JP2001285064A - ガスセル型原子発振器 - Google Patents

ガスセル型原子発振器

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JP2001285064A JP2000089949A JP2000089949A JP2001285064A JP 2001285064 A JP2001285064 A JP 2001285064A JP 2000089949 A JP2000089949 A JP 2000089949A JP 2000089949 A JP2000089949 A JP 2000089949A JP 2001285064 A JP2001285064 A JP 2001285064A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】周波数安定度が向上するとともに装置の小型化
も図れるガスセル型原子発振器を提供する。 【解決手段】アルカリ金属原子と緩衝気体とを封入した
ガスセルに半導体レーザから出射される該アルカリ金属
原子の励起光と共鳴マイクロ波を照射して、光・マイク
ロ波二重共鳴を起こさせ、その際に生じる共鳴周波数を
周波数の基準に用いるガスセル型原子発振器において、
前記緩衝気体に複数種類の不活性ガスを用いその分圧比
と全圧とをそれぞれ所定の値とすることで、温度変化及
び励起光の光強度の変化に対して共鳴周波数の変化を小
さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型・簡素にして
高い周波数安定度が得られるガスセル型原子発振器に係
り、特に励起光源の光強度変化に対する共鳴周波数変動
およびガスセルの温度変化に対する共鳴周波数変動を低
減し、周波数安定度を向上させたガスセル型原子発振器
に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスセル型原子発振器は、原子固有の共
鳴周波数を周波数基準とした極めて安定度の高い発振器
である。共鳴信号の信号対雑音比(S/N)が高いため
短期周波数安定度に優れているものが商用化されてお
り、基準周波数を得るための原子としては、主にルビジ
ウムが使用されている。ガスセル型原子発振器の基本構
成について図1及び図2を用いて説明する。なお、図1
は全体の基本構成図、図2は基本構成中の二重共鳴部2
の二重共鳴共振器2c部分を示す断面模式図である。
【0003】図1、図2において、電圧制御水晶発振器
5から出力された信号周波数f1 の信号は周波数合成・
逓倍回路4に入力されて、二重共鳴部2の中のガスセル
21に封入されている原子の共鳴周波数f2 に近いマイ
クロ波信号(周波数N×f1)に変換される。このマイ
クロ波信号は、二重共鳴部2内の二重共鳴共振器2cに
入力されて、二重共鳴共振器2c内の空洞共振器22を
励振する。また光源部1から出射された光は、二重共鳴
部2内の二重共鳴共振器2cへ励起光として照射され
る。二重共鳴共振器2c内では、光およびマイクロ波に
よる二重共鳴現象が生じ、二重共鳴部2からは、加えら
れたマイクロ波信号の周波数N×f1 と原子の共鳴周波
数f2 との周波数差( N×f1 −f2 ) に比例した信号
が誤差信号として出力される。信号処理制御装置3は、
この周波数差がゼロになるように電圧制御水晶発振器5
の発振周波数を制御する。この結果、電圧制御水晶発振
器5からは標準となる周波数f1 を有する信号が出力さ
れる。二重共鳴部2に含まれている温度制御回路2a
は、ガスセル21を恒温化するためにヒータ26へ電力
を供給し、また同様に静磁場発生回路2bはガスセル2
1に直流平行磁場(静磁場)を与えるために静磁場コイ
ル27へ電流を供給している。
【0004】次に、二重共鳴共振器2cの構成につい
て、図2を用いて説明する。空洞共振器22の中には、
アルカリ金属が封入されたガスセル21が収容されてい
る。アルカリ金属としては、共鳴マイクロ波周波数が
