JP2010187568A - 大豆粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生大豆の全成分を粉末にし、大豆の持つ栄養素の全てを食品として利用できるようにすること及び粉砕時に油脂成分が邪魔をしないようにすること。
【解決手段】黄大豆20kgを14℃の水道水を入れた桶に15時間浸漬した。桶からザル状容器に移し水を切った。そのとき大豆は体積でほぼ水道水に浸漬する前の2倍になっていた。次いで、熱風温度を60℃に設定した回転乾燥機で6時間で乾燥処理をした。その重量は約18kgになった。ほぼ10%減の重量である。その後、生大豆を、自由粉砕機に投入して粉砕した。篩網は目のサイズが0.1mmのそれを採用した。単位時間当たりの大豆投入量を3kg/hに調節して粉砕し、約6時間で粉砕を終えた。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生大豆を、いかなる部分も又はいかなる成分も除去することなく、その全粒(全成分)を粉末にする大豆粉末の製造方法に関する。
大豆粉末を製造する技術には非常に沢山の例がある。
その1は、生大豆を95−105℃の温度下に水蒸気で120−210秒間熱処理後、微粉末化して、「水溶性窒素指数が55−70であり、リポキシゲナーゼ(LOX)値が20以下であり、N−ヘキサナールを含まないかまたは生大豆中に含まれる量を100%としたときの相対値で10%以下の量で含み、且つ10重量%の濃度となるように水に溶解させた液の糖度屈折率(ブリックス値)が3.0−6.0である」加工大豆粉末素材を製造する製造方法がある(特許文献1)。
この加工大豆粉末素材の製造方法は、実質的に大豆の栄養素の全てを含み、青臭みを無くして官能的に優れた食感を有する豆乳製品等を製造するところに目的があり、それに適合する加工大豆粉を製造するものであり、その限りで優れた技術であると思われる。しかし、この大豆粉末の製造方法では、大豆中の油分について何の対策も講じていないため、一般の粉砕機で粉砕しようとすると、単位時間当たりの処理量を相当少なくしないと、粉砕した粒相互が大豆に含まれる油分によって相互に付着して凝集し、或いはフィルタに目詰まりが生じて粉砕を継続できなくなるおそれがある。
この製造方法の実施例によれば、以下の通りである。
生大豆を、初めに0.5−5分間90℃の温度で加熱し、脱皮しやすく、かつ割れやすくした上で、脱皮機で脱皮し、かつ半割に分割して脱皮大豆を得、この後、冷却した上で、密閉装置に入れ、装置内に生蒸気を送り続け、大豆を100℃で140秒間保持し、次いで、加熱状態の大豆をロール間を通過させ、全体に多数の亀裂のあるフレーク状処理大豆にした。この後、これを網状のパンに薄く広げて箱形熱風乾燥機で乾燥させ、エアーグラインダーを用いて60℃以下の低温で粉砕した。この粉砕は、粉砕粒子径は150μm以上が10%以下になるように行った。
この特許文献1の製造方法によれば、大豆を、脱皮し、かつ半割した上で処理し、フレーク状に潰した上で、粉砕するものであり、手順がかなり厄介であるが、その粉砕にエアーグラインダーを用いたとしても、単位時間当たりの粉砕量を多くすれば、粉砕粒相互が油分で凝集し、団子状になりやすいのは変わりがないと思われる。
その2は、収穫後、乾燥処理が施され、水分が10〜15%(重量)である水に浸漬されていない大豆を熱水蒸気中に5分〜15分保持して大豆中の蛋白質に熱変性を生じさせるとともにリポキシゲナーゼを失活させ、続いて、この熱水蒸気中に5分〜15分保持した大豆から該熱水蒸気による加熱中に吸水した分量に相当する水分を蒸発させ、続いて、この乾燥した大豆を気流粉砕することで大豆粉砕物を得る大豆粉砕物の製造方法である(特許文献2)。
これも、その目的は特許文献1と類似し、やはり、大豆中の油分について何の対策も講じていないので、一般の粉砕機では、粉砕粒が相互に付着し合い団子状となってしまうので、フィルタの目詰まりを招くおそれがあり、単位時間当たりの粉砕量をかなり制限する必要が生じる。本件では、気流粉砕を行うとされており、気流粉砕機は油脂分の多い原料でも付着や凝集が生じにくいとされるが、分級部の通過に際して、その部位に付着し、目詰まりを生じさせ易い問題があると思われる。
