JP6627334B2 - 原子発振器および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、原子発振器に関する。
ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別される。
いずれの方式の原子発振器においても、アルカリ金属をガスセル内に緩衝ガスとともに封入されており、このガスセルに入射した光が、アルカリ金属にどれだけ吸収されたかを反対側に設けられた検出器で検出することによって原子共鳴を検知し、検知された原子共鳴を制御系によって基準信号として出力する。このような原子発振器として、基板上にガスセルを設け、ガスセルを挟んだ両側に光(励起光)の光源と、検出部とが配置されている構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、CPTを利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器に比し小型であることから、様々な電子機器へ原子発振器を組み込むことが期待されており、さらなる小型化、低背化が望まれている。
特開2009−231688号公報
しかしながら、小型化、低背化を図ることにより、温度干渉による光軸のずれや、ガスセル内の金属原子が外部の磁気の影響を受け易いため発振特性が不安定になってしまうなどの不具合を生じる虞が大きくなってしまう。
本発明の目的は、小型化、低背化を図るとともに、外部磁場の変動などによる磁気の影響や温度干渉による光軸のずれによる発振特性の不安定化を抑制し、安定した発振特性を持続可能な原子発振器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の原子発振器は、少なくとも、金属原子が封入されているガスセルと、前記ガスセルの周囲に配置されるコイルと、前記ガスセルと前記コイルとを収容する第1磁気遮蔽体と、前記ガスセルを加熱する加熱素子と、を備える原子発振器であって、前記加熱素子を収容する第2磁気遮蔽体を備えることを特徴とする。
電子部品である加熱素子が発生する磁気は微弱ではあるが、磁気の影響を受けやすいガスセルの近傍に加熱素子が配置されるため、その磁気の影響は無視できない。そこで、本適用例の原子発振器によれば、加熱素子が発生する磁気(磁場の変化)を第2磁気遮蔽体によって遮蔽することができる。すなわち、加熱素子が磁気遮蔽効果を有する材料で形成される第2磁気遮蔽体によって包みこまれることにより、加熱素子からの磁気の漏れを防ぎ、ガスセル内の金属原子への影響を抑制し、原子発振器としての発振特性の安定化を図ることが可能となる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記第1磁気遮蔽体と前記第2磁気遮蔽体とによって挟持される中間部材を備え、前記中間部材は、前記第1磁気遮蔽体および前記第2磁気遮蔽体が有する透磁率より低い透磁率を有していることを特徴とする。
上述の適用例によれば、第2磁気遮蔽体に収容された加熱素子が発生する磁界を、近接する第1磁気遮蔽体へ流れ込む(漏れる)ことが防止され、ガスセル内の金属原子への影響を抑制し、原子発振器としての発振特性の安定化を図ることが可能となる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記中間部材は、前記第1磁気遮蔽体の熱伝導率より高い熱伝導率を有していることを特徴とする。
加熱素子が発生する熱は、第2磁気遮蔽体と、第1磁気遮蔽体と、を介してガスセルへ伝達される。この時、第1磁気遮蔽体と第2磁気遮蔽体とによって挟持される中間部材における熱伝達ロスを抑制しなければならない。そこで、上述の適用例によれば、第1磁気遮蔽体より高い熱伝導率を有する中間部材とすることで、第2磁気遮蔽体から伝達される熱の伝達ロスを低減することができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第2磁気遮蔽体は、前記加熱素子を前記第1磁気遮蔽体側に向けて押圧する押圧部を備えていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、加熱素子を第2磁気遮蔽体における第1磁気遮蔽体に向いた側(領域)に押圧することで、加熱素子と第2磁気遮蔽体の第1磁気遮蔽体に向いた側(領域)に密着させ、加熱素子が発生する熱を確実に第2磁気遮蔽体の第1磁気遮蔽体に向いた側(領域)に伝達させ、更に中間部材、および第1磁気遮蔽体を介してガスセルに所定の熱を供給し、安定した原子発振器の発振性能を得ることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記押圧部と、前記加熱素子と、によって挟持される緩衝部材を備えていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、緩衝部材が押圧部を加熱素子に直接接触することを防止し、加熱素子の損傷を防止することができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記緩衝部材が、前記加熱素子への給電配線が形成された基板であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、原子発振器の小型化、部品点数の低減によるコスト低減が図られる。
