JP2014053842A - 量子干渉装置の製造方法、量子干渉装置、電子機器及び原子セルモジュール - Google Patents

量子干渉装置の製造方法、量子干渉装置、電子機器及び原子セルモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】小型化されても高い周波数温度特性を実現可能な量子干渉装置及びその製造方法、この量子干渉装置を用いた電子機器、並びにこの量子干渉装置に用いられる原子セルモジュールを提供すること。
【解決手段】本発明の原子発振器(量子干渉装置の一例)の製造方法は、ガスセル110、半導体レーザー200、光検出器210、回路部のIC、ヒーター120a,120b及びコイル130a,130bをそれぞれ所望の場所に配置して原子発振器(量子干渉装置の一例)を組み立てる組み立て工程(S10,S20)と、共鳴光の周波数温度特性が平坦に近づくように、コイル130a,130bに流す電流、コイル130a,130bの位置及び形状の少なくとも1つを調整する調整工程(S30〜S70)と、を含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、量子干渉装置の製造方法、量子干渉装置、電子機器及び原子セルモジュールに関する。
アルカリ金属原子の一種であるセシウム原子は、図22に示すように、6S1/2の基底準位と、6P1/2、6P3/2の2つの励起準位とを有することが知られている。さらに、6S1/2、6P1/2、6P3/2の各準位は、複数のエネルギー準位に分裂した超微細構造を有している。具体的には、6S1/2はF=3,4の2つの基底準位を持ち、6P1/2はF=3,4の2つの励起準位を持ち、6P3/2はF=2,3,4,5の4つの励起準位を持っている。
例えば、6S1/2のF=3の基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF=2,3,4のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F=5の励起準位に遷移することはできない。6S1/2のF=4の基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF=3,4,5のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F=2の励起準位に遷移することはできない。これらは、電気双極子遷移を仮定した場合の遷移選択則による。逆に、6P3/2のF=3,4のいずれかの励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して6S1/2のF=3又はF=4の基底準位(元の基底準位又は他方の基底準位のいずれか)に遷移することができる。ここで、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P3/2のF=3,4のいずれかの励起準位からなる3準位(2つの基底準位と1つの励起準位からなる)は、D2線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であることからΛ型3準位と呼ばれる。同様に、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P1/2のF=3,4のいずれかの励起準位からなる3準位は、D1線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であるからΛ型3準位を形成する。
これに対して、6P3/2のF=2の励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して必ず6S1/2のF=3の基底準位(元の基底準位)に遷移し、同様に、6P3/2のF=5の励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して必ず6S1/2のF=4の基底準位(元の基底準位)に遷移する。すなわち、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P3/2のF=2又はF=5の励起準位からなる3準位は、D2線の吸収・放出によるΛ型の遷移が不可能であることからΛ型3準位を形成しない。なお、セシウム原子以外のアルカリ金属原子も、同様に、Λ型3準位を形成する2つの基底準位と励起準位を有することが知られている。
ところで、気体状のアルカリ金属原子に、Λ型3準位を形成する第1の基底準位(セシウム原子の場合、6S1/2のF=3の基底準位)と励起準位(セシウム原子の場合、例えば6P3/2のF=4の励起準位)とのエネルギー差に相当する周波数(振動数)を有する共鳴光(共鳴光1とする)と、第2の基底準位(セシウム原子の場合、6S1/2のF=4の基底準位)と励起準位とのエネルギー差に相当する周波数(振動数)を有する共鳴光(共鳴光2とする)とを同時に照射すると、2つの基底準位の重ね合わせ状態、即ち量子コヒーレンス状態(暗状態)になり、励起準位への励起が停止する電磁誘起透過(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象(CPT(Coherent Population Trapping)と呼ばれることもある)が起こることが知られている。このEIT現象を起こす共鳴光対(共鳴光1と共鳴光2)の周波数差はアルカリ金属原子の2つの基底準位の
エネルギー差ΔE12に相当する周波数と正確に一致する。例えば、セシウム原子は、2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数は9.192631770GHzであるので、セシウム原子に、周波数差が9.192631770GHzの2種類のD1線又はD2線のレーザー光を同時に照射すると、EIT現象が起こる。
従って、図23に示すように、周波数がfの光と周波数がfの光を気体状のアルカリ金属原子に同時に照射したとき、この2光波が共鳴光対となってアルカリ金属原子がEIT現象を起こすか否かでアルカリ金属原子を透過する光の強度が急峻に変化する。この急峻に変化する透過光の強度を示す信号はEIT信号(共鳴信号)と呼ばれ、共鳴光対の周波数差f−fがΔE12に相当する周波数f12と正確に一致するときにEIT信号のレベルがピーク値を示す。そこで、気体状のアルカリ金属原子を封入した原子セル(ガスセル)に2光波を照射し、光検出器によりEIT信号のピークトップを検出するように、すなわち、2光波の周波数差f−fがΔE12に相当する周波数f12と正確に一致するように制御することで、高精度な発振器を実現することができる。このような原子発振器に関する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
米国特許第6320472号明細書
ところで、ガスセルを内蔵する原子発振器は、一般的にガスセルの温度を最良の特性が得られるような温度帯に制御している。従来の方法では、ガスセルを含む容器(一般に金属)全体を暖めるようにヒーターを駆動していた。これに対して、近年、ヒーターに透明導電膜を使う手法が提案され、小型化に向くことと適切な温度分布が得られやすいことなどから、特にEIT現象を利用した原子発振器において適用例が報告されている。
しかしながら、ガスセルに極端に近接した部位に、外気温度に応じて変動する大きなヒーター電流が流れるので、このヒーター電流により発生する磁場が変動し、原子発振器の周波数温度特性が劣化するという問題がある。さらに、原子発振器が小型化されると、外気温度の影響を受けやすくなり、ガスセルに注入されるネオン(Ne)やアルゴン(Ar)等のバッファーガスの温度特性や原子発振器の回路部の温度特性が表面化し、やはり周波数温度特性が劣化するという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、小型化されても優れた周波数温度特性を実現可能な量子干渉装置及びその製造方法、この量子干渉装置を用いた電子機器、並びにこの量子干渉装置に用いられる原子セルモジュールを提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る量子干渉装置の製造方法は、原子が封入されている原子セルと、共鳴光を含む光を発生させて前記原子セルに照射する光発生部と、前記原子セルを透過した光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出信号に基づいて前記共鳴光の周波数を制御する制御部と、電流が流れることにより発熱して前記原子セルを加熱する発熱部と、前記原子セルの内部に磁界を発生させる第1の磁界発生部とを含み、前記共鳴光によって前記原子
に量子干渉状態を生じさせる量子干渉装置の製造方法であって、前記原子セル、前記光発生部、前記光検出部、前記制御部、前記発熱部及び前記第1の磁界発生部をそれぞれ所望の場所に配置して前記量子干渉装置を組み立てる組み立て工程と、前記量子干渉装置の周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第1の磁界発生部に流す電流、前記第1の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つを調整する調整工程と、を含む。
