JP2018101886A - 量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】長期周波数安定度を向上させることができる量子干渉装置を提供すること、また、この量子干渉装置を備える原子発振器、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】アルカリ金属が封入されている原子セルと、前記アルカリ金属を励起する光を出射する光源部と、前記光源部の温度を調節する光源温度調節部と、前記原子セルを透過した光を受光し、その受光強度に応じた信号を出力する受光部と、前記受光部の出力信号に基づいて、前記原子セルを透過する前記光の量の経時的変化に応じた信号を出力する検出部と、前記検出部の出力信号に基づいて、前記光源温度調節部の駆動を制御する光源温度制御部と、を備えることを特徴とする量子干渉装置。【選択図】図1

Description

本発明は、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体に関するものである。
高い長期周波数安定度を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の原子発振器は、気体状のアルカリ金属を封入したセル(原子セル)と、セルに照射する光を出射する半導体レーザー素子と、セルを透過した光を検出する光検出器と、を備え、光検出器の検出結果に基づいて、半導体レーザーの駆動を制御する。
米国特許第6320472号明細書
特許文献1に記載の原子発振器では、経時変化により、例えば、アルカリ金属がセルの内壁に吸収されてセル内のアルカリ金属の密度が低下したり、半導体レーザー素子が劣化して半導体レーザー素子の出力が低下したりすると、それに伴って、光検出器で検出される信号強度が低下し、その結果、周波数精度を悪化させてしまうという問題がある。
本発明の目的は、長期周波数安定度を向上させることができる量子干渉装置を提供すること、また、この量子干渉装置を備える原子発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の量子干渉装置は、アルカリ金属が封入されている原子セルと、
前記アルカリ金属を励起する光を出射する光源部と、
前記光源部の温度を調節する光源温度調節部と、
前記原子セルを透過した光を受光し、その受光強度に応じた信号を出力する受光部と、
前記受光部の出力信号に基づいて、前記原子セルを透過する前記光の量の経時的変化に応じた信号を出力する検出部と、
前記検出部の出力信号に基づいて、前記光源温度調節部の駆動を制御する光源温度制御部と、を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する量子干渉装置によれば、原子セルを透過する光の量の経時的変化に応じた信号に基づいて、光源温度調節部の駆動を制御するため、原子セル内のアルカリ金属の密度および光源部の光量の少なくとも一方が経時的に低下しても、受光部の出力信号が経時的に低下するのを低減することができる。そのため、受光部の出力信号を用いて、高精度な周波数特性を長期にわたって発揮させることができる。したがって、量子干渉装置の長期周波数安定度を向上させることができる。
本発明の量子干渉装置では、前記検出部は、前記受光部の出力信号が入力される自動利得制御回路を有し、前記自動利得制御回路の増幅率に応じた信号を出力することが好まし。
これにより、比較的簡単な構成で検出部を実現可能である。
本発明の量子干渉装置では、前記原子セルの温度を調節するセル温度調節部と、
前記検出部の出力信号に基づいて、前記セル温度調節部の駆動を制御するセル温度制御部と、を備えることが好ましい。
これにより、原子セル内のアルカリ金属の密度が経時的に低下しても、受光部の出力信号が経時的に低下するのを的確に低減することができる。
本発明の量子干渉装置では、前記受光部の出力信号に基づいて、前記アルカリ金属の原子が有する2つの基底準位間の遷移周波数に応じたマイクロ波信号を生成する信号生成部と、
前記マイクロ波信号に基づく変調電流をバイアス電流に重畳した駆動電流を前記光源部に入力することにより、前記光源部を駆動する駆動回路と、を備えることが好ましい。
これにより、光源部からの光とアルカリ金属原子との相互作用により電磁誘起透過現象を生じさせることができる。そして、CPT方式の量子干渉装置(原子発振器)を実現することができる。
本発明の量子干渉装置では、前記マイクロ波信号の振幅を一定にするように増幅して出力する自動利得制御回路を備えることが好ましい。
これにより、受光部の出力信号のうちのマイクロ波信号生成のための信号成分が経時的に低下したり外乱(温度変動等)により変動したりすることも低減することができる。
本発明の量子干渉装置では、前記受光部の出力信号に基づいて、前記バイアス電流の電流値を調整するバイアス電流調整部を備えることが好ましい。
これにより、光源部からの光の中心波長をアルカリ金属の吸収波長となるように制御することができる。また、光源部の温度変化(低下)に伴って、バイアス電流を調整する(増加させる)ことができる。そのため、光源温度制御部による光源温度調節部の駆動制御に伴って、光源部の光量を一定に保つように制御することができる。
本発明の量子干渉装置では、前記信号生成部は、前記受光部の出力信号を第1周期ごとに検波した結果に基づいて、前記マイクロ波信号を生成し、
前記検出部は、前記第1周期とは異なる第2周期で前記経時的変化に応じた信号を出力することが好ましい。
これにより、信号生成部および検出部のそれぞれにおいて高精度な信号の生成が可能となる。
本発明の原子発振器は、本発明の量子干渉装置を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する原子発振器によれば、量子干渉装置の優れた効果を享受して、優れた発振特性を発揮させることができる。
