JP2014087260A - 緑豆スナック菓子の製造方法 - Google Patents

緑豆スナック菓子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】豆を原料に用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフで製造した膨化スナック菓子であって、豆本来の香ばしさと、豆原料が持っている独特の味が十分に引き出されている膨化スナック菓子を提供する。
【解決手段】水に浸漬した後の緑豆を蒸し加工した後、高温下で乾燥した熱処理済みの緑豆を原料として加熱加圧式押出機に投入し、ダイレクトパフで製造する緑豆スナック菓子の製造方法と、これによって製造した緑豆スナック菓子。
【選択図】なし

Description

この発明は、エクストルーダーを用いて製造される膨化スナック菓子の製造方法に関し、特に、緑豆を原料に用いて、強い豆の味が残っているスナック菓子の製造方法に関する。
穀類や澱粉を主原料とし、加熱加圧式押出機(エクストルーダー)を用いて製造する膨化スナック菓子及びその製造方法に関しては従来から多数の提案が行われている(例えば、特許文献1、2)。
加熱加圧式押出機を用いた膨化スナック菓子の製造は、粒状・グリッツ状・粉体状などの原料に所要の加水を行って加熱加圧式押出機に供給し、高温高圧状態にし、その吐出口に配備されているノズルから吐出、膨化させるダイレクトパフ方法によるものが一般的である。
このような膨化スナック菓子の一種として、近年、豆を原料に用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフで製造したものが提供されるようになっている。
特開2001−204388号公報 特開2010−268720号公報
上述したように、膨化スナック菓子の一種として、近年、豆を原料に用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフで製造したものが提供されるようになっている。これらは、所要の味付けを行うことによって消費者の味覚に合うように調味されているのが一般的であるが、豆に備わっている豆本来の香ばしさと、豆本来の味が十分ではなく、薄いものであることがある。
そこで、本発明は、豆を原料に用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフで製造した膨化スナック菓子であって、豆本来の香ばしさと、豆原料が持っている独特の味が十分に引き出されている膨化スナック菓子を提供することを目的にしている。
請求項1記載の発明は、
熱処理済みの緑豆を原料として加熱加圧式押出機に投入しダイレクトパフで製造する緑豆スナック菓子の製造方法
である。
請求項2記載の発明は、
熱処理済みの緑豆は、水に浸漬した後の緑豆を蒸し加工した後、高温下で乾燥したものであることを特徴とする請求項1記載の緑豆スナック菓子の製造方法
である。
請求項3記載の発明は、
前記水への浸漬は、原料となる緑豆を水に浸漬して緑豆の水分含有量を60%以上とするものであり、前記蒸し加工は、水から取り出した前記緑豆を15〜25分間蒸し加工するものであって、
前記高温下での乾燥は、前記蒸し加工後の緑豆を115℃〜135℃の高温下で60分〜90分間乾燥し、前記緑豆の水分含有量を10重量%以下とする
ものであることを特徴とする請求項2記載の緑豆スナック菓子の製造方法
である。
この発明によれば、緑豆を原料に用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフで製造した膨化スナック菓子であって、緑豆本来の香ばしさと、緑豆原料が持っている独特の味が十分に引き出されている膨化スナック菓子を提供することができる。
本願発明が提案する膨化スナック菓子の製造方法は、熱処理済みの緑豆を原料として加熱加圧式押出機に投入しダイレクトパフで製造する緑豆スナック菓子の製造方法である。
本願の発明者は、豆を原料に用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフで製造し、豆本来の香ばしさと、豆原料が持っている独特の味が十分に引き出されている膨化スナック菓子を提供することを目的にして種々の検討を進めたところ、原料に緑豆を用い、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフの前に、原料の緑豆に所定の加工処理を行うことにより、前記の目的を達成することが可能であることを見出して本発明を完成させたものである。