その3は、油脂分を除いた大豆を、0.7〜12ミクロンの微粉末に粉砕したものを原料とし、前記微粉末大豆を水に混入して加熱した豆乳状のものに凝固材を混入し、成型・冷却して作成する大豆加工食品である(特許文献3)。
この大豆加工食品では、大豆は油脂分を除いた上で粉砕されるものであり、それ故、その粉砕は容易であるが、大豆の有する重要な成分を除去してしまっており、大豆の全粒(全成分)を粉末にする生大豆粉末の製法とは云えないものとなっている。
その4は、脱皮大豆を低温粉砕して微細な大豆粉を得、これに分離大豆蛋白粉を混合して加水・加熱を行うことにより豆乳を得、この豆乳に凝固剤を添加して容器内で凝固させる豆腐の製造方法である(特許文献4)。
この方法では、大豆粉は、低温粉砕するとあり、低温粉砕の趣旨は、脂質の酸化、蛋白の変性等の少ない良質で水溶性の高い微細な大豆粉を得ることであるとされている。低温粉砕が微細な大豆粉を得ることに関係があるかは不明であるが、脂質の酸化及び蛋白の変性等を少なくする観点では確かにそうなるであろうと思われる。しかし、大豆に油分が含まれることによる粉砕時の凝集の問題に関しては何らかの対策もない。それ故、効率的な粉砕は困難であると思われる。
その5は、大豆を水に浸漬して、発芽する温度で発芽が始まるまで保管する保管工程と、前記大豆の発芽が始まった状態で、大豆に付着した水を残して、余分な水分を除去すると共に、低温の環境下で大豆を凍らせる凍結処理工程と、前記凍結処理した大豆を微粉末状に粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程を経て、微粉末化された大豆を容器に収容して、減圧しながら加熱する加熱処理工程と、を経て、前記容器内で加熱処理された大豆の粉を、微粉末として取り出す大豆粉の製造方法である(特許文献5)。
この方法によれば、大豆を凍結した上で粉砕するものであるため、大豆に含まれる油分の影響を受けることが少なく、それによる凝集の問題を回避することができると考えられる。しかし、大豆を−30〜−50℃程度の超低温かに置いて凍結する必要があり、そのような特別な冷凍装置を必要とすると云う問題がある。
その6は、穀物の粉の製造方法であり、その内の一つに、脱脂大豆を水に浸漬して吸水させた状態で、冷凍・粉砕・加熱の工程を経て、脱脂大豆の微粉末を作成する方法が記述されている(特許文献6)。
これは、前記特許文献5と全く同様であるが、原料が脱脂大豆であるから、油分による凝集の問題は最初からない。同時に粉砕される氷の粉砕物の尖った部分が大豆の粉砕物に衝突して一層能率的に粉砕が進むようにするとの趣旨のようである。脱脂大豆では、大豆の全成分を粉にする粉末の製造方法ではない。
特開2006−129877号公報 特許第3590951号公報 特開2003−250478号公報 特開平07−51016号公報 特開2007−312603号公報 特開2007−228929号公報
本発明は、生大豆をいかなる部分も又はいかなる成分も除去することなく、その全粒(全成分)を粉末にし、大豆の持つ栄養素を無駄なく食品として利用できるようにすること及び生大豆に多量に含まれる油脂成分が邪魔をする粉末製造時の粉末の凝集の問題を解決の課題とするものである。
本発明の1は、生大豆を清水に浸漬して、その体積が1.5倍以上になるまで膨張させ、次いで該清水から引き上げた生大豆をその重量が水に浸漬する前の重量の8%減以上の減少重量になるまで熱風乾燥させ、その後、該生大豆を、粉砕機に投入して粉砕することとした大豆粉末の製造方法である。
本発明の2は、本発明の1の大豆粉末の製造方法に於いて、前記生大豆を浸漬する清水の温度を12〜18℃に設定し、かつ該生大豆の清水への浸漬時間を13〜18時間に設定したものである。
本発明の3は、本発明の1又は2の大豆粉末の製造方法に於いて、前記熱風乾燥の温度を50〜75℃に設定し、かつ乾燥処理時間を8時間〜4時間に設定したものである。
