JP2021022891A - 原子発振器および周波数信号生成システム - Google Patents

原子発振器および周波数信号生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ金属原子の第1部分への付着を起こり難くすることができる原子発振器を提供する。【解決手段】発光素子と、前記発光素子から出射された光を透過させる第1部分と、前記第1部分と異なる第2部分と、を有し、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを加熱するヒーターと、前記発光素子、前記原子セル、および前記ヒーターを収容している容器と、前記第2部分と前記容器とを接続した第1状態と、前記第2部分と前記容器とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、前記第2部分と前記容器との間の熱抵抗を変化させるスイッチと、を含む、原子発振器。【選択図】図2

Description

本発明は、原子発振器および周波数信号生成システムに関する。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、セシウム等のアルカリ金属原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。原子発振器は、発光素子と、アルカリ金属原子が封入された原子セルと、を含む。発光素子から出射された光は、原子セルの窓部を通過して、原子セル内のアルカリ金属原子を照射する。
原子発振器では、原子セル内に温度差が生じるようにヒーターによって原子セルを加熱する。これにより、原子セル内には、気体のアルカリ金属原子と液体のアルカリ金属原子とが存在する。そのため、気体のアルカリ金属原子が原子セルの壁部との反応等により減少した場合、液体のアルカリ金属原子が気化して、気体のアルカリ金属原子の濃度を一定に保つことができる。
しかし、例えばヒーターの電源が切断されると、原子セル内の温度差は、解消してしまう。特に、原子セルの窓部は、環境の影響を受け易く、温度が速く低下する。そのため、原子セルの窓部にアルカリ金属原子が付着することがある。窓部にアルカリ金属原子が付着すると、再びヒーターの電源が投入されたときに、窓部における付着を解消するのに時間がかかる。
例えば特許文献1には、セルのうち直線偏光が透過する第1領域の温度、およびセルのうち直線偏光が透過しない領域であって、予め定められた第2領域のうち、少なくとも一方の温度に関する値が予め定められた条件を満たす場合に、第1領域よりも第2領域の温度が低く、かつ、第1領域と第2領域との温度差が予め定められた閾値を上回るように、温度差を制御することが記載されている。特許文献1では、このような2つの領域の温度制御で温度差を確保することにより、アルカリ金属原子の窓部への付着を起こり難くしている。
特開2012−154876号公報
以上のように、原子発振器においては、アルカリ金属原子の窓部への付着を減らしたいという要求がある。そこで、原子発振器において、アルカリ金属原子の窓部への付着が起こり難い新たな手法を提案する。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
本適用例に係る原子発振器は、発光素子と、前記発光素子から出射された光を透過させる第1部分と、前記第1部分と異なる第2部分と、を有し、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを加熱するヒーターと、前記発光素子、前記原子セル、および前記ヒーターを収容している容器と、前記第2部分と前記容器とを接続した第1状態と、前記第2部分と前記容器とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、前記第2部分と前記容器との間の熱抵抗を変化させるスイッチと、を含む。
本適用例に係る原子発振器において、前記スイッチは、バイメタルで構成され、前記スイッチは、前記バイメタルが温度に応じて変形することで、前記第1状態と前記第2状態とを切り替えてもよい。
本適用例に係る原子発振器において、前記スイッチは、所定の温度以下で前記第1状態となり、前記所定の温度より高い温度で前記第2状態となってもよい。
本適用例に係る原子発振器において、前記スイッチを制御する制御回路を含み、前記制御回路は、前記原子発振器を停止させる停止信号が入力された場合に、前記スイッチを前記第1状態にし、前記原子発振器を始動させる始動信号が入力された場合に、前記スイッチを前記第2状態にしてもよい。
本適用例に係る原子発振器において、前記原子セルの温度を検出する温度センサーと、前記温度センサーの検出結果に基づいて、前記スイッチを制御する制御回路と、を含んでもよい。
本適用例に係る原子発振器において、前記原子セルと前記ヒーターとを接続する第1金属部材と、前記原子セルの前記第2部分に接続された第2金属部材と、を含み、前記スイッチは、前記第1状態において、前記第2金属部材と前記容器とを接続してもよい。
本適用例に係る原子発振器において、前記第2金属部材と前記容器とを接続し、前記第2金属部材の熱を前記容器に伝えるペルチェ素子を含んでもよい。
本適用例に係る周波数信号生成システムは、原子発振器を含む、周波数信号生成システムであって、前記原子発振器は、発光素子と、前記発光素子から出射された光を透過させる第1部分と、前記第1部分と異なる第2部分と、を有し、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを加熱するヒーターと、前記発光素子、前記原子セル、および前記ヒーターを収容している容器と、前記第2部分と前記容器とを接続した第1状態と、前記第2部分と前記容器とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、前記第2部分と前記容器との間の熱抵抗を変化させるスイッチと、を含む。
