JP2015170882A - 発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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昌一 永松
幸弘 橋
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幸弘 橋
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義之 牧
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Abstract

【課題】位相雑音を低減するとともに、被温度調節部と外部との熱干渉を低減することができる発振器を提供すること、また、かかる発振器を備える信頼性に優れた電子機器および移動体を提供すること。
【解決手段】本発明の原子発振器1は、基体31と、温度調節される主要部2と、基体31に対して主要部2を支持していて、内部に空間S2が形成されている支持部材4と、を備える。空間S2は、主要部2と基体31とが並ぶ方向に支持部材4を貫通している。
【選択図】図4

Description

本発明は、発振器、電子機器および移動体に関するものである。
温度調節される被温度調節部を備える発振器として、例えば、恒温槽型水晶発振器、原子発振器等が知られている。
例えば、特許文献1に記載の水晶発振器では、水晶振動子や発振回路が入れられた恒温槽を基台に対して中実の支持具を用いて支持している。この水晶発振器では、恒温槽から支持具を介した熱の逃げを少なくする目的で、支持具の幅を小さくしている。
しかし、特許文献1に記載の水晶発振器では、支持具の剛性が低くなってしまい、それに伴って、恒温槽および支持具からなる振動系の共振周波数が低くなり、その結果、恒温槽の振動に起因する位相雑音が大きくなってしまうという問題があった。
特開2012−191523号公報 特開2013−3139号公報
本発明の目的は、位相雑音を低減するとともに、被温度調節部と外部との熱干渉を低減することができる発振器を提供すること、また、かかる発振器を備える信頼性に優れた電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の発振器は、基部と、
温度調節される被温度調節部と、
前記基部に対して前記被温度調節部を支持していて、内部に空間が構成されている支持部と、
を備えることを特徴とする。
このような発振器によれば、支持部の内部に空間が形成されているので、支持部の幅を大きくしても、被温度調節部と基部との間における支持部の熱抵抗を大きくし、被温度調節部と外部との熱干渉を低減することができる。また、支持部の幅を大きくして支持部の剛性を高めることによって、被温度調節部および支持部からなる振動系の共振周波数を高め、その結果、被温度調節部の振動に起因する位相雑音を低減することができる。
[適用例2]
本発明の発振器では、前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向から見た平面視で、前記支持部の外形に対する前記空間の面積比が10%以上90%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、支持部の剛性を高めるとともに、被温度調節部と基部との間における支持部の熱抵抗を大きくすることができる。
[適用例3]
本発明の発振器では、前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向から見た平面視で、前記支持部の外形に対する前記空間の面積比が70%以上80%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、支持部の幅を十分に大きくしながら、支持部の剛性を高めるとともに、被温度調節部と基部との間における支持部の熱抵抗を大きくすることができる。
[適用例4]
本発明の発振器では、前記支持部は、前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向に、前記空間が貫通していることが好ましい。
これにより、支持部の剛性の低下を低減しつつ、被温度調節部と基部との間における支持部の熱抵抗を大きくすることができる。
[適用例5]
本発明の発振器では、前記支持部は、前記支持部の側面に開口部を配置していて前記空間と外部とを連通している孔を有していることが好ましい。
これにより、被温度調節部と基部との間における支持部の熱抵抗を大きくすることができる。
[適用例6]
本発明の発振器では、前記支持部の側面に対する前記開口部の合計の面積比が10%以上50%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、支持部の剛性の低下を低減しつつ、被温度調節部と基部との間における支持部の熱抵抗を大きくすることができる。
[適用例7]
本発明の発振器では、前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向に対して垂直な方向に沿った前記支持部の幅は、前記垂直な方向に沿った前記被温度調節部の幅に対して50%以上150%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、支持部の剛性を高めることができる。
[適用例8]
本発明の発振器では、前記被温度調節部は、
金属原子と、
前記金属原子を励起する励起光を出射する光出射部と、
前記金属原子を透過した前記励起光を検出する光検出部と、
を有することが好ましい。
