JP7003579B2 - 量子干渉効果を用いた装置および周波数信号生成システム - Google Patents

量子干渉効果を用いた装置および周波数信号生成システム Download PDF

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Description

本発明は、周波数信号生成装置および周波数信号生成システムに関する。
周波数信号生成装置として、光源と、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属原子が封入された原子セルと、を備え、アルカリ金属原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
例えば特許文献1には、金属原子および緩衝ガスが封入されている内部空間を有する原子セルが記載されており、緩衝ガスは、窒素ガスおよびアルゴンガスを含む混合ガスである。
特開2015-119443号公報
しかしながら、特に分子量が小さい気体分子は、原子セルの壁部に対する透過性が高い。そのため、緩衝ガスに含まれる気体分子が原子セルから流出したり、外部に存在する気体分子が原子セルに流入したりする場合がある。これにより、緩衝ガスに含まれる気体分子の分圧が変化し、周波数安定度が低下する場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、緩衝ガスに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる周波数信号生成装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、緩衝ガスに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる周波数信号生成システムを提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る周波数信号生成装置は、光源と、気体のアルカリ金属原子および緩衝ガスが封入され、前記光源から出射された光が通過する原子セルと、前記緩衝ガスと共通の気体分子を含むガスが封入され、前記原子セルを収容する容器と、を含み、前記共通の気体分子の圧力は、前記原子セル内と前記容器内とで実質的に同じである。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、緩衝ガスおよびガスに含まれる共通の気体分子の圧力は、原子セル内と容器内とで実質的に同じであるため、緩衝ガスに含まれる共通の気体分子が、原子セルの壁部を透過して、原子セルから流出したり、ガスに含まれる共通の気体分子が、原子セルの壁部を透過して、原子セル内に流入したりすることを抑制することができる。これにより、本適用例に係る周波数信号生成装置では、緩衝ガスに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる。
[適用例2]
本適用例に係る周波数信号生成装置において、前記ガスは、前記共通の気体分子よりも
前記原子セルの壁部に対する透過性が低い気体分子を含み、前記ガスの全圧は、大気圧と実質的に同じであってもよい。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、ガスの全圧は、大気圧と実質的に同じであるため、ガスの全圧と大気圧との差によって容器の形状が変化して周波数安定度が低下することを抑制することができる。
[適用例3]
本適用例に係る周波数信号生成装置において、前記緩衝ガスは、前記透過性が低い気体分子を含んでもよい。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、緩衝ガスおよびガスがともに透過性が低い気体分子を含むため、緩衝ガスおよびガスの一方が透過性が低い気体分子を含み、他方が透過性が低い気体分子を含まない場合よりも、透過性が低い気体分子が原子セルの壁部を透過することを、より確実に抑制することができる。
[適用例4]
本適用例に係る周波数信号生成装置において、前記原子セル内における前記緩衝ガスの圧力は、大気圧よりも小さくてもよい。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、原子セル内における緩衝ガスの圧力は、大気圧よりも小さいため、EIT(Electromagnetically Induced Transparency)信号の強度が大きい。
[適用例5]
本適用例に係る周波数信号生成装置において、前記ガスは、前記共通の気体分子を複数種類含んでもよい。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、緩衝ガスに含まれる複数種類の共通の気体分子の分圧の変動を抑制することができる。
[適用例6]
本適用例に係る周波数信号生成装置において、前記原子セルを透過した光を受光する受光素子を含み、前記容器は、前記光源および前記受光素子を収容してもよい。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、容器は、光源および受光素子を収容するため、容器に、光源から出射される光を透過させるための窓部を設ける必要がなく、ガスが窓部を透過して容器の外部に流出することを抑制することができる。
[適用例7]
本適用例に係る周波数信号生成装置において、前記共通の気体分子は、水素、ヘリウム、ネオン、窒素、アルゴン、またはクリプトンであってもよい。
本適用例に係る周波数信号生成装置では、共通の気体分子は上記のような分子であるため、緩衝ガスは、気体のアルカリ金属原子同士が衝突して周波数安定度が低下することを抑制することができる。
[適用例8]
本適用例に係る周波数信号生成システムは、周波数信号生成装置を含む、周波数信号生成システムであって、前記周波数信号生成装置は、光源と、気体のアルカリ金属原子およ
