JP2020161573A - 原子発振器および周波数信号生成システム - Google Patents

原子発振器および周波数信号生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】高い周波数安定性を有する原子発振器、および、かかる原子発振器を備える周波数信号生成システムを提供する。【解決手段】温度調節素子106と、温度調節素子に配置されている発光素子102と、発光素子からの光の一部を反射させる光学素子と、温度調節素子に配置され、光学素子で反射した光を受光する第1受光素子104と、第1端子111と、第2端子112と、温度調節素子に配置されている第1中継部材150と、温度調節素子に配置されている第2中継部材160と、第1端子と第1中継部材とを接続している第1配線132aと、第1中継部材と前記発光素子とを接続している第2配線132bと、第2端子と第2中継部材とを接続している第3配線134aと、第2中継部材と第1受光素子とを接続している第4配線134bと、原子セルと、前記原子セルを透過した光を受光する第2受光素子と、を有することを特徴とする原子発振器。【選択図】図5

Description

本発明は、原子発振器および周波数信号生成システムに関するものである。
ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。一般に、原子発振器の作動原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果を利用した方式とに大別される。
量子干渉効果を利用した原子発振器は、電磁誘起透明化現象(EIT現象、EIT:Electromagnetically Induced Transparency)を利用して、周波数信号を生成する。
原子発振器用の発光素子としては、半導体レーザーが用いられる。、半導体レーザーは、発光波長の温度依存性を有している。このため、特許文献1に記載の発光素子モジュールは、ペルチェ素子と、ペルチェ素子上に搭載されている発光素子と、これらを収容するパッケージと、を備えている。さらに、特許文献1に記載の発光素子モジュールでは、ペルチェ素子上に絶縁部材が配置されており、発光素子の電極とパッケージの端子とを電気的に接続する配線の途中がその絶縁部材上のパッドに接続されている。これにより、かかる配線をも温度調節し、発光素子を高精度に温度調節することができる。その結果、出射される光の周波数変動を抑えることができる。
特開2013−162031号公報
ところが、原子発振器では、ガスセル中のアルカリ金属原子に照射される光の光量が変化すると、アルカリ金属の各準位間のエネルギー差が変化するシュタルクシフトと呼ばれる現象の影響により、取り出される周波数の安定度が低下する場合がある。原子発振器から出力される周波数を安定させるためには、発光素子から出射される光の光量の変動を低減する必要がある。
そこで、発光素子の出射する光の光量を受光素子で検出し、検出結果に基づいて発光素子の光出力を制御するAPC(Auto Power Control)を用いることが検討されている。APCを利用することにより、受光素子で検出した光量を発光素子に印加するバイアス電流に反映させ、発光素子から出射される光の光量を目的とする値に制御することができる。
しかしながら、APCを実現するために用いられる受光素子においても、感度や暗電流の温度依存性が存在する。このため、受光素子の温度が変化すると、感度や暗電流が変化し、光量の検出精度が低下する。バイアス電流による制御の精度は、光量の検出精度に依存するので、光量の検出精度が低下すると、目的とする光量に制御する精度が低下する。
本発明の適用例に係る原子発振器は、温度調節素子と、前記温度調節素子に配置されている発光素子と、前記発光素子からの光の一部を反射させる光学素子と、前記温度調節素子に配置され、前記光学素子で反射した光を受光する第1受光素子と、第1端子と、
第2端子と、前記温度調節素子に配置されている第1中継部材と、前記温度調節素子に配置されている第2中継部材と、前記第1端子と前記第1中継部材とを電気的に接続している第1配線と、前記第1中継部材と前記発光素子とを電気的に接続している第2配線と、前記第2端子と前記第2中継部材とを電気的に接続している第3配線と、前記第2中継部材と前記第1受光素子とを電気的に接続している第4配線と、アルカリ金属原子が収容され、前記発光素子からの光が入射する原子セルと、前記原子セルを透過した光を受光する第2受光素子と、を有することを特徴とする。
第1実施形態に係る原子発振器の機能ブロック図である。 第1実施形態に係る原子発振器の原子セル内におけるアルカリ金属原子のエネルギー状態を説明するための図である。 第1実施形態に係る原子発振器において、半導体レーザーから出射される2つの光の周波数差と、第2受光素子で検出される検出強度と、の関係を示すグラフである。 図1に示す発光素子モジュールを模式的に示す斜視図である。 図4に示す発光素子モジュールを模式的に示す平面図である。 図5のX1−X1線断面図である。 図5のY1−Y1線断面図である。 図5のY2−Y2線断面図である。 図5のY3−Y3線断面図である。 第2実施形態に係る原子発振器が備える発光素子モジュールの部分断面図である。 第3実施形態に係る原子発振器が備える発光素子モジュールを模式的に示す平面図である。 図11のX2−X2線断面図である。 図11のY4−Y4断面図である。 第4実施形態に係る原子発振器が備える発光素子モジュールの部分断面図である。 実施形態に係る周波数信号生成システムの一例として、クロック伝送システムを説明するための図である。
以下、本発明の原子発振器および周波数信号生成システムを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1. 原子発振器
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る原子発振器について説明する。
図1は、第1実施形態に係る原子発振器100の機能ブロック図である。図2は、第1実施形態に係る原子発振器100の原子セル30内におけるアルカリ金属原子のエネルギー状態を説明するための図である。図3は、第1実施形態に係る原子発振器100において、半導体レーザー102から出射される2つの光の周波数差と、第2受光素子40で検出される検出強度と、の関係を示すグラフである。
原子発振器100は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。量子干渉効果を利用した原子発振器100は、二重共鳴効果を利用した原子発振器に比べて、小型化を図ることができる。
原子発振器100は、図1に示すように、発光素子モジュール10と、光学部品20、22、24、26と、原子セル30と、第2受光素子40と、ヒーター50と、温度センサー60と、コイル70と、制御回路80と、を含む。
まず、原子発振器100の原理について説明する。
図1に示すように、原子発振器100では、発光素子モジュール10から原子セル30に向けて励起光Lを出射し、原子セル30を透過した励起光Lを第2受光素子40で検出する。
原子セル30内には、気体のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属原子が封入されている。
アルカリ金属原子は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態である第1基底状態1および第2基底状態2と、励起状態と、の3つの状態をとり得る。ここで、第1基底状態1は、第2基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このような気体のアルカリ金属原子に対して、励起光Lを照射する。励起光Lは、互いに周波数の異なる第1共鳴光L1および第2共鳴光L2を含んでいる。励起光Lが照射された気体のアルカリ金属原子では、第1共鳴光L1の周波数ωと第2共鳴光L2の周波数ωとの差(ω−ω)に応じて、第1共鳴光L1および第2共鳴光L2のアルカリ金属原子における光吸収率、つまり光透過率が変化する。そして、第1共鳴光L1の周波数ωと第2共鳴光L2の周波数ωとの差(ω−ω)が第1基底状態1と第2基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、第1基底状態1および第2基底状態2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、第1共鳴光L1および第2共鳴光L2は、いずれも、アルカリ金属原子に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象(CPT:Coherent Population Trapping)または電磁誘起透明化現象(EIT現象)と呼ぶ。
