JP7063018B2 - 原子発振器および周波数信号生成システム - Google Patents

原子発振器および周波数信号生成システム Download PDF

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Description

本発明は、原子発振器および周波数信号生成システムに関する。
周波数信号生成装置として、光源と、セシウム等のアルカリ金属原子が封入された原子セルと、原子セルを通過した光を検出する光検出素子と、光源、原子セル、および光検出素子を収容する容器と、を含み、アルカリ金属原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
例えば特許文献1には、金属原子および緩衝ガスが封入されている内部空間を有するガスセルにおいて、緩衝ガスを、窒素ガスおよびアルゴンガスを含む混合ガスとし、混合ガスにおけるアルゴンガスのモル分率を15%以上40%以下の範囲とすることにより、優れた温度特性を実現できることが記載されている。
特開2015-119443号公報
しかしながら、原子セルを収容する容器内の雰囲気が大気の場合、特に分子量が小さいヘリウムなどが、原子セルを通って、原子セル内に流入する場合がある。そうすると、原子発振器の周波数が変動する場合がある。
本発明に係る原子発振器の一態様は、光を出射する光源と、気体のアルカリ金属原子と、窒素およびアルゴンを含む緩衝ガスとが封入され、前記光が通過する原子セルと、前記原子セルを通過した前記光を検出する光検出素子と、窒素およびアルゴンを含む混合ガスのみが封入され、前記原子セルを収容する容器と、を含み、前記緩衝ガスの全圧に対する前記緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合x(%)、および前記混合ガスの全圧に対する前記混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合y(%)は、15.0≦x≦40.0、かつ、0.132x+51.8≦y≦0.132x+86.9の関係を満たす。
前記原子発振器の一態様において、前記割合xおよび前記割合yは、0.132x+67.6≦y≦0.132x+71.1の関係を満たしてもよい。
前記原子発振器の一態様において、前記割合は、25.0≦x≦37.0の関係を満たしてもよい。
前記原子発振器の一態様において、前記容器は、互いに反対を向く第1面および第2面と、互いに反対を向く第3面および第4面と、互いに反対を向く第5面および第6面と、を有し、前記第1面には、第1貫通孔が設けられ、前記第2面、前記第3面、前記第4面、前記第5面、および前記第6面の少なくとも1つには、第2貫通孔が設けられていてもよい。
前記原子発振器の一態様において、前記第1貫通孔は、仮想平面に対して、前記第2貫通孔とは反対側に配置され、前記仮想平面は、前記容器の中心を通り、かつ、前記第1面
に平行であってもよい。
前記原子発振器の一態様において、前記第1貫通孔は、他の仮想平面に対して、前記第2貫通孔とは反対側に配置され、前記他の仮想平面は、前記容器の中心を通り、かつ、前記第1面に垂直であってもよい。
前記原子発振器の一態様において、前記第3面は、前記第1面に接続され、前記第2貫通孔は、前記第3面に設けられていてもよい。
前記原子発振器の一態様において、前記第1貫通孔は、前記混合ガスの供給孔であり、前記光源および前記原子セルは、前記仮想平面に対して、前記第1貫通孔と同じ側に配置されていてもよい。
本発明に係る周波数信号生成システムの一態様は、原子発振器を含む、周波数信号生成システムであって、前記原子発振器は、光を出射する光源と、気体のアルカリ金属原子と、窒素およびアルゴンを含む緩衝ガスとが封入され、前記光が通過する原子セルと、前記原子セルを通過した前記光を検出する光検出素子と、窒素およびアルゴンを含む混合ガスのみが封入され、前記原子セルを収容する容器と、を含み、前記緩衝ガスの全圧に対する前記緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合x(%)、および前記混合ガスの全圧に対する前記混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合y(%)は、15.0≦x≦40.0、かつ、0.132x+51.8≦y≦0.132x+86.9の関係を満たす。
実施形態に係る原子発振器を示す概略図。 実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 実施形態に係る原子発振器を模式的に示す斜視図。 実施形態に係る原子発振器の窒素ガスの封入方法を説明するための図。 実施形態の第1変形例に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 実施形態の第2変形例に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 実施形態に係る周波数信号生成システムを示す概略構成図。 経過時間に対する周波数偏差を示すグラフ。 経過時間に対する周波数偏差を示すグラフ。 混合ガスの全圧に対する混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合と、周波数偏差の変化量と、の関係を示すグラフ。 緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合と、混合ガスの全圧に対する混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合と、の関係を示すグラフ。 実験例に用いたモデルを説明するための図。 実験例に用いたモデルを説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 原子発振器
1.1. 概略
まず、本実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る原子発振器100を示す概略図である。
原子発振器100は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象とも言う。また、本発明に係る原子発振器は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した原子発振器であってもよい。
原子発振器100は、図1に示すように、光源ユニット10と、光学系ユニット20と、原子セルユニット30と、光源ユニット10および原子セルユニット30を制御する制御ユニット50と、を含む。以下、まず、原子発振器100の概略について説明する。
光源ユニット10は、ペルチェ素子11と、光源12と、温度センサー13と、を有している。
光源12は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。光源12は、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの発光素子である。温度センサー13は、光源12の温度を検出する。ペルチェ素子11は、光源12の温度を第1の温度に制御する第1温度制御素子である。具体的には、ペルチェ素子11は、光源12を加温または冷却する。第1の温度は、例えば、25℃以上35℃以下である。
光学系ユニット20は、光源ユニット10と原子セルユニット30との間に配置されている。光学系ユニット20は、減光フィルター21と、レンズ22と、1/4波長板23と、を有している。