本発明の4は、本発明の1、2又は3の大豆粉末の製造方法に於いて、前記生大豆の粉砕機への投入量を、投入当初に、該粉砕機への生大豆の投入量を増減させながら製造される粉砕粉を観察して、相互に付着し合わない限度の単位時間当たりの投入量を見出し、これに決定するものである。
本発明の5は、本発明の1、2、3又は4の大豆粉末の製造方法に於いて、前記粉砕機として、自由粉砕機を採用したものである。
本発明の6は、本発明の1の大豆粉末の製造方法に於いて、前記清水から引き上げた生大豆を熱風乾燥する前に、水蒸気加熱処理を施すこととしたである。
本発明の7は、本発明の6の大豆粉末の製造方法に於いて、前記水蒸気加熱処理を18〜27分行うこととしたものである。
本発明の1の大豆粉末の製造方法によれば、生大豆を十分に膨張させ、かつ十分乾燥させた上で、粉砕するものであるため、生大豆は、その中に含まれる油分の量を減少させることなく、その密度を低下させてあり、粉砕の際に粉砕粒子相互が付着し合う凝集や、粉砕機の各部、特に問題になるフィルタやその他の篩い分け手段への付着を減少させることが可能になり、比較的、高速度での生大豆の粉砕が可能になる。
当然、大豆の全粒を粉砕するものであるから、製造された大豆粉は、その全成分を含むものである。そしてこの大豆粉を用いれば、大豆の全栄養素を備えたオカラの出ない豆腐を容易に製造することが可能となる。また羊羹を作成することもできる。勿論、この他の、種々の食品の材料、或いは添加材として使用することもできる。
本発明の2の大豆粉末の製造方法によれば、生大豆を確実に膨張させることが可能になる。
本発明の3の大豆粉末の製造方法によれば、清水に浸漬して十分に水を吸って膨張した生大豆を良好に乾燥させることができる。
本発明の4の大豆粉末の製造方法によれば、大豆の粉砕の過程で、凝集や粉砕機各部への付着等を生じさせずに、単位時間当たりの最大の粉末製造量で製造することができる。前記したように、生大豆を膨張させ、含まれる油分の密度を低下させているため、粉砕の過程で、凝集や粉砕機各部への付着等が生じにくくはなっているが、粉砕機への単位時間当たりの投入量を必要以上に大きくするとその問題が生じることになる。本発明の4では、単位時間当たりの最大投入量を適切に見出して粉砕処理を行うため、上記のように、能率良く粉末製造を行うことができることになる。
本発明の5の大豆粉末の製造方法によれば、適切に調節して種々のサイズの大豆粉末を良好に製造することが可能である。
本発明の6、7の大豆粉末の製造方法によれば、得られた大豆粉末は、加熱されているので、豆腐の製造には適さないが、飲料用の豆乳の製造、羊羹の製造、またはその他の飲食品の材料として用いるのに好都合である。
豆腐製造用の型箱の正面図。 豆腐製造用の型箱の右側面図。 豆腐製造用の型箱の断面図。 豆腐製造用の型箱の箱本体の平面図。 苦汁を混合した豆乳を充填し蓋をした状態の、豆腐製造中の豆腐製造用の型箱の断面図。
本発明の大豆粉末の製造方法は、基本的に、生大豆を清水に浸漬して、その体積が1.5倍以上になるまで膨張させ、次いで該清水から引き上げた生大豆をその重量が水に浸漬する前の重量の8%減以上の減少重量になるまで熱風乾燥させ、その後、該生大豆を、粉砕機に投入して粉砕することとしたものである。
前記生大豆には、各種の大豆を採用することができるが、普通には黄大豆と称されるそれが適当である。
前記清水には、井戸水、或いは水道水を用いることができる。清水への生大豆の浸漬は、前記のように、生大豆が1.5倍以上に膨張するまで行う。より好ましくは2倍以上に膨張するまで行う。清水への浸漬時間は、清水の温度によって異なる。温度が低いほど長い浸漬時間が必要であり、高ければ比較的短い時間で十分膨張させることができる。清水の温度は、井戸水や水道水を用いる場合は、12〜18℃程度であることが多いが、その温度が約12℃の場合は、浸漬時間を18時間程度とするのが、生大豆を2倍程度に膨張させるために適当である。また清水の温度が18℃程度の場合は、浸漬時間を13時間程度としても生大豆を2倍程度に膨張させることが可能である。両者の間の温度の場合は、この間の時間で調節すべきである。
