JP2005175221A - 原子発振器の静磁場印加構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 原子発振器の小型化、かつ、低コスト化を図ることのできる静磁場印加構造を実現する。
【解決手段】 複数の磁界発生手段1,2を互いに空間を空けて設けるとともに、これらの磁界発生手段1,2で挟まれた空間に共鳴セルを配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の磁界発生手段1,2を互いに空間を空けて設けるとともに、これらの磁界発生手段1,2で挟まれた空間に共鳴セルを配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原子発振器の静磁場印加構造に関し、特に、光ポンピングを原理とするパッシブ型の原子発振器のための静磁場印加構造に関する。
近年、情報通信のディジタルネットワーク化が進み、これに伴い高精度・高安定なクロック源が必要不可欠となっている。そのクロック源としてルビジウム原子発振器が注目されており、小型・低コスト化が望まれている。特に、近年では、装置への実装形態から、薄型化が大きな課題である。
原子発振器の薄型化は光−マイクロ波共鳴器をいかに小型に実現するかがポイントであり、各社マイクロ波共振器の構成に工夫を凝らしている。最近では、マイクロ波共振器を利用せずに、レーザー光線にマイクロ波変調を行ない、原子共鳴を誘発させる(ダークラインレゾナンス法)等の新しい手法を用いた研究成果も発表されており、装置小型化への様々なアプローチがなされている。
原子発振器の薄型化は光−マイクロ波共鳴器をいかに小型に実現するかがポイントであり、各社マイクロ波共振器の構成に工夫を凝らしている。最近では、マイクロ波共振器を利用せずに、レーザー光線にマイクロ波変調を行ない、原子共鳴を誘発させる(ダークラインレゾナンス法)等の新しい手法を用いた研究成果も発表されており、装置小型化への様々なアプローチがなされている。
これらは共通の基本原理により成り立っている。原始の超微細構造間のエネルギー準位間の遷移を利用しているため、原子を静磁場内に留め置き、ゼーマン効果によるエネルギー準位の分割が必要になる。このために静磁場を発生させる回路が必要不可欠であり、小型、低コスト化を進める上で今後重要な開発アイテムとなる。
図10は従来のルビジウム原子発振器の機能と構造を説明するための図である。この図10において、101は第1の磁気シールド構造、102は第2の磁気シールド構造、103,104はそれぞれ断熱材を示している。
図10は従来のルビジウム原子発振器の機能と構造を説明するための図である。この図10において、101は第1の磁気シールド構造、102は第2の磁気シールド構造、103,104はそれぞれ断熱材を示している。
また、105は、ルビジウム原子が封入されていて、このルビジウム原子のエネルギー準位間の遷移を利用して特定の波長の光を吸収する共鳴セル、106はこの共鳴セル105を通過してくる光を検出する光検出器、107は共鳴セル105を収容するキャビティ(空洞共振器)、108はマイクロ波を逓倍するバラクタダイオード、109は共鳴セル105に封入されているルビジウム原子の共鳴周波数を調整する磁場を発生するソレノイドコイル、110は共鳴光を発するルビジウムランプ、111はこのルビジウムランプを収容するランプハウス、112はルビジウムランプ110を高周波励起することによってルビジウムランプ110を励振するランプ励振回路をそれぞれ示している。上記の共鳴セル105,光検出器106,キャビティ107,バラクタダイオード108,ソレノイドコイル109,ルビジウムランプ110,ランプハウス111及びランプ励振回路112によってOMU(Optical Microwave Unit)が構成される。
さらに、113はこのOMUの温度を一定に保つためのヒータ、114はOMUの温度変化により抵抗値が変化するサーミスタを示している。なお、この図10における第1のシールド構造1からサーミスタ114までを示す部分は、ルビジウム原子発振器のうち共鳴セル105等を2重の磁気シールド構造101,102の中に収めた物の断面を模式的に示している。
また、115はサーミスタ114の抵抗値を検出して前記ヒータ113の温度を制御する電圧を生成する温度制御部、116はこの温度制御部115の出力によってヒータ113に供給する電流を制御するトランジスタ、117は前記光検出器106の出力を増幅する前置増幅器、118は低周波信号を発生する低周波発振器、119は前置増幅器117の出力を低周波発振器118の出力によって同期検波する同期検波回路、120はこの同期検波回路119の出力によって後述する電圧制御水晶発振器121の発振周波数を制御する周波数制御回路、121は前記共鳴セル105における原子共鳴を利用して発振周波数を安定化される電圧制御水晶発振器、122はこの電圧制御発振器121の出力を前記低周波発振器118の出力によって位相変調して前記バラクタダイオード108に供給する周波数変調回路をそれぞれ示している。
ここで、かかるルビジウム原始発振器の動作原理を、図11を用いて説明する。
図11(A)に示すように、図10に示す共鳴セル105内に封入されたルビジウム原子は熱平衡状態にある場合には、基底準位である(5S,F1)準位と(5S,F2)準位に等しい確率で存在している。この状態で、ルビジウムランプ110の共鳴光を共鳴セル105に照射すると、図11(B)に示すように、(5S,F1)準位のルビジウム原子のみが5P準位に励起される。これを光ポンピング(励起)と呼ぶ。しかし、5P準位は不安定なエネルギー準位であるため、図11(C)に示すように、自然放出によって基底準位である(5S,F1)準位と(5S,F2)準位に等しい確率で遷移する。
図11(A)に示すように、図10に示す共鳴セル105内に封入されたルビジウム原子は熱平衡状態にある場合には、基底準位である(5S,F1)準位と(5S,F2)準位に等しい確率で存在している。この状態で、ルビジウムランプ110の共鳴光を共鳴セル105に照射すると、図11(B)に示すように、(5S,F1)準位のルビジウム原子のみが5P準位に励起される。これを光ポンピング(励起)と呼ぶ。しかし、5P準位は不安定なエネルギー準位であるため、図11(C)に示すように、自然放出によって基底準位である(5S,F1)準位と(5S,F2)準位に等しい確率で遷移する。
そして、ルビジウムランプ110の共鳴光による(5S,F1)準位のルビジウム原子のみ光ポンピングによる5P準位への励起と、自然放出による5P準位から(5S,F2)準位への等確率での遷移が繰り返されえる。この繰り返しで、図11(D)に示すように、ルビジウム原子は(5S,F2)準位にのみ存在するようになる。この状態を負温度状態という。この状態で、周波数変調回路122の出力をバラクタダイオード108で逓倍したマイクロ波によってキャビティ107を励起すると、図11(E)に示すように、(5S,F2)準位にあるルビジウム原子は誘導放出により(5S,F1)準位に遷移する。
