JP2015041726A - 量子干渉装置、原子発振器、電子機器、および移動体 - Google Patents

量子干渉装置、原子発振器、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】発振周波数の低下を抑制した量子干渉装置および原子発振器を提供する。【解決手段】量子干渉装置は、筐体と、筐体に内包されている容器と、容器中に封入されている金属と、共鳴光を含む光を発生させて金属に照射する光出射部と、容器中に封入されている金属を透過した光を検出する光検出部と、を備え、筐体と容器との間に配置されているガスと、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、量子干渉装置、量子干渉装置を搭載した原子発振器、原子発振器を搭載した電子機器および移動体に関する。
近年、携帯電話など移動体通信網やテレビ放送網等のデジタルネットワーク化の進展に伴い、伝送装置のクロック信号や放送局の基準周波数の生成に使用される基準クロック源等として、高精度・高安定な発振器が必要不可欠なものとなっている。このような発振器として、発振周波数の精度・安定度が高い原子発振器が多く用いられている。原子発振器は、搭載される通信機器の高周波化および高性能化に伴い、より高い発振周波数の精度・安定度が求められている。
この高精度および高安定度の要求に対して特許文献1には、原子発振器がおかれた環境温度に基づいて温度補正信号を生成し、かかる信号に基づきルビジウムなどの金属が封入されているガスセルに与える磁場を可変制御することでガスセルを透過する光の共鳴周波数の変化を抑制する構造の原子発振器が開示されている。
特開平9−55657号公報
上述した原子発振器は、その原子発振器が設けられた環境の温度変化にともなうガスセルを透過する光の共鳴(電磁誘起透明化現象)周波数の変化を抑制することができる。
しかしながら、ガスセルを透過する光の共鳴周波数は、ガスセルに封入されている金属および緩衝ガスなどの分圧によっても変化する。ガスセルに封入されている金属は、緩衝ガスとともに封入され、緩衝ガスが経時的にガスセルから漏洩することで金属および緩衝ガスの分圧が変化し、その変化にともないガスセルを透過する光の共鳴周波数が変化する虞があった。また、かかる分圧の変化は経時的に生じるため、共鳴周波数の変化も経時的に生じ、原子発振器の発振周波数の安定度が経時的に低下する課題もあった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態、または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る量子干渉装置は、筐体と、筐体に内包されている容器と、容器中に封入されている金属と、共鳴光を含む光を発生させて金属に照射する光出射部と、容器中に封入されている金属を透過した光を検出する光検出部と、を備え、筐体と容器との間に配置されているガスと、を備えていること特徴とする。
この様な量子干渉装置によれば、筐体と容器との間に配置されているガスによって、容器中に封入されている金属に圧力を加えることで、その金属の分圧の変化を抑制することができる。したがって、金属の分圧の変化が抑制されることから、共鳴光を含む光が金属を透過する際に生じる光吸収率(光透過率)を一定に保つことができる。
よって、金属に照射された共鳴光を含む光が金属に吸収されず透過する共鳴周波数(電磁誘起透明化現象が生じる周波数)の変移を抑制し、共鳴周波数の安定度を高めることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る量子干渉装置において、容器には、光が通過する導光部が設けられていることが好ましい。
この様な量子干渉装置によれば、容器には、光が透過する部分に導光部が設けられている。したがって、筐体に収容されている容器に光を透過させ、容器に封入されている金属に光を透過させることができる。よって、容器に封入されている金属に光を照射することで、その光に電磁誘起透明化現象を生じさせることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る量子干渉装置において、ガスを筐体と容器との間に補充するとともに、ガスに圧力を与える与圧機構が設けられていることが好ましい。
この様な量子干渉装置によれば、与圧機構によって筐体と容器との間に配置されているガスを補充するとともに圧力を与えることで、容器中に封入されている金属などの漏洩を抑制し、容器中における金属の分圧を保つことができる。したがって、金属の分圧の変化が抑制されることから、共鳴光を含む光が金属を透過する際に生じる光吸収率(光透過率)を一定に保つことができる。よって、金属に照射された共鳴光を含む光が金属に吸収されず透過する共鳴周波数(電磁誘起透明化現象が生じる周波数)の変移を抑制することができる。
[適用例4]
上記適用例に係る量子干渉装置において、ガスは、ヘリウムを含むことが好ましい。
この様な量子干渉装置によれば、ガスは、容器を構成する材料の構成する分子の密度と比べて分子量の小さいヘリウムを含むことで、容器を透過し容器中に浸透させることで容器中の圧力をさらに保持し、金属の分圧を保つことができる。したがって、金属の分圧の変化が抑制されることから、共鳴光を含む光が金属を透過する際に生じる光吸収率(光透過率)を一定に保つことができる。よって、金属に照射された共鳴光を含む光が金属に吸収されず透過する共鳴周波数(電磁誘起透明化現象が生じる周波数)の変移を抑制することができる。