減光フィルター21は、光源12から出射された光LLの強度を減少させる。レンズ22は、光LLの放射角度を調整する。具体的には、レンズ22は、光LLを平行光にする。1/4波長板23は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を、直線偏光から円偏光に変換する。
原子セルユニット30は、光源12から出射される光LLが通過する原子セル31と、光検出素子32と、ヒーターユニット38と、温度センサー33と、コイル34と、を有している。
原子セル31には、アルカリ金属原子が収容されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。原子セル31には、光源12から出射された光LLが減光フィルター21、レンズ22、および1/4波長板23を介して入射する。
光検出素子32は、原子セル31を通過した光LLを受光し、検出する。光検出素子32は、例えば、フォトダイオードである。
ヒーターユニット38は、原子セル31を、第1の温度とは異なる第2の温度に制御する第2温度制御素子である。ヒーターユニット38は、原子セル31に収容されたアルカリ金属原子を加熱し、アルカリ金属原子の少なくとも一部をガス状態にする。第2の温度は、例えば、60℃以上70℃以下である。
温度センサー33は、原子セル31の温度を検出する。コイル34は、原子セル31に収容されたアルカリ金属原子に所定方向の磁場を印加し、アルカリ金属原子のエネルギー準位をゼーマン分裂させる。
アルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光した共鳴光対がアルカリ金属原子に照射されると、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くなる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号が大きくなる。その結果、原子発振器100の発振特性を向上させることができる。
制御ユニット50は、温度制御部51と、光源制御部52と、磁場制御部53と、温度制御部54と、を有している。
温度制御部51は、温度センサー33の検出結果に基づいて、原子セル31の内部が所望の温度となるように、ヒーターユニット38への通電を制御する。磁場制御部53は、コイル34が発生する磁場が一定となるように、コイル34への通電を制御する。温度制御部54は、温度センサー33の検出結果に基づいて、光源12の温度が所望の温度となるように、ペルチェ素子11への通電を制御する。
光源制御部52は、光検出素子32の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、光源12から出射された光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル31に収容されたアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。光源制御部52は、2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型発振器(図示せず)を備えており、この電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の出力信号を原子発振器100の出力信号(クロック信号)として出力する。
1.2. 具体的な構成
次に、原子発振器100の具体的な構成について説明する。図2および図3は、原子発振器100を模式的に示す断面図である。なお、図2は、図3のII-II線断面図である。また、図2,3および後述する図4~図8では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
原子発振器100は、図2および図3に示すように、光源ユニット10と、光学系ユニット20と、原子セルユニット30と、支持部材40と、制御ユニット50と、外容器60と、を含む。
ここで、Z軸は、外容器60の基部67の内面67aの垂線Qに沿う軸であり、+Z軸方向は、内面67aから内面67a上に配置されている部品へ向かう方向である。X軸は、光源ユニット10から出射される光LLに沿う軸であり、+X軸方向は、光LLの進む方向である。Y軸は、X軸およびZ軸に垂直な軸であり、+Y軸方向は、+Z軸方向を上、+X軸方向を右に向けた時に、手前から奥へ向かう方向である。
光源ユニット10は、支持部材40に配置されている。光源ユニット10は、ペルチェ素子11と、光源12と、温度センサー13と、これらを収容している光源容器14と、光源容器14が配置される光源基板15と、を有している。光源基板15は、例えば、ねじ(図示せず)によって支持部材40に固定されている。ペルチェ素子11、光源12、および温度センサー13は、制御ユニット50と電気的に接続されている。
光学系ユニット20は、支持部材40に配置されている。光学系ユニット20は、減光フィルター21と、レンズ22と、1/4波長板23と、これらを保持しているホルダー24と、を有している。ホルダー24は、例えば、ねじ(図示せず)によって支持部材40に固定されている。
ホルダー24には、貫通孔25が設けられている。貫通孔25は、光LLの通過領域である。貫通孔25には、減光フィルター21、レンズ22、および1/4波長板23が光源ユニット10側からこの順で配置されている。
原子セルユニット30は、原子セル31と、光検出素子32と、保持部材35と、第1原子セル容器36と、第2原子セル容器37と、ヒーターユニット38と、を有している。
原子セル31には、気体のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属原子が収容されている。原子セル31には、光源12から出射された光LLが入射する。原子セル31の材質は、例えば、ガラスなどである。
原子セル31に規定される内部空間131は、図3に示すように、第1空間131aと、第2空間131b、第1空間131aと第2空間131bとを連通する連通路131cと、を有している。第1空間131aの容積は、第2空間131bの容積よりも小さい。光源12から出射された光LLは、第1空間131aを通過する。
第2空間131bは、第1空間131aよりも低温となるように温度調整される。そのため、第2空間131bには、液体のアルカリ金属原子(図示せず)が存在する。これにより、第1空間131aの気体のアルカリ金属原子が原子セル31との反応等により減少した場合、液体のアルカリ金属原子が気化して、第1空間131aにおける気体のアルカリ金属原子の濃度を一定に保つことができる。
光検出素子32は、原子セル31の光源12側とは反対側に配置されている。図示の例では、光検出素子32は、第1原子セル容器36に配置されている。光検出素子32は、制御ユニット50と電気的に接続されている。
保持部材35は、第1原子セル容器36内において、原子セル31を保持している。図示の例では、保持部材35は、ねじ2によって、第1原子セル容器36に固定されている。保持部材35は、光源12から出射された光LLを通過させる構造を有している。保持部材35の材質は、例えば、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などである。