この時に、共鳴セル105はルビジウムランプ110が出力する光のエネルギーを吸収するので、光検出器106が検出する光レベルが低下する。そして、ルビジウム原子が(5S,F2)準位から(5S,F1)準位に遷移する確率は、マイクロ波の周波数が(5S,F2)準位と(5S,F1)準位のエネルギー差に対応する周波数(これを共鳴周波数という)に一致した時に最大になり、マイクロ波の周波数と共鳴周波数との差が大きくなるほど低下する。
すなわち、光検出器106の出力は、図12(A)の曲線Aに示すごとく、マイクロ波の周波数が(5S,F2)準位と(5S,F1)準位のエネルギー差に対応する共鳴周波f0との差が大きくなるほど増加し、最終的には、マイクロ波による誘導放出が起きなくなるために一定になる。なお、曲線Aにおける共鳴周波数f0近傍の凹部を「ディップ」と呼ぶ。
ところで、電圧制御水晶発振器121の出力は、低周波発振器118により位相変調されているので、バラクタダイオード108がキャビティを励振する周波数は変化する。このため、共鳴セル105における光吸収効率が変わり、光検出器106が検出する光レベルが変化する。まず、バラクタダイオード108による励振周波数が共鳴セル105における共鳴周波数f0に等しい場合には、低周波信号で変調されたバラクタダイオード108によるマイクロ波の励振周波数fは前記ディップの底付近で変化するので、光検出器の出力は図12(A)の符号Bに示すように、低周波変調周波数の2倍の周波数信号が検出される。
ところで、電圧制御水晶発振器121の出力は、低周波発振器118により位相変調されているので、バラクタダイオード108がキャビティを励振する周波数は変化する。このため、共鳴セル105における光吸収効率が変わり、光検出器106が検出する光レベルが変化する。まず、バラクタダイオード108による励振周波数が共鳴セル105における共鳴周波数f0に等しい場合には、低周波信号で変調されたバラクタダイオード108によるマイクロ波の励振周波数fは前記ディップの底付近で変化するので、光検出器の出力は図12(A)の符号Bに示すように、低周波変調周波数の2倍の周波数信号が検出される。
一方、バラクタダイオード108におけるマイクロ波の励振周波数fが共鳴セル105における共鳴周波数f0よりも高い時には、低周波信号で変調されたバラクタダイオード108によるマイクロ波の励振周波数fは前記ディップの右側の立ち上がり部で変化するので、光検出器106の出力は図12(A)の符号Cに示すごとく、低周波信号と同じ位相で変化する。逆に、バラクタダイオード108によるマイクロ波の励振周波数fが共鳴周波数f0よりも低い場合には、低周波信号で変調されたバラクタダイオード108によるマイクロ波の励振周波数fは前記ディップの左側の立ち上がり部で変化するので、光検出器106の出力は図12(A)の符号Dに示すごとく、低周波信号と逆の位相で変化する。
このような光検出器106の出力を、前置増幅器117を介して同期検波回路119に導き、低周波発振器118の出力によって同期検波する。即ち、前置増幅器117で増幅された光検出器106の出力を周波数制御回路120に供給し、比例制御、積分制御、微分制御又はこれらの組み合わせ制御によって、電圧制御水晶発振器121に供給する制御電圧〔図12(B)参照〕を発生する。この制御電圧により、共鳴セル105における共鳴周波数f0に等しくなるように電圧制御水晶発振器121の出力が制御されて、ルビジウム原子発振器の出力が外部回路に供給される。
さて、上述のごとく、ルビジウム原子発振器の基本原理は原子のエネルギー準位間の遷移を利用するが、利用するエネルギー準位はゼーマン効果により分離された超微細構造であり、ルビジウム原子を静磁場に留め置く必要がある。従来製品では、共鳴セル105をソレノイドコイル109内に内包することでこれを実現している。なお、従来製品のソレノイドコイル109で発生させる静磁場HはH≒45(A/m)程度である。
以下では、従来の静磁場印加(発生)回路の構成に関して説明する。概略図を図13に示す。この図13に示すように、従来の静磁場発生回路は、例えば、ポンピング光を入射させる光通過孔70を備えた円柱状の空洞共振器107、この空洞共振器107を小型化するために空洞共振器107に内包されるドーナツ型誘電体123、空洞共振器107内にマイクロ波を励振するためのアンテナ124、ルビジウム原子を封入したガスセル(共鳴セル)105、このガスセル105を通過した光を検出する光検出器106、空洞共振器107の共振周波数をルビジウム原子の共鳴周波数に同調するための同調ネジ125、ルビジウム原子を静磁場に留め置くためのソレノイドコイル109をそなえて構成されている。なお、この図13は空洞共振器107の断面を模式的に示している。
ここで、ソレノイドコイル109は、例えば下記特許文献1の図5にも開示されているように、空洞共振器107を形成する金属壁の周囲に銅線材を巻き付けて製造される。ここでは、直接金属壁に巻線を形成しているが、巻線部のみ樹脂等の筒状部材(機構品)に形成し、空洞共振器107に取り付けることで実現する場合もある。また、円柱ではなく、方形空洞共振器を利用した従来技術もあるが、円柱を利用した場合と同様に、直接、空洞共振器107の金属壁に銅線材等を巻き付けてソレノイドコイルを形成したり、断熱機能をもたせた樹脂等のケースにソレノイドコイル109を形成して、空洞共振器107に取り付けるもの等もある。
また、下記特許文献2の第1図及び第6図に示されるように、断面がコ字状のヨークの底面に線材を巻き付けて電流を流すことにより、当該ヨークの対向する側面の一方から他方へ磁束を発生させてセシウム原子発振器の共鳴器に静磁場(Cフィールド)を与えることができるようにしたものもある。
特開平6−334520号公報
実開昭61−100049号公報
近年の市場要求はルビジウム原子発振器の小型化、低コスト化であり、各社、キャビティ、周辺回路の小型化を進めているが、更なる小型化、低コスト化が望まれている。この要求を満足するにはOMUを小型化、低コスト化するのがポイントとなる。これまでのアプローチとしては、空洞共振器の利用モード変更や、内部に比誘電率の高い物質を充填、設置する等により進められてきた。今後も様々な思案で小型化が進められると予想されるが、その際に問題になるのが、静磁場発生回路である。図10及び図13により上述した従来構造では、共鳴セル105をソレノイドコイル109内に配置する必要があるため、階層構造が必要であり、構造的に複雑で、かつ、構成の自由度が低い。このため、今後の更なる小型化、低コスト化を進める上での課題となってきている。
特に、近年需要が高い、薄型化製品を意識する場合、マイクロ波励振用の空洞共振器、半同軸共振器、誘電体共振器等は矩形型を採用し、薄型化を図ることが考えられる。しかし、静磁場内に共鳴セルを設置する必要上、共振器を囲むようにソレノイドコイルを形成する必要があり、その線材巻部の肉厚増が不可避となる。また、共振器には周波数調整機構が必要であり、このため、ソレノイドコイルを形成する巻きシロ部に制約が課せられる場合が多く、ソレノイドコイルを形成する部品の複雑化により高コストとなる場合が多い。メーカによっては直接、共鳴セルにコイルを巻き付け、静磁場を印加する手法を採るケースもあるが、そもそも、ソレノイドコイルの形成には線材を巻く作業が不可欠であり、機構部品との組み合わせによるカスタム対応が必要となる。このため、コスト増が避けられない。