本発明の電子機器は、本発明の量子干渉装置を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する電子機器によれば、量子干渉装置の優れた効果を享受して、優れた特性を発揮させることができる。
本発明の移動体は、本発明の量子干渉装置を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する移動体によれば、量子干渉装置の優れた効果を享受して、優れた特性を発揮させることができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置の一種)の概略構成を示す模式図である。 図1に示す原子発振器における各部の信号とEIT信号との関係を説明するための図(受光部の出力強度と光源部からの光の中心周波数との関係を示すグラフ)である。 図2中のAで示す範囲にバイアス調整部の出力信号の周波数帯域があるときの受光部の出力信号を説明するグラフである。 図2中のBで示す範囲に信号生成部の出力信号の周波数帯域があるときの受光部の出力信号を説明するグラフである。 光源部に用いる発光素子の光量(光源光量)の経時的変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置の一種)の概略構成を示す模式図である。 本発明の電子機器の実施形態を示す図である。 本発明の移動体の実施形態を示す図である。
以下、本発明の量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器(量子干渉装置)
まず、本発明の原子発振器(本発明の量子干渉装置を備える原子発振器)について説明する。なお、以下では、量子干渉装置の一種(一例)である原子発振器に本発明を適用した場合を例に説明するが、本発明の量子干渉装置は、原子発振器に限定されず、例えば、磁気センサー、量子メモリー等のデバイスにも適用可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置の一種)の概略構成を示す模式図である。
図1に示す原子発振器1は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象とも言う。この原子発振器1は、図1に示すように、パッケージ部10と、パッケージ部10に電気的に接続されている回路部20と、を有する。
パッケージ部10は、光を出射する光源12(光源部)と、例えばルビジウム原子やセシウム原子等のアルカリ金属原子が封入された原子セル11(ガスセル)と、光検出器13(受光部)と、ペルチェ素子14(光源温度調節部)と、ヒーター15(セル温度調節部)と、を有し、これらが、恒温槽として機能するパッケージ(図示せず)内に収納されている。なお、パッケージ部10が有するパッケージは、光源12およびペルチェ素子14を収納するパッケージ(恒温槽)と、原子セル11、光検出器13およびヒーター15を収納するパッケージ(恒温槽)とからなる2つのパッケージに分割されていてもよい。
ここで、光源12は、バイアス電流に変調電流を重畳した駆動電流により駆動される。そして、光源12は、バイアス電流の電流値に応じた中心波長の光と、その光の波長に対して両側に変調電流の周波数に応じた波長分だけずれた波長の2つのサイドバンド光(第1光および第2光)とを含む光LLを出射する。光LLは、原子セル11を通過して、光検出器13で検出される。また、ペルチェ素子14は、光源12を加熱または冷却することで、光源12の温度を調節する。ヒーター15は、原子セル11を加熱することで、原子セル11の温度を調整する。
回路部20は、増幅器21と、バイアス電流調整部22と、駆動回路23と、信号生成部24と、自動利得制御回路25(AGC:自動利得制御アンプ)と、検出部26と、温度制御部27(光源温度制御部)と、温度制御部28(セル温度制御部)と、を有し、これらがパッケージ部10のパッケージの外部に設けられている。なお、回路部20の少なくとも一部がパッケージ部10のパッケージ内に収納されていてもよい。
ここで、駆動回路23は、光源12に、バイアス電流に変調電流を重畳した駆動電流を供給する。バイアス電流調整部22は、光検出器13の検出結果に基づいて、駆動回路23のバイアス電流の電流値を調整する。信号生成部24は、光検出器13の検出結果に基づいて、原子セル11内のアルカリ金属原子の2つの基底準位間の遷移周波数に応じたマイクロ波信号を生成する。この信号生成部24は、電圧制御型水晶発振器243(VCXO)を有しており、前述した2つのサイドバンド光および原子セル11内のアルカリ金属原子によるEIT現象が生じるように、変調電流として用いるマイクロ波信号の周波数を調整するとともに、電圧制御型水晶発振器243(VCXO)の出力信号を所定の周波数で安定させ、その出力信号を原子発振器1のクロック信号として出力する。自動利得制御回路25は、信号生成部24からの変調電流(マイクロ波信号)の振幅を調整して駆動回路23に入力する。
また、温度制御部27(光源温度制御部)は、ペルチェ素子14の駆動を制御する。温度制御部28は、ヒーター15(セル温度調節部)の駆動を制御する。特に、温度制御部27(光源温度制御部)は、検出部26の出力信号に基づいて、ペルチェ素子14の駆動を制御する。検出部26は、光検出器13の出力信号に基づいて、原子セル11内のアルカリ金属の光吸収特性の経時的変化に応じた信号を出力する。
以下、原子発振器1の各部を順次説明する。
〈パッケージ部〉
図1に示すパッケージ部10は、前述したように、光源12(光源部)と、原子セル11(ガスセル)と、光検出器13(受光部)と、ペルチェ素子14(光源温度調節部)と、ヒーター15(セル温度調節部)と、を有する。
(光源部)
光源12は、バイアス電流に変調電流を重畳した駆動電流の供給を受けて、前述したような2つのサイドバンド光を互いに周波数(波長)の異なる第1光および第2光として出射する機能を有する。この光源12としては、前述した機能を有する光源であればよく、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の半導体レーザー等が挙げられる。