これにより、原子発振器において、位相雑音を低減するとともに、金属原子、光出射部および光検出部を含む被温度調節部と外部との熱干渉を低減することができる。原子発振器は、水晶発振器等の他の発振器に比し高精度な発振特性(特に長期安定度に優れる特性)を有しているが、より高精度な発振特性を得るために、金属原子、光出射部および光検出部を含む構造体(被温度調節部)を高精度に温度調節する必要があり、また、かかる構造体が振動すると、位相雑音が増加する。したがって、原子発振器に本発明を適用することにより、その効果が顕著となる。
[適用例9]
本発明の発振器では、前記被温度調節部を収納しているパッケージを備え、
前記基部が前記パッケージの少なくとも一部を構成していることが好ましい。
これにより、被温度調節部とパッケージの外部との間の熱干渉を低減することができる。また、支持部の内部に形成された空間がパッケージの内部空間と連通している場合、支持部内の空間も減圧状態とすることができ、その結果、被温度調節部とパッケージの外部との間の熱干渉をより低減することができる。
[適用例10]
本発明の電子機器は、本発明の発振器を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
[適用例11]
本発明の移動体は、本発明の発振器を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る発振器(原子発振器)を示す概略図である。 アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。 図1に示す発振器の概略構成を示す断面図である。 図4に示す支持部の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る発振器が備える支持部を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る発振器が備える支持部を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る発振器が備える支持部を示す斜視図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の発振器を備える移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.発振器(原子発振器)
<第1実施形態>
まず、本発明の発振器について説明する。なお、以下では、本発明の発振器を量子干渉効果を利用した原子発振器に適用した例を説明するが、本発明の発振器は、これに限定されず、光およびマイクロ波による二重共鳴法を利用した原子発振器、恒温槽型水晶発振器等の他の発振器にも適用可能である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る発振器(原子発振器)を示す概略図、図2は、アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図3は、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。
この原子発振器1は、図1に示すように、ガスセル21と、光出射部22と、光学部品231、232と、光検出部24と、ヒーター25(加熱部)と、温度センサー26と、コイル27と、原子発振器1の各部を制御する制御部5と、を備えている。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
図1に示すように、原子発振器1では、光出射部22がガスセル21に向けて励起光LLを出射し、ガスセル21を透過した励起光LLを光検出部24が検出する。
ガスセル21内には、ガス状のアルカリ金属(金属原子)が封入されており、アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有し、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
光出射部22から出射された励起光LLは、周波数の異なる2種の共鳴光1、2を含んでおり、この2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射したとき、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
例えば、光出射部22が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部24の検出強度は、図3に示すように、前述したEIT現象に伴って急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、本実施形態の原子発振器1の具体的な構成について説明する。
図4は、図1に示す発振器の概略構成を示す断面図、図5は、図4に示す支持部の斜視図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図4中および図5中の上側を「上」、下側を「下」という。
原子発振器1は、図4に示すように、前述したような量子干渉効果を生じさせる主要部2と、主要部2を収納するパッケージ3と、パッケージ3内に収納され、主要部2をパッケージ3に対して支持する支持部材4(支持部)と、を備えている。なお、図示しないが、パッケージ3内またはパッケージ3外には、主要部2を囲むようにコイル27が配置されている。また、パッケージ3の外側には、必要に応じて、磁気シールドが設けられていてもよい。
