JP6852377B2 - 原子発振器および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、原子発振器および原子発振器を備える電子機器に関する。
原子発振器は、ルビジウム、セシウム等の原子を気密封入したガスセルに2種類の波長の異なるレーザ光を照射することで、量子干渉効果(Coherent Population Trapping(CPT))を利用して共鳴周波数を得ることができる。ガスセル中の原子はレーザ光を吸収し、2種類の光の周波数差に応じて光吸収特性(透過率)が変化することが知られている。特に、原子発振器は、2種類の光のいずれも吸収されずに透過する現象(Electromagnetically Induced Transparency(EIT))を利用して、原子に吸収されず透過する透過光スペクトルをEIT信号として検出している。具体的な原子発振器の構成については、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている原子発振器は、レーザ、波長板、ガスセル(蒸気セル)、および光検出器などの構成要素を支持する、下部台座および上部台座を含んでいる。上部台座には、側面に光検出器およびガスセルが実装され、下部台座には、側面にレーザおよび波長板が実装されている。下部台座および上部台座は、互いに平行、かつ空洞部の基底面に平行に配置されている。
特開2013−3139号公報
しかし、特許文献1に開示されている原子発振器では、光源であるレーザを実装する第1基板(下部台座)の端子を設けた辺と、光検出器を実装する第2基板(上部台座)の端子を設けた辺とが同方向に配置さている。そのため、それぞれの端子への接続を考慮すると、第1基板(下部台座)および第2基板(上部台座)のうちのいずれか一方の基板のサイズを一方向に大きくする必要があり、特許文献1に開示されている原子発振器のパッケージのサイズが大きくなる問題があった。
さらに、特許文献1に開示されている原子発振器では、基板のサイズが一方向に大きくなるため、原子発振器のパッケージの内部空間を有効に利用できない、電極配線の引き回しが長くなる、基板がたわみやすくなるなどの問題が生じる。原子発振器のパッケージの内部空間を有効に利用するためには、光学系の設計を大幅に変更する必要があり製造コストが上昇する。また、電極配線の引き回しが長くなると、ノイズが乗りやすくなり、EIT信号が悪化する。さらに、基板がたわみやすくなると、光源と光検出器との距離が変化し、EIT信号が悪化する。
そこで、本発明の目的は、パッケージのサイズを小さくすることができる原子発振器および原子発振器を備える電子機器を提供する。
本発明の一形態に係る原子発振器は、光源と、アルカリ金属原子が封入された内部空間を有するガスセルと、光源から出射され、ガスセルを透過した光を検出する光検出部と、光源、ガスセルおよび光検出部を内包するパッケージとを備え、パッケージは、光源を設けた第1基板と、光検出部を設けた第2基板とを少なくとも含む複数の基板を内包し、第1基板および第2基板は、少なくとも基板の一辺または基板の対向する二辺に、少なくとも1つの端子をそれぞれ有し、光源から光検出部に至る光源方向から見て、複数の基板のうちの少なくとも2つの基板の端子が重ならない位置となるように基板を配置してある。
本発明の一形態に係る電子機器は、上記に記載の原子発振器を備える。
本発明によれば、光源から光検出部に至る光源方向から見て、複数の基板のうちの少なくとも2つの基板の端子が重ならない位置となるように基板を配置するので、基板のサイズを一方向に大きくする必要がなく、パッケージのサイズを小さくすることができる。
本発明の実施の形態1に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態1に係る原子発振器の機能を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る原子発振器のパッケージの種類を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態1の別の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2の別の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2のさらに別の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態3に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態4に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態4の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る原子発振器について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1に係る原子発振器について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る原子発振器100の構成を説明するための概略図である。図1(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線矢印方向から見た断面図である。図1(c)は、図1(a)のB−B線矢印方向から見た断面図である。