一方、上記特許文献2に記載の技術によれば、断面がコ字状のヨークの対向する側部の一方から他方へ磁束を発生させてセシウム原子発振器の共鳴器に静磁場を与える構造であるので、上記のように共鳴器をソレノイドコイルで囲む必要はない。したがって、共鳴器をソレノイドコイルで囲む場合よりも薄型化を図ることが可能である。しかし、この場合も、コ字状ヨークの底面及び側面には共鳴器のサイズに応じた面積がそれぞれ必要とされるため、実装面積の縮小には限界がある。また、ヨークの底面に線材を巻き付ける作業が不可欠なので、やはり、機構部品との組み合わせによるカスタム対応が必要となり、コスト増が避けられない。
本発明は、以上のような課題に鑑み創案されたもので、原子発振器の小型化、かつ、低コスト化を図ることのできる静磁場印加構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の原子発振器の静磁場印加構造(請求項1)は、所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、複数の磁界発生手段が互いに空間を空けて設けられるとともに、
該磁界発生手段で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴としている。
ここで、該磁界発生手段は、それぞれ、直流電流を流すことにより磁界を発生するソレノイドコイルにより構成するのが好ましい(請求項2)。
該磁界発生手段で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴としている。
ここで、該磁界発生手段は、それぞれ、直流電流を流すことにより磁界を発生するソレノイドコイルにより構成するのが好ましい(請求項2)。
また、該静磁場発生回路は、第1のソレノイドコイルを実装した第1のプリント基板と、第2のソレノイドコイルを実装した第2のプリント基板とをそなえるとともに、前記各ソレノイドコイルに直流電流を流した時に発生する磁束の向きを合わせるように上記各プリント基板が対向して設けられて構成され、該プリント基板で挟まれた空間に発生する静磁場に該共鳴セルを設けるのが好ましい(請求項3)。
さらに、本発明の原子発振器の静磁場印加構造(請求項4)は、所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、コの字状の金属棒と当該金属棒に巻き付けられたソレノイドコイルとが磁場発生回路として設けられるとともに、該コの字状の金属棒端に挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴としている。
ここで、該磁場発生回路は、多層プリント基板の内層に形成され該金属棒として機能する直線状の導体パターンと、該内層を両面から挟む層に形成された導体パターン同士をビアホールにより接続することによって該直線状の導体パターンの周囲を囲むように形成され該ソレノイドコイルとして機能する螺旋状回路と、該直線状の導体パターンの両端に設けられた磁束放出用のアンテナ部材とをそなえて構成し、該アンテナ部材で挟まれた空間に該共鳴セルを設けるのが好ましい(請求項5)。
上記本発明によれば、複数の磁界発生手段(ソレノイドコイル)を組み合わせることで、ソレノイドコイル間に挟まれた空間に静磁場域を実現する、又はコの字型金属棒にソレノイドコイルを巻き付けて、コの字型金属棒端で挟まれた空間に静磁場域を実現するので、原子発振器を構成する静磁場発生回路を、小型・低コストで実現できる。また、従来技術のように共鳴セルをソレノイドコイルに内包する等の階層化構造をとる必要がないため、原子発振器の構成条件を柔軟に変更することが可能であり、原子発振器の小型化、構造の簡素化による低コスト化に大きく寄与する。
〔A〕原理説明
図1は本発明の原理を説明するための図で、筒状部材3(なくてもよい)に同方向に線材を巻き付けられて形成された2つの磁界発生手段としてのコイル(ソレノイドコイル)1,2が、それぞれの中心軸を合わせて或る程度距離を離して配置され、同方向に電流Iを流した時に発生する磁場の様子を模式的に示している。周知のように、コイルに電流を流すと磁場が発生し、その向きはフレミングの法則により一義的に決まる。この図1に示すように、2個のコイル1,2がそれぞれ発生する磁束の向きが同じであれば、コイル1のN極から出た磁束はコイル2のS極に収束される。このため、コイル1とコイル2との間の空間は一方向への磁束場となり静磁場を形成できることが分かる。
図1は本発明の原理を説明するための図で、筒状部材3(なくてもよい)に同方向に線材を巻き付けられて形成された2つの磁界発生手段としてのコイル(ソレノイドコイル)1,2が、それぞれの中心軸を合わせて或る程度距離を離して配置され、同方向に電流Iを流した時に発生する磁場の様子を模式的に示している。周知のように、コイルに電流を流すと磁場が発生し、その向きはフレミングの法則により一義的に決まる。この図1に示すように、2個のコイル1,2がそれぞれ発生する磁束の向きが同じであれば、コイル1のN極から出た磁束はコイル2のS極に収束される。このため、コイル1とコイル2との間の空間は一方向への磁束場となり静磁場を形成できることが分かる。
一方、図2も本発明の原理を説明するための図で、コの字状に成形した金属棒4の中央部に線材を巻き付けてコイル(ソレノイドコイル)5を形成したものを示している。このコイル5に電流を流すと、その電流の向き、コイル巻き付け方向に対応した磁束が発生する。このようにコイル5が金属棒4に巻き付けて形成されている場合、その磁束は金属棒4内に収束し、金属棒4内を経路として分布する。そして、コの字状の金属棒4の場合では、この図2に示す通り、一方の端部4aから他方の端部4bに向かって磁束が分布する。つまり、コイル5に一定の直流電流を流し続けた場合、コの字状の金属棒4の端部4a,4bで挟まれた領域は静磁場領域となる。このように、コイル5内に金属棒4を内蔵し、コイル5に電流を流した時に発生する磁束の向きを任意に設定することで、静磁場発生回路の構成が容易になる。このように、コの字状の金属棒4は機構材で簡単に成形可能で、それにソレノイドコイル5を形成することも簡単である。これらの機構構造を用いて静磁場域は簡単に生成できる。
そして、本発明では、上記のように形成した静磁場領域に原子発振器の共鳴セルを配置することにより、必要な静磁場を共鳴セルに印加することが可能となる。したがって、従来のように、共鳴セルをソレノイドコイル内に配置する場合には、少なくとも共鳴セルを内蔵できるだけのコイル直径が必要となるが、本発明では、共鳴セルの大きさ等の制約を回避することが可能となる。
以下、それぞれの原理を基にした実施形態について説明する。
〔B〕第1実施形態の説明
