JP2019121651A - シールドおよび原子発振器 - Google Patents

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達徳 宮澤
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達徳 宮澤
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Abstract

【課題】磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを提供する。【解決手段】磁場を遮蔽する第1シールド部品110と、磁場を遮蔽する第2シールド部品120と、磁場を遮蔽する第3シールド部品130と、を含む。第1面151と第2面152とは、第3面153のみによって接続され、第4面154と第5面155とは、第6面156のみによって接続され、第7面157と第8面158とは、第9面159のみによって接続される。第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、第2面は、前記空間の第1方向の他方側に配置され、第4面は、前記空間の第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、第5面は、前記空間の第2方向の他方側に配置され、第7面は、前記空間の第1方向及び第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、第8面は、前記空間の第3方向の他方側に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、シールドおよび原子発振器に関する。
外部から進入する磁場によって、例えば原子発振器などが受ける影響を低減させるために、シールドが用いられている。
例えば特許文献1には、本体およびふたを備え、本体の側壁を囲むようにふたの側壁が配置された茶筒形磁気シールドケースを有する原子発振器が記載されている。
特開昭60−41275号公報
ここで、磁気シールドケースに用いられるパーマロイなどの軟磁性材料は、透磁率が高い。そのため、水平方向に進行する磁束は、互いに対向する本体の一方の側壁に到達し、軟磁性材料を通過して、互いに対向する本体の他方の側壁から放出される。これにより、磁束が磁気シールドケースの内部に進入し難くなり、磁気シールドケースの内部に磁場が発生し難くなる。
しかしながら、特許文献1に記載されたシールドケースでは、鉛直方向に進行する磁束は、例えば、ふたに到達して本体から放出される。しかし、本体とふたとが別部材であるため、磁束の経路が不連続となり、ふたに到達した磁束は、本体から放出され難い。そのため、シールドケースの磁場に対する遮蔽性能が低下する場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを含む原子発振器を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係るシールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに対向する第4面および第5面と、前記第4面と前記第5面とを接続する第6面と、を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、互いに対向する第7面および第8面と、前記第7面と前記第8面とを接続する第9面と、を有し、磁場を遮蔽する第3シールド部品と、を含み、前記第1面と前記第2面とは、前記第3面のみによって接続され、前記第4面と前記第5面とは、前記第6面のみによって接続され、前記第7面と前記第8面とは、前記第9面のみによって接続され、前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、前記第7面は、前記空間の前記第1方向および前記第
2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、前記第8面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置されている。
このようなシールドでは、第3面は、第1面と第2面とを接続し、第6面は、第4面と第5面とを接続し、第9面は、第7面と第8面とを接続しているので、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このようなシールドでは、磁束は、空間に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
[適用例2]
本適用例に係るシールドにおいて、前記第3面は、前記第3方向を向き、前記第3面の前記第2方向の大きさは、前記第1面および前記第2面の前記第2方向の大きさよりも小さく、前記第6面は、前記第3方向を向き、前記第6面の前記第1方向の大きさは、前記第4面および前記第5面の前記第1方向の大きさよりも小さく、前記第9面は、前記第1方向を向き、前記第9面の前記第3方向の大きさは、前記第7面および前記第8面の前記第3方向の大きさよりも小さくてもよい。
このようなシールドでは、第3面の第2方向の大きさは、第1面および第2面の第2方向の大きさよりも小さく、第6面の第1方向の大きさは、第4面および第5面の第1方向の大きさよりも小さく、第9面の第3方向の大きさは、第7面および第8面の第3方向の大きさよりも小さいため、例えば、第1シールド部品と第2シールド部品との重なる面積、第1シールド部品と第3シールド部品との重なる面積、および第2シールド部品と第3シールド部品との重なる面積を小さくすることができる。
[適用例3]
本適用例に係る原子発振器は、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを収容するシールドと、を含み、前記シールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに対向する第4面および第5面と、前記第4面と前記第5面とを接続する第6面と、を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、互いに対向する第7面および第8面と、前記第7面と前記第8面とを接続する第9面と、を有し、磁場を遮蔽する第3シールド部品と、を含み、前記第1面と前記第2面とは、前記第3面のみによって接続され、前記第4面と前記第5面とは、前記第6面のみによって接続され、前記第7面と前記第8面とは、前記第9面のみによって接続され、前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、前記第7面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、前記第8面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置され、前記原子セルは、前記空間に配置されている。
このような原子発振器では、第3面は、第1面と第2面とを接続し、第6面は、第4面と第5面とを接続し、第9面は、第7面と第8面とを接続しているので、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このような原子発振器では、磁束は、空間に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを含むことができる。
[適用例4]
本適用例に係るシールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、を有し、磁場を遮蔽
する第2シールド部品と、を含み、前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、前記第4面および前記第5面は、前記第6面によって接続され、前記第7面は、前記第4面および前記第5面に接続され、前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置されている。
このようなシールドでは、第1面および第2面は、第3面のみによって接続され、第4面および第5面は、第6面によって接続され、第7面は、第4面および第5面に接続されているため、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このようなシールドでは、磁束は、空間に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
[適用例5]
本適用例に係るシールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、前記第4面、前記第5面、前記第6面、および前記第7面に接続された第8面を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、を含み、前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置されている。
このようなシールドでは、第1面および第2面は、第3面のみによって接続され、第8面は、第4面、第5面、第6面、および第7面に接続されているため、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このようなシールドでは、磁束は、空間に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
[適用例6]
本適用例に係るシールドにおいて、前記第3面は、前記空間に配置され、前記第3面は、前記第1面および前記第2面よりも、重力の作用する方向における下側に位置するように配置されていてもよい。
このようなシールドでは、第3面は、第1面および第2面よりも、重力の作用する方向における下側に位置するように配置されているため、第3面が第1面および第2面よりも重力の作用する方向における上側に位置するように配置されている場合に比べて、第3面において、収容される部品の組み立て作業を容易に行うことができる。
[適用例7]
本適用例に係る原子発振器は、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを収容するシールドと、を含み、前記シールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、を含み、前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、前記第4面および前記第5面は、前記第6面によって接続され、前記第7面は、前記第4面および前記第5面に接続され、前記第1面は、磁
場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置され、前記第3面は、前記空間に配置され、前記原子セルは、前記第3面に配置されている。
このような原子発振器では、第1面および第2面は、第3面のみによって接続され、第4面および第5面は、第6面によって接続され、第7面は、第4面および第5面に接続されているため、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このような原子発振器では、磁束は、空間に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを含むことができる。
[適用例8]
本適用例に係る原子発振器は、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを収容するシールドと、を含み、前記シールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、前記第4面、前記第5面、前記第6面、および前記第7面に接続された第8面を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、を含み、前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置され、前記第3面は、前記空間に配置され、前記原子セルは、前記第3面に配置されている。