一般に、外気温度が変動すると変動量に応じて発熱部に流れる電流が変動し、発熱部に流れる電流が変動すれば原子セル内部の磁界強度も変動する。そして、原子セル内部の磁界強度が変動すると共鳴光の周波数が変動するので、仮に、原子セルや回路部の温度特性が平坦であったとしても、発熱部に流れる電流の変動(磁界強度の変動)に起因して量子干渉装置の周波数温度特性は傾きを有することになる。従って、発熱部に流れる電流の変動(磁界強度の変動)に起因する量子干渉装置の周波数温度特性の傾きを原子セルや回路部の温度特性に起因する量子干渉装置の周波数温度特性の傾きと逆にすることで、量子干渉装置の総合的な周波数温度特性を平坦化することができる。共鳴光の周波数は原子セル内部の磁界強度の2次関数で表されることが知られており、発熱部に流れる電流の変動(磁界強度の変動)に起因する量子干渉装置の周波数温度特性は、原子セル内部の磁界の向きと強度に応じた傾きを有することになる。この原子セル内部の磁界の向きや強度の調整は、第1の磁界発生部に流す電流や第1の磁界発生部の位置及び形状を調整することで実現することができる。
従って、本適用例に係る量子干渉装置の製造方法によれば、小型化されても優れた周波数温度特性を実現可能な量子干渉装置を実現することができる。
[適用例2]
上記適用例に係る量子干渉装置の製造方法は、前記組み立て工程により組み立てられた前記量子干渉装置の周波数温度特性を測定する測定工程をさらに含み、前記調整工程において、前記測定工程の測定結果と、前記第1の磁界発生部が発生させる磁界と前記共鳴光の周波数との対応関係を特定可能な情報とに基づいて、前記第1の磁界発生部に流す電流値を計算するようにしてもよい。
本適用例に係る量子干渉装置の製造方法によれば、第1の磁界発生部が発生させる磁界と共鳴光の周波数との対応関係を特定可能な情報(2次関数の情報)に基づいて、測定工程で測定された周波数温度特性を補正するために第1の磁界発生部が発生させるべき磁界の向きや強度がわかるので、第1の磁界発生部に流す電流値を計算することができる。従って、この電流値を記憶させておいて第1の磁界発生部に流すことで優れた周波数温度特性を実現可能な量子干渉装置を実現することができる。
[適用例3]
前記量子干渉装置は、前記発熱部に流れる電流の少なくとも一部が流れることにより、前記原子セルの内部に磁界を発生させる第2の磁界発生部を含み、前記組み立て工程において、前記原子セル、前記光発生部、前記光検出部、前記制御部、前記発熱部、前記第1の磁界発生部及び前記第2の磁界発生部をそれぞれ所望の場所に配置して前記量子干渉装置を組み立てるようにしてもよい。
本適用例に係る量子干渉装置の製造方法によれば、発熱部に流れる電流の変動に応じて第2の磁界発生部が発生させる磁界が変動することで、原子セル内部の磁界強度の変動範囲を広げたり狭くしたりすることができる。その結果、発熱部に流れる電流の変動(磁界強度の変動)に起因する量子干渉装置の周波数温度特性の傾きを変更することができる。従って、第1の磁界発生部が発生させる磁界が弱すぎたり強すぎたりして第1の磁界発生部の調整だけでは量子干渉装置の周波数温度特性を平坦化することが難しい場合であって
も有効である。
[適用例4]
上記適用例に係る量子干渉装置の製造方法において、前記調整工程において、前記量子干渉装置の周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第2の磁界発生部に流す電流、前記第2の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つを調整するようにしてもよい。
本適用例に係る量子干渉装置の製造方法によれば、第1の磁界発生部が発生させる磁界の向きや強度を調整するとともに第2の磁界発生部が発生させる磁界の向きや変動幅も調整することができるので、量子干渉装置の周波数温度特性を平坦化しやすい。
[適用例5]
本適用例に係る量子干渉装置は、共鳴光によって原子に量子干渉状態を生じさせる量子干渉装置であって、前記原子が封入されている原子セルと、前記共鳴光を含む光を発生させて前記原子セルに照射する光発生部と、前記原子セルを透過した光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出信号に基づいて前記共鳴光の周波数を制御する制御部と、電流が流れることにより発熱して前記原子セルを加熱する発熱部と、前記原子セルの内部に磁界を発生させる第1の磁界発生部と、を含み、周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第1の磁界発生部に流す電流、前記第1の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つが調整されている。
[適用例6]
本適用例に係る電子機器は、上記の量子干渉装置を備える。
[適用例7]
本適用例に係る原子セルモジュールは、前記原子が封入されている原子セルと、電流が流れることにより発熱して前記原子セルを加熱する発熱部と、前記原子セルの内部に磁界を発生させる第1の磁界発生部と、を含み、前記原子に量子干渉状態を生じさせる共鳴光の周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第1の磁界発生部に流す電流、前記第1の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つが調整されている。
第1実施形態の原子発振器の機能ブロック図。 第1実施形態の原子発振器の具体的な構成例を示す図。 第1実施形態におけるガスセルモジュールの構造の一例を示す図。 図4(A)はゼーマン分裂したエネルギー準位を示す図であり、図4(B)は分裂したEIT信号の一例を示す図。 半導体レーザーの出射光の周波数スペクトラムの一例を示す概略図。 ヒーター及びコイルに流れる電流の向きとガスセルの内部に発生する磁界の向きの関係の一例を示す図。 図7(A)は外気温度とヒーター電流の関係を示す図であり、図7(B)は外気温度と磁界強度の関係を示す図。 磁界強度と共鳴光対の周波数差の関係を示す図。 外気温度と共鳴光対の周波数差の関係を示す図。 第1実施形態の原子発振器の製造方法の一例を示すフローチャート図。 原子発振器の出力信号の周波数温度特性の一例を示す図。 第2実施形態の原子発振器の機能ブロック図。 第2実施形態の原子発振器の具体的な構成例を示す図。 第2実施形態におけるガスセルモジュールの構造の一例を示す図。 ヒーター及びコイルに流れる電流の向きとガスセルの内部に発生する磁界の向きの関係の一例を示す図。 磁界強度と共鳴光対の周波数差の関係を示す図。 外気温度と共鳴光対の周波数差の関係を示す図。 第2実施形態の原子発振器の製造方法の一例を示すフローチャート図。 本実施形態の電子機器の機能ブロック図。 本実施形態の電子機器の模式図。 変形例における半導体レーザーの出射光の周波数スペクトルを示す概略図。 セシウム原子のエネルギー準位を模式的に示す図。 EIT信号の一例を示す概略図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、量子干渉装置の一例である原子発振器を例に挙げて説明する。
1.原子発振器
1−1.第1実施形態
[原子発振器の機能構成]
図1は、第1実施形態の原子発振器の機能ブロック図である。図1に示すように、第1実施形態の原子発振器1は、原子セルモジュール10、光発生部20、光検出部30及び制御部40を含んで構成されている。なお、本実施形態の原子発振器は、適宜、図1の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
原子セルモジュール10は、原子セル11、発熱部12、第1の磁界発生部13及び温度検出部14を含んで構成されている。原子セルモジュール10は、磁気遮蔽部15をさらに含んでいてもよい。
原子セル11は、ガラス等の透明部材でできた容器中にΛ型3準位を有する原子(例えば、ナトリウム(Na)原子、ルビジウム(Rb)原子、セシウム(Cs)原子等のアルカリ金属原子)が封入されたものである。原子セル11には、光発生部20が発生させた光が入射し、入射光の一部が原子セル11を透過する。
発熱部12は、電流が流れることにより発熱し、原子セル11を加熱するものである。発熱部12は、例えば、電流量に応じた熱量を発生させるヒーターで実現することができる。例えば、原子セル11の光の入射面及び出射面に、導電性と光透過性を有するヒーターを配置してもよい。このような導電性と光透過性を有するヒーターは、ITO(Indium
Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の透明電極材料を用いて実現することができる。
第1の磁界発生部13は、原子セル11の内部に磁界を発生させるものである。磁界発生部13は、例えば、コイルで実現することができ、コイルの位置、形状(例えば、コイルを巻く方向、巻き数、直径等)、電流の大きさや向き等を調整することで所望の磁界を発生させることができる。
