以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、カラオケシステムの一構成例を模式的に示す説明図である。本実施の形態1に係るカラオケシステムは、ユーザがカラオケを楽しむ楽曲に関するカラオケ楽曲の配信を行うと共に、演奏者が楽器を演奏している状態を撮影した動画コンテンツの配信を行う中央装置1と、各カラオケ店舗2それぞれに設置されており、通信網N1を介して中央装置1に接続されたカラオケ端末装置4とを備える。
通信網N1は、中央装置1と、カラオケ端末装置4との間で、カラオケ情報、動画コンテンツに係る情報を送受信するための専用通信回線であり、光ファイバ通信網、ADSL回線、公衆電話回線等にハードディスク内蔵型のルータ31を接続して構成されている。なお、通信回線の種類は、中央装置1と、カラオケ端末装置4との間で情報を送受信できれば、これらに限定されるものでは無く、非専用回線であっても良い。
ルータ31は、主に各カラオケ店舗2に設置されており、ルータ31に内蔵されたハードディスクは、中央装置1から配信されたカラオケ情報を記憶すると共に、動画コンテンツの素材となる映像データ及び音声データを一時記憶する。ルータ31は、各店舗及び中央装置1間でカラオケ情報、並びに映像データ及び音声データを中継し、カラオケ情報を共有する機能、バックアップする機能等を有している。
カラオケ端末装置4は、カラオケ店舗2の各個室21に通常1台設置され、有線LAN(Local Area Network)ケーブル32を介して、該カラオケ店舗2に設置されたルータ31に接続されている。また、各個室21には、カラオケ端末装置4を遠隔操作するための遠隔操作装置5が一又は複数台、備えられている。遠隔操作装置5は、カラオケシステムへのユーザログイン、カラオケ曲の選曲、動画コンテンツに係る操作に用いられる。
遠隔操作装置5は、ペンタッチセンサを有する液晶パネルを備えたボード型であり、赤外線通信にて、同一個室21内のカラオケ端末4が紐付けられる。なお、携帯電話機に専用のアプリケーションを実行させ、遠隔操作装置5として機能させても良い。また、カラオケ店舗2には、有線LANケーブル32に接続されたアクセスポイント33が設置されており、各個室21に備えられた遠隔操作装置5は、アクセスポイント33を介して、紐付けられた同一個室21内のカラオケ端末装置4との間で各種操作に係る情報を送受信している。有線LANケーブル32によりカラオケ端末装置4間を接続するよう構成してあるが、無線LAN、その他の有線又は無線通信にて相互接続するように構成しても良い。また、アクセスポイント33を設置することなく、カラオケ端末装置4と遠隔操作装置5との間で直接的に操作信号を送受信するように構成しても良い。
図2は、中央装置1の一構成例を示すブロック図である。中央装置1は、中央装置1の各構成部の動作を制御する制御部10、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、制御部10には、バスを介してROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、内部記憶装置13と、外部記憶装置14と、通信部15とが接続されている。
制御部10は、RAM12及び内部記憶装置13に記録されたコンピュータプログラムをRAM12に読み出して実行することにより、動画コンテンツデータに係る処理を実行する。
ROM11は、コンピュータの動作に必要な制御プログラムを記憶したマスクROM、EEPROM等の不揮発性メモリである。
RAM12は、制御部10の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶するDRAM、SRAM等の揮発性メモリである。
内部記憶装置13は、カラオケシステムの中央装置1としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを記憶するハードディスク、不揮発性半導体メモリ等である。内部記憶装置13は、カラオケ端末装置4に配信する楽曲(カラオケ曲)のデータ及び動画コンテンツのデータを多数記憶する。また、内部記憶装置13は、楽曲に関する情報を格納した楽曲DB13a、動画コンテンツデータに関する情報を格納した動画DB13bを記憶する。
外部記憶装置14は、光ディスクドライブであり、コンピュータ読み取り可能に記録したDVD(Digital Versatile Disc)−ROM,BD(登録商標:Blu-ray Disc),CD(Compact Disc)−ROM等の記録媒体から、コンピュータプログラム、その他の各種データを読み取り、コンピュータをカラオケシステムの中央装置1として機能させる。外部記憶装置14は、ハードディスク、フレキシブルディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等からデータを読み書きする装置で構成しても良い。
通信部15は、通信網N1を介して接続されたカラオケ端末装置4との間で、カラオケ情報、並びに、映像データ及び音データを含む動画コンテンツを送受信するインタフェースである。通信部15は、その他の各種サービスに係るデータも送受信できるようにしてあり、通信部15による各種情報の送受信は制御部10によって制御される。
中央装置1を、1台のコンピュータを用いて実現する例を説明したが、複数のコンピュータを用いて分散処理させても良いことは、言うまでも無い。
図3は、楽曲DB13aのレコードレイアウトの一例を概念的に示す説明図である。楽曲DB13bの表は、複数の列、例えば楽曲を識別するための楽曲IDを格納する「楽曲ID」列、当該楽曲の曲名を格納する「曲名」列、当該楽曲の歌手名を格納する「歌手名」列、当該楽曲の伴奏データを含む楽曲データを格納する「楽曲データ」列等から構成されている。楽曲データは、例えば、伴奏データ、歌詞データ、主旋律データを格納している。
伴奏データは、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データであり、音のオンオフを指定するデータ、音高を指定する音高データ、音量を指定する音量データ(ベロシティ)、楽器の制御データ、音を出力する楽器を指定する音色データ、時系列順に再生される各音の時間間隔を指定する時間データ(デルタタイム)等で構成されている。
主旋律データは、伴奏に合わせて歌唱すべき音の旋律、つまり、主旋律を構成する音のオンオフを示すデータ、音高データ、音量データ、時系列順に再生される主旋律の各音の時間間隔を示した時間データ等で構成されている。
楽曲データの構造は特に限定されず、伴奏データ、歌詞データ及び主旋律データを一の楽曲ファイルで構成しても良いし、別個のファイルで構成し、各ファイルを対応付けて管理するようにしても良い。