第1実施形態に係る原子発振器の概略を示す正断面図。 第1実施形態に係る原子発振器の概略を示し、図1に示すA−A´部の断面図。 図2に示すB部に部分拡大図。 図1および図2に示す原子発振器の概略構成図。 第1実施形態に係る原子発振器のガスセル内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図。 第1実施形態に係る原子発振器の光射出部(光源)および光検出部について、光射出部(光源)からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフ。 原子発振器のその他の形態を示す断面図。 図7に示すC部の部分拡大図。 第2実施形態に係る電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムの概略構成を示す図。 第3実施形態に係る電子機器の一例としてのクロック伝送システムを示す概略構成図。 第4実施形態に係る移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、第1実施形態に係る原子発振器の概略を示し、図1は正断面図、図2は図1に示すA−A´部の断面図である。
図1および図2に示す原子発振器100は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。原子発振器100は、ガスセルユニット10と、光射出部20と、ガスセルユニット10を収納する第1磁気遮蔽体としてのガスセル側磁気遮蔽体40(以下、セル側遮蔽体40という)と、を備えている。
ガスセルユニット10は、ガスセル11と、ガスセル11を保持し、後述するヒーターに発生させる熱をガスセル11に伝導させるガスセル保持部材12と、ガスセル保持部材12のX軸方向に沿った外周面に巻き付けられるコイル13と、を備えている。
ガスセル11は、柱状の貫通孔を有する本体部11aと、その貫通孔の両側の開口を1対の窓部11b,11cによって封鎖することにより、内部空間Sが形成される。ガスセル内部空間Sには、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。
光射出部20は、柱状の貫通孔を有する本体部21aと、その貫通孔の両側の開口を封鎖する1対の蓋部21b、21cと、により構成される光源収容体21と、光源収容体21に収容、固定された光源22とを有する。光源22は、ガスセル11中のアルカリ金属原子を励起する励起光を射出する機能を有する。光源22は、光源収容体21の内部に励起光の射出方向(図示矢印の光軸方向R)に沿ってガスセル11と対向するように配置され、本体部21aの励起光の射出方向と交差する領域に貫通孔21dが設けられており、この貫通孔21dを通って光源22からガスセル11に向かって励起光が射出される。
射出された励起光は、ガスセル保持部材12と、光軸方向Rと、が交差する部分に形成された貫通孔12a,12bのうち、光射出部20側の貫通孔12aに配置された光学部品14,15を透過する。本実施形態では、光源22側からガスセル11側へ、光学部品14,15の順に配置されている。光学部品14は、λ/4波長板である。これにより、光源22からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。光学部品15は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル11に入射する励起光の強度を調整(減少)させることができる。そのため、光源22の出力が大きい場合でも、ガスセル11に入射する励起光を所望の光量とすることができる。
ガスセル保持部材12の光軸方向Rと並行する外周部12cには、外周部12cに沿ってコイル13が巻き付けられている。コイル13は、通電により、磁場を発生させる機能を有する。これにより、ガスセル11中のアルカリ金属に磁場を印加することにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器100の発振周波数の精度を高めることができる。なお、コイル13が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。また、このコイル13は、ガスセル11を囲むように設けられたソレノイドコイルであってもよいし、ガスセル11を挟むように設けられたヘルムホルツコイルであってもよい。
ガスセル11を挟んで光射出部20と光軸方向Rに沿って対向する位置に光検出部30を備えている。光検出部30は、ガスセル11内を透過した後述する励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)の強度を検出する機能を有する。本実施形態では、光検出部30は、接着剤31を介してガスセル保持部材12に接合されている。ここで、接着剤31としては、公知の接着剤を用いることができる。また、この光検出部30としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
上述したガスセルユニット10と、光検出部30と、はセル側遮蔽体40の内部に収容されている。セル側遮蔽体40は、基板50に載置される基部42と、箱状の蓋体41と、を備え、基部42に載置される光検出部30を備えたガスセルユニット10を覆うように蓋体41を被せて基部42に合わせることでセル側遮蔽体40を構成する。セル側遮蔽体40は、セル側遮蔽体40の内部に対する外部からの磁気を遮蔽する機能を有し、セル側遮蔽体40に収容されるガスセルユニット10への外部からの磁気を遮蔽する。
蓋体41のガスセル保持部材12に形成された貫通孔12aに対向する位置、即ち励起光の通過位置には、貫通孔41aが設けられている。なお、貫通孔41aには、励起光を透過し得る材料であれば、特に限定されないが、例えば透明ガラス、透明石英ガラス、透明水晶などが気密接合されていてもよい。このように、貫通孔41aが気密接合されていることで、セル側遮蔽体40内を気密空間とすることが可能となる。なお、図1および図2では、図示を省略しているが、セル側遮蔽体40には、前述した部品以外の部品が収納されていてもよい。また、図示しないが、基板50には、セル側遮蔽体40の外部からガスセルユニット10への通電のための複数の配線などが設けられている。
