JP2005027586A - せんべい風膨化菓子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エクストルーダーを用いて膨化菓子を製造する方法により、従来スナック菓子にはないせんべい風の食感と風味を併せ持つ膨化物を得る。
【解決手段】エクストルーダーを用いて製造された膨化物を60〜150℃、5〜40分の乾燥工程、その後冷却を行い、あるいは行わずに150〜250℃で1〜15分焼成工程を行うことで、せんべい風の風味、食感を持つ膨化物を得る製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】エクストルーダーを用いて製造された膨化物を60〜150℃、5〜40分の乾燥工程、その後冷却を行い、あるいは行わずに150〜250℃で1〜15分焼成工程を行うことで、せんべい風の風味、食感を持つ膨化物を得る製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、エクストルーダーを用いて製造されるせんべい風膨化菓子の製造方法に関する。
従来、せんべい等の米菓は米粉を主原料とし、これに加水を行い、水分を35%程度に吸収させた後蒸かして練機にかけ、出来あがった生地を再度加熱蒸気により蒸練して生地を形成させ、ロール等圧延機機により一定の厚さに圧延・型抜きをし、生地を乾燥機で乾燥させ、水分が10重量%前後になるよう調整したのち、乾燥した生地を焼成機にて生地を膨化と同時に焼き上げるという工程を経て製造される。また、あられ、おかきにおいては、蒸練した後3〜4日間冷蔵庫にて冷却硬化させ、機械で切断するという工程が必要となり、より時間を費やす製造方法により製造されるという問題点があった。
また従来、スナック菓子といわれる分野においては、エクストルーダーを用いて膨化菓子を作る方法が一般的に用いられている。エクストルーダーの形状は筒状のバレル部とその中心に設けられた1軸もしくは2軸からなるスクリューを有し、その一端には原料を供給するフィーダーが配置され、他端には処理した原料を吐出させるノズルを有するダイ部が配置されている。
エクストルーダーによる膨化菓子の製造方法は、一般的にはフィーダーより原料を投入し、その後加水調節をしながら1軸または2軸スクリューにより原料を搬送させ、バレル部内において加圧、加熱混練処理を行い、ノズルから大気中に急激に押し出す事により減圧膨化させ、その後乾燥処理を経て、水分値を数%程度にまで調整することで製造される。エクストルーダーにより製造される膨化菓子は主にパフスナック(以下スナックと呼ぶ)と呼ばれるものであり、比容積が非常に大きく、その為非常にソフトな食感をもつ製品となる。
また、エクストルーダーを用いる利点としては混合、剪断、粉砕、混練、加圧、成形、押出、膨化等の加工工程を連続して行える為、複数の加工段階を必要とせず、連続的に大量な膨化物を生産する事が出来るためにコスト的に有意な事である。その為、市場において多様なエクストルーダー製品が並んでいる。
しかし、エクストルーダーを用いて製造された従来の膨化菓子は、せんべい、あられの製造方法における焼き上げ工程の様に膨化、焼成工程を同時に行うものではなく、膨化させた後に乾燥工程を経て製品を作るという膨化工程、乾燥工程が別工程をとる工程特徴のために、せんべいやあられの様な特有の香ばしさや風味を十分には得られることが出来なかった。また、せんべい、あられと異なり食感がソフトなものを求める傾向があり、食感は非常にソフトなもので、せんべいやあられの様な風味、歯ざわりをもった特徴のあるエクストルーダースナック菓子は皆無であった。
そこで、本発明においてはエクストルーダーを用いて膨化菓子を製造する方法により、従来のエクストルーダーを用いて製造されたスナック菓子にはない、せんべい、あられ風の食感と風味を併せ持つ製造方法の提供し、従来のせんべい、あられの製造方法に比べ、簡易的な方法によりせんべい、あられ、特に従来米菓のなかでウキ物と呼ばれる種類の米菓に良く似たスナック製品を得ることを目的とする。
また、本発明において、せんべいとは、上記に記載した従来方法で製造される、主に米を主原料とした米菓のことを言い、このうちウキ物と呼ばれるものは比容積が大きく、すだちも均一で食感が米菓のうち比較的ソフトなものの事を言い、3.5〜4.6ml/g程度の物をいう。
また、本発明において、せんべいとは、上記に記載した従来方法で製造される、主に米を主原料とした米菓のことを言い、このうちウキ物と呼ばれるものは比容積が大きく、すだちも均一で食感が米菓のうち比較的ソフトなものの事を言い、3.5〜4.6ml/g程度の物をいう。
本発明に使用できるエクストルーダーを用いたスナック菓子の主な原料として穀類、芋類、豆類から選ばれた1種または2種以上を任意に使用することが出来る。