6.83GHz付近であるルビジウム原子(以下、「R
b」と記す。)が一般に利用されているが、共鳴マイク
ロ波周波数が9.19GHz付近であるセシウム原子
(以下、「Cs」と記す。)を利用することで、空洞共
振器22の小型化が図れる。以下の説明は、Csを例に
とり説明しているが、Rbの場合でも構成は同じであ
る。空洞共振器22は、非磁性体の金属でなる同筒状で
あり、その一端には光源部1からの励起光を採り入れる
光入力窓28が設けられ、また他端には光入力窓28に
対向する位置にガスセル21を透過した光を受光するた
めの光検出器23が備えられている。また空洞共振器2
2の内部には、周波数合成・逓倍回路4からのマイクロ
波信号を入力するためのマイクロ波アンテナ24および
ガスセル21の温度を検出するための温度センサ29が
備えられている。空洞共振器22の外周には、ガスセル
21に静磁場を与えるための静磁場コイル27が巻回さ
れている。空洞共振器22と静磁場コイル27は、複数
の磁気シールド槽25,25に収容されている。複数の
磁気シールド槽25,25は、一端に光源部1からの励
起光をとり入れるための光入力窓28がそれぞれ設けら
れ、かつ他端が閉塞された形状の強磁性体材料でなる金
属ケースであり、外部磁場および周辺制御回路からの発
生磁場を遮断する。最内層の磁気シールド槽25の外周
には、ガスセル21と空洞共振器22を加熱し恒温化す
るためのヒータ26が巻回されている。ヒータ26は、
温度センサ29によって検出される温度が一定となるよ
うに温度制御回路2aから印加される電圧が制御されて
いる。温度は、例えば常温より高い30〜70℃の間の
所定の温度で一定になるように制御されているが、これ
はガスセル21に封入されている金属原子を蒸気の状態
にし、励起光の吸収量を増すためである。
【0005】次に、光マイクロ波二重共鳴現象につい
て、図3に示すCsのエネルギ状態の3準位原子系モデ
ルを例に説明する。図3の(a)に示すように、熱平衡
状態におけるCsは、基底状態(6S1/2)の2つの超
微細準位(F=3,F=4)に等分に分布している。こ
の状態のとき、図3の(b)に示すように、F=3から
光ポンピングを行う波長に安定化された励起光をCsに
照射すると、基底状態の高い超微細準位(6S1/2 ,F
=4)にあるCsは変化を受けないが、基底状態の低い
超微細準位(6S1/2 ,F=3)にあるCsは励起光の
光エネルギを吸収して、励起状態(6P3/2 )に光ポン
ピングされる。励起状態(6P3/2 )に光ポンピングさ
れたCsは、次の瞬間いま得たエネルギを自然放出し
て、基底状態(6S1/2 )の2つの超微細準位(F=
3,F=4)に等確率で落ちる。励起光を照射し続ける
ことによりこの過程が繰り返され、Csのほとんどが基
底状態の高い超微細準位(6S1/2 ,F=4)に集めら
れ、反転分布の状態となる。この状態で図3の(c)に
示すように、Cs固有の共鳴周波数f2 に近い高周波磁
場(マイクロ波信号)を加えると、基底状態の高い超微
細準位(6S1/2 ,F=4)にあるCsは共振振動を受
けてエネルギを放出し、基底状態の低い超微細準位(6
1/2 ,F=3)に誘導放出される。ここで、再び、基
底状態の低い超微細準位(6S1/2 ,F=3)のCsは
励起光の光エネルギを吸収して、励起状態(6P3/2
への光ポンピングが始まるのでガスセル21の透過光を
受光している光検出器23から図4に示すような吸収特
性が得られる。これを光マイクロ波二重共鳴という。図
4において共鳴周波数f2 から離れるにしたがって透過
光レベルが増加しているのは、図3の(c)に示す状態
のときに、マイクロ波信号による高周波磁場が共鳴周波
数f2 からずれるにしたがって誘導放出される原子の数
が減り、その結果として低い準位の原子数は減り光の吸
収がおこらないことが、その理由である。したがって、
ガスセル21を透過した光(透過光)レベルを光検出器
23で観測し、透過光レベルが常に最小となるようにマ
イクロ波信号の周波数を制御することにより、原子固有
の共鳴周波数f2 が持つ極めて安定な周波数が移乗した
