JP2014092022A - 道路用標示体の設置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】埋設固定させたアンカーナットへ雄ねじ部を螺結させた道路用標示体がいたずらなどによって取り外されにくく、且つ、交換時に道路用標示体を設置面から取り外す際には、容易に取り外すことができる道路用標示体の設置構造を提供する。
【解決手段】道路用標示体1と別体に形成させた台座2を設置面上に、この台座2上に道路用標示体1を設置し、台座2を設置面に固定する固定手段を設けると共に、台座2と道路用標示体1との間に、アンカーナット3に対する道路用標示体の回転を規制する解除可能な回転止めを設ける。回転止めによって、回転が規制された道路用標示体1の雄ねじ部16とアンカーナット3との螺脱が防止され、道路用標示体1の取り外しができないようになる。この回転止めを解除させれば、道路用標示体が回転可能な状態となり設置面から容易に取り外すことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、路面などに埋設固定させたアンカーナットへ、下面から突出する雄ねじ部を螺結させて設置させる道路用標示体の設置構造に関するものである。
車線のセンターライン標示、車線誘導標示あるいは交通規制誘導標示などを目的として、道路に設置させる道路用標示体の設置方法としては、接着剤による接着固定のほか、設置面からの着脱が容易な設置方法として、下方へ雄ねじ部を突出させ、これを路面などの設置面に埋設固定したアンカーナットへ螺結させて固定させる方法がよく用いられている。
このような設置方法においては、使用過程で破損等した道路用標示体を設置面から取り外して容易に交換できる反面、いたずらなどで取り外される恐れもあり、その対策について種々の発明が開示されている。
例えば、特許文献1には、ポール本体と、該ポール本体を路面上に固定支持する台座とよりなり、その台座の底面から突設された1本のボルトを路面中に埋設された埋設脚と螺合して固定すべくなした視線誘導標識柱において、前記台座の下面と埋設脚の上面との間に挟まれた形で前記ボルトと螺合する弛み防止部材を設け、埋設脚を路面中に接着固定した後、前記弛み防止部材を上面から見て時計方向に回動させて増し締めしたことを特徴とする視線誘導標識柱が開示されている。
実用新案登録第3119847号公報
特許文献1に示される視線誘導標識柱は、ゆるみ防止部材と埋設脚とがダブルナットの構成となされて、台座から突設させて埋設脚に螺結させたボルトが容易に螺脱しないようになされている。このゆるみ防止部材の増し締めの方法として、ゆるみ防止部材へ工具を取り付け、これをハンマーでたたく方法が示されているが、このような場合、使用過程の視線誘導標識柱を交換などのために取り外す際には、取り外しにくくなる恐れがあった。
そこで本発明は、埋設固定させたアンカーナットへ雄ねじ部を螺結させた道路用標示体がいたずらなどによって取り外されるような問題が生じにくく、且つ、交換などのために道路用標示体を設置面から取り外す際には、容易に取り外すことができる道路用標示体の設置構造を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る道路用標示体の設置構造は、設置面に形成された埋設孔へ埋設されたアンカーナットへ、道路用標示体の下面から突出する雄ねじ部を螺結させて設置される道路用標示体の設置構造であって、
前記道路用標示体と別体に形成された台座が設置面上に設置され、該台座上に道路用標示体が設置されており、
前記台座には、該台座を設置面に固定する固定手段が設けられると共に、
前記台座と道路用標示体との間には、前記アンカーナットに対する道路用標示体の回転を規制する解除可能な回転止めが設けられていることを特徴としている。
本発明に係る道路用標示体の設置構造によれば、前記道路用標示体と別体に形成させた台座を設置面上に設置させ、前記台座に、この台座を設置面に固定する固定手段を設けるので、台座はこの固定手段により設置面に固定されて埋設孔へ埋設されたアンカーナットに対する回転が防止される。