蓋体41および基部42の構成材料としては、磁気遮蔽効果を有していればよく、例えば、鉄(Fe)、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、アモルファス、センダスト)、銅(Cu)、銅合金などの軟磁性材料が好ましい。このような材料を蓋体41および基部42に用いることにより、外部からの磁気(磁場の変化)をセル側遮蔽体40によって遮蔽することができる。これにより、外部からの磁気(磁場の変化)によるガスセル11内の金属原子への影響を抑制し、原子発振器100としての発振特性の安定化を図ることが可能となる。
基部42には、蓋体41が接合され、蓋体41の開口が基部42により封鎖される。基部42と蓋体41との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。なお、基部42と蓋体41との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
また、基部42と蓋体41とは気密的に接合されているのが好ましい。すなわち、セル側遮蔽体40内が気密空間であることが好ましい。これにより、セル側遮蔽体40内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器100の特性を向上させることができる。特に、セル側遮蔽体40内は、減圧状態であることが好ましい。これにより、セル側遮蔽体40内の空間を介した熱の伝達を抑制することができる。そのため、ガスセル保持部材12とセル側遮蔽体40の外部との間や、セル側遮蔽体40内の空間を介した、後述するヒーターとガスセル11との間の熱干渉を抑制することができる。そのため、ヒーターの熱がガスセル保持部材12を介して効率的に2つの窓部11b,11cへ伝達し、2つの窓部11b,11c間の温度差を抑制することができる。また、ガスセルユニット10とセル側遮蔽体40の外部との間の熱の伝達をより効果的に抑制することができる。
図2に示すように、本実施形態に係る原子発振器100は、ガスセルユニット10を加熱する加熱素子としてのヒーター70を備えている。ヒーター70は、通電により発熱する発熱抵抗体(発熱部)である。ヒーター70が発生した熱は、ガスセル11に伝達され、ガスセル11(より具体的にはガスセル11中のアルカリ金属)が加熱され、ガスセル11中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。なお、ヒーター70に代えて、あるいは、ヒーター70と併用して、ペルチェ素子を用いてもよい。この場合、ペルチェ素子の発熱側の部分が発熱部を構成する。
ヒーター70は、第2磁気遮蔽体としてのヒーター収容体60に収容されている。図3は図2に示すB部の部分拡大図である。図3に示すように、ヒーター収容体60は、ヒーター70が収納される箱状のヒーター収納部61aと、ヒーター収納部61aから延在する鍔部61bと、を備えるヒーター収納体61と、少なくともヒーター収納部61aを覆うヒーター収納蓋体62と、を備えている。そして、ヒーター収納体61の鍔部61bと、ヒーター収納蓋体62と、を合わせることで、ヒーター収納部61aの空間がヒーター収容空間Shとして構成される。
ヒーター収納体61およびヒーター収納蓋体62の構成材料としては、磁気遮蔽効果を有していればよく、例えば、鉄(Fe)、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、アモルファス、センダスト)、銅(Cu)、銅合金などの軟磁性材料が好ましい。このような材料をヒーター収納体61およびヒーター収納蓋体62に用いることにより、ヒーター70が発生する磁気(磁場の変化)をヒーター収容体60によって遮蔽することができる。ヒーター70が発生する磁気は微弱ではあるが、磁気の影響を受けやすいガスセル11の近傍にヒーター70が配置されるため、その磁気の影響は無視できない。そこで、ヒーター70が磁気遮蔽効果を有する材料で形成されるヒーター収容体60によって包みこまれることにより、ヒーター70からの磁気の漏れを防ぎ、ガスセル11内の金属原子への影響を抑制し、原子発振器100としての発振特性の安定化を図ることが可能となる。
ヒーター収納蓋体62には、ヒーター収容体60に構成された状態で、ヒーター70に対応し、ヒーター70に向けて突出させた押圧部としての突起部62aが形成されている。そして、突起部62aの先端部62bと、ヒーター70と、の間にヒーター70に電力を供給する配線が形成されたフレキシブル基板71(以下、フレキ基板71という)が挟持される。更に、突起部62aは先端部62bによって、フレキ基板71を介してヒーター70がヒーター収納部61aの内部底面61cへ押圧、固定される。
ヒーター70をヒーター収納部61aの内部底面61cに向けて押圧することで、ヒーター70と内部底面61cを密着させ、ヒーター70が発生する熱を確実にヒーター収納部61aに伝達させ、後述する中間部材、そして外殻磁気遮蔽体90(以下、外殻遮蔽体90という)を介してガスセル11に所定の熱を供給し、安定した原子発振器100の発振性能を得ることができる。
ヒーター収容体60は、図1あるいは図2に示す、セル側遮蔽体40の外側に備える第3磁気遮蔽体としての外殻遮蔽体90を構成する外殻蓋体91の外側に、ヒーター収納体61の鍔部61bとヒーター収納蓋体62と、をネジ60aによって固着される。この時、外殻蓋体91には、ヒーター収納体61のヒーター収納部61aが挿通可能な挿通孔91bが形成されており、ヒーター70が収容されたヒーター収容体60が外殻蓋体91に固定されることによって、挿通孔91bよりヒーター収納部61aの内部底面61cに対向する外部接続面61dが、外殻蓋体91の内側に突出するように配置される。