ここで、例えば、第1共鳴光L1の周波数ωを固定し、第2共鳴光L2の周波数ωを変化させていくと、第1共鳴光L1の周波数ωと第2共鳴光L2の周波数ωとの差(ω−ω)が第1基底状態1と第2基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ωに一致したとき、第2受光素子40の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号と呼ぶ。EIT信号は、アルカリ金属原子の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、EIT信号を基準として用いることにより、高精度な発振器を実現することができる。
次に、原子発振器100の各部について説明する。
原子発振器100は、前述したように、発光素子モジュール10と、光学部品20、22、24、26と、原子セル30と、第2受光素子40と、ヒーター50と、温度センサー60と、コイル70と、制御回路80と、を含む。
このうち、発光素子モジュール10は、半導体レーザー102と、第1受光素子104と、温度調節素子106と、温度センサー108と、を含んでいる。なお、発光素子モジュール10については後述する。
[光学部品]
光学部品20、22、24、26は、発光素子モジュール10と原子セル30との間における励起光Lの光路上に設けられている。図1に示す例では、発光素子モジュール10側から原子セル30側に向かって、光学部品20、光学部品22、光学部品24および光学部品26がこの順で配置されている。
光学部品20は、レンズである。光学部品20は、励起光Lを無駄なく原子セル30へ照射させることができる。また、光学部品20は、励起光Lを平行光とする機能を有する。そのため、励起光Lが原子セル30の内壁で反射することを抑制することができる。これにより、原子セル30内での励起光Lの共鳴を好適に生じさせ、原子発振器100の発振特性を高めることができる。
光学部品22は、偏光板である。光学部品22は、発光素子モジュール10からの励起光Lの偏光を所定方向に調整することができる。
光学部品24は、減光フィルター、すなわちNDフィルター(Neutral Density Filter)である。光学部品24は、原子セル30に入射する励起光Lの強度を調整することができる。そのため、発光素子モジュール10の光出力が大きい場合でも、原子セル30に入射する励起光Lを所望の光量とすることができる。
光学部品26は、λ/4波長板である。光学部品26は、発光素子モジュール10からの励起光Lを直線偏光から円偏光、具体的には右円偏光または左円偏光、に変換することができる。励起光Lを円偏光とすることにより、原子セル30内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、所望のEIT現象を発現する原子数を増大させることができる。この結果、所望のEIT信号の強度を大きくすることができ、原子発振器100の発振特性を高めることができる。
[原子セル]
原子セル30には、気体のアルカリ金属原子が収容されている。原子セル30には、発光素子モジュール10の半導体レーザー102から出射された励起光Lが、光学部品20、22、24、26を介して照射される。なお、原子セル30内に収容されているアルカリ金属原子は、一部が気体状で存在し、残部が余剰分として液体状または固体状で存在していてもよい。また、原子セル30には、必要に応じて、アルゴンやネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとして、気体のアルカリ金属原子とともに収容されていてもよい。
原子セル30は、図示しないが、柱状の貫通孔を有する本体部と、その貫通孔の両開口を気密に封止する1対の窓部と、を有する。これにより、アルカリ金属原子が収容される内部空間が形成されている。本体部を構成する材料は、特に限定されず、金属材料、樹脂材料、ガラス材料、シリコン材料、水晶等を用いることができるが、加工性や窓部との接合の観点から、ガラス材料またはシリコン材料を用いることが好ましい。窓部は、励起光Lを透過する材料で形成されている。窓部を構成する材料としては、例えば、石英ガラスやホウケイ酸ガラス等を用いることができる。
[第2受光素子]
第2受光素子40は、原子セル30を透過した励起光Lの強度、具体的には第1共鳴光L1および第2共鳴光L2の強度を検出し、光の強度に応じた検出信号を出力する。第2受光素子40としては、例えば、太陽電池、フォトダイオード、フォトトランジスター等が挙げられる。
[ヒーター]
ヒーター50は、原子セル30、より具体的には原子セル30に収容されたアルカリ金属原子を加熱する。これにより、原子セル30内のアルカリ金属原子を適切な濃度の気体に維持することができる。ヒーター50は、直流の通電により発熱するものであり、例えば、発熱抵抗体を含んで構成されている。
ヒーター50は、原子セル30を加熱することができれば、原子セル30に接触していてもよいし、非接触でもよい。また、ヒーター50に代えて、または、ヒーター50と併用して、ペルチェ素子を用いて原子セル30を加熱してもよい。
[温度センサー]
温度センサー60は、ヒーター50または原子セル30の温度を検出する。温度センサー60の検出結果に基づいて、ヒーター50の発熱量が制御される。これにより、原子セル30内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。温度センサー60の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター50上であってもよいし、原子セル30の外表面上であってもよい。温度センサー60としては、例えば、サーミスター、熱電対等、公知の温度センサーを用いることができる。
[コイル]
コイル70は、原子セル30内のアルカリ金属原子の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる。コイル70は、ゼーマン分裂により、アルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器100の発振周波数の精度を高めることができる。
コイル70は、例えば、原子セル30を挟むように配置されたヘルムホルツコイル、または、原子セル30を覆うように配置されたソレノイドコイルである。コイル70により、原子セル30内に一方向に均一な磁場を生じさせることができる。なお、コイル70が発生させる磁場は、例えば定磁場、すなわち直流磁場とされるが、交流磁場が重畳されていてもよい。
[制御回路]
制御回路80は、発光素子モジュール10、ヒーター50、およびコイル70の各作動を制御する。制御回路80は、温度センサー108の出力に基づいて温度調節素子106を制御することにより、半導体レーザー102の発振波長、すなわち励起光Lの中心波長を制御する波長制御回路804と、第1受光素子104の検出信号に基づいて半導体レーザー102の光出力を制御する光出力制御回路806と、半導体レーザー102に入力される高周波信号を制御する高周波制御回路808と、を有している。さらに、制御回路80は、原子セル30に収容されたアルカリ金属原子の温度を制御する温度制御回路810と、コイル70が発生させる磁場を制御する磁場制御回路812と、を有している。
このうち、波長制御回路804、光出力制御回路806および高周波制御回路808については後述する。
温度制御回路810は、温度センサー60の検出結果に基づいて、ヒーター50への通電を制御する。これにより、原子セル30を所望の温度範囲内、例えば70℃程度に維持することができる。
磁場制御回路812は、コイル70が発生する磁場が一定となるように、コイル70への通電を制御する。
制御回路80は、例えば、図示しない基板に実装されたIC(Integrated Circuit)チップに搭載されている。
なお、制御回路80として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを用いてもよい。すなわち、プロセッサーで図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、発光素子モジュール10、ヒーター50およびコイル70の各作動を制御するようにしてもよい。なお、制御回路80は、単一のICまたはCPUであってもよいし、複数のデジタル回路またはアナログ回路の組み合わせであってもよい。