第1実施形態に係る原子発振器を示す概略図。 第1実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第1実施形態の変形例に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る原子発振器を示す概略図。 第2実施形態に係る原子発振器を模式的に示す断面図。 第3実施形態に係る原子発振器を示す概略図。 第3実施形態に係る原子発振器を停止させる場合の動作を説明するためのフローチャート。 第3実施形態に係る原子発振器を始動させる場合の動作を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の変形例に係る原子発振器を示す概略図。 第3実施形態の変形例に係る原子発振器を停止させる場合の動作を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の変形例に係る原子発振器を始動させる場合の動作を説明するためのフローチャート。 第4実施形態に係る周波数信号生成システムの一例を説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 原子発振器
1.1.1. 概略
まず、第1実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る原子発振器100を示す概略図である。
原子発振器100は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象とも言う。また、本実施形態に係る原子発振器は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した原子発振器であってもよい。
原子発振器100は、図1に示すように、例えば、光源モジュール10と、減光フィルター22と、1/4波長板24と、原子セル31と、第1金属部材32と、第2金属部材33と、受光素子34と、ヒーター35と、温度センサー36と、コイル37と、制御回路40と、外容器50と、を含む。
光源モジュール10は、例えば、ペルチェ素子11と、発光素子12と、温度センサー13と、を有している。
発光素子12は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。発光素子12は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などである。温度センサー13は、発光素子12の温度を検出する。温度センサー13は、例えば、サーミスターである。ペルチェ素子11は、発光素子12の温度を制御する。
減光フィルター22は、発光素子12から出射された光LLの強度を減少させる。1/4波長板24は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を、直線偏光から円偏光に変換する。なお、図示はしないが、1/4波長板24は、減光フィルター22の前段に位置し、光LLは、1/4波長板24を透過した後に、減光フィルター22に入射してもよい。また、減光フィルター22と1/4波長板24との間に、光LLを平行光にするレンズが配置されていてもよい。
原子セル31は、発光素子12から出射された光LLに照射される。図示の例では、原子セル31には、発光素子12から出射された光LLが減光フィルター22および1/4波長板24を介して入射する。原子セル31は、発光素子12から出射された光LLを透過させる。原子セル31には、アルカリ金属原子が収容されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。
第1金属部材32および第2金属部材33は、原子セル31に接続されている。第1金属部材32は、ヒーター35の熱を原子セル31に伝える。第2金属部材33は、原子セル31の熱を外容器50に伝える。
受光素子34は、原子セル31を透過した光LLの強度を検出し、光の強度に応じた検出信号を出力する。受光素子34は、例えば、フォトダイオードである。
ヒーター35は、原子セル31を加熱する。ヒーター35が原子セル31を加熱することにより、アルカリ金属原子は加熱され、アルカリ金属原子の少なくとも一部は、ガス状態になる。
温度センサー36は、原子セル31の温度を検出する。温度センサー36は、例えば、サーミスターである。
コイル37は、原子セル31内のアルカリ金属原子の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる。コイル37でアルカリ金属に磁場を印加することによって、ゼーマン分裂により、アルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。この結果、原子発振器100の発振周波数の精度を高めることができる。
制御回路40は、例えば、温度制御回路41と、温度制御回路42と、磁場制御回路43と、光源制御回路44と、を有している。
温度制御回路41は、温度センサー13の検出結果に基づいて、発光素子12の温度が所望の温度となるように、ペルチェ素子11への通電を制御する。温度制御回路42は、温度センサー36の検出結果に基づいて、原子セル31の内部が所望の温度となるように、ヒーター35への通電を制御する。磁場制御回路43は、コイル37が発生する磁場が一定となるように、コイル37への通電を制御する。
光源制御回路44は、受光素子34の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、発光素子12から出射された光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル31に収容されたアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。光源制御回路44は、2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)を備えており、この電圧制御型発振器の出力信号を原子発振器100のクロック信号として出力する。
制御回路40は、例えば、外容器50に収容された図示しない基板に実装されたIC(Integrated Circuit)チップに設けられている。制御回路40は、単一のICであってもよいし、複数のデジタル回路またはアナログ回路の組み合わせであってもよい。
外容器50は、光源モジュール10、減光フィルター22、1/4波長板24、原子セル31、第1金属部材32、第2金属部材33、受光素子34、ヒーター35、温度センサー36、コイル37、および制御回路40を収容している。
1.1.2. 具体的な構成
次に、原子発振器100の具体的な構成について説明する。図2は、原子発振器100を模式的に示す断面図である。なお、図2では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
