更可能な複数の可変移相器を含み、当該複数の可変移相器の出力信号を前記位相の異なる複数の信号として出力し、前記制御回路は、前記複数の可変移相器の各々の移相量を一定間隔で増加又は減少させるようにしてもよい。
本適用例に係る周波数変換回路によれば、可変移相器の移相量の設定を順次変えることで、位相の異なる信号の数を容易に変更することができる。これにより、回路規模を増加させることなく高い分解能で周波数変換を実現することができる。
[適用例4]
上記適用例に係る周波数変換回路において、前記移相回路は、前記第2の信号に基づいて前記位相の異なる複数の信号を生成し、前記選択回路は、前記基準信号に同期して前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記フィードバック信号として出力するようにしてもよい。
本適用例に係る周波数変換回路では、移相回路によって第2の信号に基づいて生成される位相の異なる複数の信号が選択回路によって順番に選択されてフィードバック信号となり、位相比較器によって基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御がかかる。これにより、第1の信号を周波数変換した第2の信号を生成することができる。
[適用例5]
上記適用例に係る周波数変換回路において、前記移相回路の入力信号の周波数f1、前
記選択回路の出力信号の周波数をf2、ΔT=|1/f1−1/f2|とした時、前記移相回路は、前記位相の異なる複数の信号として、当該移相回路の入力信号に対する遅延量がΔTずつ異なる複数の信号を生成し、前記選択回路は、f2>f1の時は遅延量の小さい信号から順番に選択し、f2<f1の時は遅延量の大きい信号から順番に選択するようにしてもよい。
本適用例に係る周波数変換回路によれば、基準信号に同期して、移相回路の入力信号に対する選択回路の出力信号(フィードバック信号)の遅延量をΔTずつ増やしながら、基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御することで、移相回路の入力信号の周波数を選択回路の出力信号の周波数よりも高くすることができる。これにより、第1の信号をより周波数の高い第2の信号に変換することができる。
逆に、基準信号に同期して、移相回路の入力信号に対する選択回路の出力信号(フィードバック信号)の遅延量をΔTずつ減らしながら、基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御することで、移相回路の入力信号の周波数を選択回路の出力信号の周波数よりも低くすることができる。これにより、第1の信号をより周波数の低い第2の信号に変換することができる。
[適用例6]
上記適用例に係る周波数変換回路において、前記移相回路は、第1の信号に基づいて前記位相の異なる複数の信号を生成し、前記選択回路は、前記フィードバック信号に同期して前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記基準信号として出力するようにしてもよい。
本適用例に係る周波数変換回路では、移相回路によって第1の信号に基づいて生成される位相の異なる複数の信号が選択回路によって順番に選択されて基準信号となり、位相比較器によって基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御がかかる。これにより、第1の信号を周波数変換した第2の信号を生成することができる。
[適用例7]
上記適用例に係る周波数変換回路において、前記移相回路の入力信号の周波数f1、前記選択回路の出力信号の周波数をf2、ΔT=|1/f2−1/f1|とした時、前記移相回路は、前記位相の異なる複数の信号として、当該移相回路の入力信号に対する遅延量がΔTずつ異なる複数の信号を生成し、前記選択回路は、f2>f1の時は遅延量の大きい信号から順番に選択し、f2<f1の時は遅延量の小さい信号から順番に選択するようにしてもよい。
本適用例に係る周波数変換回路によれば、フィードバック信号に同期して、移相回路の入力信号に対する選択回路の出力信号(基準信号)の遅延量をΔTずつ減らしながら、基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御することで、移相回路の入力信号の周波数を選択回路の出力信号の周波数よりも低くすることができる。これにより、第1の信号をより周波数の高い第2の信号に変換することができる。
逆に、フィードバック信号に同期して、移相回路の入力信号に対する選択回路の出力信号(基準信号)の遅延量をΔTずつ増やしながら、基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御することで、移相回路の入力信号の周波数を選択回路の出力信号の周波数よりも高くすることができる。これにより、第1の信号を
より周波数の低い第2の信号に変換することができる。
[適用例8]
上記適用例に係る周波数変換回路は、前記移相回路を第1の移相回路、前記選択回路を第1の選択回路とし、前記第1の信号に基づいて、位相の異なる複数の信号を生成して出力する第2の移相回路と、前記フィードバック信号に同期して、前記第2の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記基準信号として出力する第2の選択回路と、をさらに含み、前記第1の移相回路は、前記第2の信号に基づいて前記位相の異なる複数の信号を生成し、前記第1の選択回路は、前記基準信号に同期して、前記第1の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記フィードバック信号として出力し、前記制御回路は、前記第2の移相回路の入力信号の位相と前記第2の選択回路の出力信号の位相とを一致させるとともに前記第1の選択回路が前記第1の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御し、又は、前記第1の移相回路の入力信号の位相と前記第1の選択回路の出力信号の位相とを一致させるとともに前記第2の選択回路が前記第2の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御するようにしてもよい。
本適用例に係る周波数変換回路では、第1の移相回路によって第2の信号に基づいて生成される位相の異なる複数の信号が第1の選択回路によって順番に選択されてフィードバック信号となり、あるいは、これと排他的に、第2の移相回路によって第1の信号に基づいて生成される位相の異なる複数の信号が第2の選択回路によって順番に選択されて基準信号となり、位相比較器によって基準信号の位相とフィードバック信号の位相とが一致するようにフィードバック制御がかかる。これにより、第1の信号を周波数変換した第2の信号を生成することができる。
[適用例9]
本適用例に係る原子発振器は、上記のいずれかの周波数変換回路を含む。
例えば、本適用例に係る原子発振器は、原子が封入されている原子セルと、所望の波長の光を発生させ、前記原子セルに照射する光発生部と、前記原子セルを透過した光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出信号に応じた周波数で発振する発振器と、前記発振器の出力信号に基づいて、前記原子セルを透過する光の強度を制御する制御部と、をさらに含むようにしてもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、出力周波数と原子の共鳴周波数との比に応じて、周波数変換回路の周波数変換率を適切に設定することで、所望の出力周波数を高精度で得ることができる。
[適用例10]
本適用例に係る電子機器は、上記の原子発振器を備える。
[適用例11]
本適用例に係る周波数変換回路の制御方法は、第1の信号に基づく基準信号の位相と第2の信号に基づくフィードバック信号の位相とを比較し、位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、前記位相比較器の出力信号に応じた周波数で発振し、前記第2の信号を生成する発振器と、位相の異なる複数の信号を生成して出力する移相回路と、前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択し、前記フィードバック信号又は前記基準信号として出力する選択回路と、を含む周波数変換回路の制御方法であって、前記選択回路が前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御する。
第1実施形態の周波数変換回路の構成例を示す図。 可変移相器の構成例を示す図。 第1実施形態における制御回路の処理例を示すフローチャート図。 第1実施形態におけるタイミングチャートの一例を示す図。 第1実施形態におけるタイミングチャートの一例を示す図。 第2実施形態の周波数変換回路の構成例を示す図。 第2実施形態における制御回路の処理例を示すフローチャート図。 第2実施形態におけるタイミングチャートの一例を示す図。 第2実施形態におけるタイミングチャートの一例を示す図。 第3実施形態の周波数変換回路の構成例を示す図。 第3実施形態における制御回路の処理例を示すフローチャート図。 第3実施形態におけるタイミングチャートの一例を示す図。 第3実施形態におけるタイミングチャートの一例を示す図。 セシウム原子のエネルギー準位を模式的に示す図。 EIT信号の一例を示す概略図。 第1実施形態の原子発振器の構成例を示す図。 第1実施形態における半導体レーザーの出射光の周波数スペクトルを示す概略図。 光マイクロ2重共鳴現象による原子セルの光透過特性を示す概略図。 第2実施形態の原子発振器の構成例を示す図。 本実施形態の電子機器の機能ブロック図。 本実施形態の電子機器の模式図。 変形例の原子発振器の構成例を示す図。 変形例の原子発振器の構成例を示す図。 変形例の原子発振器の構成例を示す図。 変形例の原子発振器の構成例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.周波数変換回路
1−1.第1実施形態
図1は、第1実施形態の周波数変換回路の構成例を示す図である。図1に示すように、第1実施形態の周波数変換回路1は、分周器10、位相比較器20、チャージポンプ30、ループフィルター40、電圧制御発振器(VCO)50、分周器60、移相回路70、選択回路80及び制御回路90を含むPLL回路として構成されている。
分周器10は、入力信号IN(第1の信号の一例)の周波数を1/Rに分周して出力する。分周比1/Rは、不図示のレジスタの設定値により所定の範囲で可変に設定される。
位相比較器20は、分周器10の出力信号(分周信号DIVI)である基準信号REFの位相と選択回路80の出力信号であるフィードバック信号FBの位相とを比較し、その位相差に応じた信号を出力する。具体的には、位相比較器20は、基準信号REFの位相がフィードバック信号FBの位相よりも早い時はその位相差に応じたパルス幅の正パルス信号を出力し、基準信号REFの位相がフィードバック信号FBの位相よりも遅い時はその位相差に応じたパルス幅の負パルス信号を出力する。
チャージポンプ30は、位相比較器20の出力信号に応じて、ループフィルター40内の不図示のコンデンサーをチャージ/ディスチャージする。具体的には、チャージポンプ30は、位相比較器20が正パルス信号を出力する時はそのパルス幅に応じた電荷を当該コンデンサーにチャージし、位相比較器20が負パルス信号を出力する時はそのパルス幅に相当する電荷を当該コンデンサーからディスチャージする。