[適用例5]
上記適用例に係る量子干渉装置において、導光部は、ガラスを含み構成されていることが好ましい。
この様な量子干渉装置によれば、導光部がガラスを含み構成されていることで、容器中に封入されている金属に照射する共鳴光を含む光として可視光を用いることができる。したがって、金属に照射された共鳴光を含む光が金属に吸収されず透過する共鳴周波数を得ることができる帯域を拡張することができる。また、導光部にガラスを用いることで、ガラスは分子の密度が小さいため、容器と筐体との間に配置されている分子量の小さいヘリウムを含むガスをより多く容器中に透過させることができる。
[適用例6]
上記適用例に係る量子干渉装置において、容器は、ホウ珪酸ガラスを含み構成されていることが好ましい。
この様な量子干渉装置によれば、金属が封入されている容器はホウ珪酸ガラスを含み構成されていることで、ホウ珪酸ガラスは分子の密度が小さいため、容器と筐体との間に配置されている分子量の小さいヘリウムを含むガスをより多く容器内に浸透させることができる。
[適用例7]
上記適用例に係る量子干渉装置において、ガスの圧力は、容器内の圧力と比べて高く、かつ3気圧よりも低いことが好ましい。
この様な量子干渉装置によれば、容器と筐体との間に配置されているガスの圧力は容器内の圧力と比べて高いため、容器中に封入されている金属の漏洩をさらに抑制することができる。また、ガスの圧力は3気圧よりも低いため、筐体の強度を緩和することができ、量子干渉装置の小型化に寄与することができる。
[適用例8]
本適用例に係る原子発振器は、筐体と、筐体に内包されている容器と、容器中に封入されている金属と、共鳴光を含む光を発生させて金属に照射する光出射部と、容器中に封入されている金属を透過した光を検出する光検出部と、筐体と容器との間に配置されているガスと、を備えていることを特徴とする。
この様な原子発振器によれば、筐体と容器との間に配置されているガスによって、容器中に封入されている金属に圧力を加えることで、その金属の分圧の変化を抑制することができる。また、金属の分圧の変化が抑制されることから、共鳴光を含む光が金属を透過する際に生じる光吸収率(光透過率)を一定に保つことができる。したがって、金属に照射された共鳴光を含む光が金属に吸収されず透過する共鳴周波数(電磁誘起透明化現象が生じる周波数)の変移を抑制することができる。よって、電磁誘起透明化現象によって得られる信号の周波数の変移が抑制された当該信号に基づいて高精度、かつ高安定度を保ち発振することができる原子発振器を得ることができる。
[適用例9]
本適用例に係る電子機器は、上述した原子発振器を備えることを特徴とする。
この様な電子機器によれば、上述した原子発振器を備えることで、高精度、かつ高安定性を保った発振信号に基づいて電子機器を動作させることができる。したがって、電子機器の信頼性を高めることができる。
[適用例10]
本適用例に係る移動体は、上述した原子発振器を備えることを特徴とする。
この様な移動体によれば、上述した原子発振器を備えることで、高精度、かつ高安定性を保った発振信号に基づいて移動体を動作させることができる。したがって、電子機器の信頼性を高めることができる。
第1実施形態に係る量子干渉装置を模式的に示すブロック図。 第1実施形態に係る量子干渉装置に備えられたガスセルの構造を模式的に示す図。 第1実施形態に係る量子干渉装置の経時にともなう周波数変化の実験結果を示す図(グラフ)。 第1実施形態に係る量子干渉装置に備えられた金属原子の励起準位を説明する図。 第1実施形態に係る量子干渉装置に備えられた金属原子のエネルギー準位および電磁誘起透明化現象を説明する図。 第2実施形態に係る原子発振器の構成を模式的に示すブロック図。 実施例に係る電子機器としてのパーソナルコンピューターを模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としての携帯電話機を模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としてのデジタルスチールカメラを模式的に示す図。 実施例に係る移動体としての自動車を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る量子干渉装置について、図1から図5を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る量子干渉装置を模式的に示すブロック図である。図2は、量子干渉装置に備えられたガスセルの構造を模式的に示す図である。図3は、量子干渉装置の経時にともなう周波数変化の実験結果を示すグラフである。図4は、量子干渉装置に備えられた金属原子の励起準位を説明する図である。また、図5は、量子干渉装置に備えられた金属原子のエネルギー準位および電磁誘起透明化現象を説明する図である。
<量子干渉装置100の構成>