原子発振器100は、例えば、図2に示すように、光源モジュール10と、減光フィルター22と、1/4波長板24と、原子セル31と、第1金属部材32と、第2金属部材33と、受光素子34と、ヒーター35と、温度センサー36と、支持部材38と、外容器50と、を含む。
図2に示す例では、Y軸は、外容器50の基体52の内面52aの垂線Pに沿う軸であり、+Y方向は、内面52aから内面52a上に配置されている部品へ向かう方向である。X軸は、発光素子12から出射された光LLに沿う軸であり、+X方向は、発光素子12から出射された光LLの進む方向である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸であり、+Z方向は、+Y方向を上、+X方向を右に向けた時に、手前から奥へ向かう方向である。
光源モジュール10は、外容器50の基体52に配置されている。光源モジュール10は、例えば、発光素子12と、サブマウント14と、光源容器15と、を有している。なお、便宜上、図2では、ペルチェ素子11および温度センサー13の図示を省略している。
サブマウント14には、発光素子12が配置されている。サブマウント14は、発光素子12の熱を光源モジュール10の外部に放出させることができる。
光源容器15は、発光素子12およびサブマウント14を収容している。光源容器15は、外容器50の基体52に配置されている。光源容器15には、発光素子12から出射された光LLが通過する開口部15aが設けられている。なお、開口部15aは、光LLを透過させる部材で充填されていてもよい。
原子セル31は、セシウム、ルビジウム、ナトリウムなどのアルカリ金属原子を収容している。原子セル31内は、例えば、アルカリ金属原子の飽和蒸気圧となっており、気体のアルカリ金属原子と液体のアルカリ金属原子とが存在している。これにより、気体のアルカリ金属原子が原子セル31の壁部との反応等により減少した場合、液体のアルカリ金属原子が気化して、気体のアルカリ金属原子の濃度を一定に保つことができる。
原子セル31は、例えば、第1壁部31aと、第2壁部31bと、第3壁部31cと、第4壁部31dと、を有している。
第1壁部31aは、発光素子12から出射された光LLを透過させる窓部としての第1部分2aを有している。第1部分2aは、X方向からみて、第1金属部材32に設けられた開口部32aと重なる部分である。第1壁部31aの材質は、例えば、ガラスである。
第2壁部31bは、発光素子12から出射された光LLを透過させる窓部としての第1部分2bを有している。第1部分2bは、X方向からみて、第1金属部材32に設けられた開口部32bと重なる部分である。第2壁部31bの材質は、例えば、ガラスである。光LLは、第1部分2aから原子セル31に入射して第1部分2bから出射される。
第3壁部31cおよび第4壁部31dは、第1壁部31aと第2壁部31bとを接続している。第3壁部31cおよび第4壁部31dは、互いに対向して配置されている。第3壁部31cおよび第4壁部31dの材質は、例えば、ガラスまたはシリコンである。なお、原子セル31の外形形状は、例えば、直方体であり、原子セル31は、図示はしないが、さらに、第1壁部31aと第2壁部31bとを接続し、互いに対向して配置された第5壁部および第6壁部を有している。
第1金属部材32は、原子セル31とヒーター35とを接続している。第1金属部材32は、ヒーター35の熱を原子セル31に伝える。図示の例では、第1金属部材32は、第1壁部31aの外表面の一部、第2壁部31bの外表面の一部、および第3壁部31cの外表面全体を覆っている。第1金属部材32の外表面の面積は、例えば、第2金属部材33の外表面の表面積よりも大きい。
第1金属部材32には、開口部32aが設けられている。発光素子12から出射された光LLは、開口部32aを通って、原子セル31の第1部分2aに入射する。図示の例では、開口部32aに、減光フィルター22および1/4波長板24が配置されている。第1金属部材32には、開口部32bが設けられている。原子セル31の第1部分2bから出射された光LLは、開口部32bを通って、受光素子34に入射する。
第2金属部材33は、原子セル31に接続されている。図示の例では、第2金属部材33は、第1壁部31aの外表面の一部、第2壁部31bの外表面の一部、および第4壁部31dの外表面全体を覆っている。第1壁部31aの第2金属部材33に接続された部分3a、第2壁部31bの第2金属部材33に接続された部分3b、および第4壁部31dは、原子セル31の第2部分4を構成している。第2部分4は、原子セル31の第1部分2a,2bと異なる部分である。第2金属部材33は、第2部分4に接続されている。第2金属部材33は、第1金属部材32と離間して配置されている。図示の例では、第2金属部材33は、原子セル31と外容器50の基体52との間に配置されている。
第2金属部材33は、支持部材38を介して、原子セル31の熱を外容器50に伝える。具体的には、第2金属部材33は第1金属部材32とは離間しているため、原子セル31を介して第2金属部材33に伝えられた熱は、第2金属部材33から放熱されることで外容器50に伝えられる。さらに、第2金属部材33は、スイッチ60を介して、原子セル31の熱を外容器50に伝えることができる。第2金属部材33と接続する第2部分4の温度は、原子セル31の第2部分4以外の部分の温度よりも低い。そのため、液体のアルカリ金属原子は、第2部分4に配置される。第1金属部材32および第2金属部材33の材質は、例えば、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などである。
受光素子34は、原子セル31の発光素子12とは反対側に配置されている。図示の例では、受光素子34は、接続部材6を介して、第1金属部材32に配置されている。受光素子34は、X方向からみて、開口部32bと重なっている。受光素子34は、制御回路40と電気的に接続されている。
ヒーター35は、第1金属部材32に接続されている。ヒーター35は、第1金属部材32を介して、原子セル31を加熱する。
温度センサー36は、第1金属部材32に接続されている。温度センサー36は、例えば、第1金属部材32の温度を検出することにより、間接的に原子セル31の温度を検出する。図示はしないが、温度センサー36は、原子セル31に接続され、直接的に原子セル31の温度を検出してもよい。