第1原子セル容器36は、原子セル31、光検出素子32、および保持部材35を収容している。第1原子セル容器36は、略直方体の外形形状を有している。第1原子セル容器36には、光LLが通過する貫通孔36aが設けられている。図2に示す例では、第1原子セル容器36は、支持板41を介して、支持部材40に支持されている。第1原子セル容器36の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。このような材料を用いることにより、第1原子セル容器36は、外部からの磁場を遮蔽することができる。これにより、外部からの磁場によって原子セル31内のアルカリ金属原子が影響を受けることを抑え、原子発振器100の発振特性の安定化を図ることができる。
第1原子セル容器36の外表面には、例えば、伝熱部材39が配置されている。伝熱部材39は、第1原子セル容器36とヒーターユニット38との間に配置されている。伝熱部材39は、ヒーターユニット38の熱を原子セル31内のアルカリ金属原子に伝える。
伝熱部材39の材質は、例えば、アルミニウム、銅などである。
第2原子セル容器37は、第1原子セル容器36を収容している。第2原子セル容器37は、図3に示すように、例えば、ねじ3によって支持部材40に固定されている。第2原子セル容器37には、光LLが通過する貫通孔37aが設けられている。
第2原子セル容器37の材質は、例えば、第1原子セル容器36と同じである。第2原子セル容器37は、外部からの磁場を遮蔽することができる。第1原子セル容器36および第2原子セル容器37は、例えば、互いに離間している。そのため、例えば第1原子セル容器36と第2原子セル容器37とが接触している場合に比べて、外部からの磁場を遮蔽する機能を高めることができる。
ヒーターユニット38は、例えば、伝熱部材39に接している。ヒーターユニット38は、加熱素子38aを有している。加熱素子38aは、原子セル31内のアルカリ金属原子を加熱するための素子である。加熱素子38aは、例えば、発熱抵抗体などである。なお、加熱素子38aとして、発熱抵抗体に代えて、あるいは発熱抵抗体と併用して、ペルチェ素子を用いてもよい。
なお、温度センサー33は、図2および図3では図示していないが、原子セル31の近傍に配置されている。温度センサー33は、例えば、サーミスタ、熱電対等の各種温度センサーである。
また、コイル34は、図2および図3では図示していないが、例えば、原子セル31の外周に沿って巻回して設けられているソレノイド型のコイル、または、原子セル31を介して対向するヘルムホルツ型の1対のコイルである。コイル34は、原子セル31内に光LLの光軸Aに沿った方向の磁場を発生させる。これにより、原子セル31に収容されたアルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップをゼーマン分裂により拡げて、分解能を向上させ、EIT信号の線幅を小さくすることができる。
支持部材40は、図2に示すように、外容器60の基部67に片持ちで固定されている。支持部材40は、例えば、基部67の台座部67bに、図3に示すように、2つのねじ4によって固定されている。支持部材40の材質は、例えば、アルミニウム、銅である。支持部材40は、炭素繊維を用いたカーボンシートであってもよい。なお、支持部材40は、接着剤によって、基部67に固定されていてもよい。
支持部材40には、図2に示すように、例えば、貫通孔42が設けられている。図2に示す例では、貫通孔42は、支持部材40をZ軸方向に貫通している。Z軸方向からみて、原子セルユニット30は、貫通孔42と重なる様に配置されている。
制御ユニット50は、回路基板55を有している。回路基板55は、複数のリードピン59を介して、外容器60の基部67に固定されている。回路基板55は、図示しないIC(Integrated Circuit)チップが配置されており、ICチップは、温度制御部51、光源制御部52、磁場制御部53、および温度制御部54として機能する。ICチップは、光源ユニット10および原子セルユニット30と電気的に接続されている。回路基板55には、支持部材40が挿通されている貫通孔56が設けられている。光源ユニット10、光学系ユニット20、および原子セルユニット30は、平面視において、貫通孔56と重なって配置されている。
制御ユニット50は、さらに、回路基板55と光源ユニット10とを接続する第1フレキシブル配線基板57と、回路基板55と原子セルユニット30とを接続する第2フレキ
シブル配線基板58と、を有している。なお、便宜上、図3では、フレキシブル配線基板57,58の図示を省略している。
外容器60は、光源ユニット10、光学系ユニット20、原子セルユニット30、支持部材40、および制御ユニット50を収容している。すなわち、外容器60は、原子セル31を収容している。外容器60は、基部67と、基部67とは別体の蓋部68と、を有している。
外容器60の材質は、例えば、第1原子セル容器36と同じである。そのため、外容器60は、外部からの磁気を遮蔽することができ、外部からの磁気によって原子セル31内のアルカリ金属原子が影響を受けることを抑えることができる。
ここで、図4は、原子発振器100を模式的に示す断面図である。図5は、原子発振器100を模式的に示す斜視図である。なお、便宜上、図4では、光源ユニット10、光学系ユニット20、原子セルユニット30、および支持部材40を簡略化して図示している。
外容器60は、図4および図5に示すように、第1面61と、第2面62と、第3面63と、第4面64と、第5面65と、第6面66と、を有している。面61,62,63,64,65,66は、外容器60の外表面である。面61,62,63,64,65は、例えば、蓋部68の面である。第6面66は、例えば、基部67の面である。外容器60は、例えば、略直方体の形状を有している。
第1面61および第2面62は、互いに反対方向を向いている。図示の例では、面61,62は、互いに平行で、Y軸方向を向いている。第3面63および第4面64は、互いに反対方向を向いている。図示の例では、面63,64は、互いに平行で、X軸方向を向いている。面63,64は、面61,62に接続されている。図示の例では、面63,64は、面61,62と直交している。第5面65および第6面66は、互いに反対方向を向いている。図示の例では、面65,66は、互いに平行で、Z軸方向を向いている。第5面65は、面61,62,63,64に接続されている。図示の例では、第5面65は、面61,62,63,64と直交している。
第1面61には、第1貫通孔60aが設けられている。第2面62、第3面63、第4面64、第5面65、および第6面66の少なくとも1つには、第2貫通孔60bが設けられている。図示の例では、第2貫通孔60bは、第3面63に設けられている。第2貫通孔60bは、第1面61には設けられていない。図5に示す例では、貫通孔60a,60bの形状は、楕円であるが、その形状は、特に限定されない。貫通孔60a,60bは、外容器60の側壁を貫通して設けられている。図示の例では、貫通孔60a,60bは、1つずつ設けられている。
第1貫通孔60aは、図4に示すように、例えば、第1仮想平面S1に対して、第2貫通孔60bとは反対側に配置されている。図示の例では、第1貫通孔60aは、第1仮想平面S1の-Y軸方向側に配置され、第2貫通孔60bは、第1仮想平面S1の+Y軸方向側に配置されている。第1仮想平面S1は、外容器60の中心Cを通り、かつ、第1面61に平行な面である。中心Cは、例えば、面61,62間の中間点であり、かつ、面63,64間の中間点であり、かつ、面65,66間の中間点である。