(原子セル)
原子セル11内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(アルカリ金属原子)が封入されている。また、原子セル11内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてガス状のアルカリ金属とともに封入されていてもよい。なお、原子セル11内には、気体状のアルカリ金属と、液体または固体状のアルカリ金属とが平衡状態を保って存在している。そして、気体状のアルカリ金属が以下のようにして電磁誘起透過現象に供される。
アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位(第1基底準位および第2基底準位)と、励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。第1基底準位は、第2基底準位よりも低いエネルギー準位である。ここで、第1基底準位と励起準位とのエネルギー差に相当する周波数ωを有する共鳴光(第1共鳴光)、および、第2基底準位と励起準位とのエネルギー差に相当する周波数ωを有する共鳴光(第2共鳴光)を、それぞれ単独でアルカリ金属原子に照射すると光吸収が起きる。これに対し、第1共鳴光および第2共鳴光(共鳴光対)を同時に照射すると、第1共鳴光および第2共鳴光の双方がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する電磁誘起透過(EIT)現象が生じる。
このEIT現象は、第1共鳴光および第2共鳴光をアルカリ金属原子に同時に照射し、第1共鳴光の周波数ωと第2共鳴光の周波数ωとの周波数差(ω−ω)が、第1基底準位と第2基底準位とのエネルギー差ΔEに相当する周波数ωに一致したときに起きる。したがって、周波数差(ω−ω)に応じて第1共鳴光および第2共鳴光のアルカリ金属原子における光吸収率(光透過率)は変化し、周波数差(ω−ω)が周波数ωに一致したときにEIT現象が起き、アルカリ金属原子を透過した第1共鳴光および第2共鳴光の強度が急峻に上昇する。このようなEIT現象に伴って発生する急峻な信号をEIT信号と呼ぶ。このEIT信号は、アルカリ金属原子の種類によって決まった固有値をもっている。それゆえ、このようなEIT信号を基準として用いることにより、高精度な発振器を構成することができる。
例えば、アルカリ金属原子がセシウム原子である場合、エネルギー差ΔEに相当する周波数ωは9.1926GHzであるので、セシウム原子に、周波数差(ω−ω)が9.1926GHzである2種類の光を同時に照射すると、EIT信号が検出される。
このような原子セル11の近傍には、例えば、通電によりアルカリ金属に磁場を印加するコイル等を有する磁場発生部(図示せず)が設けられている。この磁場発生部からの磁場によって、アルカリ金属原子の縮退している異なる複数のエネルギー準位間のギャップをゼーマン分裂により拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1の発振周波数の精度を高めることができる。
また、上述した光源12と原子セル11との間には、波長板、減光フィルター、レンズ、偏光板等の光学部品が配置されていてもよい。
(受光部)
光検出器13は、原子セル11内を透過した光(第1光および第2光)を受光して検出し、検出した光の強度に応じた検出信号を出力する機能を有する。この光検出器13としては、前述した光の強度を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)が挙げられる。
(ペルチェ素子)
ペルチェ素子14は、図示しないが、光源12に熱的に接続されており、光源12の温度を調節する機能を有する。特に、ペルチェ素子14は、供給される電流の向きにより、光源12を加熱したり冷却したりする機能を有する。これにより、環境温度の範囲が広くても、光源12を所望の温度(目標温度)に温度調節することができる。なお、ペルチェ素子14に代えてヒーターを用いてもよく、この場合、当該ヒーターにより原子セル11を加熱してもよく、ヒーター15を省略することができる。
(ヒーター)
ヒーター15は、図示しないが、例えば、前述した原子セル11上に配置されているか、または、金属等の熱伝導性部材を介して原子セル11に接続されている。このヒーター15は、例えば、発熱抵抗体を有して構成され、原子セル11(より具体的には原子セル11内のアルカリ金属)を加熱する機能を有する。これにより、原子セル11中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。
〈回路部〉
回路部20は、前述したように、増幅器21と、バイアス電流調整部22と、駆動回路23と、信号生成部24と、自動利得制御回路25(AGC:自動利得制御アンプ)と、検出部26と、温度制御部27(光源温度制御部)と、温度制御部28(セル温度制御部)と、を有する。
(増幅器)
増幅器21は、光検出器13の出力信号を増幅するとともに電圧信号に変換して出力する。増幅器21の出力信号は、バイアス電流調整部22、信号生成部24および検出部26のそれぞれに入力される。
(バイアス電流調整部)
バイアス電流調整部22は、位相検波器221と、ローパスフィルター222(LPF)と、変調回路223と、低周波発振器224と、を有する。位相検波器221は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数f1で発振する低周波発振器224の出力信号を用いてその周期で(第4周期ごとに)増幅器21の出力信号を同期検波する。位相検波器221の出力信号は、ローパスフィルター222に入力される。ローパスフィルター222は、積分回路であって、位相検波器221の出力信号の交流成分を除去した電圧信号を出力する。変調回路223は、位相検波器221による検波を可能とするために、低周波発振器224の出力信号(発振信号)を変調信号としてローパスフィルター222の出力信号を変調する。