温度検出部14は、所定の位置に配置され、温度を検出する。温度検出部14は、例えば、発熱部12又は原子セル11に接するように配置されていてもよい。温度検出部14
は、例えば、サーミスターや熱電対等の温度センサーで実現することができる。
磁気遮蔽部15は、少なくとも、原子セル11、発熱部12及び磁界発生部13を外部の磁場から遮蔽し、さらに温度検出部14も外部の磁場から遮蔽してもよい。
光発生部20は、原子セル11に封入されている原子を共鳴させる共鳴光を含む光を発生させ、原子セル11に照射する。光発生部20は、例えば、半導体レーザーで実現することができる。半導体レーザーとしては、端面発光レーザー(Edge Emitting Laser)や、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の面発光レーザーなどを用いることができる。
光検出部30は、原子セル11を透過した光を検出する。光検出部30は、例えば、受光した光の強度に応じた検出信号を出力するフォトダイオード(PD:Photo Diode)を用いて実現することができる。
制御部40は、発熱制御部41、磁界設定部42及び発振制御部43を含んで構成されており、例えば、汎用のマイクロプロセッサーや専用回路で実現することができる。
発熱制御部41は、温度検出部14の検出信号に応じて発熱部12に流れる電流を制御する。この発熱制御部41により、原子セル11の内部温度をほぼ一定に保つように、発熱部12の発熱量が制御される。
磁界設定部42は、第1の磁界発生部13が発生させる磁界の大きさを設定する。この磁界設定部42により、原子セル11の内部の各市に一定の磁界(定常磁場)が発生する。磁界設定部42は、例えば、第1の磁界発生部13に一定量の電流を流すことで定常磁場を発生させることができる。
発振制御部43は、光検出部30の検出信号に基づいて、光発生部20が発生させる光の周波数が制御する。この発振制御部43により、光発生部20が共鳴光を発生させるように制御される。
特に、本実施形態では、光発生部20が発生させる共鳴光の周波数温度特性が平坦に近づくように、第1の磁界発生部13が発生させる磁界が調整されている。例えば、第1の磁界発生部13の位置、形状、電流の大きさ及び向きの少なくとも1つを調整することで、第1の磁界発生部13が発生させる磁界を調整することができる。
なお、このような原子発振器としては、例えば、光発生部20に、原子セル11に封入されている原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対を発生させるように制御するものであってもよいし、原子セル11を空洞共振器(マイクロ波キャビティー)に収容し、光発生部20に、原子セル11に封入されている原子に対する共鳴光を発生させるように制御するとともに、空洞共振器にマイクロ波を印加することで発生する光マイクロ2重共鳴現象を利用するものであってもよい。
[原子発振器の具体的構成]
図2は、第1実施形態の原子発振器1の具体的な構成例を示す図である。図2に示すように、原子発振器1は、ガスセルモジュール100、半導体レーザー200、光検出器210、検波回路220、変調回路230、低周波発振器240、検波回路250、電圧制御水晶発振器(VCXO)260、変調回路270、低周波発振器280、周波数変換回路290、駆動回路300、ヒーター電流制御回路310、コイル電流設定回路320及びメモリー330を含んで構成されている。なお、本実施形態の原子発振器は、適宜、図
2の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
ガスセルモジュール100は、図1の原子セルモジュール10に対応し、ガスセル110、ヒーター120a,120b、コイル130a,130b、温度センサー140及び磁気シールド150を含んで構成されている。図3(A)及び図3(B)に、ガスセルモジュール100の構造の一例を示す。図3(A)は、ガスセルモジュール100の斜視図であり、図3(B)は、ガスセルモジュール100の側面図である。図3(A)及び図3(B)において、説明の便宜上、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)を併記しており、図3(B)は、X軸の正方向から見たガスセルモジュール100の側面図である。
ガスセル110は、図1の原子セル11に対応し、ガラス等の透明部材でできた容器中に、気体状のアルカリ金属原子とともにネオン(Ne)やアルゴン(Ar)等のバッファーガスが封入されたものである。本実施形態では、ガスセル110は、直方体の形状であり、Z軸と直交する一方の面(入射面)111の所定位置(例えば中心点)から光が入射し、ガスセル110を透過した光が他方の面(出射面)112の所定位置(例えば中心点)から出射する。なお、ガスセル110は、円柱等の他の形状であってもよい。
2つのヒーター120a,120bは、ともに平板形状であり、ガスセル110の入射面111と出射面112にそれぞれ重なるように設けられている。ヒーター120aの両端には、それぞれ電極121a及び122aが設けられており、電極122aから電極121aの向きあるいはその逆向きに電流が流れることによりヒーター120aが発熱し、ガスセル110を加熱する。ヒーター120bの両端には、それぞれ電極121b及び122bが設けられており、電極121bから電極122bの向きあるいはその逆向きに電流が流れることにより発熱し、ガスセル110を加熱する。本実施形態では、ヒーター120a,120bは、透明導電膜を用いて構成されており、ヒーター120aを透過した光がガスセル110に入射し、ガスセル110を透過した光がヒーター120bを透過して出射する。この2つのヒーター120a,120bは、図1の発熱部12に対応する。
温度センサー140は、図1の温度検出部14に対応し、本実施形態では、ヒーター120bの表面に配置されている。ただし、温度センサー140を、ヒーター120a又はガスセル110の表面に配置してもよい。
2つのコイル130a,130bは、ガスセル110の入射面111と出射面112の両方に直交する(Y軸と直交する)2つの面113,114とそれぞれ対向するように配置されている。この2つのコイル130a,130bは、図1の第1の磁界発生部13に対応し、ガスセル110の内部の各位置に、当該2つのコイル130a,130bに流れる電流の向き及び大きさに応じた一定の磁界(定常磁場)が発生する。ただし、ガスセル110の内部の各位置には、外気温度によって変動するヒーター電流(ヒーター120a,120bに流れる電流)に応じた磁界も発生するので、ガスセル110の内部の各位置の磁界は、外気温度の変動範囲に応じた範囲で変動する。
ガスセル110、ヒーター120a,120b、コイル130a,130b及び温度センサー140は、磁気シールド150で覆われている。磁気シールド150は、図1の磁気遮蔽部15に対応する。なお、磁気シールド150は、通常、透明色ではないが、図3(A)では、ガスセルモジュール10の構造を示すために、磁気シールド150を透明に図示している。また、図3(B)では、磁気シールド150の図示を省略している。
図2に戻り、半導体レーザー200は、図1の光発生部20に対応し、ガスセル110に含まれるアルカリ金属原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対となる2光波を含む光を
発生させる。半導体レーザー200が発生させた光は、ガスセル110に入射する。
光検出器210は、図1の光検出部30に対応し、ガスセル110を透過した光が入射し、入射した光の強度に応じた検出信号を出力する。光検出器210の出力信号は検波回路220と検波回路250に入力される。
検波回路220は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器240の発振信号を用いて光検出器210の出力信号を同期検波する。変調回路230は、検波回路220による同期検波を可能とするために、低周波発振器240の発振信号(検波回路220に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として検波回路220の出力信号を変調して駆動回路300に出力する。変調回路230は、周波数混合器(ミキサー)、周波数変調(FM:Frequency Modulation)回路、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)回路等により実現することができる。
検波回路250は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器280の発振信号を用いて光検出器210の出力信号を同期検波する。そして、検波回路250の出力信号の大きさに応じて、電圧制御水晶発振器(VCXO)260の発振周波数が微調整される。電圧制御水晶発振器(VCXO)260は、例えば、数MHz〜数10MHz程度で発振する。