[発光素子モジュール]
発光素子モジュール10は、原子セル30に向けて励起光Lを出射する。具体的には、発光素子モジュール10は、励起光Lとして、上述したような周波数の異なる第1共鳴光L1および第2共鳴光L2を含む光を出射し、原子セル30に入射させる。
第1共鳴光L1は、原子セル30内のアルカリ金属原子のエネルギー状態を上述した第1基底状態1から励起状態へと遷移させる。一方、第2共鳴光L2は、原子セル30内のアルカリ金属原子のエネルギー状態を上述した第2基底状態2から励起状態へと遷移させる。
図1に示す発光素子モジュール10は、半導体レーザー102と、第1受光素子104と、温度調節素子106と、温度センサー108と、を含んでいる。以下、発光素子モジュール10について説明する。
図4は、図1に示す発光素子モジュール10を模式的に示す斜視図である。図5は、図4に示す発光素子モジュール10を模式的に示す平面図である。図6は、図5のX1−X1線断面図である。なお、図4および図5では、リッド101bを透視して図示している。また、以下の説明では、説明の便宜上、発光素子モジュール10において相対的に光学素子119側を「上」、相対的にベース101a側を「下」として説明する。
発光素子モジュール10は、パッケージ101を含んで構成されている。このパッケージ101には、前述した半導体レーザー102、第1受光素子104、温度調節素子106および温度センサー108が収容されている。
パッケージ101は、凹部3を有するベース101aと、凹部3の開口を塞ぐリッド101bと、を有している。リッド101bにより塞がれた凹部3は、図4および図5に示すように、半導体レーザー102、第1受光素子104、温度調節素子106、および温度センサー108を収容する収容空間として機能する。収容空間は、真空状態、すなわち大気圧よりも低圧の状態であることが好ましい。これにより、パッケージ101の外部の温度変化がパッケージ101内の半導体レーザー102や第1受光素子104、温度センサー108等に与える影響を低減でき、半導体レーザー102や第1受光素子104、温度センサー108等の温度変動を低減できる。なお、収容空間は真空状態でなくてもよく、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが収容空間に充填されていてもよい。
また、温度調節素子106は、後述するように、温度調節される温度調節面106aを有している。そして、温度調節面106aには、その面上のほぼ全体を覆うように、グランド電極106bが設けられている。グランド電極106bには、基準電位、例えば接地電位が与えられている。
前述した半導体レーザー102、第1受光素子104および温度センサー108は、この温度調節面106a上、すなわちグランド電極106b上に配置されている。
ベース101aの構成材料は、絶縁性を有し、かつ、収容空間を気密空間とするのに適した材料であるのが好ましい。具体的に、ベース101aの構成材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物系セラミックス、炭化珪素等の炭化物系セラミックス等の各種セラミックス等が挙げられる。なお、ベース101aの構成材料としてリッド101bと同様の金属材料を用いることもできる。
ベース101aは、凹部3の底面よりも上側に形成されている段差部4を有している。段差部4には、半導体レーザー102と電気的に接続されている接続端子111(第1端子)と、第1受光素子104と電気的に接続されている接続端子112(第2端子)と、グランド電極106bと電気的に接続されている接続端子113(第3端子)と、温度センサー108と電気的に接続されている接続端子114と、温度調節素子106と電気的に接続されている2つの接続端子115、116と、が設けられている。これらの接続端子111、112、113、114、115、116は、それぞれ図示しない貫通電極を介して、ベース101aの下面に設けられた、図示しない外部実装端子と電気的に接続されている。
接続端子111、112、113、114、115、116、外部実装端子および貫通電極の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、金、金合金、白金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、クロム、クロム合金、ニッケル、銅、モリブデン、ニオブ、タングステン、鉄、チタン、コバルト、亜鉛、ジルコニウム等の金属材料が挙げられる。
ベース101aの上端面には、枠状のメタライズ層120が設けられている。メタライズ層120は、ベース101aの上端面を改質し、ろう材との密着性を高める。これにより、ろう材によるベース101aとリッド101bとの接合強度を高めることができる。
メタライズ層120の構成材料は、ろう材との密着性を高め得る材料であれば、特に限定されないが、例えば、上述した接続端子111、112、113、114、115、116等の構成材料を含む金属材料である。
リッド101bは、板状の本体部117と、本体部117に設けられている筒状の突出部118と、突出部118の内側に設けられている開口部118aを塞ぐ窓部119(光学素子)と、を備えている。
本体部117には、開口部118aと連通する開口部117aが設けられている。また、突出部118は、本体部117から突出して設けられている。本体部117および突出部118の構成材料としては、例えばコバール等の金属材料が挙げられる。また、窓部119の構成材料としては、例えばガラス材料が挙げられる。半導体レーザー102から出射した励起光Lは、開口部117a、118aを通過し、窓部119を透過して、パッケージ101の外部に出射される。
一方、窓部119は、ハーフミラーの機能を有する光学素子である。具体的には、例えば窓部119に励起光Lが入射し、一部が反射するときの反射面119aに図示しない反射膜が設けられている。反射膜の透過率を適宜設定することにより、反射率を調整し、励起光Lの一部、例えば光量の1〜30%程度を反射させるとともに、他部を透過させることができる。したがって、このようなハーフミラーの機能を有する窓部119により、励起光Lの一部を分岐することができる。分岐された励起光Lの一部は、分岐光LLとして、第1受光素子104に入射する。
また、図6に示す窓部119の反射面119aは、励起光Lの光軸Aに対して傾斜している。すなわち、反射面119aは、光軸Aと直交せず、かつ平行ではない。そのため、例えば窓部119の反射面119aが光軸Aと直交する場合に比べて、励起光Lが反射面119aで反射し、半導体レーザー102に戻る光が発生するのを抑制することができる。なお、反射面119aは、図6のように光学素子119の励起光Lが入射する面に設けられていてもよいし、励起光Lが入射する面とは反対の面に設けられていてもよい。また、反射面119aは、光学素子119の励起光Lが入射する面および出射する面の両方に設けられていてもよい。
さらに、ハーフミラーの機能を有する窓部119は、例えばビームスプリッター等で代替されてもよい。
ベース101aの凹部3の底面には、温度調節素子106が配置されている。温度調節素子106は、例えば、接着剤によりベース101aに固定されている。
本実施形態では、温度調節素子106がペルチェ素子である。温度調節素子106の1対の面のうち、下面はベース101aに固定され、上面は温度調節される温度調節面106aである。この温度調節面106a上には、前述したように、グランド電極106bを介して、半導体レーザー102、第1受光素子104および温度センサー108が配置されている。なお、本明細書において「面上に配置される」とは、その面上に直接位置している状態、または、何らかの介在物を介して間接的に面上に位置している状態のいずれかを指す。
温度調節素子106は、一方が発熱面、他方が吸熱面となる1対の面を有している。温度調節素子106は、供給される電流の向きを制御することにより、温度調節面106aを、発熱面とすることもできるし、吸熱面とすることもできる。そのため、環境温度の範囲が広くても、半導体レーザー102等を所望の温度に制御することができる。温度調節面106aの温度は、半導体レーザー102の特性に応じて決められるものである。なお、環境温度とは、ある部品がさらされる温度、すなわち、ある部品の周囲の温度を意味する。ここでは、半導体レーザー102の温度に影響を与え得る、半導体レーザー102の周囲の温度である。