ループフィルター40は、不図示の抵抗やコンデンサーを用いて構成された積分回路であり、チャージポンプ30により発生するパルス状の電流を平滑化する。従って、位相比較器20が正パルス信号を出力する時(基準信号REFの位相がフィードバック信号FBの位相よりも早い時)はループフィルター40の出力電圧が上昇し、位相比較器20が負パルス信号を出力する時(基準信号REFの位相がフィードバック信号FBの位相よりも遅い時)はループフィルター40の出力電圧が低下する。
電圧制御発振器(VCO)50は、ループフィルター40の電圧に応じた(従って、位相比較器20の出力信号に応じた)周波数で発振する発振器である。具体的には、基準信号REFの位相がフィードバック信号FBの位相よりも早い時はループフィルター40の電圧が上昇し、電圧制御発振器(VCO)50の周波数も上昇する。逆に、基準信号REFの位相がフィードバック信号FBの位相よりも遅い時はループフィルター40の電圧が低下し、電圧制御発振器(VCO)50の周波数も低下する。この電圧制御発振器(VCO)50の出力信号が、周波数変換回路1の出力信号OUT(第2の信号の一例)となっている。
分周器60は、電圧制御発振器(VCO)50の出力信号の周波数を1/Kに分周して出力する。分周比1/Kは、不図示のレジスタの設定値により所定の範囲で可変に設定される。
移相回路70は、電圧制御発振器(VCO)50の出力信号(実際には分周器60の出力信号(分周信号DIVO))に基づいて、位相の異なる複数の信号を生成する。本実施形態では、移相回路70は、2つの可変移相器72A,72Bを含んで構成されており、位相の異なる2つの信号(遅延信号DLY1,DLY2)を出力する。可変移相器72A,72Bは、例えば、図2に示すように、2つの移相器74,76を直列に接続して分周信号DIVOを移相器74に入力し、移相器76の出力信号を矩形波生成回路78により矩形波に変換する回路構成で実現することができる。図2の例では、移相器74,76にそれぞれ含まれる可変抵抗素子(デジタルポテンショメーター等)の抵抗値を設定信号SET1又はSET2(電圧や制御コード)に応じて変化させることで、所定の範囲で移相量を変化させることができる。なお、可変移相器72A,72Bは、この他にも、例えば、複数個のデジタルバッファー回路を直列接続し、設定信号SET1又はSET2に応じて当該複数個のデジタルバッファー回路の出力信号から1つを選択して出力する回路構成で実現することもできる。
選択回路80は、移相回路70が出力する位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択し、選択した信号をフィードバック信号FBとして出力する。本実施形態では、選択回路80は、選択信号DSELに応じて、可変移相器72Aの出力信号(遅延信号DLY1)と可変移相器72Bの出力信号(遅延信号DLY2)のいずれかを選択してフィードバック信号FBとして出力する。具体的には、選択回路80は、選択信号DSELがハイレベルであれば遅延信号DLY1を選択し、選択信号DSELがローレベルであれば遅延信号DLY2を選択する。
制御回路90は、移相回路70が出力する位相の異なる複数の信号の各々が順番に選択
されるように選択回路50を制御する。本実施形態では、制御回路90は、基準信号REFに同期して、可変移相器72Aの移相量の設定と可変移相器72Bの移相量の設定を所定の規則に従って順次変更しながら、選択回路50に遅延信号DLY1と遅延信号DLY2を順番に選択して出力させるための選択信号DSELを生成する。本実施形態では、分周器60の出力信号(分周信号DIVO)の周波数fDIVO(=fOUT×1/K)と分周器10の出力信号(分周信号DIVI(=基準信号REF))の周波数fDIVI(=fIN×1/R)との大小関係に応じて、制御回路90の処理が異なる。そのため、制御回路90にはfDIVIの情報とfDIVOの情報が入力される。なお、移相回路70の入力信号の周波数f1、選択回路80の出力信号の周波数をf2とした時、f1=fDIVO、f2=fDIVIであるから、f1とf2との大小関係はfDIVOとfDIVIとの大小関係と等価である。
図3は、第1実施形態における制御回路90の処理例を示すフローチャート図である。図3に示すように、制御回路90は、まず、入力されるfDIVIとfDIVOの情報から、分周信号DIVI(基準信号REF)の周期TDIVIと分周信号DIVOの周期TDIVOを計算し、さらに、TDIVOとTDIVIとの差の絶対値ΔTを計算する(S10)。なお、移相回路70の入力信号の周波数f1、選択回路80の出力信号の周波数をf2とした時、f1=fDIVO、f2=fDIVIであるから、ΔT=|1/f1−1/f2|である。
次に、fDIVO>fDIVIの場合(S20のY)は、制御回路90はステップS30〜S37の処理を行う。図4は、fDIVO=fDIVI×6/5の場合のタイミングチャートの一例であり、以下、ステップS30〜S37の処理について図4を参照しながら説明する。なお、図4の例では、分周器10の分周比1/R及び分周器60の分周比1/Kはともに1に設定されており、周波数変換回路1の出力周波数fOUTは入力周波数fINの6/5倍となる。
まず、制御回路90は、基準信号REFの立ち下がり(ハイレベルからローレベルへの遷移)のタイミングで(S30のY)、設定信号SET1をΔTにセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S31)。これにより、遅延信号DLY1が分周信号DIVOに対してΔT遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY2が選択される。図4の例では、ΔT=1/6×fDIVI=1/5×fDIVOであり、遅延信号DLY1のパルス1は、分周信号DIVOのパルス1に対してΔT遅れている。
次に、制御回路90は、基準信号REFの次の立ち下がりのタイミングで(S32のY)、設定信号SET2を2ΔTにセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S33)。これにより、遅延信号DLY2が分周信号DIVOに対して2ΔT遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY1(分周信号DIVOに対してΔT遅れた信号)が選択される。図4の例では、遅延信号DLY2のパルス1、パルス2は、それぞれ分周信号DIVOのパルス1、パルス2に対して2ΔT遅れている。また、DSELがハイレベルなので、DLY1のパルス1が選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
次に、制御回路90は、基準信号REFの次の立ち下がりのタイミングで(S34のY)、設定信号SET1を(SET1+2ΔT)%TDIVO(%はモジュロ演算子)にセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S35)。これにより、遅延信号DLY1は、分周信号DIVOに対して3ΔT%TDIVO遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY2(分周信号DIVOに対して2ΔT遅れた信号)が選択される。図4の例では、遅延信号DLY1のパルス2、パルス3は、それぞれ分周信号DIVOのパルス2、パルス3に対して3ΔT遅れている。また、DSELがローレベルなので、DLY2のパルス2が選択されてフィードバック信号FBに伝搬し
ている。
次に、制御回路90は、基準信号REFの次の立ち下がりのタイミングで(S36のY)、設定信号SET2を(SET2+2ΔT)%TDIVOにセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S37)。これにより、遅延信号DLY2は、分周信号DIVOに対して4ΔT%TDIVO遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY1(分周信号DIVOに対して3ΔT%TDIVO遅れた信号)が選択される。図4の例では、遅延信号DLY2のパルス3、パルス4は、それぞれ分周信号DIVOのパルス3、パルス4に対して4ΔT遅れている。また、DSELがハイレベルなので、DLY1のパルス3が選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
以降は、制御回路90は、ステップS34〜S37の処理を繰り返し行う。これにより、基準信号REFの立ち下がりのタイミング毎に、遅延信号DLY1と分周信号DIVOとの遅延差あるいは遅延信号DLY2と分周信号DIVOとの遅延差がΔ2Tずつ増えていく(ただし、遅延差が分周信号DIVOの1周期以上になると遅延信号DLY1又は遅延信号DLY2の遅延量を1周期分減らす)とともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY1と遅延信号DLY2が交互に選択される。これにより、基準信号REFの立ち下がりのタイミング毎に、分周信号DIVOに対する遅延量がΔTずつ増えていく信号がフィードバック信号FBに現れる。図4の例では、DLY2のパルス4(分周信号DIVOのパルス4に対して4ΔT遅れている)、DLY1のパルス6(分周信号DIVOのパルス6と同じ位相)、DLY2のパルス7(分周信号DIVOのパルス7に対してΔT遅れている)、DLY1のパルス8(分周信号DIVOのパルス8に対して2ΔT遅れている)、・・・、DLY1のパルス15(分周信号DIVOのパルス15に対して3ΔT遅れている)が順番に選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
ステップS34〜S37の処理を繰り返すことにより、図4の例では、分周信号DIVOのパルス5とパルス11はフィードバック信号FBに伝搬していない。すなわち、分周信号DIVOのパルスが、ΔTずつ遅延量を変えながら5/6の割合でフィードバック信号FBに伝搬している。これにより、基準信号REFの周波数とフィードバック信号FBの周波数が一致し、分周信号DIVOの周波数(=出力信号OUTの周波数fOUT)が基準信号REF(分周信号DIVI)の周波数(=入力信号INの周波数fIN)の6/5倍になっている。
一方、fDIVO≦fDIVIの場合(S20のN)は、制御回路90はステップS40〜S47の処理を行う。図5は、fDIVO=fDIVI×5/6の場合のタイミングチャートの一例であり、以下、ステップS40〜S47の処理について図5を参照しながら説明する。なお、図5の例では、分周器10の分周比1/R及び分周器60の分周比1/Kはともに1に設定されており、周波数変換回路1の出力周波数fOUTは入力周波数fINの5/6倍となる。
まず、制御回路90は、基準信号REFの立ち下がりのタイミングで(S40のY)、設定信号SET2をM×ΔT(Mは、TDIVO/ΔT未満の最大の整数)にセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S41)。これにより、遅延信号DLY2が分周信号DIVOに対してM×ΔT遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY1が選択される。図5の例では、ΔT=1/5×fDIVI=1/6×fDIVOであり、M=5であるので、遅延信号DLY2のパルス0は、分周信号DIVOのパルス0に対して5ΔT遅れている。