変調回路270は、検波回路250による同期検波を可能とするために、低周波発振器280の発振信号(検波回路250に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として電圧制御水晶発振器(VCXO)260の出力信号を変調する。変調回路270は、周波数混合器(ミキサー)、周波数変調(FM)回路、振幅変調(AM)回路等により実現することができる。
周波数変換回路290は、一定の周波数変換率で変調回路270の出力信号を周波数変換して駆動回路300に出力する。周波数変換回路290は、例えば、PLL(Phase Locked Loop)回路により実現することができる。
駆動回路300は、半導体レーザー200のバイアス電流を設定するとともに、変調回路230の出力信号に応じて当該バイアス電流を微調整して半導体レーザー200に供給する。すなわち、半導体レーザー200、ガスセル110、光検出器210、検波回路220、変調回路230、駆動回路300を通るフィードバックループ(第1のフィードバックループ)により、半導体レーザー200が発生させる光の中心波長λ(中心周波数f)が微調整される。具体的には、第1のフィードバックループにより、アルカリ金属原子の励起準位と一方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ(=v/f:vは光の速度)、励起準位と他方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ(=v/f)に対して、半導体レーザー200の出射光の中心波長λ(=v/f)が(λ+λ)/2とほぼ一致する(中心周波数fが(f+f)/2とほぼ一致する)ようにフィードバック制御がかかる。
駆動回路300は、さらに、バイアス電流に、周波数変換回路290の出力周波数成分(変調周波数f)の電流(変調電流)を重畳して半導体レーザー200に供給する。この変調電流により、半導体レーザー200に周波数変調がかかり、中心周波数fの光とともに、その両側にそれぞれ周波数がfだけずれた周波数f±f、f±2f、・・・の光を発生させる。そして、半導体レーザー200、ガスセル110、光検出器210、検波回路250、電圧制御水晶発振器(VCXO)260、変調回路270、周波数変換回路290、駆動回路300を通るフィードバックループ(第2のフィードバックループ)により、周波数f+fの光と周波数f−fの光がガスセル110に封入
されているアルカリ金属原子にEIT現象を発生させる共鳴光対となるように微調整される。
なお、検波回路220、変調回路230、低周波発振器240、検波回路250、電圧制御水晶発振器(VCXO)260、変調回路270、低周波発振器280、周波数変換回路290、駆動回路300により構成される回路は、図1の発振制御部43に対応する。
ヒーター電流制御回路310は、図1の発熱制御部41に対応し、ガスセル110の温度を一定に保つように、温度センサー140の検出温度に応じてヒーター120a,120bに流す電流を制御する。具体的には、ヒーター電流制御回路310は、外気温度が上昇することで温度センサー140の検出温度がわずかに上昇するとヒーター120a,120bに流す電流を減少させ、逆に外気温度が低下することで温度センサー140の検出温度がわずかに低下するとヒーター120a,120bに流す電流を増加させる。
コイル電流設定回路320は、図1の磁界設定部42に対応し、メモリー330(不揮発性メモリー)に記憶されている設定情報に従い、コイル130a,130bに流す電流量を設定し、コイル130a,130bは、ガスセル110の内部に電流量に応じた所望の強度の定常磁場を発生させる。この定常磁場がガスセル110にかかると、アルカリ金属原子の各エネルギー準位が2F+1個に分裂(ゼーマン分裂)する。例えば、図4(A)に示すように、セシウム原子の場合、6S1/2,F=3の基底準位や6P3/2,F=3の励起準位は、磁気量子数mF=0,±1,±2,±3に対応する7つの準位に分裂し、6S1/2,F=4の基底準位や6P3/2,F=4の励起準位は、磁気量子数mF=0,±1,±2,±3,±4に対応する9つの準位に分裂する。
アルカリ金属原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対の周波数(周波数差)は、磁気量子数mF毎に異なることが知られている。すなわち、ガスセル110に磁場がかかった状態では、半導体レーザー200が出射する2光波の周波数差をスイープすると、光検出器210の出力に複数のピーク、すなわち複数のEIT信号が観測される。例えば、図4(B)に示すように、セシウム原子の場合、磁気量子数mF=0,±1,±2,±3に対応する7つのEIT信号が観測される。図4(B)において、横軸はスイープする2光波の周波数差であり、縦軸は検出器200が検出する光の強度である。図4(B)に示すように、一般に、mF=0に対応するEIT信号の強度が最も高いので、mF=0に対応するEIT信号が発生するように、共鳴光対の周波数差を制御するのが有効である。
そこで、本実施形態の原子発振器1は、例えば、磁気量子数mF=0の2つの基底準位のいずれかを有するアルカリ金属原子がEIT現象を起こすように制御する。具体的には、第2のフィードバックループにより、周波数f+fの光と周波数f−fの光の周波数差(=2f)が、アルカリ金属原子の磁気量子数mf=0の2つの基底準位間のエネルギー差ΔE12に相当する周波数と一致するようにフィードバック制御がかかる。例えば、アルカリ金属原子がセシウム原子であれば、ΔE12に相当する周波数が9.192631770GHz+ΔHz(Δは磁界強度の2次関数で表される周波数)なので、周波数変換回路290の出力信号の周波数が4.596315885GHz+Δ/2Hzと一致した状態で安定する。図5に、半導体レーザー200の出射光の周波数スペクトラムの一例を示す。図5において、横軸は光の周波数であり、縦軸は光の強度である。
[原子発振器の周波数温度特性]
一般に、共鳴光対の周波数差は、ガスセル110に封入されているバッファーガスの種類や量に応じた正又は負の傾きの温度特性を持つ。例えば、ガスセル110にバッファーガスとしてネオン(Ne)のみを封入した場合、共鳴光対の周波数差の温度特性は温度の
増加に対して正の傾きとなり、ガスセル110にバッファーガスとしてアルゴン(Ar)のみを封入した場合、共鳴光対の周波数差の温度特性は温度の増加に対して負の傾きとなる。原子発振器1の出力信号(例えば、電圧制御水晶発振器(VCXO)260の出力信号)の周波数は、共鳴光対の周波数差によって決まるので、共鳴光対の周波数差の温度特性が傾きを持てば、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性も同様の傾きを持ってしまう。例えば、ネオン(Ne)とアルゴン(Ar)を適切な割合で配合してガスセル110に封入すれば、理論的には共鳴光対の周波数差の温度特性を平坦にすることができる。しかしながら、実際には、バッファーガスの注入量の誤差や原子発振器1の回路部を構成する各素子が持つ温度特性等に起因し、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を平坦にすることは困難であり、わずかに傾きを持ってしまう。
ところで、前述したように、ガスセル110には、コイル103a,103bに流れる電流(コイル電流)により発生する磁界(定常磁場)と、ヒーター102a,102bに流れる電流(ヒーター電流)により発生する磁界(変動磁場)とがかかる。図6は、ヒーター120a,120b及びコイル130a,130bに流れる電流の向きとガスセル110の内部に発生する磁界の向きの関係の一例を示す図である。図6は、図3(A)及び図3(B)のガスセルモジュール100をYZ平面に平行かつ光路を含む面で切り、X軸の正方向から見た断面図である。なお、図6では、磁気シールド150の図示を省略している。
図6に示すように、コイル130aには、例えば、+Y方向から見て時計周りに電流が流れ、これによりガスセル110の内部の光路上にあるP点(例えば、ガスセル110の内部の中心位置)には−Y方向の磁界G1が発生する。同様に、コイル130bにも+Y方向から見て時計周りに電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G2が発生する。
ヒーター120aには、例えば、−X方向に(電極122aから電極121aに)電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G3が発生する。一方、ヒーター120bには、+X方向に(電極121bから電極122bに)電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G4が発生する。
この場合、コイル130a,130bに流れる電流(コイル電流)により発生する磁界(定常磁場)G1,G2の向きは、ヒーター120a,120bに流れる電流(ヒーター電流)により発生する磁界(変動磁場)G3,G4の向きと同じ向きになる。