図1に示す本実施形態の量子干渉装置100は、光出射部10、ガスセル11、光検出部12、を含んで構成されている。また、ガスセル11には、金属の一例であるアルカリ金属M(図2参照)が封入されている容器11aと、その容器11aを内包する様に筐体11cが設けられ、容器11aと筐体11cとの間にガス11gが配置(充填)されている。また、量子干渉装置100には、容器11a内に磁場を与える磁場発生部13と、ガス11gに圧力を与える与圧部14と、を含んで構成することができる。なお、本実施形態の量子干渉装置100は、適宜、図1の構成要素(各部)の一部を省略または変更し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
以下に、量子干渉装置100について詳述する。
(光出射部10)
光出射部10は、ガスセル11を透過させ光検出部12で受光される励起光LL(一対の共鳴光L1および共鳴光L2)の発光、および出射をおこなう。光出射部10は、その光源の一例として半導体レーザーを用いることができる。半導体レーザーは、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の面発光レーザーや端面発光レーザー(Edge Emitting Laser)などを用いることができる。光出射部10出射された励起光LLは、各種フィルター(不図示)を透過し、ガスセル11に入射する。
(ガスセル11)
ガスセル11は、容器11a中に封入されているアルカリ金属Mを気相状態に保ち、その気相状態のアルカリ金属Mに励起光LLを透過させ、その一部を光検出部12へ出射させることで励起光LLに電磁誘起透明化現象を生じさせるものである。
図2にガスセル11の構造を模式的に示す。図2(a)は、ガスセル11を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示す線分A−A’における矢印の方向からみたガスセル11の断面であり、ガスセル11に入射する励起光LLの光軸と同軸の方向からみたガスセル11の断面を示すものである。また、図2(c)は、図2(a)に示す線分B−B’において矢印の方向から見たガスセル11の側断面を模式的に示すものである。図2(c)は、ガスセル11に入射する励起光LLの光軸と並行する方向から見た側断面を模式的に示すものである。
図2に示す様にガスセル11は、容器11aを内包する様に筐体11cが設けられるとともに、容器11aと筐体11cとの間にガス11gが充填されている。
ガスセル11は、容器11a中にアルカリ金属M(例えば、(ナトリウム(Na)原子、ルビジウム(Rb)原子、セシウム(Cs)原子など))とともに、緩衝ガス11ag(例えば、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)などの単一もしくは、これらを含む混合ガス)が封入されている。また、ガスセル11は、容器11aと筐体11cとの間にガス11gが充填されている。
ここで、ガスセル11の容器11a中に封入されているアルカリ金属Mと緩衝ガス11agは、封入されてからの経時にともないアルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの漏洩によって分圧に変化が生じる。アルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧が変化すると、ガスセル11を透過する励起光LLに生じる電磁誘起透明化現象に伴う周波数の低下を招来する。
そこで、本実施形態の量子干渉装置100においてガスセル11は、ガス11gの圧力を容器11a中の緩衝ガス11agの圧力と比べて高くすることで、緩衝ガス11agが容器11aから漏れることを抑制することができる。したがって、アルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧を保つことができる。
なお、ガス11gの圧力は、容器11a内の圧力を基準として3気圧よりも低いことが好ましい。ガス11gの圧力は、3気圧より低いことで筐体11cの強度を緩和しつつ容器11aに封入されているアルカリ金属Mと緩衝ガス11agの分圧を保つことができる。
ガス11gは、非腐食性および不燃性を有していれば特に限定されることはない。ガス11gは、その一例としてヘリウム(He)などの分子量の小さいガスを用いることが好適である。
ガス11gとしてヘリウムを用いた場合には、緩衝ガス11agの圧力と比べてガス11gの圧力を高めることで緩衝ガス11agの漏洩を抑制するとともに、ガス11gが容器11a内に浸透(透過)することで緩衝ガス11agの圧力を高め、アルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧を保つことができる。
ヘリウムは、その分子量(Molecular Weight)が4.00であることが知られており、他の物質(例えば、アルゴン(Ar)の分子量39.95、ネオン(Ne)の分子量20.18)と比較して分子量が小さいため、容器11aなどの物質を透過(浸透)しやすい性質を有する。
本実施形態の量子干渉装置100において、アルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧が変化すると、ガスセル11を透過する励起光LLに生じる電磁誘起透明化現象の周波数特性に影響が生じることと、ガス11gとしてヘリウムを用いた場合に電磁誘起透明化現象の周波数特性が改善すること、を発明者等の実験により知らしめた。
