JP2014094136A - 補助ブレーキおよびこの補助ブレーキを備えた車椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】利用者が座部から立ち上るときにタイヤに制動力を付与する補助ブレーキであって、揺動アーム部材とカム部材14と、揺動アーム部材とカム部材14との間を連結するワイヤー部材と、を少なくとも備え、利用者が座っていない場合に、揺動アーム部材からワイヤー部材、ワイヤー部材からカム部材14に伝達された力によりタイヤ4の回転が阻止されることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
そこで、例えば特許文献1、特許文献2などには、例えば、手動ブレーキを掛け忘れた状態から利用者が座ろうとしたときなどに、タイヤに対し制動力を自動的に発揮させる、いわゆる補助ブレーキが搭載された車椅子が提案されている。
しかしながら、ドラム式の補助ブレーキは大型であることから設置スペースの確保が困難であり、また重量増となり、さらにはコスト高になるという不具合があった。
また、本発明は、利用者が座っていない空の状態であるとしても、補助ブレーキの制動状態を無効にして、他の場所に容易に移動させることができる、補助ブレーキを備えた車椅子を提供することを目的としている。
利用者が座部から立ち上がるときにタイヤに制動力を付与する補助ブレーキであって、
前記座部の下面に接離自在に配置され、前記座部に利用者が座っている場合と、前記座部に利用者が座っていない場合とにより異なる方向に揺動する揺動アーム部材と、
前記座部に利用者が座っていない場合の前記揺動アーム部材の姿勢に基いて前記タイヤの周面に食い込む姿勢となり、このときの姿勢により前記タイヤの回転を阻止するとともに、
前記座部に利用者が座っている場合の前記揺動アーム部材の姿勢に基いて前記タイヤの周面から離反する姿勢となり、このときの姿勢により前記タイヤの回転を許容するカム部材と、
前記揺動アーム部材と前記カム部材との間を連結するワイヤー部材と、を少なくとも備え、
前記座部に前記利用者が座っていない場合に、前記揺動アーム部材から前記ワイヤー部材、および前記ワイヤー部材から前記カム部材に伝達された力により前記タイヤの回転が阻止されることを特徴としている。
また、本発明に係る車椅子では、前記カム部材は、前記タイヤの回転が阻止されていない補助ブレーキの非制動状態において、その先端部が前記タイヤに対して周方向前方あるいは後方に向いた姿勢で前記タイヤの周面に配置され、
前記ワイヤー部材から前記カム部材に伝達された力に基いて、前記カム部材が前記タイヤに制動力を付与する場合には、当該カム部材の先端部が前記タイヤに対して食い込む方向に姿勢が変換されることが好ましい。
このように、補助ブレーキに強制解除手段が接続された車椅子であれば、制動状態にある補助ブレーキを強制的に解除することができる。これにより、空の車椅子を他の場所に容易に移動させることが可能となる。
また、本発明に係る補助ブレーキによれば、カム部材の先端部がタイヤに対して予め周方向前方あるいは後方に向いた姿勢に配置され、タイヤが前進あるいは後進しようと回転した場合には、カム部材の先端部がタイヤの周面に一段と強く食い込む姿勢となるように姿勢を変換するので、確実に制動力を発揮することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る補助ブレーキが具備された車椅子の斜視図である。
なお、本明細書において、特に説明がない場合において「前後」あるいは「左右」とは、車椅子に座った利用者の視点で規定している。すなわち、座部に座った利用者の腹側が「前」、背中側が「後」、左手側が「左」、右手側が「右」であるとする。また、「上下」とは、重力が作用する方向と同一である。また、前進とは車椅子に座った人が前方に進む方向であり、後進とは車椅子に座った人が後方に後退してしまう方向をいう。
後のタイヤ4は、ゴム製のチューブを支持する金属製のリム部4bと、金属製のスポーク部4cと、前進時などに手動で操作する環状のハンドリム部4dを有しており、このハンドリム部4dは、リム部4bに固定されている。
一方、本実施例の車椅子1には、手動ブレーキ8の他に、図2(A)、(B)、図3(A)、(B)などに示した補助ブレーキ10が具備されている。この補助ブレーキ10は、例えば、利用者が座部2から立ち上がろうとしたときなどに、自動的にタイヤ4が制動状態になるブレーキであり、この補助ブレーキの駆動により、仮に手動ブレーキの操作を忘れたまま立ち上がろうとしたときであっても、利用者の安全を確保することができる。この補助ブレーキ10は、手動ブレーキ8が選択的に任意に行われるのに対し、自動的に起動するものである。
補助ブレーキ10は、図2(A)、(B)に示したように、座部2の下面に配置された入力部としての揺動アーム部材12と、図3(A)、(B)に示したように、タイヤ4の周面に配置された出力部としてのカム部材14と、図4に示したように、揺動アーム部材12とカム部材14との間を接続する力伝達部としてのワイヤー部材16などにより構成されている。
なお、図2(A)は、利用者が座部2に座っていないときの、座部2と揺動アーム部材12との関係を示し、図2(B)は利用者が座部2に座っているときの、座部2と揺動アーム部材12との関係を示したものである。
また、揺動アーム部材12には、図示しない付勢手段が具備されており、この付勢手段の付勢力により揺動アーム部材12は、回転軸15を支点として、常時、矢印F方向へ回動する力を受けている。