支持部材38は、外容器50の基体52に配置されている。支持部材38は、第2金属部材33を支持しており、第2金属部材33と外容器50とを接続している。図示の例では、支持部材38は、2つ配置されているが、その数は、特に限定されない。
なお、コイル37は、図2では図示していないが、例えば、原子セル31の外周に沿って巻回して設けられているソレノイド型のコイル、または、原子セル31を介して対向するヘルムホルツ型の1対のコイルである。コイル37は、原子セル31内にX軸に沿った方向の磁場を発生させる。これにより、原子セル31に収容されたアルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップをゼーマン分裂により拡げて、分解能を向上させ、EIT信号の線幅を小さくすることができる。
外容器50は、基体52と、蓋体54と、を有している。外容器50の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。このような材料を用いることにより、外容器50は、外部からの磁場を遮蔽することができる。
スイッチ60は、外容器50に収容されている。ここで、図3および図4は、スイッチ60を模式的に示す断面図である。
スイッチ60は、図3に示すように、原子セル31の第2部分4と外容器50とを接続した第1状態と、図4に示すように、第2部分4と外容器50とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、第2部分4と外容器50との間の熱抵抗を変化させる。図3に示す例では、スイッチ60は、第1状態において、第2金属部材33と外容器50の基体52とを接続している。このように、「スイッチ60は、第2部分4と外容器50とを接続する」とは、スイッチ60が第2部分4と外容器50とを直接接続する場合と、スイッチ60が他の部材を介して第2部分4と外容器50とを接続する場合と、を含む。
原子セル31の第2部分4と外容器50とを接続した第1状態では、原子セル31の熱は、第2金属部材33に伝わった後、支持部材38とスイッチ60とを介して外容器50に伝わる。一方、第2部分4と外容器50とを接続しない第2状態では、原子セル31の熱は、第2金属部材33に伝わった後、支持部材38を介して外容器50に伝わる。そのため、第1状態における第2部分4と外容器50との間の熱抵抗は、第2状態における第2部分4と外容器50との間の熱抵抗よりも小さい。
スイッチ60は、図4に示すように、第2状態において第2金属部材33に固定されている。図示はしないが、スイッチ60は、第2状態において外容器50に固定されていてもよい。
スイッチ60は、バイメタルで構成されている。図示の例では、スイッチ60は、第1金属板62と、第2金属板64と、で構成されている。第1金属板62は、外容器50の基体52側に配置されている。第2金属板64は、第2金属部材33側に配置されている。第1金属板62の熱膨張係数は、第2金属板64の熱膨張係数よりも大きい。第1金属板62の材質は、例えば、銅、ニッケル、銅と亜鉛との合金、ニッケルと銅との合金、ニッケルとマンガンと鉄との合金、ニッケルとクロムと鉄との合金、ニッケルとモリブテンと鉄との合金、マンガンとニッケルと銅との合金である。第2金属板64の材質は、例えば、ニッケルと鉄との合金である。
スイッチ60は、バイメタルが温度に応じて変形することで、図3に示す第1状態と図4に示す第2状態とを切り替える。具体的には、バイメタルは、第1金属板62と第2金属板64との熱膨張係数の差によって、温度に応じて変形することができる。
スイッチ60は、所定の温度以下で第1状態となり、所定の温度より高い温度で第2状態となる。例えば、原子セル31に収容されたアルカリ金属原子がセシウムの場合、スイッチ60は、40℃以上50℃以下の温度で第1状態となり、該温度よりも高い温度で第2状態となるように設定させる。
次に、原子発振器100の電源を切断する場合、すなわち原子発振器100を停止させる場合のスイッチ60の動作について説明する。
原子発振器100は、原子セル31の第2部分4と第2金属部材33とが接続していない第2状態で動作している。これにより、外気温度の影響を小さくすることができる。ここで、原子発振器100の電源を切断すると、ヒーター35の駆動が停止される。そのため、スイッチ60の温度は徐々に下がり、所定の温度以下になったとき、第2部分4と第2金属部材33とが接続して第1状態となる。これにより、第2部分4と外容器50との間の熱抵抗を低くすることができ、第2部分4の温度を、窓部である第1部分2a,2bの温度よりも低くすることができる。そのため、アルカリ金属原子は、第2部分4で優先的に凝集し、アルカリ金属原子の第1部分2a,2bへの付着を起こり難くすることができる。
例えば、ヒーター35の熱は、原子セル31に伝わる他に、ヒーター35の配線など他の経路にも伝わる。さらに、第1金属部材32の外表面の面積は、第2金属部材33の外表面の表面積よりも大きい。そのため、スイッチ60が設けられていない場合、ヒーター35が停止されると、第2金属部材33の温度よりも第1金属部材32の温度の方が速く低くなる場合がある。さらに、原子セル31の窓部である第1部分2a,2bは、環境の影響を受け易く、温度が速く低下する。これにより、アルカリ金属原子が第1部分2a,2bに付着する場合がある。アルカリ金属原子が第1部分2aに付着すると、アルカリ金属原子への照射量が変わり、シュタルクシフトにより、原子発振器の発振周波数が変わる。アルカリ金属原子が第1部分2bに付着すると、受光素子34で受光される光量が減る。
次に、原子発振器100の電源が切断された状態から電源を投入する場合、すなわち原子発振器100を始動させる場合のスイッチ60の動作について説明する。
上記のように、原子発振器100の電源を切断すると、スイッチ60は、原子セル31の第2部分4と外容器50とを接続する第1状態となる。この状態から原子発振器100の電源を投入すると、ヒーター35が駆動され、スイッチ60の温度は、ヒーター35の熱によって徐々に上がる。そして、スイッチ60の温度が所定の温度より高くなった場合に、スイッチ60は、原子セル31と外容器50とを接続しない第2状態となる。このように、スイッチ60は、ヒーター35が駆動されても、所定の温度までは第1状態をとる。これにより、原子発振器100の電源が切断された状態から電源を投入する場合においても、第2部分4と外容器50との間の熱抵抗を低くすることができ、第2部分4の温度を、窓部である第1部分2a,2bの温度よりも、より確実に低くすることができる。したがって、第2部分4に付着している液体のアルカリ金属原子が、第1部分2a,2b側に拡散する量を低減することができる。