主な原料の具体例としては穀物として小麦、うるち米、もち米、コーン、そば、ひえ、ハトムギ、ライ麦等からなる全粒粉または粉砕物、これらを加工した澱粉質原料および、これから作られた加工食品の粉砕物、芋類としては馬鈴薯、さつまいも等全粒粉、これらを加工した澱粉質原料および、これらから作られた加工食品の粉砕物を、その他豆類としては、えんどう豆、そら豆、小豆、インゲン、ささげ等からなる全粒粉または粉砕物、これらを加工した澱粉質原料および蛋白質原料、大豆などの油脂含量の多い原料に関しては脱脂処理を行ったもの、またはこれら原料から作られた加工食品の粉砕物など、を上げる事ができる。
主な原料としてうるち米、もち米、またはこれらの混合物を用いることにより、よりいっそうせんべい風の風味、食感を得ることができる。
これら主な原料に対し、副原料として、砂糖等甘味料、塩、油脂、調味料、香辛料、乳化剤、増粘剤、膨脹剤、香料等を任意に用いる事が出来る。
本発明に使用されるエクストルーダーの種類は特に制限されず、1軸、2軸型エクストルーダーどちらにも利用できるが、1軸型は搬送性が悪い事、油脂量、粘度が高い原料が増加すると原料とスクリューに滑りが発生する為、使用原料に制限がある事、自己発熱量が大きく温度条件を制御する事が難しい事等汎用性を考えると2軸エクストルーダーを用いる事が好ましい。
投入する混合原料の水分は加水をし、もしくは加水をしないで15〜30重量%に調整するのが好ましい。15重量%以下の場合には、得られる膨化物はソフトになり、せんべい風の食感を得ることは難しい。更に水分量を下げていくと原料が十分にα化できず、原料詰りや焦げ付きを発生する懼れがある。また、水分量が30重量%以上なると、膨化が悪く食感の固い傾向になり、さらに水分量をあげていくと原料生地の粘度が低下し、その結果、原料摩擦が低下するためノズル形状と相似性を保つことが出来ず、膨化できないものになってしまう懼れがある。
エクストルーダー温度条件は、原料が十分にα化する程度の温度であればよい。バレル部の長さにも影響するが、例示としてはバレル温度を60〜120℃、好ましくは80〜100℃、ダイ出口温度は、80〜200℃、好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜160℃で行うことを例示できる。温度が低い場合は十分にα化することが出来ず、膨化不足になる傾向があり、温度が高すぎる場合は粒子の破壊が起こり、こげ臭、歯付きが発生するなど悪影響が起こる懼れがある。
エクストルーダー圧力は10〜160kg/cm2、好ましくは20〜100kg/cm2、より好ましくは30〜80kg/cm2に調整することを例示する。圧力が10kg/cm2以下の場合、膨化不足になったり、製品が経時的に不安定になり安定した生産が困難になる。また圧力が160kg/cm2以上の場合には製品表面に肌荒れが生じたり、エクストルーダーに過度の負荷がかかり運転性が悪くなる懼れがある。
上記圧力の範囲となるスクリューの回転数、フィード量は使用するエクストルーダーの種類、各部のサイズ、ダイに形成された孔の面積や数等により異なるので、上記条件に合うよう、各条件を適宜対応することになる。
バレル部での原料滞留時間はバレル、ダイ出口温度、圧力により最適な時間は適宜異なるが、具体的にはバレル温度80℃、ダイ出口温度150℃、圧力40kg/cm2のとき、10〜90秒、好ましくは15〜50秒が例示できる。滞留時間が10秒以内の場合は原料のα化が十分に行われず良好な製品を得ることが出来ない。反対に滞留時間が90秒以上になると過度せん断により粒子の破壊が過度に起こり、歯付きが発生したり、製品表面に肌荒れを生じる懼れがある。
得られた膨化物は押出後、1次乾燥処理を施す。1次乾燥工程において膨化物の水分が1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の範囲になるように調節する。乾燥条件は60〜150℃、好ましくは80〜140℃、5〜40分の乾燥処理を行う。具体的には120℃、20分を例示することが出来る。
得られた膨化物はせんべい風の食感をややもっているが、いまだせんべい特有食感、特に香ばしさを得るまでにはいたっていないものである。また、1次乾燥工程において比較的高い水分量を含んでいる場合、例示として6重量%以上の場合においては湿気を感じる状態であり、製品としての価値はまだない状態のものである。