温度調節素子106は、1対の端子105a、105bを有している。端子105aは、配線130aを介して接続端子115と電気的に接続され、端子105bは、配線130bを介して接続端子116と電気的に接続されている。これにより、1対の端子105a、105bに電流を供給して、温度調節素子106を駆動することができる。配線130a、130bは、例えばワイヤー配線、すなわちボンディングワイヤーである。
温度調節素子106の温度調節面106aには、例えば、アルミニウム、金、銀等の熱伝導性に優れる金属で構成されたグランド電極106bが配置されている。前述したように、グランド電極106b上には、半導体レーザー102、第1受光素子104および温度センサー108が配置されている。また、グランド電極106b上には、第1中継部材150、第2中継部材160、および第3中継部材170が配置されている。これにより、半導体レーザー102、第1受光素子104、温度センサー108、第1中継部材150、第2中継部材160、および第3中継部材170を、温度調節素子106により温度調節することができる。なお、グランド電極106bは、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。その場合、上記素子や部材は、温度調節面106aに直接配置されていてもよい。
半導体レーザー102は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)である。半導体レーザー102は、直流バイアス電流に高周波信号を重畳して用いることにより、励起光Lとして、上述したような周波数の異なる2種の光、すなわち第1共鳴光L1および第2共鳴光L2を出射する。
半導体レーザー102は、図示しない1対の端子を有している。1対の端子のうちの一方の端子は駆動信号用の端子であり、他方の端子は基準電位用の端子である。駆動信号用の端子は、配線132b、第1中継部材150、および配線132aを介して接続端子111(第1端子)と電気的に接続されている。具体的には、接続端子111と第1中継部材150とが配線132a(第1配線)を介して電気的に接続されている。また、第1中継部材150と半導体レーザー102の駆動信号用の端子とが配線132b(第2配線)を介して電気的に接続されている。一方、基準電位用の端子は、複数の配線132c(第6配線)を介してグランド電極106bと電気的に接続されている。これらの配線132a、132b、132cは、例えばワイヤー配線、すなわちボンディングワイヤーである。半導体レーザー102と接続端子111およびグランド電極106bとの電気的接続により、半導体レーザー102に電流を供給して半導体レーザー102を駆動することができる。
図7は、図5のY1−Y1線断面図である。
第1中継部材150は、絶縁性を有する絶縁層152と、絶縁層152の上面に設けられた導電性を有する導電層154と、を備えている。
絶縁層152の構成材料としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、単結晶アルミナのようなセラミックス材料が挙げられる。また、導電層154の構成材料としては、前述した接続端子111等の構成材料が挙げられる。
第1中継部材150の導電層154は、前述した配線132aおよび配線132bの双方と電気的に接続されている。したがって、導電層154は、半導体レーザー102に電流を供給する配線132aと配線132bとを途中で中継している。ここで、絶縁層152は、配線132a、132bよりも熱伝導率が十分に大きい部材であることが好ましい。しかも、絶縁層152は、温度調節面106a上に配置され、温度調節面106aと熱的に接続されている。このため、導電層154は、絶縁層152を介して温度調節面106aにより温度調節されている。その結果、配線132a、132bは、その温度変動が低減されることになり、それに伴って配線132bを介する半導体レーザー102の温度変動を抑制することができる。具体的には、例えば接続端子111側の温度が変動し、その温度変動が配線132aを介して第1中継部材150に伝達された場合でも、第1中継部材150によって、配線132b以降の熱伝達を緩和することができる。
また、絶縁層152の構成材料として、上述したようなセラミックス材料を用いることにより、絶縁層152の熱伝導性を高めることができる。これにより、温度調節面106aの温度変化に対する第1中継部材150の追従性が向上し、第1中継部材150の温度がより安定するため、半導体レーザー102の温度変動をより高精度に抑制することができる。
なお、導電層154は、絶縁層152の上面全体に設けられていてもよいが、一部に設けられていてもよい。
第1中継部材150と温度調節面106aとの間は、例えば接着剤による接着、はんだやろう材のような接合金属による接合等により接続される。
図8は、図5のY2−Y2線断面図である。
第1受光素子104は、グランド電極106b上に設けられたサブマウント104aを介して温度調節面106a上に配置されている。第1受光素子104は、半導体レーザー102から出射した励起光Lの一部を分岐した分岐光LLを受光し、光強度に応じた検出信号を出力する。
第1受光素子104としては、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスター等が挙げられる。このうち、第1受光素子104は、フォトダイオードであるのが好ましい。フォトダイオードは、感度の温度特性が比較的良好で、応答速度が速いことから、第1受光素子104として好ましく用いられる。
図8に示す第1受光素子104は、n型半導体基板1042nの上面側にp型領域1044pを形成してなるpn接合を有し、上面が受光面であるフォトダイオードである。図8に示す第1受光素子104は、n型半導体基板1042nと、p型領域1044pと、n型半導体基板1042nの下面に設けられた陰極1046(カソード)と、p型領域1044pの上面に設けられた陽極1048(アノード)と、を備えている。
図8に示すサブマウント104aは、絶縁性を有する絶縁層1042aと、絶縁層1042aの上面に設けられた導電性を有する導電層1044aと、を備えている。
絶縁層1042aの構成材料としては、例えば、前述した絶縁層152の構成材料が挙げられる。また、導電層1044aの構成材料としても、例えば、前述した導電層154の構成材料が挙げられる。
サブマウント104aは、絶縁性を有しているため、グランド電極106bと第1受光素子104とを絶縁する。また、第1受光素子104の下面に設けられた陰極1046は、サブマウント104aの導電層1044aと接している。これにより、陰極1046は、導電層1044aと電気的に接続されている。そして、導電層1044aは、配線134b、第2中継部材160、および配線134aを介して接続端子112(第2端子)と電気的に接続されている。具体的には、接続端子112と第2中継部材160とが配線134a(第3配線)を介して電気的に接続されている。また、第2中継部材160とサブマウント104aの導電層1044aとが配線134b(第4配線)を介して電気的に接続されている。これにより、接続端子112と第1受光素子104の陰極1046との間は、配線134a、第2中継部材160、配線134b、および導電層1044aを介して電気的に接続されている。
一方、陽極1048は、配線134c(第7配線)を介してグランド電極106bと電気的に接続されている。これらの配線134a、134b、134cは、例えばワイヤー配線、すなわちボンディングワイヤーである。
以上のように、第1受光素子104は、陰極1046が温度調節素子106に向いて配置されている。そして、本実施形態に係る原子発振器100は、温度調節素子106と第1受光素子104との間に配置されているサブマウント104aをさらに有している。これにより、図8に示す、受光面とは反対側に陰極1046が位置しているような第1受光素子104を用いた場合でも、サブマウント104aを介して陰極1046との電気的接続を図ることができる。
第2中継部材160は、絶縁性を有する絶縁層162と、絶縁層162の上面に設けられた導電性を有する導電層164と、を備えている。
絶縁層162の構成材料としては、例えば、前述した絶縁層152の構成材料が挙げられる。また、導電層164の構成材料としても、例えば、前述した導電層154の構成材料が挙げられる。