次に、制御回路90は、基準信号REFの次の立ち下がりのタイミングで(S42のY)、設定信号SET1を(M−1)×ΔTにセットするとともに選択信号DSELをロー
(L)レベルにする(S43)。これにより、遅延信号DLY1が分周信号DIVOに対して(M−1)×ΔT遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY2(分周信号DIVOに対して(M−1)×ΔT遅れた信号)が選択される。図5の例では、遅延信号DLY1のパルス1は、分周信号DIVOのパルス1に対して4ΔT遅れている。また、DSELがローレベルなので、DLY2のパルス0が選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
次に、制御回路90は、基準信号REFの次の立ち下がりのタイミングで(S44のY)、設定信号SET2を(SET2−2ΔT+TDVIO)%TDIVO(%はモジュロ演算子)にセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S45)。これにより、遅延信号DLY2は、分周信号DIVOに対して((M−2)×ΔT+TDVIO)%TDIVO遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY1(分周信号DIVOに対して(M−1)×ΔT遅れた信号)が選択される。図5の例では、遅延信号DLY2のパルス2は、分周信号DIVOのパルス2に対して3ΔT遅れている。また、DSELがハイレベルなので、DLY1のパルス1が選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
次に、制御回路90は、基準信号REFの次の立ち下がりのタイミングで(S46のY)、設定信号SET1を(SET1−2ΔT+TDVIO)%TDIVOにセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S47)。これにより、遅延信号DLY1は、分周信号DIVOに対して((M−3)×ΔT+TDVIO)%TDIVO遅れた信号になるとともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY2(分周信号DIVOに対して((M−2)×ΔT+TDVIO)%TDIVO遅れた信号)が選択される。図5の例では、遅延信号DLY1のパルス2、パルス3は、それぞれ分周信号DIVOのパルス2、パルス3に対して2ΔT遅れている。また、DSELがローレベルなので、DLY2のパルス2が選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
以降は、制御回路90は、ステップS44〜S47の処理を繰り返し行う。これにより、基準信号REFの立ち下がりのタイミング毎に、遅延信号DLY1と分周信号DIVOとの遅延差あるいは遅延信号DLY2と分周信号DIVOとの遅延差がΔ2Tずつ減っていく(ただし、遅延差が0未満になると遅延信号DLY1又は遅延信号DLY2の遅延量を分周信号DIVOの1周期分増やす)とともに、フィードバック信号FBとして遅延信号DLY1と遅延信号DLY2が交互に選択される。これにより、基準信号REFの立ち下がりのタイミング毎に、分周信号DIVOに対する遅延量がΔTずつ減っていく信号がフィードバック信号FBに現れる。図5の例では、DLY1のパルス3(分周信号DIVOのパルス3に対して2ΔT遅れている)、DLY2のパルス4(分周信号DIVOのパルス4に対してΔT遅れている)、DLY1のパルス5(分周信号DIVOのパルス5と同じ位相)、DLY2のパルス5(分周信号DIVOのパルス5に対して5ΔT遅れている)、DLY1のパルス6(分周信号DIVOのパルス6に対して4ΔT遅れている)、・・・、DLY1のパルス13(分周信号DIVOのパルス13に対して2ΔT遅れている)が順番に選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。
ステップS44〜S47の処理を繰り返すことにより、図5の例では、分周信号DIVOのパルス5とパルス10はフィードバック信号FBに2回伝搬している。すなわち、分周信号DIVOのパルスが、ΔTずつ遅延量を変えながら6/5の割合でフィードバック信号FBに伝搬している。これにより、基準信号REFの周波数とフィードバック信号FBの周波数が一致し、分周信号DIVOの周波数(=出力信号OUTの周波数fOUT)が基準信号REF(分周信号DIVI)の周波数(=入力信号INの周波数fIN)の5/6倍になっている。
以上に説明したように、第1実施形態の周波数変換回路によれば、分周信号DIVOに対して遅延量がΔTずつ異なるパルスが順番に選択されてフィードバック信号FBとなり、基準信号REFの位相とフィードバック信号FBの位相とが一致するようにフィードバック制御がかかることで、入力信号INを周波数変換した出力信号OUTを生成することができる。従って、第1実施形態の周波数変換回路によれば、周波数シンセサイザーやフラクショナル分周器を使用する必要がなく、かつ、この周波数変換率は、移相回路70の移相量(遅延量)を適切に設定することで任意に選択することができるので、回路規模や消費電力の増加を抑制しながら高い分解能で周波数変換を実現することができる。
1−2.第2実施形態
図6は、第2実施形態の周波数変換回路の構成例を示す図である。図6に示すように、第2実施形態の周波数変換回路1は、第1実施形態と同様に、分周器10、位相比較器20、チャージポンプ30、ループフィルター40、電圧制御発振器(VCO)50、分周器60、移相回路70、選択回路80及び制御回路90を含むPLL回路として構成されている。
分周器10、位相比較器20、チャージポンプ30、ループフィルター40、電圧制御発振器(VCO)50、分周器60、移相回路70及び選択回路80の各構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。ただし、第2実施形態の周波数変換回路1では、第1実施形態(図1)に対して、移相回路70(可変移相器72A,72B)及び選択回路80の位置が分周器60の後段から分周器10の後段に移動している。
従って、可変移相器72Aと可変移相器72Bにはともに分周器10の出力信号(分周信号DIVI)が入力され、それぞれ、設定信号SET1に応じた移相量の信号(遅延信号DLY1)と設定信号SET2に応じた移相量の信号(遅延信号DLY2)を出力する。
選択回路80は、選択信号DSELに応じて、遅延信号DLY1と遅延信号DLY2のいずれかを選択して出力し、選択回路80の出力信号は、基準信号REFとして位相比較器20に入力される。一方、分周器60の出力信号(分周信号DIVO)は、フィードバック信号FBとして位相比較器20に入力される。
また、第2実施形態の周波数変換回路1では、制御回路90の処理が第1実施形態と異なる。本実施形態では、制御回路90は、フィードバック信号FBに同期して、可変移相器72Aの移相量の設定と可変移相器72Bの移相量の設定を所定の規則に従って順次変更しながら、選択回路50に遅延信号DLY1と遅延信号DLY2を順番に選択して出力させるための選択信号DSELを生成する。本実施形態では、分周器10の出力信号(分周信号DIVI)の周波数fDIVI(=fIN×1/R)と分周器60の出力信号(分周信号DIVO(=フィードバック信号FB))の周波数fDIVO(=fOUT×1/K)との大小関係に応じて、制御回路90の処理が異なる。そのため、制御回路90にはfDIVIの情報とfDIVOの情報が入力される。なお、移相回路70の入力信号の周波数f1、選択回路80の出力信号の周波数をf2とした時、f1=fDIVI、f2=fDIVOであるから、f1とf2との大小関係はfDIVIとfDIVOとの大小関係と等価である。
図7は、第2実施形態における制御回路90の処理例を示すフローチャート図である。図7に示すように、制御回路90は、まず、入力されるfDIVIとfDIVOの情報から、分周信号DIVIの周期TDIVIと分周信号DIVO(フィードバック信号FB)の周期TDIVOを計算し、さらに、TDIVOとTDIVIとの差の絶対値ΔTを計算する(S100)。なお、移相回路70の入力信号の周波数f1、選択回路80の出力信号の周波数をf2とした時、f1=fDIVI、f2=fDIVOであるから、ΔT=|1/f2−1/f1|である。
次に、fDIVO>fDIVIの場合(S110のY)は、制御回路90はステップS120〜S127の処理を行う。図8は、fDIVO=fDIVI×6/5の場合のタイミングチャートの一例であり、以下、ステップS120〜S127の処理について図8を参照しながら説明する。なお、図8の例では、分周器10の分周比1/R及び分周器60の分周比1/Kはともに1に設定されており、周波数変換回路1の出力周波数fOUTは入力周波数fINの6/5倍となる。
まず、制御回路90は、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミングで(S120のY)、設定信号SET2をM×ΔT(Mは、TDIVO/ΔT未満の最大の整数)にセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S121)。これにより、遅延信号DLY2が分周信号DIVIに対してM×ΔT遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY1が選択される。図8の例では、ΔT=1/5×fDIVI=1/6×fDIVOであり、M=5であるので、遅延信号DLY2のパルス0は、分周信号DIVIのパルス0に対して5ΔT遅れている。
次に、制御回路90は、フィードバック信号FBの次の立ち下がりのタイミングで(S122のY)、設定信号SET1を(M−1)×ΔTにセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S123)。これにより、遅延信号DLY1が分周信号DIVIに対して(M−1)×ΔT遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY2(分周信号DIVIに対して(M−1)×ΔT遅れた信号)が選択される。図8の例では、遅延信号DLY1のパルス1は、分周信号DIVIのパルス1に対して4ΔT遅れている。また、DSELがローレベルなので、DLY2のパルス0が選択されて基準信号REFに伝搬している。
次に、制御回路90は、フィードバック信号FBの次の立ち下がりのタイミングで(S124のY)、設定信号SET2を(SET2−2ΔT+TDIVO)%TDIVO(%はモジュロ演算子)にセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S125)。これにより、遅延信号DLY2は、分周信号DIVIに対して((M−2)×ΔT+TDIVO)%TDIVO遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY1(分周信号DIVIに対して(M−1)×ΔT遅れた信号)が選択される。図8の例では、遅延信号DLY2のパルス2は、分周信号DIVIのパルス2に対して3ΔT遅れている。また、DSELがハイレベルなので、DLY1のパルス1が選択されて基準信号REFに伝搬している。