標準周波数を得ることができる。
【0006】前述の図3の説明では、基底状態の低い超
微細準位(6S1/2 ,F=3)から光ポンピングを行っ
ているが、基底状態の高い超微細準位(6S1/2 ,F=
4)から光ポンピングを行ってもよい。この場合には、
図3の(c)の高周波磁場により、Csは、基底状態の
低い超微細準位(6S1/2 ,F=3)から基底状態の高
い超微細準位(6S1/2 ,F=4)へと集められるた
め、同様の吸収特性が得られる。また、前述の説明は、
励起光波長が約852nmであるCsのD2線を利用し
た光ポンピングについて説明したが、励起状態(6P
1/2 )への励起光波長が約894nmであるCsのD1
線を利用した光ポンピングでも実現可能であることが知
られている。
【0007】次にガスセル21について、説明する。通
常ガスセル21内には、Csと共に緩衝気体として不活
性ガスを封入する。緩衝気体の効果としては、光ポンピ
ングされたCsのガスセル内壁との衝突によるエネルギ
消失を防ぐことで、Csが下準位へ緩和して熱平衡状態
へ近づこうとする時間(緩和時間)を延ばすことが知ら
れている。しかし、緩衝気体はそれ自体の圧力変化また
は温度変化により共鳴マイクロ波周波数変化をもたら
し、これらの変化の度合は、それぞれ圧力係数,温度係
数と呼ばれている。また、緩衝気体の種類により、それ
ぞれの係数は正特性若しくは負特性を持っている。そこ
で、通常緩衝気体には、上記2つの係数がそれぞれ正負
逆特性を持つ2種類以上の不活性ガスを選択し、これら
の係数を極力小さくする不活性ガスの圧力比(混合比)
を決める。通常、2種類の不活性ガスを緩衝気体に用い
る場合では、温度係数がゼロに近い値となるような混合
比に設定する。また、ガスセル21内に封入する緩衝気
体の全圧力については、Csがガスセル内壁に衝突する
確率およびCsが緩衝気体に衝突する確率を計算し、こ
れらの和の逆数(緩和時間)が最大値となるようにに設
定している。すなわち、ガスセル21の寸法が決まれ
ば、緩和時間が最大となるための緩衝気体の全圧力が計
算できる。緩和時間の算出方法としては、「「周波数と
時間」, 吉村他, 第5章,電子情報通信学会」に詳細な
記述がある。
【0008】光源部1の光源は、キャリアガスと共に原
子を封入したランプセルを高周波励振して放電させるラ
ンプ励起方式と、半導体レーザ(LaserDiode:以下
「LD」と記す。)を励起光としたLD励起方式がある
が、LD励起方式では励起波長の選択的な光ポンピング
を行うことが可能であるため、ランプ励起方式と比較
し、ポンピング効率および信号対雑音比の向上が可能で
ある。
【0009】LD励起方式を用いた場合の光源部1につ
いて、図5の光源部の光学系および制御系のブロック図
を用いて説明する。図5において、LD11の波長安定
化には、Csのみを封入した基準セル18の吸収特性を
用いており、吸収特性を得るための方法としては、線形
吸収分光法と飽和吸収分光法とがある。初めに線形吸収
分光法について説明する。LD11から出射されたレー
ザ光の光路をビームスプリッタ19aで分岐し、基準セ
ル18にレーザ光を入射し、基準セル18の透過光を光
検出器17で受光する。光検出器17の出力は、増幅器
16を介して電圧出力信号となる。レーザ制御器12
は、LD11への注入電流の制御を行う。ここで、レー
ザ制御器12にて注入電流を変化させることによってレ
ーザ光の出力波長をスイープし、その出力波長を横軸に
とり、前述の電圧出力信号を縦軸にとると、図6の
(a)に示すような線形吸収スペクトルが観測される。
基準セル18で得られた線形吸収スペクトルの光吸収ピ
ークにLD11の出力波長を安定化させるには、吸収ス
ペクトルのピークにおける変調信号のレベルを基準にし
て、レーザ光の波長がこのピークからのずれを検出し、
それを誤差信号として位相同期ループにより出力波長を
制御する。図5を用いて具体的に説明すると、変調信号
発生器15から出力された変調信号を、LD11に加わ