図3(A)〜図3(C)に本発明の第1実施形態を示す。これらの図3(A)〜図3(C)において、26及び27はプリント基板、5はルビジウム原子やセシウム原子等の原子が封止された共鳴セル、7は共鳴セル105が内包される円筒状の空洞共振器をそれぞれ示す。そして、プリント基板(第1のプリント基板)26には、図3(A)に示すように、ポンピング光を上記原子が封止された共鳴セル105に導くことが可能な孔部(光通過孔)260が設けられており、プリント基板(第2のプリント基板)27には、図3(B)に示すように、上記ポンピング光をモニタするためのPD等の光検出器(図示省略)が取り付けられている。さらに、これらのプリント基板26,27には、いずれも、市販又はカスタム形成された磁界発生手段としての第1及び第2のコイル(ソレノイドコイル)28が上記ポンピング光の経路(光通過孔260)を塞がないように実装されている。なお、ソレノイドコイル28は、挿入実装部品(IMD:Insertion Mount Device)タイプでも表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)タイプでもよい。
〔B〕第1実施形態の説明
図3(A)〜図3(C)に本発明の第1実施形態を示す。これらの図3(A)〜図3(C)において、26及び27はプリント基板、5はルビジウム原子やセシウム原子等の原子が封止された共鳴セル、7は共鳴セル105が内包される円筒状の空洞共振器をそれぞれ示す。そして、プリント基板(第1のプリント基板)26には、図3(A)に示すように、ポンピング光を上記原子が封止された共鳴セル105に導くことが可能な孔部(光通過孔)260が設けられており、プリント基板(第2のプリント基板)27には、図3(B)に示すように、上記ポンピング光をモニタするためのPD等の光検出器(図示省略)が取り付けられている。さらに、これらのプリント基板26,27には、いずれも、市販又はカスタム形成された磁界発生手段としての第1及び第2のコイル(ソレノイドコイル)28が上記ポンピング光の経路(光通過孔260)を塞がないように実装されている。なお、ソレノイドコイル28は、挿入実装部品(IMD:Insertion Mount Device)タイプでも表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)タイプでもよい。
そして、図3(C)に示すように、光通過孔260の設けられたプリント基板26が空洞共振器7の一方のポンピング光導入のための開口部7aに、第1のソレノイドコイル28が空洞共振器7(以下、単に「共振器7」ともいう)内に内包される向きで取り付けられるとともに、光検出器の設けられたプリント基板27が共振器7の他方の開口部7bに、同じく第2のソレノイドコイル28が共振器7内に内包される向きで取り付けられる。つまり、各ソレノイドコイル28が共振器7内で共鳴セル105全体を挟むように内包され、かつ、共振器7の両端面(開口部7a,7b)を覆うようにプリント基板26,27が取り付けられる。
このようにプリント基板26,27と共振器7とで囲まれた導体壁空間が原子発振器の共鳴周波数(ルビジウム原子発振器の場合は6.834…GHz)で共振する寸法関係に設定される。なお、プリント基板26,27に実装されたソレノイドコイル28は、ここでは、同一巻き方向に設定され、同一方向に直流電流が流されるようになっている。このため、本例では、2つのソレノイドコイル28の巻き方向は同一としている。もっとも、発生する磁束の向きを合わせる(揃える)ことを条件にコイル巻きの向きと、流す電流の向きは任意に選択することが可能である。
これにより、各ソレノイドコイル28に電流を流すと、対向する各ソレノイドコイル28で挟まれた空間に静磁場域が発生し、共鳴セル105に静磁場を印加することが可能となる。つまり、本例では、2つのソレノイドコイル28が互いに空間を空けて設けられるとともに、これらのソレノイドコイル28で挟まれた空間に共鳴セル105が設けられた構造になっているのである。なお、他の原子発振器の構成は基本的に図10により前述した構成と同様である。
ここで、前述のごとく、必要な静磁場強度は従来機で約45(A/m)程度である。ソレノイドコイル28の長さが半径に対して十分に長くない場合は、半径a、長さL、単位当たりの巻き数n、電流Iとしたときに、磁場の強さHは次式(1)により算出できる。
H=nIL/(L2+4a2)1/2 …(1)
つまり、電流、巻き数、長さが同一であれば、半径が小さい方が発生する磁場は強くなる。本実施形態のコイル半径は従来例よりも小さいことが特徴であるため、従来と同等の磁場強度を得るには巻き数、電流を減らして実現することが可能となる。ここで、実現性を確認するため、従来例および本実施形態における数値計算を下記表1に掲載する。本実施形態の条件は、コイル長さ:3mm、コイル半径:3mm、線材径:0.25mm、電流:15mAとして算出した。
H=nIL/(L2+4a2)1/2 …(1)
つまり、電流、巻き数、長さが同一であれば、半径が小さい方が発生する磁場は強くなる。本実施形態のコイル半径は従来例よりも小さいことが特徴であるため、従来と同等の磁場強度を得るには巻き数、電流を減らして実現することが可能となる。ここで、実現性を確認するため、従来例および本実施形態における数値計算を下記表1に掲載する。本実施形態の条件は、コイル長さ:3mm、コイル半径:3mm、線材径:0.25mm、電流:15mAとして算出した。
この表1に示すように、コイル1個でも十分な磁場の強さ26〔A/m〕が実現可能である。本実施形態では、2個のコイル28を対向させて利用するので、更に強い磁場を形成することが可能である。この点からも十分に実現性が確認できる。
以上のように、本実施形態によれば、2個の分離したソレノイドコイル28の組み合わせにより原子発振器のOMUを構成する静磁場発生回路を、小型・低コストで実現できる。また、従来技術のように共鳴セルをソレノイドコイルに内包する等の階層化構造をとる必要がないため、原子発振器の構成条件を柔軟に変更することが可能であり、原子発振器の小型化、構造の簡素化による低コスト化に大きく寄与する。
以上のように、本実施形態によれば、2個の分離したソレノイドコイル28の組み合わせにより原子発振器のOMUを構成する静磁場発生回路を、小型・低コストで実現できる。また、従来技術のように共鳴セルをソレノイドコイルに内包する等の階層化構造をとる必要がないため、原子発振器の構成条件を柔軟に変更することが可能であり、原子発振器の小型化、構造の簡素化による低コスト化に大きく寄与する。
〔B1〕第1変形例の説明
次に、上述したソレノイドコイル28を、例えば図4に示すように、多層プリント基板30を用いて構成する例について説明する。この図4において、31,32,33は、それぞれ、多層プリント基板(ここでは、3層プリント基板)30の層間パターンを示している。この図4に示すように、当該多層プリント基板30の各層にはそれぞれ一部分が寸断された環状導体パターン281がマイクロストリップライン(又はストリップライン)により形成され、これら各層の環状導体パターン281が、螺旋状の電気回路、つまり、ソレノイドコイルを形成するよう、点線で示すごとく、ビアホール(スルーホールともいう)(又はインナービアホール)282により電気的に接続されている。また、多層プリント基板30の最上層及び最下層の表皮面には電流印加用のフットパターン283が設けられている。なお、各層に形成する導体パターンは、多層プリント基板30の中心部に共鳴セル105へのポンピング光を通過させる孔部を設けることができれば、上記のような環状ではなく、多角形状で形成してもよい。