次に、制御回路90は、フィードバック信号FBの次の立ち下がりのタイミングで(S126のY)、設定信号SET1を(SET1−2ΔT+TDIVO)%TDIVOセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S127)。これにより、遅延信号DLY1は、分周信号DIVIに対して((M−3)×ΔT+TDIVO)%TDIVO遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY2(分周信号DIVIに対して((M−2)×ΔT+TDIVO)%TDIVO遅れた信号)が選択される。図8の例では、遅延信号DLY1のパルス2、パルス3は、それぞれ分周信号DIVIのパルス2、パルス3に対して2ΔT遅れている。また、DSELがローレベルなので、DLY2のパルス2が選択されて基準信号REFに伝搬している。
以降は、制御回路90は、ステップS124〜S127の処理を繰り返し行う。これにより、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミング毎に、遅延信号DLY1と分周信号DIVIとの遅延差あるいは遅延信号DLY2と分周信号DIVIとの遅延差がΔ2Tずつ減っていく(ただし、遅延差が0未満になると遅延信号DLY1又は遅延信号DLY2の遅延量を分周信号DIVIの1周期分増やす)とともに、基準信号REFとして遅
延信号DLY1と遅延信号DLY2が交互に選択される。これにより、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミング毎に、分周信号DIVIに対する遅延量がΔTずつ減っていく信号が基準信号REFに現れる。図8の例では、DLY1のパルス3(分周信号DIVIのパルス3に対して2ΔT遅れている)、DLY2のパルス4(分周信号DIVIのパルス4に対してΔT遅れている)、DLY1のパルス5(分周信号DIVIのパルス5と同じ位相)、DLY2のパルス5(分周信号DIVIのパルス5に対して5ΔT遅れている)、DLY1のパルス6(分周信号DIVIのパルス6に対して4ΔT遅れている)、・・・、DLY1のパルス13(分周信号DIVIのパルス13に対して2ΔT遅れている)が順番に選択されて基準信号REFに伝搬している。
ステップS124〜S127の処理を繰り返すことにより、図8の例では、分周信号DIVIのパルス5とパルス10は基準信号REFに2回伝搬している。すなわち、分周信号DIVIのパルスが、ΔTずつ遅延量を変えながら6/5の割合で基準信号REFに伝搬している。これにより、基準信号REFの周波数とフィードバック信号FBの周波数が一致し、フィードバック信号FB(分周信号DIVO)の周波数(=出力信号OUTの周波数fOUT)が分周信号DIVIの周波数(=入力信号INの周波数fIN)の6/5倍になっている。
一方、fDIVO≦fDIVIの場合(S110のN)は、制御回路90はステップS130〜S137の処理を行う。図9は、fDIVO=fDIVI×5/6の場合のタイミングチャートの一例であり、以下、ステップS130〜S137の処理について図9を参照しながら説明する。なお、図9の例では、分周器10の分周比1/R及び分周器60の分周比1/Kはともに1に設定されており、周波数変換回路1の出力周波数fOUTは入力周波数fINの5/6倍となる。
まず、制御回路90は、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミングで(S130のY)、設定信号SET1をΔTにセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S131)。これにより、遅延信号DLY1が分周信号DIVIに対してΔT遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY2が選択される。図9の例では、ΔT=1/6×fDIVI=1/5×fDIVOであり、遅延信号DLY1のパルス1は、分周信号DIVIのパルス1に対してΔT遅れている。
次に、制御回路90は、フィードバック信号FBの次の立ち下がりのタイミングで(S132のY)、設定信号SET2を2ΔTにセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S133)。これにより、遅延信号DLY2が分周信号DIVIに対して2ΔT遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY1(分周信号DIVIに対してΔT遅れた信号)が選択される。図9の例では、遅延信号DLY2のパルス1、パルス2は、それぞれ分周信号DIVIのパルス1、パルス2に対して2ΔT遅れている。また、DSELがハイレベルなので、DLY1のパルス1が選択されて基準信号REFに伝搬している。
次に、制御回路90は、フィードバック信号FBの次の立ち下がりのタイミングで(S134のY)、設定信号SET1を(SET1+2ΔT)%TDIVO(%はモジュロ演算子)にセットするとともに選択信号DSELをロー(L)レベルにする(S135)。これにより、遅延信号DLY1は、分周信号DIVIに対して3ΔT%TDIVO遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY2(分周信号DIVIに対して2ΔT遅れた信号)が選択される。図9の例では、遅延信号DLY1のパルス2、パルス3は、それぞれ分周信号DIVIのパルス2、パルス3に対して3ΔT遅れている。また、DSELがローレベルなので、DLY2のパルス2が選択されて基準信号REFに伝搬している。
次に、制御回路90は、フィードバック信号FBの次の立ち下がりのタイミングで(S136のY)、設定信号SET2を(SET2+2ΔT)%TDIVOにセットするとともに選択信号DSELをハイ(H)レベルにする(S137)。これにより、遅延信号DLY2は、分周信号DIVIに対して4ΔT%TDIVO遅れた信号になるとともに、基準信号REFとして遅延信号DLY1(分周信号DIVIに対して3ΔT%TDIVO遅れた信号)が選択される。図9の例では、遅延信号DLY2のパルス3、パルス4は、それぞれ分周信号DIVIのパルス3、パルス4に対して4ΔT遅れている。また、DSELがハイレベルなので、DLY1のパルス3が選択されて基準信号REFに伝搬している。
以降は、制御回路90は、ステップS134〜S137の処理を繰り返し行う。これにより、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミング毎に、遅延信号DLY1と分周信号DIVIとの遅延差あるいは遅延信号DLY2と分周信号DIVIとの遅延差がΔ2Tずつ増えていく(ただし、遅延差が分周信号DIVIの1周期以上になると遅延信号DLY1又は遅延信号DLY2の遅延量を1周期分減らす)とともに、基準信号REFとして遅延信号DLY1と遅延信号DLY2が交互に選択される。これにより、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミング毎に、分周信号DIVIに対する遅延量がΔTずつ増えていく信号が基準信号REFに現れる。図9の例では、DLY2のパルス4(分周信号DIVIのパルス4に対して4ΔT遅れている)、DLY1のパルス6(分周信号DIVIのパルス6と同じ位相)、DLY2のパルス7(分周信号DIVIのパルス7に対してΔT遅れている)、DLY1のパルス8(分周信号DIVIのパルス8に対して2ΔT遅れている)、・・・、DLY1のパルス15(分周信号DIVIのパルス15に対して3ΔT遅れている)が順番に選択されて基準信号REFに伝搬している。
ステップS134〜S137の処理を繰り返すことにより、図9の例では、分周信号DIVIのパルス5とパルス11は基準信号REFに伝搬していない。すなわち、分周信号DIVIのパルスが、ΔTずつ遅延量を変えながら5/6の割合で基準信号REFに伝搬している。これにより、基準信号REFの周波数とフィードバック信号FBの周波数が一致し、フィードバック信号FB(分周信号DIVO)の周波数(=出力信号OUTの周波数fOUT)が分周信号DIVIの周波数(=入力信号INの周波数fIN)の5/6倍になっている。
以上に説明したように、第2実施形態の周波数変換回路によれば、分周信号DIVIに対して遅延量がΔTずつ異なるパルスが順番に選択されて基準信号REFとなり、基準信号REFの位相とフィードバック信号FBの位相とが一致するようにフィードバック制御がかかることで、入力信号INを周波数変換した出力信号OUTを生成することができる。従って、第2実施形態の周波数変換回路によれば、周波数シンセサイザーやフラクショナル分周器を使用する必要がなく、かつ、この周波数変換率は、移相回路70の移相量(遅延量)を適切に設定することで任意に選択することができるので、回路規模や消費電力の増加を抑制しながら高い分解能で周波数変換を実現することができる。
1−3.第3実施形態
図10は、第3実施形態の周波数変換回路の構成一例を示す図である。図10に示すように、第3実施形態の周波数変換回路1は、分周器10、位相比較器20、チャージポンプ30、ループフィルター40、電圧制御発振器(VCO)50、分周器60、移相回路70、選択回路80、制御回路90、移相回路170及び選択回路180を含むPLL回路として構成されている。
分周器10、位相比較器20、チャージポンプ30、ループフィルター40、電圧制御発振器(VCO)50、分周器60、移相回路70及び選択回路80の各構成は、第1実
施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、移相回路170及び選択回路180の構成は、それぞれ第2実施形態の移相回路70及び選択回路80と同様であるため、その説明を省略する。
第3実施形態の周波数変換回路1では、第1実施形態(図1)と同様に、分周器60の後段に移相回路70(可変移相器72A,72B)及び選択回路80が設けられているとともに、第2実施形態(図6)の移相回路70及び選択回路80と同様に、分周器10の後段に移相回路170(可変移相器172A,172B)及び選択回路180が設けられている。
従って、移相回路70及び選択回路80は、第1実施形態の移相回路70及び選択回路80と同様の動作を行ってフィードバック信号FBを生成し、移相回路170及び選択回路180は、第2実施形態の移相回路70及び選択回路80と同様の動作を行って基準信号REFを生成する。
ただし、第3実施形態の周波数変換回路1では、制御回路90の処理が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。本実施形態では、制御回路90は、分周器60の出力信号(分周信号DIVO)の周波数fDIVO(=fOUT×1/K)が分周器10の出力信号(分周信号DIVI)の周波数fDIVI(=fIN×1/R)よりも高い時は、基準信号REFが分周信号DIVIと同じ位相になるように、設定信号SET1_REF,SET2_REFにより、可変移相器172A,172Bの各移相量を0に設定するとともに、設定信号SET1_FB,SET2_FB及び選択信号DSEL_FBを第1実施形態の設定信号SET1,SET2及び選択信号DSELと同じ規則で変更する。
