JP2017152553A - 電子部品収容容器および電子部品収容容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い剛性を備える金属キャップであっても、セラミック基板にろう接されたシームフレームにそり変形が生じても、気密封止を可能とするパッケージを提供することを目的とする。
【解決手段】基体と、蓋体と、を備え、前記基体と、前記蓋体と、が、シームリングを介して接合され、電子部品収容空間が形成される電子部品収容容器であって、前記基体に接合された前記シームリングの、前記蓋体との接合面が、曲率を有している電子部品収容容器。
【選択図】図5
【解決手段】基体と、蓋体と、を備え、前記基体と、前記蓋体と、が、シームリングを介して接合され、電子部品収容空間が形成される電子部品収容容器であって、前記基体に接合された前記シームリングの、前記蓋体との接合面が、曲率を有している電子部品収容容器。
【選択図】図5
Description
本発明は、電子部品収容容器および電子部品収容容器の製造方法に関する。
従来、半導体素子、水晶振動片などのチップをパッケージ内に気密封止する方法として、シーム溶接によるベース基板とキャップとをシーム溶接によって接合する方法が知られている(特許文献1)。
特許文献1に開示されているように、シーム溶接とは、セラミック基板にろう接された金属製シームフレームに、金属製キャップ(蓋板)に被せ、金属製キャップの周縁を1対のローラー電極によって加圧しながら、ローラー電極間に電流を流して発生するジュール熱によって、シームフレームと金属製キャップとを溶接し、封止する。
特許文献1に開示されたシーム接合法では、セラミック基板にシームフレームをろう接することによって、セラミック基板とシームフレーム、すなわちセラミックと金属と、の間の線膨張係数の差に応じて、ろう接後の温度下降にセラミック基板はシームフレームの収縮から、いわゆるそり変形が発生する。そりが発生することによって、シームフレームと金属キャップとの接合部は密着せず隙間が生じてしまう。
しかし、シーム溶接のローラー電極が金属キャップを押圧しながら電流を流し、溶接領域に沿って移動させることにより、金属キャップはシームフレームの変形に沿って矯正され、生じた隙間を閉じながら接合され、所望の気密性を得ることができた。このことは、換言すれば、ローラー電極の押圧力によって変形可能な金属キャップであることが、パッケージを形成するための条件であった。
例えば、パッケージに複数の素子を収容する場合、素子の収容領域をセラミック基板に加えて金属キャップにも設けるなど、金属キャップの形態にも多様性が求められ、高い剛性を備える金属キャップとなる場合もあった。金属キャップが高い剛性を備えることで、セラミック基板にろう接されたシームフレームの金属キャップとの接合面の変形(そり)に対して、ローラー電極の押圧では金属キャップのシームフレームとの接合部を矯正させることが困難となってきた。
そこで、高い剛性を備える金属キャップであっても、セラミック基板にろう接されたシームフレームにそり変形が生じても、気密封止を可能とするパッケージを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の電子部品収容容器は、基体と、蓋体と、を備え、前記基体と、前記蓋体と、が、シームリングを介して接合され、電子部品が収容可能な電子部品収容空間が形成される電子部品収容容器であって、前記基体に接合された前記シームリングの、前記蓋体との接合面が、曲率を有していることを特徴とする。
本適用例の電子部品収容容器によれば、基体と、蓋体と、を、シームリングを介して接合させることによって電子部品収容空間が形成される。シームリングの蓋体との接合面にそりなどによる曲率が生じていても、蓋体のシームリングとの接合面に曲率を付与することで、シームリングと蓋体との接合部に隙間なく接合することができ、電子部品収容空間を気密に封止することができる電子部品収容容器を得ることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記基体はセラミックであり、前記蓋体は金属であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、セラミックの基体と、シームリングと、が接合されることにより生じるシームリングの蓋体との接合面の変形(そり)に対して、蓋体が金属であることにより、変形に沿わせて蓋体のシームリングの接合面に曲率を付与させて接合させることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記蓋体は、一方の端部が開口し、他方の端部には底部を有する筒状の蓋本体と、前記開口の端部に延設され、前記シームリングに接続される接合面を備える鍔部と、を備えることを特徴とする。
上述の適用例によれば、蓋本体に電子部品の収容空間を構成することにより、電子部品収容容器の回路基板への搭載領域(投影面積)を小さくすることができ、回路の小型化を図ることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記電子部品が原子発振器であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、小型で高い気密性を備える電子部品収容容器に原子発振器を収容することにより、安定した発振性能を備える原子発振機器を得ることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記蓋体が非磁性体であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、外部磁界による蓋体の磁化が防止でき、原子発振器を安定し駆動させることができる。