次に、上述したソレノイドコイル28を、例えば図4に示すように、多層プリント基板30を用いて構成する例について説明する。この図4において、31,32,33は、それぞれ、多層プリント基板(ここでは、3層プリント基板)30の層間パターンを示している。この図4に示すように、当該多層プリント基板30の各層にはそれぞれ一部分が寸断された環状導体パターン281がマイクロストリップライン(又はストリップライン)により形成され、これら各層の環状導体パターン281が、螺旋状の電気回路、つまり、ソレノイドコイルを形成するよう、点線で示すごとく、ビアホール(スルーホールともいう)(又はインナービアホール)282により電気的に接続されている。また、多層プリント基板30の最上層及び最下層の表皮面には電流印加用のフットパターン283が設けられている。なお、各層に形成する導体パターンは、多層プリント基板30の中心部に共鳴セル105へのポンピング光を通過させる孔部を設けることができれば、上記のような環状ではなく、多角形状で形成してもよい。
このような構造により、例えば層間パターン31のフットパターン283にプラス電位を、層間パターン33のフットパターン283にマイナス電位を印加すると、その電位差に応じた電流が流れる。今、その電流経路は中心軸が等しい螺旋回路状になっており、ソレノイドコイルを形成している。
そして、このような構造を有する多層プリント基板30を少なくとも2組用意して、前記のプリント基板26,27に代えて、例えば図5に示すように、共振器7の対向する開口部に取り付け、それぞれの多層プリント基板30が発生する磁束の向きを合わせることで、対向する多層プリント基板30で挟まれた空間に静磁場域を発生させる、つまり、共鳴セル105に静磁場を印加することが可能となる。
そして、このような構造を有する多層プリント基板30を少なくとも2組用意して、前記のプリント基板26,27に代えて、例えば図5に示すように、共振器7の対向する開口部に取り付け、それぞれの多層プリント基板30が発生する磁束の向きを合わせることで、対向する多層プリント基板30で挟まれた空間に静磁場域を発生させる、つまり、共鳴セル105に静磁場を印加することが可能となる。
なお、本例では3層プリント基板を例にしたが、4層以上の多層プリント基板を用いてもよく、また、単層プリント基板を用いることもできる。共鳴セル105の形状、大きさにより必要な磁界強度は異なるが、コイルの磁界強度は流す電流により調整可能であり、巻き数の不足分は電流値を増加することで補うことが可能である。
以上のように、本変形例では、多層プリント基板30の層間に環状導体パターン282をパターニングしてソレノイドコイルを構成することができるので、従来のようなコイル形成のための巻線工程が不要であり、また、共鳴セル105の小型化に伴って空洞共振器7も小型化でき、原子発振器の大幅な小型化及び低コスト化を図ることができる。
以上のように、本変形例では、多層プリント基板30の層間に環状導体パターン282をパターニングしてソレノイドコイルを構成することができるので、従来のようなコイル形成のための巻線工程が不要であり、また、共鳴セル105の小型化に伴って空洞共振器7も小型化でき、原子発振器の大幅な小型化及び低コスト化を図ることができる。
〔B2〕第2変形例の説明
次に、前述した静磁場印加構造の第2変形例について、図6を参照しながら説明する。図6(A)及び図6(B)には、円柱状の共鳴セル105の対向する両平面部5a,5bに、それぞれ、一部分が寸断された環状導体パターン284をメタライズ(蒸着)したものを示している。なお、図6(A)は共鳴セル105の模式的斜視図、図6(B)は共鳴セル105の平面部5a(5b)を模式的に示す図である。また、本例においても、導体パターンは、ポンピング光を通過させる孔部を設けることができれば多角形の任意のパターンでも構わない。
次に、前述した静磁場印加構造の第2変形例について、図6を参照しながら説明する。図6(A)及び図6(B)には、円柱状の共鳴セル105の対向する両平面部5a,5bに、それぞれ、一部分が寸断された環状導体パターン284をメタライズ(蒸着)したものを示している。なお、図6(A)は共鳴セル105の模式的斜視図、図6(B)は共鳴セル105の平面部5a(5b)を模式的に示す図である。また、本例においても、導体パターンは、ポンピング光を通過させる孔部を設けることができれば多角形の任意のパターンでも構わない。
そして、寸断されたパターン端285に直流電位を印加すると、その電位差に応じた電流が流れ、環状導体パターン284の中心軸を貫く方向に磁束が生じる。共鳴セル105の両平面部5a,5bに設けられたこの環状導体パターン284から生じる磁束向きが同一方向であれば、これらに挟まれた領域は静磁場域となる。つまり、本例は、巻き数が1ターンのソレノイドコイルを構成した場合に相当する。よって、本例では、金属メタライズコイルを成形したが、銅線等の金属導体を接着剤等で貼り付けて構成しても同様な作用効果が得られる。なお、本例の場合は従来と同等の磁場強度を得るには大きな電流を流す必要があるが、共鳴セル105の小型化を進めれば、より微小な磁界強度で機能実現できるようになるので、その場合には、本例の構造は有効である。
このように、共鳴セル105の平面部に直接導体パターン284を形成して共鳴セル105と静磁場発生回路とを一体化することにより、必要な静磁場域の発生を可能としつつ、原子発振器のさらなる小型化及び低コスト化を図ることができる。
〔B3〕第3変形例の説明
なお、図3により前述した例では、2つのソレノイドコイル28を用いた場合について説明したが、3つ以上のソレノイドコイル28を用いることもできる。例えばソレノイドコイル28を3つ用いる場合は、図7(A)及び図7(C)に示す前記と同様のソレノイドコイル28が設けられたプリント基板26及び27に加えて、図7(B)に示すようなソレノイドコイル28の設けられたプリント基板26′をさらに用意する。ここで、このプリント基板26′には、共鳴セル105を貫通できるだけの径をもつ孔部(貫通孔)261が設けられており、この貫通孔261を塞がないようにソレノイドコイル28が取り付けられている。
〔B3〕第3変形例の説明
なお、図3により前述した例では、2つのソレノイドコイル28を用いた場合について説明したが、3つ以上のソレノイドコイル28を用いることもできる。例えばソレノイドコイル28を3つ用いる場合は、図7(A)及び図7(C)に示す前記と同様のソレノイドコイル28が設けられたプリント基板26及び27に加えて、図7(B)に示すようなソレノイドコイル28の設けられたプリント基板26′をさらに用意する。ここで、このプリント基板26′には、共鳴セル105を貫通できるだけの径をもつ孔部(貫通孔)261が設けられており、この貫通孔261を塞がないようにソレノイドコイル28が取り付けられている。
そして、図3(C)に示す場合と同様に、図7(D)に示すように、光通過孔260の設けられたプリント基板26を、共振器7の一方のポンピング光導入のための開口部7aに、ソレノイドコイル28が共振器7内に内包される向きで取り付け、光検出器の設けられたプリント基板27を、共振器7の他方の開口部7bに、同じくソレノイドコイル28が共振器7内に内包される向きで取り付け、プリント基板26′を、貫通孔261に共鳴セル105を通して例えば共鳴セル105の中間位置に取り付ける。つまり、この場合は、プリント基板26′を境に共鳴セル105の一部分がそれぞれ共振器7内の対向するソレノイドコイル28で挟まれた空間に配置されることになる。なお、この場合も、発生する磁束の向きを合わせることを条件にコイル巻きの向きと流す電流の向きとを設定する。
