JP2017059865A - 原子発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化、低背化を図るとともに、ガスセル内の温度変化による発振特性の不安定化を抑制し、安定した発振特性を持続可能な原子発振器を提供することにある。【解決手段】少なくとも、金属原子が封入されているガスセルと、前記ガスセルの周囲に配置されるコイルと、前記ガスセルに励起光を射出する光源と、を備える原子発振器であって、少なくとも、前記ガスセルと、前記コイルと、が収容される第1収容体と、前記第1収容体と、前記光源と、が収容される第2収容体と、を備え、前記第1収容体と、前記第2収容体と、の間に、熱移送素子と、配熱部材と、が挟持される原子発振器。【選択図】図1

Description

本発明は、原子発振器に関する。
ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別される。
いずれの方式の原子発振器においても、アルカリ金属をガスセル内に緩衝ガスとともに封入されており、このガスセルに入射した光が、アルカリ金属にどれだけ吸収されたかを反対側に設けられた検出器で検出することによって原子共鳴を検知し、検知された原子共鳴を制御系によって基準信号として出力する。このような原子発振器として、基板上にガスセルを設け、ガスセルを挟んだ両側に光(励起光)の光源と、検出部とが配置されている構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、CPTを利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器に比し小型であることから、様々な電子機器へ原子発振器を組み込むことが期待されており、さらなる小型化、低背化が望まれている。
特開2009−231688号公報
しかしながら、小型化、低背化を図ることにより、温度干渉による光軸のずれや、ガスセル内の金属原子が外部の磁気の影響を受け易いため発振特性が不安定になってしまうなどの不具合を生じる虞が大きくなってしまう。
本発明の目的は、小型化、低背化を図るとともに、ガスセル内の温度変化による発振特性の不安定化を抑制し、安定した発振特性を持続可能な原子発振器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の原子発振器は、少なくとも、金属原子が封入されているガスセルと、前記ガスセルの周囲に配置されるコイルと、前記ガスセルに励起光を射出する光源と、を備える原子発振器であって、少なくとも、前記ガスセルと、前記コイルと、が収容される第1収容体と、前記第1収容体と、前記光源と、が収容される第2収容体と、を備え、前記第1収容体と、前記第2収容体と、の間に、熱移送素子と、配熱部材と、が挟持されることを特徴とする。
本適用例の原子発振器によれば、高い温度環境下で使用しても、熱移送素子によって、ガスセルに発生する過剰な熱量を熱移送素子の低温側から高温側に移動させることで、ガスセルの温度環境の変化に対して、所望の温度に収束、維持させることができ、安定した発振特性を得ることができる。また、熱移送素子に熱的に接続させた配熱部材を第1収容体、もしくは第2収容体に熱的に接続させることにより、ガスセルから第1収容体に移動した過剰な熱量、もしくは熱移送素子の高温側に移動された過剰な熱量が配熱部材に蓄熱される。そして、過剰な熱量が配熱部材に蓄熱されることにより、配熱部材に熱的に接続される第2収容体、あるいは熱移送素子に対して高い熱勾配を形成し、ガスセルから外気に触れる第2収容体まで多くの熱量を移動させることができる。これにより、ガスセルユニットに生じた過剰な熱量をより短時間に外部へ放熱することができ、高温環境下であっても安定した発振特性を有する原子発振器を得ることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記配熱部材が、前記第2収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持されていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、外気に触れる第2収容体に過剰な熱量が蓄熱された配熱部材が熱的に接続されることとなり、短時間に過剰な熱量を外部へ放熱することができ、高温環境下であっても安定した発振特性を有する原子発振器を得ることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記配熱部材が、前記第1収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持されていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、ガスセルに生じた過剰な熱量は、ガスセルを収容した第1収容体に熱的に接続されて配熱部材が配置され、これにより配熱部材に過剰な熱量は容易に蓄熱することができる。そして、配熱部材に熱的に接続された熱移送素子は、配熱部材からは強制的に蓄熱した過剰な熱量を吸熱し、熱移送素子の高温側に移動させる。従って、短時間に過剰な熱量を外部へ放熱することができ、高温環境下であっても安定した発振特性を有する原子発振器を得ることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記配熱部材は、第1配熱部材と第2配熱部材と、を備え、前記第1配熱部材が、前記第2収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持され、前記第2配熱部材が、前記第1収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持されていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、ガスセルに生じた過剰な熱量は、ガスセルを収容した第1収容体に熱的に接続されて第2配熱部材が配置され、これにより第2配熱部材に過剰な熱量は容易に蓄熱することができる。そして、第2配熱部材に熱的に接続された熱移送素子は、第2配熱部材からは強制的に蓄熱した過剰な熱量を吸熱し、熱移送素子の高温側に移動させる。加えて、外気に触れる第2収容体に過剰な熱量が蓄熱された第1配熱部材が熱的に接続されることとなり、短時間に過剰な熱量を外部へ放熱することができる。従って、短時間に過剰な熱量を外部へ放熱することができ、高温環境下であっても安定した発振特性を有する原子発振器を得ることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記配熱部材の熱伝導率ks、前記第1配熱部材の熱伝導率ks1、前記第2配熱部材の熱伝導率ks2、前記第1収容体の熱伝導率kp1、前記第2収容体の熱伝導率kp2、とした場合、
ks>kp1、ks>kp2
もしくは、
ks1>kp2、ks2>kp1
であることを特徴とする。