第1貫通孔60aは、例えば、第2仮想平面(他の仮想平面)S2に対して、第2貫通孔60bとは反対側に配置されている。図示の例では、第1貫通孔60aは、第2仮想平面S2の+X軸方向側に配置され、第2貫通孔60bは、第2仮想平面S2の-X軸方向
側に配置されている。第2仮想平面S2は、外容器60の中心Cを通り、かつ、第1面61に垂直な面である。
光源ユニット10、光学系ユニット20、原子セルユニット30、支持部材40、およびフレキシブル配線基板57,58は、第1仮想平面S1に対して、第1貫通孔60aと同じ側に配置されている。すなわち、光源12および原子セル31は、第1仮想平面S1に対して、第1貫通孔60aと同じ側に配置されている。図示の例では、光源ユニット10、光学系ユニット20、原子セルユニット30、支持部材40、フレキシブル配線基板57,58、および第1貫通孔60aは、第1仮想平面S1の-Y軸方向側に配置されている。
第1貫通孔60aは、第1封止部材70によって封止されている。第2貫通孔60bは、第2封止部材72によって封止されている。封止部材70,72の材質は、例えば、はんだなどである。
なお、図示はしないが、貫通孔60a,60bは、ねじ穴であり、封止部材70,72は、それぞれ貫通孔60a,60bに螺合可能なねじであってもよい。また、図示はしないが、回路基板55の第1仮想平面S1よりも+Y軸方向側の領域には、回路基板55と電気的に接続された他の回路基板が積層されていてもよい。
原子セル31には、気体のアルカリ金属原子(アルカリ金属原子ガス)と、窒素(N)およびアルゴン(Ar)を含む緩衝ガスが封入されている。原子セル31には、例えば、気体のアルカリ金属原子および緩衝ガスのみが封入されている。緩衝ガスは、例えば、窒素およびアルゴンのみを含む。緩衝ガスは、例えば、気体のアルカリ金属原子同士が衝突して原子発振器100の周波数安定度が低下することを抑制することができる。
緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合x(%)は、下記式(1)を満たし、好ましくは下記式(2)を満たす。これにより、例えば、原子セル31を小型化した場合に、優れた温度特性を実現することができる。すなわち、温度変化に対する周波数の変動を小さくすることができる。
15.0≦x≦40.0 ・・・(1)
25.0≦x≦37.0 ・・・(2)
なお、原子セル31内(内部空間131)には、緩衝ガスとアルカリ金属原子ガスとからなる混合ガスが封入されているが、アルカリ金属原子ガスの分圧は、アルカリ金属原子の蒸気圧に等しいため、緩衝ガスの分圧に比べて極めて小さい。したがって、緩衝ガスの分圧は、緩衝ガスとアルカリ金属原子ガスとからなる混合ガスの圧力、すなわち、原子セル31内の圧力に近似することができる。
外容器60には、窒素およびアルゴンを含む混合ガスのみが封入されている。外容器60に封入されているガスは、窒素およびアルゴンを含む混合ガスのみである。混合ガスは、例えば、窒素およびアルゴンのみを含む。緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合x(%)、および混合ガスの全圧に対する混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合y(%)は、下記式(3)を満たし、好ましくは下記式(4)を満たし、さらに好ましくは下記式(5)を満たす。
0.132x+51.8≦y≦0.132x+86.9 ・・・(3)
0.132x+67.6≦y≦0.132x+71.1 ・・・(4)
y=0.132x+69.4 ・・・(5)
外容器60内の圧力は、例えば、大気圧である。これにより、外部からの圧力(大気圧)によって外容器60が凹むことを抑制することができる。
なお、原子セル31内の所定のガスの分圧、または外容器60内の所定のガスの分圧は、例えば、既知の温度および既知の雰囲気で、原子セル31または外容器60を破壊し、四重極型質量分析計M-401QA-MU/G(キヤノンアネルバ株式会社製)や、高分解能マルチターン飛行時間型質量分析装置infiTOF-UHV(日本カノマックス株式会社製)を用いて、質量分析を行うことにより、求めることができる。
第1貫通孔60aは、窒素およびアルゴンを含む混合ガスを、外容器60内に供給するための供給孔(混合ガスの供給孔)である。第2貫通孔60bは、外容器60内に配置されていた大気を、外容器60外に排出するための排気孔である。
次に、原子発振器100の混合ガスの封入方法について、図面を参照しながら説明する。図6は、原子発振器100の混合ガスの封入方法を説明するための図である。
図6に示すように、第1面61が下方(重力が作用する方向)を向くようにして(図示の例では、-Y軸方向を下向きとして)、第1貫通孔60aにチューブ80を挿入する。チューブ80は、例えば、ガスボンベ(図示せず)に接続されている。そして、チューブ80から外容器60内に混合ガスを供給する。混合ガスは、窒素よりもアルゴンの割合が大きいため、混合ガスは、大気よりも重い。そのため、混合ガスは、外容器60内の下部から充満し、外容器60内の大気を混合ガスに置換し易い。大気の平均モル質量は、28.971g/molであり、窒素の分子量は、28.006g/molであり、アルゴンの分子量は、39.962g/molである。
混合ガスを供給する際の混合ガスの圧力は、例えば、0.2MPa/m以上0.4MPa/m以下である。混合ガスの圧力が0.2MPa/mより小さいと、外容器60内に十分に混合ガスを供給できない場合がある。混合ガスの圧力が0.4MPa/mより大きいと、チューブ80が第1貫通孔60aから外れてしまう場合がある。混合ガスを供給する際の供給時間は、例えば、20秒間以上である。混合ガスの供給時間が20秒間より小さいと、外容器60内に十分に混合ガスを供給できない場合がある。
混合ガスを供給する際には、例えば、第2貫通孔60b近傍に、酸素濃度計82を配置して行う。これにより、混合ガスによって、外容器60内の大気を置換できたかどうかを確認することができる。酸素濃度計82が所定の値になったら、図4に示すように、チューブ80を第1貫通孔60aから外し、第1貫通孔60aを第1封止部材70で封止し、第2貫通孔60bを第2封止部材72で封止する。
原子発振器100の混合ガスの封入方法は、外容器60に、光源ユニット10、光学系ユニット20、原子セルユニット30、支持部材40、および制御ユニット50を収容する工程を、混合ガスの雰囲気で行ってもよい。これにより、より確実に、混合ガスのみを外容器60に封入することができる。
原子発振器100は、例えば、以下の効果を有する。
原子発振器100では、上記式(1)かつ上記式(3)を満たす。原子発振器100では、上記式(3)を満たすため、外容器60内の雰囲気が大気の場合、外容器60に窒素ガスのみが封入されている場合、および外容器60にアルゴンガスのみが封入されている場合に比べて、周波数偏差の変動量、具体的には、アルカリ金属原子の基底準位の超微細
分裂周波数の変動を小さくすることができる。詳細は「実験例」の項で後述する。したがって、原子発振器100では、長期周波数安定度が高い。さらに、原子発振器100では、上記式(1)の関係を満たすため、優れた温度特性を有することができる。
原子発振器100では、上記式(4)の関係を満たす。そのため、原子発振器100では、周波数偏差の変動量を、より小さくすることができる。詳細は「実験例」の項で後述する。