一方、fDIVOがfDIVIよりも低い時は、制御回路90は、フィードバック信号FBが分周信号DIVOと同じ位相になるように、設定信号SET1_FB,SET2_FBにより、可変移相器72A,72Bの各移相量を0に設定するとともに、設定信号SET1_REF,SET2_REF及び選択信号DSEL_REFを第2実施形態の設定信号SET1,SET2及び選択信号DSELと同じ規則で変更する。
この制御回路90の制御により、本実施形態の周波数変換回路1は、fDIVOがfDIVIよりも高い時は第1実施形態の周波数変換回路1と同様の動作を行い、fDIVOがfDIVIよりも低い時は第2実施形態の周波数変換回路1と同様の動作を行う。
図11は、第3実施形態における制御回路90の処理例を示すフローチャート図である。図11に示すように、制御回路90は、まず、入力されるfDIVIとfDIVOの情報から、分周信号DIVIの周期TDIVIと分周信号DIVOの周期TDIVOを計算し、さらに、TDIVOとTDIVIとの差の絶対値ΔTを計算する(S200)。
次に、fDIVO>fDIVIの場合(S210のY)は、制御回路90はステップS220〜S228の処理を行う。
まず、制御回路90は、設定信号SET1_REF及びSET2_REFを0にセットするとともに選択信号DSEL_REFをハイ(H)レベルに設定する(S220)。ただし、制御回路90は、選択信号DSEL_REFをロー(L)レベルに設定してもよい。これにより、可変移相器172Aの出力信号(遅延信号DLY1_REF)及び可変移相器172Bの出力信号(遅延信号DLY2_REF)が、ともに分周信号DIVIと同じ位相の信号になり、その結果、基準信号REFが分周信号DIVIと同じ位相の信号になる。
そして、制御回路90は、基準信号REFの立ち下がりに同期して、第1実施形態のステップS30〜S33の処理と同様にステップS221〜S224の処理を行った後、第1実施形態のステップS34〜S37と同様にステップS225〜S228の処理を繰り返し行い、設定信号SET1_FB,SET2_FB及び選択信号DSEL_FBを順次変更する。これにより、基準信号REFの立ち下がりのタイミング毎に、分周信号DIVOに対する遅延量がΔTずつ増えていく信号がフィードバック信号FBに現れる。
図12は、fDIVO=fDIVI×6/5の場合のタイミングチャートの一例である。なお、図12の例では、分周器10の分周比1/R及び分周器60の分周比1/Kはともに1に設定されており、周波数変換回路1の出力周波数fOUTは入力周波数fINの6/5倍となる。図12の例では、DLY1_FBのパルス1(分周信号DIVOのパルス1に対してΔT遅れている)、DLY2_FBのパルス2(分周信号DIVOのパルス2に対して2ΔT遅れている)、DLY1_FBのパルス3(分周信号DIVOのパルス3に対して3ΔT遅れている)、DLY2_FBのパルス4(分周信号DIVOのパルス4に対して4ΔT遅れている)、DLY1_FBのパルス6(分周信号DIVOのパルス6と同じ位相)、・・・、DLY1_FBのパルス15(分周信号DIVOのパルス15に対して3ΔT遅れている)が順番に選択されてフィードバック信号FBに伝搬している。ステップS225〜S228の処理を繰り返すことにより、図12の例では、分周信号DIVOのパルス5とパルス11はフィードバック信号FBに伝搬していない。すなわち、分周信号DIVOのパルスが、ΔTずつ遅延量を変えながら5/6の割合でフィードバック信号FBに伝搬している。これにより、基準信号REFの周波数とフィードバック信号FBの周波数が一致し、分周信号DIVOの周波数(=出力信号OUTの周波数fOUT)が基準信号REF(分周信号DIVI)の周波数(=入力信号INの周波数fIN)の6/5倍になっている。
一方、fDIVO≦fDIVIの場合(S210のN)は、制御回路90はステップS230〜S238の処理を行う。
まず、制御回路90は、設定信号SET1_FB及びSET2_FBを0にセットするとともに選択信号DSEL_FBをハイ(H)レベルに設定する(S230)。ただし、制御回路90は、選択信号DSEL_FBをロー(L)レベルに設定してもよい。これにより、可変移相器72Aの出力信号(遅延信号DLY1_FB)及び可変移相器72Bの出力信号(遅延信号DLY2_FB)が、ともに分周信号DIVOと同じ位相の信号になり、その結果、フィードバック信号FBが分周信号DIVOと同じ位相の信号になる。
そして、制御回路90は、フィードバック信号FBの立ち下がりに同期して、第2実施形態のステップS130〜S133の処理と同様にステップS231〜S234の処理を行った後、第2実施形態のステップS134〜S137と同様にステップS235〜S238の処理を繰り返し行い、設定信号SET1_REF,SET2_REF及び選択信号DSEL_REFを順次変更する。これにより、フィードバック信号FBの立ち下がりのタイミング毎に、分周信号DIVIに対する遅延量がΔTずつ減っていく信号が基準信号REFに現れる。
図13は、fDIVO=fDIVI×5/6の場合のタイミングチャートの一例である。なお、図13の例では、分周器10の分周比1/R及び分周器60の分周比1/Kはともに1に設定されており、周波数変換回路1の出力周波数fOUTは入力周波数fINの5/6倍となる。図13の例では、DLY1_REFのパルス1(分周信号DIVIのパルス1に対してΔT遅れている)、DLY2_REFのパルス2(分周信号DIVIのパルス2に対して2ΔT遅れている)、DLY1_REFのパルス3(分周信号DIVIのパルス3に対して3ΔT遅れている)、DLY2_REFのパルス4(分周信号DIVIのパルス4に
対して4ΔT遅れている)、DLY1_REFのパルス6(分周信号DIVIのパルス6と同じ位相)、・・・、DLY1_REFのパルス15(分周信号DIVIのパルス15に対して3ΔT遅れている)が順番に選択されて基準信号REFに伝搬している。ステップS235〜S238の処理を繰り返すことにより、図13の例では、分周信号DIVIのパルス5とパルス11は準信号REFに伝搬していない。すなわち、分周信号DIVIのパルスが、ΔTずつ遅延量を変えながら5/6の割合で準信号REFに伝搬している。これにより、基準信号REFの周波数とフィードバック信号FBの周波数が一致し、分周信号DIVOの周波数(=出力信号OUTの周波数fOUT)が基準信号REF(分周信号DIVI)の周波数(=入力信号INの周波数fIN)の5/6倍になっている。
以上に説明したように、第3実施形態の周波数変換回路によれば、分周信号DIVIの周波数と分周信号DIVOの周波数の大小関係に応じて、分周信号DIVOに対して遅延量がΔTずつ異なるパルスが順番に選択されてフィードバック信号FBとなり、あるいは、これと排他的に、分周信号DIVIに対して遅延量がΔTずつ異なるパルスが順番に選択されて基準信号REFとなり、基準信号REFの位相とフィードバック信号FBの位相とが一致するようにフィードバック制御がかかることで、入力信号INを周波数変換した出力信号OUTを生成することができる。従って、第3実施形態の周波数変換回路によれば、周波数シンセサイザーやフラクショナル分周器を使用する必要がなく、かつ、この周波数変換率は、移相回路70や移相回路170の移相量(遅延量)を適切に設定することで任意に選択することができるので、回路規模や消費電力の増加を抑制しながら高い分解能で周波数変換を実現することができる。
2.原子発振器
2−1.第1実施形態
アルカリ金属原子の一種であるセシウム原子は、図14に示すように、6S1/2の基底準位と、6P1/2、6P3/2の2つの励起準位とを有することが知られている。さらに、6S1/2、6P1/2、6P3/2の各準位は、複数のエネルギー準位に分裂した超微細構造を有している。具体的には、6S1/2はF=3,4の2つの基底準位を持ち、6P1/2はF=3,4の2つの励起準位を持ち、6P3/2はF=2,3,4,5の4つの励起準位を持っている。
例えば、6S1/2のF=3の基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF=2,3,4のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F=5の励起準位に遷移することはできない。6S1/2のF=4の基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF=3,4,5のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F=2の励起準位に遷移することはできない。これらは、電気双極子遷移を仮定した場合の遷移選択則による。逆に、6P3/2のF=3,4のいずれかの励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して6S1/2のF=3又はF=4の基底準位(元の基底準位又は他方の基底準位のいずれか)に遷移することができる。ここで、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P3/2のF=3,4のいずれかの励起準位からなる3準位(2つの基底準位と1つの励起準位からなる)は、D2線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であることからΛ型3準位と呼ばれる。同様に、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P1/2のF=3,4のいずれかの励起準位からなる3準位は、D1線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であるからΛ型3準位を形成する。なお、セシウム原子以外のルビジウム等のアルカリ金属原子も、同様に、Λ型3準位を形成する2つの基底準位と励起準位を有することが知られている。
ところで、気体状のアルカリ金属原子に、Λ型3準位を形成する第1の基底準位(セシウム原子の場合、6S1/2のF=3の基底準位)と励起準位(セシウム原子の場合、例えば6P3/2のF=4の励起準位)とのエネルギー差に相当する周波数(振動数)を有する
共鳴光(共鳴光1とする)と、第2の基底準位(セシウム原子の場合、6S1/2のF=4の基底準位)と励起準位とのエネルギー差に相当する周波数(振動数)を有する共鳴光(共鳴光2とする)とを同時に照射すると、2つの基底準位の重ね合わせ状態、即ち量子コヒーレンス状態(暗状態)になり、励起準位への励起が停止する電磁誘起透過(EIT)現象(CPTと呼ばれることもある)が起こることが知られている。このEIT現象を起こす共鳴光対(共鳴光1と共鳴光2)の周波数差はアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差ΔE12に相当する周波数(共鳴周波数)と正確に一致する。例えば、セシウム原子の場合、共鳴周波数は9.192631770GHzであるので、セシウム原子に、周波数差が9.192631770GHzの2種類のD1線又はD2線のレーザー光を同時に照射すると、EIT現象が起こる。
従って、図15に示すように、周波数がf1の光と周波数がf2の光を気体状のアルカリ金属原子が封入されている原子セル(ガスセル)に同時に照射したとき、この2光波が共鳴光対となってアルカリ金属原子の各々がEIT現象を起こすか否かで原子セルを透過する光の強度が急峻に変化する。この急峻に変化する透過光の強度を示す信号はEIT信号(共鳴信号)と呼ばれ、共鳴光対の周波数差f1−f2がΔE12に相当する周波数(共鳴周波数)f12と正確に一致するときにEIT信号のレベルがピーク値を示す。そこで、アルカリ金属原子のEIT現象を利用し、原子セルに2光波を照射して光検出器によりEIT信号のピークトップを検出するように、すなわち、2光波の周波数差f1−f2がΔE12に相当する周波数(共鳴周波数)f12と正確に一致するように制御することで、高精度な発振器を実現することができる。