生大豆は、このように清水に浸漬して適切な時間の後に引き上げると、前記のように、1.5倍以上、好ましくは2倍以上に膨張するが、そのため、生大豆は皮が柔らかくなり、すぐ取れる状態になる。また黄大豆を用いている場合は、外面の色はほぼ白色に見える状態となり、大豆特有の香りを保持している。
前記熱風乾燥は種々の常圧乾燥機を用いて行うことが可能であるが、例えば、加熱式回転乾燥機等が適当である。二重円筒回転乾燥機なども採用可能である。
清水に浸漬して吸水した生大豆は、その重量が、前記したように、清水への浸漬前の重量の8%減以上の減少重量になるまで、より好ましくは、10%減以上の減少重量になるまで熱風乾燥させるべきものであるが、そのためには、このような乾燥機を用いて、前記熱風乾燥の温度を50〜75℃に設定し、かつ乾燥処理時間を8時間〜4時間に設定して、乾燥処理を行うのが適当である。なお、この熱風乾燥は、云うまでもなく、清水から引き上げた生大豆の水を切ってから行う。
低温で乾燥処理を行えば、必要な乾燥までに長時間が掛かり、高温にすれば、短時間で必要な乾燥が得られる。例えば、50℃の熱風を用いた場合には、8時間ほどの乾燥時間が掛かり、75℃の熱風を用いた場合はには4時間ほどの乾燥時間で乾燥処理を完了することができる。なお、75℃を越える熱風は生大豆を変質させるおそれがあるので用いるべきでない。なお又以上の乾燥完了は、生大豆の重量が、前記のように、清水への浸漬前の重量の8%減以上の減少重量になることであり、より好ましくは、10%減以上の減少重量になることである。以上の時間は、後者の重量になることを前提として述べている。
以上のように、75℃以下の熱風で乾燥処理した場合は、得られた乾燥大豆は、ほぼ白色を保ち、大豆特有の良い香りを保持している。
前記粉砕機は、特定のそれに限定されないが、ボールミル、振動ミル、ターボミル又は自由粉砕機等が有用に用いられる。
前記のように、膨張処理した生大豆は、以上のような粉砕機で良好に粉砕することができる。
特に粉砕機への単位時間当たりの投入量を適切に調節することで、連続的に良好な大豆粉の製造を継続することができる。前記のように、生大豆を膨張させ、これによって油分の密度を低下させたものであるが、単位時間当たりの投入量を無用に大きくすると、粉砕粉相互が付着し合う凝集や、粉砕機の各部への付着が生じ、それ故、連続的な粉砕処理ができなくなるおそれが生じる。従って、該生大豆の粉砕機への投入量は、その投入当初に、投入量を増減させながら製造される粉砕粉を観察して、相互に付着し合わない限度の単位時間当たりの投入量を見出し、これに決定することとするものである。このようにすることにより、確実に連続的な生大豆の粉砕を行うことができることになる。
従って本発明の大豆粉末の製造方法によれば、生大豆を十分に膨張させ、かつ十分乾燥させた上で、粉砕するものであるため、生大豆は、その中に含まれる油分の量を減少させることなく、その密度を低下させてあり、粉砕の際に粉砕粒子相互が付着し合う凝集や、粉砕機の各部、特に問題になるフィルタやその他の篩い分け手段への付着を減少させることが可能になり、比較的、高速度での、かつ連続的な生大豆の粉砕が可能になる。
本発明の大豆粉末の製造方法によれば、大豆の粉砕の過程で、凝集や粉砕機各部への付着等を生じさせずに、単位時間当たりの最大の粉末製造量で製造することができる。前記したように、生大豆を膨張させ、含まれる油分の密度を低下させているため、粉砕の過程で、凝集や粉砕機各部への付着等が生じにくくはなっているが、粉砕機への単位時間当たりの投入量を必要以上に大きくするとその問題が生じることになる。本発明では、単位時間当たりの最大投入量を適切に見出して粉砕処理を行うため、上記のように、能率良く粉末製造を行うことができることになる。