ここで、主要部2は、ガスセル21と、光出射部22と、光学部品231、232と、光検出部24と、ヒーター25(温度調節素子)と、温度センサー26と、基板28と、接続部材29と、を含み、これらがユニット化されている。具体的には、基板28の上面に、光出射部22、ヒーター25、温度センサー26および接続部材29が搭載されており、ガスセル21および光学部品231、232が接続部材29に保持されているとともに、光検出部24が接続部材29に接着剤30を介して接合されている。
ここで、主要部2が温度調節される「被温度調節部」を構成している。なお、主要部2を構成する各部のうち、特に高精度な温度調節が必要な部分、例えば、ガスセル21や光出射部22が「被温度調節部」を構成しているともいえるし、基板28を除く部分が「被温度調節部」を構成しているということもできる。主要部2の基板28を除く部分が「被温度調節部」を構成している場合、基板28および支持部材4からなる構造体が「支持部」を構成しているということもできる。
以下、原子発振器1の各部を説明する。
[ガスセル]
ガスセル21内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。また、ガスセル21内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。
図4に示すように、ガスセル21は、柱状の貫通孔を有する本体部211と、その貫通孔の両開口を封鎖する1対の窓部212、213とを有する。これにより、前述したようなアルカリ金属が封入される内部空間Sが形成されている。
ここで、ガスセル21の各窓部212、213は、前述した光出射部22からの励起光に対する透過性を有している。そして、一方の窓部212は、ガスセル21内へ入射する励起光が透過するものであり、他方の窓部213は、ガスセル21内から出射した励起光が透過するものである。
この窓部212、213を構成する材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。
また、ガスセル21の本体部211を構成する材料は、特に限定されず、シリコン材料、セラミックス材料、金属材料、樹脂材料等であってもよく、窓部212、213と同様にガラス材料、水晶等であってもよい。
そして、各窓部212、213は、本体部211に対して気密的に接合されている。これにより、ガスセル21の内部空間Sを気密空間とすることができる。
ガスセル21の本体部211と窓部212、213との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法等を用いることができる。
[光出射部]
光出射部22は、ガスセル21中のアルカリ金属原子を励起する励起光LLを出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部22は、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を励起光として出射するものである。
共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起(共鳴)し得るものである。
また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起(共鳴)し得るものである。
この光出射部22としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
[光学部品]
図4に示すように、複数の光学部品231、232は、それぞれ、前述した光出射部22とガスセル21との間における励起光の光路上に設けられている。
本実施形態では、光出射部22側からガスセル21側へ、光学部品231、光学部品232がこの順に配置されている。
光学部品231は、λ/4波長板である。これにより、光出射部22からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
コイル27の磁場によりガスセル21内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号の強度が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、コイル27の磁場によりガスセル21内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
なお、コイル27は、ソレノイドコイルであってもよいし、ヘルムホルツコイルであってもよい。また、コイル27が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。
光学部品232は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル21に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部22の出力が大きい場合でも、ガスセル21に入射する励起光を所望の光量とすることができる。本実施形態では、前述した光学部品231を通過した所定方向の偏光を有する励起光LLの強度を光学部品232により調整する。
なお、光出射部22とガスセル21との間には、波長板および減光フィルターの他に、レンズ、偏光板等の他の光学部品が配置されていてもよい。また、光出射部22からの励起光の強度によっては、光学部品232を省略することができる。
[光検出部]
光検出部24は、ガスセル21内を透過した励起光LL(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