(駆動回路)
駆動回路23は、変調回路223の出力信号に応じてバイアス電流を微調整して、光源12に供給するバイアス電流を設定する(光源12から出射する光の中心波長を設定する)。このように、光源12、原子セル11、光検出器13、位相検波器221、ローパスフィルター222、変調回路223および駆動回路23を通るフィードバックループにより、光源12が出射する光の中心波長が制御(微調整)されて安定する。ここで、バイアス電流調整部22は、駆動回路23で設定されるバイアス電流の電流値を、低周波発振器224の発振周波数に対応した周期(第4周期)ごとに調整する。この調整の周期(第4周期)は、後述する信号生成部24での検波周期(第1周期)よりも長い。なお、このフィードバックループは、アナログ処理で行ってもよいし、デジタル処理で行ってもよい。
また、駆動回路23は、前述したように微調整したバイアス電流に、後述する自動利得制御回路25からの変調電流を重畳して光源12に供給する。この変調電流により、光源12から出射される光に周波数変調がかかると、バイアス電流に応じた中心周波数の光とともに、その両側にそれぞれ変調電流の周波数ずつずれた周波数の複数組の光がサイドバンド光として発生する。
(信号生成部)
信号生成部24は、位相検波器241と、ローパスフィルター242(LPF)と、電圧制御型水晶発振器243(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillators)と、変調回路244、低周波発振器245と、位相同期回路246(PLL:phase locked loop)と、を有する。位相検波器241は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数f2で発振する低周波発振器245の出力信号を用いてその周期で(第1周期ごとに)増幅器21の出力信号を同期検波する。位相検波器241の出力信号は、ローパスフィルター242に入力される。ローパスフィルター242は、積分回路であって、位相検波器241の出力信号の交流成分を除去した電圧信号を出力する。そして、電圧制御型水晶発振器243(VCXO)は、ローパスフィルター242の出力信号の大きさに応じて、電圧制御型水晶発振器243(VCXO)の発振周波数が微調整される。電圧制御型水晶発振器243(VCXO)は、例えば、数十Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する。
変調回路244は、位相検波器241による検波を可能とするために、低周波発振器245の発振信号を変調信号として電圧制御型水晶発振器243(VCXO)の出力信号を変調する。
位相同期回路246は、一定の周波数変換率(逓倍比)で変調回路244の出力信号を変換して出力する。これにより、位相同期回路246は、変調回路244の出力を逓倍して変調電流をマイクロ波信号として生成する。例えば、位相同期回路246は、原子セル11に封入された磁気量子数m=0のアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数差の1/2(セシウム原子の場合は9.1926GHz/2=4.5963GHz)に等しい周波数の信号に変換する。なお、位相同期回路246は、変調回路244の出力信号を、原子セル11に封入された磁気量子数m=0のアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数差(セシウム原子の場合は9.1926GHz)に等しい周波数の信号に変換するようにしてもよい。
(自動利得制御回路)
自動利得制御回路25は、位相同期回路246からの信号(変調電流)の振幅が一定となるように、自動的に増幅率(利得)を調整する増幅回路(増幅器)である。すなわち、自動利得制御回路25は、位相同期回路246からの変調電流を増幅する増幅機能と、位相同期回路246からの変調電流の振幅が予め設定された一定の振幅となるように増幅機能の増幅率を調整する自動利得制御機能と、を有する。これにより、原子発振器1の設置環境(例えば、温度、磁場等)が変動しても、その変動に起因する変調電流の振幅変動を除去して、予め設定された一定振幅の変調電流を得ることができる。特に、自動利得制御回路25は、位相同期回路246からのマイクロ波信号の振幅を信号生成部24での検波周期よりも長い周期ごとに調整する。
この自動利得制御回路25は、増幅器251と、レベル検出器252と、フィルター253と、を有する。増幅器251は、位相同期回路246からの変調電流を増幅して出力する機能を有し、その増幅率がフィルター253からの信号に応じて調整される。また、増幅器251から出力される変調電流は、駆動回路23およびレベル検出器252のそれぞれに入力される。レベル検出器252は、増幅器251からの変調電流の出力レベルを所定の周期(例えば、1秒〜10000秒)で検出し、その検出結果に応じた信号を出力する。レベル検出器252からの信号は、レベル検出器252の検出周期に対応した帯域を有するフィルター253を介して増幅器251に入力される。そして、前述したように、増幅器251の増幅率がレベル検出器252からの信号に応じて調整される。なお、自動利得制御回路25の構成は、図示の構成に限定されず、例えば、レベル検出器252とフィルター253との間にバッファー回路を設けてもよい。
このような自動利得制御回路25の出力信号は、前述した自動利得制御機能により振幅の変動が低減されており、変調周波数fmの電流(変調電流)として駆動回路23に入力される。このように、光源12、原子セル11、光検出器13、位相検波器241、ローパスフィルター242、電圧制御型水晶発振器243、変調回路244、位相同期回路246、自動利得制御回路25および駆動回路23を通るフィードバックループにより、光源12が出射する1組のサイドバンド光が、アルカリ金属原子にEIT現象を発生させる共鳴光対になるように制御(微調整)される。