〔適用例6〕本適用例の電子部品収容容器の製造方法は、基体と、蓋体と、を備え、前記基体と、前記蓋体と、が、シームリングを介して接合され、電子部品収容空間が形成される電子部品収容容器の製造方法であって、前記基体に前記シームリングを接合するシームリング接合工程と、前記基体に電子部品を実装する電子部品実装工程と、前記蓋体を準備する蓋体準備工程と、前記蓋体を前記基体に接合された前記シームリングに接合する蓋体接合工程と、前記蓋体接合工程によって形成される電子部品収容空間を気密封止する封止工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例の電子部品収容容器の製造方法によれば、蓋体と、シームリングと、の接合によるシームリングの蓋体との接合面の変形(そり)の状態に沿って蓋体を準備することができる。従って、シームリングの蓋体との接合面に密着させて蓋体を接合させることができ、高い気密性を備える電子部品収容容器を得ることができる。
〔適用例7〕上述の適用例において、前記基体はセラミックであり、前記蓋体は金属であり、前記蓋体接合工程では、前記基体に接合された前記シームリングに前記蓋体をシーム溶接することを特徴とする。
上述の適用例によれば、蓋体が金属であることにより、高い接合性と、密着性が実現できるシーム溶接を行うことができる。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記蓋体準備工程は、前記蓋体の前記シームリングへの接合面に曲率を付与する蓋体曲率付与工程を含むことを特徴とする。
上述の適用例において、基体にシームリングを接合することにより生じるシームリングの蓋体接合面の変形(そり)に対応させて蓋体のシームリングとの接合面にそりとしての曲率を付与することにより、シームリングと蓋体との互いの接合面を密着させることができる。従って、高い接合性と密着性とを備える電子部品収容容器を得ることができる。
〔適用例9〕上述の適用例において、前記蓋体は、一方の端部が開口し、他方の端部には底部を有する筒状の蓋本体と、前記開口の端部に延設され、前記シームリングに接続される前記接合面を備える鍔部と、を備えることを特徴とする。
上述の適用例によれば、蓋本体に電子部品の収容空間を構成することにより、電子部品収容容器の回路基板への搭載領域(投影面積)を小さくすることができ、回路の小型化を図ることができる。
〔適用例10〕上述の適用例において、前記電子部品収容工程において収容される前記電子部品が原子発振器であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、小型で高い気密性を備える電子部品収容容器に原子発振器を収容することにより、安定した発振性能を備える原子発振機器を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る電子部品収容容器を示す断面図である。図1に示すように、基体10と、基体10にシームリング30を介して接合される蓋体20とによって形成される電子部品収容容器100(以下、収容容器100という)の内部空間となる電子部品収容空間100a(以下、収容空間100aという)に、電子部品としての原子発振デバイス200が収容され、原子発振器1000が形成されている。
図1は第1実施形態に係る電子部品収容容器を示す断面図である。図1に示すように、基体10と、基体10にシームリング30を介して接合される蓋体20とによって形成される電子部品収容容器100(以下、収容容器100という)の内部空間となる電子部品収容空間100a(以下、収容空間100aという)に、電子部品としての原子発振デバイス200が収容され、原子発振器1000が形成されている。
まず収容容器100に収容されている原子発振デバイス200について説明する。図1に示す原子発振デバイス200は、量子干渉効果を利用した原子発振デバイスである。原子発振デバイス200は、ガスセルユニット210と、光射出部220と、光検出部240と、ガスセルユニット210が搭載される基板270と、ガスセルユニット210が搭載された基板270を保持する支持部材280と、ゲッター部290と、を含んでいる。
ガスセルユニット210は、ガスセル211と、ガスセル211を保持し、後述するヒーターに発生させる熱をガスセル211に伝導させるガスセル保持部材212と、ガスセル保持部材212のZ軸方向に沿った外周面に巻き付けられるコイル263と、を備えている。
ガスセル211は、柱状の貫通孔を有する本体部211aと、その貫通孔の両側の開口を1対の窓部211b,211cによって封鎖することにより、金属原子が封入される収容部としての内部空間Sが形成される。ガスセル211の内部空間Sには、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。
光射出部220は、図示されない光源を有し、ガスセル211中のアルカリ金属原子を励起する励起光を射出する機能を有する。光源としては、例えば半導体レーザーが用いられる。光射出部220は、射出方向(図示矢印の光軸方向R)に沿ってガスセル211と対向するように配置され、光源からガスセル211に向かって励起光が射出される。射出された励起光は、ガスセル保持部材212と、光軸方向Rと、が交差する部分に形成された光射出部220側の貫通孔212aに配置された光学部品230を透過する。本実施形態では、光射出部220側からガスセル211側へ、光学部品231,232の順に配置されている。光学部品230を構成する光学部品231は、λ/4波長板である。これにより、光射出部220からの励起光を直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。また、光学部品232は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル211に入射する励起光の強度を調整(減少)させることができる。そのため、光射出部220の出力が大きい場合でも、ガスセル211に入射する励起光を所望の光量とすることができる。
ガスセル保持部材212の光軸方向Rと並行する外周部212bには、外周部212bに沿ってコイル263が巻き付けられている。コイル263は、通電により、磁場を発生させる機能を有する。これにより、ガスセル211中のアルカリ金属に磁場を印加することにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1000の発振周波数の精度を高めることができる。なお、コイル263が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。また、このコイル263は、ガスセル211を囲むように設けられたソレノイドコイルであってもよいし、ガスセル211を挟むように設けられたヘルムホルツコイルであってもよい。