導電層164は、前述した配線134aおよび配線134bの双方と電気的に接続されている。したがって、導電層164は、第1受光素子104から出力される検出信号を伝送する配線134bと配線134aとを途中で中継している。ここで、絶縁層162は、配線134a、134bよりも熱伝導率が十分に大きい部材であることが好ましい。しかも、絶縁層162は、温度調節面106a上に配置され、温度調節面106aと熱的に接続されている。このため、導電層164は、絶縁層162を介して温度調節面106aにより温度調節されている。その結果、配線134a、134bは、その温度変動が低減されることになり、それに伴って配線134bを介する第1受光素子104の温度変動を抑制することができる。具体的には、例えば接続端子112側の温度が変動し、その温度変動が配線134aを介して第2中継部材160に伝達された場合でも、第2中継部材160によって、配線134b以降の熱伝達を緩和することができる。
また、絶縁層162の構成材料として、前述の絶縁層152の構成材料として挙げたセラミックス材料を用いることにより、絶縁層162の熱伝導性を高めることができる。これにより、温度調節面106aの温度変化に対する第2中継部材160の追従性が向上し、第2中継部材160の温度がより安定するため、第1受光素子104の温度変動をより高精度に抑制することができる。
なお、導電層164は、絶縁層162の上面全体に設けられていてもよいが、一部に設けられていてもよい。
第2中継部材160と温度調節面106aとの間は、例えば接着剤による接着、はんだやろう材のような接合金属による接合等により接続される。
温度センサー108は、温度調節面106aの温度を検出する。温度センサー108としては、例えば、サーミスター、熱電対等が挙げられる。
温度センサー108は、図示しない1対の端子を有している。1対の端子のうちの一方の端子は検出信号用の端子であり、他方の端子は基準電位用の端子である。検出信号用の端子は、配線136b、第3中継部材170、および配線136aを介して接続端子114と電気的に接続されている。一方、基準電位用の端子は、図示しない配線を介してグランド電極106bと電気的に接続されている。これらの配線136a、136bは、例えば、ワイヤー配線(ボンディングワイヤー)である。
図9は、図5のY3−Y3線断面図である。
第3中継部材170は、絶縁性を有する絶縁層172と、絶縁層172の上面に設けられた導電性を有する導電層174と、を備えている。
絶縁層172の構成材料としては、例えば、前述した絶縁層152の構成材料が挙げられる。また、導電層174の構成材料としても、例えば、前述した導電層154の構成材料が挙げられる。
導電層174は、前述した配線136aおよび配線136bの双方と電気的に接続されている。したがって、導電層174は、温度センサー108から出力される検出信号を伝送する配線136bと配線136aとを途中で中継している。ここで、絶縁層172は、配線136a、136bよりも熱伝導率が十分に大きい部材であることが好ましい。しかも、絶縁層172は、温度調節面106a上に配置され、温度調節面106aと熱的に接続されている。このため、導電層174は、絶縁層172を介して温度調節面106aにより温度調節されている。その結果、配線136a、136bは、その温度変動が低減されることになり、それに伴って配線136bを介する温度センサー108の温度変動を抑制することができる。具体的には、接続端子114側の温度が変動し、その温度変動が配線136aを介して第3中継部材170に伝達された場合でも、第3中継部材170によって、配線136b以降の熱伝達を緩和することができる。
また、絶縁層172の構成材料として、前述の絶縁層152の構成材料として挙げたセラミックス材料を用いることにより、絶縁層172の熱伝導性を高めることができる。これにより、温度調節面106aの温度変化に対する第3中継部材170の追従性が向上し、第3中継部材170の温度がより安定するため、温度センサー108の温度変動をより高精度に抑制することができる。
なお、導電層174は、絶縁層172の上面全体に設けられていてもよいが、一部に設けられていてもよい。
第3中継部材170と温度調節面106aとの間は、例えば接着剤による接着、はんだやろう材のような接合金属による接合等により接続される。
なお、第3中継部材170は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。
また、図5に示すように、接続端子113とグランド電極106bとの間は、複数の配線138を介して電気的に接続されている。
次に、制御回路80について説明する。
まず、発光素子モジュール10の制御を行う波長制御回路804、光出力制御回路806、および高周波制御回路808について説明する。
波長制御回路804は、第2受光素子40が出力した検出信号の信号強度および温度センサー108の検出結果に基づいて、温度調節素子106に供給する電流を制御し、半導体レーザー102の発振波長、すなわち励起光Lの中心波長を制御する。これにより、半導体レーザー102が発生させる励起光Lの中心波長を所望の波長で安定させることができる。
具体的には、半導体レーザー102の発振波長は、半導体レーザー102の温度を調節することによって制御される。そこで、波長制御回路804は、第2受光素子40が出力した検出信号の信号強度に加え、温度センサー108の検出結果に基づいて、温度調節素子106への通電を制御する。これにより、温度調節面106aの温度が所望の温度になるように、温度調節素子106の出力を制御する。
そして、波長制御回路804は、第2受光素子40が出力した検出信号を同期検波し、励起光Lの中心波長が吸収の底に相当する波長となるように温度調節素子106を制御する。
光出力制御回路806は、第1受光素子104が出力した検出信号の信号強度に基づいて、半導体レーザー102に供給する電流を制御し、半導体レーザー102の光出力を制御する。第1受光素子104が出力する検出信号の信号強度は、半導体レーザー102から出射され、原子セル30を介さない状態での光の強度に基づいているので、光出力を比較的忠実に反映している。
そこで、光出力制御回路806は、第1受光素子104の検出信号の信号強度が所定値になるように、半導体レーザー102に供給するバイアスを制御し、これにより光出力を制御する。これにより、半導体レーザー102の光量を目的の値に制御することができる。以下、かかるフィードバック制御を「APC」という。
また、光出力制御回路806は、さらに、第2受光素子40が出力した検出信号の信号強度にも基づいて、半導体レーザー102に供給するバイアスを制御するようになっていてもよい。これにより、より精度よく、半導体レーザー102の光出力を制御することができる。
なお、光出力制御回路806による半導体レーザー102の光出力制御の結果、励起光Lの中心波長が吸収の底に相当する波長からずれるおそれがある。その場合であっても、上記の波長制御回路804による制御が行われることにより、励起光Lの中心波長を吸収の底に相当する波長に合わせることができる。
高周波制御回路808は、半導体レーザー102に高周波信号を供給する制御を行う。高周波制御回路808は、第2受光素子40が出力した検出信号を同期検波してEIT信号を検出し、高周波信号の周波数を、アルカリ金属原子の第1基底状態1と第2基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数の半分に相当する周波数となるように制御する。
ここで、本実施形態では、前述したように、発光素子モジュール10に第1受光素子104が内蔵されている。すなわち、本実施形態では、半導体レーザー102から出射した励起光Lを、原子セル30に入射する前に分岐し、第1受光素子104で受光している。このため、第1受光素子104では、原子セル30における吸収、散乱等の影響を受けることなく、励起光Lの光量をモニターすることができる。その結果、より正確に光量を検出することができ、APCの精度を高めることができる。
また、半導体レーザー102および第1受光素子104は、それぞれ温度調節面106a上に配置されている。これにより、半導体レーザー102および第1受光素子104の温度変動が抑制されている。
さらに、本実施形態に係る原子発振器100は、前述したように、温度調節面106a上に配置されている第1中継部材150および第2中継部材160を備えている。
そして、第1中継部材150は、接続端子111と半導体レーザー102との間を電気的に接続している配線132a、132bを途中で中継している。このため、配線132a、132bの温度変動が低減され、それに伴って半導体レーザー102の温度変動も低減することができる。その結果、前述した波長制御回路804では、半導体レーザー102の発振波長、すなわち励起光Lの中心波長を安定して制御することができる。
同様に、第2中継部材160は、接続端子112と第1受光素子104との間を電気的に接続している配線134a、134bを途中で中継している。このため、配線134a、134bの温度変動が低減され、それに伴って第1受光素子104の温度変動も低減することができる。その結果、第1受光素子104における光量の検出精度を高めることができ、APCの精度を高めることができる。