上述したように、EIT現象に伴って発生する急峻な信号であるEIT信号を光検出器13で検出し、そのEIT信号を基準信号として利用して、電圧制御型水晶発振器243の出力信号を所定の周波数で安定させる。そして、電圧制御型水晶発振器243の出力信号は、外部に出力される。その際、電圧制御型水晶発振器243の出力信号は、必要に応じて、例えばDDS(Direct Digital Synthesizer)等の周波数変換回路(図示せず)によって所定の周波数変換率で所望の周波数に周波数変換してもよい。
(検出部)
検出部26は、光検出器13の出力信号(本実施形態では増幅器21によって増幅された出力信号)に基づいて、原子セル11を透過する光LLの量の経時的変化に応じた信号を出力する機能を有する。この検出部26は、自動利得制御回路と同様の回路構成を有する。すなわち、図1に示すように、検出部26は、増幅器261と、レベル検出器262と、フィルター263と、を有する。ただし、この検出部26は、前述した自動利得回路25と異なり、増幅器261の出力信号を検出部26の出力信号として用いるのではなく、フィルター263の出力信号(増幅器261の増幅率に応じた信号)を検出部26の出力信号として用いる。
増幅器261は、増幅率が可変である増幅器であって、増幅器21の出力信号を増幅して出力する機能を有し、その増幅率がフィルター263からの信号に応じて調整される。また、増幅器261から出力される信号は、レベル検出器262に入力される。レベル検出器262は、増幅器261からの信号の出力レベルを所定の周期(例えば、1秒〜10000秒)で検出し、その検出結果に応じた信号を出力する。レベル検出器262からの信号は、レベル検出器262の検出周期に対応した帯域を有するフィルター263を介して増幅器261に入力される。そして、前述したように、増幅器261の増幅率がレベル検出器262からの信号に応じて調整される。ここで、前述したレベル検出器262の検出の周期およびフィルター263の帯域を適宜設定することで、増幅器261の出力信号から不要な周波数成分を除去することができ、その結果、増幅器21の出力信号の外乱(温度変動等)による短期的な振幅変動が検出部26の検出結果に与える影響を低減することが可能である。なお、検出部26の構成は、前述した機能を発揮することができれば、図示の構成に限定されず、例えば、レベル検出器262とフィルター263との間にバッファー回路を設けてもよい。
(光源温度制御部)
温度制御部27は、光源12の温度を検出する温度センサー(図示せず)の検出結果に基づいて、光源12の温度が目標温度となるように、ペルチェ素子14の駆動を制御する機能を有する。これにより、温度変動による光源12の出力変動を低減することができる。
特に、温度制御部27は、検出部26の出力信号(すなわち、増幅器261の増幅率に応じた信号)に基づいて、目標温度を調整するように構成されている。すなわち、温度制御部27は、検出部26の出力信号に基づいて、ペルチェ素子14(光源温度調節部)の駆動を制御するように構成されている。例えば、温度制御部27は、増幅器261の増幅率が所定値以上となるごとに目標温度を所定温度ずつ低くする。これにより、原子セル11内のアルカリ金属の密度および光源12の光量の少なくとも一方が経時的に低下しても、光検出器13の出力信号が経時的に低下するのを低減することができる。ここで、具体的な目標温度は、光源12の特性、原子セル11の特性等の諸条件応じて適宜設定されるものであり、特に限定されないが、例えば、30℃以上40℃以下程度の範囲またはこの範囲内の所定温度とされる。
(セル温度制御部)
温度制御部28は、原子セル11の温度を検出する温度センサー(図示せず)の検出結果に基づいて、ヒーター15の温度が目標温度(60°程度)となるように、ヒーター15の駆動を制御する機能を有する。これにより、原子セル11中のアルカリ金属を適切な濃度のガス状に維持することができる。このヒーター15は、特に限定されないが、例えば、通電により発熱する発熱抵抗体を含んで構成され、原子セル11に対して接触してまたは他の部材を介して非接触で設けられている。
以上説明したように、原子発振器1では、光検出器13の検出結果に基づいて、バイアス電流調整部22が駆動回路23のバイアス電流の電流値を調整するとともに、信号生成部24が駆動回路23の変調電流の周波数を調整する。自動利得制御回路25は、信号生成部24からの変調電流の電流値(レベル)を調整して駆動回路23に入力する。また、信号生成部24は、前述した2つのサイドバンド光および原子セル11内のアルカリ金属原子によるEIT現象が生じるように、電圧制御型水晶発振器243(VCXO)の出力信号を所定の周波数で安定させ、その出力信号を原子発振器1のクロック信号として出力する。
ここで、温度制御部27が光源12の温度がその目標温度となるようにペルチェ素子14の駆動を制御するとともに、温度制御部28が原子セル11の温度がその目標温度となるようにヒーター15の駆動を制御する。
特に、原子発振器1では、原子セル11および光源12の経時的劣化による光検出器13の出力低下を低減するべく、検出部26がその出力低下を検出し、この出力低下に相当する分を補うべく、温度制御部27が検出部26の検出結果に基づいてペルチェ素子14の駆動を制御する。これにより、原子発振器1の長期周波数安定度を向上させることができる。以下、この点について詳述する。
(長期周波数安定度の向上)