こうして本発明では、大豆の全粒を用いた、ふわっとした微細な大豆粉末を製造することができることになる。この大豆粉末はこれを豆乳にし、その豆乳を利用して大豆の全粒を含む栄養豊富な豆腐を製造することが可能である。この場合は、オカラの出ない豆腐となり、廃棄物を発生させない、材料を有効利用した豆腐になる。ざらつき等の悪い食感もない。その他の、種々の食品の材料、或いは種々の食品の添加材として使用することもできる。羊羹の材料とすることもできる。ラーメン等の麺類に添加することもできるし、パン類や菓子類に添加することもできる。
以上の内、この大豆粉を用いて豆腐を製造する場合について説明すると、まず大豆粉に水を加えて攪拌し、得られた大豆液を加熱して沸騰させる。沸騰したらすぐに火を止め、得られた豆乳に苦汁を注いで攪拌する。この攪拌は苦汁を注ぐときから行う。苦汁を混合した豆乳を、その後、水分を逃がすことができる容器に注入する。その容器の底面上には予め布を載せておく。また注入した豆乳の上面にも布を載せ、更にその上に上蓋を載せ、該上蓋の上に重しを載せる。1時間から1時間30分程度で豆乳は凝固し、豆腐になる。
この豆腐は、前記のように、大豆の成分の全てをその成分とするものであり、一般の豆腐より栄養成分を多種多量に含むものとなっている。市販の一般の豆腐より若干香りの強いしっかりした歯ごたえの豆腐となる。市販の豆腐より滑らかと云うほどではないが、粉体から製造する豆腐の欠点として云われる粉っぽさや、ざらざらする食感はない。
豆乳を製造する場合は、前記豆腐の製造過程で説明したのと同様に、大豆粉に水を加えて大豆液を作成し、これを沸騰するまで加熱すれば良い。
この豆乳も、当然、前記豆腐と同様に大豆の全成分を含むものであり、栄養価の非常に高いものとなっている。市販の豆乳より若干甘みがあり、大変飲みやすい飲み物になっている。
羊羹を製造する場合は、まず大豆粉を鍋等の調理用容器に入れ、この中に適量の水を攪拌しながら注ぎ、更にその大豆液の中に適量の粉寒天及び砂糖を添加して十分に攪拌する。その後、攪拌しながら加熱する。この加熱・攪拌により大豆液は次第にとろみが出てくる。大豆液が若干固めの流動体になったところで火を止め、これを直方体状の容器に移し、蓋をしないで放熱する。該直方体状の容器に移してから30分前後で一般の羊羹と同様の硬さの大豆羊羹になる。
こうして得られる羊羹は、歯ごたえについては一般の羊羹と同様であるが、大豆の味がそのまま残った独特の風味の羊羹となる。
ところで、本発明の大豆粉末の製造方法に於いて、前記清水から引き上げた生大豆を熱風乾燥する前に、水蒸気加熱処理を施すこととすることも可能である。この場合は、例えば、前記水蒸気加熱処理を18〜27分行うこととするのが適当である。
本発明の大豆粉末の製造方法に於いて以上の水蒸気加熱処理工程を挟んだ場合は、得られる大豆粉末は、大豆が予め加熱処理されているので、豆腐の製造には適さないが、飲料用の豆乳の製造、またはその他の飲食品の材料として用いるのに好都合である。例えば、前記羊羹の製造等には全く差し支えない。飲料用の豆乳とする場合は、そのまますぐに飲用することができる。豆乳の製法及び羊羹の製法は先に述べた水蒸気加熱の工程を含まない大豆粉の製造方法と同様である。
黄大豆20kgを水道水60Lを収容した桶に浸漬し、15時間浸漬状態を継続した。水道水の温度は浸漬当初14℃であった。15時間経過後は15℃であった。
桶からザル状容器に移し、30分間放置して水を切った。そのとき大豆は体積でほぼ水道水に浸漬する前の2倍になっていた。体積の増加は、ザル状容器への収容状態で確認した。即ち、浸漬前に該ザル状容器に収容してその上面レベルをチェックしたときより、上面レベルが二倍以上の高さに上昇していた。
次いで、回転乾燥機で乾燥処理を行った。熱風の温度は60℃に設定し、6時間かけて乾燥処理した。その重量は約18kgになっていた。ほぼ10%減の重量である。
その後、該生大豆を、自由粉砕機(宝田工業株式会社製の大型万能粉砕機)に投入して粉砕した。篩網は目のサイズが0.1mmのそれを採用した。単位時間当たりの大豆投入量を少量から開始して凝集の生じない適切な投入量として3kg/hを見出し、この単位時間当たりの投入量で投入して粉砕することができた。約6時間で粉砕を終えた。