図16は、アルカリ金属原子のEIT現象を利用した第1実施形態の原子発振器の構成例を示す図である。図16に示すように、第1実施形態の原子発振器200は、駆動回路210、半導体レーザー220、ガスセル230、光検出器240、検波回路250、変調回路252、低周波発振器254、検波回路260、変調回路262、低周波発振器264、電圧制御水晶発振器(VCXO)270、PLL回路280、周波数変換回路290及びメモリー300を含んで構成されている。なお、本実施形態の原子発振器は、適宜、図16の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
ガスセル(原子セル)230は、ガラス等の透明部材でできた容器中に気体状のアルカリ金属原子(ナトリウム(Na)原子、ルビジウム(Rb)原子、セシウム(Cs)原子等)が封入されたものである。
半導体レーザー220は、ガスセル230に含まれるアルカリ金属原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対となる2光波を含む光を発生させる。半導体レーザー220としては、端面発光レーザー(Edge Emitting Laser)や、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の面発光レーザーなどを用いることができる。半導体レーザー220が発生させた光は、ガスセル230に入射する。
光検出器240は、ガスセル230を透過した光が入射し、入射した光の強度に応じた検出信号を出力する。光検出器240は、例えば、受光した光の強度に応じた検出信号を出力するフォトダイオード(PD:Photo Diode)を用いて実現することができる。光検出器240の出力信号は検波回路250と検波回路260に入力される。
検波回路250は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器254の発振信号を用いて光検出器240の出力信号を同期検波する。変調回路252は、検波回路250による同期検波を可能とするために、低周波発振器254の発振信号(検波回路250に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として検波回路250の出力信号
を変調して駆動回路210に出力する。変調回路252は、周波数混合器(ミキサー)、周波数変調(FM:Frequency Modulation)回路、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)回路等により実現することができる。
検波回路260は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器264の発振信号を用いて光検出器240の出力信号を同期検波する。そして、検波回路260の出力信号の大きさに応じて、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の発振周波数が微調整される。電圧制御水晶発振器(VCXO)270は、例えば、数MHz〜数10MHz程度で発振する。
変調回路262は、検波回路260による同期検波を可能とするために、低周波発振器264の発振信号(検波回路260に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として電圧制御水晶発振器(VCXO)270の出力信号を変調する。変調回路262は、周波数混合器(ミキサー)、周波数変調(FM)回路、振幅変調(AM)回路等により実現することができる。
PLL回路280は、一定の周波数変換率で変調回路262の出力信号を周波数変換して駆動回路210に出力する。
駆動回路210は、半導体レーザー220のバイアス電流を設定するとともに、変調回路252の出力信号に応じて当該バイアス電流を微調整して半導体レーザー220に供給する。すなわち、半導体レーザー220、ガスセル230、光検出器240、検波回路250、変調回路252、駆動回路210を通るフィードバックループ(第1のフィードバックループ)により、半導体レーザー220が発生させる光の中心波長λ0(中心周波数f0)が微調整される。具体的には、第1のフィードバックループにより、ガスセル230に封入されているアルカリ金属原子の励起準位と一方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ1(=v/f1:vは光の速度)、励起準位と他方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ2(=v/f2)に対して、半導体レーザー220の出射光の中心波長λ0(=v/f0)が(λ1+λ2)/2とほぼ一致する(中心周波数f0が(f1+f2)/2とほぼ一致する)ようにフィードバック制御がかかる。
駆動回路210は、さらに、バイアス電流に、PLL回路280の出力周波数成分(変調周波数fm)の電流(変調電流)を重畳して半導体レーザー220に供給する。この変調電流により、半導体レーザー220に周波数変調がかかり、中心周波数f0の光とともに、その両側にそれぞれ周波数がfmだけずれた周波数f0±fm、f0±2fm、・・・の光を発生させる。そして、半導体レーザー220、ガスセル230、光検出器240、検波回路260、電圧制御水晶発振器(VCXO)270、変調回路262、PLL回路280、駆動回路210を通るフィードバックループ(第2のフィードバックループ)により、周波数f0+fmの光と周波数f0−fmの光がガスセル110に封入されているアルカリ金属原子にEIT現象を発生させる共鳴光対となるように、すなわち、PLL回路280の出力周波数fmがΔE12に相当する周波数(共鳴周波数)f12の1/2に正確に一致するように微調整される。例えば、アルカリ金属原子がセシウム原子であれば、共鳴周波数f12が9.192631770GHzなので、PLL回路280の出力周波数fmが4.596315885GHzと一致した状態で安定する。図17に、半導体レーザー220の出射光の周波数スペクトラムの一例を示す。図17において、横軸は光の周波数であり、縦軸は光の強度である。
周波数変換回路290は、例えば、前述した実施形態のいずれかの周波数変換回路1であり、メモリー300に記憶されている情報(fDIVI,fDIVO)に応じた周波数変換率で電圧制御水晶発振器(VCXO)270の出力信号を周波数変換する。本実施形態では、
周波数変換回路290の出力信号が原子発振器200の出力信号となっている。
メモリー300は、不揮発性のメモリーであり、周波数変換回路380に含まれる2つの分周信号DIVI,DIVOの各周波数fDIVI,fDIVOの情報が記憶されている。
本実施形態の原子発振器によれば、所望の出力周波数F(例えば10MHz)に対して、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の発振周波数がわずかにずれたF+ΔFであったとしても、fDIVI,fDIVOを適切に設定して周波数変換回路290の周波数変換率をF/(F+ΔF)にすることにより、出力周波数を所望の周波数Fに正確に一致させることができる。従って、周波数精度の高い原子発振器を実現することができる。
2−1.第2実施形態
EIT現象を利用する方式以外の他の方式として、アルカリ金属原子を封入した原子セルに、励起準位と一方の基底準位とのエネルギー差に相当する周波数の励起光を照射するとともに、原子セルを収容した空洞共振器にアルカリ金属原子の共鳴周波数と一致するマイクロ波を印加することで生じる光マイクロ2重共鳴現象を利用するものが知られている。
例えば、通常の熱平衡状態ではセシウム原子は6S1/2,F=3の基底準位と6S1/2,F=4の基底準位に等しい確率で存在している。この状態で、例えば、6P3/2,F=3の励起準位と6S1/2,F=3の基底準位とのエネルギー差に相当する周波数の励起光がセシウム原子に照射されると、6P3/2,F=3の基底準位のセシウム原子のみが励起光を吸収して光ポンピングされ、6P3/2,F=3の励起準位へ励起される 。しかし、この励起準位は不安定なエネルギー準位であるので、自然放出によって6S1/2,F=3の基底準位と6S1/2,F=4の基底準位に等しい確率で遷移する。このように、6S1/2,F=3の基底準位のセシウム原子の光ポンピングによる6P3/2,F=3の励起準位への励起と、自然放出による6P3/2,F=3の励起準位から6S1/2,F=3の基底準位あるいは6S1/2,F=4の基底準位への等確率での遷移が繰り返される。これによって、セシウム原子は6S1/2,F=4の基底準位にのみ存在する状態となる。この状態で、セシウム原子の共鳴周波数(9.192631770GHz)と一致するマイクロ波によって空洞共振器が励振されると、6S1/2,F=4の基底準位にあるセシウム原子は誘導放出によって6S1/2,F=3の基底準位に遷移する。
一方、前述の光ポンピングのときに、セシウム原子は励起光のエネルギーを吸収するので、原子セルを透過する光の強度が低下する。そして、セシウムルビジウム原子が誘導放出によって6S1/2,F=4の基底準位から6S1/2,F=3の基底準位に遷移する確率は、マイクロ波の周波数がセシウム原子の共鳴周波数に一致した時に最大になり、マイクロ波の周波数と共鳴周波数との差が大きくなる程低下する。この現象は、光マイクロ2重共鳴現象と呼ばれ、セシウム原子以外のルビジウム等のアルカリ金属原子についても、同様の現象が生じる。
従って、図18に示すように、空洞共振器をマイクロ波によって励振したとき、原子セル(ガスセル)に封入されているアルカリ金属原子の各々が光マイクロ2重共鳴現象を起こすか否かで原子セルを透過する光の強度が急峻に変化する。そこで、アルカリ金属原子の光マイクロ2重共鳴現象を利用し、原子セルに励起光を照射するとともに空洞共振器をマイクロ波で励振し、光検出器の検出強度が極小となるように、すなわち、マイクロ波の周波数が共鳴周波数ΔE12に相当する周波数(共鳴周波数)f12と正確に一致するように制御することで、高精度な発振器を実現することができる。
図19は、アルカリ金属原子の光マイクロ2重共鳴現象を利用した第2実施形態の原子
発振器の構成例を示す図である。図19に示すように、第2実施形態の原子発振器200は、ランプ励振部310、ランプ320、マイクロ波共振器330、ガスセル332、放射用アンテナ334、光検出器340、検波回路350、変調回路352、低周波発振器354、電圧制御水晶発振器(VCXO)360、PLL回路370、周波数変換回路380及びメモリー390を含んで構成されている。なお、本実施形態の原子発振器は、適宜、図19の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
ガスセル(原子セル)332は、ガラス等の透明部材でできた容器中に気体状のアルカリ金属原子(ナトリウム(Na)原子、ルビジウム(Rb)原子、セシウム(Cs)原子等)が封入されたものである。ガスセル332は、マイクロ波共振器330に収容されている。
マイクロ波共振器(空洞共振器)330は、放射用アンテナ334から放射されるマイクロ波の周波数で励振する。