ここで、外気温度がT〜Tの範囲で変動する場合、ヒーター電流は、ガスセル110をほぼ一定温度に保つために、温度の上昇に対してほぼ線形に減少する(図7(A)参照)。そして、磁界G3,G4は、ヒーター電流の減少に対してほぼ線形に減少するので、磁界G3+G4は、温度の上昇に対してほぼ線形に減少する(図7(B)参照)。磁界G1,G2は、外気温度が変化しても一定であるから、ガスセル110の内部のP点にかかる磁界の総和G1+G2+G3+G4も、温度の上昇に対してほぼ線形に減少する(図7(B)参照)。
一方、ガスセル110にかかる磁界強度が変動すると、アルカリ金属原子のゼーマン分裂した2つの基底準位がそれぞれ変動するため、共鳴光対の周波数差も変動する。図8に示すように、共鳴光対の周波数差は、磁界強度が0の時に最小となり(例えば、セシウム原子の場合、9.192631770GHz)、磁界強度に対して2次関数的に変化する。外気温度がT〜Tの範囲で変動する場合、例えば、P点の磁界強度(G1+G2+G3+G4の大きさ)がH〜Hの範囲で変動すると、共鳴光対の周波数差は、温度の上昇に対して減少し、Δf〜Δfの範囲で変動する(図9のグラフA参照)。また、
例えば、P点の磁界強度がH〜Hの範囲で変動すると、共鳴光対の周波数差は、温度の上昇に対してより急峻に減少し、Δf〜Δfの範囲で変動する(図9のグラフB参照)。磁界強度の変動範囲(H〜HやH〜H)は、コイル130a,130bに流れる電流の大きさを変更して定常磁場を調整することで、所望の範囲に設定することができる。また、コイル130a,130bに流れる電流の大きさと向きを変更することで、外気温度がT〜Tの範囲で変動する場合に、温度の上昇に対して増加しながらΔf〜Δfの範囲やΔf〜Δfの範囲で変動する温度特性を実現することもできる(図9のグラフC,D参照)。要するに、コイル130a,130bに流れる電流の大きさや向きを調整することで、共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きを任意に調整することができる。
また、コイル130a及び130bの位置や形状(巻き数や直径等)を調整することで、コイル130a及び130bに流れる電流により発生する磁界強度を調整することができる。従って、共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きを調整することができる。
そこで、本実施形態の原子発振器1は、磁界強度の変動による共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きがバッファーガスの注入量や回路素子の温度特性等に起因して生じる共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きと逆かつ同程度になるように、コイル130a,130bに流れる電流の大きさや向き、コイル130a,130bの位置や形状が調整されている。その結果、本実施形態の原子発振器1の出力信号の周波数温度特性はより平坦に近いものになっている。
なお、ヒーター電流は任意の調整することができないが、その向きを変更することはできる。従って、ヒーター電流の向きを変更することで、共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きの極性を変更してもよい。
[原子発振器の製造方法]
図10は、本実施形態の原子発振器1の製造方法の一例を示すフローチャート図である。
まず、設計情報に従い、ガスセル110、ヒーター120a,120b、コイル130a,130b、温度センサー140、磁気シールド150を用いて、ガスセルモジュール100を組み立てる(S10)。
次に、設計情報に従い、ステップS10で組み立てたガスセルモジュール100、半導体レーザー200、光検出器210、回路部のICを用いて、原子発振器1を組み立てる(S20)。
次に、コイル130a,130bに流す電流を初期値に設定し、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を測定する(S30)。例えば、許容される外気温度範囲がT〜Tの場合、原子発振器1の周辺温度をTからTの間の複数の温度に設定し、各々の温度での原子発振器1の出力周波数を測定する。この測定結果をプロットし、例えば、最小二乗近似等の手法を用いて近似計算することで原子発振器1の出力信号の周波数温度特性(例えば、図11(A)に示す周波数温度特性)の情報を得ることができる。なお、この周波数温度特性は、バッファーガスの注入量や回路素子の温度特性等による周波数温度特性(磁界強度の変動以外に起因する周波数温度特性)とガスセル110にかかる磁界強度の変動による周波数温度特性が加算されたものである。
ステップS30で測定した周波数温度特性の周波数変動幅(許容温度範囲での周波数の最大値と最小値の差)が目標値よりも大きい場合(S40のY)、磁界強度と共鳴光対の
周波数差との対応関係の情報を用いて、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を平坦に近づけるための、コイル130a,130bに流す電流値及び向きを計算する(S50)。磁界強度と共鳴光対の周波数差との対応関係の情報は、例えば、図8に示したような情報であり、当該対応関係の情報とコイル130a,130bに対して設定中の電流値及び向きの情報とヒーター電流の変動幅の情報から、磁界強度の変動に起因する共鳴光対の周波数差の温度特性の情報を得ることができる。この共鳴光対の周波数差の温度特性の情報を原子発振器1の出力信号の周波数温度特性(例えば、図11(B)に示す周波数温度特性)の情報に変換し、ステップS30で得られた周波数温度特性(例えば、図11(A)に示す周波数温度特性)から差し引くことで、磁界強度の変動以外に起因する周波数温度特性(例えば、図11(C)に示す周波数温度特性)の情報を得ることができる。そして、磁界強度と共鳴光対の周波数差との対応関係の情報を用いて、磁界強度の変動以外に起因する周波数温度特性(例えば、図11(C)に示す周波数温度特性)を補正するような、磁界強度の変動に起因する周波数温度特性(例えば、図11(D)に示す周波数温度特性)を実現するために、コイル130a,130bに流す電流値及び向きを計算により求める。
次に、ステップS50の計算値に従ってコイル130a,130bに流す電流値及び向きを設定し、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を測定する(S60)。
そして、ステップS30又はS60で測定した周波数温度特性の周波数変動幅が目標値以下の場合(S40のN)、最後に、コイル130a,130bに流す電流値及び向きの設定情報をメモリー330に記憶する(S70)。
なお、図10のフローチャートでは、コイル130a,130bに流す電流値及び向きを調整しているが、コイル130a,130bの位置や形状を調整してもよい。
以上に説明したように、第1実施形態によれば、コイル130a,130bに流す電流値及び向きあるいはコイル130a,130bの位置や形状を調整し、ヒーター120a,120bに流れる電流の変動(磁界強度の変動)に起因する原子発振器1の周波数温度特性の傾きをガスセル110や回路部の温度特性に起因する原子発振器1の周波数温度特性の傾きと逆にすることで、原子発振器1の総合的な周波数温度特性を平坦化することができる。
1−2.第2実施形態
[原子発振器の機能構成]
図12は、第2実施形態の原子発振器の機能ブロック図である。図12において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付している。なお、本実施形態の原子発振器は、適宜、図12の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
図12に示すように、第2実施形態の原子発振器1では、第1実施形態の原子発振器1に対して、原子セルモジュール10に第2の磁界発生部16が追加されている。
第2の磁界発生部16は、発熱部12に流れる電流の少なくとも一部が流れることにより、原子セル11の内部に磁界を発生させる。このような第2の磁界発生部16は、例えば、発熱部12の給電線の一部を巻いたコイルで実現することができる。コイルの位置、形状(コイルの巻き数や直径等)、コイルに流す電流の向き(あるいは、コイルを巻く方向)を選択することで、コイルによって発生する磁界の向きや強度を所望の状態に調整することができる。
第2実施形態の原子発振器1のその他の機能構成については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
[原子発振器の具体的構成]
図13は、第2実施形態の原子発振器1の具体的な構成例を示す図である。図13において、図2と同じ構成要素には同じ符号を付している。なお、本実施形態の原子発振器は、適宜、図13の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