原子発振器100では、上記式(2)の関係を満たす。そのため、原子発振器100では、より優れた温度特性を有することができる。
原子発振器100では、第1面61には、第1貫通孔60aが設けられ、第2面62、第3面63、第4面64、第5面65、および第6面66の少なくとも1つには、第2貫通孔60bが設けられている。そのため、例えば、第1貫通孔60aが混合ガスの供給孔であり、第2貫通孔60bが大気の排気孔である場合に、第1貫通孔60aおよび第2貫通孔60bが第1面61に設けられている場合に比べて、混合ガスを外容器60に封入する際に、混合ガスの流路が偏り難く、外容器60内の大気を混合ガスで置換し易い。
さらに、原子発振器100では、外容器60に混合ガスのみが封入されているため、大気に含まれる水分起因の加水分解による接着剤劣化を抑制することができる。接着剤は、例えば、支持部材40を基部67に固定させるためなどに用いられる。
原子発振器100では、第1貫通孔60aは、第1仮想平面S1に対して、第2貫通孔60bとは反対側に配置されている。そのため、原子発振器100では、例えば第1貫通孔60aおよび第2貫通孔60bが第1仮想平面S1に対して同じ側に配置されている場合に比べて、第1仮想平面S1に対して第1貫通孔60aとは反対側にまで、混合ガスを供給し易い。
原子発振器100では、第1貫通孔60aは、第2仮想平面S2に対して、第2貫通孔60bとは反対側に配置されている。そのため、原子発振器100では、例えば、第1貫通孔60aおよび第2貫通孔60bが第2仮想平面S2の同じ側に配置されて、第1面61の垂線(図示せず)に沿って並んでいる場合に比べて、第2貫通孔60bから排気される混合ガスの量を低減することができる。
原子発振器100では、第2貫通孔60bは、第3面63に設けられている。そのため、原子発振器100では、例えば第2貫通孔60bが第2面62に設けられている場合に比べて、混合ガスを外容器60内に供給する際に、混合ガスが外容器60の第2面62を構成する側壁に当たって、混合ガスが拡散し易い。したがって、原子発振器100では、混合ガスを外容器60に封入する際に、より、外容器60内の大気を混合ガスで置換し易い。
原子発振器100では、第1貫通孔60aは、混合ガスの供給孔であり、光源12および原子セル31は、第1仮想平面S1に対して、第1貫通孔60aと同じ側に配置されている。そのため、原子発振器100では、光源12および原子セル31が第1仮想平面S1に対して第1貫通孔60aと異なる側に配置されている場合に比べて、混合ガスを外容器60内に供給する際に、混合ガスが光源12や原子セル31が当たって拡散し易い。したがって、原子発振器100では、混合ガスを外容器60に封入する際に、より、外容器60内の大気を混合ガスで置換し易い。
2. 原子発振器の変形例
2.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の第1変形例に係る原子発振器110を模式的に示す断面図である。
なお、便宜上、図7および後述する図8では、光源ユニット10、光学系ユニット20、原子セルユニット30、および支持部材40を簡略化して図示している。
以下、第1実施形態の第1変形例に係る原子発振器110において、上述した本実施形態に係る原子発振器100の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。このことは、以下に示す第1実施形態の第2変形例に係る原子発振器において、同様である。
上述した原子発振器100では、図4に示すように、第2貫通孔60bは、1つ設けられていた。これに対し、原子発振器110では、図7に示すように、第2貫通孔60bは、2つ設けられている。
図7に示す例では、一方の第2貫通孔60bは、第1仮想平面S1に対して、第1貫通孔60aと同じ側(-Y軸方向側)に配置されている。他方の第2貫通孔60bは、第1仮想平面S1に対して、第1貫通孔60aと反対側(+Y軸方向側)に配置されている。
原子発振器110は、貫通孔60a,60bが第1面61に設けられている場合に比べて、外容器60内の大気を混合ガスで置換し易いが、2つの第2貫通孔60bを封止しなければならず、その分、手間がかかることを考慮すると、原子発振器100の方が好ましい。
2.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の第2変形例に係る原子発振器120を模式的に示す平面図である。
上述した原子発振器100では、図4に示すように、第2貫通孔60bは、第3面63に設けられていた。これに対し、原子発振器120では、図8に示すように、第2貫通孔60bは、第2面62に設けられている。
原子発振器120は、貫通孔60a,60bが第1面61に設けられている場合に比べて、外容器60内の大気を混合ガスで置換し易いが、原子発振器100の方が、外容器60内に混合ガスを供給する際に、混合ガスが外容器60の第2面62を構成する側壁に当たって、混合ガスが拡散し易い。
なお、図示はしないが、第2貫通孔60bは、第4面64に設けられていてもよいし、第5面65に設けられていてもよいし、第6面66に設けられていてもよい。また、第2貫通孔60bは、第1面61に設けられていなければ、第3面63および第4面64など、複数の面に設けられていてもよい。
3. 周波数信号生成システム
次に、本実施形態に係る周波数信号生成システムについて、図面を参照しながら説明する。以下のクロック伝送システム(タイミングサーバー)は、周波数信号生成システムの一例である。図9は、クロック伝送システム900を示す概略構成図である。
本発明に係るクロック伝送システムは、本発明に係る原子発振器を含む。以下では、一例として、原子発振器100を含むクロック伝送システム900について説明する。
クロック伝送システム900は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
クロック伝送システム900は、図9に示すように、A局(上位(N系))のクロック供給装置901およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置902と、B局(上位(E系))のクロック供給装置903およびSDH装置904と、C局(下位)のクロック供給装置905およびSDH装置906,907と、を備える。クロック供給装置901は、原子発振器100を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置901内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック908,909からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置902は、クロック供給装置901からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置905に伝送する。クロック供給装置903は、原子発振器100を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置903内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック908,909からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置904は、クロック供給装置903からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置905に伝送する。クロック供給装置905は、クロック供給装置901,903からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