る注入電流に加算器13を介して重畳し、レーザ光を周
波数変調する。光検出器17は、基準セル18を透過し
たレーザ光に含まれた変調信号成分を検出し、増幅器1
6を介して制御手段14に入力される。制御手段14
は、増幅器16からの電圧出力信号に含まれた変調信号
成分を変調信号発生器15から出力された変調信号によ
り同期検波し、その同期検波出力がゼロとなるようレー
ザ制御器12へ帰還を行う。なお、異なる変調方式とし
て、基準セル18に変調磁場を発生させ、ガスの吸収ス
ペクトル自体を変調しても同様の効果が得られる。
【0010】次に、飽和吸収分光法について、図5を用
いて説明する。この方法は、前述の線形吸収分光法によ
る出力波長の短期安定度をさらに向上させるものであ
る。LD11から出射されたレーザ光の光路をビームス
プリッタ19aで分岐し、一方の分岐光は基準セル18
を透過し光検出器17に入射される。もう一方の分岐光
はビームスプリッタ19b、ミラー19c、ビームスプ
リッタ19dを介して基準セル18へ入射される。この
入射光とビームスプリッタ19aで分岐された前記一方
の分岐光とは、基準セル18の中において、進行方向は
互いに反対向きで、かつ、ほぼ重なり合うようにする。
この場合、上記入射光および分岐光のどちらか一方のレ
ーザ光で分子の吸収が飽和状態となると、他方のレーザ
光(この場合プローブ光となる)による光の吸収量が減
少する。このプローブ光にもたらされる飽和吸収特性を
光検出器17で受光し、増幅器16より電圧出力信号を
得る。レーザ制御器12にてLD11の注入電流を変化
させることによってレーザ光の出力波長をスイープし
て、その出力波長を横軸にとり、前述の電圧出力信号を
縦軸にとると、図6の(b)に示すような線形吸収成分
を含んだ飽和吸収スペクトルが観測される。一つの飽和
吸収スペクトルの半値全幅は線形吸収スペクトルの半値
全幅の約1/100である。このため、LD11の出力
波長を制御する際、飽和吸収スペクトルを用いると狭線
幅化により安定度が大幅に改善できる。一般に知られて
いるCsのD2線の飽和吸収スペクトルは、基底状態
(6S1/ 2 ,F=3)から励起状態(6P3/2 )への励
起波長では、波長の短い方から順にF線,E線,D線の
3本と、それらのクロスオーバとしてm線、l線、k線
の3本の計6本がある。また、基底状態(6S1/2 ,F
=4)から励起状態(6P 3/2 )への励起波長では、波
長の短い方から順にC線,B線,A線の3本と、それら
のクロスオーバとしてc線,b線,a線の計6本があ
る。「THEORETICALANALYSIS OF Rb AND Cs D2 LINES IN
SATURATION SPECTROCOPY WITH OPTICALPUMPING,S.Naka
yama,JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS,Vol.23,N
o.7,pp.879-883,1984. 」に詳細な記述がある。
【0011】Csをガスセル型原子発振器として使用す
るとき、通常、TE011 あるいはTE111 モードの二重
共鳴共振器が使用され、この中にセルを入れる。光源部
1から出力される励起光の波長(励起光周波数)は、前
述の飽和吸収スペクトルの一つに安定化されているが、
ガスセル21にはCsと緩衝気体が封入されているた
め、ガスセル21の吸収量最大の光周波数位置は励起光
周波数と一致しない。このため、周波数がずれた励起光
の強度変化により、吸収線のエネルギ状態が変化し、共
鳴マイクロ波周波数がシフトされてしまう現象がある。
これを光パワーシフトと呼ぶ。図7は従来のガスセルの
光パワーシフト特性を測定したグラフを示し、横軸にB
線を基準値ゼロとした励起光周波数、縦軸に共鳴マイク
ロ波周波数相対値をとっている。3つの飽和吸収スペク
トルc線、a線およびA線に励起光周波数をそれぞれ順
に安定化して、光強度を3ポイント変えた時のそれぞれ
の共鳴マイクロ波周波数をプロットした。図中、●,
○,◆で示した点は光強度の違いを表し、実線は同じ光