この光検出部24としては、上述したような励起光LLを検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
[ヒーター]
ヒーター25は、通電により発熱する発熱抵抗体(加熱部)を有する。このヒーター25は、ガスセル21の温度を調節する「温度調節素子」である。
本実施形態では、前述したように、ヒーター25は、基板28上に設けられている。そして、ヒーター25からの熱は、基板28および接続部材29を介して、ガスセル21に伝達される。これにより、ガスセル21(より具体的にはガスセル21中のアルカリ金属)が加熱され、ガスセル21中のアルカリ金属を所望の濃度のガス状に維持することができる。また、本実施形態では、ヒーター25からの熱は、基板28を介して光出射部22にも伝達される。
このヒーター25は、ガスセル21に対して離間している。これにより、ヒーター25への通電により生じた不要磁場がガスセル21内の金属原子に悪影響を与えるのを抑制することができる。
[温度センサー]
温度センサー26は、ヒーター25またはガスセル21の温度を検出するものである。そして、この温度センサー26の検出結果に基づいて、前述したヒーター25の発熱量が制御される。これにより、ガスセル21内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
本実施形態では、温度センサー26は、基板28上に設けられている。したがって、温度センサー26は、基板28を介してヒーター25の温度を検出することとなる。あるいは、温度センサー26は、基板28および接続部材29を介してガスセル21の温度を検出することとなる。
なお、温度センサー26の設置位置は、これに限定されず、例えば、接続部材29上であってもよいし、ヒーター25上であってもよいし、ガスセル21の外表面上であってもよい。
温度センサー26としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
[接続部材]
接続部材29は、ヒーター25とガスセル21の各窓部212、213とを熱的に接続している。これにより、ヒーター25からの熱を接続部材29による熱伝導により各窓部212、213に伝達し、各窓部212、213を加熱することができる。また、ヒーター25とガスセル21とを離間することができる。そのため、ヒーター25への通電により生じた不要磁場がガスセル21内のアルカリ金属原子に悪影響を与えるのを抑制することができる。また、ヒーター25の数を少なくすることができるため、例えば、ヒーター25への通電のための配線の数を少なくし、その結果、原子発振器1(量子干渉装置)の小型化を図ることができる。
図4に示すように、接続部材29は、ガスセル21を挟んで設けられた1対の接続部材291、292で構成されている。これにより、ガスセル21に対する接続部材29の設置を容易なものとしつつ、接続部材29からガスセル21の各窓部212、213に均一に熱を伝達させることができる。
1対の接続部材291、292は、例えば、ガスセル21の互いに対向する1対の側面の両側からガスセル21を挟むようにして嵌合している。そして、窓部212、213と接続部材291、292とは、接触し熱的に接続されている。また、接続部材291、292は、それぞれ、励起光LLの通過領域を避けるように形成されている。
なお、接続部材291、291と窓部212との間、および、接続部材291、292と窓部213との間の少なくとも一方に隙間が形成されていてもよく、この場合には、その隙間に、熱伝導性を有する接着剤が充填されていることが好ましい。これにより、窓部212、213と接続部材291、292とを熱的に接続することができる。かかる接着剤としては、例えば、金属ペースト、伝熱性フィラーを含有した樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等が挙げられる。
また、接続部材291、292は、それぞれ、ガスセル21の本体部211との間に隙間を形成して配置されている。これにより、接続部材291、292とガスセル21の本体部211との間の熱の伝達を抑制し、接続部材291、292から各窓部212、213へ効率的に熱の伝達を行うことができる。
このような接続部材29の構成材料としては、ガスセル21を構成する材料よりも熱伝導率が大きい材料であればよいが、熱伝導性に優れた材料、例えば、金属材料を用いることが好ましい。また、後述するパッケージ3と同様、コイル27からの磁場を阻害しないよう、接続部材29の構成材料としては、非磁性の材料を用いることが好ましい。
[基板]
基板28は、前述した光出射部22、ヒーター25、温度センサー26および接続部材29等を支持する機能を有する。また、基板28は、ヒーター25からの熱を接続部材29へ伝達する機能を有する。これにより、ヒーター25が接続部材29に対して離間していても、ヒーター25からの熱を接続部材29へ伝達することができる。
ここで、基板28は、ヒーター25と接続部材29とを熱的に接続している。このようにヒーター25および接続部材29を基板28に搭載することにより、ヒーター25の設置の自由度を高めることができる。
また、光出射部22が基板28に搭載されていることにより、ヒーター25からの熱により基板28上の光出射部22を温度調節することができる。
また、基板28は、光出射部22、ヒーター25、温度センサー26に電気的に接続される配線(図示せず)を有している。