クロック供給装置905は、通常、クロック供給装置901からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置905は、クロック供給装置903からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置906は、クロック供給装置905からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置907は、クロック供給装置905からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
本実施形態に係る周波数信号生成システムは、クロック伝送システムに限定されない。周波数信号生成システムは、原子発振器が搭載され、原子発振器の周波数信号を利用する各種の装置および複数の装置から構成されるシステムを含む。
本実施形態に係る周波数信号生成システムは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、液体吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sales)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計)、魚群探知機、GNSS(Global Navigation Satellite System)周波数標準器、各種測定機器、計器類(例えば、自
動車、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体(自動車、航空機、船舶等)であってもよい。
4. 実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
4.1. 第1実験例
上述した図2~図5に示すような原子セルおよび外容器のモデルにおいて、下記のシミュレーションを行った。
4.1.1. 経過時間に対する周波数偏差の変化
まず、経過時間に対する原子セル内の分圧Pin(t)の変化を計算した。Pin(t)は、下記式(6)に基づいて算出した。
Figure 0007063018000001
なお、上記式(6)において、Pin(t=0)は、原子セル内の圧力の初期値[Torr]である。Pextは、外容器内の圧力(原子セル外の圧力)の初期値[Torr]である。Lは、ガスの原子セルに対する透過レート[Torr・L/s]である。Vは、原子セル内の容積[L]である。Prefは、大気圧[Torr]である。なお、Pin(t=0)、Pext、およびLは、分圧を計算する対象となる分子についての値である。
具体的には、原子セル内には窒素ガスおよびアルゴンガスのみが封入されているとし、原子セル内の窒素の分圧の初期値を72.5Torrとし、原子セル内のアルゴンの分圧の初期値を27.5Torrとした。窒素の透過レートを、5.12×10-16(5.12E-16)Torr・L/sとした。アルゴンの透過レートを、5.12×10-16Torr・L/sとした。原子セル内の容積を、111.33μLとした。大気圧を、760Torrとした。
次に、外容器に窒素ガスのみを封入した場合と、外容器にアルゴンガスのみを封入した場合と、において、時刻tにおける原子発振器の周波数Δν(t)を計算した。Δν(t)は、下記式(7)に基づいて算出した。
Figure 0007063018000002
なお、上記式(7)において、Pは、温度Tにおける原子セル内の圧力[Torr]であり、Pに式(6)の分圧Pin(t)を代入することで、各時刻におけるΔν(t)を算出した。Tは、参照温度であり、25℃である。Tは、原子セルの温度であり、65℃である。β、δ、およびγは、セシウムに対する圧力係数または温度係数であり、下記表1のように設定した。また、原子セル内の窒素の分圧の初期値(時刻0における値)を72.5Torrとし、原子セル内のアルゴンの分圧の初期値を27.5Torrとした。また、表1には、窒素およびアルゴンの他、ネオンのβ、δ、γと、ヘリウムおよび水素のβ、δについても記載している。
Figure 0007063018000003
次に、各時刻における周波数偏差fdevを下記式(8)に基づいて算出した。
dev=(Δν(t)-Δν(0))/νhfs ・・・(8)
上記式(8)において、Δν(0)は、式(7)によって求めた時刻0における周波数である。Δν(t)は、式(7)によって求めた時刻tにおける周波数である。νhfsは、基底準位の超微細分裂周波数[Hz]であり、セシウムの場合は、9.192GHzである。
図10は、外容器に窒素ガスのみ、アルゴンガスのみ、および混合(窒素+アルゴン)ガスのみを封入した場合の、経過時間に対する周波数偏差fdevの変化量を示すグラフである。混合ガスは、窒素およびアルゴンのみを含むものとし、混合ガスの全圧に対するアルゴンの分圧の比を、73%とした。すなわち、混合ガスにおいて、窒素の分圧:アルゴンの分圧=27:73である。外容器内の圧力は、760Torrとした。周波数Δν(t)は、下記式(9)に基づいて算出した。
Figure 0007063018000004
なお、上記式(9)において、PN2は、温度Tにおける原子セル内の窒素の分圧[Torr]である。PArは、温度Tにおける原子セル内のアルゴンの分圧[Torr]である。βN2、δN2、およびγN2は、窒素のセシウムに対する圧力計数または温度係数である。βAr、δAr、およびγArは、アルゴンのセシウムに対する圧力係数または温度係数である。このことは、下記式13について同様である。また、原子セル内の窒素の分圧の初期値を72.5Torrとし、原子セル内のアルゴンの分圧の初期値を27.5Torrとした。
図10において、縦軸は、周波数偏差fdevを示しており、初期値はゼロである。図10において、縦軸の値がプラスの場合は、原子発振器の周波数が高くなり、縦軸の値がマイナスの場合は、原子発振器の周波数が低くなったことを意味している。このことは、以下に示す図11,12において同様である。
図10に示すように、外容器に窒素ガスを封入した場合は、時間経過とともに、周波数が高くなり、外容器にアルゴンガスを封入した場合は、時間経過とともに、周波数が低く
なった。外容器に混合ガスを封入した場合は、時間経過に対して、周波数はほとんど変化しなかった。図10より、外容器に窒素ガスを封入した場合の、経過時間xに対する周波数偏差yは、下記式(10)に近似することができる。また、外容器にアルゴンガスを封入した場合の、経過時間xに対する周波数偏差yは、下記式(11)に近似することができる。また、外容器に混合ガスを封入した場合の、経過時間xに対する周波数偏差yは、下記式(12)に近似することができる。
y=4.15×10-14x+1.61×10-19 ・・・(10)
y=-1.54×10-14x-5.85×10-20 ・・・(11)
y=-1.59×10-17x-1.26×10-22 ・・・(12)
次に、外容器の雰囲気を大気とした場合の、経過時間に対する周波数偏差fdevを計算した。図11は、外容器の雰囲気を大気とした場合の、経過時間に対する周波数偏差fdevを示すグラフである。原子セル内の窒素の分圧の初期値を72.5Torrとし、原子セル内のアルゴンの分圧の初期値を27.5Torrとした。なお、比較のため、図11には、外容器に窒素ガスのみを封入した場合の、経過時間に対する周波数偏差fdevを示すグラフも図示している。