ガスセルに生じた過剰熱量は、第1収容体と第2配熱部材とを介して熱移送素子へ、熱移送素子から第1配熱部材と第2収容体とを介して外気に放出される。従って、第1収容体から熱移送素子への第2配熱部の材熱伝達ロス、および熱移送素子から第2収容体への第1配熱部材の熱伝達ロスを抑制しなければならない。そこで、上述の適用例によれば、第1配熱部材の熱伝導率を第2収容体の熱伝導率より高くし、第2配熱部材の熱伝導率を第1収容体の熱伝導率より高くすることで、熱伝達ロスを低減することができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記第1収容体と前記第2収容体と、によって前記配熱部材と前記熱移送素子と、を挟持される方向からの平面視において、前記配熱部材は前記第2収容体に対して偏在していることを特徴とする。
第2収容体の一部を覆うように、原子発振器を含む原子発振装置を構成する回路部品などが第2収容体の外部に配置される場合、第2収容体からの排熱(放熱)が回路部品などによって阻害されてしまう。そこで、上述の適用例によれば、原子発振器の平面視において、配熱部材を第2収容体と回路部品などとの重なる領域を避けて、第2収容体に対して偏在させて配置させることで、過剰熱量の放出領域を形成することができる。
〔適用例7〕上述の適用例において、前記第1収容体および前記第2収容体は、磁気遮蔽体であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、ガスセルを収容する第1収容体および第1収容体を収容する第2収容体の二重の収容体が、磁気遮蔽体であることで、磁気によるガスセル内の金属原子への影響を抑制し、発振特性の安定化を図ることが可能となる。
第1実施形態に係る原子発振器の概略を示す正断面図。 第1実施形態に係る原子発振器の概略を示し、図1に示すA−A´部の断面図。 図1および図2に示す原子発振器の概略構成図。 第1実施形態に係る原子発振器のガスセル内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図。 第1実施形態に係る原子発振器の光射出部(光源)および光検出部について、光射出部(光源)からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフ。 図1に示すB部の構成を模式的に示す拡大模式図。 第1実施形態に係る原子発振器のその他の形態を示す平面概要図。 第1実施形態に係る原子発振器のその他の形態を示す平面概要図。 第2実施形態に係る原子発振器の概略を示す正断面図。 図9に示すD部の構成を模式的に示す拡大模式図。 第3実施形態に係る原子発振器を示す正断面図。 第4実施形態に係る電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムの概略構成を示す図。 第5実施形態に係る電子機器の一例としてのクロック伝送システムを示す概略構成図。 第6実施形態に係る移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、第1実施形態に係る原子発振器の概略を示し、図1は正断面図、図2は図1に示すA−A´部の断面図である。
図1および図2に示す原子発振器100は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。原子発振器100は、ガスセルユニット10と、光射出部20と、ガスセルユニット10を収納し、本実施形態に係る原子発振器100では磁気遮蔽性を有する第1収容体としてのガスセル側磁気遮蔽体40(以下、セル側遮蔽体40という)と、を備えている。
ガスセルユニット10は、ガスセル11と、ガスセル11を保持し、後述するヒーターに発生させる熱をガスセル11に伝導させるガスセル保持部材12と、ガスセル保持部材12のX軸方向に沿った外周面に巻き付けられるコイル13と、を備えている。
ガスセル11は、柱状の貫通孔を有する本体部11aと、その貫通孔の両側の開口を1対の窓部11b,11cによって封鎖することにより、内部空間Sが形成される。ガスセルの内部空間Sには、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。
光射出部20は、柱状の貫通孔を有する本体部21aと、その貫通孔の両側の開口を封鎖する1対の蓋部21b,21cと、により構成される光源収容体21と、光源収容体21に収容、固定された光源22とを有する。光源22は、ガスセル11中のアルカリ金属原子を励起する励起光を射出する機能を有する。光源22は、光源収容体21の内部に励起光の射出方向(図示矢印の光軸方向R)に沿ってガスセル11と対向するように配置され、本体部21aの励起光の射出方向と交差する領域に貫通孔21dが設けられており、この貫通孔21dを通って光源22からガスセル11に向かって励起光が射出される。
射出された励起光は、ガスセル保持部材12と、光軸方向Rと、が交差する部分に形成された貫通孔12a,12bのうち、光射出部20側の貫通孔12aに配置された光学部品14,15を透過する。本実施形態では、光源22側からガスセル11側へ、光学部品14,15の順に配置されている。光学部品14は、λ/4波長板である。これにより、光源22からの励起光を直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。光学部品15は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル11に入射する励起光の強度を調整(減少)させることができる。そのため、光源22の出力が大きい場合でも、ガスセル11に入射する励起光を所望の光量とすることができる。
ガスセル保持部材12の光軸方向Rと並行する外周部12cには、外周部12cに沿ってコイル13が巻き付けられている。コイル13は、通電により、磁場を発生させる機能を有する。これにより、ガスセル11中のアルカリ金属に磁場を印加することにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器100の発振周波数の精度を高めることができる。なお、コイル13が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。また、このコイル13は、ガスセル11を囲むように設けられたソレノイドコイルであってもよいし、ガスセル11を挟むように設けられたヘルムホルツコイルであってもよい。
ガスセル11を挟んで光射出部20と光軸方向Rに沿って対向する位置に光検出部30を備えている。光検出部30は、ガスセル11内を透過した後述する励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)の強度を検出する機能を有する。本実施形態では、光検出部30は、接着剤31を介してガスセル保持部材12に接合されている。ここで、接着剤31としては、公知の接着剤を用いることができる。また、この光検出部30としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
上述したガスセルユニット10と、光検出部30と、はセル側遮蔽体40の内部に収容されている。セル側遮蔽体40は、基板50に載置される基部42と、箱状の蓋体41と、を備え、基部42に載置される光検出部30を備えたガスセルユニット10を覆うように蓋体41を被せて基部42に合わせることでセル側遮蔽体40を構成する。セル側遮蔽体40は、セル側遮蔽体40の内部に対する外部からの磁気を遮蔽する機能を有し、セル側遮蔽体40に収容されるガスセルユニット10への外部からの磁気を遮蔽する。