そして、外部接続面61dと、セル側遮蔽体40の蓋体41と、の間で中間部材80が挟持される。中間部材80は熱伝導率が高く、且つ透磁率の低い材料、例えばアルミニウム、が好適に用いられる。上述したように、ヒーター収容体60は透磁率の高い材料を用いて形成されている。この中間部材80は、ヒーター収容体60と、セル側遮蔽体40と、が直接接触することによって生じるヒーター70から生じる磁気のガスセル11側への流れ込み(漏れ)を遮断するとともに、ヒーター70が発生する熱を、セル側遮蔽体40を介してガスセル11に伝達させるものである。
従って、中間部材80の透磁率は、セル側遮蔽体40および外殻遮蔽体90の透磁率より低くすることが好ましい。また、中間部材80の熱伝導率が、少なくともセル側遮蔽体40、すなわち蓋体41より高い熱伝導率とすることにより、中間部材80による熱伝達のロスを低減させることができる。なお、中間部材80は、ヒーター収納部61aの外部接続面61dと熱伝導率の高い接着剤、あるいは金属ろうによるろう付け、あるいは、スポット溶接などの溶接手段によって接合してもよい。
上述したように、ヒーター70が発生する熱がヒーター収納部61aを介して中間部材80に確実に伝達できるようにするために、ヒーター収納蓋体62の突起部62aの先端部62bによってヒーター収納部61aの内部底面61cに向けてヒーター70が付勢されている。しかし、突起部62aが直接、ヒーター70に接触することでヒーター70に損傷が生じる虞があった。
そこで、ヒーター70に電力を外部から供給する給電配線を備える樹脂製のフレキ基板71の一部を、ヒーター70と、突起部62aの先端部62bと、の間に介在、挟持させることによってヒーター70の損傷を防止することができる。すなわち突起部62aと、ヒーター70と、の間の緩衝部材としてフレキ基板71を用いることができる。また、フレキ基板71が樹脂製、すなわち弾性を備えることから、突起部62aの先端部62bによるヒーター70への押圧力を維持させることができる。
なお、緩衝部材としてフレキ基板71を用いることとしたが、これに限定されない。例えば、樹脂シートを突起部62aとヒーター70との間に挟持させてもよく、あるいは、突起部62aに樹脂コートを施してもよい。しかし、小型化、部品数の低減によるコスト低減から、フレキ基板71を緩衝部材として用いることが好ましい。
上述の外殻遮蔽体90は、図1および図2に示すように、セル側遮蔽体40を収納し、セル側遮蔽体40とともにガスセルユニット10と、光検出部30と、に対する外部からの磁気を遮蔽する機能を有している。外殻遮蔽体90は、底部92と、外殻蓋体91とを備え、外殻蓋体91の開口が基板50により封鎖されている。これにより、セル側遮蔽体40を収納する空間が形成されている。
外殻蓋体91において、セル側遮蔽体40に設けられた貫通孔41aに対向する位置、即ち励起光の通過位置には、貫通孔91aが設けられている。なお、貫通孔91aは、貫通穴でもよいし、励起光を透過し得る材料、例えば透明ガラス、透明石英ガラス、透明水晶などが接合されていてもよい。外殻蓋体91は、基板50に接合され、外殻蓋体91の開口が封鎖される。基板50と外殻蓋体91との接合方法としては、例えば、樹脂系接着剤、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。なお、基板50と外殻蓋体91との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
底部92は、外殻蓋体91の接続されている面と反対側の基板50の裏面に接続されている。つまり、底部92は、基板50を挟んでセル側遮蔽体40の基部42と対向し、さらに後述する光射出部20に対向する位置まで延在して配置されている。底部92は、図2に示すように、矩形状をなしている。底部92は、磁気遮蔽板としての機能に加え、基板50の補強板としての機能も有している。また、基板50を挟んでセル側遮蔽体40の基部42と対向して底部92が接続されている構成の外殻遮蔽体90であることから以下の利点を有する。本構成では、セル側遮蔽体40を間に挟んで基板50に配置されているガスセル11と光源22との光軸合わせを行い、光軸が合った後に、基板50を挟んで底部92を接続することができる。このように、ガスセル11、および光源22が基板50の一面上に並んで配置されている、所謂横置き配置であっても、セル側遮蔽体40と外殻遮蔽体90との、二重の磁気遮蔽体を有しながら、ガスセル11と光源22との光軸合わせを容易に行うことが可能となる。
外殻蓋体91および底部92の構成材料としては、磁気遮蔽効果を有していればよく、例えば、鉄(Fe)、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、アモルファス、センダスト)、銅(Cu)、銅合金などの軟磁性材料が好ましい。このような材料を、外殻蓋体91および底部92に用いることにより、外部からの磁気(磁場の変化)を外殻遮蔽体90によって遮蔽することができる。加えて、外殻遮蔽体90と空気層や基板50の透磁率の低い層を挟んでセル側遮蔽体40が設けられている二重の磁気遮蔽体となることから、外部からの磁気(磁場の変化)によるガスセル11内の金属原子への影響を、より大きく抑制することが可能となる。