楽曲データには、カラオケ曲を特定の再生区分、例えば「前奏」、「メロディー部分A」、「メロディー部分B」、「サビ」、「間奏」、「ソロパート」…というように、区分した場合における区切り目を示す再生区分データ、各区分の再生時間データ、各区分の演奏に用いる楽器情報データが含まれている。各再生区分の識別情報をヘッダ情報として与えることにより、再生しているカラオケ曲においてどの再生区分が現在再生されているか、現在の時間が各再生区分の終了時間となっているか、各再生区分の演奏に用いる楽器がどの楽器であるか等を識別できる。ソロパートとは、ギター、ベース、ドラム等の複数の楽器による演奏から構成される楽曲のうち、一つの楽器による演奏が行われる時間帯を示す。実際のライブ演奏では、共演している各演奏者の紹介がよく行われる時間帯である。再生区分データと再生時間データとを参照し、ソロパートが再生されているか、再生されているソロパートの終了時間となっているか否か等を検出することができる。
図4は、動画DB13bのレコードレイアウトの一例を概念的に示す説明図である。動画DB13bの表は、複数の列、例えば「動画ID」列、「演奏者」列、「楽器」列、「楽曲ID」列等から構成されており、各列に対応した情報が格納されている。このような情報を用いて、演奏者が楽器を演奏している状態を撮影した各動画コンテンツを識別することができる。
「動画ID」列は、動画コンテンツを識別するための動画IDを格納する。「演奏者」列は、動画コンテンツを作成した演奏者のユーザID、演奏者の呼称情報などを格納する。「楽器」列は、動画コンテンツの作成に使用した楽器の名称の情報を格納する。「楽曲ID」列は、動画IDに対応付けられた動画コンテンツを作成する際に利用した楽曲を識別する楽曲IDを格納する。
図5は、カラオケ端末装置4の一構成例を示すブロック図である。カラオケ端末装置4は、該カラオケ端末装置4の各構成部の動作を制御する制御部40を備え、制御部40には、バスを介してROM41と、RAM42と、記憶装置43と、通信部44と、受信部45と、映像エンコーダ46aと、映像制御回路46bと、映像デコーダ46cと、音声エンコーダ47aと、音源部47bと、音声デコーダ47cとが接続されている。また、映像制御回路46b、及び映像デコーダ46cには、映像ミキサ46dが接続され、音源部47b、及び音声デコーダ47cには、音声ミキサ47dが接続されている。更に、カラオケ端末装置4は、図示しない映像入力端子、映像出力端子、音声入力端子、音声出力端子を備えており、各端子にはそれぞれ、撮像装置46e、映像表示装置46f、マイク47e、及びスピーカ47fが接続されている。なお、映像表示装置46fは、例えばCRT(Cathode-ray Tube)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
制御部40は、ROM41及び記憶装置43に記憶されたコンピュータプログラムをRAM42に読み出して実行することにより、動画コンテンツデータに係る処理を実行し、コンピュータをカラオケ端末装置4として機能させる。
ROM41は、コンピュータの動作に必要な制御プログラムを記憶したマスクROM、EEPROM等の不揮発性メモリである。
RAM42は、制御部40の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶するDRAM、SRAM等の揮発性メモリである。
記憶装置43は、ハードディスク、不揮発性半導体メモリ等であり、コンピュータをカラオケ端末装置4として機能させるためのコンピュータプログラムを記憶する。また記憶装置43は、カラオケ端末用楽曲DB43aを記憶する。記憶装置43は、中央装置1から配信された楽曲データ等を格納しており、カラオケ端末用楽曲DB43aの基本的な構成は楽曲DB13aと同様である。更に記憶装置43は、中央装置1から配信された動画コンテンツデータ等を格納しており、格納した動画コンテンツデータを識別するためのカラオケ端末用動画DB43bを記憶する。
図6は、カラオケ端末用動画DB43bのレコードレイアウトの一例を概念的に示す説明図である。カラオケ端末用動画DB43bでは、記憶装置43に格納した動画コンテンツデータを識別するための情報が、中央装置1の動画DB13bから抽出されて記憶してある。動画DB43bの表は、複数の列、例えば「動画ID」列、「演奏者」列、「楽器」列、「楽曲ID」列等から構成されており、各列に対応した情報が格納されている。このような情報を用いて、記憶装置43に格納した各動画コンテンツを識別することができる。
「動画ID」列は、動画コンテンツを識別するための動画IDを格納する。「演奏者」列は、動画コンテンツを作成した演奏者のユーザID、演奏者の呼称情報などを格納する。「楽器」列は、動画コンテンツの作成に使用した楽器の名称の情報を格納する。「楽曲ID」列は、動画IDに対応付けられた動画コンテンツを作成する際に利用した楽曲を識別する楽曲IDを格納する。
通信部44は、通信網N1を介して接続されたカラオケ端末装置4および中央装置1との間で、カラオケ情報、動画コンテンツに係る情報、その他、各種サービスに係るデータを送受信するインタフェースであり、通信部44による各種情報の送受信は制御部40によって制御される。カラオケ端末装置4は、通信部44を介して中央装置1にアクセスし、中央装置1に記憶してある動画コンテンツに係る情報を獲得することができる。
受信部45は、本カラオケ端末装置4と、遠隔操作装置5との紐付けを行うべく、遠隔操作装置5との間で赤外線通信を行う回路である。
映像エンコーダ46aは、撮像装置46eから出力され、映像入力端子を通じて入力された映像データを圧縮符号化する回路であり、圧縮符号化された映像データは、一時的にRAM42又は記憶装置43に書き込まれる。なお、圧縮符号化の形式は、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)であるが、特にこれに限定されない。
映像制御回路46bは、制御部40の制御命令に従って、RAM42又は記憶装置43から映像に係る情報を読み出して、各種映像を表現した映像データを生成し、映像ミキサ46dに与える等、映像に関する各種制御処理を実行する。例えば映像制御回路46bは、制御部40から与えられた楽曲データに含まれる歌詞データに基づいて、歌詞を表現した映像データを映像ミキサ46dに与える。
映像デコーダ46cは、制御部40の制御命令に従って、RAM42又は記憶装置43から映像データ、例えば、カラオケ歌唱時に表示される所定の背景映像データ、中央装置1から受信した動画コンテンツの映像データ、その他の画像コンテンツの映像データ等を読み出して復号し、復号された映像データを映像ミキサ46dに与える。背景映像データは、例えばMPEG形式のデータである。
映像ミキサ46dは、映像制御回路46bと、映像デコーダ46cと、撮像装置46eとから与えられた映像の全部又は一部を合成し、合成して得た映像データを映像表示装置46fへ出力する。映像表示装置46fは、映像ミキサ46dから出力された映像データに係る映像を表示する。
音声エンコーダ47aは、マイク47eから音声入力端子を通じて入力された音声データを取得し、取得した音声データを圧縮符号化する。なお、圧縮符号化の形式は、例えばMP3、AAC(Advanced Audio Coding)、AC3(Audio Code number 3)等であるが、特にこれに限定されない。