強度の点を結んでいる。図7のグラフから、飽和吸収線
のいずれに安定化しても、励起光の強度変動による共鳴
マイクロ波周波数の光パワーシフトが生じてしまうこと
が判る。
【0012】図7において、B線とa線とのほぼ中間位
置に光強度を変えても共鳴マイクロ波周波数が変化しな
い特異点が存在している。この特異点は光パワーシフト
ゼロ点と呼ばれているが、この光周波数位置に励起光周
波数が安定化出来れば、光パワーシフトが生じず、光強
度が変化しても原子発振器の安定度には影響しない。
【0013】特開平7−50580号公報に記載の発明
では、2台のLDを用いた方式によりこの問題点を解決
している。この場合、光パワーシフトがゼロになる光周
波数は、飽和吸収線a線からプラスの方向に50MHz
ずれているので、例えば2台の内一つのLDを飽和吸収
線a線に安定化するマスタ光源とし、残りの1台をa線
から+50MHz程度オフセットしたスレーブ光源と
し、2台の光源のビート信号(周波数差)を観測する。
この周波数差が常に+50MHzとなるように、スレー
ブ光源をマスタ光源にオフセットロックし、波長制御さ
れたスレーブ光源の出力光を励起光とすればよい。
【0014】光パワーシフトゼロ点の光周波数位置と励
起光周波数を一致させる他の手法としては、ゼーマン現
象を利用することが考えられる。光源部の基準セルに強
磁場を加えて、吸収線位置を光パワーシフトゼロ点まで
周波数シフトさせればよい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ガスセル型原子発振器
の利点としては、高い周波数安定度が得られると共に、
小型で低消費電力であることが挙げられる。しかし、特
開平7−50580号公報に記載の光パワーシフトゼロ
点に励起光周波数を安定化する方式では、光学系および
電気系が複雑になり、装置の小型化が図れない。また、
ゼーマン現象を利用した方式では、飽和吸収線によって
磁場に対する周波数シフト量が違うが、磁界の大きさを
Hとすると、シフト量が大きいものでも≦1/H[MH
z/100 μT]である。例えば、吸収線を50[MH
z]周波数シフトさせようとすると、その時の磁界の大
きさHは、H≧5[mT]となる。この値は、日本にお
ける地磁気の強さがほぼ30[μT]であることを考え
ると、その170倍となってしまい、基準セルだけでな
く、共鳴セルもゼーマンシフトを生じる恐れがあるた
め、磁気シールドを今以上に施さなくてはならない。こ
のことは、装置の大型化を招く。また、磁界を定量的に
発生させるには、ソレノイドコイルに一定電流を流す方
法が容易であるが、電流変動が直接原子発振器の周波数
安定度に影響を及ぼすため、周波数の不安定要因にな
る。この発明の目的は、周波数安定度が向上するととも
に装置の小型化も図れるガスセル型原子発振器を提供す
ることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、従来は光パワーシフトゼロ点の光周波数位置と励起
光周波数を一致させるために、励起光周波数をシフトさ
せていたが、本発明では光パワーシフトゼロ点の光周波
数位置をシフトさせることとした。すなわち、本発明の
請求項1のガスセル型原子発振器は、アルカリ金属原子
と緩衝気体とを封入したガスセルに半導体レーザから出
射される該アルカリ金属原子の励起光と共鳴マイクロ波
を照射して、光・マイクロ波二重共鳴を起こさせ、その
際に生じる共鳴周波数を周波数の基準に用いるガスセル
型原子発振器において、前記半導体レーザは前記アルカ
リ金属原子の光吸収線の内の所定の光吸収線の波長に安
定化された励起光を出射し、かつ、前記緩衝気体は複数
種類の不活性ガスより成り、前記ガスセルを使用する温
度での該温度に対する前記共鳴周波数の微分係数及び前
記波長安定化された励起光の光強度の変化に対する前記
共鳴周波数の変化がゼロに近い値となるように、前記緩
衝気体の分圧比と全圧力とがそれぞれ所定の値とされて
いる。また、本発明の請求項2のガスセル型原子発振器