基板50は、基板50の一面に、前述したように、ガスセルユニット10(ガスセル11)を収納したセル側遮蔽体40と、セル側遮蔽体40を覆う外殻遮蔽体90の外殻蓋体91と、励起光を射出する光源22を有する光射出部20とが接続されている。換言すれば、ガスセル11と、ガスセル11と並んで配置された光源22を有する光射出部20との間に、セル側遮蔽体40と、外殻遮蔽体90の外殻蓋体91と、の二つの磁気遮蔽体が設けられている。即ち、ガスセル11と、セル側遮蔽体40と、外殻遮蔽体90の外殻蓋体91と、光射出部20とが励起光の光軸方向Rに沿って並んで配置されている。また、基板50の一面の裏面には、外殻遮蔽体90を構成する底部92が接続されている。
このように、基板50の一面に並んで配置されたガスセル11と光源22との間に、セル側遮蔽体40および外殻遮蔽体90の二重の磁気遮蔽体が設けられていることで、磁気によるガスセル11内の金属原子への影響を抑制し、発振特性の安定化を図ることが可能となる。なお、基板50の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、セラミックス材料等を用いることができる。また、図示しないが、基板50には、外部からガスセルユニット10(ガスセル11)、あるいは光射出部20への通電のための複数の配線および複数の端子が設けられている。
図4は、図1,2に示す原子発振器100の動作を示す概略構成図である。また、図5は、図1,2に示す原子発振器100のガスセル11内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図6は、図1,2に示す原子発振器100の光射出部20(光源22)および光検出部30について、光射出部20(光源22)からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。
先ず、原子発振器100の原理を簡単に説明する。原子発振器100では、ガスセル11内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。アルカリ金属は、図5に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1,2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、および共鳴光2を照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、および共鳴光2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光1の周波数ω1と、共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、および基底状態2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、および共鳴光2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT(Coherent Population Trapping)現象、または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光源22は、ガスセル11に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を射出する。例えば、光源22が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部30の検出強度は、図6に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
本実施形態に係る原子発振器100は、図4に示すように、光射出部20に備える光源22から、ガスセル11に向かって励起光LLがガスセル11への入射光として射出される。励起光LLとして、前述したように、周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)が射出される。共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル11中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル11中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
この光源22としては、前述したような励起光を射出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
光射出部20から射出された励起光LLは、励起光LLの光軸方向R上のガスセル保持部材12に形成された貫通孔12aに設けられている光学部品14,15を透過する。光学部品14は、上述したようにλ/4波長板であり、光源22から射出された直線偏光の励起光LLを、円偏光(右偏光あるいは左偏光)に変換することができる。次に、光学部品15は、減光フィルター(NDフィルター)であり、ガスセル11に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができ、光源22の出力が大きい場合でも、ガスセル11に入射する励起光LLを所望の光量とすることができる。
光学部品14によって励起光LLが円偏光に変換されることによって、コイル13の磁場によりガスセル11内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光LLがアルカリ金属原子に照射されると、励起光LLとアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器100の発振特性を向上させることができる。
なお、光源22とガスセル11との間には、波長板および減光フィルターの他に、レンズ、偏光板等の他の光学部品が配置されていてもよい。また、光源22からの励起光の強度によっては、光学部品15を省略することができる。