原子発振器100は、図1(b)に示すように、パッケージ50の底から順に光源1が設けられた基板10、ガスセル2、光検出器3が設けられた基板20が配置され、パッケージ50の開口部をリッド51で蓋をしてある。なお、図1では、原子発振器100の構成のうち、光源1から光検出器3までは量子部について図示してある。原子発振器100は、量子部以外に、後述する光源波長制御回路7および周波数制御回路8の構成(図2参照)や、特に図示していないが信号源となる水晶発振器および量子部からの出力信号を水晶発振器にフィードバックするフィードバック回路などの構成を含んでいる。本願明細書では、説明を簡単にするために原子発振器の量子部について説明をする。また、以下の記載において、原子発振器の量子部を単に原子発振器と記載する場合がある。
光源1が設けられた基板10は、図1(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子11が形成されている。基板10の長辺には、端子11が形成されていない。つまり、基板10は、対向する二辺に端子11が形成されている、なお、基板10は、少なくとも一辺または対向する二辺に、少なくとも1つ端子11が形成されていればよい。
同様に、光検出器3が設けられた基板20は、図1(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子21が形成されている。基板20の長辺には、端子21が形成されていない。つまり、基板20は、対向する二辺に端子21が形成されている、なお、基板20は、少なくとも一辺または対向する二辺に、少なくとも1つ端子21が形成されていればよい。
また、光源1が設けられた基板10は長辺方向を図中のY方向に配置し、光検出器3が設けられた基板20は長辺方向を図中のX方向に配置している。つまり、基板10の長辺方向と基板20の長辺方向との成す角度が90度となるように基板10と基板20とが配置されており、光源1から光検出器3に至る光源方向(図中のZ方向)から見て、それぞれの短辺に設けた端子11と端子21とが重ならない位置となっている。そのため、基板10の端子11に配線等を接続する場合でも、基板20が邪魔にならず、端子11の周りに十分なスペースを確保することができる。同様に、基板20の端子21に配線等を接続する場合でも、基板10が邪魔にならず、端子21の周りに十分なスペースを確保することができる。
仮に、基板10の長辺方向と基板20の長辺方向とが平行となる基板配置の場合、端子11および端子21の周りに十分なスペースを確保するために基板10または基板20の長辺方向の長さを両端で0.5mmずつ(全体で1mm)長くする必要がある。しかし、図1(a)に示すように、基板10の長辺方向と基板20の長辺方向とのなす角度が90度となるように基板10と基板20とを配置することで、端子11および端子21の周りに十分なスペースを確保するため基板10または基板20の長辺方向の長さを両端で0.5mmずつ長くする必要がない。その結果、両端で0.5mmずつ長くした基板を使用するパッケージの外形サイズが6mm程度であれば、両端で0.5mmずつ長くした基板を使用する必要がなくなれば、パッケージの外形サイズが5mm程度になり、パッケージを約20%程度小型化できる。
ここで、原子発振器100の構成について少し詳しく説明する。原子発振器100は、光源1、ガスセル2および光検出器3で構成されている。原子発振器100は、光源1からの光をガスセル2に入射し、ガスセル2を透過した光を光検出器3で検出してEIT信号を得ている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る原子発振器100の機能を説明するためのブロック図である。図2に示す原子発振器100では、図1に示した原子発振器100の量子部の構成以外に、駆動するために必要な温度コントロール回路6,9、光源波長制御回路7、および周波数制御回路8も図示している。また、図1で示さなかった光学部材4および波長板5も図示している。なお、原子発振器100おいて光学部材4および波長板5は必須の部材ではなく、必要に応じて採用することが可能な部材である。その他、遮光板などを用いてもよい。
光源1は、例えばシングルモードのVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)を用いる。具体的には、光の波長が894.6nmのCs−D1線のVCSELを光源1に用いる。なお、光源1には、光の波長が852.3nmのCs−D2線のVCSEL、795.0nmのRb−D1線のVCSEL、780.2nmのRb−D2線のVCSELなどを用いてもよい。また、光源1は、VCSELに限定されずDFB(Distributed Feedback)レーザやDBR(Distributed Bragg Reflector)レーザなどを用いてもよい。
光源1にVCSELを用いる場合、VCSELの個体差により光の波長がばらつくため、温度コントロール回路6を用いて894.6nmの波長の光が出力できるように調整している。温度コントロール回路6は、光源1の近傍に設けたサーミスタや熱電対で測定した温度に基づき、光源1に設けたヒータで温度を調節する。原子発振器100を原子時計に用いるのであれば、温度コントロール回路6は、光源1を30℃〜125℃辺りの温度範囲で調節する。なお、温度コントロール回路6は、光源1の近くに配置されたサーミスタや熱電対などのセンサ(図示せず)によって温度を測定しながら光源1の温度を調節している。