図3は、容器11aにアルカリ金属Mが封入されてからの時間経過と、ガスセル11を透過する励起光LLに生じる電磁誘起透明化現象の周波数の変化率(アルカリ金属Mが封入されている時点を初期値とする変化率)と、の関係を示したグラフ(図)である。かかる実験は、容積の異なる容器11aを備える2種類の量子干渉装置100aおよび100bを準備しておこなった。図3に示すaからbの時間(期間)は、容器11aと筐体11cの間の状態を大気圧とした。また、図3に示すbからcの時間(期間)は、ガス11gとしてヘリウムを100[torr]の圧力で充填した。
かかる実験の結果、量子干渉装置100aおよび100bのいずれにおいても、容器11aと筐体11cの間を大気圧とした場合は周波数の変化率が下降し、安定することがなかった。一方、容器11aと筐体11cの間にガス11gをした場合は周波数の変化率が安定する結果を得られた。
したがって、ガスセル11の容器11aと筐体11cとの間にガス11gを充填することで、ガスセル11を透過する励起光LLに生じる電磁誘起透明化現象に伴う周波数が低下の抑制することができる。
容器11aは、構成する材料は特に限定されることはない。本実施形態において容器11aは、ホウ珪酸ガラスを含む材料で構成されていることが好ましい。ホウ珪酸ガラスを用いることで容器11a中にアルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agを容易に封入することができる。また、容器11aと筐体11cとの間の間に充填されているガス11gにヘリウムを用いた場合に、ヘリウムの分子量はホウ珪酸ガラスの分子密度と比して小さいため、ガス11gを容器11a内に容易に透過(浸透)させることができる。
筐体11cは、構成する材料は特に限定されることはない。本実施形態において筐体11cは、その一例としてシリコンを用いることができる。筐体11cは、シリコンを用いることでガス11gにヘリウムを用いた場合においても、ガス11gがシリコンを透過し難いため、ガス11gの充填圧力を保つことができる。
なお、容器11aおよび筐体11cには、導光部11awおよび導光部11cw(以下、導光部11awおよび導光部11cwは総称して「導光部11w」と称する場合がある。)が設けられている。導光部11wは、光出射部10からガスセル11に入射されるとともに、ガスセル11から光検出部12に出射される励起光LLの光路となる。
導光部11wは、例えば、励起光LLに可視光を用いる場合には、その励起光LLを透過させることできるガラスなどの材料を用いることが好適である。また、導光部11wは、例えば、励起光LLに赤外線光を用いる場合には、その励起光LLを透過させることができるシリコンなどの材料を用いることができる。
容器11aに有する導光部11awにガラスを用いるとともに、ガス11gにヘリウムを用いることで、導光部11awはガス11gを透過させやすいため、容器11aに封入されているアルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧を、さらに保つことができる。
(光検出部12)
図1の量子干渉装置100のブロック図に戻り光検出部12について説明する。
光検出部12は、ガスセル11を透過した励起光LLを検出し、検出した光の強度に応じた信号を出力する。光検出部12は、その一例として、受光した光の強度に応じた信号を出力するフォトダイオード(PD:Photo Diode)を用いることができる。光検出部12の出力信号は後述する原子発振器200を構成する検波回路部21と検波回路部26に入力される。
(磁場発生部13)
磁場発生部13は、アルカリ金属原子Mが封入されている容器11aの内部の少なくとも一部に磁場を発生させるものである。磁場発生部13は、例えば、コイルを含み構成することができ、コイルの位置、形状(例えば、コイルを巻く方向、巻き数、直径等)、電流の大きさや向き等を調整することで所望の磁場を発生させることができる。
容器11aに磁場を与えると、容器11a内に封入されているアルカリ金属Mの各エネルギー準位が2F+1個に分裂(ゼーマン分裂)する。例えば、セシウム原子の場合、図4(a)に示すように、6S1/2,F=3の基底準位や6P3/2,F’=3の励起準位は、磁気量子数mF=0,±1,±2,±3に対応する7つの準位に分裂し、6S1/2,F’=4の基底準位や6P3/2,F=4の励起準位は、磁気量子数mF=0,±1,±2,±3,±4に対応する9つの準位に分裂する。
セシウム原子(アルカリ金属M)にσ+円偏光が入射すると、ΔmF=+1の選択則に従って励起するため、例えば、6S1/2,F=3,4の基底準位と6P3/2,F’=4の励起準位の間で、7つのΛ型3準位が形成される。
したがって、この状態では、2光波の周波数差をスイープすると、図4(b)に示すように7つのEIT信号が観測される。EIT信号は、6S1/2,F=3,4のmF=0の基底準位と6P3/2,F’=4のmF=+1の励起準位の間で形成されるΛ型3準位に対応する強度が最も高い。よって、このEIT信号を発生させるように、共鳴光L1および共鳴光L2の周波数差を制御することが有用である。
ここで、ガスセル11の容器11aに封入されているアルカリ金属Mは、容器11a中において気相と液相との状態が混在している。
量子干渉装置100では、気相状態の(気化された)アルカリ金属M中を励起光LLが透過する際に生じる変化を検出(検波)して利用している。