音源部47bは、制御部40の制御命令に従って、RAM42又は記憶装置43から読み出した楽曲データに含まれる伴奏データ、例えばMIDIデータに基づいて楽器音を再現した音声データを作成するMIDI音源部であり、作成した音声データを、音声ミキサ47dに与え、カラオケ楽曲の再生を行う。また、中央装置1から受信した動画コンテンツの音声データをRAM42又は記憶装置43から読み出し、音声ミキサ47dに与える。
音声デコーダ47cは、制御部40の制御命令に従って、RAM42又は記憶装置43から読み出した音声データを復号し、復号して得た音声データを音声ミキサ47dに与える。
音声ミキサ47dは、音源部47bと、音声デコーダ47cとから与えられた音声データに係る音声を合成し、合成して得た音声データを、音声出力端子を通じてスピーカ47fへ出力する。スピーカ47fは、音声ミキサ47dから出力された音声データに係る音声を出力する。
なお、カラオケ端末装置4を専用機として構成する例を上述したが、汎用のコンピュータ、家庭用テレビゲームのコンピュータを用いてカラオケ端末装置4を構成しても良い。
撮像装置46eは、カラオケ端末装置4を使用しているユーザの映像データを取得する。また、マイク47eは、カラオケ端末装置4を使用しているユーザの音データを取得する。ユーザが楽器を演奏している場合、取得した映像データ及び音データは動画コンテンツとして中央装置1に送信される。遠隔操作装置5は、動画コンテンツを識別するための動画ID、動画コンテンツを作成した演奏者のユーザID、楽器の名称、演奏者の呼称情報、及び動画コンテンツを作成する際に利用した楽曲を識別する楽曲ID等の動画コンテンツに係る情報を、ユーザの入力を介して受け付ける。受け付けた動画コンテンツに係る情報は、送信される動画コンテンツと共に中央装置1に送信され記憶される。中央装置1に記憶された動画コンテンツは、他のカラオケ端末装置4でも利用可能となる。
ユーザは、遠隔操作装置5を操作し、カラオケ楽曲の指定を行う。また、指定したカラオケ楽曲の伴奏を行う楽器についての動画コンテンツの指定を行う。制御部40は、カラオケ端末用楽曲DB43a及びカラオケ端末用動画DB43bを参照し、指定されたカラオケ楽曲及び指定された動画コンテンツを特定し、特定したカラオケ楽曲の音声および特定した動画コンテンツの音をスピーカ47fから出力する。また制御部40は、特定した動画コンテンツの映像および撮像装置46eで撮像している映像を合成して映像表示装置46fに表示する。
制御部40は、音声認識機能を有しており、マイク47eに入力された音声が表すフレーズ(文言)を認識する。例えば、「001」、「003」等のユーザID、「○○○」、「×××」等の演奏者の呼称、「ギター」、「ドラム」、「ベース」等の楽器の名称を認識する。制御部40は、カラオケ端末用動画DB43bを参照し、認識したフレーズと関連付けてある動画IDを特定する。制御部40は、映像表示装置46fに表示している映像のうち、特定した動画IDを有する動画コンテンツの映像に対する出力音量が、他の動画コンテンツの映像に対する出力音量と異なるように、音声ミキサ47dを制御する。具体的には、音声認識機能により「ギター」が入力されたと認識した場合には、「ギター」の動画コンテンツの出力音量を上げ、他の動画コンテンツの出力音量を下げる調整を行う。また、特定の演奏者のユーザIDまたは称呼が入力されたと認識した場合には、その特定の演奏者が演奏している楽器の動画コンテンツの出力音量を上げ、他の動画コンテンツの出力音量を下げる調整を行う。つまり制御部40は、マイク47eに入力された音声の認識結果およびカラオケ端末用動画DB43bに格納された動画コンテンツの関連情報に基づいて、伴奏する楽器の選択を行い、中央装置1から取得した各伴奏楽器の動画コンテンツに対する出力音量を調整するようにしてある。このような調整により特定の楽器の出力を強調することができ、カラオケの楽曲の各演奏者にスポットを当てた紹介が容易となり、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験が実現可能となる。
選択された楽器の動画コンテンツに対する出力音量を上げて、他の動画コンテンツに対する出力音量を下げる一例について上述したが、他の動画コンテンツに対する出力音量は下げない構成としてもよい。また、ユーザID、演奏者の呼称、楽器の名称等のうちの一つを示すフレーズが入力されたと認識した場合に、その認識したフレーズと関連付けてある動画IDを特定する一例について上述したが、演奏者の呼称を示すフレーズ及び楽器の名称を示すフレーズ等のように、複数のフレーズが入力されたと認識した場合に初めて、動画IDを特定する構成としてもよい。
制御部40は更に、映像表示装置46fに表示している映像のうち、特定した動画IDを有する動画コンテンツの映像に対する表示態様が、他の動画コンテンツの映像に対する表示態様と異なるように、映像ミキサ46dを制御する。例えば、特定した動画IDを有する動画コンテンツの映像の外枠を、他の動画コンテンツの映像の外枠よりも太くする。例えば、特定した動画IDを有する動画コンテンツの映像の輝度を上げ、他の動画コンテンツの映像の輝度を下げる。例えば、特定した動画IDを有する動画コンテンツの映像を拡大し、他の動画コンテンツの映像を縮小する。したがって、「ギター」が入力されたた場合には、映像ミキサ46dは、「ギター」の動画コンテンツの映像を他の動画コンテンツの映像よりも強調することができる。このような映像の強調により、スポットを当てられた演奏者が明確となり、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験が実現可能となる。
図7は、特定の動画コンテンツの映像を強調する構成の説明図である。図7では、3つの動画コンテンツの映像と1つの撮像装置46eで撮像したユーザの映像とが合成されて映像表示装置46fに表示されている一例について示してある。図の左上には、撮像装置46eで撮像したユーザの映像が示してあり、左下には、楽器「ギター」を伴奏している動画コンテンツの映像が示してあり、右上には、楽器「ベース」を伴奏している動画コンテンツの映像が示してあり、右下には、楽器「ドラム」を伴奏している動画コンテンツの映像が示してある。また、音声認識機能により「ギター」が入力されたと認識し、「ギター」に対する動画コンテンツの映像の外枠を他の動画コンテンツの映像の外枠よりも太くすることにより強調している一例について示してある。
記憶装置43は、上述した制御により生じた出力音量の調整および映像の強調を無効にする無効化フレーズが記憶してある。制御部40は、音声認識機能により、その無効化フレーズがマイク47eに入力されたか否かを判定する。無効化フレーズが入力されたと判定した場合、制御部40は上述した出力音量の調整および映像の強調を無効にする。例えば、無効化フレーズとして「サンキュー」が記憶装置43に記憶してあり、マイク47eに「サンキュー」が入力されたと判定した場合、制御部40は上述した制御による出力音量の調整および映像の強調を無効にする。したがって、特定の演奏者にスポットを当てた紹介を終了したい場合に、ユーザが手入力により紹介終了の操作を行う必要がないため、各演奏者にスポットを当てた紹介をスムーズに行えるようになる。