VCSELから出力される光の波長を制御する方法として、温度を調整する以外に動作電流を調整する方法もある。CSAC(Chip-Scale Atomic Clock)用途の原子発振器100に用いる光源1には、動作電流として0.8〜2mA程度のVCSELが用いられる。本発明の実施の形態1に係る光源1では、VCSELの動作温度を76.9℃、動作電流(DC電流値)を1.1mAとして実験を行っている。また、光源1のVCSELは、入力側にバイアス・ティ(Bias Tees)を設け、当該バイアス・ティでDC電流と4.596315885GHzのRF信号とを合成した信号を入力側に入力している。そのため、光源1のVCSELは、周波数変調することでCsの遷移周波数である9.192631770GHz差を持つ2つの光を1次のサイドバンドで作り出している。RF信号の信号強度は、VCSELまでの配線やVCSEL自体のインピーダンス、DC電流、動作温度によって最適値が異なるため測定系によって大きく値が異なる。本発明の実施の形態1に係る光源1では、EIT信号の信号強度(ピークの信号強度とボトムの信号強度との差)が最大となるように調整している。EIT信号の信号強度が最大となる条件が、VCSELからの光の1次のサイドバンドの強度が最大になる周波数変調に相当する。VCSELを周波数変調した場合、1次のサイドバンド以外にキャリア成分や2次以降の高次モードの成分も発生するが、これらの成分はノイズ要因となるため1次のサイドバンド以外の成分はなるべく抑圧することが望ましい。
原子発振器100は、光源1とガスセル2の間にレンズ等の光学部材4を配置してある。光学部材4は、光源1から出射された拡散光を平行(コリメート)光にしたり、スポット径を変えたりとガスセル2に入射する光形状を調整するために用いられる。本発明の実施の形態1に係る光学部材4では、スポット径が2mmとなるようにコリメータレンズを使用している。なお、光源1のスポット径は、ピークの光強度に対して1/eの光強度となる範囲とする一般的な定義を用いている。原子発振器100では、光学部材4で平行光になった光がガスセル2を透過して光検出器3に至る。
さらに、原子発振器100は、光源1とガスセル2の間に波長板5を配置してある。波長板5は、光源1からの光の偏光を変えるために用いる。光源1から出た光は、一般的に直線偏光である。直線偏光を用いたEIT信号は、外部磁場により大きく変動するエネルギー準位を使用するため周波数変動が生じやすい。そのため、通常、原子発振器では、外部磁場による周波数変動の小さい準位を用いるため、波長板5を用いて光源1からの直線偏光の光を波長板5で円偏光の光に変えてガスセル2に入射している。本発明の実施の形態1に係る波長板5では、右回り円偏光となるように波長板を配置している。なお、ガスセル2に入射する円偏光は、右回り円偏光でも左回り円偏光でもよい。
ガスセル2は、K,Na,Cs,Rbなどのアルカリ金属ガス(原子)を気密封入した密封容器である。ガスセル2は、光源1に対する近方端に光を入射する入射窓(入射側)と、遠方端に光を出射する出射窓(出射側)と、入射窓と出射窓とを保持する側壁(側面)とで構成されている。原子発振器100のガスセル2では、例えばCsのアルカリ金属ガスが気密封入されている。ガスセル2のサイズが10mm以下の場合、内部空間内のアルカリ金属ガスを増やすため、ヒータ(図示せず)を温度コントロール回路9で調節してガスセル2を温めている。例えば、原子発振器に用いるガスセルであれば、使用温度として30℃〜125℃程度である。温度コントロール回路9は、ガスセル2の近傍に設けたサーミスタや熱電対で測定した温度に基づき、ガスセル2に設けたヒータで温度を調節する。
ガスセル2で必要とされるアルカリ金属ガスの量は、飽和蒸気圧の量である。しかし、アルカリ金属ガスはガスセル2の容器と反応する等により徐々に消費されるため、ガスセル2には飽和蒸気圧の量よりも多くのアルカリ金属ガスが封入されている。具体的に、一辺の長さが数mm程度のガスセルであれば数μg程度のアルカリ金属ガスがガスセル2に封入してある。なお、飽和蒸気圧の量よりも多く封入したアルカリ金属原子は固体または液体の状態で内部空間内に留まることになる。
ガスセル2は、光源1からの光を入射するため、少なくとも光経路上において透明であることが必要である。そのため、ガスセル2の入出射窓には、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどのガラスが用いられる。なお、ガスセル2の側面には、ガラスやガラスと陽極接合が可能なSiが用いられる。ガスセル2に用いる部材は、光源1からの光をなるべく透過させる高透過率の部材が望ましく、ARコート等反射防止加工を行ってもよい。
ガスセル2の容器サイズは、光軸方向および光軸に対して垂直方向のいずれの方向においても大きい方が良好なEIT信号を得ることができる。これは、ガスセル2内でアルカリ金属ガスに光が当たる領域が広くなり、アルカリ金属ガスに光が当たる時間が長くなるためである。ただし、小型の原子発振器が望まれており、ガスセルの容器サイズは、一辺の長さが1mm〜10mm程度である。
ガスセル2には、アルカリ金属ガス以外にバッファガスが封入されている。ガスセル内にアルカリ金属ガスのみであると、容器壁面にアルカリ金属原子が短時間で衝突して観測する時間が短くなる問題があった。そこで、観測する時間を延ばすためにバッファガスと呼ばれる不活性ガスをアルカリ金属ガスと共にガスセル内に封入する。これにより、アルカリ金属ガスがバッファガスと衝突することで移動速度を低減して容器壁面に衝突するまでの時間を長くして、観測する時間を延ばしている。封入する不活性ガスは、He,N,Ne,Ar,Kr,Xeがある。ガスセルには、300Torr以下程度の不活性ガスを封入する。なお、バッファガスの温度特性によるEIT信号への影響を抑えるため、温度特性の異なる不活性ガスを同時に封入する。例えば、ガスセルにマイナスの温度特性を持つArとプラスの温度特性を持つNとを同時に封入する。