ガスセル211を挟んで光射出部220と光軸方向Rに沿って対向する位置に光検出部240を備えている。光検出部240は、ガスセル211内を透過した後述する励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)の強度を検出する機能を有する。本実施形態では、光検出部240は、接着剤250を介してガスセル保持部材212に接合されている。ここで、接着剤250としては、公知の接着剤を用いることができる。また、この光検出部240としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
ガスセルユニット210が搭載される基板270には、ガスセルユニット210を加熱する加熱素子としてのヒーター261を備えている。ヒーター261は、通電により発熱する発熱抵抗体(発熱部)である。ヒーター261が発生した熱は、ガスセル211に直接、もしくはガスセル保持部材212を介して伝達され、ガスセル211を所定の温度に維持し、ガスセル211中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。なお、ヒーター261に代えて、あるいは、ヒーター261と併用して、ペルチェ素子を用いてもよい。この場合、ペルチェ素子の発熱側の部分が発熱部を構成する。
また、基板270には温度センサー262が搭載されている。後述するように、温度センサー262の検出温度データに基づいてヒーター261への投入電流が制御され、ヒーター261からの放熱量が制御される。
そして、ガスセルユニット210が搭載された基板270は、基体10のデバイス搭載面10a上に、支持部材280を介して搭載されている。なお、支持部材280は支持基板280aをデバイス搭載面10aと、支持基板280aと、の間に所定の空間280cが形成されるように支持部280bによってデバイス搭載面10aに搭載される。
空間280cには、ゲッター部290が配設される。ゲッター部290は、ゲッター材291と、発熱体292と、ゲッター材291と発熱体292と、を支持し、且つ所定の電力を供給する導電性端子293と、を備えている。ゲッター部290は、ゲッター材291を発熱体292によって加熱、活性化することにより、収容容器100の収容空間100aに存在する不要原子を吸着することで、収容空間100aを清浄に維持する。なお、ゲッター材291としては、活性化されて原子を吸着する機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、チタン、バリウム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウム、インジウム、カルシウムのうちの少なくとも1つを含む合金、または、Al−Zr−V−Fe系合金が挙げられる。
図2は、図1に示す原子発振デバイス200の動作を示す概略構成図である。また、図3は、図1に示す原子発振デバイス200のガスセル211内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図4は、図1に示す原子発振デバイス200の光射出部220および光検出部240について、光射出部220からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。
先ず、原子発振デバイス200の原理を簡単に説明する。原子発振デバイス200では、ガスセル211内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。アルカリ金属は、図3に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1,2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、および共鳴光2を照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、および共鳴光2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光1の周波数ω1と、共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、および基底状態2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、および共鳴光2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT(Coherent Population Trapping)現象、または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光射出部220からは、ガスセル211に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を射出する。例えば、共鳴光1の周波数ω1が固定され、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部240の検出強度は、図4に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
本実施形態に係る原子発振デバイス200は、図2に示すように、光射出部220から、ガスセル211に向かって励起光LLがガスセル211への入射光として射出される。励起光LLとして、前述したように、周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)が射出される。共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル211中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル211中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。この光射出部220に備える光源(図示せず)としては、前述したような励起光を射出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