より詳しくは、アルカリ金属Mは、図5(a)に示すように、三準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態α,β)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態αは、基底状態βよりも低いエネルギー状態である。このような気化されたアルカリ金属Mに対して周波数の異なる励起光LL(第1共鳴光L1および第2共鳴光L2)を照射すると、第1共鳴光L1の周波数ω1と第2共鳴光L2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、第1共鳴光L1および第2共鳴光L2のアルカリ金属Mにおける光吸収率(光透過率)が変化する。
第1共鳴光L1の周波数ω1と、第2共鳴光L2の周波数ω2と、の差(ω1−ω2)が、基底状態αと基底状態βとのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態α,βから励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、第1共鳴光L1および第2共鳴光L2は、いずれも、アルカリ金属Mに吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象、または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光出射部10は、ガスセル11に向けて、前述した周波数の異なる第1共鳴光L1および第2共鳴光L2を出射する。例えば、光出射部10が第1共鳴光L1の周波数ω1を固定し、第2共鳴光L2の周波数ω2を変化させていくと、第1共鳴光L1の周波数ω1と第2共鳴光L2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態αと基底状態βとのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部12の検出強度Sは、図5(b)に示すように、急峻に上昇する。光検出部12は、このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属Mの種類によって決まった固有値を有し、当該EIT信号を後述する原子発振器200で検波などをおこなうことで高精度な発振信号を得ることができる。
(与圧部14)
上述した量子干渉装置100において、ガスセル11の容器11aに封入されたアルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agは、一定の分圧を保つことが求められている。一定の分圧を保つことで、ガスセル11を透過する励起光LLに生じる電磁誘起透明化現象に伴う周波数の低下を抑制することができるためである。一定の分圧を保つためには、容器11aと筐体11cとの間の間に充填されているガス11gの圧力を一定に保つことが好ましい。
そこで、本実施形態の量子干渉装置100に与圧部14を設けると好適である。
与圧部14は、ガスセル11の筐体11cに接続され、ガス11gの補充およびガス11gの与圧をおこなう。与圧部14は、ガス11gを貯蔵する蓄圧タンクと、圧力を一定に保つレギュレーターと、を含み構成されている。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な量子干渉装置100によれば、筐体11cと容器11aとの間に充填されているガス11gによって、容器11a中に封入されているアルカリ金属Mに圧力を加えることで、そのアルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧の変化を抑制することができる。また、ガス11gとして分子数の小さいヘリウムを用いることで、容器11aにより透過させることができ、さらに、アルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧の変化を抑制することができる。したがって、アルカリ金属Mの分圧の変化が抑制されることから、励起光LL(第1共鳴光L1および第2共鳴光L2)が金属を透過する際に生じる光吸収率(光透過率)を一定に保つことができる。よって、アルカリ金属Mに照射された励起光LLがアルカリ金属Mに吸収されず透過する電磁誘起透明化現象が生じる周波数の変移を抑制し、周波数の安定度を高めることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る原子発振器について、図6を用いて説明する。
図6は、第2実施形態に係る原子発振器の構造を示すブロック図である。第2実施形態に係る原子発振器200は、第1実施形態で上述した量子干渉装置100が搭載されている。以下、量子干渉装置100が搭載されている原子発振器200について説明する。
<原子発振器200の構造>
図6に示す原子発振器200は、上述した量子干渉装置100が搭載され、量子干渉効果を利用したものである。
当該原子発振器200は、図5に示すように、量子干渉装置100、検波回路部21、電圧制御水晶発振部(VCXO)22、変調回路部23、低周波発振部24、周波数変換回路部25、検波回路部26、変調回路部27、低周波発振部28、駆動回路部29、磁場設定回路部30、バイアス設定回路部31、メモリー部32、および周波数変換回路部33を含んで構成されている。なお、本実施形態の原子発振器200は、適宜、図6の構成要素(各部)の一部を省略又は変更し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