蓋体41のガスセル保持部材12に形成された貫通孔12aに対向する位置、即ち励起光の通過位置には、貫通孔41aが設けられている。なお、貫通孔41aには、励起光を透過し得る材料であれば、特に限定されないが、例えば透明ガラス、透明石英ガラス、透明水晶などが気密接合されていてもよい。このように、貫通孔41aが気密接合されていることで、セル側遮蔽体40内を気密空間とすることが可能となる。なお、図1および図2では、図示を省略しているが、セル側遮蔽体40には、前述した部品以外の部品が収納されていてもよい。また、図示しないが、基板50には、セル側遮蔽体40の外部からガスセルユニット10への通電のための複数の配線などが設けられている。
蓋体41および基部42の構成材料としては、磁気遮蔽効果を有していることがなお好ましく、例えば、鉄(Fe)、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、アモルファス、センダスト)、銅(Cu)、銅合金などの軟磁性材料がより好ましい。このような材料を蓋体41および基部42に用いることにより、外部からの磁気(磁場の変化)をセル側遮蔽体40によって遮蔽することができる。これにより、外部からの磁気(磁場の変化)によるガスセル11内の金属原子への影響を抑制し、原子発振器100としての発振特性の安定化を図ることが可能となる。
基部42には、蓋体41が接合され、蓋体41の開口が基部42により封鎖される。基部42と蓋体41との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。なお、基部42と蓋体41との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
また、基部42と蓋体41とは気密的に接合されているのが好ましい。すなわち、セル側遮蔽体40内が気密空間であることが好ましい。これにより、セル側遮蔽体40内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器100の特性を向上させることができる。特に、セル側遮蔽体40内は、減圧状態であることが好ましい。これにより、セル側遮蔽体40内の空間を介した熱の伝達を抑制することができる。そのため、ガスセル保持部材12とセル側遮蔽体40の外部との間や、セル側遮蔽体40内の空間を介した、後述するヒーターとガスセル11との間の熱干渉を抑制することができる。そのため、ヒーターの熱がガスセル保持部材12を介して効率的に2つの窓部11b,11cへ伝達し、2つの窓部11b,11c間の温度差を抑制することができる。また、ガスセルユニット10とセル側遮蔽体40の外部との間の熱の伝達をより効果的に抑制することができる。
図2に示すように、本実施形態に係る原子発振器100は、ガスセルユニット10を加熱する加熱素子としてのヒーター60を備えている。ヒーター60は、通電により発熱する発熱抵抗体(発熱部)である。ヒーター60は、セル側遮蔽体40の外部に配置され、ヒーター60が発生した熱は、セル側遮蔽体40を介してガスセル11に伝達される。
本実施形態に係る原子発振器100では、ヒーター60はセル側遮蔽体40の蓋体41の外部に高熱伝導率接着剤によって接着固定される形態を例示する。しかしこれに限定されず、ヒーター60が発生する熱の伝達ロスを少なくする手段であれば、ヒーター60の配置手段は限定されない。例えば、金属ろうによるろう付け、ねじによる物理的な固定手段であってもよい。
ヒーター60が発生した熱は、ガスセル11に伝達され、ガスセル11を所定の温度に維持し、ガスセル11中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。なお、ヒーター60に代えて、あるいは、ヒーター60と併用して、ペルチェ素子を用いてもよい。この場合、ペルチェ素子の発熱側の部分が発熱部を構成する。
また、原子発振器100は、図1および図2に示すように、ガスセルユニット10が内部に収納されたセル側遮蔽体40と、光検出部30と、ヒーター60と、光射出部20と、を収納する磁気遮蔽性を有する第2収容体としての外殻磁気遮蔽体70(以下、外殻遮蔽体70という)を備えている。外殻遮蔽体70は、底部72と、外殻蓋体71とを備え、外殻蓋体71の開口が基板50により封鎖されている。これにより、セル側遮蔽体40を収納する空間が形成されている。そして、外殻蓋体71が配置される基板50の面の反対面に底部72が配置され、外部磁気から内部を遮蔽する外殻遮蔽体70が構成される。
外殻蓋体71および底部72の構成材料としては、磁気遮蔽効果を有していることがより好ましく、例えば、鉄(Fe)、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、アモルファス、センダスト)、銅(Cu)、銅合金などの軟磁性材料が好ましい。このような材料を、外殻蓋体71および底部72に用いることにより、外部からの磁気(磁場の変化)を外殻遮蔽体70によって遮蔽することができる。加えて、外殻遮蔽体70と空気層や基板50の透磁率の低い層を挟んでセル側遮蔽体40が設けられている二重の磁気遮蔽体となることから、外部からの磁気(磁場の変化)によるガスセル11内の金属原子への影響を、より大きく抑制することが可能となる。
図1に示すように、セル側遮蔽体40の蓋体41の上外面41bと、外殻遮蔽体70の外殻蓋体71における上外面41bに対向する内上面71aと、の間に熱移送素子としてのペルチェ素子80と、ペルチェ素子80と外殻蓋体71の内上面71aとの間に配熱部材90と、が配置されている。そして、セル側遮蔽体40の蓋体41と、ペルチェ素子80と、配熱部材90と、外殻蓋体71と、は熱的に接続されている。熱的な接続とは、互いに隣り合う構成要素間での熱エネルギーの移動が可能なように接続されている状態を示す。
ペルチェ素子80は、セル側遮蔽体40の蓋体41側から、外殻遮蔽体70の外殻蓋体71に向けて熱エネルギーを移動させるように、図示しない制御手段によって制御される。言い換えると、ペルチェ素子80の蓋体41に接する面80a(後述する図6参照)が冷却面に、外殻蓋体71側の配熱部材90に接する面80b(後述する図6参照)が放熱面になるように制御されている。以下、面80aを冷却面80a、面80bを放熱面80b、という。
配熱部材90は、ペルチェ素子80の放熱面80bから放熱される熱を、外殻蓋体71へ伝達する機能を有する。そして、配熱部材90の熱伝導率は、外殻蓋体71の熱伝導率より高いことが好ましい。そこで、配熱部材90は、上述した外殻蓋体71を形成する材料に対して高い熱伝導率を備える、例えばアルミニウム、チタン、およびそれらを含む合金、で形成されることが好ましい。本実施形態では、アルミニウムを例に説明する。
基板50は、基板50の一面に、前述したように、ガスセルユニット10を収納したセル側遮蔽体40と、励起光を射出する光源22を有する光射出部20と、を覆う外殻遮蔽体70の外殻蓋体71と、が接続されている。また、基板50の一面の裏面には、外殻遮蔽体70を構成する底部72が接続されている。なお、基板50の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、セラミックス材料等を用いることができる。また、図示しないが、基板50には、外部からガスセルユニット10、あるいは光射出部20への通電のための複数の配線および複数の端子が設けられている。