以上のように、本実施形態に係る原子発振器100は、発光素子モジュール10と、アルカリ金属原子が収容され、半導体レーザー102(発光素子)からの光が入射する原子セル30と、原子セル30を透過した光を受光する第2受光素子40と、を有している。このうち、発光素子モジュール10は、温度調節される温度調節素子106と、温度調節素子106の温度調節面106a上に配置されている半導体レーザー102(発光素子)と、半導体レーザー102からの励起光Lの一部を分岐光LLとして反射させる窓部119(光学素子)と、温度調節面106a上に配置され、窓部119で反射してなる分岐光LLを受光する第1受光素子104と、接続端子111(第1端子)と、接続端子112(第2端子)と、温度調節面106a上に配置されている第1中継部材150と、温度調節面106a上に配置されている第2中継部材160と、接続端子111と第1中継部材150とを電気的に接続している配線132a(第1配線)と、第1中継部材150と半導体レーザー102とを電気的に接続している配線132b(第2配線)と、接続端子112と第2中継部材160とを電気的に接続している配線134a(第3配線)と、第2中継部材160と第1受光素子104とを電気的に接続している配線134b(第4配線)と、を有している。
このような構成によれば、APCの精度を高めることができ、半導体レーザー102の光量を目的とする値により精度よく制御することができる。その結果、シュタルクシフトによる出力周波数の安定度の低下が抑制され、高い周波数安定性を有する原子発振器100を実現することができる。
また、本実施形態では、前述したように、波長制御回路804において、半導体レーザー102の発振波長を半導体レーザー102の温度によって変動させ、制御している。このような制御方法によれば、半導体レーザーの特性上、半導体レーザー102の発振波長を駆動電流で変動させる場合と比べて、半導体レーザー102の光出力の変動を極めて小さく抑えることができる。具体的には、半導体レーザー102の発振波長を半導体レーザー102の温度で変動させた場合、半導体レーザー102の発振波長を駆動電流で変動させた場合と比べて、半導体レーザー102の光出力の変動を約1/30に抑えることができる。そのため、半導体レーザー102の発振波長を半導体レーザー102の温度で制御することにより、半導体レーザー102の発振波長を制御することによる半導体レーザー102の光出力の変動を低減できる。
したがって、本実施形態のように、半導体レーザー102の発振波長を半導体レーザー102の温度によって変動させて制御し、半導体レーザー102の光量をAPCで制御することにより、高い周波数安定性を有する原子発振器100を実現することができる。
なお、前述したように、半導体レーザー102の発振波長は、半導体レーザー102の駆動電流でも変動させることができる。このため、波長制御回路804は、必要に応じて、半導体レーザー102の温度だけでなく、半導体レーザー102の駆動電流によって発振波長を制御する機能を有していてもよい。
また、半導体レーザー102の光出力は、半導体レーザー102の温度でも変動させることができる。このため、光出力制御回路806は、必要に応じて、半導体レーザー102の駆動電流だけでなく、半導体レーザー102の温度によって光量を制御する機能を有していてもよい。
なお、半導体レーザー102および第1受光素子104は、互いに異なる温度調節素子に配置されていてもよいが、本実施形態では、温度調節素子106が1つの温度調節される温度調節面106aを有しており、半導体レーザー102および第1受光素子104の双方がこの温度調節面106aに配置されている。これにより、半導体レーザー102の温度と第1受光素子104の温度とを互いに精度よく揃えることができる。その結果、APCの精度をより高めることができる。
一方、半導体レーザー102および第1受光素子104が同一の温度調節面106a上に配置されている場合、前述した波長制御回路804により温度調節素子106の出力が制御されると、温度調節面106aの温度が変動し、それに伴って半導体レーザー102の温度が変動する。その際、第1受光素子104の温度も同様に変動する。そうすると、第1受光素子104の感度や暗電流も変化するため、例えば第1受光素子104が受光している分岐光LLの光量が一定であるにもかかわらず、変動していると誤検出する懸念がある。
そこで、光出力制御回路806は、波長制御回路804から温度調節素子106に供給される電流に基づき、第1受光素子104の温度変化を推定する機能を有するのが好ましい。具体的には、事前に計測した結果に基づき、温度調節素子106に供給される電流と第1受光素子104の温度との関係を取得しておく。そして、第1受光素子104の感度、暗電流等の受光特性の温度依存性に基づき、温度変化後の第1受光素子104から出力される検出信号の信号強度のオフセット量を推定する機能を有しているのが好ましい。この機能を有する光出力制御回路806は、温度変化後の第1受光素子104から出力される検出信号に対し、この推定したオフセット量による補正をかけることにより、本来の光強度を求めることができる。そして、求めた光強度に基づいてフィードバック制御を行うことにより、APCの精度の低下を抑制することができる。
なお、前述したように、半導体レーザー102および第1受光素子104が同一の温度調節面106a上に配置されていることにより、半導体レーザー102の温度と、第1受光素子104の温度とを、ほぼ同時に調節することができる。このため、上記オフセット量の推定をほぼリアルタイムに行うことができる。その結果、上記補正も逐次行うことができ、APCの精度の低下をより確実に抑制することができる。
また、第1中継部材150および第2中継部材160は、半導体レーザー102および第1受光素子104とは異なる温度調節素子に配置されていてもよいが、本実施形態では、前述した温度調節面106a上に配置されている。すなわち、半導体レーザー102、第1受光素子104、第1中継部材150および第2中継部材160は、同一の温度調節面106a上に配置されている。これにより、第1中継部材150の温度を半導体レーザー102の温度に近づけることができ、かつ、第2中継部材160の温度を第1受光素子104の温度に近づけることができる。その結果、配線132bを介して半導体レーザー102の温度が変動したり、配線134bを介して第1受光素子104の温度が変動したりするのを抑制することができる。
また、本実施形態に係る原子発振器100は、温度調節面106a上に設けられ、基準電位が与えられているグランド電極106bと、接続端子113(第3端子)と、接続端子113とグランド電極106bとを電気的に接続する配線138(第5配線)と、グランド電極106bと半導体レーザー102(発光素子)とを電気的に接続する配線132c(第6配線)と、グランド電極106bと第1受光素子104とを電気的に接続する配線134c(第7配線)と、を有している。
これにより、グランド電極106bも温度調節面106aにより温度調節される。このため、グランド電極106bの上面は、基準電位を与える面であるとともに、温度調節可能な面となる。したがって、グランド電極106bの上面に接続された配線132cおよび配線134cの温度変動が低減され、それに伴って、配線132cを介する半導体レーザー102の温度変動、および、配線134cを介する第1受光素子104の温度変動をそれぞれ緩和することができる。
なお、温度調節面106aの形状は、特に限定されず、円形や異形状等であってもよいが、本実施形態では四角形をなしている。そして、第1中継部材150および第2中継部材160は、温度調節面106aの4つの角のうちの2つに配置されている。このような配置を採用することにより、温度調節面106aの他の部分に第1中継部材150および第2中継部材160を配置する場合と比較して、第1中継部材150および第2中継部材160と半導体レーザー102および第1受光素子104の距離を大きくしやすい。したがって、第1中継部材150および第2中継部材160が外部の温度変動の影響を受けたとしても、半導体レーザー102や第1受光素子104の温度変動が大きくなるといった悪影響が発生しにくくなる。また、第1中継部材150および第2中継部材160を角に設けたことにより、発光素子モジュール10が必要以上に大型化するのを防止することができる。