(量子干渉装置100)
原子発振器200には、第1実施形態で上述した光出射部10、ガスセル11、光検出部12、磁場発生部13、および与圧部14が設けられている。なお、光出射部10は、後述する駆動回路部29によって光源のバイアス電流が設定される。また、光検出部12からの出力信号は、後述する検波回路部21,26によって検波される。また、磁場発生部13は、後述する磁場設定回路部30によって発生させる磁場の強度が設定される。
各構成要素は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(検波回路部21)
検波回路部21は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振部24の発振信号を用いて光検出部12の出力信号を検波する。そして、検波回路部21の出力信号の大きさに応じて、電圧制御水晶発振部(VCXO)22の発振周波数が微調整される。電圧制御水晶発振部(VCXO)22は、例えば、数MHz〜数10MHz程度で発振する。
(変調回路部23)
変調回路部23は、検波回路部21による検波を可能とするために、低周波発振部24の発振信号(検波回路部21に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として電圧制御水晶発振部(VCXO)22の出力信号を変調する。変調回路部23は、周波数混合器(ミキサー)、および変調方式に応じて周波数変調(FM:Frequency Modulation)回路、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)回路等により構成することができる。
(周波数変換回路部25)
周波数変換回路部25は、変調回路部23の出力信号を周波数変換して駆動回路部29に出力する。周波数変換回路部25は、例えば、PLL(Phase Locked Loop)回路を用いることができる。
(検波回路部26)
検波回路部21は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振部28の発振信号を用いて光検出部12の出力信号を検波する。
(変調回路部27)
変調回路部27は、検波回路部26による検波を可能とするために、低周波発振部28の発振信号(検波回路部26に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として検波回路部26の出力信号を変調して駆動回路部29に出力する。変調回路部27は、周波数混合器(ミキサー)、および変調方式に応じて周波数変調(FM)回路、振幅変調(AM)回路等により構成することができる。
(磁場設定回路部30)
磁場設定回路部30は、メモリー部32に記憶されている設定情報に応じて、量子干渉装置100を構成する磁場発生部13が発生させる磁場の強度を設定する処理をおこなう。例えば、磁場発生部13をコイルで構成し、磁場設定回路部30は、メモリー部32に記憶されている設定情報に応じて当該コイルに流す電流量を設定することができる。
(バイアス設定回路部31)
バイアス設定回路部31は、駆動回路部29を介して、メモリー部32に記憶されている設定情報に応じて光出射部10にバイアス電流(光源としての半導体レーザーが発生させる光の中心波長)の設定をする処理をおこなう。
(メモリー部32)
メモリー部32は、不揮発性のメモリーであり、磁場発生部13が発生させる磁場の強度の設定情報や光出射部10のバイアス電流の設定情報が記憶されている。メモリー部32は、例えば、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)メモリー等のフラッシュメモリーやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等を用いることができる。
(駆動回路部29)
駆動回路部29は、光出射部10の光源のバイアス電流を設定するとともに、変調回路部27の出力信号に応じて当該バイアス電流を調整して光出射部10に供給する。すなわち、量子干渉装置100を構成する光出射部10、ガスセル11、および光検出部12と、検波回路部21、変調回路部27、および駆動回路部29と、を通るフィードバックループ(第1のフィードバックループ)により、光出射部10が発生させる光の中心波長λ0(中心周波数f0)が調整される。
駆動回路部29は、さらに、バイアス電流に、周波数変換回路部25の出力周波数成分(変調周波数fm)の電流(変調電流)を重畳して光出射部10に供給する。光出射部10は、この変調電流により、光出射部10の光源に周波数変調がかかり、中心周波数f0(中心波長λ0)の光とともに、その両側にそれぞれ周波数がfmずれた周波数f0±fm、f0±2fmの励起光LL(第1共鳴光L1および第2共鳴光L2)を発生させる。
また駆動回路部29は、量子干渉装置100を構成する光出射部10、ガスセル11、および光検出部12と、検波回路部16、電圧制御水晶発振部(VCXO)22、変調回路部23、周波数変換回路部25、駆動回路部29を通るフィードバックループ(第2のフィードバックループ)により、周波数f0+fmの励起光LL(第1共鳴光L1)と周波数f0−fmの励起光LL(第2共鳴光L2)がガスセル11の容器11aに封入されているアルカリ金属原子MにEIT現象を発生させる共鳴光対(第1共鳴光L1および第2共鳴光L2)となるように調整される。