図8は、出力音量の調整に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。遠隔操作装置5を介したユーザの操作により、カラオケ楽曲の指定および指定したカラオケ楽曲の伴奏を行う複数の楽器についての複数の動画コンテンツの指定を既にしてある。また、指定されたカラオケ楽曲の音、指定された複数の動画コンテンツの音、及びマイク47eから入力されたユーザの音声がスピーカ47fから出力されるように制御を行ってある。
制御部40は、音声認識機能とカラオケ端末用動画DB43bに格納された動画コンテンツの関連情報とを用い、マイク47eから複数の動画コンテンツの伴奏楽器に対する選択が行われたか否か判定する(ステップS11)。
図6の例では、演奏者を示す文言「○○○」と楽器「ベース」を演奏している映像を含んだ動画ID「002」の動画コンテンツとがカラオケ端末用動画DB43bに関連付けてある。また、楽器を示す文言「ベース」と楽器「ベース」を演奏している映像を含んだ動画ID「002」の動画コンテンツとがカラオケ端末用動画DB43bに関連付けてある。つまり、文言と動画コンテンツの楽器とがカラオケ端末用動画DB43bに関連付けてある。ステップS11では、演奏者を示す文言「○○○」又は楽器を示す文言「ベース」がマイク47eから入力されたと判定した場合、制御部40は、動画ID「002」である動画コンテンツの選択、つまり、動画ID「002」である動画コンテンツの伴奏楽器「ベース」に対する選択が行われたと判定する。同様に、演奏者を示す文言「×××」又は楽器を示す文言「ピアノ」がマイク47eから入力されたと判定した場合、制御部40は、動画ID「004」である動画コンテンツの選択、つまり、動画ID「004」である動画コンテンツの伴奏楽器「ピアノ」に対する選択が行われたと判定する。カラオケ端末用動画DB43bを参照したが、マイク47eから入力された文言と関連する動画コンテンツを特定できない場合、制御部40は、動画コンテンツの選択、つまり、動画コンテンツの伴奏楽器に対する選択が行われなかったと判定する。
選択が行われたと判定しなかった場合(S11:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS11を繰り返す。選択が行われたと判定した場合(S11:YES)、制御部40は、カラオケ端末用動画DB43bに格納された動画コンテンツの関連情報を参照し、各動画コンテンツの出力音量を選択前から変更する。具体的には、選択された伴奏楽器の動画コンテンツに対する出力音量を選択前よりも大きくし、他の動画コンテンツに対する出力音量を選択前よりも小さくするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS12)。また制御部40は、制御後の出力音量でそれぞれの動画コンテンツの音を出力する(ステップS13)。
制御部40は、音声認識機能と記憶装置43に記憶した無効化フレーズとを用い、マイク47eから無効化フレーズ「サンキュー」が入力されたか否か判定する(ステップS14)。入力されたと判定しなかった場合(S14:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS14を繰り返す。入力されたと判定した場合(S14:YES)、制御部40は、各動画コンテンツに対する出力音量が選択前の出力音量となるように、つまり、選択後の出力音量調整処理を無効とするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS15)。また制御部40は、選択前の出力音量でそれぞれの動画コンテンツの音を出力し(ステップS16)、処理を終了する。
上述の構成により、演奏者の楽器の音量などを調整するPAエンジニアを要することなく、カラオケ端末装置4のユーザ自身で各楽器の音量を調整できるようになる。したがって、各演奏者にスポットを当てた紹介を容易にすることができ、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験を行えるようになる。
図9は、動画コンテンツの映像の強調に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。遠隔操作装置5を介したユーザの操作により、カラオケ楽曲の指定および指定したカラオケ楽曲の伴奏を行う複数の楽器についての複数の動画コンテンツの指定を既にしてある。また、指定された複数の動画コンテンツの映像および撮像装置46eで撮像している映像が、合成されて映像表示装置46fに表示されるように制御を行ってある。
制御部40は、音声認識機能とカラオケ端末用動画DB43bに格納された動画コンテンツの関連情報とを用い、マイク47eから複数の動画コンテンツの伴奏楽器に対する選択が行われたか否か判定する(ステップS21)。選択が行われたと判定しなかった場合(S21:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS21を繰り返す。選択が行われたと判定した場合(S21:YES)、制御部40は、カラオケ端末用動画DB43bに格納された動画コンテンツの関連情報を参照し、選択された伴奏楽器の動画コンテンツの映像を他の動画コンテンツの映像よりも強調するように、映像ミキサ46dを制御する(ステップS22)。また制御部40は、制御後の映像をそれぞれの動画コンテンツの映像として表示する(ステップS23)。
制御部40は、音声認識機能と記憶装置43に記憶した無効化フレーズとを用い、マイク47eから無効化フレーズ「サンキュー」が入力されたか否か判定する(ステップS24)。入力されたと判定しなかった場合(S24:NO)、制御部40は、一定時間経過後にステップS24を繰り返す。入力されたと判定した場合(S24:YES)、制御部40は、各動画コンテンツに対する映像が選択前と同様に強調のない映像となるように、つまり、選択後の強調処理を無効とするように、映像ミキサ46dを制御する(ステップS25)。また制御部40は、それぞれの動画コンテンツの映像を選択前と同様に表示し(ステップS26)、処理を終了する。
上述の構成により、スポットが当てられた演奏者が視覚的に明らかになる。したがって、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験を行えるようになる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、複数の動画コンテンツから伴奏楽器の音を選択する構成について説明している。実施の形態2では、カラオケ端末装置4に接続された複数の電子楽器から、伴奏楽器の音を選択する構成について説明する。中央装置1の構成は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