図13に示すように、第2実施形態の原子発振器1では、第1実施形態の原子発振器1に対して、ガスセルモジュール100に2つのコイル160a及び160bが追加されている。図14(A)及び図14(B)に、本実施形態におけるガスセルモジュール100の構造の一例を示す。図14(A)は、ガスセルモジュール100の斜視図であり、図14(B)は、ガスセルモジュール100の側面図である。図14(A)及び図14(B)において、説明の便宜上、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)を併記しており、図14(B)は、X軸の正方向から見たガスセルモジュール100の側面図である。
ガスセル110、ヒーター120a,120b及び温度センサー140の構造及び配置は、第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
2つのコイル160a,160bは、ガスセル110の入射面111と出射面112の両方に直交する(Y軸と直交する)2つの面113,114とそれぞれ対向するように配置されている。コイル160aの一端は、ヒーター120aの電極122aと接続されている。また、コイル160bの一端は、ヒーター120aの電極121aと接続されている。そして、図13のヒーター電流制御回路310の制御により、温度センサー140の出力信号に応じた大きさの電流が、コイル160aを流れた後、ヒーター120aを電極122aから電極121aまで流れ、さらにコイル160bを流れる。この2つのコイル160a,160bは、図12の第2の磁界発生部16に対応し、当該2つのコイル160a,160bに流れる電流によりガスセル110の内部に、ヒーター電流の向き及び大きさに応じた磁界を発生させる。外気温度の変動に応じてヒーター電流が変動するので、コイル160a,160bが発生させる磁界は、外気温度の変動範囲に応じた範囲で変動することになる。
なお、本実施形態では、コイル160a,160bにはヒーター120aに流れる電流の全部が流れるが、ヒーター120aに流れる電流の一部のみを分流してコイル160a,160bに流すような構造にしてもよい。
また、本実施形態では、コイル160a,160bは、ヒーター120bと電気的に接続されておらず、ヒーター120bには、温度センサー140の出力信号に応じた大きさの電流が、電極122bから電極121bの向きあるいはその逆向きに、ヒーター電流制御回路310から直接供給される。ただし、ヒーター120bは、コイル160a,160bの少なくとも一方と電気的に接続されていてもよい。
2つのコイル130a,130bは、コイル160a,160bとそれぞれ対向するように配置されている。この2つのコイル130a,130bは、図12の第1の磁界発生部13に対応し、ガスセル110の内部の各位置に、当該2つのコイル130a,130bに流れる電流の向き及び大きさに応じた一定の磁界(定常磁場)が発生する。ただし、ガスセル110の内部の各位置には、外気温度によって変動するヒーター電流に応じた磁界も発生するので、ガスセル110の内部の各位置の磁界は、外気温度の変動範囲に応じた範囲で変動する。
第2実施形態の原子発振器1のその他の具体的構成については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
[原子発振器の周波数温度特性]
図15は、ヒーター120a,120b、コイル130a,130b及びコイル160a,160bに流れる電流の向きとガスセル110の内部に発生する磁界の向きの関係の一例を示す図である。図15は、図14(A)及び図14(B)のガスセルモジュール100をYZ平面に平行かつ光路を含む面で切り、X軸の正方向から見た断面図である。なお、図15では、磁気シールド150の図示を省略している。
図15に示すように、コイル130aには、例えば、+Y方向から見て時計周りに電流が流れ、これによりガスセル110の内部の光路上にあるP点(例えば、ガスセル110の内部の中心位置)には−Y方向の磁界G1が発生する。同様に、コイル130bにも+Y方向から見て時計周りに電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G2が発生する。
ヒーター120aには、例えば、−X方向に(電極122aから電極121aに)電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G3が発生する。一方、ヒーター120bには、+X方向に(電極121bから電極122bに)電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G4が発生する。
コイル160aには、例えば、+Y方向から見て時計周りに電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G5が発生する。同様に、コイル160bにも+Y方向から見て時計周りに電流が流れ、これによりP点には−Y方向の磁界G6が発生する。
この場合、コイル130a,130bに流れる電流により発生する磁界(定常磁場)G1,G2の向きは、ヒーター120a,120bに流れる電流(ヒーター電流)により発生する磁界(変動磁場)G3,G4の向き及びコイル160a,160bに流れる電流により発生する磁界(変動磁場)G5,G6の向きと同じ向きになる。
ここで、磁界G1,G2は、外気温度が変化しても一定であるが、磁界G3,G4,G5,G6は温度の上昇に対してほぼ線形に減少するので、ガスセル110の内部のP点にかかる磁界の総和G1+G2+G3+G4+G5+G6も、温度の上昇に対してほぼ線形に減少する。
そして、外気温度がT〜Tの範囲で変動する場合、図16に示すように、例えば、P点の磁界強度(G1+G2+G3+G4+G5+G6の大きさ)がH〜Hの範囲で変動し、共鳴光対の周波数差は、Δf〜Δfの範囲で変動する(図17のグラフA’参照)。また、例えば、P点の磁界強度がH〜Hの範囲で変動し、共鳴光対の周波数差は、Δf〜Δfの範囲で変動する(図17のグラフB’参照)。また、コイル130a,130bに流れる電流の大きさと向きを変更することで、外気温度がT〜Tの範囲で変動する場合に、温度の上昇に対して増加しながらΔf〜Δfの範囲やΔf〜Δfの範囲で変動する温度特性を実現することもできる(図17のグラフC’,D’参照)。ここで、P点の磁界強度の変動範囲は、第1実施形態と比較してG5+G6の変動分だけ広くなるため、図17のグラフA’,B’,C’,D’の傾きの絶対値は、それぞれ図9のグラフA,B,C,Dの傾きの絶対値よりも大きくなっている。要するに、コイル160a,160bを設けたことで、コイル160a,160bが無い場合(第1実施形態)と比較して、共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きがより急峻になっている。
なお、コイル160aをヒーター120aの電極121aと接続し、かつ、コイル160bをヒーター120aの電極122aと接続するように変更するか、あるいは、コイル160a,160bを図14(A)及び図14(B)と反対向きに巻くように変更すれば、P点の磁界G5,G6の向きは磁界G3,G4と逆になるので、第1実施形態と比較して、P点の磁界強度の変動範囲をG5+G6の変動分だけ狭くすることができる。つまり、コイル160a,160bを設けることで、コイル160a,160bが無い場合(第1実施形態)と比較して、共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きをより緩やかにすることもできる。
また、コイル160a及び160bの位置や形状(巻き数や直径等)を調整することで、コイル160a及び160bに流れるヒーター電流により発生する磁界の変動量を調整することができる。例えば、図15の方向に電流を流した場合、コイル160a,160bを5回巻きとした場合と10回巻きとした場合では、後者の方が磁界の変動範囲をより広く(共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きをより急峻に)することができる。
そこで、本実施形態の原子発振器1は、磁界強度の変動による共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きがバッファーガスの注入量や回路素子の温度特性等に起因して生じる共鳴光対の周波数差の温度特性の傾きと逆かつ同程度になるように、コイル130a,130bに流れる電流の大きさや向き、コイル130a,130bの位置や形状とともに、コイル160a,160bに流れる電流の大きさや向き、コイル160a,160bの位置や形状が調整されている。その結果、本実施形態の原子発振器1の出力信号の周波数温度特性はより平坦に近いものになっている。
[原子発振器の製造方法]
図18は、本実施形態の原子発振器1の製造方法の一例を示すフローチャート図である。
まず、設計情報に従い、ガスセル110、ヒーター120a,120b、コイル130a,130b(第1コイル)、コイル160a,160b(第2コイル)、温度センサー140、磁気シールド150を用いて、ガスセルモジュール100を組み立てる(S100)。