このような基板28の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、セラミックス材料、金属材料等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、基板28の表面を金属材料で構成した場合、基板28の表面の熱の反射率を高め、基板28からの熱の輻射を抑制することもできる。また、基板28を金属材料で構成した場合、基板28の表面には、基板28が有する配線の短絡防止等の目的で、必要に応じて、例えば、樹脂材料、金属酸化物、金属窒化物等で構成された絶縁層が設けられていてもよい。
また、後述するパッケージ3と同様、コイル27からの磁場を阻害しないよう、基板28の構成材料としては、非磁性の材料を用いることが好ましい。
なお、基板28は、接続部材29の形状、ヒーター25の設置位置等によっては、省略することができる。この場合、ヒーター25を接続部材29に接触させる位置に設置すればよい。
[パッケージ]
図4に示すように、パッケージ3は、主要部2および支持部材4を収納する機能を有する。なお、パッケージ3内には、前述した部品以外の部品が収納されていてもよい。
このパッケージ3は、図4に示すように、板状の基体31(基部)と、有底筒状の蓋体32とを備え、蓋体32の開口が基体31により封鎖されている。これにより、主要部2および支持部材4を収納する内部空間S1が形成されている。ここで、蓋体32は、主要部2および支持部材4に対して離間している。すなわち、蓋体32と主要部2および支持部材4との間には、空間が設けられている。これにより、かかる空間が断熱層として機能し、主要部2とパッケージ3の外部との間の熱干渉を低減することができる。
基体31は、支持部材4を介して主要部2を支持している。
また、基体31は、配線基板であり、図示しないが、基体31には、パッケージ3の内外の通電のための複数の配線および複数の端子が設けられている。そして、基体31には、図示しない配線(例えば、フレキシブル配線基板やボンディングワイヤー等)を介して、前述した光出射部22および基板28がそれぞれ電気的に接続されている。
この基体31の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、セラミックス材料等を用いることができる。
このような基体31には、蓋体32が接合されている。
基体31と蓋体32との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。
なお、基体31と蓋体32との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
このような蓋体32の構成材料としては、特に限定されず、例えば、樹脂材料、セラミックス材料、金属材料等を用いることができる。
また、基体31と蓋体32とは気密的に接合されているのが好ましい。すなわち、パッケージ3内が気密空間であることが好ましい。これにより、パッケージ3内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器1の特性を向上させることができる。
特に、パッケージ3内は、減圧状態であることが好ましい。これにより、パッケージ3内の空間を介した熱の伝達を抑制することができる。そのため、接続部材29とパッケージ3の外部との間や、パッケージ3内の空間を介したヒーター25とガスセル21との間の熱干渉を抑制することができる。また、主要部2とパッケージ3の外部との間の熱の伝達をより効果的に抑制することができる。
[支持部材]
支持部材4(支持部)は、パッケージ3内に収納されており、パッケージ3(より具体的にはパッケージ3の一部を構成している基体31)に対して主要部2を支持する機能を有する。すなわち、支持部材4は、パッケージ3の基体31に対して主要部2の各部を直接的または間接的に支持している。より具体的には、支持部材4の上端が主要部2の基板28、下端が基体31にそれぞれ接着剤等により接合されている。
また、支持部材4は、主要部2とパッケージ3の外部との間の熱の伝達を抑制する機能を有する。これにより、主要部2の各部と外部との間の熱干渉を抑制することができる。
本実施形態の支持部材4は、上下に貫通する貫通孔41を有する円筒状をなしている。したがって、この支持部材4には、内部に空間S2が形成(構成)されている。このような支持部材4は、支持部材4の内部に空間S2が形成されているので、主要部2と基体31とが並ぶ方向に対して垂直な方向に沿った支持部材4の幅W1を大きくしても、主要部2と基体31との間における支持部材4の熱抵抗を大きくし、主要部2と外部との熱干渉を低減することができる。また、支持部材4の幅W1を大きくして支持部材4の剛性を高めることによって、主要部2および支持部材4からなる振動系の共振周波数を高め、その結果、主要部2の振動に起因する位相雑音を低減することができる。
ここで、空間S2が主要部2と基体31とが並ぶ方向に支持部材4を貫通しているので、支持部材4の剛性の低下を低減しつつ、主要部2と基体31との間における支持部材4の熱抵抗を大きくすることができる。
また、主要部2が収納されているパッケージ3の内部空間S1が大気圧よりも減圧されている場合、主要部2とパッケージ3の外部との間の熱干渉を低減することができる。また、支持部材4の内部に形成された空間S2がパッケージ3の内部空間S1と連通している場合、支持部材4の内部空間S1も減圧状態とすることができ、その結果、主要部2とパッケージ3の外部との間の熱干渉をより低減することができる。
また、主要部2と基体31とが並ぶ方向から見た平面視(以下、単に「平面視」ともいう)で、支持部材4の外形に対する空間S2の面積比は、10%以上90%以下であれば、支持部材4の剛性を高めるとともに、主要部2と基体31との間における支持部材4の熱抵抗を大きくすることができるが、70%以上80%以下であることが好ましい。これにより、支持部材4の幅W1を十分に大きくしながら、支持部材4の剛性を高めるとともに、主要部2と基体31との間における支持部材4の熱抵抗を大きくすることができる。