1.1.3. 効果
原子発振器100は、例えば、以下の効果を有する。
原子発振器100では、原子セル31の第2部分4と外容器50とを接続した第1状態と、第2部分4と外容器50とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、第2部分4と外容器50との間の熱抵抗を変化させるスイッチ60を含む。そのため、原子発振器100では、例えば原子発振器100の電源を切断しても、上記のように、第2部分4と外容器50の間の熱抵抗を低くすることができ、第2部分4の温度を窓部である第1部分2a,2bよりも低くすることができる。そのため、原子セル31内のアルカリ金属原子は、第2部分4で優先的に凝集し、アルカリ金属原子の第1部分2a,2bへの付着を起こり難くすることができる。
原子発振器100では、スイッチ60は、バイメタルで構成され、スイッチ60は、バイメタルが温度に応じて変形することで、第1状態と第2状態とを切り替える。そのため、原子発振器100では、例えば制御回路40でスイッチ60を制御しなくても、第1状態と第2状態とを切り替えることができる。したがって、例えば予期せぬ停電により原子発振器100の電源が切断されても、スイッチ60を第2状態から第1状態に切り替えることができる。原子発振器100では、例えば、ペルチェ素子を設けることにより第1状態と第2状態とを切り替える必要がなく、制御が容易である。
原子発振器100では、原子セル31とヒーター35とを接続する第1金属部材32と、原子セル31の第2部分4に接続された第2金属部材33と、を含み、スイッチ60は、第1状態において、第2金属部材33と外容器50とを接続する。そのため、原子発振器100では、第2部分4の熱を第2金属部材33によって放出させることができる。
1.2. 原子発振器の変形例
次に、第1実施形態の変形例に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態の変形例に係る原子発振器110を模式的に示す断面図である。
以下、第1実施形態の変形例に係る原子発振器110において、上述した第1実施形態に係る原子発振器100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した原子発振器100では、図2に示すように、発光素子12および原子セル31は、基体52の内面52aの垂線Pと直交するX軸に沿って並んでいた。
これに対し、原子発振器110では、図5に示すように、発光素子12および原子セル31は、内面52aの垂線Pに沿って並んでいる。
原子発振器110では、支持部材38は、第1基板112を支持している。第1基板112は、第2基板114を支持している。第2基板114は、第1金属部材32を支持している。第2基板114には、発光素子12、ヒーター35、および温度センサー36が配置されている。図示の例では、発光素子12、ヒーター35、および温度センサー36は、第1金属部材32に設けられた開口部32aに配置されている。
原子発振器110では、例えば、蓋体54は、蓋体54の内面から原子セル31側に突出する突起部54aを有している。スイッチ60は、第1状態において突起部54aに接続することにより、第2金属部材33と外容器50とを接続する。図示の例では、原子セル31の第2部分4は、第2壁部31bの部分3bと、第4壁部31dと、によって構成されている。
なお、図示はしないが、原子発振器110では、原子発振器100のように、第1状態において、スイッチ60は、第2金属部材33と基体52とを接続するように構成されていてもよい。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係る原子発振器200を示す概略図である。図7は、第2実施形態に係る原子発振器200を模式的に示す断面図である。
以下、第2実施形態に係る原子発振器200において、上述した第1実施形態に係る原子発振器100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
原子発振器200では、図6に示すように、ペルチェ素子202と、温度センサー204と、を含む点において、上述した原子発振器100と異なる。
温度制御回路42は、温度センサー36の検出結果に基づいて、ヒーター35への通電を制御し、さらに、温度センサー204の検出結果に基づいて、ペルチェ素子202の通電を制御する。
原子発振器200は、図7に示すように、さらに、第1原子セル容器206と、第2原子セル容器208と、を含む。
ペルチェ素子202は、第2金属部材33と外容器50とを接続している。図示の例では、ペルチェ素子202は、第1原子セル容器206、第1スペーサー207、第2原子セル容器208、および第2スペーサー209を介して、第2金属部材33と外容器50とを接続している。このように、「ペルチェ素子202は、第2金属部材33と外容器50とを接続している」とは、ペルチェ素子202が第2金属部材33と外容器50とを直接接続している場合と、ペルチェ素子202が他の部材を介して第2金属部材33と外容器50とを接続している場合と、を含む。ペルチェ素子202は、第2金属部材33の熱を、第1原子セル容器206、第1スペーサー207、第2原子セル容器208、および第2スペーサー209を介して、外容器50に伝える。図示はしないが、ペルチェ素子202は、スイッチ60に接続されていてもよい。
温度センサー204は、第2金属部材33に接続されている。温度センサー204は、例えば、第2金属部材33の温度を検出することにより、間接的に原子セル31の温度を検出する。図示はしないが、温度センサー204は、原子セル31に接続され、直接的に原子セル31の温度を検出してもよい。
第1原子セル容器206は、原子セル31、金属部材32,33、受光素子34、ヒーター35、温度センサー36,204、スイッチ60、およびペルチェ素子202を収容している。第1原子セル容器206は、略直方体の外形形状を有している。第1原子セル容器206には、発光素子12から出射された光LLが通過する開口部206aが設けられている。第1原子セル容器206の材質は、例えば、パーマロイ、ケイ素鉄などである。このような材料を用いることにより、第1原子セル容器206は、外部からの磁場を遮蔽することができる。