得られた大豆粉は、薄いクリーム色でふわっとした感じのものになっていた。
<実施例1で得られた大豆粉を用いた豆腐の製造>
大豆粉100gを鍋に入れ、その中に水800ccを攪拌しながら注ぐ。その後、得られた大豆液をガス台で加熱して沸騰させる。約9分で沸騰した。沸騰したらすぐに火を止め、次いで、生成した豆乳tに苦汁40ccを注いで攪拌する。この攪拌は、苦汁を注ぐときから行う。苦汁を混合した豆乳tを、その後、直ちに、図1〜図5に示すような型箱1の型箱本体1aに注ぐ。この箱型1は、底部に水分を抜く穴2を開口した型箱本体1aと同様に水分を抜く穴3を開口し、かつ二つの係止板4、4を上部両側に備えた上蓋1bとからなり、型箱本体1aの平面内部寸法に対応する二枚の布5、5及び重し6を付設したものである。この型箱1には、該豆乳tを注ぐのに先立ってその型箱本体1aの底部に布5を敷いておく。また注入した豆乳tの上面には他の一枚の布5を載せ、更にその上に上蓋1bを載せ、500gほどの重し6を該上蓋1bの上に載せる。余分の水分は型箱本体1aの底部の穴2及び上蓋1bの穴3を通じて流出する。約1.5時間で豆乳tは凝固し、豆腐になった。豆腐の重量は約300gとなっていた。
この豆腐を試食してみると、市販の一般の豆腐より若干香りの強いしっかりした歯ごたえの豆腐となっていた。市販の豆腐と比べて滑らかと云うほどではないが、粉体から製造する豆腐の欠点として云われる粉っぽさや、ざらざらする食感はなかった。市販の豆腐より若干甘みを感じるものともなっていた。大豆の全成分を用いる利点であると思われる。
<実施例1で得られた大豆粉を用いた豆乳の製造>
前記豆腐の製造過程で説明したのと同様に、大豆粉100gを鍋に入れ、その中に水800ccを攪拌しながら注ぎ、得られた大豆液をガス台で約9分間加熱して沸騰させた。こうして大豆液は豆乳になった。
この豆乳は、試飲してみると、市販のそれより若干甘みのある飲み易いものとなっていた。
<実施例1で得られた大豆粉を用いた羊羹の製造>
大豆粉100gを鍋に入れ、この中に水400ccを攪拌しながら注ぐ。その大豆液の中に粉寒天4g及び砂糖60gを添加し、十分に攪拌する。その後、ガス台で標準の火力で攪拌しながら加熱した。大豆液は次第にとろみが出てくる。若干固めの流動体になったところで火を止め、これを直方体状の容器に移した。蓋をしないで放熱した。容器に移してから約30分で一般の羊羹と同様の硬さの大豆羊羹となった。この羊羹の重量は約400gであった。
この羊羹を試食してみると、歯ごたえは、一般の羊羹とほぼ同様であるが、大豆の味がそのまま残った独特の風味の羊羹となっていた。
<実施例1で得られた大豆粉を添加したラーメンの製造>
小麦粉(中力粉)と大豆粉とを95:5の割合で混合して450gの混合粉を作成し、別に、卵2個に水60ccと塩大さじ一杯とを加えて混合し、これをオリーブ油大さじ一杯と共に、前記小麦粉と大豆粉との混合粉に添加混合した。次いで、板の上で、ぼそぼその状態のこれらの混合物を掌に体重を掛けながら押さえ付け、これを繰り返して一つの塊にした。その一つの塊をポリ袋に包んで、今度は体重を掛けて潰し、薄板状になったところで、これを畳み込んで塊状にし、また体重を掛けて潰す作業を15分ほど繰り返し、その後、1時間ほど熟成させた。熟成後は、その熟成物を延ばし棒を使って薄く広げ、これを折り畳んだ上で、2mm幅程度に切断して麺を作った。
この麺は、適量を茹で、スープを入れた丼に入れて試食した。スープは鶏ガラと豚骨で出汁を取り、適量の醤油と塩少々を添加して醤油味に作成したものを利用した。
試食者は大人7人であるが、いずれも豆腐の香りがあることを認識した。いずれも美味しいラーメンであると判断した。
黄大豆20kgを水道水60Lを収容した桶に浸漬し、16時間浸漬状態を継続した。水道水の温度は浸漬当初14℃であった。16時間経過後も14℃であった。