また、前記台座と道路用標示体との間に前記アンカーナットに対する道路用標示体の回転を規制する解除可能な回転止めを設けるので、この回転止めによって回転が規制された道路用標示体は、下面から突出する雄ねじ部と前記アンカーナットとの螺脱が防止され、道路用標示体の取り外しができないようになされる。
そして、前記回転止めによる規制を解除可能に設けるので、この回転止めを解除させれば前記道路用標示体が回転可能な状態となされ、前記雄ねじ部をアンカーナットから螺脱させて、道路用標示体を設置面から容易に取り外すことができる。
また、前記道路用標示体の下部を挿入させる環状の台座の外周側面から挿通させて、その先端を前記道路用標示体の下部の外周側面へ係脱自在に係合させるねじ部材を前記回転止めに備えさせれば、前記アンカーナットに対する道路用標示体の回転を規制する前記回転止めを容易に解除可能な構成に設けることができる。
また、台座の下面より下方に突出させた突出片を前記アンカーナットの外側に配置させて前記埋設孔に挿入させ、前記アンカーナットを埋設孔へ固定させる固定材に埋没させるように前記固定手段を構成させれば、設置面へ固定させた前記台座の回転を効果的に防止することができる。
本発明に係る道路用標示体の設置構造によれば、設置された道路用標示体の回転が防止されて、いたずらなどによって道路用標示体が取り外されるような問題が抑制されると共に、交換などのために道路用標示体を設置面から取り外す際には、回転止めを解除させることで容易に取り外すことができる。
本発明に係る道路用標示体の設置構造の実施の一形態を示す正面図である。 図1の道路用標示体と台座とアンカーナットとをそれぞれ取り外した状態を示す図である。 図1の台座を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は底面図である。 アンカーナットと、台座とを設置させた状況を示す図である。 図4の台座の上に道路用標示体を設置させた状況を示す図である。 図5の道路用標示体の回転を回転止めにより規制させた状況を示す、図1のA−A断面図である。
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は道路用標示体である。
本実施形態の道路用標示体1は、柱部11と、キャップ部12と、ベース部13とを含んだ構成であり、具体的には、略円柱形状に形成させたベース部13の上に、これより若干小径の円筒形状に形成させた柱部11を上方へ突設させている。キャップ部12は柱部11の上端に取り付けられて、円筒形状の柱部11の開口を閉塞させている。
柱部11は、車両が接触するなどして力が加えられたときに弾性的に曲がり、その後もとの状態に戻る可撓性を備えている。
また、ベース部13、及びキャップ部12には、照射された光を照射方向へ反射させる光の再帰反射性を有する反射体Lがその外周面に取り付けられており、道路用標示体1の視認性を向上させている。
本実施形態の道路用標示体1の設置構造では、設置面である路面Gに埋設孔Hを穿設させ、その内部にアンカーナット3を収納させて固定させている。アンカーナット3は、埋設孔Hとの間の空隙に、モルタルや、セメント、コンクリート、接着剤などの固定材Fを充填させて固化させ、埋設孔H内に固定させている。
道路用標示体1は、ベース部13から下方へ突出する雄ねじ部16を備え、この雄ねじ部16を前記アンカーナット3へ螺結させて設置されている。
アンカーナット3と道路用標示体1との間には台座2が配置されており、道路用標示体1は、路面Gの上に設置された台座2の上面に設置されている。
図2は図1の道路用標示体1と台座2とアンカーナット3とをそれぞれ取り外した状態を示す図である。
本実施形態の道路用標示体1は、円柱形状に形成されたベース部13の下面に、下方へ突出する凸部14が形成されている。凸部14はベース部13よりも小径の円柱形状に形成されており、ベース部13の下面中央に形成されている。
また、凸部14には、下面中央から下方へ突出する雄ねじ部16が設けられており、凸部14の外周側面には内側へ円形に窪む係合孔15が1個形成されている。