実施の形態2のカラオケ端末装置4は、実施の形態1における構成要素に加えて、複数の電子楽器を接続するサウンドエフェクター48を備える。図10は、複数の電子楽器を接続するサウンドエフェクターの外観の一例を示す模式図である。サウンドエフェクター48は、「ギター」、「ベース」等の電子楽器の出力端子を接続する複数の接続ソケット48a、48b、48c、48dを備える。複数の接続ソケット48a、48b、48c、48dそれぞれに、系統番号A、B、C、Dが付してある。
遠隔操作装置5は、複数の接続ソケット48a、48b、48c、48dと複数の電子楽器との関連を示す関連情報を、ユーザの入力を介して受け付ける。例えば、複数の接続ソケットの系統番号と、その系統番号の接続ソケットに接続した電子楽器の名称と、その電子楽器を演奏する演奏者の呼称とを受け付ける。遠隔操作装置5は、受け付けた関連情報を記憶装置43に与える。記憶装置43は、与えられた関連情報を記憶する。したがってユーザは、遠隔操作装置5を操作することにより、サウンドエフェクター48にあるいずれの接続ソケットにいずれの電子楽器が接続されるかを設定することができる。
図11は、遠隔操作装置5による設定方法を示す説明図である。図11では、遠隔操作装置5に表示された画面を参照し、A−D系統として系統番号の識別情報が付された複数の接続ソケット48a、48b、48c、48dと各接続ソケット48a、48b、48c、48dに接続する電子楽器の識別情報(電子楽器の楽器名、及びその電子楽器を演奏する演奏者名)との関係を設定する例について示してある。具体的には、A系統の接続ソケット48aに電子楽器「ギター」が接続してある関係を設定する例について示してある。制御部40は、このようにして設定した情報をサウンドエフェクター設定情報43cとして記憶装置43に記憶する。
図12は、サウンドエフェクター設定情報43cのレコードレイアウトの一例を概念的に示す説明図である。サウンドエフェクター設定情報43cの表は、複数の列、例えば「系統番号」列、「演奏者」列、「楽器」列等から構成されており、各列に対応した情報が格納されている。このような情報を用いて、サウンドエフェクターに接続された電子楽器を識別することができる。
「系統番号」列は、接続ソケット48a、48b、48c、48dを識別するための系統番号を格納する。「演奏者」列は、接続された電子楽器の演奏者を示すユーザID、演奏者の呼称情報などを格納する。「楽器」列は、接続された電子楽器の名称を格納する。
サウンドエフェクター48は、音声エンコーダ47aに接続してあり、電子楽器の音に関する音情報がサウンドエフェクター48を介して音声エンコーダ47aに与えられる。したがって、指定されたカラオケ楽曲の音声、サウンドエフェクター48に接続された電子楽器の音、及びマイク47eから入力されたユーザの音声がスピーカ47fから出力される。
制御部40は、音声認識機能を有しており、マイク47eに入力された音声が表すフレーズ(文言)を認識する。例えば、「○○○」、「×××」等の演奏者の呼称、「ギター」、「ドラム」、「ベース」等の楽器の名称を認識する。制御部40は、記憶装置43に記憶したサウンドエフェクター設定情報43cを参照し、認識したフレーズと関連付けてある接続ソケットの系統番号を特定する。制御部40は、サウンドエフェクター48に接続された電子楽器のうち、特定した系統番号を有する接続ソケットに接続してある電子楽器に対する出力音量が他の電子楽器に対する出力音量とは異なるように、音声ミキサ47dを制御する。具体的には、音声認識機能により「ギター」が入力されたと認識した場合には、サウンドエフェクター48に接続された電子楽器「ギター」の出力音量を上げ、サウンドエフェクター48に接続された他の電子楽器の出力音量を下げる調整を行う。また、特定の演奏者の称呼が入力されたと認識した場合には、その特定の演奏者が演奏している電子楽器の出力音量を上げ、他の電子楽器の出力音量を下げる調整を行う。つまり制御部40は、マイク47eに入力された音声の認識結果および記憶装置43に記憶したサウンドエフェクター設定情報43cに基づいて、伴奏する電子楽器の選択を行い、サウンドエフェクター48に接続された電子楽器それぞれに対する出力音量を調整するようにしてある。このような調整により特定の電子楽器の出力を強調することができ、カラオケの楽曲の各演奏者にスポットを当てた紹介が容易となり、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験が実現可能となる。
選択された電子楽器に対する出力音量を上げて、他の電子楽器に対する出力音量を下げる一例について上述したが、他の電子楽器に対する出力音量は下げない構成としてもよい。また、演奏者の呼称及び楽器の名称のうちの一つを示すフレーズが入力されたと認識した場合に、その認識したフレーズと関連付けてある接続ソケットを特定する一例について上述したが、演奏者の呼称を示すフレーズ及び楽器の名称を示すフレーズ両方が入力されたと認識した場合に初めて、接続ソケットを特定する構成としてもよい。
記憶装置43には、上述した制御により生じた出力音量の調整を無効にする無効化フレーズが記憶してある。制御部40は、音声認識機能により、その無効化フレーズがマイク47eに入力されたか否かを判定する。無効化フレーズが入力されたと判定した場合、制御部40は上述した出力音量の調整を無効にする。例えば、無効化フレーズとして「サンキュー」が記憶装置43に記憶してあり、マイク47eに「サンキュー」が入力されたと判定した場合、制御部40は上述した出力音量の調整を無効にする。したがって、特定の演奏者にスポットを当てた紹介を終了したい場合に、ユーザが手入力により紹介終了の操作を行う必要がないため、各演奏者にスポットを当てた紹介をスムーズに行えるようになる。
制御部40は、電子楽器の選択を行う際、指定したカラオケ楽曲の楽曲データの再生区分を参照し、「ソロパート」の再生中か否かを判定する。「ソロパート」の再生中と判定した場合には、無効化フレーズが入力されるまで、「ソロパート」を繰り返し再生する。また、無効化フレーズが入力された場合には、「ソロパート」の途中であっても「ソロパート」を終了する。
サウンドエフェクター48から得られる電子楽器の音情報は、接続された電子楽器が演奏者に演奏されることにより得られる情報である。この音情報は、動画コンテンツのように予め記録された情報ではなく、即興の演奏から得られる情報である。したがって、指定したカラオケ楽曲のソロパートになり、特定の演奏者を選択して音量の調整を行った場合においても、特定した演奏者の演奏が指定したカラオケ楽曲のソロパートよりも長くなる、又は短くなる事態が想定される。したがって制御部40は、指定したカラオケ楽曲の楽曲データの再生区分を参照し、選択により電子楽器の音量調整が行われた場合は、無効化フレーズが入力されるまで、「ソロパート」を繰り返し再生するようにしてある。また、無効化フレーズが入力された場合には、「ソロパート」の途中であっても「ソロパート」を終了するようにしてある。このような構成により、各演奏者にスポットを当てた紹介の後も、指定したカラオケ曲をスムーズに再生することができる。