さらに、本実施形態では、第3中継部材170も温度調節面106a上に配置されている。これにより、第3中継部材170の温度を温度センサー108の温度に近づけることができる。その結果、配線136bを介して温度センサー108の温度が変動するのを抑制することができる。その結果、APCの精度をより高めることができる。
なお、本実施形態では、第1中継部材150、第2中継部材160、および第3中継部材170が互いに個別の部材になっているが、これらのうちの少なくとも2つが一体になっていてもよい。これにより、部品点数を削減することができるので、発光素子モジュール10の組立工数を削減することができる。このように一体化された部材としては、例えば、1つの絶縁層と、その絶縁層上に設けられ、複数の領域に分けるようにパターニングされた導電層と、を備える部材が挙げられる。複数の領域とは、図5に示す第1中継部材150、第2中継部材160、および第3中継部材170がそれぞれ設けられている領域が挙げられる。このようにすれば、領域間を絶縁しつつ、各部材の一体化を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る原子発振器について説明する。
図10は、第2実施形態に係る原子発振器が備える発光素子モジュールの部分断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図10において前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第2実施形態は、第1受光素子の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
図10に示す第1受光素子104Aは、p型半導体基板1042pの下面側にn型領域1044nを形成してなるpn接合を有し、上面が受光面であるフォトダイオードである。図10に示す第1受光素子104Aは、p型半導体基板1042pと、n型領域1044nと、n型領域1044nの下面に設けられた陰極1046(カソード)と、p型半導体基板1042pの上面に設けられた陽極1048(アノード)と、を備えている。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、図10に示す第1受光素子104Aは、ジャンクションダウンで配置されている。ジャンクションダウンとは、pn接合、すなわちp型半導体基板1042pとn型領域1044nとの接触界面が、第1受光素子104Aの載置面側に位置する配置形態のことをいう。ジャンクションダウンを採用することにより、pn接合と温度調節面106aとの物理的距離を短くすることができる。これにより、検出信号の信号強度を左右するpn接合の温度をより精度よく制御することができるので、第1受光素子104Aにおける光量の検出精度をより高めることができ、APCの精度をさらに高めることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る原子発振器について説明する。
図11は、第3実施形態に係る原子発振器が備える発光素子モジュールを模式的に示す平面図である。図12は、図11のX2−X2線断面図である。図13は、図11のY4−Y4断面図である。なお、図11では、リッド101bを透視して図示している。また、以下の説明では、説明の便宜上、図12の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図11において前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第3実施形態は、第1受光素子の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
図11および図12に示す発光素子モジュール10Bでは、前記実施形態が備えるサブマウント104aが省略されている。そして、図12に示すように、第1受光素子104Bは、温度調節面106a上のグランド電極106bの上面に直接配置されている。
図13に示す第1受光素子104Bは、p型半導体基板1042pの上面側にn型領域1044nを形成してなるpn接合を有し、上面が受光面であるフォトダイオードである。図13に示す第1受光素子104Bは、p型半導体基板1042pと、n型領域1044nと、p型半導体基板1042pの下面に設けられた陽極1048(アノード)と、n型領域1044nの上面に設けられた陰極1046(カソード)と、を備えている。
陽極1048は、グランド電極106bと接している。これにより、陽極1048には基準電位が与えられている。一方、陰極1046は、配線134b(第4配線)を介して第2中継部材160と電気的に接続されている。
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る原子発振器について説明する。
図14は、第4実施形態に係る原子発振器が備える発光素子モジュールの部分断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図14において前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第4実施形態は、第1受光素子の構成が異なる以外、第3実施形態と同様である。
図14に示す第1受光素子104Cは、n型半導体基板1042nの下面側にp型領域1044pを形成してなるpn接合を有し、上面が受光面であるフォトダイオードである。図14に示す第1受光素子104Cは、n型半導体基板1042nと、p型領域1044pと、p型領域1044pの下面に設けられた陽極1048(アノード)と、n型半導体基板1042nの上面に設けられた陰極1046(カソード)と、を備えている。
このような第4実施形態においても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
また、図14に示す第1受光素子104Cは、ジャンクションダウンで配置されている。これにより、前述したように、APCの精度をさらに高めることができる。
2. 周波数信号生成システム
次に、実施形態に係る周波数信号生成システムについて説明する。
図15は、実施形態に係る周波数信号生成システムの一例として、クロック伝送システム2000を説明するための図である。
図15に示すクロック伝送システム2000は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、Normal系(N系)およびEmergency系(E系)の冗長構成を有するシステムである。
クロック伝送システム2000は、上位のN系であるA局のCSM(Clock Supply Module)であるクロック供給装置2001およびSDH装置2002と、上位のE系であるB局のクロック供給装置2003およびSDH装置2004と、下位のC局のクロック供給装置2005およびSDH装置2006、2007とを備える。なお、SDHは、Synchronous Digital Hierarchyである。
クロック供給装置2001は、原子発振器100を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置2001は、原子発振器100からの周波数信号が入力される端子2001Tを有する。クロック供給装置2001内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック2008、2009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置2002は、クロック供給装置2001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置2005に伝送する。
クロック供給装置2003は、原子発振器100を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置2003は、原子発振器100からの周波数信号が入力される端子2003Tを有する。このクロック供給装置2003内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック2008、2009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置2004は、クロック供給装置2003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置2005に伝送する。クロック供給装置2005は、クロック供給装置2001,2003からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置2005は、通常、クロック供給装置2001からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置2005は、クロック供給装置2003からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置2006は、クロック供給装置2005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置2007は、クロック供給装置2005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