このような原子発振器では、第1面および第2面は、第3面のみによって接続され、第8面は、第4面、第5面、第6面、および第7面に接続されているため、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このような原子発振器では、磁束は、空間に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを含むことができる。
[適用例9]
本適用例に係るシールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに反対を向く第4面および第5面を有し、前記第4面に設けられた第1開口と前記第5面に設けられた第2開口とを接続する貫通孔が設けられ、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、を含み、前記第1面および前記第4面は、互いに対向し、前記第2面および前記第5面は、互いに対向する。
このようなシールドでは、互いに対向する第1面および第2面と、第1面と第2面とを接続する第3面と、を有する第1シールド部品と、互いに反対を向く第4面および第5面を有し、第4面に設けられた第1開口と第5面に設けられた第2開口とを接続する貫通孔が設けられた第2シールド部品と、を含み、第1面および第4面は、互いに対向し、第2面および第5面は、互いに対向しているため、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このようなシールドでは、磁束は、貫通孔に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
[適用例10]
本適用例に係る原子発振器は、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを収容するシールドと、を含み、前記シールドは、互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、互いに反対を向く第4面および第5面を有し、前記第4面に設けられた第1開口と前記第5面に設けられた第2開口とを接続する貫通孔が設けられ、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、を含み、前記第1面および前記第4面は、互いに対向し、前記第2面および前記第5面は、互いに対向し、前記原子セルは、前記貫通孔に配置されている。
このような原子発振器ドでは、互いに対向する第1面および第2面と、第1面と第2面とを接続する第3面と、を有する第1シールド部品と、互いに反対を向く第4面および第5面を有し、第4面に設けられた第1開口と第5面に設けられた第2開口とを接続する貫通孔が設けられた第2シールド部品と、を含み、第1面および第4面は、互いに対向し、第2面および第5面は、互いに対向しているため、互いに交差する3軸方向からの磁束に対して経路が連続している。そのため、このような原子発振器では、磁束は、貫通孔に進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高いシールドを含むことができる。
第1実施形態に係るシールドを模式的に示す分解斜視図。 第1実施形態に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第1実施形態に係るシールドを模式的に示す断面図。 磁束の経路を説明するための図。 磁気抵抗の等価回路を説明するための図。 磁束の経路を説明するための図。 磁気抵抗の等価回路を説明するための図。 第1実施形態に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第1実施形態の変形例に係るシールドを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係るシールドを模式的に示す分解斜視図。 第2実施形態に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第2実施形態に係るシールドを模式的に示す断面図。 第2実施形態の第1変形例に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第2実施形態の第2変形例に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第2実施形態の第2変形例に係るシールドを模式的に示す断面図。 第2実施形態の第3変形例に係るシールドを模式的に示す平面図。 第2実施形態の第3変形例に係るシールドを模式的に示す断面図。 第3実施形態に係るシールドを模式的に示す分解斜視図。 第3実施形態に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第3実施形態に係るシールドを模式的に示す断面図。 第3実施形態の第1変形例に係るシールドを模式的に示す分解斜視図。 第3実施形態の第1変形例に係るシールドを模式的に示す断面図。 第3実施形態の第2変形例に係るシールドを模式的に示す分解斜視図。 第3実施形態の第2変形例に係るシールドを模式的に示す斜視図。 第3実施形態の第3変形例に係るシールドを模式的に示す分解斜視図。 第3実施形態の第3変形例に係るシールドを模式的に示す断面図。 第3実施形態の第3変形例に係るシールドを模式的に示す断面図。 第4実施形態に係る原子発振器を示す概略図。 第4実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第4実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第4実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第4実施形態の第1変形例に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第4実施形態の第2変形例に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 参考例に係るシールド10100および外容器10950について説明するための図。 第5実施形態に係る周波数信号生成システムを示す概略構成図。 実験例に用いたモデルを説明するための斜視図。 実験例に用いたモデルを説明するための斜視図。 シミュレーションの結果を示す表。 実験例に用いたモデルを説明するための斜視図。 実験例に用いたモデルを説明するための斜視図。 シミュレーションの結果を示す表。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. シールド
まず、第1実施形態に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るシールド100を示す分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係るシールド100を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係るシールド100を示す図2のIII−III線断面図である。なお、図1〜図3および後述する図8,9では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。本実施形態では、X軸方向を第1方向とし、Z軸方向を第2方向とし、Y軸方向を第3方向とする。
シールド100は、図1〜図3に示すように、第1シールド部品110と、第2シールド部品120と、第3シールド部品130と、を含む。シールド部品110,120,130は、磁場を遮蔽する。シールド部品110,120,130は、軟磁性体材料によって構成されている。シールド部品110,120,130の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。
第1シールド部品110は、例えば、第1板状部材141と、第2板状部材142と、第3板状部材143と、を有している。第3板状部材143は、第1板状部材141と第2板状部材142とを接続している。板状部材141,142,143は、例えば、溶接による接合、プレス加工などによって、一体的に形成されている。
第1板状部材141は、第1面151を有している。第2板状部材142は、第2面152を有している。第3板状部材143は、第3面153を有している。第1面151および第2面152は、互いに対向している。第3面153は、第1面151と第2面152とを接続している。第1面151と第2面152とは、第3面153のみによって接続されている。
第1面151は、例えば、YZ平面に平行な面であり、+X軸方向を向く面である。第2面152は、例えば、YZ平面に平行な面であり、−X軸方向を向く面である。第3面153は、例えば、XZ平面に平行な面であり、−Y軸方向を向く面である。第3面153のZ軸方向の大きさは、例えば、第1面151および第2面152のZ軸方向の大きさよりも小さい。
第2シールド部品120は、例えば、第4板状部材144と、第5板状部材145と、
第6板状部材146と、を有している。第6板状部材146は、第4板状部材144と第5板状部材145とを接続している。板状部材144,145,146は、例えば、溶接による接合、プレス加工などによって、一体的に形成されている。
第4板状部材144は、第4面154を有している。第5板状部材145は、第5面155を有している。第6板状部材146は、第6面156を有している。第4面154および第5面155は、互いに対向している。第6面156は、第4面154と第5面155とを接続している。第4面154と第5面155とは、第6面156のみによって接続されている。
第4面154は、例えば、XY平面に平行な面であり、+Z軸方向を向く面である。第5面155は、例えば、XY平面に平行な面であり、−Z軸方向を向く面である。第6面156は、例えば、XZ平面に平行な面であり、−Y軸方向を向く面である。第6面156のX軸方向の大きさは、例えば、第4面154および第5面155のX軸方向の大きさよりも小さい。
第3シールド部品130は、例えば、第7板状部材147と、第8板状部材148と、第9板状部材149と、を有している。第9板状部材149は、第7板状部材147と第8板状部材148とを接続している。板状部材147,148,149は、一体的に形成されている。
第7板状部材147は、第7面157を有している。第8板状部材148は、第8面158を有している。第9板状部材149は、第9面159を有している。第7面157および第8面158は、互いに対向している。第9面159は、第7面157と第8面158とを接続している。第7面157と第8面158とは、第9面159のみによって接続されている。
第7面157は、例えば、XZ平面に平行な面であり、+Y軸方向を向く面である。第8面158は、例えば、XZ平面に平行な面であり、−Y軸方向を向く面である。第9面159は、例えば、YZ平面に平行な面であり、−X軸方向を向く面である。第9面159のZ軸方向の大きさは、例えば、第7面157および第8面158のZ軸方向の大きさよりも小さい。
面151,152,154,155,157,158の形状は、例えば、正方形、長方形などである。面153,156,159の形状は、例えば、長方形などである。
シールド部品110,120,130は、互いに組み合わされてシールド100を形成している。例えば、第3板状部材143と第6板状部材146とが接合され、第2板状部材142と第9板状部材149とが接合されることにより、シールド部品110,120,130が互いに組み合わされて、シールド100が形成されている。2つの板状部材の接合方法としては、特に限定されてないが、例えば、溶接による接合である。
シールド100は、略直方体の形状を有している。シールド100は、内部の空間Sに、図示せぬ部材を収容することができる。空間Sでは、磁場が遮蔽される。空間Sは、例えば、シールド部品110,120,130によって囲まれている。シールド部品110,120,130は、磁束を通し易い材料で構成されているため、シールド部品110,120,130が磁束を通すことにより、磁束が空間Sに進入し難くなる。そのため、空間Sでは、磁場が遮蔽される。例えば、シールド部品110,120,130の材料として用いられるパーマロイは、圧延した後に水素雰囲気で焼鈍すると透磁率が高くなる。