び緩衝ガスが封入され、前記光源から出射された光が通過する原子セルと、前記緩衝ガスと共通の気体分子を含むガスが封入され、前記原子セルを収容する容器と、を含み、前記共通の気体分子の圧力は、前記原子セル内と前記容器内とで実質的に同じである。
本適用例に係る周波数信号生成システムでは、緩衝ガスに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる。
実施形態に係る周波数信号生成装置を示す概略図。 実施形態に係る周波数信号生成装置を模式的に示す断面図。 実施形態に係る周波数信号生成装置を模式的に示す平面図。 実施形態に係る周波数信号生成装置の原子セルを模式的に示す断面図。 実施形態に係る周波数信号生成装置の原子セルを模式的に示す断面図。 実施形態に係る周波数信号生成装置の原子セルユニットおよび容器を模式的に示す断面図。 実施形態の第1変形例に係る周波数信号生成装置の原子セルユニットおよび容器を模式的に示す断面図。 実施形態の第2変形例に係る周波数信号生成装置の発光素子モジュール、原子セルユニット、容器、および仕切り板を模式的に示す断面図。 実施形態に係る周波数信号生成システムを示す概略構成図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 周波数信号生成装置
1.1. 構成
まず、本実施形態に係る周波数信号生成装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る周波数信号生成装置100を示す概略図である。
周波数信号生成装置100は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT)現象とも言う。また、本発明に係る周波数信号生成装置は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した原子発振器であってもよい。
周波数信号生成装置100は、図1に示すように、発光素子モジュール10と、原子セルユニット20と、発光素子モジュール10と原子セルユニット20との間に設けられている光学系ユニット30と、発光素子モジュール10および原子セルユニット20の作動を制御する制御ユニット50と、を含む。以下、まず、周波数信号生成装置100の概略について説明する。
発光素子モジュール10は、ペルチェ素子11と、発光素子12と、温度センサー13と、を有している。発光素子12は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。温度センサー13は、発光素子12の温度を検出する。ペルチェ素子11は、発光素子12の温度を調節する。
光学系ユニット30は、減光フィルター31と、レンズ32と、1/4波長板33と、を有している。減光フィルター31は、発光素子12から出射された光LLの強度を減少させる。レンズ32は、光LLの放射角度を調整する。1/4波長板33は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を直線偏光から円偏光、すなわち右円偏光または左円偏光に変換する。
原子セルユニット20は、原子セル21と、受光素子22と、ヒーター23と、温度センサー24と、コイル25と、を有している。
原子セル21は、光透過性を有し、原子セル21には、アルカリ金属原子が収容されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。原子セル21には、発光素子12から出射された光LLが減光フィルター31、レンズ32、および1/4波長板33を介して入射する。そして、受光素子22は、原子セル21を通過した光LLを受光し、検出する。
ヒーター23は、原子セル21に収容されたアルカリ金属原子を加熱し、アルカリ金属原子の少なくとも一部をガス状態とする。温度センサー24は、原子セル21の温度を検出する。コイル25は、原子セル21に収容されたアルカリ金属原子に所定方向の磁場を印加し、アルカリ金属原子のエネルギー準位をゼーマン分裂させる。アルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の共鳴光対がアルカリ金属原子に照射されると、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなる。その結果、周波数信号生成装置100の発振特性を向上させることができる。
制御ユニット50は、温度制御部51と、光源制御部52と、磁場制御部53と、温度制御部54と、を有している。温度制御部51は、温度センサー24の検出結果に基づいて、原子セル21の内部が所望の温度となるように、ヒーター23への通電を制御する。磁場制御部53は、コイル25が発生する磁場が一定となるように、コイル25への通電を制御する。温度制御部54は、温度センサー13の検出結果に基づいて、発光素子12の温度が所望の温度となるように、ペルチェ素子11への通電を制御する。
光源制御部52は、受光素子22の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、発光素子12から出射された光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル21に収容されたアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。光源制御部52は、2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型発振器(図示せず)を備えており、この電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の出力信号を周波数信号生成装置100の出力信号(クロック信号)として出力する。
以上、周波数信号生成装置100の概略について説明した。以下、図2および図3に基づいて、周波数信号生成装置100のより具体的な構成について説明する。