例えば、前述した第2のフィードバックループにより、磁気量子数mF=0の基底準位を有するアルカリ金属原子MがEIT現象を起こすように、変調周波数fmがフィードバック制御される。
具体的には、第2のフィードバックループにより、1次のサイドバンドである周波数f0+fmの励起光LL(第1共鳴光L1)と、周波数f0−fmの励起光LL(第2共鳴光L2)の周波数差(=2fm)が、アルカリ金属原子Mの磁気量子数mf=0の2つの基底準位間のエネルギー差ΔE12に相当する周波数ω12と正確に一致するようにフィードバック制御がかかる。例えば、アルカリ金属原子Mがセシウム原子であれば、ω12が9.192631770GHz+ΔHz(Δは磁界強度の2次関数で表される周波数)であることから、変調周波数fmは4.596315885GHz+Δ/2Hzと正確に一致する。
このように、アルカリ金属原子MのEIT現象を利用することで、第2のフィードバックループに含まれる、周波数変換回路部25の出力信号や電圧制御水晶発振部(VCXO)22の出力信号を、それぞれ所定の周波数で安定させることができる。
(周波数変換回路部33)
周波数変換回路部33は、電圧制御水晶発振部(VCXO)22の出力信号を周波数変換し、所望の周波数(例えば、10.000MHz)のクロック信号を生成する。周波数変換回路部33は、例えば、DDS(Direct Digital Synthesizer)を用いることができる。原子発振器200は、このクロック信号を外部に出力することで高精度なクロック信号を得ることができる。
上述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な原子発振器200によれば、筐体11cと容器11aとの間に充填されているガス11gによって、容器11a中に封入されているアルカリ金属Mに圧力を加えることで、そのアルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧の変化を抑制することができる。また、ガス11gとして原子量の小さいヘリウムを用いることで、容器11aにより透過させることができ、さらに、アルカリ金属Mおよび緩衝ガス11agの分圧の変化を抑制することができる。したがって、アルカリ金属Mの分圧の変化が抑制されることから、励起光LL(第1共鳴光L1および第2共鳴光L2)が金属を透過する際に生じる光吸収率(光透過率)を一定に保つことができる。また、アルカリ金属Mに照射された励起光LLがアルカリ金属Mに吸収されず透過する電磁誘起透明化現象が生じる周波数の変移を抑制し、周波数の安定度を高めることができる。よって、電磁誘起透明化現象によって得られる信号の周波数の変移が抑制された当該信号に基づいて高精度、かつ高安定度なクロック信号を発振することができる原子発振器200を得ることができる。
(実施例)
本発明の実施形態に係る量子干渉装置100を用いた原子発振器200を適用した実施例について、図7から図10を参照しながら説明する。
[電子機器]
本発明の一実施形態に係る原子発振器200を適用した電子機器について、図7から図10を参照しながら説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る原子発振器200を備える電子機器としてのラップトップ型(またはモバイル型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、ラップトップ型パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1008を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。この様なラップトップ型パーソナルコンピューター1100には、そのラップトップ型パーソナルコンピューター1100動作のクロック信号として用いられる原子発振器200が搭載されている。この様な原子発振器200は、原子発振器200を構成する量子干渉装置100において電磁誘起透明化現象によって得られる信号の周波数変移が抑制された信号に基づいて発振するため、高精度、かつ高安定度を保ったクロック信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器200が搭載されることで信頼性の高いラップトップ型パーソナルコンピューター1100を得ることができる。
図8は、本発明の実施形態に係る原子発振器200を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。この様な携帯電話機1200には、携帯電話機1200の通信および動作の基準となるクロック信号の発振器として原子発振器200が搭載されている。この様な原子発振器200は、原子発振器200を構成する量子干渉装置100において電磁誘起透明化現象によって得られる信号の周波数変移が抑制された信号に基づいて発振するため、高精度、かつ高安定度を保ったクロック信号を発振することができる。したがって、高精度な信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器200が搭載されることで信頼性の高い携帯電話機1200を得ることができる。