光射出部220から射出された励起光LLは、励起光LLの光軸方向R上のガスセル保持部材212に形成された貫通孔212aに設けられている光学部品230を透過する。光学部品230を構成する光学部品231は、上述したようにλ/4波長板であり、光射出部220から射出された直線偏光の励起光LLを、円偏光(右偏光あるいは左偏光)に変換することができる。次に、光学部品232は、減光フィルター(NDフィルター)であり、ガスセル211に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができ、光射出部220からの励起光LLの出力が大きい場合でも、ガスセル211に入射する励起光LLを所望の光量とすることができる。
光学部品231によって励起光LLが円偏光に変換されることによって、コイル263の磁場によりガスセル211内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光LLがアルカリ金属原子に照射されると、励起光LLとアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振デバイス200の発振特性を向上させることができる。
なお、光射出部220とガスセル211との間には、波長板および減光フィルターの他に、レンズ、偏光板等の他の光学部品が配置されていてもよい。また、光射出部220からの励起光LLの強度によっては、光学部品232を省略することができる。
ガスセル211内を透過した励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)は、光検出部240により強度が検出される。励起光LLの光検出部240による検出結果は、制御部300(図1には図示されない)に備える励起光制御部310に入力され、光射出部220から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を光検出部240の検出結果に基づいて制御する。より具体的には、励起光制御部310は、前述した光検出部240によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光射出部220から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を制御する。また、励起光制御部310は、光射出部220から射出される共鳴光1、共鳴光2の中心周波数を制御する。これにより、前述したようなEIT信号を検出することができる。そして、制御部300は、図示しない水晶発振器の信号をEIT信号に同期して出力させる。
制御部300には、温度制御部320、および磁場制御部330を備えている。温度制御部320には、ガスセル211の温度を検出する温度センサー262からの計測検出結果に基づいて、ヒーター261への通電を制御し、ガスセル211を所望の温度範囲内に維持する。磁場制御部330は、コイル263が発生する磁場が一定となるように、コイル263への通電を制御する。そして、このような制御部300は、例えば、原子発振器1000が実装される実装基板上に実装された電子回路装置(例えば、半導体装置)に設けられている。
図1に示すように、収容容器100は、基体10と、蓋体20と、がシームリング30を介して接合され、原子発振デバイス200が収容可能な収容空間100aを形成する。
基体10は、セラミックで形成され、外面10bには、図示しない回路基板に電気的に接続される外部電極10cを備えている。そして、基体10には外部電極10cと、原子発振デバイス200と、を電気的に接続する図示しない配線が形成されている。本実施形態に係る収容容器100に備える基体10は、平板状であるが、これに限定されず、デバイス搭載面10aの外縁に図示するZ方向へ延設される段差部を備える形態であってもよい。
また、外面10bから、デバイス搭載面10aまで貫通孔10dが形成され、後述する収容空間100aを気密封止する際に、貫通孔10dに略球体のろう材11を配置し、ろう材11を溶融、凝固させて封止部10eが形成されている。なお、ろう材11としては、Au−Ge合金ボールが好適に用いられる。
蓋体20は、筒状の側壁部20aと、側壁部20aの一方の端部と繋がる底部20bと、を備える蓋本体と、側壁部20aの一方の端部から外側に延設される鍔部20cと、を備えている。鍔部20cの基体10に対向する接合面20dと、基体10のデバイス搭載面10aと、の間にシームリング30が配置され、互いに接合される。
蓋体20は、金属、例えばステンレス、チタンおよびその合金、アルミおよびその合金などが好適に用いられ、ステンレスを用いることがなお好ましい。ステンレスは加工性に優れ、蓋体20の形態、いわゆる絞り加工に適しており、容易に所望の形状の蓋体20を得ることができる。更には、原子発振器1000とする場合、収容空間100aに収容される原子発振デバイス200は、ガスセル211内に光軸方向Rに沿った方向の磁束をコイル263によって通すことで、安定した発振特性を得るものである。しかし、原子発振器1000の外部に存在する磁力によって収容容器100が磁化されてしまうと、コイル263によって生成される磁界に影響が及び、安定した発振特性を得ることが困難となる。そこで、非磁性体のステンレスを蓋体20に用いることで、外部磁力による磁化を防止することができる。
シームリング30の材料として、コバールが好適に用いられる。シームリング30はセラミックの基体10にろう付けによって接合される。ろう付けによる接合の場合、シームリング30と基体10と、が加熱、冷却される際の線膨張係数の差異による伸縮の差異を少なくするため、セラミックの線膨張係数に近い、線膨張係数の小さいコバールによってシームリング30を形成することが好ましい。また、シームリング30の蓋体接合面30aと、蓋体20の鍔部20cの接合面20dと、の接合は、シーム溶接による接合が好適に用いられる。
図5は、図1に示すA−A´部の断面図である。図5に示すように、基体10にろう付けにより接合されたシームリング30の蓋体接合面30aは、略円弧の曲面に変形している。