図3は、図1,2に示す原子発振器100の動作を示す概略構成図である。また、図4は、図1,2に示す原子発振器100のガスセル11内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図5は、図1,2に示す原子発振器100の光射出部20(光源22)および光検出部30について、光射出部20(光源22)からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。
先ず、原子発振器100の原理を簡単に説明する。原子発振器100では、ガスセル11内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。アルカリ金属は、図4に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1,2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、および共鳴光2を照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、および共鳴光2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光1の周波数ω1と、共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、および基底状態2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、および共鳴光2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT(Coherent Population Trapping)現象、または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光源22は、ガスセル11に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を射出する。例えば、光源22が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部30の検出強度は、図5に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
本実施形態に係る原子発振器100は、図3に示すように、光射出部20に備える光源22から、ガスセル11に向かって励起光LLがガスセル11への入射光として射出される。励起光LLとして、前述したように、周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)が射出される。共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル11中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル11中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
この光源22としては、前述したような励起光を射出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
光射出部20から射出された励起光LLは、励起光LLの光軸方向R上のガスセル保持部材12に形成された貫通孔12aに設けられている光学部品14,15を透過する。光学部品14は、上述したようにλ/4波長板であり、光源22から射出された直線偏光の励起光LLを、円偏光(右偏光あるいは左偏光)に変換することができる。次に、光学部品15は、減光フィルター(NDフィルター)であり、ガスセル11に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができ、光源22の出力が大きい場合でも、ガスセル11に入射する励起光LLを所望の光量とすることができる。
光学部品14によって励起光LLが円偏光に変換されることによって、コイル13の磁場によりガスセル11内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光LLがアルカリ金属原子に照射されると、励起光LLとアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器100の発振特性を向上させることができる。
なお、光源22とガスセル11との間には、波長板および減光フィルターの他に、レンズ、偏光板等の他の光学部品が配置されていてもよい。また、光源22からの励起光の強度によっては、光学部品15を省略することができる。
ガスセル11内を透過した励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)は、光検出部30により強度が検出される。励起光LLの光検出部30による検出結果は、制御部110(図1,2には図示されない)に備える励起光制御部111に入力され、光源22から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を光検出部30の検出結果に基づいて制御する。より具体的には、励起光制御部111は、前述した光検出部30によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光源22から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を制御する。また、励起光制御部111は、光源22から射出される共鳴光1、共鳴光2の中心周波数を制御する。これにより、前述したようなEIT信号を検出することができる。そして、制御部110は、図示しない水晶発振器の信号をEIT信号に同期して出力させる。
制御部110には、温度制御部112、および磁場制御部113を備えている。温度制御部112には、図1,2には図示されないガスセル11の温度を検出する温度センサー61およびペルチェ素子80側に設置された温度センサー81からの計測検出結果に基づいて、ヒーター60およびペルチェ素子80への通電を制御し、ガスセル11を所望の温度範囲内に維持する。磁場制御部113は、コイル13が発生する磁場が一定となるように、コイル13への通電を制御する。
なお、このような制御部110は、例えば、原子発振器100が実装される実装基板上に実装された電子回路装置(例えば、半導体装置)に設けられている。なお、制御部110が外殻遮蔽体70、あるいはセル側遮蔽体40の内部に設けられていてもよい。
上述したようにガスセル11内のアルカリ金属をガス状に維持させるために、ガスセル11はヒーター60により加熱制御されている。しかし、ガスセル11を含む原子発振器100が設置されている外部環境、特に温度環境は、ガスセル11内の温度を変化させる要因となっている。例えば、ガスセル11内の所定温度に対して外部温度が高温である場合には、仮にヒーター60の稼働を停止しても、外部からの熱移動により所定の温度でガスセル11内を維持することが困難となる。