ガスセル2では、アルカリ金属ガスとしてCs、バッファガスとしてArとNeとの混合ガス(ArとNeとの比率は7:3で合計圧力75Torr)を封入している。また、ガスセル2の動作温度は67℃で、ガスセル2の容器サイズは光軸方向の長さが2mmである。
ガスセル2に外部磁場が加わるとアルカリ金属原子のエネルギー準位がゼーマン分裂し、複数のEIT信号が得られることが知られている。そこで、ガスセル2は、外部磁場の影響を低減するために、磁気シールド2bおよびバイアス磁場2cを加える構成を採用している。磁気シールド2bは、電磁軟鉄、珪素鋼、パーマロイ、アモルファス等の磁性材料が用いられる。バイアス磁場2cは、3軸のヘルムホルツコイル(図示せず)を用いて発生させ、光軸方向に約100mGの磁場として印加されている。なお、ガスセル2にバイアス磁場2cを印加する構成は、ヘルムホルツコイルに限定されない。
光検出器3には、PD(photo diode)を用いている。PDは、光を電流に変換する素子で、例えば近赤外波長に吸収帯を持つSiのPINフォトダイオードである。PINフォトダイオードは、逆バイアス電圧を印加することで高速な応答が可能となるが、原子発振器に用いる場合は特に高速な応答を必要としないため逆バイアス電圧は印加していない。
光検出器3は、PDで得た信号からEIT信号のピーク位置と吸収線のピーク位置を検出する。良好なEIT信号を得るためには吸収線のピーク位置でCPTを生じさせる必要があり、吸収線のピーク位置が光源1からの光の波長に相当する。
光源波長制御回路7は、光源1からの光の波長を制御している。具体的に、光源波長制御回路7は、光検出器3で得た吸収線のピーク位置に応じてDC電源(図示せず)の電流(または電圧)を補正して、吸収線のピーク位置で光源1からの光の波長が安定するように制御している。
周波数制御回路8は、光検出器3から得た信号に応じて光源1の駆動電流に重畳させるRF信号を生成し、ガスセル2内がCPT状態となるようにRF信号の周波数を制御している。具体的に、周波数制御回路8は、光源1に入力する4.596315885kHzのRF信号を、温度補償水晶発振器(TCXO)の信号(10MHz)を基に電圧制御発振器(VCO)および位相同期回路(PLL)を用いて生成している。なお、周波数制御回路8は、EIT信号のピーク位置および吸収線のピーク位置を光検出器3で検出できるように、RF信号の周波数を変調(例えば、10kHz)して光源1からの光の波長を掃引している。
以上のように、本発明の実施の形態1に係る原子発振器100では、前述したように光源1から光検出器3に至る光源方向(図中のZ方向)から見て、2つの基板の端子11,21が重ならない位置となるように基板10,20を配置してある。具体的に、原子発振器100では、2つの基板10,20が光源方向に対してそれぞれ水平方向に配置され、2つの基板10,20が光源方向に対する回転角度が異なる位置に配置してあり、基板10(第1基板)の長辺方向と基板20(第1基板)の長辺方向との成す角度が90度となるように基板10と基板20とを配置してある。つまり、基板10と基板20とは、光源方向に対する回転角度が90度異なるように配置してある。そのため、原子発振器100では、基板10または基板20のサイズを大きくする必要がなくなりパッケージ50のサイズを小さくすることができる。
また、原子発振器100では、基板10と基板20とのサイズをほぼ均等にすることにより、パッケージ50の内部空間を有効に利用することができる。パッケージ50の内部空間を有効に利用するためには、光学系の設計を大幅に変更する必要がなくなり製造コストの上昇を抑えることができる。さらに、原子発振器100では、1つのパッケージ50内に複数の基板を実装することが可能となるため、コンパクトな配置となり、小型化が可能となる。また、原子発振器100では、基板10および基板20のサイズが小さくなるため、電極配線の引き回しが短くなり、伝送損失を低減することができ良好なEIT信号を得ることができる。さらに、原子発振器100では、基板10および基板20のサイズが小さくなるため、基板のたわみが小さくなり光源と光検出器との距離のばらつきが少なくなって光軸合せが容易になるとともに、良好なEIT信号が得られる。
(変形例1)
パッケージ50と基板10,20との位置関係は、図1(a)の構成に限定されるものではない。図3は、本発明の実施の形態1に係る原子発振器のパッケージの種類を説明するための概略図である。図3(a)に示す原子発振器100は、図1(a)の構成と同じく、パッケージ50の外形に沿って内部空間53が形成され、当該内部空間53に基板10および基板20を配置してある。そのため、基板10の長辺方向とパッケージ50の外形の一辺とが平行になり、基板20の長辺方向とパッケージ50の外形の別の一辺とが平行になっている。
一方、図3(b)に示す原子発振器100aは、図1(a)の構成と異なり、パッケージ50の外形に対して45度回転させた位置に内部空間54が形成され、当該内部空間54に基板10および基板20を配置してある。そのため、基板10の長辺方向とパッケージ50の外形の一辺との成す角度が45度となり、基板20の長辺方向とパッケージ50の外形の別の一辺との成す角度が45度となっている。このパッケージ外形、基板との成す角度は、45度に限定するものではない。
(変形例2)
さらに、図1に示す原子発振器100では、構成される基板が基板10と基板20との2つであったが、これに限定されない。図4は、本発明の実施の形態1の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。図4(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20,30を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図4(b)は、図4(a)の断面図である。なお、図4に示す原子発振器101において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