ガスセル11内を透過した励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)は、光検出部30により強度が検出される。励起光LLの光検出部30による検出結果は、制御部110(図1,2には図示されない)に備える励起光制御部111に入力され、光源22から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を光検出部30の検出結果に基づいて制御する。より具体的には、励起光制御部111は、前述した光検出部30によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光源22から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を制御する。また、励起光制御部111は、光源22から射出される共鳴光1、共鳴光2の中心周波数を制御する。これにより、前述したようなEIT信号を検出することができる。そして、制御部110は、図示しない水晶発振器の信号をEIT信号に同期して出力させる。
制御部110には、温度制御部112、および磁場制御部113を備えている。温度制御部112には、図1,2には図示されないガスセル11の温度を検出する温度センサー72からの計測検出結果に基づいて、ヒーター70への通電を制御する。これにより、ガスセル11を所望の温度範囲内に維持することができる。また、磁場制御部113は、コイル13が発生する磁場が一定となるように、コイル13への通電を制御する。
このような制御部110は、例えば、原子発振器100が実装される実装基板上に実装された電子回路装置(例えば、半導体装置)に設けられている。なお、制御部110が外殻遮蔽体90、あるいはセル側遮蔽体40の内部に設けられていてもよい。
(その他の形態)
図7は、第1実施形態に係る原子発振器100のその他の形態として原子発振器200を示す図1におけるA−A´部の断面図である。また、図8は、図7におけるC部の部分拡大図である。なお、図1,2,3に示す原子発振器100と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
図7に示す原子発振器200は、図2に示す原子発振器100に備えるヒーター収容体60の構成が異なるものである。
図8に示すように、ヒーター収容体260は、上述した図3によって説明した原子発振器100に備えるヒーター収容体60に対して、ヒーター収納蓋体62の形態が異なる。本実施形態に係る原子発振器200では、ヒーター収容体260は、ヒーター収納体61と、ヒーター収納蓋体262と、が組み合わされ構成される。
ヒーター収納蓋体262には、押圧部としてのネジ261がネジ嵌合されている。ねじ261を、回転、いわゆるねじ込むことにより、ネジ261の先端261aによってフレキ基板71を介してヒーター70をガスセル11側に付勢可能とするものである。
このようにネジ261をヒーター収納蓋体262の押圧部として備えることにより、ヒーター70の付勢圧力を適正に調整することが可能となり、いわゆる各々の部品のばらつきによるヒーター70への付勢圧力の増減を適正化することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器100を備える電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムを説明する。図9は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図9に示す測位システム1000は、GPS衛星1100と、基地局装置1200と、GPS受信装置1300とで構成されている。GPS衛星1100は、測位情報(GPS信号)を送信する。基地局装置1200は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ1201を介してGPS衛星1100からの測位情報を高精度に受信する受信装置1202と、この受信装置1202で受信した測位情報をアンテナ1203を介して送信する送信装置1204とを備える。
ここで、受信装置1202は、その基準周波数発振源として前述した本発明に係る第1実施形態の原子発振器100を備える電子装置である。このような受信装置1202は、優れた信頼性を有する。また、受信装置1202で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置1204により送信される。GPS受信装置1300は、GPS衛星1100からの測位情報を、アンテナ1301を介して受信する衛星受信部1302と、基地局装置1200からの測位情報を、アンテナ1303を介して受信する基地局受信部1304とを備える。
(第3実施形態)
第3実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器100を備える電子機器の一例としてクロック伝送システムを説明する。図10は、クロック伝送システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図10に示すクロック伝送システム2000は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