これにより、3つのソレノイドコイル28のそれぞれに電流を流すと、対向する各ソレノイドコイル28で挟まれた空間にそれぞれ同じ向きの磁束が発生し静磁場域が発生する。したがって、本例の場合は、図3(A)〜図3(C)により前述したものよりも、同じ電流量でより強い静磁場を印加することが可能となる。
なお、上記の各プリント基板26′,27及び28についても、それぞれ又は一部を、図4により前述したような多層プリント基板30を用いて構成してもよい。また、上述した第1実施形態及びその変形例で説明した静磁場発生回路は、2種以上適宜に組み合わせてもよい。例えば、図3(A)に示す構造において、共鳴セル105を挟み込む一方の基板を図3(A)又は図3(B)に示す基板26又は27とし、他方を図4に示す多層プリント基板30としてもよいし、一方を図6(A)に示したような蒸着構造にすることもできる。
なお、上記の各プリント基板26′,27及び28についても、それぞれ又は一部を、図4により前述したような多層プリント基板30を用いて構成してもよい。また、上述した第1実施形態及びその変形例で説明した静磁場発生回路は、2種以上適宜に組み合わせてもよい。例えば、図3(A)に示す構造において、共鳴セル105を挟み込む一方の基板を図3(A)又は図3(B)に示す基板26又は27とし、他方を図4に示す多層プリント基板30としてもよいし、一方を図6(A)に示したような蒸着構造にすることもできる。
〔C〕第2実施形態の説明
図8は本発明の第2実施形態を示す図で、(A)は多層(3層)プリント基板40の層間パターン41,42,43を示す模式的斜視図、(B)はこの多層プリント基板40を用いて図2により前述したものと同等の静磁場発生回路を実現する構成を示す模式的斜視図、(C)は(B)に示す静磁場発生回路に共鳴セル105を設けた構成を示す模式的斜視図である。
図8は本発明の第2実施形態を示す図で、(A)は多層(3層)プリント基板40の層間パターン41,42,43を示す模式的斜視図、(B)はこの多層プリント基板40を用いて図2により前述したものと同等の静磁場発生回路を実現する構成を示す模式的斜視図、(C)は(B)に示す静磁場発生回路に共鳴セル105を設けた構成を示す模式的斜視図である。
図8(A)に示すように、多層プリント基板40の中間層の層間パターン42としては、直線状の導体パターン(以下、直線パターンという)421がマイクロストリップライン(又はストリップライン)により形成されるとともに、その両端にビアホール422が形成され、この中間層の層間パターン42を両面から挟む層間パターン41,43としては、それぞれ、上記直線パターン421を横切り(直線パターン421と交差し)互い違いの位置関係になるように複数の導体パターン411,431が所定間隔を空けて並行にマイクロストリップライン(又はストリップライン)により形成されている。
そして、これらの導体パターン411,431の両端には、それぞれ、ビアホール(又はインナービアホール)413,433が設けられており、これらのビアホール413,433の位置に対応して中間層の層間パターン42に設けられたビアホール(又はインナービアホール)423を介して各層間パターン41,43の導体パターン411及び431が電気的に接続される〔図8(B)参照〕。これにより、中間層の層間パターン42の直線パターン421を囲む螺旋状回路、即ち、ソレノイドコイルが構成される。つまり、この螺旋状回路は、図2のコイル5として機能し、上記の直線パターン421は、図2の当該コイル5が形成された金属棒4部分として機能するのである。
したがって、上記螺旋状回路に電流印加用のフットパターン414,434〔図8(A)及び図8(B)参照〕から直流電流を流すと、磁束が生じ、中間層の層間パターン42の直線パターン421に収束し、直線パターン421を通過して、そのパターン端(金属端)から空間に放出される。ここで、図2により前述したように、金属端は一方がN極、他方がS極を形成するので、金属棒4をコの字状に成形すると、その端部で挟まれた領域に静磁場域を発生させることができる。つまり、ソレノイドコイル5が作る磁界発生域を、金属を用いて任意に設定が可能となる。
そこで、直線パターン421の両端に、各層41,42,43に設けられたビアホール412,422,432〔図8(A)参照〕を介して金属ピン(アンテナ部材)29〔図8(B)参照〕を電気的に接続する。これにより、中間層の層間パターン42の直線パターン421と併せてコの字状の金属棒が構成され、これらの金属ピン29で挟まれた空間に静磁場域を発生させることができる。したがって、例えば図8(C)に示すように、両金属ピン29間に共鳴セル105を配置すれば、当該共鳴セル105に必要な静磁場を印加することが可能となる。
なお、本例では、コの字状の金属棒4を構成するために金属ピン29を用いたが、フレキシブルプリント基板等を用いて、アンテナ部も一体形成すれば、パターニングのみで同等の静磁場域を発生させる構造にすることも可能である。また、少なくとも静磁場域を発生させるアンテナとして機能する2端が構成されれば任意の形状で実現できる。
ところで、透磁率の低い金属は長時間磁界中にさらされると着磁し、金属棒4自体の磁界とソレノイドコイル5の磁界が重畳し、静磁場の磁界強度が強まり磁界強度が一様でなくなる可能性がある。そこで、上記の導体パターン411,421,431には、それぞれ透磁率の高い材質(例えば、パーマロイや銅、銅箔に金属メッキを施したもの等)を用いるのが望ましい。
ところで、透磁率の低い金属は長時間磁界中にさらされると着磁し、金属棒4自体の磁界とソレノイドコイル5の磁界が重畳し、静磁場の磁界強度が強まり磁界強度が一様でなくなる可能性がある。そこで、上記の導体パターン411,421,431には、それぞれ透磁率の高い材質(例えば、パーマロイや銅、銅箔に金属メッキを施したもの等)を用いるのが望ましい。
以上のように、本実施形態によれば、金属棒4及びソレノイドコイル5を構成するのに必要な導体パターンをパターニングした多層プリント基板40を用いて静磁場発生回路を構成することができるので、ソレノイドコイル5の巻線作業が不要であり、大幅な小型(薄型)化、低コスト化を図ることができる。
〔C1〕変形例の説明
上述した第2実施形態では、直線パターン422を中間層(層間パターン42)に1本だけ形成しているが、例えば図9(A)に示すように、複数(ここでは、3本)の直線パターン421を中間層の層間パターン42として並行に形成し、この層間パターン42を挟む層間パターン41,43として、それぞれ、各直線パターン421を横切り(直線パターン421と交差し)互い違いの位置関係になるように3本の直線パターン421に共通の導体パターン411,431を複数、所定間隔を空けて並行に形成するようにしてもよい。なお、直線パターン433を3本形成することに伴い、各層間パターン41,42,43のビアホール412,422,432もそれぞれ3組設けられている。また、他の既述の符号と同一符号を付したものは特に断らない限り既述のものと同一もしくは同様のものである。