図2は、周波数信号生成装置100を模式的に示す断面図である。図3は、周波数信号生成装置100を模式的に示す平面図である。なお、図2は、図3のII-II線断面図である。また、図2,3では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。また、便宜上、図3では、容器60の一部の図示を省略している。また、図3では、光学系ユニット30のホルダー34については、XY平面で切断した断面図を示
している。
周波数信号生成装置100は、発光素子モジュール10と、原子セルユニット20と、光学系ユニット30と、光学系ユニット30を支持している支持部材40と、発光素子モジュール10および原子セルユニット20に電気的に接続されている制御ユニット50と、これらを収容している容器60と、を含む。
ここで、Z軸は、支持部材40の設置面42に垂直な軸であり、+方向は、支持部材40から配置されている部品へ向かう方向である。X軸は、発光素子モジュール10からの光LLに沿う軸であり、+方向は、光の進む方向である。言い換えると、X軸は、発光素子モジュール10と原子セルユニット20との配列方向に沿う軸であり、+方向は、発光素子モジュール10から原子セルユニット20へ向かう方向である。Y軸は、X軸およびZ軸に垂直な軸である。
発光素子モジュール10は、ペルチェ素子11と、発光素子12と、温度センサー13と、これらを収容しているパッケージ14と、を有している。発光素子12は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)である。発光素子12は、光LLを出射する光源である。以下では、発光素子12を光源12とも言う。
光学系ユニット30は、発光素子モジュール10を保持している。光学系ユニット30は、減光フィルター31と、レンズ32と、1/4波長板33と、これらを保持しているホルダー34と、を有している。
ホルダー34には、貫通孔35が設けられている。貫通孔35は、光LLの通過領域であり、貫通孔35に、減光フィルター31、レンズ32、および1/4波長板33がこの順で配置されている。図3に示すように、減光フィルター31は、光LLの光軸Aを法線とする面に対して傾斜した姿勢で、図示しない接着剤等によりホルダー34に対して固定されている。レンズ32および1/4波長板33は、それぞれ、光軸Aを法線とする面に沿った姿勢で、図示しない接着剤等によりホルダー34に対して固定されている。貫通孔35の減光フィルター31側(-X軸方向左側)の端部には、図示しない取付部材により発光素子モジュール10が取り付けられている。ホルダー34は、例えば、アルミニウム等の金属材料で構成されており、放熱性を有する。これにより、発光素子モジュール10の放熱を効率的に行うことができる。
なお、光学系ユニット30は、光源12からの光LLの強度、放射角度等によっては、減光フィルター31およびレンズ32のうちの少なくとも一方を省略することができる。また、光学系ユニット30は、減光フィルター31、レンズ32、および1/4波長板33以外の光学素子を有していてもよい。また、減光フィルター31、レンズ32、および1/4波長板33の配置順は、図示の順に限定されず、任意である。
原子セルユニット20は、原子セル21と、受光素子22と、ヒーター23と、温度センサー24と、コイル25と、これらを収容しているパッケージ26と、を有している。
原子セル21には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属原子が収容されている。原子セル21の詳細な説明は、後述する。
受光素子22は、原子セル21に対して発光素子モジュール10とは反対側に配置されている。受光素子22としては、原子セル21の内部を透過した光LL(共鳴光対)の強度を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオー
ド等の光検出器が挙げられる。
ヒーター23は、図示しないが、例えば、原子セル21の+Z軸方向側に配置されているか、または、金属等の熱伝導性部材を介して、原子セル21に接続されている。ヒーター23としては、原子セル21を加熱することができれば、特に限定されないが、例えば、発熱抵抗体を有する各種ヒーター、ペルチェ素子等が挙げられる。
温度センサー24は、図示しないが、例えば、原子セル21またはヒーター23の近傍に配置されている。温度センサー24としては、原子セル21またはヒーター23の温度を検出することができれば、特に限定されないが、例えば、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーが挙げられる。
コイル25は、図示しないが、例えば、原子セル21の外周に沿って巻回して設けられているソレノイド型のコイル、または、原子セル21を介して対向するヘルムホルツ型の1対のコイルである。コイル25は、原子セル21の内部に光LLの光軸Aに沿った方向(平行な方向)の磁場を発生させる。これにより、原子セル21に収容されたアルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップをゼーマン分裂により拡げて、分解能を向上させ、EIT信号の線幅を小さくすることができる。なお、コイル25が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。
パッケージ26は、原子セル21、受光素子22、ヒーター23、温度センサー24、およびコイル25を収容している。パッケージ26は、原子セル21、受光素子22、ヒーター23、温度センサー24、およびコイル25を直接的または間接的に支持している。パッケージ26の外表面には、受光素子22、ヒーター23、温度センサー24、およびコイル25に電気的に接続されている複数の端子が設けられている。パッケージ26には、光LLに対する透過性を有する窓部27が設けられている。
パッケージ26の材質は、特に限定されないが、例えば、セラミックス、金属等である。パッケージ26の材質に、例えば、パーマロイやコバール等を使用することにより、パッケージ26を、磁気に対するシールドとして機能させてもよい。窓部27の材質は、例えば、ガラス材料等である。パッケージ26内は、大気圧よりも減圧されていることが好ましい。これにより、簡単かつ高精度に、原子セル21の温度を制御することができる。その結果、周波数信号生成装置100の特性を向上させることができる。