本実施形態のアンカーナット3は、上方へ開口する有底筒状の略円筒形状に形成されている。
アンカーナット3の外周側面には、段部31が全周に亘って形成されており、この段部31より下側の外周側面が上側の外周側面より外径が縮径されるように設けられている。
また、段部31より下方の外周側面は、下方に至るほど外径が大きくなる傾斜面状の傾斜部32に形成されている。
アンカーナット3に傾斜部32を設けることで、図1に示すように固定材Fを用いてアンカーナット3を埋設固定させたときに、傾斜部32の周囲に充填された固定材Fによって、アンカーナット3の上方への脱抜を効果的に防止できる。
また、アンカーナット3の外周側面には、長手方向を上下方向へ向けた突条部33が外側へ突出して形成されており、突条部33はアンカーナット3の周方向へ等間隔に4個形成されている。
このように突条部33を設けることで、図1に示すように固定材Fを用いてアンカーナット3を埋設固定させたときに、突条部33の周囲に充填された固定材Fによって、埋設孔H内でのアンカーナット3の回転を効果的に防止できる。
尚、内側に雌ねじを備えた有底筒状のアンカーナット3は、道路用標示体1等を路面に設置させる目的で従来より用いられているものである。
アンカーナット3の内側の中空部分には、前記道路用標示体1の凸部14を収納可能な凹部34が開口付近である上方に形成され、その下方に雄ねじ部16と螺結可能な雌ねじ部36が形成されている。
埋設固定されたアンカーナット3は、凹部34に前記凸部14を収納させ、雌ねじ部36に雄ねじ部16を螺結させて、道路用標示体1を立設させるように形成されている。
図3は、図1の台座2を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は底面図である。
本実施形態の台座2は、板面を上下方向へ向けた円環板状に形成されている。
台座2は、その外径が前記道路用標示体1のベース部13の外径と同じ大きさに形成されており、台座2を上下方向に貫通する中央の挿通孔24は、道路用標示体1の凸部14を挿通可能な大きさの円形形状に形成されている。
また、台座2には、外周側面から挿通孔24の内周側面へ向けて径方向に貫通するねじ孔25が1個形成されている。
台座2の下面には、下方へ突出する板状の突出片21が形成されている。
突出片21は、挿通孔24の周方向に沿って等間隔に4個形成されており、挿通孔24の縁から若干外側の位置にそれぞれ形成されている。
図4はアンカーナット3と、台座2とを設置させた状況を示す図である。
アンカーナット3は、その上端を路面Gと同じ高さに位置させて路面Gに穿設させた埋設孔H内に収納させ、路面Gの高さまで埋設孔H内に充填・固化させた固定材Fに埋没させて固定させている。
台座2は、アンカーナット3と同心状に配置させ、下面を路面Gに当接させて路面G上に設置させている。このとき、台座2の各突出片21は、この台座2を路面G面に固定させる固定手段となされている。具体的には、それぞれアンカーナット3の外周面の外側に位置するように形成させた各突出片21を埋設孔H内に挿入させて、固定材Fに埋没させて固定させている。
間隔をあけて複数個設けた各突出片21をそれぞれ固定材Fへ埋没させて固定させることで、路面G上における台座2の回転を効果的に防止させている。
道路用標示体1は、路面Gに設置された台座2の上方に設置される。
具体的には、ベース部13から下方へ突出する凸部14及び雄ねじ部16を台座2の挿通孔21へ挿通させて、アンカーナット3の凹部34へ前記凸部14を収納させ、雌ねじ部36へ前記雄ねじ部16を螺結させて、道路用標示体1を台座2の上に設置させる。
図5は図4の台座2の上に道路用標示体1を設置させた状況を示す図である。
道路用標示体1の凸部14の係合孔15は、雄ねじ部16をアンカーナット3の雌ねじ部36へ螺結させたときに、台座2のねじ孔25と同じ高さに位置するように形成させている。
即ち、図5に示すように、台座2の上に道路用標示体1を設置させたときに、前記係合孔15を前記ねじ孔25に対応する位置へ配置可能に設けている。
前記係合孔15を前記ねじ孔25に対応する位置へ配置させた後、前記ねじ孔25にねじNを螺挿させる。