また、ヒーター60によってガスセル11を加熱する場合、ガスセル11が所定温度に達するまで、あるいはその直前までヒーター60に通電し、ガスセル11が所望の温度に達した時点で通電を遮断する動作をさせるが、上昇し始めたガスセル11の温度は電力の遮断と同時に所望の温度で維持されるわけではなく、ガスセル11の所望温度を超えて上昇し、その後下降する、いわゆるオーバーシュートを起こす。
そこで、ガスセル11を冷却するペルチェ素子80を備えることによって、外部の温度環境、およびヒーター60による加熱のオーバーシュート、などによるガスセル11の温度変化を温度センサー61および温度センサー81によって検出し、検出された温度データに基づき温度制御部112が、ヒーター60による加熱、あるいはペルチェ素子80による冷却の作動を制御し、ガスセル11を所望の温度範囲に維持することができる。なお、本実施形態では温度センサー61,81を備える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、温度センサー61からの温度データのみでヒーター60とペルチェ素子80と、を制御してもよく、あるいは温度センサー61,81に加えて1以上の温度センサーを配置してもよい。原子発振器100が設置される環境、あるいは要求される温度管理条件、などから温度センサーの数、配設位置は適宜、設定すればよい。
図6は、図1に示すB部の構成を模式的に示す拡大模式図である。図6に示すように、ガスセル11を含むガスセルユニット10の過剰熱量Koは、ガスセル保持部材12から、セル側遮蔽体40の蓋体41を経由して、ペルチェ素子80の冷却面80a側に伝達される。ペルチェ素子80の中では、ペルチェ効果によって蓋体41から伝達された過剰熱量Koがペルチェ素子80の冷却面80aから放熱面80bに向けて移動される。
放熱面80bに移動された過剰熱量Koは、放熱面80bに接続された配熱部材90に伝達される。配熱部材90は、過剰熱量Koが排熱される外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の外側の温度、いわゆる外気温度がペルチェ素子80の放熱面80bの温度より低いことで、放熱面80bから外殻蓋体71に向けて温度が下降する温度勾配が生じている。この温度勾配によって、放熱面80bに移動された過剰熱量Koは、放熱面80bより低温の配熱部材90側に移動する。
放熱面80bに熱的に接続された配熱部材90の第1の面90aから配熱部材90内に移動し、蓄熱される過剰熱量Koは、温度勾配の低温側である配熱部材90の外殻蓋体71に熱的に接続される第2の面90b側に移動する。そして、第2の面90bに移動した過剰熱量Koは熱的に接続された外殻蓋体71に移動し、外殻蓋体71の外面71bから大気に排熱される。
上述したガスセルユニット10から大気に排出される過剰熱量Koの移動経路において、配熱部材90は、図示するZ軸方向からの平面視において、ペルチェ素子80と重なるように配置される。そして、好ましくは配熱部材90の平面視形状の中にペルチェ素子80の平面視形状が含まれることで、ペルチェ素子80の放熱面80bに移動した熱を、確実に配熱部材90に移動させることができる。また、好ましくは配熱部材90の第2の面90bの平面視における面積が、ペルチェ素子80の放熱面80bの平面視の面積より大きくすることで、配熱部材90から外殻蓋体71への伝達可能な熱量を大きくすることができる。従って、放熱面80bから配熱部材90に移動した過剰熱量Koを、より短時間に外殻蓋体71に伝達することができる。
また、第2の面90bを大きくすることによって、外殻蓋体71の広範囲にわたって過剰熱量Koを排熱し、更に、大気への放熱領域(放熱面積)が広くなり、短時間に過剰熱量Koを大気に放出することができる。従って、ペルチェ素子80によって、強制的にガスセルユニット10に生じた過剰熱量Koを吸熱することで、短時間にガスセルユニット10に含むガスセル11の温度を所定の温度に維持することが可能となり、配熱部材90によって短時間にペルチェ素子80の放熱面80bに移動した過剰熱量Koを大気中に放熱することで、外殻遮蔽体70内部の温度上昇を抑制することができ、放熱面80bに移動した過剰熱量Koの一部が外殻遮蔽体70の内部で還流してガスセルユニット10を加熱することが防止できる。
上述した過剰熱量Koの大気中への放出経路において、配熱部材90の熱伝導率をks、外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の熱伝導率をkp2、とした場合、
ks>kp2 (1)
であることが好ましい。外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の外表面が過剰熱量Koの放出面として機能することから、ペルチェ素子80の放熱面80bに移動された過剰熱量Koを短時間に配熱部材90の第2の面90bに移動させても、外殻蓋体71内の広い範囲に分散されて大気中に放熱させることができる。従って、式(1)を満足させることによって、ペルチェ素子80から配熱部材90に伝達される過剰熱量Koを、短時間に大気中に放出することができる。
図7は、図1あるいは図6に示す本実施形態に係る原子発振器100のペルチェ素子80、および配熱部材90が、複数備えられている実施形態に係る原子発振器200を示すZ軸方向からの平面視を示す部分概要図である。図7に示す原子発振器200では、4個のペルチェ素子281,282,283,284が備えられ、それぞれのペルチェ素子281,282,283,284に熱的に接続された配熱部材291,292,293,294を備えている。そして、配熱部材291,292,293,294は外殻蓋体71の内上面71aと熱的に接続されている。
このように複数のペルチェ素子281,282,283,284、および配熱部材291,292,293,294を備える構成の原子発振器200とすることにより、外殻蓋体71と、外殻蓋体71に熱的に接続される配熱部材291,292,293,294と、の接続面積を大きくすることができ、ガスセル11を含むガスセルユニット10から大きな熱量を、大気へと放出することができる。その結果、ガスセル11の所定の温度に短時間で収束させることができる。また、複数のペルチェ素子281,282,283,284のいずれかが故障しても、残された動作可能なペルチェ素子によって、ガスセル11の所定温度を維持させることができる。
図8は、図1あるいは図6に示す第1実施形態に係る原子発振器100の配熱部材90の配置が異なる実施形態に係る原子発振器300を示すZ軸方向からの平面視を示す概要図である。図8に示す原子発振器300では、外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の外面71bの一部を覆うように、原子発振器300を含む原子発振装置を構成する回路部品310が配置される場合、外殻蓋体71の外面71bからの排熱(放熱)が回路部品310によって阻害されてしまう。そこで、配熱部材390は、Z軸方向の平面視において、回路部品310の重なる領域を避けて、外殻遮蔽体70に対して偏在させて配置させることができる。