原子発振器1では、バイアス電流の電流値は、バイアス電流調整部22の低周波発振器224の発振周波数である周波数f1で変化している。このようなバイアス電流の電流値の変化に伴って、光LLの中心周波数も、周波数f1で変化している。また、変調電流(マイクロ波信号)の電流値(振幅)は、信号生成部24の低周波発振器245の発振周波数である周波数f2で変化している。このような変調電流の変化に伴って、光LLの2つのサイドバンド光の周波数も、周波数f2で変化している。
このような光LLは、原子セル11を通過し、光検出器13で検出される。ここで、光検出器13の出力信号(電流信号)には、光LLの中心周波数の光と原子セル11内のアルカリ金属との相互作用による光吸収特性が周波数f1に同期して現れるとともに、光LLの2つのサイドバンド光と原子セル11内のアルカリ金属との相互作用による光吸収特性が周波数f2に同期して現れる。そのため、前述したように、バイアス電流調整部22では、光検出器13の出力信号を周波数f1で検波し、その検波結果を用いて、バイアス電流を調整する。また、信号生成部24では、光検出器13の出力信号を周波数f2で検波し、その検波結果を用いて、マイクロ波信号を生成する。
図2は、図1に示す原子発振器における各部の信号とEIT信号との関係を説明するための図、すなわち、受光部の出力強度(出力強度)と光源部からの光の中心周波数との関係を示すグラフである。図3は、図2中のAで示す範囲にバイアス調整部の出力信号の周波数帯域があるときの受光部の出力信号(検出強度)を説明するグラフである。図4は、図2中のBで示す範囲に信号生成部の出力信号の周波数帯域があるときの受光部の出力信号(検出強度)を説明するグラフである。
光LLの中心周波数が周波数f1で変化する範囲(光LLの中心周波数の掃引範囲)が図2中に示す範囲Aであり、かつ、その範囲の中心周波数が原子セル11内のアルカリ金属の原子の吸収スペクトルのボトム(周波数f0)に一致するとき、位相検波器221の出力信号は、図3に示すように、周波数f1の2倍の周波数(周期T1)の波形となる。これに対し、光LLの中心周波数の掃引範囲の中心周波数が原子セル11内のアルカリ金属の原子の吸収スペクトルのボトムからずれると、位相検波器221の出力信号に周波数f1の周波数成分が現れ、そのずれ量が増すにしたがって、周波数f1の周波数成分が増加する。また、そのずれの方向によって、位相検波器221の出力信号の位相が180°異なる。このような位相検波器221の出力信号は、ローパスフィルター222で積分されることによって、前述したずれ量に応じた電圧値の誤差信号(以下、「第1誤差信号」という)となる。このような第1誤差信号を用いることで、光LLの中心周波数の掃引範囲の中心周波数が原子セル11内のアルカリ金属の原子の吸収スペクトルのボトムに一致した状態で安定化するように制御することができる。
また、光LLの2つのサイドバンド光の周波数差(変調電流の周波数)が周波数f2で変化する範囲(光LLの2つサイドバンド光の周波数差の掃引範囲)が図2中に示す範囲Bであり、かつ、その範囲の中心周波数が原子セル11内のアルカリ金属の原子のEITスペクトルのピーク(周波数f0)に一致するとき、位相検波器241の出力信号は、図4に示すように、周波数f2の2倍の周波数(周期T2)の波形となる。これに対し、光LLの2つのサイドバンド光の周波数差の掃引範囲の中心周波数が原子セル11内のアルカリ金属の原子のEITスペクトルのピークからずれると、位相検波器241の出力信号に周波数f2の周波数成分が現れ、そのずれ量が増すにしたがって、周波数f2の周波数成分が増加する。また、そのずれの方向によって、位相検波器241の出力信号の位相が180°異なる。このような位相検波器241の出力信号は、ローパスフィルター242で積分されることによって、前述したずれ量に応じた電圧値の誤差信号(以下、「第2誤差信号」という)となる。このような第2誤差信号を用いることで、光LLの2つのサイドバンド光の周波数差の掃引範囲の中心周波数が原子セル11内のアルカリ金属の原子のEITスペクトルのピークに一致した状態で安定化するように制御することができる。
図5は、光源部(光源12)に用いる発光素子の光量(光源光量)の経時的変化を示すグラフである。
光源12に用いる発光素子は、使用時間が長くなるに従い、劣化が進行する。そのため、発光素子に供給されるバイアス電流が一定である場合、当該発光素子の光量は、図5中に実線Cで示すように、経時的に減少し、光検出器12で検出される信号レベルの低下をもたらす。また、原子セル11内のアルカリ金属は、使用時間が長くなるに従い、原子セル11の壁面に吸収される。そのため、発光素子の光量が一定であっても、原子セル11内のアルカリ金属の原子密度が経時的に減少し、光検出器13で検出される信号レベルの低下をもたらす。
仮に光源12に供給されるバイス電流が一定であると、前述したような光源12の光量低下および原子セル11内のアルカリ金属の原子密度の低下に伴って、前述した図3に示す信号の強度I1が低下し、原子発振器1の長期周波数安定度が低下してしまう。
そこで、原子発振器1では、前述したように、原子セル11および光源12の経時的劣化による光検出器13の出力低下を低減するべく、検出部26がその出力低下を検出し、この出力低下に相当する分を補うべく、温度制御部27が検出部26の検出結果に基づいてペルチェ素子14の駆動を制御する。より具体的には、前述した検出部26のフィルター263からの信号(すなわち増幅器261の増幅率に応じた信号)に基づいて、原子セル11および光源12の経時的劣化により光検出器13の出力が低下するに従い、光源12の温度が低くなるようにペルチェ素子14の駆動を制御する。
ここで、光源12に用いる発光素子は、バイアス電流が大きくなるにしたがって、出射する光の強度(光量)が高くなるとともに、出射する光の中心周波数が低くなる(波長が長くなる)特性と、温度が低くなるにしたがって、出射する光の中心周波数が高くなる(波長が短くなる)特性と、を有する。