図示の例では、第1面151は、空間SのX軸方向の一方側(−X軸方向側)に配置されている。第2面152は、空間SのX軸方向の他方側(+X軸方向側)に配置されている。第4面154は、空間SのZ軸方向の一方側(−Z軸方向側)に配置されている。第5面155は、空間SのZ軸方向の他方側(+Z軸方向側)に配置されている。第7面157は、空間SのY軸方向の一方側(−Y軸方向側)に配置されている。第8面158は、空間SのY軸方向の他方側(+Y軸方向側)に配置されている。
図3に示す例では、第1面151は、面157,158と離間している。さらに、第1面151は、面154,155と離間していてもよい。なお、第1面151は、面154,155,157,158と接していてもよい。また、第2面152は、面154,155,157,158と離間していてもよいし、面154,155,157,158と接していていもよい。
シールド100は、例えば、以下の特徴を有する。
シールド100では、第3面153は、第1面151と第2面152とを接続し、第6面156は、第4面154と第5面155とを接続し、第9面159は、第7面157と第8面158とを接続している。そのため、シールド100では、互いに直交する3軸方向からの磁束は、空間Sに進入し難くなる。これにより、シールド100では、空間Sの磁場強度を小さくすることができ、磁場に対する遮蔽性能が高い。
ここで、図4は、モデルMaにおいて磁束の経路を説明するための図である。図5は、モデルMaにおける磁気抵抗の等価回路を説明するための図である。図6は、モデルMbにおいて磁束の経路を説明するための図である。図7は、モデルMbにおける磁気抵抗の等価回路を説明するための図である。
モデルMa,Mbでは、図4および図6に示すように、上壁部材1と、側壁部材2a,2bと、下壁部材3と、を有している。モデルMaでは、側壁部材2a,2bおよび下壁部材3は、一体的に設けられ、上壁部材1と側壁部材2aとの間、および上壁部材1と側壁部材2bとの間に、隙間が設けられている。モデルMbでは、上壁部材1、側壁部材2b、および下壁部材3は、一体的に設けれ、上壁部材1と側壁部材2aとの間、および下壁部材3と側壁部材2aとの間に、隙間が設けられている。
図4〜図7において、R1は、磁束が上壁部材1に入るときの磁気抵抗であり、R2は、上壁部材1における磁気抵抗である。図4および図5において、R3aは、上壁部材1と側壁部材2aとの間の磁気抵抗であり、R3bは、上壁部材1と側壁部材2bとの間の磁気抵抗である。図6および図7において、R3cは、上壁部材1と側壁部材2aとの間の磁気抵抗であり、R3dは、下壁部材3と側壁部材2aとの間の磁気抵抗である。図4〜図7において、R4aは、側壁部材2aにおける磁気抵抗であり、R4bは、側壁部材2bにおける磁気抵抗であり、R5は、下壁部材3における磁気抵抗であり、R6は、磁束が下壁部材3から放出されるときの磁気抵抗であり、Rsは、シールド内部の磁気抵抗である。
モデルMaでは、磁気抵抗R3aが非常に大きいため、磁束は、シールド内部を通り易い。一方、モデルMbでは、磁束は、磁気抵抗の低い側壁部材2bを経由するため、シールド内部を通り難い。したがって、モデルMbは、モデルMaに比べて、磁場に対する遮蔽性能が高い。
シールド100では、上記のように、面151,152は、第3面153によって接続されているため、X軸方向に進行する磁束は、第1面151を有する第1板状部材141
および第2面152を有する第2板状部材142の一方に到達し、第3面を有する第3板状部材143を通って、板状部材141,142の他方から放出され易い。面154,155は、第6面156によって接続されているため、Z軸方向に進行する磁束は、第4面154を有する第4板状部材144および第5面155を有する第5板状部材145の一方に到達し、第6面156を有する第6板状部材146を通って、板状部材144,145の他方から放出され易い。面157,158は、第9面159によって接続されているため、Y軸方向に進行する磁束は、第7面157を有する第7板状部材147および第8面158を有する第8板状部材148の一方に到達し、第9面159を有する第9板状部材149を通って、板状部材147,148の他方から放出され易い。したがって、シールド100では、互いに直交する3軸方向からの磁束に対して経路が連続しているため、磁束は、空間Sに進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
さらに、シールド100では、例えば、第4面154上で、収容される部品(収容部品)を組み立てた後に、シールド部品110,120,130を組み合わせて、収容部品を収容することができる。シールド100では、面154,155は、第6面156のみによって接続されているため、例えば、面154,155が、第6面156、および第6面156と対向する面によって接続されている場合に比べて、収容部品の組み立て作業を容易に行うことができる。
さらに、シールド100では、面151,152は、第3面153のみによって接続され、面154,155は、第6面156のみによって接続され、面157,158は、第9面159のみによって接続され、小型化を図ることができる。または、空間Sの体積を大きくすることができる。例えば、面151,152が、第3面153、および第3面153と対向する面によって接続されている場合、該対向する面と第7面157とが重なり(Y軸方向からみた場合に重なり)、その分、小型化を図ることが難しい。または、空間Sの体積を大きくすることが難しい。
シールド100では、第3面153のZ軸方向の大きさは、面151,152のZ軸方向の大きさよりも小さく、第6面156のX軸方向の大きさは、面154,155のX軸向の大きさよりも小さく、第9面159のZ軸方向の大きさは、面157,158のZ軸方向の大きさよりも小さい。そのため、シールド100では、例えば第3面153のZ軸方向の大きさが面151,152のZ軸方向の大きさと同じ場合に比べて、第3面153と第8面158との重なる面積(Y軸方向からみたときに重なる面積)を小さくすることができる。同様に、第6面156と第8面158との重なる面積(Y軸方向からみたときに重なる面積)、および第2面152と第9面159との重なる面積(X軸方向からみたときに重なる面積)を小さくすることができる。このように、シールド100では、シールド部品110,120の重なる面積、シールド部品110,130の重なる面積、およびシールド部品120,130の重なる面積を小さくすることができる。そのため、シールド100では、例えば小型化を図ることができる。
なお、上記では、X軸方向を第1方向とし、Z軸方向を第2方向とし、Y軸方向を第3方向とする例について説明したが、第1方向、第2方向、および第3方向は、互いに交差していれば、直交していなくてもよい。
また、シールド100は、図8に示すように、第2板状部材142に貫通孔160が設けられていてもよい。図示の例では、貫通孔160は、第2板状部材142をX軸方向に貫通している。貫通孔160は、空間Sと連通している。例えば、貫通孔160を通して、空間Sに光を入射させることができる。また、貫通孔160を通して、空間Sに配線を挿入することができる。なお、図示はしないが、貫通孔160は、第2板状部材142ではなく、板状部材141,144,145,147,148のいずれか1つに設けられて
いてもよい。
1.2. 変形例
次に、第1実施形態の変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図9は、第1実施形態の第2変形例に係るシールド101を模式的に示す斜視図である。
以下、第1実施形態の変形例に係るシールド101において、上述した第1実施形態に係るシールド100の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
シールド101では、図9に示すように、第7板状部材147は、第1板状部材141よりも−X軸方向側に位置する部分147aを有している点において、上述したシールド100と異なる。
シールド101では、第7板状部材147は、第1板状部材141よりも−X軸方向側に位置する部分147aを有しているため、第1板状部材141と第7板状部材147との間の磁気抵抗を低くすることができ、例えば、第1板状部材141を−Y軸方向に進む磁束が第7板状部材147に到達し易い。そのため、磁場に対する遮蔽性能が高い。
2. 第2実施形態
2.1. シールド
次に、第2実施形態に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態に係るシールド200を示す分解斜視図である。図11は、第2実施形態に係るシールド200を示す斜視図である。図12は、第2実施形態に係るシールド200を示す図11のXII−XII線断面図である。なお、図10〜図12および後述する図13〜図17では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。本実施形態では、X軸方向を第1方向とし、Y軸方向を第2方向とし、Z軸方向を第3方向とする。
シールド200は、図10〜図12に示すように、第1シールド部品210と、第2シールド部品220と、を含む。シールド部品210,220は、磁場を遮蔽する。シールド部品210,220は、軟磁性体材料によって構成されている。シールド部品210,220の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。
第1シールド部品210は、例えば、第1板状部材241と、第2板状部材242と、第3板状部材243と、を有している。第3板状部材243は、第1板状部材241と第2板状部材242とを接続している。板状部材241,242,243は、例えば、溶接による接合、プレス加工などによって、一体的に形成されている。
第1板状部材241は、第1面251を有している。第2板状部材242は、第2面252を有している。第3板状部材243は、第3面253を有している。第1面251および第2面252は、互いに対向している。第3面253は、第1面251と第2面252とを接続している。第1面251と第2面252とは、第3面253のみによって接続されている。
第1面251は、例えば、YZ平面に平行な面であり、+X軸方向を向く面である。第2面252は、例えば、YZ平面に平行な面であり、−X軸方向を向く面である。第3面253は、例えば、XY平面に平行な面であり、+Z軸方向を向く面である。図示の例では、面251,252,253のY軸方向の大きさは、同じである。
第2シールド部品220は、例えば、第4板状部材244と、第5板状部材245と、第6板状部材246と、第7板状部材247と、を有している。第6板状部材246は、第4板状部材244と第5板状部材245とを接続している。第7板状部材247は、第4板状部材244と第5板状部材245とを接続している。板状部材244,245,246,247は、例えば、溶接による接合、プレス加工などによって、一体的に形成されている。
第4板状部材244は、第4面254を有している。第5板状部材245は、第5面255を有している。第6板状部材246は、第6面256を有している。第7板状部材247は、第7面257を有している。第4面254および第5面255は、互いに対向している。第6面256および第7面257は、互いに対向している。第6面256は、第4面254と第5面255とを接続している。第7面257は、第4面254および第5面255に接続されている。図示の例では、第7面257は、第4面254と第5面255とを接続している。
第4面254は、例えば、XZ平面に平行な面であり、−Y軸方向を向く面である。第5面255は、例えば、XZ平面に平行な面であり、+Y軸方向を向く面である。第6面256は、例えば、XY平面に平行な面であり、+Z軸方向を向く面である。第7面257は、例えば、XY平面に平行な面であり、−Z軸方向を向く面である。
面251,252,253,254,255,256,257の形状は、例えば、正方形、長方形などである。
第2シールド部品220には、面254,255,256,257によって規定された貫通孔260が設けられている。貫通孔260をX軸方向からみて、貫通孔260の形状は、長方形である。
第1シールド部品210は、例えば、貫通孔260に配置されている。例えば、貫通孔260に第1シールド部品210の全てが配置されていてもよいし、第1シールド部品210の一部は、貫通孔260の外部に配置されていてもよい。図11に示す例では、第1板状部材241が貫通孔260の−X軸方向側の開口を塞ぎ、第2板状部材242が貫通孔260の+X軸方向側の開口を塞ぐように、第1シールド部品210は、貫通孔260に配置されている。