は、請求項1のガスセル型原子発振器において、前記ア
ルカリ金属原子がセシウム原子であり、前記所定の光吸
収線がセシウム原子の光吸収線の内のa線の波長及びk
線の波長のいずれかであり、かつ、前記緩衝気体がアル
ゴン及び窒素である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明のガスセル型原子発振器は前述のようにガ
スセル、特に該ガスセルに封入する緩衝気体について特
徴があり、その他については図1及び図2を参照して説
明したガスセル型原子発振器と同様であるので、主とし
てガスセルについて説明し、その他の説明は省略する。
本実施の形態では、従来使われているRbより共振器を
小さくすることが可能であるCsを使用した。また、光
源として、LDを使用し、該LDの出射光の波長はCs
のD2線の飽和吸収線の1本であるa線に安定化する。
Csと共にガスセル21に封入するガスとしては、窒素
(N2 )とアルゴン(Ar)を使用した。N2 は化学的
に安定であると同時に、光励起されたN2 が緩和すると
きに非発光で緩和する確率が高いために、発光緩和によ
って再度Csを励起する確率が低く、安定したCsの光
励起ができる。N2 と組み合わせるもう一つのガスとし
ては、温度シフト係数を小さくするために、N2 と反対
の符号の温度係数を持つガスが必要であるが、多くの希
ガスがこのような性質を持っている。その中で、Csと
衝突したときに、その基底状態(6S1/2 )の2つの超
微細準位間の緩和に対して最も小さな非弾性散乱確率を
持ち、原子発振器の本質的な精度を高めるために必須で
ある長い寿命を達成できるのはArであるため、本実施
の形態では、N2 とArを緩衝気体として使用した。
【0018】本実施の形態に用いるガスセルは、室温が
25℃のもとで作製した。この状態で、N2 に対するA
rの分圧比をkとし、N2 とArの圧力を加えた全圧を
Pとする。分圧比kと全圧Pについては後述する。この
ようなガスセルを他の温度で作製したり、評価したりす
れば、分圧比kは一定であるが、全圧Pはボイル・シャ
ルルの法則によって変化することは自明である。ここ
で、温度や圧力によるガスセル自体の体積の変化は、実
質的に無視できる。試作したガスセル中に実際に入って
いるN2 とArの量は、既知の内容積と温度の真空系内
でガスセルを割って、マススペクトロメータで分析する
ことができる。
【0019】上記のような条件でガスセルを作製し、励
起する光の波長をCsの飽和吸収線の1本であるa線の
波長としたときに、光の強度の変動によってマイクロ波
周波数が変化しないという条件と、そのとき、ある温度
において、温度による共鳴マイクロ波周波数の変化がゼ
ロになるという条件を、共に満足させることができる分
圧比kと全圧Pを求めることが必要となる。このため
に、分圧比k及び全圧Pが異なる複数のガスセルを試作
した。それらを測定して、温度シフト係数がゼロになる
温度において、a線で励起したときの光パワーシフト係
数がそれぞれ、正および負のものを、それぞれおよび●
で表すこととして、ガスセルの全圧Pと圧力比kを2次
元座標軸の横軸と縦軸にとったグラフに示すと、図8の
ようになる。このグラフ上で、および●の境界を実線で
示してある。この実線上の全圧Pと圧力比kで、温度シ
フト係数と光パワーシフト係数が共にほぼゼロになる。
これを式で表すと次のようになる。 k=0.565 P−1.64 ( 4.09 kPa>P> 3.36 kPa :Pの単位は kPa )…(1) 前記全圧Pの範囲は、ガスセルを使用する温度が30℃
〜70℃の範囲において該ガスセルが有すべき全圧Pの
範囲である。ガスセルを使用する温度が30℃の場合は
全圧Pが3.36 kPaあたり、70℃の場合は4.09 kPaあた
りを用いる。本実施の形態に用いるガスセルの分圧比k
と全圧Pは式(1) を満足するものとする。本実施の形態
では、励起する光の波長をCsのD2線のa線の波長と
したが、実験の結果、式(1) を満足する分圧比kと全圧
Pを有するガスセルは、励起する光の波長をCsのD2