上述したように、基体10はセラミックを材料として形成され、シームリング30は金属のコバールを材料として形成されている。シームリング30を構成する金属のコバールは線膨張係数が小さい材料ではあるが、基体10を形成するセラミックの線膨張係数に比較して大きな値を有している。このことにより、シームリング30を基体10にろう付けする際に加熱され、ろう付け接合された基体10とシームリング30と、が常温に冷却される際に、金属であるシームリング30が、基体10に対してより多くの収縮をする。このことにより、図5に示すように、シームリング30の蓋体接合面30aの中央部が凹むように略円弧の曲面、いわゆる「そり」が生じる。
シームリング30の蓋体接合面30aと接合される蓋体20の接合面20dは、蓋体接合面30aのそりに沿うように、略円弧状に形成される。これにより、シームリング30に蓋体20がシーム溶接によって隙間なく接合される。よって、高い気密性を備える収容容器100を得ることができる。
なお本実施形態に係る蓋体20では、接合面20dに円弧状の形状を付与するために、鍔部20cの厚みを中央部の厚みt1から、端部の厚みt2に向けて薄く変化させている。しかし、これに限定されず、例えば、図6に示すように鍔部20cの厚みt3を変えず、鍔部20cを湾曲させて略円弧状の接合面20dを形成してもよい。
第1実施形態に係る原子発振器1000の収容容器100は、基体10へのシームリング30のろう付け接合によって生じる蓋体接合面30aの変形(そり)に沿わせて、蓋体20の接合面20dを面形状を形成させることにより、収容容器100の収容空間100aの高い気密性を得ることができる。
(第2実施形態)
図7は、第1実施形態に係る原子発振器1000に備える収容容器100の製造方法を示すフローチャートである。また図8から図15は収容容器100の製造方法を示す断面図である。
図7は、第1実施形態に係る原子発振器1000に備える収容容器100の製造方法を示すフローチャートである。また図8から図15は収容容器100の製造方法を示す断面図である。
(シームリング接合工程)
シームリング接合工程(S1)では、先ず、図8に示すように基体10のデバイス搭載面10aに環状のろう材10fを載置し、ろう材10f上にシームリング30を載置する。この状態で、ろう付け温度に加温された炉に投入し、ろう材10fを溶融させてシームリング30を基体10に接合する。なお、基体10のデバイス搭載面10aのろう材10f配置領域には、ろう材10fを溶融させた際の接合性(密着性)を高めるため、いわゆるメタライジングにより金属層が形成されていることが好ましい。
シームリング接合工程(S1)では、先ず、図8に示すように基体10のデバイス搭載面10aに環状のろう材10fを載置し、ろう材10f上にシームリング30を載置する。この状態で、ろう付け温度に加温された炉に投入し、ろう材10fを溶融させてシームリング30を基体10に接合する。なお、基体10のデバイス搭載面10aのろう材10f配置領域には、ろう材10fを溶融させた際の接合性(密着性)を高めるため、いわゆるメタライジングにより金属層が形成されていることが好ましい。
ろう付け炉に投入され、ろう材10fが溶融し、常温まで冷却されると、図9Aに示すように基体10とシームリング30と、が接合された状態となる。この時、図9Aに示すB−B´部の断面を表す図9Bに示すように、基体10およびシームリング30は、中央部に向けて凹むように、いわゆる、そりが発生する。ここで、後述する蓋体20の接合のために、シームリング30の蓋体接合面30aが略円弧の形状となるので、そり量としての蓋体接合面30aの曲率半径R30を計測する。
(電子部品実装工程)
シームリング接合工程(S1)によって得られたシームリング30が接合された基体10のデバイス搭載面10a上に、図10に示すように、電子部品としての原子発振デバイス200が搭載、実装される電子部品実装工程(S2)に移行される。原子発振デバイス200の実装は、図示されないデバイス搭載面10a上に形成された接続電極パッドに、原子発振デバイス200に備える入出力用の電極を、はんだ、もしくは導電性接着剤などにより電気的な接続と基体10への固定と、を行う。
シームリング接合工程(S1)によって得られたシームリング30が接合された基体10のデバイス搭載面10a上に、図10に示すように、電子部品としての原子発振デバイス200が搭載、実装される電子部品実装工程(S2)に移行される。原子発振デバイス200の実装は、図示されないデバイス搭載面10a上に形成された接続電極パッドに、原子発振デバイス200に備える入出力用の電極を、はんだ、もしくは導電性接着剤などにより電気的な接続と基体10への固定と、を行う。
(蓋体準備工程)
電子部品実装工程(S2)によって原子発振デバイス200が基体10のデバイス搭載面10a上に配置されると、蓋体準備工程(S3)に移行される。なお、蓋体準備工程(S3)は電子部品実装工程(S2)に並行して実行されてもよい。
電子部品実装工程(S2)によって原子発振デバイス200が基体10のデバイス搭載面10a上に配置されると、蓋体準備工程(S3)に移行される。なお、蓋体準備工程(S3)は電子部品実装工程(S2)に並行して実行されてもよい。
蓋体準備工程(S3)では、先ず図11に示す蓋体ベース21が準備される。蓋体ベース21は、蓋体20の鍔部20cが半完成状態で供給される。なお、図11は説明の便宜上、図示する左半分が蓋体ベース21を示す側面外観図、右半分が蓋体20を示す側面外観図である。
蓋体ベース21は、筒状の側壁部21aと、側壁部21aの一方の端部と繋がる底部21bと、側壁部21aの一方の端部から外側に延設される鍔部21cと、を備えている。そして蓋体20に形成されることで、側壁部21aは側壁部20aに、底部21bは底部20bに、構成される。一方、鍔部21cは、蓋体準備工程(S3)に含む蓋体曲率付与工程(S3a)によって、鍔部21cの底面21dに曲率半径R30に基づいて、所定の曲率半径の面を形成するように加工される。
蓋体曲率付与工程(S3a)は図11の右半分に示すように、蓋体ベース21の鍔部21cの底面21dは、蓋体接合面30aの曲率半径R30に基づき、曲率半径R20を有する接合面20dに、プレス加工あるいは切削加工あるいは研削加工などの機械加工によって形成される。曲率半径R20は、曲率半径R30に対して、