桶からザル状容器に移し約30分間放置して水を切った。そのとき大豆は体積でほぼ水道水に浸漬する前の2倍になっていた。体積の増加は、浸漬前に該ザル状容器に収容してその上面レベルをチェックしたときより、上面レベルが二倍以上の高さに上昇していたことによって確認した。
次いで、以上の大豆を、蒸籠に入れ、20分間の水蒸気加熱処理を施した。その後、回転乾燥機で乾燥処理を行った。熱風の温度は60℃に設定し、6時間かけて乾燥処理した。その重量は約18kgになった。ほぼ10%減の重量である。更にその後、該大豆を、自由粉砕機(宝田工業株式会社製の大型万能粉砕機)に投入して粉砕した。篩網は目のサイズが0.1mmのそれを採用した。単位時間当たりの大豆投入量を少量から開始して凝集の生じない適切な投入量として3kg/hを見出し、この単位時間当たりの投入量で投入して粉砕することができた。約6時間で粉砕を終えた。
得られた大豆粉は、実施例1で得られた大豆粉と同様に、薄いクリーム色でふわっとした感じのものになっていた。
<実施例2で得られた大豆粉を用いた豆乳の製造>
大豆粉100gを鍋に入れ、その中に水800ccを攪拌しながら注いだ。得られた大豆液をガス台で加熱した。約9分間で沸騰した。沸騰したらすぐに火を止めた。大豆液は豆乳となった。
この豆乳は、試飲してみると、実施例1の大豆粉を利用した場合と同様に、市販のそれより若干甘みのある飲み易いものとなっていた。
<実施例2で得られた大豆粉を用いた羊羹の製造>
大豆粉100gを鍋に入れ、この中に水を400ccを攪拌しながら注ぐ。その大豆液の中に粉寒天4g及び砂糖60gを添加し、よく攪拌する。その後、ガス台で標準の火力で攪拌しながら加熱した。大豆液は次第にとろみが出てきた。若干固めの流動体になったところで火を止め、これを直方体状の容器に移した。蓋をしないで放熱した。容器に移してから約30分で一般の羊羹と同様の硬さの大豆羊羹となった。この羊羹の重量は約400gであった。
この羊羹を試食してみると、歯ごたえは、一般の羊羹と同様であるが、大豆の味がそのまま残った独特の風味の羊羹となっていた。実施例1で得られた大豆粉を用いた羊羹とほぼ同様のものとなっていた。
1 型箱
1a 型箱本体
1b 上蓋
2 型箱本体の底部の穴
3 上蓋の穴
4 係止板
5 布
6 重し
t 豆乳

Claims (7)

  1. 生大豆を清水に浸漬して、その体積が1.5倍以上になるまで膨張させ、次いで該清水から引き上げた生大豆をその重量が水に浸漬する前の重量の8%減以上の減少重量になるまで熱風乾燥させ、その後、該生大豆を、粉砕機に投入して粉砕することとした大豆粉末の製造方法。
  2. 前記生大豆を浸漬する清水の温度を12〜18℃に設定し、かつ該生大豆の清水への浸漬時間を13時間から18時間に設定した請求項1の大豆粉末の製造方法。
  3. 前記熱風乾燥の温度を50〜75℃に設定し、かつ乾燥処理時間を8時間〜4時間に設定した請求項1又は2の大豆粉末の製造方法。
  4. 前記生大豆の粉砕機への投入量を、投入当初に、該粉砕機への生大豆の投入量を増減させながら製造される粉砕粉を観察して、相互に付着し合わない限度の単位時間当たりの投入量を見出し、これに決定する請求項1、2又は3の大豆粉末の製造方法。
  5. 前記粉砕機として、自由粉砕機を採用した請求項1、2、3又は4の大豆粉末の製造方法。
  6. 前記清水から引き上げた生大豆を熱風乾燥する前に、水蒸気加熱処理を施すこととした請求項1の大豆粉末の製造方法。
  7. 前記水蒸気加熱処理を18〜27分行うこととした請求項6の大豆粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014069383A1 (ja) * 2012-10-29 2014-05-08 株式会社ちぼり 緑豆スナック菓子の製造方法
KR20200061730A (ko) * 2018-11-26 2020-06-03 전남대학교산학협력단 두류가루를 포함하는 글루텐 프리 머핀 제조용 조성물 및 그 제조방법

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