シールド200は、略直方体の形状を有している。シールド200は、内部の空間Sに、図示せぬ部材を収容することができる。空間Sでは、磁場が遮蔽される。空間Sは、例えば、シールド部品210,220によって囲まれている。シールド部品210,220は、磁束を通し易い材料で構成されているため、シールド部品210,220が磁束を通すことにより、磁束は、空間Sに進入し難い。そのため、空間Sでは、磁場が遮蔽される。
図示の例では、第1面251は、空間SのX軸方向の一方側(−X軸方向側)に配置されている。第2面252は、空間SのX軸方向の他方側(+X軸方向側)に配置されている。第4面254は、空間SのY軸方向の一方側(+Y軸方向側)に配置されている。第5面255は、空間SのY軸方向の他方側(−Y軸方向側)に配置されている。第6面256は、空間SのZ軸方向の一方側(−Z軸方向側)に配置されている。第7面257は、空間SのZ軸方向の他方側(+Z軸方向側)に配置されている。
第3面253は、空間Sに配置されている。図12に示す例では、第3面253は、第6面256と第7面257との間に配置されている。第3板状部材243は、例えば、第
7板状部材247と接している。第3板状部材243は、例えば溶接などによって、第7板状部材247と接合していてもよい。第3面253は、例えば、第7面257と対向している。第3面253は、面251,252よりも、重力の作用する方向における下側に位置するように配置されている。図示の例では、−Z軸方向が重力の作用する方向である。
シールド200は、例えば、以下の特徴を有する。
シールド200では、面251,252は、第3面253のみによって接続され、面254,255は、第6面256によって接続され、第7面257は、面254,255に接続されている。そのため、シールド200では、シールド100と同様に、X軸方向に進行する磁束は、第1面251を有する第1板状部材241および第2面252を有する第2板状部材242の一方に到達し、第3面253を有する第3板状部材243を通って、板状部材241,242の他方から放出され易い。さらに、Y軸方向に進行する磁束は、第4面254を有する第4板状部材244および第5面255を有する第5板状部材245の一方に到達し、第6面256を有する第6板状部材246および第7面257を有する第7板状部材247を通って、板状部材244,245の他方から放出され易い。さらに、Z軸方向に進行する磁束は、第6面256を有する第6板状部材246および第7面257を有する第7板状部材247の一方に到達し、第4面254を有する第4板状部材244および第5面255を有する第5板状部材245を通って、板状部材246,247の他方から放出され易い。したがって、シールド100では、互いに直交する3軸方向からの磁束に対して経路が連続しているため、磁束は、空間Sに進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
さらに、シールド200では、面251,252は、第3面253のみによって接続されているため、小型化を図ることができる。または、空間Sの体積を大きくすることができる。例えば、面251,252が、第3面253、および第3面253と対向する面によって接続されている場合、該対向する面と第7面257とが重なり(Z軸方向からみた場合に重なり)、その分、小型化を図ることが難しい。または、空間Sの体積を大きくすることが難しい。
さらに、シールド200では、第3面253上で収容部品(図示せず)を組み立て、収容部品を組み立てた後に、第3面253を貫通孔260に配置して、収容部品を収容することができる。シールド200では、面251,252は、第3面253のみによって接続されているため、例えば、面251,252が、第3面253、および第3面253と対向する面によって接続されている場合に比べて、収容部品の組み立て作業を容易に行うことができる。
シールド200では、第3面253は、面251,252よりも、重力の作用する方向における下側に位置するように配置されている。そのため、シールド200では、第3面253が面251,252よりも重力の作用する方向における上側に位置するように配置されている場合に比べて、第3面253において、収容部品の組み立て作業を容易に行うことができる。
なお、上記では、X軸方向を第1方向とし、Y軸方向を第2方向とし、Z軸方向を第3方向とする例について説明したが、第1方向、第2方向、および第3方向は、互いに交差していれば、直交していなくてもよい。
また、シールド200において、図示はしないが、上述したシールド101のように、空間Sに連通する貫通孔が設けられていてもよい。
2.2. 変形例
2.2.1. 第1変形例
次に、第2実施形態の第1変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図13は、第2実施形態の第1変形例に係るシールド201を模式的に示す斜視図である。なお、便宜上、図13では、第1シールド部品210の図示を省略している。
以下、第2実施形態の第1変形例に係るシールド201において、上述した第2実施形態に係るシールド200の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。このことは、後述する本実施形態の第2,第3変形例に係るシールドにおいて、同様である。
シールド201では、図13に示すように、第7面257は、互いに離間した第1領域257aおよび第2領域257bを有している点において、上述したシールド200と異なる。
第1領域257aは、第4面254に接続されている。第2領域257bは、第5面255に接続されている。第7板状部材247は、互いに離間した第1部分247aおよび第2部分247bを有している。第1部分247aは、第4板状部材244に接続されている。第1部分247aは、第1領域257aを有している。第2部分247bは、第5板状部材245に接続されている。第2部分247bは、第2領域257bを有している。
シールド201では、互いに離間した第1領域257aおよび第2領域257bを有しているため、第2シールド部品220を、溶接を用いずに、1枚の板状部材をプレス加工で折り曲げることによって形成することができる。そのため、シールド201では、短時間で第2シールド部品220を形成することができる。
2.2.2. 第2変形例
次に、第2実施形態の第2変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図14は、第2実施形態の第2変形例に係るシールド202を模式的に示す斜視図である。図15は、第2実施形態の第2変形例に係るシールド202を模式的に示す図14のXV−XV線断面図である。なお、便宜上、図14では、第1シールド部品210の図示を省略している。
上述したシールド200では、図10および図11に示すように、第6面256は、第4面254および第5面255に接続され、第7面257は、第4面254および第5面255に接続されていた。
これに対し、シールド202では、図14および図15に示すように、例えば、面254,255,256,257は、互いに離間している。シールド202は、面254,255,256,257に接続された第8面258を有している。図示の例では、第8面258は、YZ平面に平行な面であり、−X軸方向を向く面である。第8面258の形状は、例えば、長方形である。シールド202は、板状部材244,245,246,247に接続された第8板状部材248を有している。第8板状部材248は、第8面258を有している。図示の例では、第2板状部材242および第8板状部材248は、互いに接している。
シールド202では、面254,255,256,257に接続された第8面258を有し、面254,255,256,257は互いに離間しているため、第2シールド部品
220を、溶接を用いずに、1枚の板状部材をプレス加工で折り曲げることによって形成することができる。そのため、シールド202では、短時間で第2シールド部品220を形成することができる。
なお、シールド202では、収容部品(図示せず)を、第1面251側よりも第2面252側に配置することが好ましい。シールド202では、第2板状部材242および第8板状部材248は、互いに接しているので、第1面251側よりも第2面252側の方が磁場に対する遮蔽性能が高いためである。第1シールド部品210の材質は、アルミニウムであってもよい。
2.2.3. 第3変形例
次に、第2実施形態の第3変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図15は、第2実施形態の第3変形例に係るシールド203を模式的に示す分解平面図ある。図16は、第2実施形態の第3変形例に係るシールド203を模式的に示す図15のXVI−XVI断面図である。なお、便宜上、図15では、第3板状部材243および第6板状部材246以外の部材の図示を省略している。また、図16では、第1シールド部品210と第2シールド部品220とが組み合わされた状態を図示している。
シールド203では、図16および図17に示すように、第3板状部材243に貫通孔270が設けられ、第6板状部材246にスリット272が設けられている点において、上述したシールド200と異なる。
貫通孔270は、第3板状部材243をZ軸方向に貫通している。貫通孔270は、複数設けられている。図16に示す例では、複数の貫通孔270(具体的には6つの貫通孔270)がX軸方向に列をなし、複数の貫通孔270の例が、Y軸方向に2つ並んでいる。
スリット272は、第6板状部材246をZ軸方向に貫通している。スリット272は、第6板状部材246の第1シールド部品210が挿入される側に、設けられている。スリット272は、複数の貫通孔270の例に対応して、複数設けられている。図示の例では、スリット272は、2つ設けられている。Z軸方向からみて、貫通孔270は、スリット272と重なるように設けられている。
シールド203では、第3板状部材243に貫通孔270が設けられ、第6板状部材246にスリット272が設けられているため、例えば、図17に示すように、端子5を有する収容部品4を収容する場合に、端子5をシールド203の外部に配置した状態で、収容部品4を収容することができる。具体的には、まず、端子5が貫通孔270を通るように第3面253に収容部品4を配置し、次に、端子5がスリット272を通るように、第1シールド部品210を貫通孔260に挿入する。これにより、シールド203に、収容部品4を収容することができる。
3. 第3実施形態
3.1. シールド
次に、第3実施形態に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図18は、第3実施形態に係るシールド300を示す分解斜視図である。図19は、第3実施形態に係るシールド300を示す斜視図である。図20は、第3実施形態に係るシールド300を示す図19のXX−XX線断面図である。なお、図18〜図20および後述する図21〜図27では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
シールド300は、図18および図19に示すように、第1シールド部品310と、第
2シールド部品320と、を含む。シールド部品310,320は、磁場を遮蔽する。シールド部品310,320は、軟磁性体材料によって構成されている。シールド部品310,320の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。
第1シールド部品310は、例えば、第1板状部材341と、第2板状部材342と、第3板状部材343と、を有している。第3板状部材343は、第1板状部材341と第2板状部材342とを接続している。板状部材341,342,343は、例えば、溶接による接合、プレス加工などによって、一体的に形成されている。
第1板状部材341は、第1面351を有している。第2板状部材342は、第2面352を有している。第3板状部材343は、第3面353を有している。第1面351および第2面352は、互いに対向している。第3面353は、第1面351と第2面352とを接続している。第1面351および第2面352は、第3面353のみによって接続されている。