支持部材40は、板状をなし、支持部材40上には、原子セルユニット20および光学系ユニット30が載置されている。支持部材40は、光学系ユニット30のホルダー34の下面の形状に沿った設置面42を有する。設置面42には、段差部43が形成されている。段差部43は、ホルダー34の下面の段差部と係合して、ホルダー34が原子セルユニット20側(+X軸方向側)へ移動するのを規制する。同様に、支持部材40は、原子セルユニット20のパッケージ26の下面の形状に沿った設置面44を有する。設置面44には、段差部45が形成されている。段差部45は、パッケージ26の端面と係合して、パッケージ26が光学系ユニット30側(-X軸方向側)へ移動するのを規制する。
このように、支持部材40により、原子セルユニット20および光学系ユニット30の相対的な位置関係を規定することができる。そして、発光素子モジュール10がホルダー34に対して固定されているため、原子セルユニット20および光学系ユニット30に対する発光素子モジュール10の相対的な位置関係も規定されることとなる。ここで、パッケージ26およびホルダー34は、それぞれ、図示しないネジ等の固定部材により、支持部材40に対して固定されている。また、支持部材40は、図示しないネジ等の固定部材
により、容器60に対して固定されている。支持部材40は、例えば、アルミニウム等の金属材料で構成されており、放熱性を有する。これにより、発光素子モジュール10の放熱を効率的に行うことができる。
制御ユニット50は、図3に示すように、回路基板55と、回路基板55に設けられている2つのコネクター56a,56bと、発光素子モジュール10に接続されているリジット配線基板57aと、原子セルユニット20に接続されているリジット配線基板57bと、コネクター56aとリジット配線基板57aとを接続しているフレキシブル配線基板58aと、コネクター56bとリジット配線基板57bとを接続しているフレキシブル配線基板58bと、回路基板55を貫通している複数のリードピン59と、を有している。
回路基板55には、図示しないIC(Integrated Circuit)チップが設けられている。ICチップは、温度制御部51,54、光源制御部52、および磁場制御部53として機能する。回路基板55には、支持部材40が挿通されている貫通孔55aが設けられている。回路基板55は、複数のリードピン59を介して、容器60に対して支持されている。複数のリードピン59は、それぞれ、容器60の内外を貫通しており、回路基板55に電気的に接続されている。
なお、回路基板55と発光素子モジュール10とを電気的に接続する構成、および、回路基板55と原子セルユニット20とを電気的に接続する構成は、図示のコネクター56a,56b、リジット配線基板57a,57b、およびフレキシブル配線基板58a,58bに限定されず、それぞれ、他の公知のコネクターおよび配線であってもよい。
容器60は、発光素子モジュール10、原子セルユニット20、光学系ユニット30、支持部材40、および制御ユニット50を収容している。容器60は、例えば、パーマロイやコバール等の金属材料で構成されており、磁気シールド性を有している。これにより、外部磁場が周波数信号生成装置100の特性に悪影響を与えることを抑制することができる。
1.2. 原子セル
次に、原子セル21について、詳細に説明する。図4は、原子セル21を模式的に示す断面図である。図5は、原子セル21を模式的に示す図4のV-V線断面図である。
光源12から出射された光LLは、原子セル21を通過する。原子セル21は、図4および図5に示すように、内部空間110と、壁部120と、を含む。内部空間110は、キャビティー112と、リザーバー114と、連通孔116と、を含む。
キャビティー112は、例えば、アルカリ金属原子の飽和蒸気圧となっている。図示の例では、キャビティー112の形状は、円筒状である。光LLは、キャビティー112を通過する。
リザーバー114は、連通孔116を介して、キャビティー112と連通している。リザーバー114の体積は、キャビティー112の体積よりも小さい。図示の例では、リザーバー114の形状は、円筒状である。
原子セル21は、気体のアルカリ金属原子Gmおよび緩衝ガスGbを含む第1ガスG1が封入されている。第1ガスG1は、内部空間110に存在している。具体的には、第1ガスG1は、キャビティー112、リザーバー114、および連通孔116に存在している。
気体のアルカリ金属原子Gmは、上述のように、例えば、ルビジウム、セシウム等である。気体のアルカリ金属原子Gmは、ガス状である。リザーバー114は、キャビティー112よりも低温となるように温度調整される。そのため、リザーバー114には、液体のアルカリ金属原子Mが存在する。これにより、キャビティー112の気体のアルカリ金属原子Gmが壁部120との反応等により減少した場合、液体のアルカリ金属原子Mが気化して、キャビティー112における気体のアルカリ金属原子Gmの濃度を一定に保つことができる。気体のアルカリ金属原子Gmは、液体のアルカリ金属原子Mと同じ種類のアルカリ金属原子である。
緩衝ガスGbは、例えば、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、窒素ガス、アルゴンガス、クリプトンガス、または、これらの混合ガス等である。緩衝ガスGbは、例えば、気体のアルカリ金属原子Gm同士が衝突して周波数信号生成装置100の周波数安定度が低下することを抑制することができる。
壁部120は、内部空間110を規定している。壁部120は、例えば、直方体の外形形状を有している。壁部120は、本体部122と、窓部124,126と、を有している。本体部122には、2つの貫通孔が設けられている。該2つの貫通孔は、それぞれ、キャビティー112およびリザーバー114を構成している。窓部124,126は、本体部122を挟んで設けられている。窓部124,126の形状は、板状である。本体部122のキャビティー112とリザーバー114との間に位置する部分には、連通孔116が設けられている。