以上説明した配熱部材90,291,292,293,294,390を配置することによって、ペルチェ素子80もしくはペルチェ素子281,282,283,284から伝達される過剰熱量Ko(図6参照)を、熱伝導率の高い配熱部材95,291,292,293,294,390を伝達させて、大気に解放されている外殻蓋体71の外面71bから排熱させることができる。従って、本実施形態に係る原子発振器100,200,300は、高い温度環境下で使用しても、ペルチェ素子80もしくはペルチェ素子281,282,283,284によって、ガスセル11を含むガスセルユニット10から過剰な熱量をペルチェ素子80もしくはペルチェ素子281,282,283,284の冷却側から吸熱させることで、ガスセル11の温度環境の変化に対して、所望の温度に収束、維持させることができ、安定した発振特性を得ることができる。また、ペルチェ素子80もしくはペルチェ素子281,282,283,284に熱的に接続させた配熱部材90,291,292,293,294,390を外殻遮蔽体70に熱的に接続させることにより、ペルチェ素子80もしくはペルチェ素子281,282,283,284から伝達された過剰な熱量を蓄熱した上で、外殻遮蔽体70に伝達し外部(外気)へ放熱させる。これにより、ガスセルユニット10に生じた過剰な熱量をより短時間に外部へ放熱することができ、安定した発振特性を有する原子発振器100,200,300を得ることができる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る原子発振器400を示す。本実施形態に係る原子発振器400は、図1あるいは図6に示す第1実施形態に係る原子発振器100の配熱部材90の配置のみが異なり、その他の構成は同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図9は、原子発振器400を示す正断面図であり、図9に示すC−C´部の断面図は、図2と同じとなる。
図9に示すように、本実施形態に係る原子発振器400は、セル側遮蔽体40の蓋体41に配熱部材490が熱的に接続され、配熱部材490と、外殻遮蔽体70に外殻蓋体71の内上面71aと、の間にペルチェ素子80が挟持されている。
図10は、図9に示すD部の構成を模式的に示す模式図である。図10に示すように、ガスセル11を含むガスセルユニット10の過剰熱量Koは、ガスセル保持部材12から、セル側遮蔽体40の蓋体41を経由して、蓋体41に熱的に接続された配熱部材490の第1の面490aから配熱部材490に伝達される。配熱部材490は、過剰熱量Koが排熱されるセル側遮蔽体40の蓋体41の上外面41bの温度がペルチェ素子80の冷却面80aの温度より高いことで、蓋体41の上外面41bから冷却面80aに向けて温度が下降する温度勾配が生じている。この温度勾配によって、蓋体41の上外面41bに移動された過剰熱量Koは、温度勾配に沿ってペルチェ素子80に熱的に接続される第2の面490bに向けて配熱部材490内を移動する。
第2の面490bに移動された過剰熱量Koは、ペルチェ素子80の内部を冷却面80aから放熱面80bに向けて移動し、放熱面80bが熱的に接続された外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の内上面71aから、外殻蓋体71に移動する。そして、過剰熱量Koは、外殻蓋体71の外面71bから大気に排熱される。
上述したガスセルユニット10から大気に排出される過剰熱量Koの移動経路において、配熱部材490は、図示するZ軸方向からの平面視において、ペルチェ素子80と重なるように配置される。そして、好ましくは配熱部材490の平面視形状の中にペルチェ素子80の平面視形状が含まれることで、ペルチェ素子80の冷却面80aに、配熱部材490の第1の面490aから第2の面490bの冷却面80aとの接続領域に向けた温度勾配に沿って過剰熱量Koが集約され、ペルチェ素子80に伝達される。また、好ましくは配熱部材490の第1の面490aの平面視における面積が、ペルチェ素子80の冷却面80aの平面視の面積より大きくすることで、配熱部材490のセル側遮蔽体40の蓋体41からの熱移動領域を大きくし、配熱部材490への伝達可能な熱量を大きくすることができる。そして、ペルチェ素子80への移動熱量が大きくなることによって、より短時間に過剰熱量Koの大気への排熱を行うことができる。
上述した過剰熱量Koの大気中への放出経路において、配熱部材490の熱伝導率をks、セル側遮蔽体40の蓋体41の熱伝導率をkp1、とした場合、
ks>kp1 (2)
であることが好ましい。セル側遮蔽体40の蓋体41に過剰熱量Koが伝達され、ペルチェ素子80の冷却面80aには配熱部材490を介して過剰熱量Koが移動される。ペルチェ素子80は、供給される電力によって熱移動量、すなわち冷却面80aの冷却温度が制御可能な素子であることから、冷却面80aにより多くの過剰熱量Koを集約することがガスセルユニット10の冷却を短時間に行うことができる。従って、式(2)を満足させることによって、配熱部材490に急峻な温度勾配を持たせることができ、短時間にガスセルユニット10の冷却をすることができる。
本実施形態に係る原子発振器400は、高い温度環境下で使用しても、セル側遮蔽体40を介してガスセルユニット10と熱的に接続された配熱部材490にガスセルユニット10に発生した過剰熱量Koを蓄熱し、更に配熱部材490に熱的に接続されたペルチェ素子80によって蓄熱された過剰な熱量が吸熱される。従って、ガスセル11の温度環境の変化に対して、所望の温度に収束、維持させることができ、安定した発振特性を得ることができる。そして、ペルチェ素子80に熱的に接続させた外殻遮蔽体70に、ペルチェ素子80内を移動させた過剰な熱量が伝達され、外部(外気)へ放熱させる。これにより、ガスセルユニット10に生じた過剰な熱量をより短時間に外部へ放熱することができ、安定した発振特性を有する原子発振器400を得ることができる。
本実施形態に係る原子発振器400においても、第1実施形態に係る原子発振器100と同様に、ペルチェ素子80および配熱部材490を、複数備えていてもよい。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る原子発振器500を示す正断面図である。原子発振器500は、第1実施形態に係る原子発振器100に備える配熱部材90の形態のみが異なる構成である。従って、第3実施形態に係る原子発振器500の説明では、第1実施形態に係る原子発振器100と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。また、図11に示すE−E´部の断面図は図2と同じであるため、図示および説明は省略する。
図11に示す原子発振器500は、セル側遮蔽体40の蓋体41と、外殻遮蔽体70の外殻蓋体71と、の間にペルチェ素子80が配置される。そしてペルチェ素子80と、外殻蓋体71の内上面71aと、の間に第1配熱部材591が挟持されている。更に、ペルチェ素子80と、セル側遮蔽体40の蓋体41の上外面41bと、の間に第2配熱部材592が挟持されている。
このように、ペルチェ素子80と、配熱部材591,592と、を配設することにより、ガスセル11を含むガスセルユニット10に生じる過剰熱量Koを、短時間に外殻遮蔽体70の外、いわゆる大気中に放出することができ、ガスセル11の所望温度を安定して維持させることができる。