第1面351は、例えば、XZ平面に平行な面であり、−Y軸方向を向く面である。第2面352は、例えば、XZ平面に平行な面であり、+Y軸方向を向く面である。第3面353は、例えば、XY平面に平行な面であり、+Z軸方向を向く面である。図示の例では、面351,352,353のX軸方向の大きさは、同じである。
第2シールド部品320は、筒状(図示の例では円筒)の形状を有している。第2シールド部品320は、互いに反対を向く第4面354および第5面355を有している。第4面354は、例えば、XZ平面に平行な面であり、+Y軸方向を向く面である。第5面355は、例えば、XZ平面に平行な面であり、−Y軸方向を向く面である。
第2シールド部品320には、貫通孔360が設けられている。貫通孔360は、第4面354に設けられた第1開口361と、第5面355に設けられた第2開口362と、を接続している。開口361,362の形状は、例えば、円である。貫通孔360は、例えば、第2シールド部品320を、Y軸方向に貫通している。第2シールド部品320は、例えば、溶接による接合、プレス加工などによって形成されている。
第1面351および第4面354は、互いに対向している。図19に示す例では、面351,354は、互いに接している。面351,354は、例えば溶接などによって接合されていてもよい。第1面351は、第1開口361を塞いでいる。第2面352および第5面355は、互いに対向している。図19に示す例では、面352,355は、互いに接している。面352,355は、例えば溶接などによって接合されていてもよい。第2面352は、第2開口362を塞いでいる。第3面353と、第2シールド部品320の第4面354と第5面355とを接続する外表面356とは、接している。面353,356は、例えば溶接などによって接合されていてもよい。
シールド300は、例えば、以下の特徴を有する。
シールド300では、互いに対向する面351,352と、面351,352を接続する第3面353と、を有する第1シールド部品310と、互いに反対を向く面354,355を有し、第4面354に設けられた第1開口361と第5面355に設けられた第2開口362とを接続する貫通孔360が設けられた第2シールド部品320と、を含み、面351,354は、互いに対向し、面352,355は、互いに対向する。そのため、シールド300では、シールド100と同様に、Y軸方向に進行する磁束は、第1面351を有する第1板状部材341および第2面352を有する第2板状部材342の一方に到達し、第3面353を有する第3板状部材343を通って、板状部材341,342の
他方から放出され易い。さらに、X軸方向またはZ軸方向に進行する磁束は、第2シールド部品320の外表面356に到達し、第2シールド部品320を通って、第2シールド部品320の外部へ放出され易い。したがって、シールド100では、互いに直交する3軸方向からの磁束に対して経路が連続しているため、磁束は、空間Sに進入し難く、磁場に対する遮蔽性能が高い。
さらに、シールド300では、面351,352は、第3面353のみによって接続されているため、小型化を図ることができる。または、貫通孔360の体積を大きくすることができる。例えば、面351,352が、第3面353、および第3面353と対向する面によって接続されている場合、該対向する面と外表面356とが重なり(Z軸方向からみた場合に重なり)、その分、小型化を図ることが難しい。または、空間Sの体積を大きくすることが難しい。
3.2. 変形例
3.2.1. 第1変形例
次に、第3実施形態の第1変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図21は、第3実施形態の第1変形例に係るシールド301を模式的に示す分解斜視図である。図22は、第3実施形態の第1変形例に係るシールド301を模式的に示す図21のXXII−XXII線断面図である。なお、図21では、第1シールド部品310と第2シールド部品320とが組み合わされた状態を示している。
以下、第3実施形態の第1変形例に係るシールド301において、上述した第3実施形態に係るシールド300の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。このことは、後述する第3実施形態の第2,第3変形例に係るシールドにおいて、同様である。
上述したシールド300では、第2シールド部品320は、図18に示すように、閉じた形状(環状の形状)を有していた。具体的には、第2シールド部品320は、Y軸方向からみて、閉じた形状を有していた。
これに対し、シールド301では、第2シールド部品320は、図21および図22に示すように、閉じた形状を有していない。具体的には、第2シールド部品320は、図22に示すように、Y軸方向からみて、閉じた形状を有しておらず、開放端370を有している。開放端370によって規定される隙間372は、第3面353によって塞がれていてもよい。これにより、隙間372を通って、貫通孔360に進入する磁束を減らせることができる。隙間372は、第4面354から第5面355まで設けられている。
シールド301では、第2シールド部品320は、閉じた形状を有していないため、第2シールド部品320を、溶接を用いずに、1枚の板状部材をプレス加工で折り曲げることによって形成することができる。そのため、シールド301では、短時間で第2シールド部品320を形成することができる。
3.2.2. 第2変形例
次に、第3実施形態の第2変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図23は、第3実施形態の第2変形例に係るシールド302を模式的に示す分解斜視図である。図24は、第3実施形態の第2変形例に係るシールド302を模式的に示す斜視図ある。
上述したシールド300では、第2シールド部品320は、図18に示すように、円筒状の形状を有していた。
これに対し、シールド302では、第2シールド部品320は、図23および図24に示すように、角筒状に、隙間372が設けられた形状を有している。開口361,362の形状は、例えば、正方形、長方形などである。隙間372は、シールド301と同様に、開放端370によって規定される。
シールド302では、第2シールド部品320は、閉じた形状を有していないため、第2シールド部品320を、溶接を用いずに、1枚の板状部材をプレス加工で折り曲げることによって形成することができる。そのため、シールド302では、短時間で第2シールド部品320を形成することができる。
3.2.3. 第3変形例
次に、第3実施形態の第3変形例に係るシールドについて、図面を参照しながら説明する。図25は、第3実施形態の第3変形例に係るシールド303を模式的に示す分解斜視図である。図26は、第3実施形態の第3変形例に係るシールド303を模式的に示す図25のXXVI−XXVI線断面図である。なお、図26では、第1シールド部品310と第3シールド部品330とが組み合わされた状態を示している。
シールド303では、図25および図26に示すように、第1シールド部品310は、第4板状部材344と、第5板状部材345と、を有している点において、上述したシールド300と異なる。
第4板状部材344は、板状部材341,342に接続されている。第5板状部材345は、板状部材341,342,343,344に接続されている。第1シールド部品310は、1つ面が開口した箱型の形状を有している。板状部材341,342は、例えば、第2シールド部品320と離間している。
シールド303は、第3シールド部品330を含む。第3シールド部品330は、軟磁性体材料によって構成されている。第3シールド部品330の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。
第3シールド部品330は、1つ面が開口した箱型の形状を有している。第1シールド部品310の板状部材341,342,343,344は、第3シールド部品330の内側に配置されている。シールド部品310,330は、第1シールド部品310の開口380と、第3シールド部品330の開口382とが向き合うように組み合わされる。第2シールド部品320は、シールド部品310,330によって規定された空間に配置されている。板状部材341,342,343,344は、例えば、第3シールド部品330に接している。
シールド303では、シールド部品310,330は、1つの面が開口した箱型の形状を有し、シールド部品310,330は、開口380,382が向き合うように組み合わされ、第2シールド部品320は、シールド部品310,330によって規定された空間に配置されている。そのため、シールド300では、第2シールド部品320の周囲の軟磁性材料を厚くすることができる。したがって、シールド300は、磁場に対する遮蔽性能が高い。
なお、シールド303は、図27に示すように、第1シールド部品310は、仕切り部材390を有していてもよい。仕切り部材390は、例えば、溶接などにより、第5板状部材345と接合されていてもよい。仕切り部材390は、例えば、板状の部材である。仕切り部材390は、シールド部品310,330によって規定された空間を、第1空間
S1と第2空間S2とに分けるように配置されている。例えば、収容部品のうちの磁場を発生する部分を第1空間S1に配置し、収容部品のうちの磁場の影響を低減したい部分を第2空間S2に配置(例えば、第2空間S2に配置された第2シールド部品320の貫通孔360に配置)することにより、磁場の影響を低減したい部分が、磁場を発生する部分の磁場による影響を、仕切り部材390によって低減することができる。
4. 第4実施形態
4.1. 原子発振器
4.1.1. 概略
次に、第4実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図28は、第4実施形態に係る原子発振器400を示す概略図である。
原子発振器400は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象とも言う。また、本発明に係る原子発振器は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した原子発振器であってもよい。
原子発振器400は、図28に示すように、光源ユニット500と、光学系ユニット600と、原子セルユニット700と、光源ユニット500および原子セルユニット700を制御する制御ユニット900と、を含む。以下、まず、原子発振器400の概略について説明する。
光源ユニット500は、ペルチェ素子510と、光源520と、温度センサー530と、を有している。
光源520は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。光源520は、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの発光素子である。温度センサー530は、光源520の温度を検出する。ペルチェ素子510は、光源520の温度を第1の温度に制御する第1温度制御素子である。具体的には、ペルチェ素子510は、光源520を加温または冷却する。第1の温度は、例えば、25℃以上35℃以下である。
光学系ユニット600は、光源ユニット500と原子セルユニット700との間に配置されている。光学系ユニット600は、減光フィルター610と、レンズ620と、1/4波長板630と、を有している。
減光フィルター610は、光源520から出射された光LLの強度を減少させる。レンズ620は、光LLの放射角度を調整する。具体的には、レンズ620は、光LLを平行光にする。1/4波長板630は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を、直線偏光から円偏光に変換する。
原子セルユニット700は、原子セル710と、受光素子720と、ヒーターユニット780と、温度センサー722と、コイル724と、を有している。
原子セル710は、光源520から出射される光LLを透過させる。原子セル710には、アルカリ金属原子が収容されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。原子セル710には、光源520から出射された光LLが減光フィルター610、レンズ620、および1/4波
長板630を介して入射する。