そのため、光源12の温度が低くなると、光源12から出射される光LLの中心周波数が高くなろうとする。そうすると、前述したバイアス電流調整部22の制御により、光LLの中心周波数が高くならないように、バイアス電流が大きくなる。その結果、図5中の破線Dで示すように、光源12の光量が一定に保たれるように制御され、図3に示す信号の強度I1が経時的に低下することを低減することができる。このように、光LLの中心周波数を安定化しつつ、図3に示す信号の強度I1が経時的に低下することを低減することができる。
また、原子発振器1では、前述したように、自動利得制御回路25が信号生成部24の出力信号(マイクロ波信号)の振幅を一定となるように制御する。これにより、前述した図4に示す信号の強度I2(マイクロ波信号の生成のための信号成分)が経時的に低下したり外乱(温度変動等)により変動したりすることも低減することができる。
以上のように、「量子干渉装置」の一種である原子発振器1は、アルカリ金属が封入されている原子セル11と、原子セル11内のアルカリ金属を励起する光LLを出射する「光源部」である光源12と、光源12の温度を調節する「光源温度調節部」であるペルチェ素子14と、原子セル11を透過した光LLを受光し、その受光強度に応じた信号を出力する「受光部」である光検出器13と、を備える。特に、原子発振器1は、光検出器13の出力信号に基づいて、原子セル11を透過する光LLの量の経時的変化に応じた信号を出力する検出部26と、検出部26の出力信号に基づいて、ペルチェ素子14の駆動を制御する「光源温度制御部」である温度制御部27と、を備える。
このような原子発振器1によれば、原子セル11を透過する光LLの量の経時的変化に応じた信号に基づいて、ペルチェ素子14の駆動を制御するため、原子セル11内のアルカリ金属の密度および光源12の光量の少なくとも一方が経時的に低下しても、これが原因で光検出器13の出力信号が経時的に低下するのを低減することができる。そのため、光検出器13の出力信号を用いて、高精度な周波数特性を長期にわたって発揮させることができる。したがって、原子発振器1の長期周波数安定度を向上させることができる。
なお、量子干渉装置の一種(一例)である原子発振器1は、量子干渉装置を備えていると言える。そして、原子発振器1は、量子干渉装置の優れた効果を享受して、優れた発振特性を発揮させることができる。
ここで、検出部26は、前述したように、増幅器261、レベル検出器262およびフィルター263を有し、自動利得制御回路と同様の構成を有し、フィルター263からの信号を温度制御部27へ出力する。すなわち、検出部26は、光検出器13(受光部)の出力信号が入力される自動利得制御回路を有し、その自動利得制御回路の増幅率に応じた信号を出力すると言える。これにより、比較的簡単な構成で検出部26の前述した機能を実現可能である。
また、原子発振器1(量子干渉装置)は、光検出器13(受光部)の出力信号に基づいて、原子セル11内のアルカリ金属の原子が有する2つの基底準位間の遷移周波数に応じたマイクロ波信号を生成する信号生成部24と、そのマイクロ波信号に基づく変調電流をバイアス電流に重畳した駆動電流を光源12(光源部)に入力することにより、光源12を駆動する駆動回路23と、を備える。これにより、光源12からの光LLとアルカリ金属原子との相互作用により電磁誘起透過現象を生じさせることができる。そして、CPT方式の量子干渉装置(原子発振器1)を実現することができる。
さらに、原子発振器1(量子干渉装置)は、光検出器13(受光部)の出力信号に基づいて、光源12に供給するバイアス電流の電流値を調整するバイアス電流調整部22を備える。これにより、光源12からの光LLの中心波長をアルカリ金属の吸収波長となるように制御することができる。また、光源12の温度変化(低下)に伴って、バイアス電流を調整する(増加させる)ことができる。そのため、温度制御部27によるペルチェ素子14の駆動制御に伴って、光源12の光量を一定に保つように制御することができる。
また、信号生成部24は、光検出器13(受光部)の出力信号を第1周期ごとに検波した結果に基づいて、マイクロ波信号を生成し、一方、検出部26は、第1周期とは異なる第2周期で、原子セル11を透過する光LLの量の経時的変化に応じた信号を出力することが好ましい。これにより、信号生成部24および検出部26のそれぞれにおいて高精度な信号の生成が可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置の一種)の概略構成を示す模式図である。
本実施形態は、原子セルを加熱するヒーターの駆動制御方法が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図6において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図6に示す原子発振器1Aは、図6に示すように、前述した第1実施形態の回路部20に代えて、回路部20Aを備える以外は、前述した第1実施形態の原子発振器1と同様である。回路部20Aは、前述した第1実施形態の温度制御部28に代えて、温度制御部28Aを備える以外は、前述した第1実施形態の回路部20と同様である。
温度制御部28Aは、検出部26の出力信号に基づいて、ヒーター15の駆動を制御する。より具体的には、光検出器13の出力信号が低下するにしたがって、原子セル11の温度を高くするようにヒーター15の駆動を制御する。これにより、原子セル11内の気体状のアルカリ金属の密度の低下を低減することができる。ここで、例えば、光検出器13の出力信号が低下するにしたがって、温度制御部28Aにおけるヒーター15の駆動制御の目標温度を高くする。その際、この目標温度は、60°近傍の温度範囲内の温度であるが、温度制御部28Aは、目標温度の上限値をあらかじめ設定しておき、その上限値を超えないようにしてもよい。
このように、「量子干渉装置」の一種である原子発振器1Aは、原子セル11の温度を調節する「セル温度調節部」であるヒーター15と、検出部26の出力信号に基づいて、ヒーター15の駆動を制御する「セル温度制御部」である温度制御部28Aと、を備える。これにより、原子セル11内のアルカリ金属の密度が経時的に低下しても、その低下を低減し、光検出器13の出力信号が経時的に低下するのを的確に低減することができる。