本体部122の材質は、例えば、シリコン、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどである。本体部122は、例えば、シリコン基板やガラス基板などをエッチング等によって加工することにより形成される。窓部124,126は、光LLを透過させる。窓部124,126の材質は、例えば、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどである。本体部122と窓部124,126との接合としては、接着剤による接合、直接接合、陽極接合などが挙げられる。
ここで、図6は、周波数信号生成装置100を模式的に示す断面図であって、周波数信号生成装置100の原子セルユニット20および容器60のみを示している。なお、便宜上、図6では、原子セルユニット20のヒーター23、温度センサー24、およびコイル25の図示を省略している。
容器60は、図6に示すように、原子セルユニット20を収容している。すなわち、容器60は、原子セル21、および原子セル21を透過した光を受光する受光素子22を収容している。容器60は、パッケージとも言える。さらに、容器60は、図3に示すように、光源12を収容している。容器60の材質は、上述のように、例えば、パーマロイ、コバールなどである。容器60は、図6に示すように、内部空間62と、内部空間62を規定している壁部64と、を含む。
容器60には、第2ガスG2が封入されている。第2ガスG2は、内部空間62に存在している。第2ガスG2は、例えば、窓部27を通過し、パッケージ26内にも存在している。内部空間62は、気密封止されている。
第2ガスG2は、緩衝ガスGbと共通の気体分子を含む。共通の気体分子の圧力は、原子セル21内と容器60内とで実質的に同じである。言い換えると、共通の気体分子の圧力は、原子セル21の内部空間110と容器60の内部空間62とで実質的に同じである。
ここで、「共通の気体分子の圧力は、原子セル21内と容器60内とで実質的に同じである。」とは、原子セル21内における共通の気体分子の圧力(第1圧力)と、容器60内における共通の気体分子の圧力(第2圧力)とが同じ場合と、第1圧力と第2圧力との差が、第1圧力および第2圧力のうち大きい方の圧力の50%以下の場合と、を含む。なお、第1圧力と第2圧力との差が、第1圧力および第2圧力のうち大きい方の圧力の20%以下であることが、より好ましい。
例えば、第1圧力が100torrであり、第2圧力が120torrである場合、第1圧力と第2圧力との差は、20torrであり、120torrの20%である24torr以下である。そのため、この場合は、「共通の気体分子の圧力は、原子セル21内と容器60内とで実質的に同じである。」に該当する。本明細書において、1torrは、133.32Paである。
なお、「容器60内における共通の気体分子の圧力」とは、容器60内であって、原子セル21の外部における共通の気体分子の圧力である。例えば、容器60の壁部64とパッケージ26との間における共通の気体分子の圧力と、パッケージ26と原子セル21の壁部120との間における共通の気体分子の圧力とは、同じである。
また、原子セル21内における共通の気体分子の圧力、または容器60内における共通の気体分子の圧力は、例えば、既知の温度および既知の雰囲気で、原子セル21の壁部120、または容器60の壁部64を破壊し、四重極型質量分析計M-401QA-MU/G(キヤノンアネルバ株式会社製)や、高分解能マルチターン飛行時間型質量分析装置infiTOF-UHV(日本カノマックス株式会社製)を用いて、質量分析を行うことにより、求めることができる。
緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子は、例えば、水素、ヘリウム、ネオン、窒素、アルゴン、またはクリプトンである。気体分子は、ガス状である。共通の気体分子は、単原子分子であってもよい。緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、共通の気体分子を複数種類含んでいてもよし、共通の気体分子を1種類のみ含んでいてもよい。緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、複数種類の共通の気体分子のみから構成されていてもよいし、共通の気体分子以外の気体分子を含んでいてもよい。
図6に示す例では、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、ヘリウムガスGHe、ネオンガスGNe、窒素ガスGN2、およびアルゴンガスGArを含んでいる。ヘリウムガスGHe、ネオンガスGNe、窒素ガスGN2、およびアルゴンガスGArの圧力の各々は、原子セル21内と容器60内とで実質的に同じである。図示の例では、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、共通の気体分子を複数種類含み、かつ、複数種類の共通の気体分子のみから構成されている。
第1ガスG1の全圧は、大気圧よりも小さい。大気圧は、例えば、容器60の外部における圧力である。大気圧は、例えば、760torrである。第1ガスG1の全圧は、例えば、50torr以上200torr以下である。
第1ガスG1の全圧は、気体のアルカリ金属原子Gmの分圧と、緩衝ガスGbの分圧と、の合計である。なお、気体のアルカリ金属原子Gmの分圧は、緩衝ガスGbの分圧に比べて、非常に小さい。したがって、第1ガスG1の全圧を、原子セル21内における緩衝ガスGbの圧力としてもよい。
第2ガスG2の全圧は、大気圧と実質的に同じである。ここで、「第2ガスG2の全圧は、大気圧と実質的に同じである。」とは、第2ガスG2の全圧が大気圧と同じである場