すなわち、ペルチェ素子80と、第1配熱部材591と、は図6でも説明した通り、ガスセルユニット10から大気に排出される過剰熱量Koの移動経路において、第1配熱部材591は、図示するZ軸方向からの平面視において、ペルチェ素子80と重なるように配置される。そして、好ましくは第1配熱部材591の平面視形状の中にペルチェ素子80の平面視形状が含まれることで、ペルチェ素子80の放熱面80bに移動した熱を、確実に第1配熱部材591に移動させることができる。また、好ましくは第1配熱部材591の第2の面591bの平面視における面積が、ペルチェ素子80の放熱面80bの平面視の面積より大きくすることで、第1配熱部材591から外殻蓋体71への伝達可能な熱量を大きくすることができる。従って、放熱面80bから第1配熱部材591に移動した過剰熱量Koを、より短時間に外殻蓋体71に伝達することができる。
また、第1配熱部材591の第2の面591bを大きくすることによって、外殻蓋体71の広範囲にわたって過剰熱量Koを排熱し、更に、大気への放熱領域(放熱面積)が広くなり、短時間に過剰熱量Koを大気に放出することができる。従って、ペルチェ素子80によって、強制的にガスセルユニット10に生じた過剰熱量Koを吸熱することで、短時間にガスセルユニット10に含むガスセル11の温度を所定の温度に維持することが可能となり、第1配熱部材591によって短時間にペルチェ素子80の放熱面80bに移動した過剰熱量Koを大気中に放熱することで、外殻遮蔽体70内部の温度上昇を抑制することができ、放熱面80bに移動した過剰熱量Koの一部が外殻遮蔽体70の内部で還流してガスセルユニット10を加熱することが防止できる。
上述した過剰熱量Koの大気中への放出経路において、第1配熱部材591の熱伝導率をks1、外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の熱伝導率をkp2、とした場合、
ks1>kp2 (3)
であることが好ましい。外殻遮蔽体70の外殻蓋体71の外表面が過剰熱量Koの放出面として機能することから、ペルチェ素子80の放熱面80bに移動された過剰熱量Koを短時間に第1配熱部材591の第2の面591bに移動させても、外殻蓋体71内の広い範囲に分散されて大気中に放熱させることができる。従って、式(3)を満足させることによって、ペルチェ素子80から第1配熱部材591に伝達される過剰熱量Koを、短時間に大気中に放出することができる。
また、ペルチェ素子80と、第2配熱部材592と、は図10でも説明した通り、ガスセルユニット10から大気に排出される過剰熱量Koの移動経路において、第2配熱部材592は、図示するZ軸方向からの平面視において、ペルチェ素子80と重なるように配置される。そして、好ましくは第2配熱部材592の平面視形状の中にペルチェ素子80の平面視形状が含まれることで、ペルチェ素子80の冷却面80aに、第2配熱部材592の第1の面592aから第2の面592bの冷却面80aとの接続領域に向けた温度勾配に沿って過剰熱量Koが集約され、ペルチェ素子80に伝達される。また、好ましくは第2配熱部材592の第1の面592aの平面視における面積が、ペルチェ素子80の冷却面80aの平面視の面積より大きくすることで、第2配熱部材592のセル側遮蔽体40の蓋体41からの熱移動領域を大きくし、第2配熱部材592への伝達可能な熱量を大きくすることができる。そして、ペルチェ素子80への移動熱量が大きくなることによって、より短時間に過剰熱量Koの大気への排熱を行うことができる。
上述した過剰熱量Koの大気中への放出経路において、第2配熱部材592の熱伝導率をks2、セル側遮蔽体40の蓋体41の熱伝導率をkp1、とした場合、
ks2>kp1 (4)
であることが好ましい。セル側遮蔽体40の蓋体41に過剰熱量Koが伝達され、ペルチェ素子80の冷却面80aには第2配熱部材592を介して過剰熱量Koが移動される。ペルチェ素子80は、供給される電力によって熱移動量、すなわち冷却面80aの冷却温度が制御可能な素子であることから、冷却面80aにより多くの過剰熱量Koを集約することがガスセルユニット10の冷却を短時間に行うことができる。従って、式(4)を満足させることによって、第2配熱部材592に急峻な温度勾配を持たせることができ、短時間にガスセルユニット10の冷却をすることができる。
本実施形態に係る原子発振器500は、高い温度環境下で使用しても、セル側遮蔽体40を介してガスセルユニット10と熱的に接続された第2配熱部材592にガスセルユニット10に発生した過剰熱量Koを蓄熱し、更に第2配熱部材592に熱的に接続されたペルチェ素子80によって蓄熱された過剰な熱量が吸熱される。従って、ガスセル11の温度環境の変化に対して、所望の温度に収束、維持させることができ、安定した発振特性を得ることができる。
そして、第2配熱部材592に蓄熱された過剰な熱量が、ペルチェ素子80によって第1配熱部材591側に移動され、第1配熱部材591に熱的に接続された外殻遮蔽体70に伝達し外部(外気)へ放熱させる。これにより、ガスセルユニット10に生じた過剰な熱量をより短時間に外部へ放熱することができ、安定した発振特性を有する原子発振器500を得ることができる。
本実施形態に係る原子発振器500では、第1実施形態に係る原子発振器100と同様に、複数のペルチェ素子80、複数の第1配熱部材591および複数の第2配熱部材592を備えていてもよい。また、第1配熱部材591は、図8に示す第1実施形態に係るその他の原子発振器300に備える配熱部材390同様に、Z軸方向の平面視において、回路部品310の重なる領域を避けて、外殻遮蔽体70に対して偏在させて配置させることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器100,200,300あるいは第2実施形態に係る原子発振器400、もしくは第3実施形態に係る原子発振器500のいずれかを備える電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムを説明する。図12は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器100を備える形態を説明する。
図12に示す測位システム1000は、GPS衛星1100と、基地局装置1200と、GPS受信装置1300とで構成されている。GPS衛星1100は、測位情報(GPS信号)を送信する。基地局装置1200は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ1201を介してGPS衛星1100からの測位情報を高精度に受信する受信装置1202と、この受信装置1202で受信した測位情報を、アンテナ1203を介して送信する送信装置1204とを備える。
ここで、受信装置1202は、その基準周波数発振源として前述した本発明に係る第1実施形態の原子発振器100を備える電子装置である。このような受信装置1202は、優れた信頼性を有する。また、受信装置1202で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置1204により送信される。GPS受信装置1300は、GPS衛星1100からの測位情報を、アンテナ1301を介して受信する衛星受信部1302と、基地局装置1200からの測位情報を、アンテナ1303を介して受信する基地局受信部1304とを備える。
(第5実施形態)