受光素子720は、原子セル710を通過した光LLを受光し、検出する。受光素子720は、例えば、フォトダイオードである。
ヒーターユニット780は、原子セル710を、第1の温度とは異なる第2の温度に制御する第2温度制御素子である。ヒーターユニット780は、原子セル710に収容されたアルカリ金属原子を加熱し、アルカリ金属原子の少なくとも一部をガス状態にする。第2の温度は、例えば、60℃以上70℃以下である。
温度センサー722は、原子セル710の温度を検出する。コイル724は、原子セル710に収容されたアルカリ金属原子に所定方向の磁場を印加し、アルカリ金属原子のエネルギー準位をゼーマン分裂させる。
アルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光した共鳴光対がアルカリ金属原子に照射されると、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くなる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号が大きくなる。その結果、原子発振器400の発振特性を向上させることができる。
制御ユニット900は、温度制御部910と、光源制御部920と、磁場制御部930と、温度制御部940と、を有している。
温度制御部910は、温度センサー722の検出結果に基づいて、原子セル710の内部が所望の温度となるように、ヒーターユニット780への通電を制御する。磁場制御部930は、コイル724が発生する磁場が一定となるように、コイル724への通電を制御する。温度制御部940は、温度センサー530の検出結果に基づいて、光源520の温度が所望の温度となるように、ペルチェ素子510への通電を制御する。
光源制御部920は、受光素子720の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、光源520から出射された光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル710に収容されたアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。光源制御部920は、2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型発振器(図示せず)を備えており、この電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の出力信号を原子発振器400の出力信号(クロック信号)として出力する。
4.1.2. 具体的な構成
次に、原子発振器400の具体的な構成について説明する。図29および図30は、原子発振器400を模式的に示す断面図である。なお、図29は、図30のXXIX−XXIX線断面図である。また、図29,30および後述する図32,33では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
本発明に係る原子発振器は、本発明に係るシールドを含む。以下では、シールド100を含む原子発振器400について説明する。なお、図29および図30では、シールド100を簡略化して図示している。
原子発振器400は、図29および図30に示すように、光源ユニット500と、光学
系ユニット600と、原子セルユニット700と、支持部材800と、制御ユニット900と、外容器950と、を含む。
ここで、Z軸は、外基部960の外容器面962の垂線Pに沿う軸であり、+Z軸方向は、外基部960の外容器面962から外容器面962上に配置されている部品へ向かう方向である。X軸は、光源ユニット500から出射される光LLに沿う軸であり、+X軸方向は、光LLの進む方向である。Y軸は、X軸およびZ軸に垂直な軸であり、+Y軸方向は、+Z軸方向を上、+X軸方向を右に向けた時に、手前から奥へ向かう方向である。
光源ユニット500は、支持部材800に配置されている。光源ユニット500は、ペルチェ素子510と、光源520と、温度センサー530と、これらを収容している光源容器540と、光源容器540が配置される光源基板550と、を有している。光源基板550は、例えば、ねじ(図示せず)によって支持部材800に固定されている。ペルチェ素子510、光源520、および温度センサー530は、制御ユニット900と電気的に接続されている。
光学系ユニット600は、支持部材800に配置されている。光学系ユニット600は、減光フィルター610と、レンズ620と、1/4波長板630と、これらを保持しているホルダー640と、を有している。ホルダー640は、例えば、ねじ(図示せず)によって支持部材800に固定されている。
ホルダー640には、貫通孔650が設けられている。貫通孔650は、光LLの通過領域である。貫通孔650には、減光フィルター610、レンズ620、および1/4波長板630が光源ユニット500側からこの順で配置されている。
原子セルユニット700は、シールド100と、原子セル710と、受光素子720と、保持部材730と、原子セル容器770と、ヒーターユニット780と、を含む。
原子セル710には、気体のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が収容されている。原子セル710には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属原子とともに収容されていてもよい。
原子セル710には、光源520から出射された光LLが入射する。原子セル710の壁部の材質は、例えば、ガラスなどである。
受光素子720は、原子セル710の光源520側とは反対側に配置されている。図示の例では、受光素子720は、シールド100に配置されている。受光素子720は、制御ユニット900と電気的に接続されている。
保持部材730は、シールド100内において、原子セル710を保持している。図示の例では、保持部材730は、ねじ731によって、シールド100に固定されている。保持部材730は、光源520から出射された光LLを通過させる構造を有している。保持部材730の材質は、例えば、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などである。
シールド100は、原子セル710、受光素子720、および保持部材730を収容している。原子セル710、受光素子720、および保持部材730は、空間Sに配置されている。シールド100は、シールド支持部材810を介して、支持部材800に配置されている。シールド100には、光LLが通過する貫通孔160が設けられている。シールド100によって、外部からの磁場によって原子セル710内のアルカリ金属原子が影響を受けることを抑え、原子発振器400の発振特性の安定化を図ることができる。なお
、図示はしないが、相似の形状を有する2つのシールド100を有し、一方のシールド100が原子セル710を収容し、さらに、他方のシールド100が一方のシールドを収容していてもよい。
シールド100の外表面には、例えば、伝熱部材746が配置されている。伝熱部材746は、シールド100とヒーターユニット780との間に配置されている。伝熱部材746は、ヒーターユニット780の熱を原子セル710内のアルカリ金属原子に伝える。伝熱部材746の材質は、例えば、アルミニウム、銅などである。
原子セル容器770は、シールド100を収容している。原子セル容器770は、例えば、ねじ774によって支持部材800に固定されている。原子セル容器770には、光LLが通過する貫通孔770aが設けられている。
原子セル容器770の材質は、例えば、シールド100と同じである。原子セル容器770は、外部からの磁場を遮蔽することができる。シールド100および原子セル容器770は、例えば、互いに離間している。そのため、例えばシールド100と原子セル容器770とが接触している場合に比べて、外部からの磁場を遮蔽する機能を高めることができる。
ヒーターユニット780は、例えば、伝熱部材746に接している。ヒーターユニット780は、加熱素子781を有している。加熱素子781は、原子セル710内のアルカリ金属原子を加熱するための素子である。加熱素子781は、例えば、発熱抵抗体などである。なお、加熱素子781として、発熱抵抗体に代えて、あるいは発熱抵抗体と併用して、ペルチェ素子を用いてもよい。
なお、温度センサー722は、図29および図30では図示していないが、原子セル710の近傍に配置されている。温度センサー722は、例えば、サーミスタ、熱電対等の各種温度センサーである。
また、コイル724は、図29および図30では図示していないが、例えば、原子セル710の外周に沿って巻回して設けられているソレノイド型のコイル、または、原子セル710を介して対向するヘルムホルツ型の1対のコイルである。コイル724は、原子セル710の内部に光LLの光軸Aに沿った方向の磁場を発生させる。これにより、原子セル710に収容されたアルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップをゼーマン分裂により拡げて、分解能を向上させ、EIT信号の線幅を小さくすることができる。
支持部材800は、図29に示すように、外容器950の外基部960に片持ちで固定されている。支持部材800は、例えば、外基部960の台座部961に、図30に示すように、2つのねじ952によって固定されている。支持部材800の材質は、例えば、アルミニウム、銅である。支持部材800は、炭素繊維を用いたカーボンシートであってもよい。なお、支持部材800は、接着剤によって、外基部960に固定されていてもよい。
支持部材800には、例えば、貫通孔812が設けられている。図29に示す例では、貫通孔812は、支持部材800をZ軸方向に貫通している。Z軸方向からみて、原子セルユニット700は、貫通孔812と重なる様に配置されている。
制御ユニット900は、回路基板902を有している。回路基板902は、複数のリードピン904を介して、外基部960に固定されている。回路基板902は、図示しない
IC(Integrated Circuit)チップが配置されており、ICチップは、温度制御部910、光源制御部920、磁場制御部930、および温度制御部940として機能する。ICチップは、光源ユニット500および原子セルユニット700と電気的に接続されている。回路基板902には、支持部材800が挿通されている貫通孔903が設けられている。
外容器950は、光源ユニット500、光学系ユニット600、原子セルユニット700、支持部材800、および制御ユニット900を収容している。外容器950は、外基部960と、外基部960とは別体の外蓋部970と、を有している。外容器950は、外容器面962を有している。図示の例では、外容器面962は、外基部960の+Z軸方向を向く面であり、外容器面962の垂線P方向は、Z軸方向である。
外容器950の材質は、例えば、シールド100と同じである。そのため、外容器950は、外部からの磁場を遮蔽することができる。
なお、図示はしないが、原子セル容器770および外容器950の代わりに、本発明に係るシールドを用いてもよい。例えば、外容器950の代わりに、シールド200,201,202を用いてもよい。この場合、原子セル710は、支持部材800、シールド支持部材810、シールド100、および保持部材730を介して、第3面253に配置されている。また、例えば、図29に示すように、リードピン904が設けられている場合は、貫通孔270およびスリット272が設けられたシールド203を用いてもよい。
また、シールド303を用いる場合は、図31に示すように、シールド100の代わりに、第2シールド部品320を用い、外容器950の代わりに、シールド部品310,330を用いてもよい。この場合、原子セル710および光源520は、例えば、第2シールド部品320に設けられた貫通孔360に配置されている。なお、便宜上、図31では、シールド303、光源520、および原子セル710以外の部材の図示を省略している。また、図31では、光源520および原子セル710を簡略化して図示している。
4.2. 変形例
4.2.1. 第1変形例
次に、第4実施形態の第1変形例に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図32は、第4実施形態の第1変形例に係る原子発振器401を模式的に示す断面図である。なお、便宜上、図32では、外容器950以外の部材の図示を省略している。