図11に示すように、外容器の雰囲気を大気とした場合は、外容器に窒素ガスを封入した場合に比べて、周波数偏差fdevが大きかった。
次に、各時刻における周波数偏差fdevを式(8)に基づいて算出した。
表2は、外容器に上記混合ガス(窒素+アルゴン)を封入した場合、外容器に窒素ガスのみを封入した場合、外容器にアルゴンガスのみを封入した場合、および外容器の雰囲気を大気とした場合の、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量を示す表である。表2の「窒素+アルゴン」、「窒素」、「アルゴン」、および「大気」の値は、図10,11に基づくものである。
なお、大気の計算では、セシウムと化学的に反応せず、緩衝ガスとして機能するガスについてのみ行った。例えば酸素は、セシウムと反応するため、考慮していない。また、二酸化酸素は、酸素よりも分子の直径が大きく、酸素よりもさらに原子セルを透過し難いと考えられるため、考慮していない。
大気の周波数Δν(t)は、下記式(13)に基づいて算出した。
Figure 0007063018000005
なお、上記式(13)において、PNeは、温度Tにおける原子セル内のネオンの分圧[Torr]である。PHeは、温度Tにおける原子セル内のヘリウムの分圧[To
rr]である。PH2は、温度Tにおける原子セル内の水素の分圧[Torr]である。βNe、δNe、およびγNeは、ネオンのセシウムに対する圧力係数または温度係数である。βHe、およびδHeは、ヘリウムのセシウムに対する圧力係数または温度係数である。βH2、およびδH2は、水素のセシウムに対する圧力係数または温度係数である。各気体のβ、δ、およびγは、表1のように設定した。
また、大気の外容器内の窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、および水素の分圧の初期値を、それぞれ、593.4384Torr、7.0984Torr、0.0138Torr、0.0040Torr、0.0004Torrと設定した。
Figure 0007063018000006
表2より、外容器に混合ガスを封入することにより、外容器に窒素ガスまたはアルゴンを封入した場合、または外容器内の雰囲気が大気である場合に比べて、周波数偏差fdevの変化量を小さくできることがわかった。
表2より、窒素の周波数偏差fdevの変化量は、プラスであり、アルゴンの周波数偏差fdevの変化量は、マイナスである。また、表1より、窒素の圧力係数の絶対値は、アルゴンの圧力係数の絶対値よりも大きい。そのため、混合ガスにおいて、アルゴンよりも窒素の分圧を小さく設定することによって、全体の周波数の変化をキャンセルできると考えられる。
4.1.2. 混合ガスのアルゴン分圧における周波数偏差の変化量
次に、外容器の混合ガスのアルゴンの分圧を変化させて、周波数偏差fdevの変化量を0日から100日までの期間について計算した。図12は、原子セル内の緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合を25%(アルゴンの分圧:窒素の分圧=25:75)とした場合の、外容器の混合ガスの全圧に対する混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合と、周波数偏差fdevの変化量と、の関係を示すグラフである。
図12のようなグラフを、原子セル内の緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの割合を、0%~100%まで変化させて作成することで、図13を作成した。図13は、原子セル内の緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合と、外容器内の混合ガスの全圧に対する混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合と、の関係を示すグラフである。
図13において、直線L1は、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量がゼロとなるプロットの近似線である。直線L2は、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量が+1×10-15となるプロットの近似線である。直線L3は、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量が-1×10-15となるプロットの近似線である。直線L4は、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量が+1×10-14となるプロットの近似線である。直線L5は、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量が-1×10-14となるプロット
の近似線である。直線L1~L5は、下記のように表される。
直線L1:y=0.132x+69.4
直線L2:y=0.132x+67.6
直線L3:y=0.132x+71.1
直線L4:y=0.132x+51.8
直線L5:y=0.132x+86.9
したがって、緩衝ガスの全圧に対する緩衝ガスに含まれるアルゴンの割合x、外容器内の混合ガスの全圧に対する混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合yが
0.132x+51.8≦y≦0.132x+86.9
の関係を満たすことにより、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量を±1×10-14以下にできることがわかった。1日当たりの周波数偏差fdevの変化量を±1×10-14以下であれば、外容器の雰囲気が大気の場合、外容器に窒素ガスのみが封入されている場合、および外容器にアルゴンガスのみが封入されている場合に比べて、周波数の変化量を小さくすることができ(表2参照)、原子発振器として良好な周波数安定度を有することができる。
さらに、割合xおよび割合yが
0.132x+67.6≦y≦0.132x+71.1
の関係を満たすことにより、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量を±1×10-15以下にできることがわかった。1日当たりの周波数偏差fdevの変化量を±1×10-15以下であれば、原子発振器として、より良好な周波数安定度を有することができる。
さらに、割合xおよび割合yが
y=0.132x+69.4
の関係を満たすことにより、1日当たりの周波数偏差fdevの変化量を0にできることがわかった。
4.2. 第2実験例
次に、外容器に窒素ガスを供給する際のガスの流路について、シミュレーションを行った。具体的には、図14に示すモデルM1と、図15に示すモデルM2において、有限要素法によるシミュレーションを行った。
図14および図15では、外容器Pが透視されている。モデルM1,M2は、図14および図15に示すように、光源ユニットU1、光学系ユニットU2、原子セルユニットU3、および制御ユニットU4を含む。モデルM1では、図14に示すように、窒素ガスを供給するための第1貫通孔HINと、大気を排気するための第2貫通孔HOUTは、外容器Pの異なる面に設けられている。モデルM1では、第2貫通孔HOUTは、2つ設けられている。モデルM2では、図15に示すように、窒素ガスを供給するための第1貫通孔HINと、大気を排気するための第2貫通孔HOUTは、外容器Pの同じ面に設けられている。