以上説明したような第2実施形態によっても、長期周波数安定度を向上させることができる。
2.電子機器
以下、本発明の電子機器について説明する。
図7は、本発明の電子機器の実施形態を示す図である。
図7に示す測位システム100(電子機器)は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
以上説明した測位システム100が備える「電子機器」である受信装置302は、「量子干渉装置」の一種である原子発振器1を備える。そのため、受信装置302は、原子発振器1の優れた効果を享受して、優れた特性を発揮させることができる。なお、受信装置302は、原子発振器1に代えて、または、原子発振器1に加えて、原子発振器1Aを備えていてもよい。
なお、本発明の原子発振器を備える電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。
3.移動体
図8は、本発明の移動体の実施形態を示す図である。
この図において、移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。
以上説明した移動体1500は、「量子干渉装置」の一種である原子発振器1を備える。そのため、移動体1500は、原子発振器1の優れた効果を享受して、優れた特性を発揮させることができる。なお、移動体1500は、原子発振器1に代えて、または、原子発振器1に加えて、原子発振器1Aを備えていてもよい。
以上、本発明の量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体は、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
1…原子発振器、1A…原子発振器、10…パッケージ部、11…原子セル、12…光源(光源部)、13…光検出器(受光部)、14…ペルチェ素子(光源温度調節部)、15…ヒーター(セル温度調節部)、20…回路部、20A…回路部、21…増幅器、22…バイアス電流調整部、23…駆動回路、24…信号生成部、25…自動利得制御回路、26…検出部、27…温度制御部(光源温度制御部)、28…温度制御部、28A…温度制御部(セル温度制御部)、100…測位システム、200…GPS衛星、221…位相検波器、222…ローパスフィルター、223…変調回路、224…低周波発振器、241…位相検波器、242…ローパスフィルター、243…電圧制御型水晶発振器、244…変調回路、245…低周波発振器、246…位相同期回路、261…増幅器、262…レベル検出器、263…フィルター、300…基地局装置、301…アンテナ、302…受信装置、303…アンテナ、304…送信装置、400…GPS受信装置、401…アンテナ、402…衛星受信部、403…アンテナ、404…基地局受信部、1500…移動体、1501…車体、1502…車輪、A…範囲、B…範囲、C…実線、D…破線、I1…強度、I2…強度、LL…光、T1…周期、T2…周期、f0…周波数、f1…周波数、f2…周波数

Claims (10)

  1. アルカリ金属が封入されている原子セルと、
    前記アルカリ金属を励起する光を出射する光源部と、
    前記光源部の温度を調節する光源温度調節部と、
    前記原子セルを透過した光を受光し、その受光強度に応じた信号を出力する受光部と、
    前記受光部の出力信号に基づいて、前記原子セルを透過する前記光の量の経時的変化に応じた信号を出力する検出部と、
    前記検出部の出力信号に基づいて、前記光源温度調節部の駆動を制御する光源温度制御部と、を備えることを特徴とする量子干渉装置。
  2. 前記検出部は、前記受光部の出力信号が入力される自動利得制御回路を有し、前記自動利得制御回路の増幅率に応じた信号を出力する請求項1に記載の量子干渉装置。
  3. 前記原子セルの温度を調節するセル温度調節部と、
    前記検出部の出力信号に基づいて、前記セル温度調節部の駆動を制御するセル温度制御部と、を備える請求項1または2に記載の量子干渉装置。
  4. 前記受光部の出力信号に基づいて、前記アルカリ金属の原子が有する2つの基底準位間の遷移周波数に応じたマイクロ波信号を生成する信号生成部と、
    前記マイクロ波信号に基づく変調電流をバイアス電流に重畳した駆動電流を前記光源部に入力することにより、前記光源部を駆動する駆動回路と、を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の量子干渉装置。
  5. 前記マイクロ波信号の振幅を一定にするように増幅して出力する自動利得制御回路を備える請求項4に記載の量子干渉装置。
  6. 前記受光部の出力信号に基づいて、前記バイアス電流の電流値を調整するバイアス電流調整部を備える請求項4または5に記載の量子干渉装置。
  7. 前記信号生成部は、前記受光部の出力信号を第1周期ごとに検波した結果に基づいて、前記マイクロ波信号を生成し、
    前記検出部は、前記第1周期とは異なる第2周期で前記経時的変化に応じた信号を出力する請求項4ないし6のいずれか1項に記載の量子干渉装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の量子干渉装置を備えることを特徴とする原子発振器。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の量子干渉装置を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の量子干渉装置を備えることを特徴とする移動体。
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