以下、第4実施形態の第1変形例に係る原子発振器401において、上述した第4実施形態に係る原子発振器400の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。このことは、後述する第4実施形態の第2変形例に係る原子発振器において、同様である。
原子発振器401では、図32に示すように、外蓋部970は、傾斜部972を有している点において、上述した原子発振器400と異なる。傾斜部972は、外容器面962の垂線Pに対して傾斜している傾斜面974を有している。傾斜面974は、外蓋部970の外表面である。
原子発振器401では、外蓋部970は、傾斜部972を有している。そのため、原子発振器401では、−Z軸方向に進行して傾斜面974に到達した磁束は、例えば、垂線Pと直交する面に到達した場合に比べて、外蓋部970を通り易い(傾斜部972を通り易い)。そのため、原子発振器401では、−Z軸方向に進行して外蓋部970に到達した磁束は、外容器950内に進行し難い。
4.2.2. 第2変形例
次に、第4実施形態の第2変形例に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図33は、第4実施形態の第2変形例に係る原子発振器402を模式的に示す断面図である。なお、便宜上、図33では、シールド100および外容器950以外の部材の図示を省略している。また、図33では、シールド100を簡略化して図示している。
原子発振器402では、図33に示すように、シールド100の角170は、外容器950の角980に対して、ずれている点において、上述した原子発振器400と異なる。
角170は、図33に示すように、板状部材141,142,147,148が互いに離間している場合は、Z軸方向からみて、面151,152,157,158を延長させた場合の、交点である。図示の例では、シールド100は、4つの角170を有している。外容器950は、4つの角980を有している。角170は、シールド100の内面における角である。角980は、外容器950の内面における角である。
Z軸方向からみて、複数の角980のうち1つの角980aを通り、板状部材141,142,147,148のうち角980aに距離が最も近い板状部材148に垂直な仮想直線Lは、空間Sを通る。仮想直線Lは、板状部材148の第8面158とは反対側の面8に垂直である。このことは、4つの角980の全てに対して、当てはまっていてもよい。
ここで、角980は、外容器950の部分に比べて、磁束を通し易い。また、角980は、外容器950の他の部分に比べて、磁束を通し易い。しかし、原子発振器401では、複数の角980のうち1つの角980aを通り、板状部材141,142,147,148のうち角980aに距離が最も近い板状部材148に垂直な仮想直線Lは、空間Sを通るため、角980aを通った磁束が空間Sに進入し難い。
例えば、図34に示すように、シールド10100の角10170が、外容器10950の角10980に対して、ずれていない場合は、複数の角10980のうち1つの角10980aを通り、板状部材10141の外表面に垂直な仮想直線Laおよび板状部材10148の外表面に垂直な仮想直線Lbは、空間Saを通らない。この場合、角10980aを通った磁束は、角10170を通って、空間Saに侵入する場合がある。なお、図34は、参考例に係るシールド10100および外容器10950について説明するための図である。
なお、本発明に係るシールドは、原子発振器の他に、例えば、磁気センサー、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、SQUID(Super Quantum Interference Device)などに用いられてもよい。
5. 第5実施形態
次に、第5実施形態に係る周波数信号生成システムについて、図面を参照しながら説明する。以下のクロック伝送システム(タイミングサーバー)は、周波数信号生成システムの一例である。図35は、クロック伝送システム1000を示す概略構成図である。
本発明に係るクロック伝送システムは、本発明に係る原子発振器を含む。以下では、一例として、原子発振器400を含むクロック伝送システム1000について説明する。
クロック伝送システム1000は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有
するシステムである。
クロック伝送システム1000は、図35に示すように、A局(上位(N系))のクロック供給装置1001およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置1002と、B局(上位(E系))のクロック供給装置1003およびSDH装置1004と、C局(下位)のクロック供給装置1005およびSDH装置1006,1007と、を備える。クロック供給装置1001は、原子発振器400を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置1001内の原子発振器400は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック1008,1009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置1002は、クロック供給装置1001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置1005に伝送する。クロック供給装置1003は、原子発振器400を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置1003内の原子発振器400は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック1008,1009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置1004は、クロック供給装置1003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置1005に伝送する。クロック供給装置1005は、クロック供給装置1001,1003からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
クロック供給装置1005は、通常、クロック供給装置1001からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置1005は、クロック供給装置1003からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置1006は、クロック供給装置1005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置1007は、クロック供給装置1005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
本実施形態に係る周波数信号生成システムは、クロック伝送システムに限定されない。周波数信号生成システムは、原子発振器が搭載され、原子発振器の周波数信号を利用する各種の装置および複数の装置から構成されるシステムを含む。
本実施形態に係る周波数信号生成システムは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、液体吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sales)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計)、魚群探知機、GNSS(Global Navigation Satellite System)周波数標準器、各種測定機器、計器類(例えば、自動車、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体(自動車、航空機、船舶等)であってもよい。
6. 実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
6.1. 第1実験例
モデルM1,M2において、磁場に対する遮蔽率をシミュレーションにより計算した。シミュレーションは、有限要素法により行った。
モデルM1は、図36に示すように、板状のシールド部品1010と、1つの面が開口したシールド部品1012と、を組み合わせたものである。モデルM2は、図37に示すように、3つの面が開口した形状のシールド部品1020,1022を組み合わせたものである。なお、図36,37および後述する図39,40では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
シミュレーションでは、モデルM1,M2に対して、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に進行する磁束を想定し、3軸方向における遮蔽率を計算した。図38は、第1実験例のシミュレーションの結果を示す表である。図38の表に記載された数値は、遮蔽率であり、数値の絶対値が大きいほど、遮蔽率が高い。
図38に示すように、モデルM1では、Z軸方向における遮蔽率が低かった。これは、モデルM1では、シールド部品1010,1012が別部材であるので、Z軸方向に進行する磁束に対して、モデルM1の経路が不連続なためである。一方、モデルM2では、Z軸方向における遮蔽率が高かった。これは、モデルM2では、Z軸方向に進行する磁束に対して、シールド部品1020により経路が連続しているためである。
6.2. 第2実験例
モデルM3,M4において、第1実験例と同様に、磁場に対する遮蔽率をシミュレーションにより計算した。
モデルM3は、図39に示すように、1つの面が開口したシールド部品1030,32を組み合わせたものである。モデルM4は、図40に示すように、3つの板状部材からなるシールド部品1040と、2つの面が開口したシールド部品1042と、を組み合わせたものである。図41は、第2実験例のシミュレーションの結果を示す表である。
図41に示すように、モデルM3では、Z軸方向における遮蔽率が低かった。これは、モデルM3では、シールド部品1030,1032が別部材であるので、Z軸方向に進行する磁束に対して、モデルM3の経路が不連続なためである。一方、モデルM4では、Z軸方向における遮蔽率が高かった。これは、モデルM4では、Z軸方向に進行する磁束に対して、シールド部品1042により経路が連続しているためである。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…上壁部材、2a,2b…側壁部材、3…下壁部材、4…収容部品、5…端子、8…面、100,101…シールド、110…第1シールド部品、120…第2シールド部品、130…第3シールド部品、141…第1板状部材、142…第2板状部材、143…第3板状部材、144…第4板状部材、145…第5板状部材、146…第6板状部材、147…第7板状部材、147a…部分、148…第8板状部材、149…第9板状部材、151…第1面、152…第2面、153…第3面、154…第4面、155…第5面、156…第6面、157…第7面、158…第8面、159…第9面、160…貫通孔、170…角、200,201,202,203…シールド、210…第1シールド部品、220…第2シールド部品、241…第1板状部材、242…第2板状部材、243…第3板状部材、244…第4板状部材、245…第5板状部材、246…第6板状部材、247…第7板状部材、247a…第1部分、247b…第2部分、248…第8板状部材、251…第1面、252…第2面、253…第3面、254…第4面、255…第5面、256…第6面、257…第7面、257a…第1領域、257b…第2領域、258…第8面、260,270…貫通孔、272…スリット、300,301,302,303…シールド、310…第1シールド部品、320…第2シールド部品、330…第3シールド部品、341…第1板状部材、342…第2板状部材、343…第3板状部材、344…第4板状部材、345…第5板状部材、351…第1面、352…第2面、353…第3面、354…第4面、355…第5面、356…外表面、360…貫通孔、361…第1開口、362…第2開口、370…開放端、372…隙間、380,382…開口、390…仕切り部材、400,401,402…原子発振器、500…光源ユニット、510…ペルチェ素子、520…光源、530…温度センサー、540…光源容器、550…光源基板、600…光学系ユニット、610…減光フィルター、620…レンズ、630…1/4波長板、640…ホルダー、650…貫通孔、700…原子セルユニット、710…原子セル、720…受光素子、722…温度センサー、724…コイル、730…保持部材、731…ねじ、746…伝熱部材、770…原子セル容器、770a…貫通孔、774…ねじ、780…ヒーターユニット、781…加熱素子、800…支持部材、810…シールド支持部材、812…貫通孔、900…制御ユニット、902…回路基板、903…貫通孔、904…リードピン、910…温度制御部、920…光源制御部、930…磁場制御部、940…温度制御部、950…外容器、952…ねじ、960…外基部、961…台座部、962…外容器面、970…外蓋部、972…傾斜部、974…傾斜面、980,980a…角、1001…クロック供給装置、1002…SDH装置、1003…クロック供給装置、1004…SDH装置、1005…クロック供給装置、1006,1007…SDH装置、1008,1009…マスタークロック、1010,1012,1020,1022,1030,1032,1040,1042…シールド部品、10100…シールド、10141,10148…板状部材、10170…角、10950…外容器、10980,10980a…角