実施の形態2におけるカラオケ端末装置4のその他の構成は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図13は、出力音量の調整に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。再生中のカラオケ楽曲におけるソロパート出力中の処理手順について示してある。遠隔操作装置5を介したユーザの操作により、カラオケ楽曲の指定およびサウンドエフェクター48に接続した複数の電子楽器についての設定が行ってある。また、指定されたカラオケ楽曲の音、接続された複数の電子楽器の音、及びマイク47eから入力されたユーザの音声がスピーカ47fから出力されるように制御を行ってある。
制御部40は、指定されたカラオケ楽曲の楽曲データにあるヘッダ情報を参照し、再生中のカラオケ楽曲におけるソロパートを出力していると判定した場合、音声認識機能と記憶装置43に記憶したサウンドエフェクター設定情報43cとを用い、マイク47eから複数の電子楽器に対する選択が行われたか否か判定する(ステップS31)。
図12の例では、演奏者を示す文言「○○○」と電子楽器「ギター」を接続している接続ソケットの系統番号「A」とがサウンドエフェクター設定情報43cに関連付けてある。また、電子楽器を示す文言「ギター」と電子楽器「ギター」を接続している接続ソケットの系統番号「A」とがサウンドエフェクター設定情報43cに関連付けてある。つまり、文言と接続ソケットに接続された電子楽器とがサウンドエフェクター設定情報43cに関連付けてある。ステップS31では、演奏者を示す文言「○○○」又は電子楽器を示す文言「ギター」がマイク47eから入力されたと判定した場合、制御部40は、系統番号「A」である接続ソケットの選択、つまり、系統番号「A」である接続ソケットに接続された電子楽器「ギター」に対する選択が行われたと判定する。同様に、演奏者を示す文言「□□□」又は電子楽器を示す文言「ベース」がマイク47eから入力されたと判定した場合、制御部40は、系統番号「B」である接続ソケットの選択、つまり、系統番号「B」である接続ソケットに接続された電子楽器「ベース」に対する選択が行われたと判定する。演奏者を示す文言「△△△」又は電子楽器を示す文言「ドラム」がマイク47eから入力されたと判定した場合、制御部40は、系統番号「C」である接続ソケットの選択、つまり、系統番号「C」である接続ソケットに接続された電子楽器「ドラム」に対する選択が行われたと判定する。演奏者を示す文言「×××」又は楽器を示す文言「ピアノ」がマイク47eから入力されたと判定した場合、制御部40は、系統番号「D」である接続ソケットの選択、つまり、系統番号「D」である接続ソケットに接続された電子楽器「ピアノ」に対する選択が行われたと判定する。サウンドエフェクター設定情報43cを参照したが、マイク47eから入力された文言と関連する接続ソケットを特定できない場合、制御部40は、接続ソケットの選択、つまり、接続ソケットに接続された電子楽器に対する選択が行われなかったと判定する。
制御部40は、複数の電子楽器に対する選択が行われたと判定しなかった場合(S31:NO)、一定時間の経過後にステップS31を繰り返す。複数の電子楽器に対する選択が行われたと判定した場合(S31:YES)、選択された電子楽器の出力音量を選択前よりも大きくし、他の電子楽器の出力音量を選択前よりも小さくするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS32)。また制御部40は、制御後の出力音量でそれぞれの電子楽器の音を出力する(ステップS33)。
制御部40は、指定されたカラオケ楽曲の楽曲データにあるヘッダ情報および再生区分を参照し、再生中のカラオケ楽曲における記憶したソロパートの再生時間内であるか否かを判定する(ステップS34)。記憶したソロパートの再生時間内であると判定した場合(S34:YES)、制御部40は、音声認識機能と記憶装置43に記憶した無効化フレーズとを用い、マイク47eから無効化フレーズ「サンキュー」が入力されたか否か判定する(ステップS35)。入力されたと判定した場合(S35:YES)、制御部40は、各電子楽器に対する出力音量が選択前の出力音量となるように、音声ミキサ47dを制御し(ステップS36)、選択前の出力音量でそれぞれの電子楽器の音を出力する(ステップS37)。制御部40は、ソロパートの再生を終了して(ステップS38)、処理を終了する。
制御部40はステップS34で、再生中のカラオケ楽曲における記憶したソロパートの再生時間内であると判定しなかった場合(S34:NO)、再生を終了したソロパートの次の再生区分を再生することなく、ソロパートを再び再生し(ステップS39)、ステップS35を実施する。
制御部40はステップS35で、無効化フレーズ「サンキュー」が入力されたと判定しなかった場合(S35:NO)、一定時間の経過後にステップS34を繰り返す。
制御部40は、再生中のカラオケ楽曲におけるソロパート出力中だけでなく、「前奏」、「メロディー部分A」、「メロディー部分B」等の出力中においても、電子楽器の音量調整処理を行う。図14は、出力音量の調整に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。具体的には、ソロパート出力中でない場合における出力音量の調整に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。
制御部40は、音声認識機能とサウンドエフェクター設定情報43cとを用い、マイク47eから複数の電子楽器に対する選択が行われたか否か判定する(ステップS41)。選択が行われたと判定しなかった場合(S41:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS41を繰り返す。選択が行われたと判定した場合(S41:YES)、制御部40は、各電子楽器の出力音量を選択前から変更する。具体的には、選択された電子楽器に対する出力音量を選択前よりも大きくし、他の電子楽器に対する出力音量を選択前よりも小さくするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS42)。また制御部40は、制御後の出力音量でそれぞれの電子楽器の音を出力する(ステップS43)。
制御部40は、音声認識機能と記憶装置43に記憶した無効化フレーズとを用い、マイク47eから無効化フレーズ「サンキュー」が入力されたか否か判定する(ステップS44)。入力されたと判定しなかった場合(S44:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS44を繰り返す。入力されたと判定した場合(S44:YES)、制御部40は、各電子楽器に対する出力音量が選択前の出力音量となるように、つまり、選択後の出力音量調整処理を無効とするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS45)。また制御部40は、選択前の出力音量でそれぞれの電子楽器の音を出力し(ステップS46)、処理を終了する。