ここで、加熱加圧式押出機によるダイレクトパフの前に、原料の緑豆に加える加工処理は、熱処理であって、例えば、水に浸漬した後の緑豆を蒸し加工した後、高温下で乾燥するものである。
前記の蒸し加工の前には原料となる緑豆を水(水温28〜30℃)に15〜24時間浸漬する。ここでは、少なくとも緑豆の水分含有量が60重量%以上になることが望ましい。その後、緑豆を水から取り出し、15〜25分間蒸し加工する。
こうして蒸し加工した緑豆を115℃〜135℃の高温下で60分〜90分乾燥する。この乾燥により、グリッツ粉砕前の緑豆の水分含有量は10重量%以下とすることが望ましい。
次に、前記のように熱処理を行った緑豆を加熱加圧式押出機に投入し、ダイレクトパフで本発明の緑豆スナック菓子を製造する。
加熱加圧式押出機によるダイレクトパフでの緑豆スナック菓子の製造は、投入する原料として、前述した熱処理を行った緑豆を用いる以外は、従来公知の方法で行うことができる。
なお、加工性を考慮して、加熱加圧式押出機に投入する前記の熱処理済みの緑豆には、必要に応じて、加水(熱処理済みの緑豆に対する水分添加量6重量%〜9重量%)してから、加熱加圧式押出機に投入するようにすることができる。
加熱加圧式押出機のヘッドダイはあらかじめ135〜145℃に加熱されている状態で、前記の熱処理済みの緑豆に水を添加・混合したものを供給する。
加熱加圧式押出機をダイレクトパフ方法で膨化スナック菓子を製造する従来の方法の場合と同様に高温高圧状態にし、加熱加圧式押出機の吐出口に配備されているノズルから吐出、膨化させて、本発明の緑豆スナック菓子を製造する。
なお、必要に応じて、加熱加圧式押出機のノズルから吐出され、膨化している状態のものを加熱乾燥(160℃〜170℃で8〜10分間)し、豆本来の味を活かす為シンプルに味付け処理を行った後、本発明の緑豆スナック菓子として包装し、市場に提供する製品にする。
本発明の緑豆スナック菓子の製造方法において、原料となる緑豆に対して加える熱処理の前述した条件(緑豆を水温28〜30℃の水に15〜24時間浸漬し、緑豆の水分含有量を60%以上とし、その後、水から取り出した緑豆を15〜25分間蒸し加工し、これを115℃〜135℃の高温下で60分〜90分間乾燥し、グリッツ粉砕前の緑豆の水分含有量を10重量%以下とする)は、その後の加熱加圧式押出機でのダイレクトパフにより本発明の緑豆スナック菓子を製造した際に、豆本来の香ばしさと、豆原料が持っている独特の味が十分に引き出されているものとなることを目的として本願発明者が行った検討を踏まえ、かかる条件の範囲にすることが前記の目的を達成する上で有効であることを確認して設定された条件である。
原料として使用する緑豆45kgを水道水120リットルに投入し、20時間浸漬した。浸漬開始時の水温は28.5℃で、浸漬期間中の水温は28℃〜30℃で推移した。
浸漬完了後、緑豆を水から取り出し、水分含有量を測定したところ水分含有量は60重量%であった。
次いで、浸漬完了後の緑豆を蒸し機に投入して20分間蒸し加工した。
蒸し加工後の緑豆を乾燥して、水分含有量が10重量%以下になるまで乾燥処理を加えた。この乾燥処理は、115℃〜135℃下に蒸し加工後の緑豆を80分間おいて行った。
以上のように熱処理した緑豆に対して水分添加量8重量%の割合で加水したものを、加熱加圧式押出機(株式会社 幸和工業製、機械:KEI 45−25型フーズ・エクストルーダ)に、50〜60kg/hrの割合で供給し、ダイレクトパフにより本発明の緑豆スナック菓子を製造した。
加熱加圧式押出機の運転条件は主モータスクリュ:250rpm、フィーダモータフィード:35〜40rpm、供給開始時のヘッドダイの温度:135〜145℃であった。
この実施例では、加熱加圧式押出機の吐出口に配備されているノズルから吐出され、膨化されたものを加熱し(160〜170℃、8〜10分間)、水分調整した後、オイルスプレー、シンプルに天然塩のみで塩味をつけて、本発明の緑豆スナック菓子とした。
比較対象品として前述した熱処理を行っていない生のままの緑豆を粉砕したグリッツを、加熱加圧式押出機(同)に供給して、前記実施例と同様、ダイレクトパフにより比較対象とする緑豆スナック菓子を製造した。