第5実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器100,200,300あるいは第2実施形態に係る原子発振器400、もしくは第3実施形態に係る原子発振器500のいずれかを備える電子機器の一例としてクロック伝送システムを説明する。図13は、クロック伝送システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器100を備える形態を説明する。
図13に示すクロック伝送システム2000は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
このクロック伝送システム2000は、A局(上位(N系))のクロック供給装置(CSM:Clock Supply Module)2001およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置2002と、B局(上位(E系))のクロック供給装置2003およびSDH装置2004と、C局(下位)のクロック供給装置2005およびSDH装置2006,2007とを備える。クロック供給装置2001は、原子発振器100を有し、N系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置2001内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック2008,2009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置2002は、クロック供給装置2001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置2005に伝送する。クロック供給装置2003は、原子発振器100を有し、E系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置2003内の原子発振器100は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック2008,2009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置2004は、クロック供給装置2003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置2005に伝送する。クロック供給装置2005は、クロック供給装置2001,2003からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置2005は、通常、クロック供給装置2001からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置2005は、クロック供給装置2003からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置2006は、クロック供給装置2005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置2007は、クロック供給装置2005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器100,200,300あるいは第2実施形態に係る原子発振器400、もしくは第3実施形態に係る原子発振器500のいずれかを備える移動体の一例として自動車を例に説明する。図14は、移動体としての自動車に本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器100を備える形態を説明する。
図14に示す移動体としての自動車3000は、車体3001と、4つの車輪3002とを有しており、車体3001に設けられた図示しない動力源によって車輪3002を回転させるように構成されている。このような自動車3000には、原子発振器100が内蔵されている。そして、原子発振器100からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の原子発振器を組み込む電子機器または移動体は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、デジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
以上、本発明の原子発振器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、前述した実施形態の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
10…ガスセルユニット、20…光射出部、30…光検出部、40…ガスセル側磁気遮蔽体、50…基板、70…外殻磁気遮蔽体、80…ペルチェ素子、90…配熱部材、100…原子発振器。

Claims (7)

  1. 少なくとも、金属原子が封入されているガスセルと、前記ガスセルの周囲に配置されるコイルと、前記ガスセルに励起光を射出する光源と、を備える原子発振器であって、
    少なくとも、前記ガスセルと、前記コイルと、が収容される第1収容体と、
    前記第1収容体と、前記光源と、が収容される第2収容体と、を備え、
    前記第1収容体と、前記第2収容体と、の間に、熱移送素子と、配熱部材と、が挟持される、
    ことを特徴とする原子発振器。
  2. 前記配熱部材が、前記第2収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記配熱部材が、前記第1収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子発振器。
  4. 前記配熱部材は、第1配熱部材と第2配熱部材と、を備え、前記第1配熱部材が、前記第2収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持され、前記第2配熱部材が、前記第1収容体と、前記熱移送素子と、によって挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子発振器。
  5. 前記配熱部材の熱伝導率ks、前記第1配熱部材の熱伝導率ks1、前記第2配熱部材の熱伝導率ks2、前記第1収容体の熱伝導率kp1、前記第2収容体の熱伝導率kp2、とした場合、
    ks>kp1、ks>kp2
    もしくは、
    ks1>kp2、ks2>kp1
    である、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の原子発振器。
  6. 前記第1収容体と前記第2収容体と、によって前記配熱部材と前記熱移送素子と、を挟持される方向からの平面視において、
    前記配熱部材は前記第2収容体に対して偏在している、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の原子発振器。
  7. 前記第1収容体および前記第2収容体は、磁気遮蔽体である、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の原子発振器。
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