R20<R30
の関係を有することが好ましい。なお、この関係を曲率で表すと、蓋体接合面30aの曲率χ30は、
χ30=1/R30
であり、接合面20dの曲率χ20は、
χ20=1/R20
であるので、
χ20>χ30
の関係を有することが好ましい。
R20<R30
の関係を有することが好ましい。なお、この関係を曲率で表すと、蓋体接合面30aの曲率χ30は、
χ30=1/R30
であり、接合面20dの曲率χ20は、
χ20=1/R20
であるので、
χ20>χ30
の関係を有することが好ましい。
図12は、蓋体20が図6に示す鍔部20cの厚みt3を変えず、鍔部20cを湾曲させて略円弧状の接合面20dを有する形態を示し、図示する左半分が蓋体ベース22を示す側面外観図、右半分が蓋体20を示す側面外観図である。
蓋体ベース22は、筒状の側壁部22aと、側壁部22aの一方の端部と繋がる底部22bと、側壁部22aの一方の端部から外側に延設される鍔部22cと、を備えている。そして蓋体20に形成されることで、側壁部22aは側壁部20aに、底部22bは底部20bに、構成される。一方、鍔部22cは、シームリング接合工程(S1)において計測された蓋体接合面30aの曲率半径R30に基づいて鍔部22cの底面22dに、所定の曲率半径の面を形成するように、鍔部22cに曲げ加工が施され、鍔部20cが形成される。
図12の図示する右半分に示すように、蓋体ベース22の鍔部22cの底面22dが、蓋体接合面30aの曲率半径R30に基づき、曲率半径R20を有する接合面20dとなるように曲げ加工が施される。この時、R20とR30との関係は上述した通りである。
なお、上述の蓋体準備工程(S3)では、蓋体接合面30aを測定したうえで、蓋体ベース21、あるいは蓋体ベース22の底面21d,22dを加工し、蓋体20を得る方法を説明したが、同一種の収容容器100を多量に生産する工程の場合には、蓋体曲率付与工程(S3a)として、予め複数の蓋体接合面30aの曲率半径R30の測定データから求められる平均値、分散(分布)から、接合面20dのR20の狙い値、バラツキの許容値、などを決めて生産してもよい。
(蓋体接合工程)
蓋体準備工程(S3)によって準備された蓋体20は、基体10に接合されたシームリング30に接合させる蓋体接合工程(S4)に移行される。蓋体接合工程(S4)は、蓋体仮接合工程(S41)と、蓋体本接合工程(S42)と、を含むことができる。
蓋体準備工程(S3)によって準備された蓋体20は、基体10に接合されたシームリング30に接合させる蓋体接合工程(S4)に移行される。蓋体接合工程(S4)は、蓋体仮接合工程(S41)と、蓋体本接合工程(S42)と、を含むことができる。
蓋体仮接合工程(S41)では、図13に示すように、原子発振デバイス200が配置された基体10に接合されたシームリング30の蓋体接合面30a上に、蓋体20の接合面20dを対向させて載置する。この時、蓋体接合面30aの曲率半径R30と、接合面20dの曲率半径R20と、は上述したように、
R20<R30
であることから、蓋体接合面30aと、接合面20dと、は接触点Pwで線接触の状態となる。なお、図13では、説明の便宜上、R30とR20との差を強調して描画してある。
R20<R30
であることから、蓋体接合面30aと、接合面20dと、は接触点Pwで線接触の状態となる。なお、図13では、説明の便宜上、R30とR20との差を強調して描画してある。
この接触点Pwに対応する鍔部20c上に、図示しないスポット溶接機の溶接端子Wを押圧し、所定の電流を付加し、接触点Pwをスポット溶接する(以下、接触点Pwをスポット溶接部Pwという)。このようにして、シームリング30に蓋体20が仮止めされ、後述する蓋体本接合工程(S42)における、蓋体20の位置ずれ、あるいは外れが防止される。なお、収容容器100の平面視、すなわちZ軸に沿って図示する上方から矢視した場合、鍔部20cの外形上が矩形の場合、外形の4辺に対応してスポット溶接部Pwを形成することが好ましい。これにより、後述する蓋体本接合工程(S42)の際の蓋体20のシームリング30との位置ずれ、あるいは外れをより確実に防止することができる。
蓋体仮接合工程(S41)によって、シームリング30に蓋体20が仮付けされ、蓋体本接合工程(S42)に移行される。蓋体本接合工程(S42)は、図14に示すように、図示しないシーム溶接機に備える1対のローラー電極401,402を、蓋体20の鍔部20cの接合面20dの反対面20eの外縁20fに押圧させながら、所定の電流をローラー電極401とローラー電極402との間に印加し、鍔部20cおよびシームリング30に通電する。
そして、平面視における対向する鍔部20cの外縁20fに沿ってローラー電極401,402を回動駆動させることにより、ローラー電極401,402間に印加される電流によって、接合面20dと蓋体接合面30aの間にジュール熱によって溶融接合、いわゆる溶接が行われる。これを、鍔部20cの外縁20fの全域に亘ってローラー電極401,402を回動駆動させることによって、鍔部20cと、基体10に接合されたシームリング30と、が気密に溶接される。
蓋体仮接合工程(S41)において、図13に示すようにスポット溶接部Pwから離間する位置では、シームリング30の蓋体接合面30aの曲率半径R30と、蓋体20の接合面20dの曲率半径R20と、の半径の差分は、蓋体接合面30aと接合面20dと、の間の隙間となる。しかし、上述したように、蓋体本接合工程(S42)ではローラー電極401,402は蓋体20の鍔部20cを押圧しながら回動駆動されることで、蓋体20の鍔部20cは、シームリング30の蓋体接合面30a側に押圧されることで変形し、接合面20dは蓋体接合面30aに密着させられてシーム溶接される。蓋体本接合工程(S42)までが終了し、蓋体接合工程(S4)は終了し、封止工程(S5)に移行される。
(封止工程)