第1原子セル容器206は、第1スペーサー207に支持されている。第1スペーサー207は、第1原子セル容器206と第2原子セル容器208との間に配置されている。第1スペーサー207の材質は、例えば、樹脂である。
第2原子セル容器208は、第1原子セル容器206および第1スペーサー207を収容している。第2原子セル容器208は、略直方体の外形形状を有している。第2原子セル容器208には、発光素子12から出射された光LLが通過する開口部208aが設けられている。第2原子セル容器208の材質は、例えば、第1原子セル容器206と同じである。第2原子セル容器208は、外部からの磁場を遮蔽することができる。第1原子セル容器206および第2原子セル容器208は、例えば、互いに離れて配置されている。そのため、例えば第1原子セル容器206と第2原子セル容器208とが接触している場合に比べて、外部からの磁場を遮蔽する機能を高めることができる。
第2原子セル容器208は、第2スペーサー209に支持されている。第2スペーサー209は、第2原子セル容器208と外容器50の基体52との間に配置されている。第2スペーサー209の材質は、例えば、第1スペーサー207と同じである。
外容器50の基体52は、基体52の内面52aから原子セル31側に突出する突起部52bを有している。第1原子セル容器206には、開口部206bが設けられている。第2原子セル容器208には、開口部208bが設けられている。突起部52bは、基体52から、開口部208bおよび開口部206bを通って、第1原子セル容器206の内部にまで延出している。スイッチ60は、第1状態において突起部52bに接続することにより、第2金属部材33と外容器50とを接続する。
原子発振器200では、上述のように、第2金属部材33と外容器50とを接続し、第2金属部材33の熱を外容器50に伝えるペルチェ素子202を含む。そのため、原子発振器200では、ペルチェ素子を含まない場合に比べて、第2金属部材33の放熱性を向上させることができる。
原子発振器200では、原子発振器100の電源を切断した場合、ペルチェ素子202によってスイッチ60の温度を下げることにより、スイッチ60を第2状態から第1状態にしてもよい。
また、原子発振器200では、原子発振器100の電源が切断された状態から電源を投入した場合、スイッチ60に電流を印加し、発生したジュール熱によってスイッチ60の温度を上げることにより、スイッチ60を第1状態から第2状態にしてもよい。なお、例えば、外部の温度がスイッチ60の温度よりも高くなり、スイッチ60が電流の印加を停止しても第2状態を保つことができるようになったら、スイッチ60への電流の印加を停止してもよい。
3. 第3実施形態
3.1. 原子発振器
次に、第3実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図8は、第3実施形態に係る原子発振器300を示す概略図である。なお、図8では、便宜上、所定の部材以外の図示を省略している。
以下、第3実施形態に係る原子発振器300において、上述した第2実施形態に係る原子発振器200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した原子発振器200では、図7に示すように、スイッチ60は、バイメタルで構成されていた。
これに対し、原子発振器300では、スイッチ60は、バイメタルで構成されていない。スイッチ60は、例えば、金属部材と、該金属部材を移動させる移動機構と、で構成されている。なお、スイッチ60の形態は、第1状態と第2状態とを切り替えることで、原子セル31の第2部分4と外容器50との間の熱抵抗を変化させることができれば、特に限定されない。
原子発振器300では、図8に示すように、制御回路40は、スイッチ60を制御するスイッチ制御回路302を有している。スイッチ制御回路302は、スイッチ60を第1状態と第2状態とに切り替える。
スイッチ制御回路302は、図示せぬ外部装置からの信号に基づいて、スイッチ60を制御する。具体的には、スイッチ制御回路302は、原子発振器300を停止させる停止信号が入力された場合に、スイッチ60を第1状態にし、原子発振器300を始動させる始動信号が入力された場合に、スイッチ60を第2状態にする。
次に、原子発振器300の動作を説明する。まず、原子発振器300を停止させる場合の動作を説明する。図9は、原子発振器300を停止させる場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図9に示すように、制御回路40は、外部装置から取得した信号が原子発振器300を停止させる停止信号であるか否かを判定する(ステップS10)。制御回路40は、取得した信号が停止信号でない場合(ステップS10でNO)、次に外部装置から取得する信号についてステップS10の判定を繰り返す。
一方、制御回路40の取得した信号が停止信号である場合(ステップS10でYES)、スイッチ制御回路302は、スイッチ60を第2状態から第1状態に切り替える(ステップS12)。
次に、制御回路40は、原子発振器300を停止させる(ステップS14)。これにより、ヒーター35およびペルチェ素子202などは、停止する。
そして、制御回路40は、スイッチ60を制御するための処理を終了する。
次に、原子発振器300を停止状態から始動させる場合の動作を説明する。図10は、原子発振器300を始動させる場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図10に示すように、制御回路40は、外部装置からON信号が入力されると、スイッチ制御回路302は、スイッチ60を第1状態から第2状態に切り替える(ステップS20)。
次に、制御回路40は、原子発振器300を始動させる(ステップS22)。これにより、ヒーター35およびペルチェ素子202などは、始動する。
次に、制御回路40は、上記に説明したとおり、温度制御回路41,42、磁場制御回路43、および光源制御回路44によりクロック信号を出力する通常モードに移行する(ステップS24)。
そして、制御回路40は、スイッチ60を制御するための処理を終了する。
3.2. 原子発振器の変形例
次に、第3実施形態の変形例に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図11は、第3実施形態の変形例に係る原子発振器310を示す概略図である。なお、図11では、便宜上、所定の部材以外の図示を省略している。