線の飽和吸収線k線の波長としたときにも、光の強度の
変動によってマイクロ波周波数が変化しないという条件
と、そのとき、温度による共鳴マイクロ波周波数の変化
がゼロになるという条件を、共に満足することが確かめ
られた。a線もk線も、飽和吸収線の中では、他の吸収
線から比較的離れた波長にあり、かつ、鋭い光吸収ピー
クを示す線であるために、LDの波長を安定化しやす
い。この様な飽和吸収線が利用できることも、式(1) を
満足する条件で作製されたガスセルの実用性を高める。
一方、CsのD2線の他の飽和吸収線については、上記
のような条件を満足する分圧比kと全圧Pは存在しない
ことも確認された。
【0020】ここで、分圧比kの許容範囲について検討
する。ガスセル型原子発振器の二重共鳴部を作製して、
温度の安定化を図ると、実際に装置が使用されると想定
される周囲温度が10℃から50℃で、ガスセルの温度
を周囲温度より高い一定温度に0.01℃程度の温度の
安定化を図ることは比較的容易であるが、それ以上の温
度安定化を図ることは、実用装置としては、大きさやコ
ストを考慮すると困難である。一方、LDの出射光の強
度は、LDに注入する電流と温度で制御することが可能
であるが、その相対安定度は、10-3程度までは容易に
制御可能である。しかし、その光をガスセルに照射する
段階で、実環境の振動や温度変化によって、実際にガス
セルに到達する光の強度の相対安定度は10-2程度にな
る。一般に、ガスセル型原子発振器に要求されているア
ラン分散で定義される周波数の相対安定度は、1秒で1
-11 、100秒で10-12 程度以下である。従って、
実際のガスセル型原子発振器において、上記のような温
度変動や光強度の変動があった場合にも、ガスセル型原
子発振器に要求される安定度を満足するためには、分圧
比kと全圧Pは、図7の実線で示される値に完全に一致
する必要はなく、温度が0.01℃、相対光強度が10
-2変動しても1秒で10-11 、100秒で10-12 のマ
イクロ波周波数の相対安定度が保たれていれば十分であ
る。このため、作製したガスセルの光パワーシフト係数
と温度シフト係数が、現実に容易に達成される前記の範
囲で変動しても、上記の安定度を示せば、実用的に問題
のない原子発振器を実現することができる。このような
条件を、kとPの許容範囲として示すと、図8のように
なり、式(1) において、kの値が20%変動しても、十
分、1秒で10-11 、100秒で10-12 のマイクロ波
周波数の相対安定度が保たれることに対応している。以
上の実験では温度範囲を30℃から70℃までに限定し
ている。その理由は、Csの周波数で使用するTE011
あるいはTE111 モードの二重共鳴共振器を想定すると
き、その共振器とガスセルとの相対的な大きさから、3
0℃以下ではガスセル内でのCsの飽和蒸気圧が小さい
ためにCsのa線に安定化された励起光の吸収係数が小
さくて十分な信号対雑音比がとれず、70℃以上ではC
sのa線に安定化された励起光の吸収係数が大きすぎて
セルの透過光に対する散乱光の強度が大きく十分な信号
対雑音比がとれず、一方、セルを小型にするとCsとガ
スセル内壁との相互作用が大きくなり、やはり、十分な
信号対雑音比がとれないためである。この実験で使用し
た光の強度は、原子発振器として高い安定度を達成する
ために必須である大きな信号対雑音比を得るために、ガ
スセルへの入射光量に対する透過光量が約1/2から1
/10となるような条件で行った。
【0021】本実施の形態では、CsのD2線の場合を
示したが、D1線を使用した場合にも、いずれかの飽和
吸収線を使うことによって、実用的なガスセル型原子発
振器を実現するために十分な程度、温度シフト係数と光
パワーシフト係数が小さなガスセルを、適当な分圧比k
と全圧Pで実現できることは、容易に推定される。ま
た、本実施の形態はCsを使用した場合を示したが、R
bでも実現可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明のガスセル型原子発振器は、ガス