ねじNは、ねじ孔25の長さよりも若干長く形成されており、ねじ孔25へ最後まで螺挿させたときに、前記ねじNの先端が台座2の挿通孔24の内周側面から突出して、道路用標示体1の係合孔15の内側へ収納されるようになされている。
係合孔15の内側へ収納されたねじNの先端部分は、係合孔15と係合する回転止め22となり、この回転止め22が前記係合孔15と係合した状態では、台座2上における道路用標示体1の回転が防止される。
また、道路用標示体1の柱部11やベース部13の外周側面において、前記係合孔15に対応する位置に目印を形成すれば、台座2の挿通孔24内に隠れる係合孔15の位置が明確となるので、前記係合孔15を前記ねじ孔25に対応する位置へ配置させるための位置あわせが容易となるので好ましい。
図6は図5の道路用標示体1の回転を回転止め22により規制させた状況を示す、図1のA−A断面図である。
路面G上に設置させた台座2は、固定材Fに埋没させた各突出片21によって、路面Gに対する回転が防止されている。
また、台座2上に設置させた道路用標示体1は、係合孔15に係合する回転止め22によって、台座2上における回転が防止されているので、前記道路用標示体1は台座2によって路面Gに対する回転が防止された状態となされる。即ち、係合孔15に回転止め22を係合させた状態では、雄ねじ部16が、埋設固定されたアンカーナット3の雌ねじ部36から螺脱することがなく、いたずらなどによって設置された道路用標示体1が取り外されるような問題が防止できる。
また、設置させた道路用標示体1が汚損や破損するなどして交換する場合には、ねじ孔25のねじNを緩めて、回転止め22と係合孔15との係合を解除させることで、道路用標示体1を回転可能な状態に戻すことができ、道路用標示体1をアンカーナット3から容易に取り外すことができるようになされる。
本実施形態の道路用標示体1は、回転止め22を収納可能な係合孔15を形成させているが、これに限るものではない。例えば、係合孔15を予め設けずに、ねじ孔25に螺挿させたねじNの先端を凸部14へ食い込ませて、ねじNの先端の回転止め22を道路用標示体1へ係合させるように設けても良い。
尚、本発明に係る道路用標示体の設置構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 道路用標示体
11 柱部
12 キャップ部
13 ベース部
14 凸部
15 係合孔
16 雄ねじ部
2 台座
21 突出片
22 回転止め
24 挿通孔
25 ねじ孔
3 アンカーナット
31 段部
32 傾斜部
33 突条部
34 凹部
36 雌ねじ部
F 固定材
G 路面
H 埋設孔
L 反射体
N ねじ

Claims (3)

  1. 設置面に形成された埋設孔へ埋設されたアンカーナットへ、道路用標示体の下面から突出する雄ねじ部を螺結させて設置される道路用標示体の設置構造であって、
    前記道路用標示体と別体に形成された台座が設置面上に設置され、該台座上に道路用標示体が設置されており、
    前記台座には、該台座を設置面に固定する固定手段が設けられると共に、
    前記台座と道路用標示体との間には、前記アンカーナットに対する道路用標示体の回転を規制する解除可能な回転止めが設けられていることを特徴とする道路用標示体の設置構造。
  2. 前記回転止めは、前記道路用標示体の下部が挿入される環状の台座の外周側面から挿通されて、その先端が前記道路用標示体の下部の外周側面に係脱自在に係合されるねじ部材を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の道路用標示体の設置構造。
  3. 前記固定手段は、台座の下面より下方に突出された突出片が前記アンカーナットの外側に配置されて前記埋設孔に挿入され、前記アンカーナットを埋設孔へ固定させる固定材に埋没されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の道路用標示体の設置構造。
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