〔C1〕変形例の説明
上述した第2実施形態では、直線パターン422を中間層(層間パターン42)に1本だけ形成しているが、例えば図9(A)に示すように、複数(ここでは、3本)の直線パターン421を中間層の層間パターン42として並行に形成し、この層間パターン42を挟む層間パターン41,43として、それぞれ、各直線パターン421を横切り(直線パターン421と交差し)互い違いの位置関係になるように3本の直線パターン421に共通の導体パターン411,431を複数、所定間隔を空けて並行に形成するようにしてもよい。なお、直線パターン433を3本形成することに伴い、各層間パターン41,42,43のビアホール412,422,432もそれぞれ3組設けられている。また、他の既述の符号と同一符号を付したものは特に断らない限り既述のものと同一もしくは同様のものである。
そして、この場合も、各層間パターン41,43のビアホール413,433の位置に対応して中間層の層間パターン42に設けられたビアホール423を介して各層41,43の導体パターン411及び431を電気的に接続する〔図9(B)参照〕ことにより、層間パターン42の3本の直線パターン421を囲む螺旋状回路、即ち、ソレノイドコイルが構成される。つまり、この螺旋状回路は、図2のコイル5として機能し、当該コイル5に、それぞれ金属棒として機能する3本の直線パターン421が内包されているのである。
そしてさらに、各直線パターン421の両端に、それぞれ、各層間パターン41,42,43に設けられたビアホール412,422,432〔図9(A)参照〕を介して合計6本の金属ピン(アンテナ部材)29〔図9(B)参照〕を電気的に接続することにより、中間層の層間パターン42の各直線パターン421と併せて3組のコの字状の金属棒が構成され、それぞれの金属ピン29間で挟まれた空間に静磁場域を発生させることができる。
したがって、例えば図9(C)に示すように、金属ピン29間に共鳴セル105を配置すれば、図9(A)〜図9(C)に示した構成に比して、より大きな強度の静磁場を共鳴セル105に印加することが可能となる。特に、本例の場合は、3本の直線パターン421に対して螺旋状回路を構成する導体パターン411,413を共通としているので、直線パターン421毎にそれぞれを囲むための導体パターン411,413を設ける場合よりも多層プリント基板40に必要な面積を最小限に抑制しつつ、より強度な静磁場を発生させることができる。
以上説明したように、上述した各実施形態によれば、2個以上のソレノイドコイルを組み合わせることで、ソレノイドコイル間に挟まれた空間に静磁場域を実現する、又はコの字型金属棒にソレノイドコイルを巻きつけて直流電流を流すことで、コの字型金属棒端で挟まれた空間に静磁場域を実現するので、原子発振器のOMUを構成する静磁場発生回路を、小型・低コストで実現できる。また、従来技術のように共鳴セルをソレノイドコイルに内包する等の階層化構造をとる必要がないため、原子発振器の構成条件を柔軟に変更することが可能であり、原子発振器の小型化、構造の簡素化による低コスト化に大きく寄与する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔D〕付記
(付記1)
所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、
複数の磁界発生手段が互いに空間を空けて設けられるとともに、
該磁界発生手段で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、原子発振器の静磁場印加構造。
〔D〕付記
(付記1)
所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、
複数の磁界発生手段が互いに空間を空けて設けられるとともに、
該磁界発生手段で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、原子発振器の静磁場印加構造。
(付記2)
該磁界発生手段が、それぞれ、直流電流を流すことにより磁界を発生するソレノイドコイルにより構成されたことを特徴とする、付記1記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記3)
該静磁場発生回路が、第1のソレノイドコイルを実装した第1のプリント基板と、第2のソレノイドコイルを実装した第2のプリント基板とをそなえるとともに、前記各ソレノイドコイルに直流電流を流した時に発生する磁束の向きを合わせるように上記各プリント基板が対向して設けられて構成され、
該プリント基板で挟まれた空間に発生する静磁場に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、付記2記載の原子発振器の静磁場印加構造。
該磁界発生手段が、それぞれ、直流電流を流すことにより磁界を発生するソレノイドコイルにより構成されたことを特徴とする、付記1記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記3)
該静磁場発生回路が、第1のソレノイドコイルを実装した第1のプリント基板と、第2のソレノイドコイルを実装した第2のプリント基板とをそなえるとともに、前記各ソレノイドコイルに直流電流を流した時に発生する磁束の向きを合わせるように上記各プリント基板が対向して設けられて構成され、
該プリント基板で挟まれた空間に発生する静磁場に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、付記2記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記4)
該プリント基板がそれぞれ多層プリント板により構成され、各層に形成された環状導体パターンを各層に設けられたビアホールを介して電気的に接続することで該ソレノイドコイルを構成したことを特徴とする、付記3記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記5)
該静磁場発生回路が、該共鳴セル自体に、それぞれ、円形又は多角形で一部寸断された環状導体パターンを、当該導体パターンに直流電流を流した時に発生する磁束の向きが揃うような位置関係で少なくとも2個形成し、該環状導体パターンで挟まれた空間に静磁場域を発生するように構成されたことを特徴とする、付記1記載の原子発振器の静磁場印加構造。
該プリント基板がそれぞれ多層プリント板により構成され、各層に形成された環状導体パターンを各層に設けられたビアホールを介して電気的に接続することで該ソレノイドコイルを構成したことを特徴とする、付記3記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記5)
該静磁場発生回路が、該共鳴セル自体に、それぞれ、円形又は多角形で一部寸断された環状導体パターンを、当該導体パターンに直流電流を流した時に発生する磁束の向きが揃うような位置関係で少なくとも2個形成し、該環状導体パターンで挟まれた空間に静磁場域を発生するように構成されたことを特徴とする、付記1記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記6)