封止工程(S5)は、図15に示すように基体10に形成された貫通孔10dに略球体のろう材11を載置し、載置されたろう材11にエネルギー線としてレーザーLを照射する。レーザーLによって溶融したろう材11は貫通孔10dを塞ぐ封止部10eとなり、収容空間100aを気密封止する。この時、原子発振デバイス200が収容された収容容器100は、収容空間100aが所定の空間環境、例えば真空環境、あるいは不活性ガス充填環境、となるよう、所定の空間環境に維持される図示しないチャンバー装置内において封止工程(S5)は実施される。
封止工程(S5)は、図15に示すように基体10に形成された貫通孔10dに略球体のろう材11を載置し、載置されたろう材11にエネルギー線としてレーザーLを照射する。レーザーLによって溶融したろう材11は貫通孔10dを塞ぐ封止部10eとなり、収容空間100aを気密封止する。この時、原子発振デバイス200が収容された収容容器100は、収容空間100aが所定の空間環境、例えば真空環境、あるいは不活性ガス充填環境、となるよう、所定の空間環境に維持される図示しないチャンバー装置内において封止工程(S5)は実施される。
なお、貫通孔10dは、ろう材11を安定して載置させるために基体10のデバイス搭載面10aから外面10bに向けて開口を徐々に大きくする、いわゆるテーパー付の貫通孔10dとすることが好ましい。また、ろう材11としては、Au−Ge合金ボールが好適に用いられるが、これに限定されない。
封止工程(S5)が終了し、収容容器100の内部に原子発振デバイス200を収容し、気密封止した原子発振器1000(図1参照)が得られる。
以上、説明したように本実施形態に係る電子部品収容容器100、あるいは電子部品収容容器100の製造方法は、基体10へシームリング30をろう付けすることで生じる変形により、シームリング30の蓋体接合面30aに発生するそりに対応させて、蓋体20の接合面20dに曲率を付与させて、シームリング30への蓋体20の接合部の気密性を確保している。従って、収容空間100a内部の環境を長期に亘って維持することができ、安定した電子部品の動作を可能とする電子部品収容容器を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムを説明する。図16は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器1000を備える形態を説明する。
第3実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムを説明する。図16は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器1000を備える形態を説明する。
図16に示す測位システム2000は、GPS衛星2100と、基地局装置2200と、GPS受信装置2300とで構成されている。GPS衛星2100は、測位情報(GPS信号)を送信する。基地局装置2200は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ2201を介してGPS衛星2100からの測位情報を高精度に受信する受信装置2202と、この受信装置2202で受信した測位情報を、アンテナ2203を介して送信する送信装置2204とを備える。
ここで、受信装置2202は、その基準周波数発振源として前述した本発明に係る第1実施形態の原子発振器1000を備える電子装置である。このような受信装置2202は、優れた信頼性を有する。また、受信装置2202で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置2204により送信される。GPS受信装置2300は、GPS衛星2100からの測位情報を、アンテナ2301を介して受信する衛星受信部2302と、基地局装置2200からの測位情報を、アンテナ2303を介して受信する基地局受信部2304とを備える。
(第4実施形態)
第4実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える電子機器の一例としてクロック伝送システムを説明する。図17は、クロック伝送システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器1000を備える形態を説明する。
第4実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える電子機器の一例としてクロック伝送システムを説明する。図17は、クロック伝送システムに本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器1000を備える形態を説明する。
図17に示すクロック伝送システム3000は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
このクロック伝送システム3000は、A局(上位(N系))のクロック供給装置(CSM:Clock Supply Module)3001およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置3002と、B局(上位(E系))のクロック供給装置3003およびSDH装置3004と、C局(下位)のクロック供給装置3005およびSDH装置3006,3007とを備える。クロック供給装置3001は、原子発振器1000を有し、N系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置3001内の原子発振器1000は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック3008,3009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置3002は、クロック供給装置3001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置3005に伝送する。クロック供給装置3003は、原子発振器1000を有し、E系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置3003内の原子発振器1000は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック3008,3009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置3004は、クロック供給装置3003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置3005に伝送する。