ランプ320は、ランプ励振部310によって点灯し、ガスセル332に封入されているアルカリ金属原子を励起するための共鳴光を発生させる。具体的には、ランプ320は、ガスセル332に封入されているアルカリ金属原子の励起準位と一方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ1の光を発生させる。例えば、ガスセル332にルビジウム(Rb)原子が封入されている場合はランプ320としてルビジウムランプが用いられる。
光検出器340は、ガスセル332を透過した光が入射し、入射した光の強度に応じた検出信号を出力する。光検出器340は、例えば、受光した光の強度に応じた検出信号を出力するフォトダイオード(PD)を用いて実現することができる。光検出器340の出力信号は検波回路350に入力される。
検波回路350は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器354の発振信号を用いて光検出器340の出力信号を同期検波する。そして、検波回路350の出力信号の大きさに応じて、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の発振周波数が微調整される。電圧制御水晶発振器(VCXO)360は、例えば、数MHz〜数10MHz程度で発振する。
変調回路352は、検波回路350による同期検波を可能とするために、低周波発振器354の発振信号(検波回路350に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として電圧制御水晶発振器(VCXO)360の出力信号を変調する。変調回路352は、周波数混合器(ミキサー)、周波数変調(FM)回路、振幅変調(AM)回路等により実現することができる。
PLL回路370は、一定の周波数変換率で変調回路352の出力信号を周波数変換して放射用アンテナ334に出力する。
放射用アンテナ334は、PLL回路370の出力周波数に応じたマイクロ波を放射する。
そして、ガスセル332、光検出器340、検波回路350、電圧制御水晶発振器(VCXO)360、変調回路352、PLL回路370、放射用アンテナ334を通るフィードバックループにより、マイクロ波共振器330が、ガスセル332に封入されているアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差ΔE12に相当する周波数(共鳴周波数
)f12で励振するように微調整される。例えば、アルカリ金属原子がルビジウム原子であれば、共鳴周波数f12が6.8346826128GHzなので、PLL回路370の出力周波数が6.8346826128GHzと一致した状態で安定する。
周波数変換回路380は、例えば、前述した実施形態のいずれかの周波数変換回路1であり、メモリー390に記憶されている情報(fDIVI,fDIVO)に応じた周波数変換率で電圧制御水晶発振器(VCXO)360の出力信号を周波数変換する。本実施形態では、周波数変換回路380の出力信号が原子発振器200の出力信号となっている。
メモリー390は、不揮発性のメモリーであり、周波数変換回路380に含まれる2つの分周信号DIVI,DIVOの各周波数fDIVI,fDIVOの情報が記憶されている。
本実施形態の原子発振器によれば、所望の出力周波数F(例えば10MHz)に対して、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の発振周波数がわずかにずれたF+ΔFであったとしても、fDIVI,fDIVOを適切に設定して周波数変換回路380の周波数変換率をF/(F+ΔF)にすることにより、出力周波数を所望の周波数Fに正確に一致させることができる。従って、周波数精度の高い原子発振器を実現することができる。
3.電子機器
図20は、本実施形態の電子機器の機能ブロック図である。本実施形態の電子機器400は、クロック生成部410、MPU(Micro Processing Unit)420、操作部430、ROM(Read Only Memory)440、RAM(Random Access Memory)450、通信部460、表示部470、音出力部480を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、図20の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
クロック生成部410は、原子発振器412の発振信号を原振クロックとして、各種のクロック信号を生成する。原子発振器412は、例えば、前述した原子発振器200である。
MPU420は、ROM440等に記憶されているプログラムに従い、クロック生成部410が生成する各種のクロック信号を用いて各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、MPU420は、操作部430からの操作信号に応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部460を制御する処理、表示部470に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理、音出力部480に各種の音を出力させる処理等を行う。
操作部430は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をMPU420に出力する。
ROM440は、MPU420が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM450は、MPU420の作業領域として用いられ、ROM440から読み出されたプログラムやデータ、操作部430から入力されたデータ、CPU420が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部460は、CPU420と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部470は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であ
り、MPU420から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
音出力部480は、スピーカー等の音を出力する装置である。
原子発振器412として本実施形態の原子発振器200を組み込むことにより、信頼性の高い電子機器をより従来よりも低コストで実現することができる。
図21に、本実施形態の電子機器の一例として原子発振器を搭載した電子機器(携帯端末)の模式図を示す。図21において、携帯端末500(PHS、スマートフォンを含む)(電子機器400の一例)は、複数の操作ボタン502(操作部430の一例)、受話口504及び送話口506を備え、操作ボタン502と受話口504との間には表示部508(表示部470の一例)が配置されている。最近では、このような携帯端末500においてもGPS機能を備えている。そこで、携帯端末500には、GPS回路のクロック源として本実施形態の原子発振器が内蔵されている。
本実施形態の電子機器としては、この他にも種々の電子機器が考えられ、例えば、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、携帯電話機などの移動体端末、ディジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
4.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
[変形例1]
第3実施形態の周波数変換回路において、制御回路90が、fDIVO>fDIVIの時は、フィードバック信号FBが分周信号DIVOと同じ位相になるように、図11のステップS220に代えて、設定信号SET1_FB,SET2_FBにより、可変移相器172A,172Bの各移相量を0に設定するとともに、図11のステップS221〜S228に代えて、設定信号SET1_REF,SET2_REF及び選択信号DSEL_REFを第2実施形態の設定信号SET1,SET2及び選択信号DSELと同じ規則で変更する(図7のステップS120〜S127と同様の処理を行う)ように変形してもよい。
同様に、第3実施形態の周波数変換回路において、制御回路90が、fDIVO≦fDIVIの時は、基準信号REFが分周信号DIVIと同じ位相になるように、図11のステップS230に代えて、設定信号SET1_REF,SET2_REFにより、可変移相器172A,172Bの各移相量を0に設定するとともに、図11のステップS231〜S238に代えて、設定信号SET1_FB,SET2_FB及び選択信号DSEL_FBを第1実施形態の設定信号SET1,SET2及び選択信号DSELと同じ規則で変更する(図3のステップS40〜S47と同様の処理を行う)ように変形してもよい。
[変形例2]
第3実施形態の周波数変換回路において、制御回路90は、fDIVO>fDIVIの時は、移相回路170の動作を停止させるとともに、移相回路170及び選択回路180をバイパスして分周器10の出力信号(分周信号DIVI)を基準信号REFとしてもよい。
同様に、第3実施形態の周波数変換回路において、制御回路90は、fDIVO≦fDIVIの時は、移相回路70の動作を停止させるとともに、移相回路70及び選択回路80をバイパスして分周器60の出力信号(分周信号DIVO)をフィードバック信号FBとしてもよい。
これらのようにすれば、fDIVOとfDIVIの大小関係に応じて、移相回路70と移相回路170のいずれかが動作を停止するので、消費電流を削減することができる。
[変形例3]
図22に示すように、第1実施形態の原子発振器において、周波数変換回路290を第2のフィードバックループ内に設けてもよい。図22の例では、電圧制御水晶発振器(VCXO)270と変調回路262の間に周波数変換回路290が設けられ、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の出力信号が原子発振器200の出力信号となっている。第2のフィードバックループによりPLL回路280の出力周波数が原子の共鳴周波数f12の1/2に正確に一致するように制御がかかるので、PLL回路280の設定分解能の限界によってPLL回路280の入力周波数は原子発振器200の所望の周波数F(例えば10MHz)からわずかにずれたF+ΔFで安定する。本変形例の原子発振器では、fDIVI,fDIVOを適切に設定することにより、周波数変換回路290の周波数変換率を(F+ΔF)/Fにすることができるので、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の発振周波数を所望の出力周波数F(例えば10MHz)に正確に一致させることができる。従って、周波数精度の高い原子発振器を実現することができる。