原子発振器101は、図4(b)に示すように、パッケージ50の底から順に光源1が設けられた基板10、ガスセル用のヒータが設けられた基板30、ガスセル2、光検出器3が設けられた基板20が配置されている。
光源1が設けられた基板10は、図4(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子11が形成されている。基板10の長辺には、端子11が形成されていない。同様に、光検出器3が設けられた基板20は、図4(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子21が形成されている。基板20の長辺には、端子21が形成されていない。また、ガスセル用のヒータが設けられた基板30は、図4(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子31が形成されている。基板30の長辺には、端子31が形成されていない。
また、原子発振器101では、基板20の長辺方向が図中のX方向に配置され、基板10の長辺方向が基板20の長辺方向に対して60度回転させた位置に配置され、基板30の長辺方向が基板10の長辺方向に対して更に60度回転させた位置に配置されている。つまり、基板10の長辺方向と基板20の長辺方向と基板30の長辺方向とのそれぞれの成す角度が均等に60度となるように基板10と基板20と基板30とが配置されている。そのため、光源1から光検出器3に至る光源方向(図中のZ方向)から見て、それぞれの短辺に設けた端子11と端子21と端子31とが重ならない位置となっている。よって、図4に示す原子発振器101であっても、基板10、基板20および基板30のいずれのサイズを大きくする必要がなくパッケージ50のサイズを小さくすることができる。なお、原子発振器101では、複数の基板10,20,30が、それぞれの基板を光源方向に対する回転角度が均等になるように配置してある。
(変形例3)
さらに、図4に示す原子発振器101では、構成される基板が基板10、基板20および基板30の3つであったが、これに限定されない。図5は、本発明の実施の形態1の別の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。図5(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20,30,40を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図5(b)は、図5(a)の断面図である。なお、図5に示す原子発振器102において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
原子発振器102は、図5(b)に示すように、パッケージ50の底から順に光源1が設けられた基板10、ガスセル用のヒータが設けられた基板30、ガスセル2、磁場発生用のコイルが設けられた基板40、光検出器3が設けられた基板20が配置されている。
光源1が設けられた基板10は、図5(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子11が形成されている。基板10の長辺には、端子11が形成されていない。同様に、光検出器3が設けられた基板20は、図5(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子21が形成されている。基板20の長辺には、端子21が形成されていない。また、ガスセル用のヒータが設けられた基板30は、図5(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子31が形成されている。基板30の長辺には、端子31が形成されていない。さらに、磁場発生用のコイルが設けられた基板40は、図5(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子41が形成されている。基板40の長辺には、端子41が形成されていない。
また、原子発振器102では、基板20の長辺方向が図中のX方向に配置され、基板10の長辺方向が図中のY方向に配置されている。さらに、原子発振器102では、基板30の長辺方向が基板10の長辺方向に対して45度回転させた位置に配置され、基板40の長辺方向が基板20の長辺方向に対して45度回転させた位置に配置されている。つまり、基板10から基板40までのそれぞれの長辺方向の成す角度が均等に45度となるように基板10から基板40までの基板が配置されている。そのため、光源1から光検出器3に至る光源方向(図中のZ方向)から見て、それぞれの短辺に設けた端子11から端子41までの端子が重ならない位置となっている。よって、図5に示す原子発振器102であっても、基板10、基板20、基板30および基板40のいずれのサイズを大きくする必要がなくパッケージ50を小型化することができる。なお、原子発振器102では、複数の基板10,20,30,40が、それぞれの基板を光源方向に対する回転角度が均等になるように配置してある。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1に係る原子発振器100では、パッケージの底側に光源1を配置する構成であった。しかし、この構成に限定されず、パッケージの底側に光検出器を配置する構成であってもよい。図6は、本発明の実施の形態2に係る原子発振器200の構成を説明するための概略図である。図6(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図6(b)は、図6(a)のA−A線矢印方向から見た断面図である。図6(c)は、図6(a)のB−B線矢印方向から見た断面図である。なお、図6に示す原子発振器200において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