このクロック伝送システム2000は、A局(上位(N系))のクロック供給装置(CSM:Clock Supply Module)2001およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置2002と、B局(上位(E系))のクロック供給装置2003およびSDH装置2004と、C局(下位)のクロック供給装置2005およびSDH装置2006,2007とを備える。クロック供給装置2001は、原子発振器100を有し、N系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置2001内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック2008,2009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置2002は、クロック供給装置2001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置2005に伝送する。クロック供給装置2003は、原子発振器100を有し、E系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置2003内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック2008,2009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置2004は、クロック供給装置2003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置2005に伝送する。クロック供給装置2005は、クロック供給装置2001,2003からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置2005は、通常、クロック供給装置2001からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置2005は、クロック供給装置2003からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置2006は、クロック供給装置2005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置2007は、クロック供給装置2005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器100を備える移動体の一例として自動車を例に説明する。図11は、移動体としての自動車に本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す斜視図である。
図11に示す移動体としての自動車3000は、車体3001と、4つの車輪3002とを有しており、車体3001に設けられた図示しない動力源によって車輪3002を回転させるように構成されている。このような自動車3000には、原子発振器100が内蔵されている。そして、原子発振器100からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の原子発振器を組み込む電子機器または移動体は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、デジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
以上、本発明の原子発振器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、前述した実施形態の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
10…ガスセルユニット、20…光射出部、30…光検出部、40…ガスセル側磁気遮蔽体、50…基板、60…ヒーター収容体、70…ヒーター、80…中間部材、90…外殻磁気遮蔽体、100…原子発振器。

Claims (7)

  1. 金属原子が封入されているガスセルと、
    前記ガスセルの周囲に配置されるコイルと、
    前記ガスセルと前記コイルとを収容する第1磁気遮蔽体と、
    前記ガスセルを加熱する加熱素子と、
    前記加熱素子を収容する第2磁気遮蔽体と
    前記第1磁気遮蔽体と前記第2磁気遮蔽体とによって挟持される中間部材と、を備え、
    前記中間部材の透磁率は、前記第1磁気遮蔽体の透磁率および前記第2磁気遮蔽体の透磁率より低い、
    原子発振器。
  2. 前記中間部材の熱伝導率は、前記第1磁気遮蔽体の熱伝導率より高い、
    請求項に記載の原子発振器。
  3. 前記第2磁気遮蔽体は、前記加熱素子を前記第1磁気遮蔽体側に向けて押圧する押圧部を備える、
    請求項1または2に記載の原子発振器。
  4. 前記押圧部と、前記加熱素子と、によって挟持される緩衝部材を備える、
    請求項に記載の原子発振器。
  5. 前記緩衝部材は、前記加熱素子への給電配線が形成された基板である、
    請求項に記載の原子発振器。
  6. 前記第1磁気遮蔽体を収容し、前記第2磁気遮蔽体が配置される外殻磁気遮蔽体を備える、
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の原子発振器。
  7. 原子発振器を備える電子機器であって、
    前記原子発振器は、
    金属原子が封入されているガスセルと、
    前記ガスセルの周囲に配置されるコイルと、
    前記ガスセルと前記コイルとを収容する第1磁気遮蔽体と、
    前記ガスセルを加熱する加熱素子と、
    前記加熱素子を収容する第2磁気遮蔽体と
    前記第1磁気遮蔽体と前記第2磁気遮蔽体とによって挟持される中間部材と、を備え、
    前記中間部材の透磁率は、前記第1磁気遮蔽体の透磁率および前記第2磁気遮蔽体の透磁率より低い、
    電子機器。
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