上述の構成により、電子楽器の音量などを調整するPAエンジニアを要することなく、電子楽器の音量をユーザ自身で調整できるようになる。したがって、各演奏者にスポットを当てた紹介を容易にすることができ、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験を行えるようになる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、カラオケ端末装置4に接続された複数の電子楽器から、ソロパートを演奏する楽器の音を選択する構成について説明している。実施の形態3では、更に、そのソロパートの楽器名の情報およびそのソロパートの再生時間の情報を表示する構成について説明する。中央装置1の構成は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
制御部40は、指定したカラオケ楽曲の楽曲データを再生する場合、楽曲データの再生区分を参照し、指定したカラオケ楽曲にソロパートが含まれているか否か検出する。ソロパートが含まれていると検出した場合、制御部40は、その含まれているソロパートの演奏に用いる楽器がどの楽器であるかを識別する。また、その含まれているソロパートの再生する時間の所定秒前となっているか否かを検出する。更に制御部40は、所定秒前であると検出した場合、その含まれているソロパートの演奏に用いる楽器名とその楽器名のソロパートの再生時間が迫っている旨とを映像表示装置46fに表示するように、各部を制御する。ソロパートを再生すべき時間であると検出した場合には、ソロパートの演奏に用いる楽器名とその楽器名のソロパートの再生開始を示す旨とを映像表示装置46fに表示するように、各部を制御する。例えば、指定したカラオケ楽曲に「ギター」のソロパートが含まれており、その「ギター」のソロパートを再生する時間の20秒前となった場合、制御部40は、「もうすぐギターソロパートです」という予告文言を映像表示装置46fに表示するように各部を制御する。その「ギター」のソロパートの再生を開始する時間となった場合、制御部40は、「ギターソロパート開始」という開始文言を映像表示装置46fに表示するように各部を制御する。
指定したカラオケ楽曲のどの時間帯にどの楽器のソロパートが再生されるかユーザが把握していない状況も想定される。そのようなユーザがカラオケ端末装置4を使用している場合においても、上述した予告文言および開始文言を表示する構成を用いることにより、ソロパートで演奏する所定の楽器を正確なタイミングで指定できるようになり、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験をスムーズに行えるようになる。
カラオケ端末装置4のその他の構成は、実施の形態2と同様であるため、その他の構成に関する詳細な説明を省略する。
図15は、予告文言および開始文言の表示に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。遠隔操作装置5を介したユーザの操作により、カラオケ楽曲の指定およびサウンドエフェクター48に接続した複数の電子楽器についての設定が行ってある。また、指定されたカラオケ楽曲の音、接続された複数の電子楽器の音、及びマイク47eから入力されたユーザの音声がスピーカ47fから出力されるように制御を行ってある。
制御部40は、指定されたカラオケ楽曲の楽曲データにあるヘッダ情報を参照し、再生中のカラオケ楽曲にソロパートが含まれているか否か判定する(ステップS51)。ソロパートが含まれていないと判定した場合(S51:NO)、制御部40は、処理を終了する。ソロパートが含まれていると判定した場合(S51:YES)、楽曲データの再生区分を参照し、そのソロパートの伴奏楽器および再生時間帯を識別する(ステップS52)。
制御部40は、識別した再生時間帯に基づいて、再生中のカラオケ楽曲においてそのソロパートを再生する時間の20秒前になっているか否かを判定する(ステップS53)。20秒前になっていないと判定した場合(S53:NO)、一定時間の経過後にステップS53を繰り返す。20秒前になっていると判定した場合(S53:YES)、識別した伴奏楽器のソロパート開始予告を示す予告文言を映像表示装置46fに表示する(ステップS54)。
制御部40は、識別した再生時間帯に基づいて、再生中のカラオケ楽曲においてそのソロパートの再生を開始する時間になったか否かを判定する(ステップS55)。再生を開始する時間になっていないと判定した場合(S55:NO)、一定時間の経過後にステップS55を繰り返す。再生を開始する時間になったと判定した場合(S55:YES)、表示した予告文言を削除し、識別した伴奏楽器のソロパートの開始を示す開始文言を映像表示装置46fに表示し(ステップS56)、処理を終了する。
(実施の形態4)
実施の形態1では、複数の動画コンテンツから伴奏楽器の音を選択する構成について説明している。実施の形態2では、カラオケ端末装置4に接続された複数の電子楽器から、伴奏楽器の音を選択する構成について説明している。実施の形態4では、複数の動画コンテンツと複数の電子楽器とから、伴奏楽器の音を選択する構成について説明する。中央装置1の構成は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。カラオケ端末装置4の構成は、実施の形態2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図16は、出力音量の調整に係る制御部40の処理手順を示すフローチャートである。遠隔操作装置5を介したユーザの操作により、カラオケ楽曲の指定および指定したカラオケ楽曲の伴奏を行う複数の楽器についての複数の動画コンテンツの指定を既にしてある。遠隔操作装置5を介したユーザの操作により、カラオケ楽曲の指定およびサウンドエフェクター48に接続した複数の電子楽器についての設定が行ってある。また、指定されたカラオケ楽曲の音、指定された複数の動画コンテンツの音、接続された複数の電子楽器の音及びマイク47eから入力されたユーザの音声がスピーカ47fから出力されるように制御を行ってある。
制御部40は、音声認識機能とカラオケ端末用動画DB43bとサウンドエフェクター設定情報43cとを用い、マイク47eから複数の動画コンテンツの伴奏楽器及びサウンドエフェクター48に接続された複数の電子楽器に対する選択が行われたか否か判定する(ステップS61)。カラオケ端末用動画DB43bを用いた制御部40の判定は、実施の形態1におけるステップS11での判定と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、サウンドエフェクター設定情報43cを用いた制御部40の判定は、実施の形態2におけるステップS31での判定と同様であるため、詳細な説明を省略する。