1次乾燥処理工程において水分を少なくしたもの、例示として水分量を1.5重量%として、製品としての価値を得た状態のものであっても、1次乾燥処理工程のみではせんべい独特の歯ざわりのある食感、香ばしさを持つ風味を得ることまでは出来ず、一般に市販されているスナック菓子のと同様な全体が均一な風味、食感を併せ持った状態のものとなってしまう。1次乾燥処理のみでは、たとえ乾燥温度を高く設定しても、膨化物内・外部全体が均一に乾燥が行われてしまい、結果せんべい、あられのように表面が香ばしくなるのではなく、せんべいとは明らかに異なる風味となってしまうと思われる。
1次乾燥処理を行った膨化物を次に2次乾燥処理を行う。この2次乾燥処理により、せんべい風の独特の食感と、香ばしさを得る事が出来る。乾燥条件としては150〜250℃、好ましくは160〜230℃、より好ましくは180〜220℃で1〜15分行い、膨化物の水分を0.5〜4%、好ましくは0.5〜2%に、より好ましくは0.5〜1.5%に調整する。2次乾燥時間として具体的には200℃、3分を例示することが出来る。また1次乾燥と2次乾燥処理の間に冷却時間を持たせた後に2次乾燥処理を行うことも可能である。
上記2次乾燥処理を行うことにより、2次乾燥前膨化物の食感がよりせんべい風の食感に近づき、従来のスナック菓子にはない独特の香ばしさを始めて得ることが出来る。
本発明によれば、これら上記条件で膨化物を作ることにより、従来のスナック菓子にはないせんべい風の食感と風味をもつ膨化物を得ることができ、従来のせんべいの製造方法とは異なり、エクストルーダーの特徴を生かした生産性に非常に優れたせんべいと非常に良く似た膨化物を得ることができる。
(比較例)以下、「部」は「重量部」を意味する。
小麦粉50、米粉50部からなる原料に食塩1部を混合させ、この原料を2軸エクストルーダーに供給し、同時に混合物の水分含量を20重量%になるように加水量を調整し、バレル温度80℃、ダイ出口温度140℃、フィード量200kg/hr、圧力30〜50kg/cm2で加圧加熱処理を行い、膨化物を得た。この膨化物を120℃、20分の条件で1次乾燥処理行い、水分値を約1.5%にした膨化物を得た。
(実施例)上記比較例と同条件により得られた膨化物をその後2次乾燥処理を200℃、3分の条件で行い、水分値を約1.0%にした膨化物を得た。
実施例、比較例の膨化物を比較した結果、比較例に比べ実施例の膨化物はせんべい風の独特の風味、食感を得たものであった。
Claims (7)
- エクストルーダーを用いて得られた膨化物を1次乾燥処理させ、その後冷却を行い或いは行わずに2次乾燥処理工程を経て得られる膨化菓子の製造方法。
- 米を主原料とし、エクストルーダーを用いて得られた膨化物を1次乾燥させ、その後冷却を行い或いは行わずに2次乾燥工程を経て得られるせんべい風膨化菓子の製造方法。
- 原料の混合物の水分を15〜30重量%に調整した請求項1又は2に記載の膨化菓子の製造方法。
- 乾燥温度60〜150℃の範囲で5〜40分の1次乾燥工程を経る請求項1〜3に記載した膨化菓子の製造方法。
- 1次乾燥工程後の膨化物の水分量が1〜10%に調整された請求項1〜4に記載の膨化菓子の製造方法。
- 乾燥温度150〜250℃の範囲で1〜15分の2次乾燥工程を行う請求項1〜5に記載の膨化菓子の製造方法。
- 2次乾燥工程後の膨化物の水分量が0.5〜4%に調整された請求項1〜6に記載の膨化菓子の製造方法。
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JP2003271860A JP2005027586A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | せんべい風膨化菓子の製造方法 |
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JP2007274914A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Norihiko Hayashi | 小径、かつ球体あられの製造方法 |
US8926308B2 (en) | 2010-04-21 | 2015-01-06 | Intercontinental Great Brands Llc | Dough extruders and methods |
JP2018505673A (ja) * | 2015-02-28 | 2018-03-01 | リナ ニク カンパニー | コーンミールからポップコーン製品を製造する工程 |
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- 2003-07-08 JP JP2003271860A patent/JP2005027586A/ja active Pending
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