次に、設計情報に従い、ステップS100で組み立てたガスセルモジュール100、半導体レーザー200、光検出器210、回路部のICを用いて、原子発振器1を組み立てる(S110)。
次に、コイル130a,130b(第1コイル)に流す電流を初期値に設定し、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を測定する(S120)。
ステップS120で測定した周波数温度特性の周波数変動幅(許容温度範囲での周波数の最大値と最小値の差)が目標値よりも大きい場合(S130のY)、磁界強度と共鳴光対の周波数差との対応関係の情報を用いて、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を平坦に近づけるための、コイル130a,130b(第1コイル)に流す電流値及び向き、コイル160a,160b(第2コイル)の位置及び形状(巻き数や直径等)を計算する(S140)。
次に、ステップS140の計算値に従ってコイル130a,130b(第1コイル)に流す電流値及び向きを設定し、コイル160a,160b(第2コイル)の位置及び形状を変更し、原子発振器1の出力信号の周波数温度特性を測定する(S150)。
そして、ステップS120又はS150で測定した周波数温度特性の周波数変動幅が目標値以下の場合(S130のN)、最後に、コイル130a,130b(第1コイル)に流す電流値及び向きの設定情報をメモリー330に記憶する(S160)。
なお、図18のフローチャートでは、コイル130a,130b(第1コイル)に流す電流値及び向きを調整しているが、コイル130a,130b(第1コイル)の位置や形状を調整してもよい。また、図18のフローチャートでは、コイル160a,160b(第2コイル)の位置や形状(巻き数や直径等)を調整しているが、コイル160a,160b(第2コイル)に流す電流値を調整してもよい。
また、図18のフローチャートでは、コイル130a,130b(第1コイル)とコイル160a,160b(第2コイル)の両方を調整しているが、いずれか一方のみ調整してもよい。
以上に説明したように、第2実施形態によれば、コイル160a,160bを設けたことで、ヒーター120a,120bに流れる電流の変動(磁界強度の変動)に起因する原子発振器1の周波数温度特性の傾きを増減させることができるので、コイル130a,130bの調整だけでは原子発振器1の周波数温度特性を平坦化することが難しい場合でも、より有効に平坦化することができる。
2.電子機器
図19は、本実施形態の電子機器の機能ブロック図である。本実施形態の電子機器400は、クロック生成部410、MPU(Micro Processing Unit)420、操作部430、ROM(Read Only Memory)440、RAM(Random Access Memory)450、通信部460、表示部470、音出力部480を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、図19の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
クロック生成部410は、原子発振器412の発振信号を原振クロックとして、各種のクロック信号を生成する。原子発振器412は、例えば、前述した実施形態の原子発振器1である。
MPU420は、ROM440等に記憶されているプログラムに従い、クロック生成部410が生成する各種のクロック信号を用いて各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、MPU420は、操作部430からの操作信号に応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部460を制御する処理、表示部470に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理、音出力部480に各種の音を出力させる処理等を行う。
操作部430は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をMPU420に出力する。
ROM440は、MPU420が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM450は、MPU420の作業領域として用いられ、ROM440から読み出されたプログラムやデータ、操作部430から入力されたデータ、CPU420が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部460は、CPU420と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部470は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、MPU420から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
音出力部480は、スピーカー等の音を出力する装置である。
原子発振器412として本実施形態の原子発振器1を組み込むことにより、より信頼性の高い電子機器を実現することができる。
図20に、本実施形態の電子機器の一例として原子発振器を搭載した電子機器(携帯端末)の模式図を示す。図20において、携帯端末500(PHS、スマートフォンを含む)(電子機器400の一例)は、複数の操作ボタン502(操作部430の一例)、受話口504及び送話口506を備え、操作ボタン502と受話口504との間には表示部508(表示部470の一例)が配置されている。最近では、このような携帯端末500においてもGPS機能を備えている。そこで、携帯端末500には、GPS回路のクロック源として本実施形態の原子発振器が内蔵されている。
本実施形態の電子機器としては、この他にも種々の電子機器が考えられ、例えば、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、携帯電話機などの移動体端末、ディジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
3.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
[変形例1]
本実施形態の原子発振器において、第1のフィードバックループにより、半導体レーザー200の出射光の中心波長λ(中心周波数f)が、ガスセル110に封入されたアルカリ金属原子の励起準位と一方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ(周波数f)、励起準位と他方の基底準位とのエネルギー差に相当する波長λ(周波数f)に対して、λ又はλとほぼ一致する(中心周波数fがf又はfとほぼ一致する)ように制御するとともに、第2のフィードバックループにより、周波数変換回路290が変調回路270の出力信号をΔE12に相当する周波数に等しい周波数の信号に変換するように変形してもよい。
図21(A)は、中心波長λがλと一致するケースの半導体レーザー200の出射光の周波数スペクトルを示す概略図であり、図21(B)は、中心波長λがλと一致するケースの半導体レーザー200の出射光の周波数スペクトルを示す概略図である。図21(A)及び図21(B)において、横軸は光の周波数であり、縦軸は光の強度である。図21(A)の場合は、周波数f+fの光と周波数fの光の周波数差fがΔE
12に相当する周波数に等しく、かつ、f+fがfにほぼ等しく、かつ、fがfにほぼ等しいので、周波数f+fの光と周波数fの光がガスセル110に封入されたアルカリ金属原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対となる。一方、図21(B)の場合は、周波数fの光と周波数f−fの光の周波数差fがΔE12に相当する周波数にほぼ等しく、かつ、fがfにほぼ等しく、かつ、f−fがfにほぼ等しいので、周波数fの光と周波数f−fの光がガスセル110に封入されたアルカリ金属原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対となる。
[変形例2]
本実施形態の原子発振器を電気光学変調器(EOM:Electro-Optic Modulator)を用いた構成に変形してもよい。すなわち、半導体レーザー200は、周波数変換回路290の出力信号(変調信号)による変調がかけられず、設定されたバイアス電流に応じた単一周波数fの光を発生させる。この周波数fの光は、電気光学変調器(EOM)に入射し、周波数変換回路290の出力信号(変調信号)によって変調がかけられる。その結果、図5と同様の周波数スペクトルを有する光を発生させることができる。そして、この電気光学変調器(EOM)が発生させる光がガスセル110に照射される。この原子発振器では、半導体レーザー200と電気光学変調器(EOM)による構成が図1又は図12の光発生部20に相当する。
なお、電気光学変調器(EOM)の代わりに、音響光学変調器(AOM:Acousto-Optic Modulator)を用いてもよい。
4.応用例