合と、第2ガスG2の全圧と大気圧との差が、第2ガスG2の全圧および大気圧のうち大きい方の圧力の20%以下の場合と、を含む。なお、第2ガスG2の全圧が大気圧と同じである場合と、第2ガスG2の全圧と大気圧との差が、第2ガスG2の全圧および大気圧のうち大きい方の圧力の10%以下であることが、より好ましい。
周波数信号生成装置100では、例えば、所定の雰囲気で、原子セル21を作製し、原子セル21を作製した雰囲気において、原子セル21を収容するように容器60を作製することにより、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子の圧力を、原子セル21内と容器内60とで実質的に同じにすることができる。
周波数信号生成装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
周波数信号生成装置100では、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子の圧力は、原子セル21内と容器内60とで実質的に同じである。そのため、緩衝ガスGbに含まれる共通の気体分子が、原子セル21の壁部120を透過して、原子セル21から流出したり、第2ガスG2に含まれる共通の気体分子が、原子セル21の壁部120を透過して、原子セル21内に流入したりすることを抑制することができる。これにより、周波数信号生成装置100では、緩衝ガスGbに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる。その結果、周波数信号生成装置100では、高い周波数安定度を有する。
例えば、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子の圧力が原子セル21内と容器内60とで異なると、圧力の差が小さくなるように、気体分子が原子セル21の壁部120を透過し、緩衝ガスGbに含まれる気体分子の分圧が変動する。特に水素やヘリウムは、分子量が小さく、壁部120を透過しやすい。
原子セル21内における共通の気体分子の第1圧力と、容器60内における共通の気体分子の第2圧力との差が、第1圧力および第2圧力のうち大きい方の圧力の20%以下であれば、周波数信号生成装置100の周波数安定度に影響が無い程度に、緩衝ガスGbに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる。
周波数信号生成装置100では、第2ガスG2の全圧は、大気圧と実質的に同じである。そのため、周波数信号生成装置100では、第2ガスG2の全圧と大気圧との差によって容器60の壁部64の形状が変化して周波数安定度が低下することを抑制することができる。第2ガスG2の全圧と大気圧との差が、第2ガスG2の全圧および大気圧のうち大きい方の圧力の20%以下であれば、周波数信号生成装置100の周波数安定度に影響が無い程度に、壁部64の形状の変化を抑制することができる。
周波数信号生成装置100では、原子セル21内における緩衝ガスGbの圧力は、大気圧よりも小さい。そのため、周波数信号生成装置100では、EIT信号の強度が大きい。例えば、原子セル21内における緩衝ガスGbの圧力が大気圧以上であると、気体のアルカリ金属原子が原子セル21内において動き難くなり、EIT信号の強度が小さくなる場合がある。
周波数信号生成装置100では、第2ガスG2は、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子を複数種類含む。周波数信号生成装置100では、緩衝ガスGbに含まれる複数種類の共通の気体分子の分圧の変動を抑制することができる。
周波数信号生成装置100では、容器60は、光源12および受光素子22を収容する。そのため、容器60に、光源12から出射される光LLを透過させるための窓部を設け
る必要がないので、第2ガスG2が窓部を透過して容器60の外部に流出することを抑制することができる。
周波数信号生成装置100では、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子は、水素、ヘリウム、ネオン、窒素、アルゴン、またはクリプトンである。そのため、周波数信号生成装置100では、緩衝ガスGbは、気体のアルカリ金属原子Gm同士が衝突して周波数安定度が低下することを抑制することができる。
周波数信号生成装置100では、窓部124,126の材質は、アルミノケイ酸ガラスである。そのため、周波数信号生成装置100では、窓部124,126の材質が石英ガラスである場合に比べて、気体分子が窓部124,126を透過することを抑制することができる。
なお、図示はしないが、本発明に係る原子セルは、リザーバー114および連通孔116を含んでいなくてもよい。言い換えると、本体部122のキャビティー112とリザーバー114と間の部分は、設けられていなくてもよい。
2. 周波数信号生成装置の変形例
2.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る周波数信号生成装置200について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の第1変形例に係る周波数信号生成装置200を模式的に示す断面図であって、周波数信号生成装置200の原子セルユニット20および容器60のみを示している。なお、便宜上、図7では、原子セルユニット20のヒーター23、温度センサー24、およびコイル25の図示を省略している。
以下、本実施形態の第1変形例に係る周波数信号生成装置200において、上述した周波数信号生成装置100の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。このことは、後述する本実施形態の第2変形例に係る周波数信号生成装置において、同様である。
上述した周波数信号生成装置100では、図6に示すように、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、共通の気体分子を複数種類含み、かつ、複数種類の共通の気体分子のみから構成されていた。