このような観点から、筒状の支持部材4の厚さT(肉厚)は、支持部材4の幅W1に対して、3%以上10%以下であることが好ましく、8%以上9%以下であることがより好ましい。ここで、支持部材4の厚さTは、支持部材の幅W1から、主要部2と基体31とが並ぶ方向に対して垂直な方向に沿った空間S2の幅W2を差し引いた値の1/2に等しい。
また、支持部材4の幅W1は、主要部2と基体31とが並ぶ方向に対して垂直な方向に沿った主要部2の幅W3に対して、50%以上150%以下であることが好ましく、70%以上150%以下であることがより好ましい。これにより、支持部材4の剛性を高めることができる。
また、支持部材4の高さ(主要部2と基体31とが並ぶ方向に沿った長さ)は、支持部材4の幅W1よりも小さいことが好ましく、幅W1に対して0.7倍以上5.0倍以下であることがより好ましい。これにより、支持部材4の幅W1を大きくしても、支持部材4の低背化を図りつつ、支持部材4の必要な熱抵抗を確保することができる。
また、支持部材4は、多孔質体で構成されていることが好ましい。これにより、支持部材4の断熱性(熱抵抗)を高めることができ。そのため、ガスセル21やヒーター25から支持部材4を通じた熱伝導による基体31への熱の逃げを抑制し、その結果、原子発振器1の低消費電力化を図ることができる。
また、支持部材4の構成材料としては、熱伝導性が比較的低く、かつ、支持部材4が主要部2を支持する剛性を確保し得る材料であれば、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、セラミックス材料等の非金属を用いることが好ましく、樹脂材料を用いることがより好ましい。支持部材4を主として樹脂材料で構成した場合、支持部材4の熱抵抗を高くすることができ、また、支持部材4の形状が複雑であっても、例えば射出成型等の公知の方法を用いて、支持部材4を容易に製造することができる。特に、支持部材4を主として樹脂材料で構成した場合、発泡体で構成された支持部材4を容易に形成することができる。
また、支持部材4の構成材料としては、コイル27からの磁場を阻害しないよう、非磁性の材料を用いることが好ましい。
[制御部]
図1に示す制御部5は、ヒーター25、コイル27および光出射部22をそれぞれ制御する機能を有する。
このような制御部5は、光出射部22の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御部51と、ガスセル21中のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部52と、ガスセル21に印加する磁場を制御する磁場制御部53とを有する。
励起光制御部51は、前述した光検出部24の検出結果に基づいて、光出射部22から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御部51は、周波数差(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光出射部22から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。また、励起光制御部51は、光出射部22から出射される共鳴光1、2の中心周波数を制御する。
ここで、励起光制御部51は、図示しないが、電圧制御型水晶発振器(発振回路)を備えており、その電圧制御型水晶発振器の発振周波数を光検出部24の検知結果に基づいて同期・調整しながら、その電圧制御型水晶発振器の出力信号を原子発振器1の出力信号として出力する。
例えば、励起光制御部51は、図示しないが、この電圧制御型水晶発振器からの出力信号を周波数逓倍する逓倍器を備えており、この逓倍器により逓倍された信号(高周波信号)を直流バイアス電流に重畳して駆動信号として光出射部22に入力する。これにより、光検出部24でEIT信号が検出されるように電圧制御型水晶発振器を制御することで、電圧制御型水晶発振器から所望の周波数の信号が出力されることとなる。この逓倍器の逓倍率は、例えば、原子発振器1からの出力信号の所望の周波数をfとしたとき、ω0/(2×f)である。これにより、電圧制御型水晶発振器の発振周波数がfであるとき、逓倍器からの信号を用いて半導体レーザー等の発光素子で構成された光出射部22を変調して、周波数差(ω1−ω2)がω0となる2つの光を出射させることができる。
また、温度制御部52は、温度センサー26の検出結果に基づいて、ヒーター25への通電を制御する。これにより、ガスセル21を所望の温度範囲内に維持することができる。
また、磁場制御部53は、コイル27が発生する磁場が一定となるように、コイル27への通電を制御する。
このような制御部5は、例えば、パッケージ3が実装される基板上に実装されたICチップに設けられている。なお、制御部5がパッケージ3内(例えば基体31上)に設けられていてもよい。
以上説明したような原子発振器1によれば、支持部材4の内部に空間S2が形成されているので、位相雑音を低減するとともに、ガスセル21内の金属原子、光出射部22および光検出部24を含む主要部2と外部との熱干渉を低減することができる。原子発振器は、水晶発振器等の他の発振器に比し高精度な発振特性(特に長期安定度に優れる特性)を有しているが、より高精度な発振特性を得るために、ガスセル21内の金属原子、光出射部22および光検出部24を含む構造体(主要部2)を高精度に温度調節する必要があり、また、かかる構造体が振動すると、位相雑音が増加する。したがって、原子発振器に本発明を適用することにより、その効果が顕著となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る発振器が備える支持部を示す斜視図である。