同様に、図23に示すように、第2実施形態の原子発振器において、周波数変換回路380をフィードバックループ内に設けてもよい。図23の例では、電圧制御水晶発振器(VCXO)360と変調回路352の間に周波数変換回路380が設けられ、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の出力信号が原子発振器200の出力信号となっている。フィードバックループによりPLL回路370の出力周波数が原子の共鳴周波数f12に正確に一致するように制御がかかるので、PLL回路370の設定分解能の限界によってPLL回路370の入力周波数は原子発振器200の所望の周波数F(例えば10MHz)からわずかにずれたF+ΔFで安定する。本変形例の原子発振器では、fDIVI,fDIVOを適切に設定することにより、周波数変換回路380の周波数変換率を(F+ΔF)/Fにすることができるので、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の発振周波数を所望の出力周波数F(例えば10MHz)に正確に一致させることができる。従って、周波数精度の高い原子発振器を実現することができる。
[変形例4]
図24に示すように、第1実施形態の原子発振器において、PLL回路280を周波数変換回路290に置き換えてもよい。図24の例では、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の出力信号が原子発振器200の出力信号となっている。第2のフィードバックループにより周波数変換回路290の出力周波数が原子の共鳴周波数f12の1/2に正確に一致するように制御がかかるので、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の発振周波数を所望の周波数F(例えば10MHz)に一致させるためには周波数変換回路290の周波数変換率はf12/(2F)でなければいけない。本変形例の原子発振器では、fDIVI,fDIVOを適切に設定することにより、周波数変換回路290の周波数変換率をf12/(2F)にすることができるので、電圧制御水晶発振器(VCXO)270の発振周波数を所
望の出力周波数F(例えば10MHz)に正確に一致させることができる。従って、周波数精度の高い原子発振器を実現することができる。
同様に、図25に示すように、第2実施形態の原子発振器において、PLL回路370を周波数変換回路380に置き換えてもよい。図25の例では、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の出力信号が原子発振器200の出力信号となっている。フィードバックループにより周波数変換回路380の出力周波数が原子の共鳴周波数f12に正確に一致するように制御がかかるので、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の発振周波数を所望の周波数F(例えば10MHz)に一致させるためには周波数変換回路290の周波数変換率はf12/Fでなければいけない。本変形例の原子発振器では、fDIVI,fDIVOを適切に設定することにより、周波数変換回路380の周波数変換率をf12/Fにすることができるので、電圧制御水晶発振器(VCXO)360の発振周波数を所望の出力周波数F(例えば10MHz)に正確に一致させることができる。従って、周波数精度の高い原子発振器を実現することができる。
5.応用例
本実施形態又は変形例の原子発振器の構成は、共鳴光によって原子に量子干渉状態を生じさせる様々な量子干渉装置に応用することができる。
[応用例1]
例えば、本実施形態又は変形例の原子発振器において、ガスセル230又はガスセル332の周辺の磁場の変化に追従して電圧制御水晶発振器(VCXO)270又は電圧制御水晶発振器(VCXO)360の発振周波数が変化する。従って、ガスセル230又はガスセル332の近傍に磁気測定対象物を配置することで磁気センサー(量子干渉装置の一例)を実現することができる。
[応用例2]
また、例えば、本実施形態又は変形例の原子発振器と同様の構成により、極めて安定した金属原子の量子干渉状態(量子コヒーレンス状態)を作り出すことができるので、ガスセル230又はガスセル332に入射する共鳴光対を取り出すことで、量子コンピュータ、量子メモリー、量子暗号システム等の量子情報機器に用いる光源(量子干渉装置の一例)を実現することもできる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 周波数変換回路、10 分周器、20 位相比較器、30 チャージポンプ、40 ループフィルター、50 電圧制御発振器(VCO)、60 分周器、70 移相回路、72A 可変移相器、72B 可変移相器、74 移相器、76 移相器、78 矩形波生成回路、80 選択回路、90 制御回路、170 移相回路、172A 可変移相器、172B 可変移相器、180 選択回路、200 原子発振器、210 駆動回路、220 半導体レーザー、230 ガスセル(原子セル)、240 光検出器、250
検波回路、252 変調回路、254 低周波発振器、260 検波回路、262 変調回路、264 低周波発振器、270 電圧制御水晶発振器(VCXO)、280 PLL回路、290 周波数変換回路、300 メモリー、310 ランプ励振部、320 ランプ、330 マイクロ波共振器(空洞共振器)、332 ガスセル(原子セル)、334 放射用アンテナ、340 光検出器、350 検波回路、352 変調回路、354 低周波発振器、360 電圧制御水晶発振器(VCXO)、370 PLL回路、380 周波数変換回路、390 メモリー、400 電子機器、410 クロック生成部、412 原子発振器、420 MPU、430 操作部、440 ROM、450 RAM、460 通信部、470 表示部、480 音出力部、500 携帯端末、502
操作ボタン、504 受話口、506 送話口、508 表示部

Claims (11)

  1. 第1の信号が入力され、当該第1の信号の周波数が変換された第2の信号を生成する周波数変換回路であって、
    前記第1の信号に基づく基準信号の位相と前記第2の信号に基づくフィードバック信号の位相とを比較し、位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力信号に応じた周波数で発振し、前記第2の信号を生成する発振器と、
    位相の異なる複数の信号を生成して出力する移相回路と、
    前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択し、前記フィードバック信号又は前記基準信号として出力する選択回路と、
    前記選択回路が前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御する制御回路と、を含む、周波数変換回路。
  2. 請求項1において、
    前記制御回路は、
    前記選択回路が、前記位相の異なる複数の信号の各々を、前記移相回路の入力信号との位相差が小さい順又は大きい順に選択するように制御する、周波数変換回路。
  3. 請求項1又は2において、
    前記移相回路は、
    移相量を変更可能な複数の可変移相器を含み、当該複数の可変移相器の出力信号を前記位相の異なる複数の信号として出力し、
    前記制御回路は、
    前記複数の可変移相器の各々の移相量を一定間隔で増加又は減少させる、周波数変換回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記移相回路は、
    前記第2の信号に基づいて前記位相の異なる複数の信号を生成し、
    前記選択回路は、
    前記基準信号に同期して前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記フィードバック信号として出力する、周波数変換回路。
  5. 請求項4において、
    前記移相回路の入力信号の周波数f1、前記選択回路の出力信号の周波数をf2、ΔT=|1/f1−1/f2|とした時、
    前記移相回路は、
    前記位相の異なる複数の信号として、当該移相回路の入力信号に対する遅延量がΔTずつ異なる複数の信号を生成し、
    前記選択回路は、
    2>f1の時は遅延量の小さい信号から順番に選択し、f2<f1の時は遅延量の大きい信号から順番に選択する、周波数変換回路。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記移相回路は、
    第1の信号に基づいて前記位相の異なる複数の信号を生成し、
    前記選択回路は、
    前記フィードバック信号に同期して前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記基準信号として出力する、周波数変換回路。
  7. 請求項6において、
    前記移相回路の入力信号の周波数f1、前記選択回路の出力信号の周波数をf2、ΔT=|1/f2−1/f1|とした時、
    前記移相回路は、
    前記位相の異なる複数の信号として、当該移相回路の入力信号に対する遅延量がΔTずつ異なる複数の信号を生成し、
    前記選択回路は、
    2>f1の時は遅延量の大きい信号から順番に選択し、f2<f1の時は遅延量の小さい信号から順番に選択する、周波数変換回路。
  8. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記移相回路を第1の移相回路、前記選択回路を第1の選択回路とし、
    前記第1の信号に基づいて、位相の異なる複数の信号を生成して出力する第2の移相回路と、
    前記フィードバック信号に同期して、前記第2の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記基準信号として出力する第2の選択回路と、をさらに含み、
    前記第1の移相回路は、
    前記第2の信号に基づいて前記位相の異なる複数の信号を生成し、
    前記第1の選択回路は、
    前記基準信号に同期して、前記第1の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択して前記フィードバック信号として出力し、
    前記制御回路は、
    前記第2の移相回路の入力信号の位相と前記第2の選択回路の出力信号の位相とを一致させるとともに前記第1の選択回路が前記第1の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御し、又は、前記第1の移相回路の入力信号の位相と前記第1の選択回路の出力信号の位相とを一致させるとともに前記第2の選択回路が前記第2の移相回路が生成する前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御する、周波数変換回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の周波数変換回路を含む、原子発振器。
  10. 請求項9に記載の原子発振器を備えた、電子機器。
  11. 第1の信号に基づく基準信号の位相と第2の信号に基づくフィードバック信号の位相とを比較し、位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、前記位相比較器の出力信号に応じた周波数で発振し、前記第2の信号を生成する発振器と、位相の異なる複数の信号を生成して出力する移相回路と、前記位相の異なる複数の信号の中から1つの信号を選択し、前記フィードバック信号又は前記基準信号として出力する選択回路と、を含む周波数変換回路の制御方法であって、
    前記選択回路が前記位相の異なる複数の信号の各々を順番に選択するように制御する、周波数変換回路の制御方法。
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