これに対し、周波数信号生成装置200では、図7に示すように、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、複数種類の共通の気体分子のみから構成されていない。周波数信号生成装置200では、第2ガスG2は、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子よりも原子セル21の壁部120に対する透過性が低い気体分子を含む。
図示の例では、緩衝ガスGbは、ヘリウムガスGHeのみから構成され、第2ガスG2は、ヘリウムガスGHeおよび窒素ガスGN2のみから構成されている。窒素ガスGN2は、ヘリウムガスGHeよりも原子セル21の壁部120に対する透過性が低いガスである。
なお、原子セル21の壁部120に対するガスの透過性は、壁部120の材質に対する当該ガスの透過係数と言い換えることができる。ガスの透過係数は、ガス分子の種類およびガスが透過する対象物の材質に依存する、固有の値である。
また、緩衝ガスGbは、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2に含まれる共通の気体分子よりも原子セル21の壁部120に対する透過性が低い気体分子を含んでもよい。緩衝ガス
Gbおよび第2ガスG2がともに透過性が低い気体分子を含むことにより、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2の一方が透過性が低い気体分子を含み、他方が透過性が低い気体分子を含まない場合よりも、透過性が低い気体分子が原子セル21の壁部120を透過することを、より確実に抑制することができる。また、例えば、緩衝ガスGbにおける透過性が低い気体分子の分圧と、第2ガスG2における透過性が低い気体分子の分圧と、を同じにすることにより、透過性が低い気体分子が原子セル21の壁部120を透過することを、より確実に抑制することができる。
また、緩衝ガスGbおよび第2ガスG2は、共通の気体分子を複数種類含んでもよい。
2.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る周波数信号生成装置300について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の第2変形例に係る周波数信号生成装置300を模式的に示す断面図であって、周波数信号生成装置300の発光素子モジュール10、原子セルユニット20、容器60、仕切り板70、および容器80のみを示している。なお、便宜上、図8では、原子セルユニット20のヒーター23、温度センサー24、およびコイル25の図示を省略している。
周波数信号生成装置300では、図8に示すように、容器60の内部空間62に仕切り板70が設けられている点において、上述した周波数信号生成装置100と異なる。
周波数信号生成装置300では、内部空間62は、第1空間62aと第2空間62bとを含む。第1空間62aと第2空間62bとは、仕切り板70によって仕切られている。第1空間62aには、発光素子モジュール10が配置されている。第2空間62bには、原子セルユニット20が配置されている。仕切り板70は、発光素子モジュール10から出射された光を透過する。仕切り板70の材質は、例えば、ガラスである。
第1空間62aおよび第2空間62bには、第2ガスG2が存在している。第2ガスG2は、仕切り板70を透過することができる。
容器80は、容器60を収容している。容器80は、パッケージとも言える。容器80の材質は、例えば、パーマロイ、コバールなどである。容器80には、第2ガスG2が封入されていてもよい。
3. 周波数信号生成システム
次に、本実施形態に係る周波数信号生成システム600について、図面を参照しながら説明する。周波数信号生成システム600は、クロック伝送システム(タイミングサーバー)600ということもできる。図9は、クロック伝送システム600を示す概略構成図である。
本発明に係るクロック伝送システムは、本発明に係る周波数信号生成装置を含む。以下では、一例として、周波数信号生成装置100を含むクロック伝送システム600について説明する。
クロック伝送システム600は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
クロック伝送システム600は、図9に示すように、A局(上位(N系))のクロック供給装置601およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置602と、B局(
上位(E系))のクロック供給装置603およびSDH装置604と、C局(下位)のクロック供給装置605およびSDH装置606,607と、を備える。クロック供給装置601は、周波数信号生成装置100を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置601内の周波数信号生成装置100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック608,609からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置602は、クロック供給装置601からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置605に伝送する。クロック供給装置603は、周波数信号生成装置100を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置603内の周波数信号生成装置100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック608,609からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置604は、クロック供給装置603からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置605に伝送する。クロック供給装置605は、クロック供給装置601,603からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