所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、
コの字状の金属棒と当該金属棒に巻き付けられたソレノイドコイルとが磁場発生回路として設けられるとともに、
該コの字状の金属棒端に挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、原子発振器の静磁場印加構造。
所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、
コの字状の金属棒と当該金属棒に巻き付けられたソレノイドコイルとが磁場発生回路として設けられるとともに、
該コの字状の金属棒端に挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、原子発振器の静磁場印加構造。
(付記7)
該磁場発生回路が、多層プリント基板の内層に形成され該金属棒として機能する直線状の導体パターンと、該内層を両面から挟む層に形成された導体パターン同士をビアホールにより接続することによって該直線状の導体パターンの周囲を囲むように形成され該ソレノイドコイルとして機能する螺旋状回路と、該直線状の導体パターンの両端に設けられた磁束放出用のアンテナ部材とをそなえて構成され、
該アンテナ部材で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、付記6記載の原子発振器の静磁場印加構造。
該磁場発生回路が、多層プリント基板の内層に形成され該金属棒として機能する直線状の導体パターンと、該内層を両面から挟む層に形成された導体パターン同士をビアホールにより接続することによって該直線状の導体パターンの周囲を囲むように形成され該ソレノイドコイルとして機能する螺旋状回路と、該直線状の導体パターンの両端に設けられた磁束放出用のアンテナ部材とをそなえて構成され、
該アンテナ部材で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、付記6記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記8)
該直線状の導体パターンが該内層に複数並列して形成されるとともに、該アンテナ部材が該直線状の導体パターン毎に設けられ、且つ、該螺旋状回路が前記各直線状の導体パターンの全体を共通して囲むように形成されていることを特徴とする、付記7記載の原子発振器の静磁場印加構造。
該直線状の導体パターンが該内層に複数並列して形成されるとともに、該アンテナ部材が該直線状の導体パターン毎に設けられ、且つ、該螺旋状回路が前記各直線状の導体パターンの全体を共通して囲むように形成されていることを特徴とする、付記7記載の原子発振器の静磁場印加構造。
(付記9)
該原子がルビジウム原子であることを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の原子発振器の静磁場印加構造。
該原子がルビジウム原子であることを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の原子発振器の静磁場印加構造。
以上詳述したように、本発明によれば、原子発振器に必要な静磁場印加構造を小型かつ低コストで実現できるので、各種情報通信に必要なクロック源として用いられる原子発振器の小型化及び低コスト化に大いに寄与し、その有用性は極めて高いものと考えられる。
1,2,5,28 コイル(ソレノイドコイル)
3 筒状部材
4 コの字状の金属棒
4a,4b 端部
5a,5b 平面部
7 空洞共振器
7a,7b 開口部
26,26′,27 プリント基板
29 金属ピン
30,40 多層(3層)プリント基板
31〜33,41〜43 層間パターン
105 共鳴セル(セル)
260 孔部(光通過孔)
261 孔部(貫通孔)
281,284 環状導体パターン
282 ビアホール(又はインナーホール)
283,414,434 フットパターン
285 パターン端
411,421,431 導体パターン
412,413,422,423,432,433 ビアホール(又はインナーホール)
3 筒状部材
4 コの字状の金属棒
4a,4b 端部
5a,5b 平面部
7 空洞共振器
7a,7b 開口部
26,26′,27 プリント基板
29 金属ピン
30,40 多層(3層)プリント基板
31〜33,41〜43 層間パターン
105 共鳴セル(セル)
260 孔部(光通過孔)
261 孔部(貫通孔)
281,284 環状導体パターン
282 ビアホール(又はインナーホール)
283,414,434 フットパターン
285 パターン端
411,421,431 導体パターン
412,413,422,423,432,433 ビアホール(又はインナーホール)
Claims (5)
- 所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、
複数の磁界発生手段が互いに空間を空けて設けられるとともに、
該磁界発生手段で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、原子発振器の静磁場印加構造。 - 該磁界発生手段が、それぞれ、直流電流を流すことにより磁界を発生するソレノイドコイルにより構成されたことを特徴とする、請求項1記載の原子発振器の静磁場印加構造。
- 該静磁場発生回路が、第1のソレノイドコイルを実装した第1のプリント基板と、第2のソレノイドコイルを実装した第2のプリント基板とをそなえるとともに、前記各ソレノイドコイルに直流電流を流した時に発生する磁束の向きを合わせるように上記各プリント基板が対向して設けられて構成され、
該プリント基板で挟まれた空間に発生する静磁場に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、請求項2記載の原子発振器の静磁場印加構造。 - 所定の原子を封入した共鳴セルに静磁場を印加するための、原子発振器の静磁場印加構造であって、
コの字状の金属棒と当該金属棒に巻き付けられたソレノイドコイルとが磁場発生回路として設けられるとともに、
該コの字状の金属棒端に挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、原子発振器の静磁場印加構造。 - 該磁場発生回路が、多層プリント基板の内層に形成され該金属棒として機能する直線状の導体パターンと、該内層を両面から挟む層に形成された導体パターン同士をビアホールにより接続することによって該直線状の導体パターンの周囲を囲むように形成され該ソレノイドコイルとして機能する螺旋状回路と、該直線状の導体パターンの両端に設けられた磁束放出用のアンテナ部材とをそなえて構成され、
該アンテナ部材で挟まれた空間に該共鳴セルが設けられたことを特徴とする、請求項4記載の原子発振器の静磁場印加構造。
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