原子発振器200は、図6(b)に示すように、パッケージ50の底から順に光検出器3が設けられた基板20、ガスセル2、光源1が設けられた基板10が配置され、パッケージ50の開口部をリッド51で蓋をしてある。つまり、原子発振器200は、図1に示す原子発振器100とは逆の配置になっている。
パッケージ50の底面には、図6(c)に示すように、光検出器3と接続して外部に信号を出力するための電極端子55が設けてある。そのため、原子発振器200のように光検出器3が設けられた基板20をパッケージ50の底側に配置することで、電極端子55と光検出器3との距離が短くなる。電極端子55と光検出器3との距離が短くなることで、光検出器3、電極端子55間のラインが拾うノイズ量を低減することができEIT信号においてS/N比が向上する。また、原子発振器200では、光検出器3を電極端子55の近くに配置することで、ガスセル2から磁性体材料を含むリッド51等までの距離が長くなり、ガスセル2を通り抜ける磁束分布が安定化して良好なEIT信号を得ることができる。
以上のように、原子発振器200では、パッケージ50が底面側に電極端子55を有し、光検出器3をパッケージ50の底面側に配置してあるので、光検出器3、電極端子55間のラインが拾うノイズ量を低減することができEIT信号においてS/N比が向上する。
(変形例1)
原子発振器200では、図6(b)に示すように基板20に光検出器3が設けられた構成であったが、これに限定されず光検出器をパッケージの底に配置してもよい。図7は、本発明の実施の形態2の変形例に係る原子発振器201の構成を説明するための概略図である。図7(a)は、X方向から見た断面図である。図7(b)は、Y方向から見た断面図である。なお、図7に示す原子発振器201において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
原子発振器201では、光検出器3を基板20に設けるのではなく、パッケージ50の底に配置してある。そのため、原子発振器201では、光検出器3を搭載する基板設計の自由度が向上する。また、基板20にガスセル用のヒータが設けている場合、基板20に光検出器3を設けないことで生じた領域を利用してヒータでの消費電力を低減することが可能となる電極配線を基板20に形成することが可能となる。光検出器3を基板20に設けないことで、光検出器3を基板20に設けたガスセル用のヒータと分離することができ、ガスセル用のヒータからの熱の影響を光検出器3が受け難くなり、原子発振器201の信頼性が向上する。
(変形例2)
さらに、原子発振器では、ガスセルの位置決めのためにスペーサを配置する場合がある。以下の変形例では、スペーサを設けた原子発振器について説明する。図8は、本発明の実施の形態2の別の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。図8(a)は、光検出器3が設けられた基板20にスペーサ60を設けた原子発振器202の構成を図示している。原子発振器202では、基板20にスペーサ60を設けることで、ガスセル2の位置決めが容易になるだけでなく、基板20に加わる応力を緩和することができる。そのため、原子発振器202では、基板20のたわみが小さくなるので光源1と光検出器3との距離のばらつきが少なくなって光軸合せが容易になるとともに、良好なEIT信号が得られる。なお、図8(a)に示す原子発振器202において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
また、図8(b)は、光源1が設けられた基板10にスペーサ61を設けた原子発振器203の構成を図示している。原子発振器203では、基板10にスペーサ61を設けることで、ガスセル2の位置決めが容易になるだけでなく、基板10に加わる応力を緩和することができる。そのため、原子発振器203では、基板10のたわみが小さくなるので光源1と光検出器3との距離のばらつきが少なくなって光軸合せが容易になるとともに、良好なEIT信号が得られる。なお、図8(b)に示す原子発振器203において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、基板にヒータを設けた場合のスペーサの配置について説明する。図9は、本発明の実施の形態2のさらに別の変形例に係る原子発振器の構成を説明するための概略図である。図9(a)は、光検出器3が設けられた基板20にスペーサ60aを設けた原子発振器202aの構成を図示している。原子発振器202aでは、基板20にヒータ9aを設けているので、基板20に形成されたヒータ電極等の配線を避けることができる形状のスペーサ60aを基板20に設けている。これにより、原子発振器202aでは、ヒータ9aの機能を妨げることなく、ガスセル2の位置決めを容易にして、基板20に加わる応力を緩和している。なお、図9(a)に示す原子発振器202aにおいて、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図9(b)は、光源1が設けられた基板10にスペーサ61aを設けた原子発振器203aの構成を図示している。