上記のようなモデルM1およびモデルM2において、外容器P内に窒素ガスを供給させた場合のシミュレーションを行った。図14および図15では、窒素ガスの流路Fを破線で示している。
図14および図15より、モデルM1では、窒素ガスの流路Fが外容器P内の全体で確認できたが、モデルM2では、窒素ガスの流路Fが偏っていた。これにより、貫通孔H
,HOUTが外容器Pの異なる面に設けられている方が、貫通孔HIN,HOUTが外容器Pの同じ面に設けられている場合に比べて、窒素ガスの流路Fが偏り難く、外容器P内の大気を窒素ガスで置換し易いことがわかった。
なお、窒素ガスを、窒素およびアルゴンを含む混合ガスに代えても、図14および図15と同様の結果が得られると予想される。
4.3. 第3実験例
次に、実際に、図14に示すような原子発振器を作製し、窒素ガスの置換率を測定した。
窒素ガスの供給孔である第1貫通孔が設けられた面を上向き(重力が作用する方向とは反対の方向)として、第1貫通孔から外容器内に窒素ガスを供給した。窒素ガスを供給する際の窒素ガスの圧力を、0.3MPa/mとし、供給時間を30秒間以上とした。窒素ガスの供給開始から20秒後に、大気を排気させるための第2貫通孔近傍の酸素濃度計は、100ppm(体積%)以下となったため、外容器は、窒素ガスのみによって封入されたといえる。酸素濃度計としては、低濃度ジルコニア式酸素濃度計OX400(横河電機株式会社製)を用いた。なお、窒素ガスの供給孔である第1貫通孔が設けられた面を上向きとしたのは、窒素が大気よりも軽いためである。
本実験により、窒素ガスの供給孔である第1貫通孔と、大気を排気させるための第2貫通孔と、を外容器の異なる面に設けることにより、窒素ガスのみを外容器に封入できることがわかった。
なお、窒素ガスを、窒素とアルゴンとを含む混合ガスに代えても、第1貫通孔が設けられた面が上方を向くようにして、混合ガスを供給すれば、窒素ガスと同様の結果が得られると予想される。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2,3,4…ねじ、10…光源ユニット、11…ペルチェ素子、12…光源、13…温度センサー、14…光源容器、15…光源基板、20…光学系ユニット、21…減光フィルター、22…レンズ、23…1/4波長板、24…ホルダー、25…貫通孔、30…原子セルユニット、31…原子セル、32…光検出素子、33…温度センサー、34…コイル、35…保持部材、36…第1原子セル容器、36a…貫通孔、37…第2原子セル容器、37a…貫通孔、38…ヒーターユニット、38a…加熱素子、39…伝熱部材、40…支持部材、41…支持板、42…貫通孔、50…制御ユニット、51…温度制御部、52…光源制御部、53…磁場制御部、54…温度制御部、55…回路基板、56…貫通孔、57…第1フレキシブル配線基板、58…第2フレキシブル配線基板、59…リードピン、60…外容器、60a…第1貫通孔、60b…第2貫通孔、61…第1面、62…第2面、63…第3面、64…第4面、65…第5面、66…第6面、67…基部、67a
…内面、67b…台座部、68…蓋部、70…第1封止部材、72…第2封止部材、80…チューブ、82…酸素濃度計、100,110,120…原子発振器、131…内部空間、131a…第1空間、131b…第2空間、131c…連通路、900…クロック伝送システム、901…クロック供給装置、902…SDH装置、903…クロック供給装置、904…SDH装置、905…クロック供給装置、906,907…SDH装置、908,909…マスタークロック

Claims (9)

  1. 光を出射する光源と、
    気体のアルカリ金属原子と、窒素およびアルゴンのみを含む緩衝ガスとが封入され、前記光が通過する原子セルと、
    前記原子セルを通過した前記光を検出する光検出素子と、
    窒素およびアルゴンのみを含む混合ガスのみが封入され、前記原子セルを収容する容器と、を含み、
    前記緩衝ガスの全圧に対する前記緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合x(%)、および前記混合ガスの全圧に対する前記混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合y(%)は、
    15.0≦x≦40.0、かつ、0.132x+51.8≦y≦0.132x+86.9
    の関係を満たす、原子発振器。
  2. 請求項1において、
    前記割合xおよび前記割合yは、
    0.132x+67.6≦y≦0.132x+71.1
    の関係を満たす、原子発振器。
  3. 請求項1または2において、
    前記割合xは、
    25.0≦x≦37.0
    の関係を満たす、原子発振器。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記容器は、
    互いに反対を向く第1面および第2面と、
    互いに反対を向く第3面および第4面と、
    互いに反対を向く第5面および第6面と、
    を有し、
    前記第1面には、第1貫通孔が設けられ、
    前記第2面、前記第3面、前記第4面、前記第5面、および前記第6面の少なくとも1つには、第2貫通孔が設けられている、原子発振器。
  5. 請求項4において、
    前記第1貫通孔は、仮想平面に対して、前記第2貫通孔とは反対側に配置され、
    前記仮想平面は、前記容器の中心を通り、かつ、前記第1面に平行である、原子発振器。
  6. 請求項5において、
    前記第1貫通孔は、他の仮想平面に対して、前記第2貫通孔とは反対側に配置され、
    前記他の仮想平面は、前記容器の中心を通り、かつ、前記第1面に垂直である、原子発振器。
  7. 請求項6において、
    前記第3面は、前記第1面に接続され、
    前記第2貫通孔は、前記第3面に設けられている、原子発振器。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、
    前記第1貫通孔は、前記混合ガスの供給孔であり、
    前記光源および前記原子セルは、前記仮想平面に対して、前記第1貫通孔と同じ側に配置されている、原子発振器。
  9. 原子発振器を含む、周波数信号生成システムであって、
    前記原子発振器は、
    光を出射する光源と、
    気体のアルカリ金属原子と、窒素およびアルゴンのみを含む緩衝ガスとが封入され、前記光が通過する原子セルと、
    前記原子セルを通過した前記光を検出する光検出素子と、
    窒素およびアルゴンのみを含む混合ガスのみが封入され、前記原子セルを収容する容器と、
    を含み、
    前記緩衝ガスの全圧に対する前記緩衝ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合x(%)、および前記混合ガスの全圧に対する前記混合ガスに含まれるアルゴンの分圧の割合y(%)は、
    15.0≦x≦40.0、かつ、0.132x+51.8≦y≦0.132x+86.9
    の関係を満たす、周波数信号生成システム。
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