選択が行われたと判定しなかった場合(S61:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS61を繰り返す。選択が行われたと判定した場合(S61:YES)、制御部40は、カラオケ端末用動画DB43bとサウンドエフェクター設定情報43cとを参照し、各動画コンテンツ及び各電子楽器の出力音量を選択前から変更する。具体的には、伴奏楽器の動画コンテンツの伴奏楽器及び接続された電子楽器の中から、選択された楽器に対する出力音量を選択前よりも大きくし、他の楽器に対する出力音量を選択前よりも小さくするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS62)。また制御部40は、制御後の出力音量でそれぞれの楽器の音を出力する(ステップS63)。
制御部40は、音声認識機能と記憶装置43に記憶した無効化フレーズとを用い、マイク47eから無効化フレーズ「サンキュー」が入力されたか否か判定する(ステップS64)。入力されたと判定しなかった場合(S64:NO)、制御部40は、一定時間の経過後にステップS64を繰り返す。入力されたと判定した場合(S64:YES)、制御部40は、各楽器に対する出力音量が選択前の出力音量となるように、つまり、選択後の出力音量調整処理を無効とするように、音声ミキサ47dを制御する(ステップS65)。また制御部40は、選択前の出力音量でそれぞれの楽器の音を出力し(ステップS66)、処理を終了する。
上述の構成により、演奏者の楽器の音量などを調整するPAエンジニアを要することなく、カラオケ端末装置4のユーザ自身で各楽器の音量を調整できるようになる。したがって、各演奏者にスポットを当てた紹介を容易にすることができ、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験を行えるようになる。
(実施の形態5)
実施の形態4では、複数の動画コンテンツと複数の電子楽器とから、伴奏楽器の音を選択する構成について説明している。選択対象となる電子楽器としては、ユーザが使用するカラオケ端末装置4のサウンドエフェクター48に接続された電子楽器を用いていた。実施の形態5では、ユーザが使用するカラオケ端末装置4とは別のカラオケ端末装置4にあるサウンドエフェクター48に接続された電子楽器を選択対象として用いる。中央装置1の構成は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。カラオケ端末装置4の構成は、実施の形態4と同様であるため、詳細な説明を省略する。
各カラオケ店舗2の一室に配置してあるカラオケ端末装置4は、一つの撮像装置46eを備える。ボーカル担当のユーザと楽器演奏担当のユーザとが一室に配置してあるカラオケ端末装置4を使用する場合、備えてある一つの撮像装置46eで2人のユーザを撮像することになる。
図17は、一つの撮像装置46eで二人のユーザを撮像した場合に映像表示装置46fに表示される合成映像の一例を示す模式図である。図17では、一つの撮像装置46eでボーカル担当のユーザ及びベース担当のユーザを撮像して得られた映像と、2つの動画コンテンツの映像の映像とが合成されて映像表示装置46fに表示されている一例について示してある。図の左上には、撮像装置46eで撮像した両ユーザの映像が示してあり、左下には、楽器「ギター」を伴奏している動画コンテンツの映像が示してあり、右上には、映像が示されておらず、右下には、楽器「ドラム」を伴奏している動画コンテンツの映像が示してある。
一つの撮像装置46eによる撮像により得られる映像の表示領域は予め決められているため、図17の左上に示すように、二人のユーザの映像は縮小されてバランスが悪く表示されている。このような事態を解消するため、制御部40は、各カラオケ店舗2の別室に配置してあるカラオケ端末装置4(他店舗2の一室に配置してあるカラオケ端末装置4でもよい)のサウンドエフェクター48に接続された電子楽器を演奏するユーザの映像を、その別室に配置してあるカラオケ端末装置4の撮像装置46eで撮像して取得できるようにしてある。このように構成することにより、図7と同様の合成映像となり、2人のユーザの適切な映像を表示できるようになり、より臨場感のあるライブ演奏の疑似体験が行える。
制御部40は、通信網N1に接続してある他のカラオケ端末装置4の撮像装置46eから映像データを取得し、映像データを取得した他のカラオケ端末装置4のマイク47eから音データを取得し、取得したデータを選択対象の電子楽器の情報として使用する。カラオケ端末装置4のその他の構成は、実施の形態4と同様であるため、詳細な説明を省略する。
通信網N1に接続してある他のカラオケ端末装置4の撮像装置46eおよびマイク47eから映像データおよび音データを取得する構成とするために、ゲームのオンラインマッチングのような方法を用いてもよい。具体的には、ユーザ乙がカラオケ端末装置4を使用して、利用可能な演奏楽器を探す場合に、通信網N1に接続してある他のカラオケ端末装置4の記憶装置43に記憶したサウンドエフェクター設定情報43cを参照し、ユーザ乙が希望するユーザを指定して通信できるようにする方法を用いてもよい。この方法では、他のカラオケ端末装置4を使用しているユーザの楽器名、演奏者名、ユーザID等を用いてユーザの検索を行うことができるようにしてもよい。指定したユーザの楽器の音データを取得するが、映像データは取得せずに、その楽器に対する一般的な映像を映像表示装置46fの対応領域に表示するように改変を加えてもよいことは言うまでもない。
実施の形態1、2及び4では、無効化フレーズ「サンキュー」の入力により、楽器の選択に基づく処理が無効化される構成について説明していた。しかしながら、一定時間経過後に強制的に、選択に基づく処理を無効化する構成としてもよい。ソロパートの再生時間が終了する際に自動的に、選択に基づく処理を無効化する構成としてもよい。また、指定された楽器の演奏者のパフォーマンスがソロパートの再生時間内に終了する状況も考えられるため、指定した楽器の音信号が一定時間入力されない場合、または、指定した楽器の出力音量が所定値以下となる状況が一定時間以上続いた場合、選択に基づく処理を無効化する構成としてもよい。
実施の形態1、2及び4では、無効化フレーズ「サンキュー」を記憶装置43に記憶する構成について説明していた。しかしながら、無効化フレーズではなく、楽器の特定音(和音等)を無効化音として記憶装置43に記憶しておき、記憶した特定音が出力された場合に、選択に基づく処理を無効化する構成としてもよい。ユーザの所定のポーズ(手を挙げるポーズ等)を無効化ポーズとして記憶装置43に記憶しておき、記憶したポーズが撮像装置46eにより撮像した画像に含まれている場合に、選択に基づく処理を無効化する構成としてもよい。また、第三者でも無効化できるようにするため、遠隔操作装置5の所定のボタンを無効化ボタンとして記憶装置43に記憶しておき、記憶したボタンが押下された場合に、選択に基づく処理を無効化する構成としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。各実施の形態で記載してある技術的特徴は互いに組み合わせ可能である。本発明の範囲は、上で例示した内容だけで無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての更新が含まれることが意図される。