図9は、本発明の実施形態に係る原子発振器200を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その動作のクロック信号となる原子発振器200が搭載されている。このような原子発振器200は、原子発振器200を構成する量子干渉装置100において電磁誘起透明化現象によって得られる信号の周波数変移が抑制された信号に基づいて発振するため、高精度、かつ高安定度を保ったクロック信号を発振することができる。したがって、高精度な信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器200が搭載されることで信頼性の高いデジタルスチールカメラ1300を得ることができる。
なお、本発明の一実施形態に係る原子発振器200は、図7のラップトップ型パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図8の携帯電話機、図9のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図10は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。加速度センサーとして機能する原子発振器200が自動車1500の各種制御ユニットに搭載されている。例えば、同図に示す様に、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知するセンサーを内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:Engine Control unit)1508が車体1507に搭載されている。高精度なクロック信号を得られる原子発振器200が電子制御ユニット1508に搭載されることで、車体1507の姿勢に応じた適切なエンジン出力制御を高精度に実行し、燃料等の消費を抑制した効率的な移動体としての自動車1500を得ることができる。
また、原子発振器200は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
10…光出射部、11…ガスセル、11a…容器、11c…筐体、11g…ガス、11ag…緩衝ガス、12…光検出部、13…磁場発生部、14…与圧部、21…検波回路部、22…電圧制御水晶発振部、23…変調回路部、24…低周波発振部、25…周波数変換回路部、26…検波回路部、27…変調回路部、28…低周波発振部、29…駆動回路部、30…磁場設定回路部、31…バイアス設定回路部、32…メモリー部、33…周波数変換回路部、100…量子干渉装置、200…原子発振器、1100…ラップトップ型パーソナルコンピューター、1200…携帯電話機、1300…デジタルスチールカメラ、1500…自動車。

Claims (10)

  1. 筐体と、
    前記筐体に内包されている容器と、
    前記容器中に封入されている金属と、
    共鳴光を含む光を発生させて前記金属に照射する光出射部と、
    前記容器中に封入されている前記金属を透過した前記光を検出する光検出部と、
    前記筐体と前記容器との間に配置されているガスと、
    を備えていること特徴とする量子干渉装置。
  2. 前記容器には、前記光が通過する導光部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の量子干渉装置。
  3. 前記ガスを前記筐体と前記容器との間に補充するとともに、前記ガスに圧力を与える与圧機構が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の量子干渉装置。
  4. 前記ガスは、ヘリウムを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の量子干渉装置。
  5. 前記導光部は、ガラスを含み構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の量子干渉装置。
  6. 前記容器は、ホウ珪酸ガラスを含み構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の量子干渉装置。
  7. 前記ガスの圧力は、前記容器内の圧力と比べて高く、かつ3気圧よりも低いことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の量子干渉装置。
  8. 筐体と、
    前記筐体に内包されている容器と、
    前記容器中に封入されている金属と、
    共鳴光を含む光を発生させて前記金属に照射する光出射部と、
    前記容器中に封入されている前記金属を透過した前記光を検出する光検出部と、
    前記筐体と前記容器との間に配置されているガスと、
    を備えていることを特徴とする原子発振器。
  9. 請求項8に記載した原子発振器を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項8に記載した原子発振器を備えることを特徴とする移動体。
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