セルに例えばCsと共に封入する緩衝気体の分圧比及び
全圧力を調整することにより、ガスセルの設定温度にお
ける温度係数をゼロにし、かつ、励起光周波数の基準と
なる飽和吸収線例えばCsのa線若しくはk線と光パワ
ーシフトゼロ点とを一致させている。このことは、周囲
温度が変化し、ガスセルの設定温度が変動を受けた場合
でも、周波数安定度は影響を受けず、また、波長安定化
された励起光の光強度が変動した場合でも、周波数安定
度は影響を受けないことから、周波数安定度を向上させ
ることができる。本発明のガスセル型原子発振器は、2
種類の緩衝気体の分圧比及び全圧力を精密に調整するだ
けで、小型化の妨げとなる追加部材も無く、従来のもの
と構成がほとんど同じであるために、安価に周波数安定
度の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスセル型原子発振器の基本構成図である。
【図2】二重共鳴共振器の構成を示す断面模式図であ
る。
【図3】Csのエネルギ状態の3準位原子系モデルを示
す図であり、(a)は熱平衡状態、(b)は反転分布状
態、(c)は誘導放出現象を示す図である。
【図4】光マイクロ二重共鳴現象による吸収特性を示す
図である。
【図5】光源部の光学系および制御系のブロック図であ
る。
【図6】基準セルの吸収特性を示す図であり、(a)は
線形吸収スペクトル、(b)は線形吸収成分を含んだ飽
和吸収スペクトルを示す図である。
【図7】従来のガスセル型原子発振器に用いるガスセル
の光パワーシフト特性を示す図である。
【図8】本発明のガスセル型原子発振器に用いるガスセ
ルの緩衝気体の圧力比kと全圧力Pとの関係を示す図で
ある。
【図9】本発明のガスセル型原子発振器に用いるガスセ
ルの緩衝気体の圧力比kと全圧力Pの許容範囲を示す図
である。
【符号の説明】
1 光源部 2 二重共鳴部 2a 温度制御回路 2b 静磁場発生回路 2c 二重共鳴共振器 3 信号処理制御装置 4 周波数合成・逓倍回路 5 電圧制御水晶発振器 11 LD(半導体レーザ,レーザ光源) 12 レーザ制御器 13 加算器 14 制御手段 15 変調信号発生器 16 増幅器 17 光検出器 18 基準セル 19a ビームスプリッタ 19b ビームスプリッタ 19c ミラー 19d ビームスプリッタ 21 ガスセル 22 空洞共振器 23 光検出器 24 マイクロ波アンテナ 25 磁気シールド槽 26 ヒータ 27 静磁場コイル 28 光入力窓 29 温度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属原子と緩衝気体とを封入し
    たガスセル(21)に半導体レーザ(11)から出射さ
    れる該アルカリ金属原子の励起光と共鳴マイクロ波を照
    射して、光・マイクロ波二重共鳴を起こさせ、その際に
    生じる共鳴周波数を周波数の基準に用いるガスセル型原
    子発振器において、 前記半導体レーザは前記アルカリ金属原子の光吸収線の
    内の所定の光吸収線の波長に安定化された励起光を出射
    し、かつ、前記緩衝気体は複数種類の不活性ガスより成
    り、前記ガスセルを使用する温度での該温度に対する前
    記共鳴周波数の微分係数及び前記波長安定化された励起
    光の光強度の変化に対する前記共鳴周波数の変化がゼロ
    に近い値となるように、前記緩衝気体の分圧比と全圧力
    とがそれぞれ所定の値とされていることを特徴とするガ
    スセル型原子発振器。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属原子がセシウム原子で
    あり、前記所定の光吸収線がセシウム原子の光吸収線の
    内のa線の波長及びk線の波長のいずれかであり、か
    つ、前記緩衝気体がアルゴン及び窒素である請求項1記
    載のガスセル型原子発振器。
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