本実施形態に係る発振器は、支持部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態に係る発振器と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の発振器に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図6において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図6に示す原子発振器1Aは、パッケージ3内で主要部2をパッケージ3に対して支持する支持部材4A(支持部)を備える。
この支持部材4Aは、支持部材4の側面に開口していて内部の空間に連通している複数の孔42を有している。これにより、主要部2と基体31との間における支持部材4の熱抵抗を大きくすることができる。本実施形態では、複数の孔42は、行列状に規則的に配置されているが、これに限定されず、例えば、ランダムに配置されていてもよい。ここで、孔42の数は、図示のものに特に限定されず、任意である。
また、支持部材4の側面に対する複数の孔42(開口部の合計)の面積比(開口率)は、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。これにより、支持部材4の剛性の低下を低減しつつ、主要部2と基体31との間における支持部材4の熱抵抗を大きくすることができる。
以上説明したような原子発振器1Aによっても、位相雑音を低減するとともに、主要部2と外部との熱干渉を低減することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る発振器が備える支持部を示す斜視図である。
本実施形態に係る発振器は、支持部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態に係る発振器と同様である。また、本実施形態の発振器は、被温度調節部に対する支持部の大きさが異なる以外は、前述した第2実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態の発振器に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図7において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図7に示す原子発振器1Bは、パッケージ3内で主要部2をパッケージ3に対して支持する支持部材4B(支持部)を備える。
この支持部材4Bは、上下に貫通する貫通孔41Bを有する。そして、支持部材4Bの幅W1は、主要部2の幅W3とほぼ等しくなっている。これにより、比較的簡単に、支持部材4Bの剛性を優れたものとすることができる。
以上説明したような原子発振器1Bによっても、位相雑音を低減するとともに、主要部2と外部との熱干渉を低減することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図8は、本発明の第4実施形態に係る発振器が備える支持部を示す斜視図である。
本実施形態に係る発振器は、支持部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる原子発振器と同様である。
なお、以下の説明では、第4実施形態の発振器に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図8において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図8に示す原子発振器1Cは、パッケージ3内で主要部2Cをパッケージ3に対して支持する支持部材4C(支持部)を備える。
ここで、主要部2Cは、接続部材29の全幅よりも幅が広い基板28Cを備えており、支持部材4Cは、基板28Cの接続部材29との接続部よりも外側の部分に接続している。これにより、比較的簡単に、支持部材4Cの剛性を優れたものとすることができる。また、主要部2の熱源から基体31への熱の伝達経路を長くし、かかる熱の伝達経路の熱抵抗を高くすることができる。
以上説明したような原子発振器1Cによっても、位相雑音を低減するとともに、主要部2と外部との熱干渉を低減することができる。
2.電子機器
以上説明したような本発明の発振器は、各種電子機器に組み込むことができる。このような本発明の発振器を備える電子機器は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の発振器を備える電子機器の一例について説明する。
図9は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図9に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
3.移動体
また、前述したような本発明の発振器は、各種移動体に組み込むことができる。このような本発明の発振器を備える移動体は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の移動体の一例について説明する。
図10は、本発明の発振器を備える移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。