原子発振器203aでは、基板10にヒータ9bを設けているので、基板10に形成されたヒータ電極等の配線を避けることができる形状のスペーサ61aを基板10に設けている。これにより、原子発振器203aでは、ヒータ9bの機能を妨げることなく、ガスセル2の位置決めを容易にして、基板10に加わる応力を緩和している。なお、図9(b)に示す原子発振器203aにおいて、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、スペーサ60,60a,61,61aは、断熱機能が必要な部分には熱伝導率が小さな樹脂材などの材料を用い、熱伝導機能が必要な部分には熱伝導率が大きなアルミ等の材料を用いる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る原子発振器では、光源を加熱するヒータおよびガスセルを加熱するヒータの具体的な構成について説明する。図10は、本発明の実施の形態3に係る原子発振器300の構成を説明するための概略図である。図10(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図10(b)は、図10(a)のA−A線矢印方向から見た断面図である。図10(c)は、図10(a)のB−B線矢印方向から見た断面図である。なお、図10に示す原子発振器300において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
原子発振器300は、図10(b)に示すように、パッケージ50の底から順に光源1が設けられた基板10、ガスセル2、光検出器3が設けられた基板20が配置され、パッケージ50の開口部をリッド51で蓋をしてある。
光源1が設けられた基板10は、図10(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子11が形成されている。基板10の長辺には、端子11が形成されていない。さらに、基板10には、光源1を囲む位置にヒータ9aのヒータ電極の配線が形成され、当該配線の両端がそれぞれ端子11に接続されている。
同様に、光検出器3が設けられた基板20は、図10(a)に示すように矩形状であって、短辺に配線等を接続するための端子21が形成されている。基板20の長辺には、端子21が形成されていない。さらに、基板20には、ガスセル2を囲む位置にヒータ9bのヒータ電極の配線が形成され、当該配線の両端がそれぞれ端子21に接続されている。
また、光源1が設けられた基板10は長辺方向を図中のY方向に配置し、光検出器3が設けられた基板20は長辺方向を図中のX方向に配置している。つまり、基板10の長辺方向と基板20の長辺方向との成す角度が90度となるように基板10と基板20とが配置されている。そのため、原子発振器300では、基板10に設けられたヒータ9aに給電する方向と、基板20に設けられたヒータ9bに給電する方向とが90度異なっている。つまり、原子発振器300では、ヒータ9aの引き回し電極の配置とヒータ9bの引き回し電極の配置とが直交するので、それらの電極に流れる電流によって発生する磁束が互いに直交して互いに影響を受けなくなり、ノイズを低減することが可能になる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る原子発振器では、基板を台座で支持する構成につて説明する。図11は、本発明の実施の形態4に係る原子発振器400の構成を説明するための概略図である。図11(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図11(b)は、図11(a)のB−B線矢印方向から見た断面図である。なお、図11に示す原子発振器400において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
原子発振器400では、図11(b)に示すように光検出器3が設けられた基板20が実装部Dにおいて端子21とパッケージ50に設けられた電極(図示せず)とを電気的に接続している。一方、光源1が設けられた基板10は、基板20に対して長手方向が90度回転して配置されているので、基板10の長辺部分が非実装部Eにおいてパッケージ50の台座部70に支持されている。つまり、パッケージ50は、図11(a)に示すように、基板10の端子11が形成されていない長辺部分を支持する位置に少なくとも1つ以上の台座部70が設けられている。
原子発振器400では、B−B線矢印方向から見た断面図において、光検出器3が設けられた基板20はパッケージ50に実装されているが、光源1が設けられた基板10は台座部70に支持されているだけで実装されていない。さらに、基板10は、端子11を有していない辺(長辺部分)を少なくとも1つ以上の台座部70で支持してある。そのため、原子発振器400では、端子11が形成されている方向(長辺方向)以外の方向(短辺方向)の応力が緩和されるので、基板10のたわみを抑制して信頼性を向上させることができる。
(変形例)