以下、第3実施形態の変形例に係る原子発振器310において、上述した第3実施形態に係る原子発振器300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した原子発振器300では、図8に示すように、スイッチ制御回路302は、外部装置からの信号に基づいて、スイッチ60を制御した。
これに対し、原子発振器310では、図11に示すように、スイッチ制御回路302は、温度センサー36の検出結果に基づいて、スイッチ60を制御する。
原子発振器310を停止させる場合の動作を説明する。図12は、原子発振器310を停止させる場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図12に示すように、制御回路40は、外部装置から取得した信号が原子発振器300を停止させる停止信号であるか否かを判定する(ステップS30)。制御回路40は、取得した信号が停止信号でない場合(ステップS30でNO)、次に外部装置から取得する信号についてステップS30の判定を繰り返す。
一方、制御回路40の取得した信号が停止信号である場合(ステップS30でYES)、制御回路40は、ヒーター35を停止させる(ステップS32)。これにより、温度センサー36で検出される温度は、下がる。
次に、制御回路40は、温度センサー36で検出された検出結果を取得し、温度センサー36で検出された温度が第1温度以下になった否か判定する(ステップS34)。検出された温度が第1温度より高い場合(ステップS34でNO)、次に温度センサー36から取得する検出結果についてステップS34の判定を繰り返す。
一方、検出された温度が第1温度以下である場合(ステップS34でYES)、スイッチ制御回路302は、スイッチ60を第2状態から第1状態に切り替える(ステップS36)。
次に、制御回路40は、ペルチェ素子202などヒーター35以外の部材を停止させ、原子発振器310を停止させる。
そして、制御回路40は、スイッチ60を制御するための処理を終了する。
次に、原子発振器310を停止状態から始動させる場合の動作を説明する。図13は、原子発振器310を始動させる場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図13に示すように、制御回路40は、外部装置からON信号が入力されると、原子発振器310を始動させる(ステップS40)。これにより、ヒーター35およびペルチェ素子202などは、始動する。
次に、制御回路40は、温度センサー36で検出された検出結果を取得し、温度センサー36で検出された温度が第2温度以上になった否か判定する(ステップS42)。検出された温度が第2温度より低い場合(ステップS42でNO)、次に温度センサー36から取得する検出結果についてステップS42の判定を繰り返す。
一方、検出された温度が第2温度以上である場合(ステップS42でYES)、スイッチ制御回路302は、スイッチ60を第1状態から第2状態に切り替える(ステップS44)。なお、第2温度は、上述した第1温度と同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
次に、制御回路40は、上記に説明したとおり、温度制御回路41,42、磁場制御回路43、および光源制御回路44によりクロック信号を出力する通常モードに移行する(ステップS46)。
そして、制御回路40は、スイッチ60を制御するための処理を終了する。
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る周波数信号生成システムについて、図面を参照しながら説明する。以下のタイミングサーバーとしてのクロック伝送システムは、周波数信号生成システムの一例である。図14は、クロック伝送システム900を示す概略構成図である。
クロック伝送システム900は、第1実施形態に係る原子発振器100を含む。
クロック伝送システム900は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有す
るシステムである。
クロック伝送システム900は、図14に示すように、A局のクロック供給装置901およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置902と、B局のクロック供給装置903およびSDH装置904と、C局のクロック供給装置905およびSDH装置906,907と、を備える。クロック供給装置901は、原子発振器100を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置901は、原子発振器100からの周波数信号が入力される端子910を有する。クロック供給装置901内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック908,909からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置902は、クロック供給装置901からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置905に伝送する。クロック供給装置903は、原子発振器100を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置903は、原子発振器100からの周波数信号が入力される端子911を有する。クロック供給装置903内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック908,909からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置904は、クロック供給装置903からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置905に伝送する。クロック供給装置905は、クロック供給装置901,903からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
クロック供給装置905は、通常、クロック供給装置901からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置905は、クロック供給装置903からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置906は、クロック供給装置905からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置907は、クロック供給装置905からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