クロック伝送システム2000は、優れた周波数安定性を有する原子発振器100を含むため、優れた信頼性を有することができる。
なお、本発明の原子発振器を含む周波数信号生成システムは、クロック伝送システムに限定されない。周波数信号生成システムは、原子発振器が搭載され、原子発振器の周波数信号を利用する各種の装置を備えるシステムであればよい。また、周波数信号生成システムは、原子発振器からの周波数信号が入力される端子および原子発振器を制御する制御部を備えていてもよい。
本実施形態に係る周波数信号生成システムは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、例えばインクジェットプリンターのような液体吐出装置、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sales)端末、医療機器、魚群探知機、GNSS(Global N avigation Satellite System)周波数標準器、各種測定機器、計器類、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体等であってもよい。
このうち、上記の医療機器としては、例えば、電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計等が挙げられる。また、上記の計器類としては、例えば、自動車、航空機、船舶等の計器類が挙げられる。さらに、上記の移動体としては、例えば、自動車、航空機、船舶等が挙げられる。
以上、本発明の原子発振器および周波数信号生成システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記実施形態の各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成に置換することができる。また、前記実施形態には、他の任意の構成物が付加されていてもよい。さらに、前記実施形態を適宜組み合わせるようにしてもよい。
1…第1基底状態、2…第2基底状態、3…凹部、4…段差部、10…発光素子モジュール、10B…発光素子モジュール、20…光学部品、22…光学部品、24…光学部品、26…光学部品、30…原子セル、40…第2受光素子、50…ヒーター、60…温度センサー、70…コイル、80…制御回路、100…原子発振器、101…パッケージ、101a…ベース、101b…リッド、102…半導体レーザー、104…第1受光素子、104A…第1受光素子、104B…第1受光素子、104C…第1受光素子、104a…サブマウント、105a…端子、105b…端子、106…温度調節素子、106a…温度調節面、106b…グランド電極、108…温度センサー、111…接続端子、112…接続端子、113…接続端子、114…接続端子、115…接続端子、116…接続端子、117…本体部、117a…開口部、118…突出部、118a…開口部、119…窓部、119a…反射面、120…メタライズ層、130a…配線、130b…配線、132a…配線、132b…配線、132c…配線、134a…配線、134b…配線、134c…配線、136a…配線、136b…配線、138…配線、150…第1中継部材、152…絶縁層、154…導電層、160…第2中継部材、162…絶縁層、164…導電層、170…第3中継部材、172…絶縁層、174…導電層、804…波長制御回路、806…光出力制御回路、808…高周波制御回路、810…温度制御回路、812…磁場制御回路、1042a…絶縁層、1042n…n型半導体基板、1042p…p型半導体基板、1044a…導電層、1044n…n型領域、1044p…p型領域、1046…陰極、1048…陽極、2000…クロック伝送システム、2001…クロック供給装置、2001T…端子、2002…SDH装置、2003…クロック供給装置、2003T…端子、2004…SDH装置、2005…クロック供給装置、2006…SDH装置、2007…SDH装置、2008…マスタークロック、2009…マスタークロック、A…光軸、L…励起光、L1…第1共鳴光、L2…第2共鳴光、LL…分岐光、ω…周波数、ω…周波数、ω…周波数

Claims (9)

  1. 温度調節素子と、
    前記温度調節素子に配置されている発光素子と、
    前記発光素子からの光の一部を反射させる光学素子と、
    前記温度調節素子に配置され、前記光学素子で反射した光を受光する第1受光素子と、
    第1端子と、
    第2端子と、
    前記温度調節素子に配置されている第1中継部材と、
    前記温度調節素子に配置されている第2中継部材と、
    前記第1端子と前記第1中継部材とを電気的に接続している第1配線と、
    前記第1中継部材と前記発光素子とを電気的に接続している第2配線と、
    前記第2端子と前記第2中継部材とを電気的に接続している第3配線と、
    前記第2中継部材と前記第1受光素子とを電気的に接続している第4配線と、
    アルカリ金属原子が収容され、前記発光素子からの光が入射する原子セルと、
    前記原子セルを透過した光を受光する第2受光素子と、
    を有する、原子発振器。
  2. 前記温度調節素子は、温度調節される温度調節面を有し、
    前記発光素子および前記第1受光素子は、前記温度調節面に配置されている請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記第1中継部材および前記第2中継部材は、前記温度調節面に配置されている請求項2に記載の原子発振器。
  4. 前記温度調節面は、四角形であり、
    前記第1中継部材および前記第2中継部材は、前記温度調節面の4つの角のうちの2つに配置されている請求項3に記載の原子発振器。
  5. 前記温度調節面上に設けられ、基準電位が与えられているグランド電極と、
    第3端子と、
    前記第3端子と前記グランド電極とを電気的に接続する第5配線と、
    前記グランド電極と前記発光素子とを電気的に接続する第6配線と、
    前記グランド電極と前記第1受光素子とを電気的に接続する第7配線と、
    をさらに有する請求項2ないし4のいずれか1項に記載の原子発振器。
  6. 前記第1受光素子は、フォトダイオードである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子発振器。
  7. 前記第1受光素子は、カソードが前記温度調節素子に向いて配置され、
    前記温度調節素子と前記第1受光素子との間に配置されているサブマウントをさらに有する請求項5に記載の原子発振器。
  8. 前記第1受光素子は、ジャンクションダウンで配置されている請求項5または6に記載の原子発振器。
  9. 原子発振器と、
    前記原子発振器からの周波数信号が入力される端子と、
    を含み、
    前記原子発振器は、
    温度調節素子と、
    前記温度調節素子に配置されている発光素子と、
    前記発光素子からの光の一部を反射させる光学素子と、
    前記温度調節素子に配置され、前記光学素子で反射した光を受光する第1受光素子と、
    第1端子と、
    第2端子と、
    前記温度調節素子に配置されている第1中継部材と、
    前記温度調節素子に配置されている第2中継部材と、
    前記第1端子と前記第1中継部材とを電気的に接続している第1配線と、
    前記第1中継部材と前記発光素子とを電気的に接続している第2配線と、
    前記第2端子と前記第2中継部材とを電気的に接続している第3配線と、
    前記第2中継部材と前記第1受光素子とを電気的に接続している第4配線と、
    アルカリ金属原子が収容され、前記発光素子からの光が入射する原子セルと、
    前記原子セルを透過した光を受光する第2受光素子と、
    を有する、周波数信号生成システム。
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