さらに、本発明の実施の形態4に係る原子発振器では、ガスセルの位置決めのためにスペーサを配置する場合がある。以下の変形例では、スペーサを設けた原子発振器について説明する。図12は、本発明の実施の形態4の変形例に係る原子発振器401の構成を説明するための概略図である。図12(a)は、パッケージ50に収められた基板10,20を、光検出器3が設けられた基板20側から見た平面図である。図12(b)は、図11(a)のB−B線矢印方向から見た断面図である。なお、図12に示す原子発振器401において、図1に示す原子発振器100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図12(b)は、光源1が設けられた基板10にスペーサ71を設けた原子発振器401の構成を図示している。原子発振器401では、台座部70で支持された基板10上にスペーサ71を設けている。つまり、スペーサ71は、図12(a)に示すように台座部70の上に配置されている。なお、図12(a)では、台座部70とスペーサ71との位置関係を把握しやすくするため、基板10,20の図示を省略している。そのため、スペーサ71は、図12(b)に示すように台座部70に対して基板10を押さえる構成になっている。よって、原子発振器401では、スペーサ71で基板10を押さえることで、さらに応力を緩和することができ、基板10のたわみを抑制して信頼性を向上させることができる。
(その他の変形例)
前述の実施の形態に係る原子発振器では、量子干渉効果(CPT)を利用して共鳴周波数を得る構成について説明したが、これに限られない。原子発振器の動作原理には、光とマイクロ波を利用した二重共鳴法と呼ばれる方法があり、前述の実施の形態に係る原子発振器は、二重共鳴法にも同様に適用することができる。
前述の実施の形態に係る原子発振器は、原子時計の基準発振器として使用することができると共に、基準発振器を必要とする携帯電話基地局の電子機器、携帯電話(スマートフォン)、カーナビケーションシステムのようなGPSシステムを利用した位置情報を必要とする受信機などの電子機器に用いることができる。
前述の実施の形態に係る原子発振器は、特に制限がない限り、それぞれの実施の形態を自由に組み合わせてよい。例えば、実施の形態1に係る原子発振器100に、実施の形態2の変形例2で説明したスペーサ60,61を組み合わせてもよい。また、実施の形態2に係る原子発振器200に、実施の形態4で説明した台座部70を組み合わせてもよい。
前述の実施の形態に係る原子発振器では、使用する基板に、耐熱性、電極形成性に優れ、低熱伝導率を有する断熱性材料を用いるのが好ましい。特に、100μm以下の厚みの基板であって、ポリイミド(PI基板)、液晶ポリマー(LCP基板)等の材料を用いるのが好ましい。また、使用する基板は、矩形状に限定されない。
前述の実施の形態に係る原子発振器では、複数の基板が光源方向に対してそれぞれ水平方向に配置されている場合を説明したが、これに限られず、必要なEIT信号が得られる範囲でそれぞれの基板が水平方向以外の方向に配置してもよい。また、前述の実施の形態に係る原子発振器では、それぞれの基板を光源方向に対する回転角度が均等になるように配置してある、場合を説明したが、これに限られず、少なくとも2つの基板において光源方向に対する回転角度が異なる位置に配置してあれば、どのような配置であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 光源、1b,3a プリント基板、2 ガスセル、2a 内部空間、2b 磁気シールド、2c バイアス磁場、2d 遮光部、3 光検出器、4 光学部材、5 波長板、6,9 温度コントロール回路、9a,9b ヒータ、7 光源波長制御回路、8 周波数制御回路、10 アルカリ金属原子、11 放熱部材、12 熱伝導性の高い部材、13 減光フィルタ、100,100a 原子発振器。

Claims (8)

  1. 光源と、
    アルカリ金属原子が封入された内部空間を有するガスセルと、
    前記光源から出射され、前記ガスセルを透過した光を検出する光検出部と、
    前記光源、前記ガスセルおよび前記光検出部を内包するパッケージとを備え、
    前記パッケージは、前記光源を設けた第1基板と、前記光検出部を設けた第2基板とを少なくとも含む複数の基板を内包し、
    前記第1基板および前記第2基板は、少なくとも基板の一辺または基板の対向する二辺に、少なくとも1つの端子をそれぞれ有し、
    前記光源から前記光検出部に至る光源方向から見て、前記複数の基板のうちの少なくとも2つの基板の端子が重ならない位置となるように基板を配置してある、原子発振器。
  2. 前記複数の基板は、前記光源方向に対してそれぞれ水平方向に配置し、
    前記複数の基板のうちの少なくとも2つの基板は、前記光源方向に対する回転角度が異なる位置に配置してある、請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記複数の基板は、それぞれの基板を前記光源方向に対する回転角度が均等になるように配置してある、請求項2に記載の原子発振器。
  4. 前記第1基板と前記第2基板とは、前記光源方向に対する回転角度が90度異なるように配置してある、請求項2に記載の原子発振器。
  5. 前記パッケージは、底面側に電極を有し、
    前記光検出部を前記パッケージの前記底面側に配置してある、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の原子発振器。
  6. 前記複数の基板は、端子を有していない辺を少なくとも1つ以上の台座で支持してある、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の原子発振器。
  7. 前記複数の基板は、耐熱性を有する断熱性材料であり、それぞれの基板の厚みが100μm以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の原子発振器。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の前記原子発振器を備える電子機器。
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