クロック供給装置3005は、クロック供給装置3001,3003からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置3005は、通常、クロック供給装置3001からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置3005は、クロック供給装置3003からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置3006は、クロック供給装置3001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置3007は、クロック供給装置3003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える移動体の一例として自動車を例に説明する。図18は、移動体としての自動車に本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器1000を備える形態を説明する。
第5実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える移動体の一例として自動車を例に説明する。図18は、移動体としての自動車に本発明に係る原子発振器を用いた場合の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施形態では第1実施形態に係る原子発振器1000を備える形態を説明する。
図18に示す移動体としての自動車4000は、車体4001と、4つの車輪4002とを有しており、車体4001に設けられた図示しない動力源によって車輪4002を回転させるように構成されている。このような自動車4000には、原子発振器1000が内蔵されている。そして、原子発振器1000からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の原子発振器を組み込む電子機器または移動体は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、デジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
以上、本発明の原子発振器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、前述した実施形態の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
10…基体、20…蓋体、30…シームリング、200…原子発振デバイス、1000…原子発振器。
Claims (10)
- 基体と、蓋体と、を備え、
前記基体と、前記蓋体と、が、シームリングを介して接合され、電子部品が収容可能な電子部品収容空間が形成される電子部品収容容器であって、
前記基体に接合された前記シームリングの、前記蓋体との接合面が、曲率を有している、
ことを特徴とする電子部品収容容器。 - 前記基体はセラミックであり、
前記蓋体は金属である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品収容容器。 - 前記蓋体は、
一方の端部が開口し、他方の端部には底部を有する筒状の蓋本体と、
前記開口の端部に延設され、前記シームリングに接続される接合面を備える鍔部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品収容容器。 - 前記電子部品が原子発振器であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品収容容器。
- 前記蓋体が非磁性体であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品収容容器。
- 基体と、蓋体と、を備え、
前記基体と、前記蓋体と、が、シームリングを介して接合され、電子部品収容空間が形成される電子部品収容容器の製造方法であって、
前記基体に前記シームリングを接合するシームリング接合工程と、
前記基体に電子部品を実装する電子部品実装工程と、
前記蓋体を準備する蓋体準備工程と、
前記蓋体を前記基体に接合された前記シームリングに接合する蓋体接合工程と、
前記蓋体接合工程によって形成される電子部品収容空間を気密封止する封止工程と、を含む、
ことを特徴とする電子部品収容容器の製造方法。 - 前記基体はセラミックであり、
前記蓋体は金属であり、
前記蓋体接合工程では、前記基体に接合された前記シームリングに前記蓋体をシーム溶接する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電子部品収容容器の製造方法。 - 前記蓋体準備工程は、前記蓋体の前記シームリングへの接合面に曲率を付与する蓋体曲率付与工程を含む、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の電子部品収容容器の製造方法。 - 前記蓋体は、
一方の端部が開口し、他方の端部には底部を有する筒状の蓋本体と、
前記開口の端部に延設され、前記シームリングに接続される前記接合面を備える鍔部と、を備える、
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の電子部品収容容器の製造方法。 - 前記電子部品収容工程において収容される前記電子部品が原子発振器である、
ことを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の電子部品収容容器の製造方法。
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2016
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