Claims (10)

  1. 互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに対向する第4面および第5面と、前記第4面と前記第5面とを接続する第6面と、を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、
    互いに対向する第7面および第8面と、前記第7面と前記第8面とを接続する第9面と、を有し、磁場を遮蔽する第3シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面と前記第2面とは、前記第3面のみによって接続され、
    前記第4面と前記第5面とは、前記第6面のみによって接続され、
    前記第7面と前記第8面とは、前記第9面のみによって接続され、
    前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、
    前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、
    前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、
    前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第7面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、
    前記第8面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置されている、シールド。
  2. 請求項1において、
    前記第3面は、前記第3方向を向き、
    前記第3面の前記第2方向の大きさは、前記第1面および前記第2面の前記第2方向の大きさよりも小さく、
    前記第6面は、前記第3方向を向き、
    前記第6面の前記第1方向の大きさは、前記第4面および前記第5面の前記第1方向の大きさよりも小さく、
    前記第9面は、前記第1方向を向き、
    前記第9面の前記第3方向の大きさは、前記第7面および前記第8面の前記第3方向の大きさよりも小さい、シールド。
  3. アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
    前記原子セルを収容するシールドと、
    を含み、
    前記シールドは、
    互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに対向する第4面および第5面と、前記第4面と前記第5面とを接続する第6面と、を有し、磁場遮蔽する第2シールド部品と、
    互いに対向する第7面および第8面と、前記第7面と前記第8面とを接続する第9面と、を有し、磁場を遮蔽する第3シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面と前記第2面とは、前記第3面のみによって接続され、
    前記第4面と前記第5面とは、前記第6面のみによって接続され、
    前記第7面と前記第8面とは、前記第9面のみによって接続され、
    前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、
    前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、
    前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、
    前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第7面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一
    方側に配置され、
    前記第8面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置され、
    前記原子セルは、前記空間に配置されている、原子発振器。
  4. 互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、
    前記第4面および前記第5面は、前記第6面によって接続され、
    前記第7面は、前記第4面および前記第5面に接続され、
    前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、
    前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、
    前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、
    前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、
    前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置されている、シールド。
  5. 互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、前記第4面、前記第5面、前記第6面、および前記第7面に接続された第8面を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、
    前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、
    前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、
    前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、
    前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、
    前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置されている、シールド。
  6. 請求項4または5において、
    前記第3面は、前記空間に配置され、
    前記第3面は、前記第1面および前記第2面よりも、重力の作用する方向における下側に位置するように配置されている、シールド。
  7. アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
    前記原子セルを収容するシールドと、
    を含み、
    前記シールドは、
    互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、
    前記第4面および前記第5面は、前記第6面によって接続され、
    前記第7面は、前記第4面および前記第5面に接続され、
    前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、
    前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、
    前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、
    前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、
    前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置され、
    前記第3面は、前記空間に配置され、
    前記原子セルは、前記第3面に配置されている、原子発振器。
  8. アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
    前記原子セルを収容するシールドと、
    を含み、
    前記シールドは、
    互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに対向する第4面および第5面と、互いに対向する第6面および第7面と、前記第4面、前記第5面、前記第6面、および前記第7面に接続された第8面を有し、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面および前記第2面は、前記第3面のみによって接続され、
    前記第1面は、磁場が遮蔽される空間の第1方向の一方側に配置され、
    前記第2面は、前記空間の前記第1方向の他方側に配置され、
    前記第4面は、前記空間の前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置され、
    前記第5面は、前記空間の前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第6面は、前記空間の前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置され、
    前記第7面は、前記空間の前記第3方向の他方側に配置され、
    前記第3面は、前記空間に配置され、
    前記原子セルは、前記第3面に配置されている、原子発振器。
  9. 互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに反対を向く第4面および第5面を有し、前記第4面に設けられた第1開口と前記第5面に設けられた第2開口とを接続する貫通孔が設けられ、磁場を遮蔽する第2シールド部品と、
    を含み、
    前記第1面および前記第4面は、互いに対向し、
    前記第2面および前記第5面は、互いに対向する、シールド。
  10. アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
    前記原子セルを収容するシールドと、
    を含み、
    前記シールドは、
    互いに対向する第1面および第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を有し、磁場を遮蔽する第1シールド部品と、
    互いに反対を向く第4面および第5面を有し、前記第4面に設けられた第1開口と前記第5面に設けられた第2開口とを接続する貫通孔が設けられ、磁場を遮蔽する第2シー
    ルド部品と、
    を含み、
    前記第1面および前記第4面は、互いに対向し、
    前記第2面および前記第5面は、互いに対向し、
    前記原子セルは、前記貫通孔に配置されている、原子発振器。
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