第4実施形態に係る周波数信号生成システムは、クロック伝送システムに限定されない。周波数信号生成システムは、原子発振器が搭載され、原子発振器の周波数信号を利用する各種の装置および複数の装置から構成されるシステムを含む。周波数信号生成システムは、原子発振器を制御する制御部を含む。
第4実施形態に係る周波数信号生成システムは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、インクジェットプリンターなどの液体吐出装置、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sales)端末、医療機器、魚群探知機、GNSS(Global Navigation Satellite System)周波数標準器、各種測定機器、計器類、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体であってもよい。
上記医療機器としては、例えば、電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計が挙げられる。上記計器類としては、例えば、自動車、航空機、船舶などの計器類が挙げられる。上記移動体としては、例えば、自動車、航空機、船舶などが挙げられる。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2a…第1部分、2b…第1部分、3a,3b…部分、4…第2部分、6…接続部材、10…光源モジュール、11…ペルチェ素子、12…発光素子、13…温度センサー、14…サブマウント、15…光源容器、15a…開口部、22…減光フィルター、24…1/4波長板、31…原子セル、31a…第1壁部、31b…第2壁部、31c…第3壁部、31d…第4壁部、32…第1金属部材、32a,32b…開口部、33…第2金属部材、34…受光素子、35…ヒーター、36…温度センサー、37…コイル、38…支持部材、40…制御回路、41,42…温度制御回路、43…磁場制御回路、44…光源制御回路、50…外容器、52…基体、52a…内面、52b…突起部、54…蓋体、54a…突起部、60…スイッチ、62…第1金属板、64…第2金属板、100,110…原子発振器、112…第1基板、114…第2基板、200…原子発振器、202…ペルチェ素子、204…温度センサー、206…第1原子セル容器、206a,206b…開口部、207…第1スペーサー、208…第2原子セル容器、208a,208b…開口部、209…第2スペーサー、300…原子発振器、302…スイッチ制御回路、310…原子発振器、900…クロック伝送システム、901…クロック供給装置、902…SDH装置、903…クロック供給装置、904…SDH装置、905…クロック供給装置、906,907…SDH装置、908,909…マスタークロック、910,911…端子

Claims (8)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子から出射された光を透過させる第1部分と、前記第1部分と異なる第2部分と、を有し、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
    前記原子セルを加熱するヒーターと、
    前記発光素子、前記原子セル、および前記ヒーターを収容している容器と、
    前記第2部分と前記容器とを接続した第1状態と、前記第2部分と前記容器とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、前記第2部分と前記容器との間の熱抵抗を変化させるスイッチと、
    を含む、原子発振器。
  2. 請求項1において、
    前記スイッチは、バイメタルで構成され、
    前記スイッチは、前記バイメタルが温度に応じて変形することで、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える、原子発振器。
  3. 請求項1または2において、
    前記スイッチは、所定の温度以下で前記第1状態となり、前記所定の温度より高い温度で前記第2状態となる、原子発振器。
  4. 請求項1において、
    前記スイッチを制御する制御回路を含み、
    前記制御回路は、
    前記原子発振器を停止させる停止信号が入力された場合に、前記スイッチを前記第1状態にし、
    前記原子発振器を始動させる始動信号が入力された場合に、前記スイッチを前記第2状態にする、原子発振器。
  5. 請求項1において、
    前記原子セルの温度を検出する温度センサーと、
    前記温度センサーの検出結果に基づいて、前記スイッチを制御する制御回路と、
    を含む、原子発振器。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記原子セルと前記ヒーターとを接続する第1金属部材と、
    前記原子セルの前記第2部分に接続された第2金属部材と、
    を含み、
    前記スイッチは、前記第1状態において、前記第2金属部材と前記容器とを接続する、原子発振器。
  7. 請求項6において、
    前記第2金属部材と前記容器とを接続し、前記第2金属部材の熱を前記容器に伝えるペルチェ素子を含む、原子発振器。
  8. 原子発振器を含む、周波数信号生成システムであって、
    前記原子発振器は、
    発光素子と、
    前記発光素子から出射された光を透過させる第1部分と、前記第1部分と異なる第2部分と、を有し、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
    前記原子セルを加熱するヒーターと、
    前記発光素子、前記原子セル、および前記ヒーターを収容している容器と、
    前記第2部分と前記容器とを接続した第1状態と、前記第2部分と前記容器とを接続しない第2状態と、を切り替えることで、前記第2部分と前記容器との間の熱抵抗を変化させるスイッチと、
    を含む、周波数信号生成システム。
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