なお、この補助ブレーキ10の揺動アーム部材12の基本的な力の伝達機構に関しては、先に出願された特許文献1に詳述されている。
この強制解除手段は、介助者などの手による操作ではなく、足によるペダル操作で行われることが好ましい。
図4に示した水平方向部材34には、足を踏み込んで操作されるペダル36が係止可能に配置されている。なお、ペダル36には、図示しない付勢手段が具備され、その付勢力によりペダル36は、下面側突起36bが形成されていない先端側(矢印Gを付した側)が上方を向くように常時付勢されている。
例えば、上記実施例では、カム部材14の設置位置を、タイヤ4の後方側で、タイヤ4の最高位置より若干低い位置を押圧するように設置しているが、カム部材14の設置位置は何ら限定されず、利用者や介助者が通常の使用において触れにくい、タイヤ4の下半分の高さ位置などであっても良い。さらにはタイヤ4の前方側であっても良い。
さらに、カム部材14のタイヤ4に対する姿勢は、上記実施例に限定されない。例えば、図6(A)、(B)のように設置しても良い。
図6(A)の状態であれば、タイヤ4が図6(A)の姿勢から矢印Bで示す後進方向に回転しようとすると、カム部材14の先端部14aは、さらにタイヤ4に食い込む方向に回動する力が働く。したがって、図6(A)、(B)の場合は、図3(A)、(B)の場合より、確実なブレーキ力を得ることができる。
2 座部
2b 肘掛け部
3 パイプ状のフレーム
4 後のタイヤ
4b リム部
4c スポーク部
4d ハンドリム部
5 前のタイヤ
6 ハンドル部
8 手動ブレーキ
8a レバー
8b 押圧バー
10 補助ブレーキ
12 揺動アーム部材
14 カム部材
14a 先端部
16 ワイヤー部材
18 ローラ
30 強制解除手段
34 水平方向部材
36 ペダル
38 ワイヤー部材
Claims (3)
- 利用者が座部から立ち上がるときにタイヤに制動力を付与する補助ブレーキであって、
前記座部の下面に接離自在に配置され、前記座部に利用者が座っている場合と、前記座部に利用者が座っていない場合とにより異なる方向に揺動する揺動アーム部材と、
前記座部に利用者が座っていない場合の前記揺動アーム部材の姿勢に基いて前記タイヤの周面に食い込む姿勢となり、このときの姿勢により前記タイヤの回転を阻止するとともに、
前記座部に利用者が座っている場合の前記揺動アーム部材の姿勢に基いて前記タイヤの周面から離反する姿勢となり、このときの姿勢により前記タイヤの回転を許容するカム部材と、
前記揺動アーム部材と前記カム部材との間を連結するワイヤー部材と、を少なくとも備え、
前記座部に前記利用者が座っていない場合に、前記揺動アーム部材から前記ワイヤー部材、および前記ワイヤー部材から前記カム部材に伝達された力により前記タイヤの回転が阻止されることを特徴とする補助ブレーキ。 - 前記カム部材は、前記タイヤの回転が阻止されていない補助ブレーキの非制動状態において、その先端部が前記タイヤに対して周方向前方あるいは後方に向いた姿勢で前記タイヤの周面に配置され、
前記ワイヤー部材から前記カム部材に伝達された力に基いて、前記カム部材が前記タイヤに制動力を付与する場合には、当該カム部材の先端部が前記タイヤに対して食い込む方向に姿勢が変換されることを特徴とする請求項1に記載の補助ブレーキ。 - 請求項1または2に記載の補助ブレーキが具備されているとともに、この補助ブレーキに、強制解除手段が接続されていることを特徴とする車椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012247294A JP6157090B2 (ja) | 2012-11-09 | 2012-11-09 | 補助ブレーキおよびこの補助ブレーキを備えた車椅子 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012247294A JP6157090B2 (ja) | 2012-11-09 | 2012-11-09 | 補助ブレーキおよびこの補助ブレーキを備えた車椅子 |
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JP2012247294A Active JP6157090B2 (ja) | 2012-11-09 | 2012-11-09 | 補助ブレーキおよびこの補助ブレーキを備えた車椅子 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101921923B1 (ko) | 2017-06-07 | 2019-02-13 | 동서대학교 산학협력단 | 경사로 주행이 용이한 휠체어 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004081720A (ja) * | 2002-08-29 | 2004-03-18 | Akihiko Miyamoto | 車椅子の制動装置 |
JP3159622U (ja) * | 2010-03-09 | 2010-05-27 | 武夫 天沼 | 車椅子 |
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2012
- 2012-11-09 JP JP2012247294A patent/JP6157090B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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