図10に示す移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。そして、原子発振器1からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。
以上、本発明の発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、前述した実施形態の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態におけるパッケージ内の構成は一例であり、これに限定されるものではなく、パッケージ内の各部品の構成は、適宜変更してもよい。
また、前述した実施形態では、支持部の全体形状が円筒形をなす場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、支持部の全体形状が四角筒形、五角筒形等の多角筒形をなしていてもよい。
また、前述した実施形態では、支持部の外形の横断面と支持部の空間の横断面とが相似形である場合を例に説明したが、これに限定されず、支持部の外形の横断面形状と支持部の空間の横断面形状とが異なっていてもよい。
また、前述した実施形態では、支持部の内部に形成された空間が被温度調節部と基部とが並ぶ方向に貫通している場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、支持部の内部に密閉された空間が形成されていてもよいし、支持部の被温度調節部側および基部側のうちの少なくとも一方に開口する凹部により支持部の内部に空間を形成してもよい。
1‥‥原子発振器
1A‥‥原子発振器
1B‥‥原子発振器
1C‥‥原子発振器
2‥‥主要部
3‥‥パッケージ
4‥‥支持部材
4A‥‥支持部材
4B‥‥支持部材
4C‥‥支持部材
5‥‥制御部
21‥‥ガスセル
22‥‥光出射部
24‥‥光検出部
25‥‥ヒーター
26‥‥温度センサー
27‥‥コイル
28‥‥基板
28C‥‥基板
29‥‥接続部材
30‥‥接着剤
31‥‥基体
32‥‥蓋体
41‥‥貫通孔
42‥‥孔
51‥‥励起光制御部
52‥‥温度制御部
53‥‥磁場制御部
100‥‥測位システム
200‥‥GPS衛星
211‥‥本体部
212‥‥窓部
213‥‥窓部
231‥‥光学部品
232‥‥光学部品
291‥‥接続部材
292‥‥接続部材
300‥‥基地局装置
301‥‥アンテナ
302‥‥受信装置
303‥‥アンテナ
304‥‥送信装置
400‥‥GPS受信装置
401‥‥アンテナ
402‥‥衛星受信部
403‥‥アンテナ
404‥‥基地局受信部
1500‥‥移動体
1501‥‥車体
1502‥‥車輪
LL‥‥励起光
S‥‥内部空間
S1‥‥内部空間
S2‥‥空間
T‥‥厚さ
W1‥‥幅
W2‥‥幅
W3‥‥幅

Claims (11)

  1. 基部と、
    温度調節される被温度調節部と、
    前記基部に対して前記被温度調節部を支持していて、内部に空間が構成されている支持部と、
    を備えることを特徴とする発振器。
  2. 前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向から見た平面視で、前記支持部の外形に対する前記空間の面積比が10%以上90%以下の範囲内にある請求項1に記載の発振器。
  3. 前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向から見た平面視で、前記支持部の外形に対する前記空間の面積比が70%以上80%以下の範囲内にある請求項2に記載の発振器。
  4. 前記支持部は、前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向に、前記空間が貫通している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発振器。
  5. 前記支持部は、前記支持部の側面に開口部を配置していて前記空間と外部とを連通している孔を有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発振器。
  6. 前記支持部の側面に対する前記開口部の合計の面積比が10%以上50%以下の範囲内にある請求項5に記載の発振器。
  7. 前記被温度調節部と前記基部とが並ぶ方向に対して垂直な方向に沿った前記支持部の幅は、前記垂直な方向に沿った前記被温度調節部の幅に対して50%以上150%以下の範囲内にある請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発振器。
  8. 前記被温度調節部は、
    金属原子と、
    前記金属原子を励起する励起光を出射する光出射部と、
    前記金属原子を透過した前記励起光を検出する光検出部と、
    を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発振器。
  9. 前記被温度調節部を収納しているパッケージを備え、
    前記基部が前記パッケージの少なくとも一部を構成している請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発振器。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発振器を備えることを特徴とする電子機器。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発振器を備えることを特徴とする移動体。
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