本実施形態又は変形例の原子発振器の構成は、共鳴光によって原子に量子干渉状態を生じさせる様々な量子干渉装置に応用することができる。
[応用例1]
例えば、本実施形態又は変形例の原子発振器において、磁気シールド150を無くすことにより、ガスセルモジュール100の周辺の磁場の変化に追従して電圧制御水晶発振器(VCXO)260の発振周波数が変化する。従って、ガスセルモジュール100の近傍に磁気測定対象物を配置することで磁気センサー(量子干渉装置の一例)を実現することができる。
[応用例2]
また、例えば、本実施形態又は変形例の原子発振器と同様の構成により、極めて安定した金属原子の量子干渉状態(量子コヒーレンス状態)を作り出すことができるので、ガスセル110に入射する共鳴光対を取り出すことで、量子コンピュータ、量子メモリー、量子暗号システム等の量子情報機器に用いる光源(量子干渉装置の一例)を実現することもできる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 原子発振器、10 原子セルモジュール、11 原子セル、12 発熱部、13 第1の磁界発生部、14 温度検出部、15 磁気遮蔽部、16 第2の磁界発生部、20
光発生部、30 光検出部、40 制御部、41 発熱制御部、42 磁界設定部、43 発振制御部、100 ガスセルモジュール、110 ガスセル、120a,120b
ヒーター、121a,121b 電極、122a,122b 電極、130a,130b コイル、140 温度センサー、150 磁気シールド、160a,160b コイル、200 半導体レーザー、210 光検出器、220 検波回路、230 変調回路、240 低周波発振器、250 検波回路、260 電圧制御水晶発振器(VCXO)、270 変調回路、280 低周波発振器、290 周波数変換回路、300 駆動回路、310 ヒーター電流制御回路、320 コイル電流設定回路、330 メモリー、400 電子機器、410 クロック生成部、412 原子発振器、420 MPU、430 操作部、440 ROM、450 RAM、460 通信部、470 表示部、480 音出力部、500 携帯端末、502 操作ボタン、504 受話口、506 送話口、508 表示部
磁界設定部42は、第1の磁界発生部13が発生させる磁界の大きさを設定する。この磁界設定部42により、原子セル11の内部の各位置に一定の磁界(定常磁場)が発生する。磁界設定部42は、例えば、第1の磁界発生部13に一定量の電流を流すことで定常磁場を発生させることができる。
ガスセル110、ヒーター120a,120b、コイル130a,130b及び温度センサー140は、磁気シールド150で覆われている。磁気シールド150は、図1の磁気遮蔽部15に対応する。なお、磁気シールド150は、通常、透明色ではないが、図3(A)では、ガスセルモジュール100の構造を示すために、磁気シールド150を透明に図示している。また、図3(B)では、磁気シールド150の図示を省略している。
アルカリ金属原子にEIT現象を起こさせる共鳴光対の周波数(周波数差)は、磁気量子数mF毎に異なることが知られている。すなわち、ガスセル110に磁場がかかった状態では、半導体レーザー200が出射する2光波の周波数差をスイープすると、光検出器210の出力に複数のピーク、すなわち複数のEIT信号が観測される。例えば、図4(B)に示すように、セシウム原子の場合、磁気量子数mF=0,±1,±2,±3に対応する7つのEIT信号が観測される。図4(B)において、横軸はスイープする2光波の周波数差であり、縦軸は検出器210が検出する光の強度である。図4(B)に示すように、一般に、mF=0に対応するEIT信号の強度が最も高いので、mF=0に対応するEIT信号が発生するように、共鳴光対の周波数差を制御するのが有効である。
ところで、前述したように、ガスセル110には、コイル130a,130bに流れる電流(コイル電流)により発生する磁界(定常磁場)と、ヒーター120a,120bに流れる電流(ヒーター電流)により発生する磁界(変動磁場)とがかかる。図6は、ヒーター120a,120b及びコイル130a,130bに流れる電流の向きとガスセル110の内部に発生する磁界の向きの関係の一例を示す図である。図6は、図3(A)及び図3(B)のガスセルモジュール100をYZ平面に平行かつ光路を含む面で切り、X軸の正方向から見た断面図である。なお、図6では、磁気シールド150の図示を省略している。
RAM450は、MPU420の作業領域として用いられ、ROM440から読み出されたプログラムやデータ、操作部430から入力されたデータ、PU420が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部460は、PU420と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。

Claims (7)

  1. 原子が封入されている原子セルと、共鳴光を含む光を発生させて前記原子セルに照射する光発生部と、前記原子セルを透過した光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出信号に基づいて前記共鳴光の周波数を制御する制御部と、電流が流れることにより発熱して前記原子セルを加熱する発熱部と、前記原子セルの内部に磁界を発生させる第1の磁界発生部とを含み、前記共鳴光によって前記原子に量子干渉状態を生じさせる量子干渉装置の製造方法であって、
    前記原子セル、前記光発生部、前記光検出部、前記制御部、前記発熱部及び前記第1の磁界発生部をそれぞれ所望の場所に配置して前記量子干渉装置を組み立てる組み立て工程と、
    前記量子干渉装置の周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第1の磁界発生部に流す電流、前記第1の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つを調整する調整工程と、を含む、量子干渉装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記組み立て工程により組み立てられた前記量子干渉装置の周波数温度特性を測定する測定工程をさらに含み、
    前記調整工程において、
    前記測定工程の測定結果と、前記第1の磁界発生部が発生させる磁界と前記共鳴光の周波数との対応関係を特定可能な情報とに基づいて、前記第1の磁界発生部に流す電流値を計算する、量子干渉装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記量子干渉装置は、
    前記発熱部に流れる電流の少なくとも一部が流れることにより、前記原子セルの内部に磁界を発生させる第2の磁界発生部を含み、
    前記組み立て工程において、
    前記原子セル、前記光発生部、前記光検出部、前記制御部、前記発熱部、前記第1の磁界発生部及び前記第2の磁界発生部をそれぞれ所望の場所に配置して前記量子干渉装置を組み立てる、量子干渉装置の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記量子干渉装置は、
    前記調整工程において、
    前記量子干渉装置の周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第2の磁界発生部に流す電流、前記第2の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つを調整する、量子干渉装置の製造方法。
  5. 共鳴光によって原子に量子干渉状態を生じさせる量子干渉装置であって、
    前記原子が封入されている原子セルと、
    前記共鳴光を含む光を発生させて前記原子セルに照射する光発生部と、
    前記原子セルを透過した光を検出する光検出部と、
    前記光検出部の検出信号に基づいて前記共鳴光の周波数を制御する制御部と、
    電流が流れることにより発熱して前記原子セルを加熱する発熱部と、
    前記原子セルの内部に磁界を発生させる第1の磁界発生部と、を含み、
    周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第1の磁界発生部に流す電流、前記第1の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つが調整されている、量子干渉装置。
  6. 請求項5に記載の量子干渉装置を備えた、電子機器。
  7. 前記原子が封入されている原子セルと、
    電流が流れることにより発熱して前記原子セルを加熱する発熱部と、
    前記原子セルの内部に磁界を発生させる第1の磁界発生部と、を含み、
    前記原子に量子干渉状態を生じさせる共鳴光の周波数温度特性が平坦に近づくように、前記第1の磁界発生部に流す電流、前記第1の磁界発生部の位置及び形状の少なくとも1つが調整されている、原子セルモジュール。
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