クロック供給装置605は、通常、クロック供給装置601からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置605は、クロック供給装置603からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置606は、クロック供給装置605からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置607は、クロック供給装置605からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
周波数信号生成システム600は、周波数信号生成装置100を含む。そのため、周波数信号生成システム600は、緩衝ガスGbに含まれる気体分子の分圧の変動を抑制することができる。
また、周波数信号生成システム600は、クロック伝送システム以外に、各種電子機器や通信システム等であってもよい。例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、液体吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計)、魚群探知機、GNSS(Global Navigation Satellite System)基準周波数標準器、各種測定機器、計器類(例えば、自動車、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体(自動車、航空機、船舶等)であってもよい。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び
結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…発光素子モジュール、11…ペルチェ素子、12…発光素子、13…温度センサー、14…パッケージ、20…原子セルユニット、21…原子セル、22…受光素子、23…ヒーター、24…温度センサー、25…コイル、26…パッケージ、27…窓部、30…光学系ユニット、31…減光フィルター、32…レンズ、33…1/4波長板、34…ホルダー、35…貫通孔、40…支持部材、42…設置面、43…段差部、44…設置面、45…段差部、50…制御ユニット、51…温度制御部、52…光源制御部、53…磁場制御部、54…温度制御部、55…回路基板、55a…貫通孔、56a,56b…コネクター、57a,57b…リジット配線基板、58a,58b…フレキシブル配線基板、59…リードピン、60…容器、62…内部空間、62a…第1空間、62b…第2空間、64…壁部、70…仕切り板、100…周波数信号生成装置、110…内部空間、112…キャビティー、114…リザーバー、116…連通孔、120…壁部、122…本体部、124,126…窓部、200,300…周波数信号生成装置、600…周波数信号生成システム、601…クロック供給装置、602…SDH装置、603…クロック供給装置、604…SDH装置、605…クロック供給装置、606,607…SDH装置、608,609…マスタークロック

Claims (8)

  1. 光源と、
    気体のアルカリ金属原子および緩衝ガスが封入され、前記光源から出射された光が通過する原子セルと、
    前記緩衝ガスと共通の気体分子を含むガスが封入され、前記原子セルを収容する容器と、
    を含み、
    前記原子セル内における前記共通の気体分子の第1圧力と、前記容器内における前記共通の気体分子の第2圧力とが同じ、または、前記第1圧力と前記第2圧力との差が、前記第1圧力および前記第2圧力のうち大きい方の圧力の50%以下である、量子干渉効果を用いた装置。
  2. 請求項1において、
    前記ガスは、前記共通の気体分子よりも前記原子セルの壁部に対する透過性が低い気体分子を含み、
    前記ガスの全圧は大気圧と同じ、または、前記ガスの全圧と大気圧との差が、前記ガスの全圧および大気圧のうち大きい方の圧力の20%以下である、量子干渉効果を用いた装置。
  3. 請求項2において、
    前記緩衝ガスは、前記透過性が低い気体分子を含む、量子干渉効果を用いた装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記原子セル内における前記緩衝ガスの圧力は、大気圧よりも小さい、量子干渉効果を用いた装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記ガスは、前記共通の気体分子を複数種類含む、量子干渉効果を用いた装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記原子セルを透過した光を受光する受光素子を含み、
    前記容器は、前記光源および前記受光素子を収容する、量子干渉効果を用いた装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記共通の気体分子は、水素、ヘリウム、ネオン、窒素、アルゴン、またはクリプトンである、量子干渉効果を用いた装置。
  8. 量子干渉効果を用いた装置を含む、周波数信号生成システムであって、
    前記量子干渉効果を用いた装置は、
    光源と、
    気体のアルカリ金属原子および緩衝ガスが封入され、前記光源から出射された光が通過する原子セルと、
    前記緩衝ガスと共通の気体分子を含むガスが封入され、前記原子セルを収容する容器と、
    を含み、
    前記原子セル内における前記共通の気体分子の第1圧力と、前記容器内における前記共通の気体分子の第2圧力とが同じ、または、前記第1圧力と前記第2圧力との差が、前記第1圧力および前記第2圧力のうち大きい方の圧力の50%以下である、周波数信号生成システム。
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