以上のように製造した本発明の緑豆スナック菓子と、比較対象とする緑豆スナック菓子について、緑豆本来の香ばしさ、緑豆原料が持っている独特の味に関して、以下のように食味試験を行って評価した。
食味試験の方法
表1のように年齢性別共に万遍なく分散しているパネリスト24人により食味試験を行った。
Figure 2014087260
食味試験には、上述した製造工程で、シーズンニングにより塩味をつける前の状態の本発明の緑豆スナック菓子(A)、シーズンニングにより塩味をつける前の状態の比較対象とする緑豆スナック菓子(B)、シーズンニングにより塩味をつけた本発明の緑豆スナック菓子(A+)、シーズンニングにより塩味をつけた比較対象とする緑豆スナック菓子(B+)を供した。
各パネリストがブラインドで食味試験に供された前述の(A)、(B)、(A+)、(B+)について以下の各項目の食味評価を行った。各項目の評価基準を点数[3、2、1、0、−1、−2、−3]に置き換え、平均評価を算出した。
豆らしい風味について
シーズンニングにより塩味をつける前の状態の(A)、(B)について「豆らしい風味が出ているか、その風味が好きか嫌いか」についての評価は表2の通りになった。
Figure 2014087260
シーズンニングにより塩味をつけた(A+)、(B+)について、「豆らしい風味も含めて、味付け後の美味しさ」についての評価は表3の通りになった。
Figure 2014087260
表2、表3の評価結果をまとめると表4の通りとなる。
Figure 2014087260
以上の結果をまとめたものが表5である。
Figure 2014087260
味付けなしの豆の風味ではシーズンニングにより塩味をつける前の状態の本発明の緑豆スナック菓子(A)と比較対象とする緑豆スナック菓子(B)との間に有意な差は認められなかったが、風味の好き、嫌いに関しては、(A)と(B)との間に有意な差が生じ、本発明の緑豆スナック菓子(A)の風味を好ましいとする評価結果が示された。
また、シーズンニングにより塩味をつけた本発明の緑豆スナック菓子(A+)と、シーズンニングにより塩味をつけた比較対象とする緑豆スナック菓子(B+)についての、「豆らしい味も含めて、味付け後の美味しさ」の評価では、明確に、本発明の緑豆スナック菓子(A+)の方が「美味しい」という評価を受け、両者の間に有意な差が生じていた。
この結果、本発明の緑豆スナック菓子の製造方法によれば、豆本来の香ばしさと、豆原料が持っている独特の味が十分に引き出されている膨化スナック菓子を提供できることを確認できた。
以上、この発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが、本発明はこれらの実施形態、実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
請求項1記載の発明は、
熱処理済みの緑豆を原料として加熱加圧式押出機に投入しダイレクトパフで緑豆スナック菓子製造する方法であって、
原料となる緑豆を、水温28〜30℃の水に15〜24時間浸漬して前記緑豆の水分含有量を60%以上とした後、当該水に浸漬した後の緑豆を水から取り出して15〜25分間蒸し加工し、次に、蒸し加工後の緑豆を、115℃〜135℃で、60分〜90分間乾燥し、前記緑豆の水分含有量を10重量%以下にする工程からなる熱処理を前記原料となる緑豆に加え、
当該熱処理済みの緑豆を原料として前記加熱加圧式押出機に投入することを特徴とする緑豆スナック菓子の製造方法
である。

Claims (3)

  1. 熱処理済みの緑豆を原料として加熱加圧式押出機に投入しダイレクトパフで製造する緑豆スナック菓子の製造方法。
  2. 熱処理済みの緑豆は、水に浸漬した後の緑豆を蒸し加工した後、高温下で乾燥したものであることを特徴とする請求項1記載の緑豆スナック菓子の製造方法。
  3. 前記水への浸漬は、原料となる緑豆を水温28〜30℃の水に15〜24時間浸漬して緑豆の水分含有量を60%以上とするものであり、
    前記蒸し加工は、水から取り出した前記緑豆を15〜25分間蒸し加工するものであって、
    前記高温下での乾燥は、前記蒸し加工後の緑豆を115℃〜135℃の高温下で60分〜90分間乾燥し、前記緑豆の水分含有量を10重量%以下とする
    ものであることを特徴とする請求項2記載の緑豆スナック菓子の製造方法。
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