JP2014070081A - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】含フッ素共重合体及び未反応モノマーを含む混合物から回収した未反応モノマーを、効率よく重合に再使用できる含フッ素共重合体の製造方法を提供する。
【課題手段】(I)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーと含フッ素オレフィンとを重合媒体中で重合し、含フッ素共重合体、未反応モノマーおよび重合媒体を含む混合物を得る工程と、(II)該混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応モノマーおよび重合媒体を蒸発させて回収する工程に加え、(III)該回収混合液を加熱し、重合開始剤を分解処理する工程とを有する含フッ素共重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有するイオン交換膜用の含フッ素共重合体の製造方法に関する。
海水等の塩化アルカリ水溶液を電解し、水酸化アルカリと塩素とを製造する塩化アルカリ電解法に用いられるイオン交換膜としては、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素共重合体からなる膜が知られている。含フッ素共重合体は、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーと、含フッ素オレフィン特にテトラフルオロエチレン(以下TFEと記す。)とを共重合させることにより得られる。
重合法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、バルク重合法等がある。これらの重合方法で前記含フッ素共重合体を重合した後、得られた含フッ素共重合体から重合媒体や未反応モノマーを分離し、回収する工程が必要であり、下記の方法が公知である。
(1)メタノール等の貧溶媒に溶液重合で得られたスラリーを投入し、含フッ素共重合体を凝集させる方法(例えば、特許文献1)。
(2)重合後に、反応器内の圧力をパージした後、反応器内を撹拌しながら冷却トラップを介して真空引きし、重合媒体および未反応モノマーを回収する方法(特許文献2)。
しかし、(1)の方法では、高価なカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーを完全に回収するために、複数回の凝集操作を繰り返した後、凝集に用いた溶媒を蒸留して含フッ素モノマーを回収する必要があり、高コストになるという問題がある。
(2)の方法では、回収した重合媒体および未反応モノマーの混合液中には、重合で使用した未分解の開始剤が混入するため、回収した重合媒体および未反応モノマーを再度重合に利用すると、モノマーおよび重合媒体を反応槽に仕込んで、昇温・昇圧する工程において、意図しない組成の含フッ素共重合体が生成し、得られるイオン交換膜の電流効率が低下するという問題がある。回収した混合液中から、未分解の開始剤を除去するために蒸留を行うと、モノマーを回収するのに時間がかかり生産性が低下する。
したがって、低コストで生産性を低下させずに効率よく、重合媒体およびカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーを回収し、さらにイオン交換膜としての性能を低下させずに重合に再使用する方法が求められている。
国際公開第2009/133902号 特許第3781498号公報
本発明は、低コストで生産性を低下させずに効率よく、重合媒体およびカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーを回収し、さらにイオン交換膜としての性能を低下させずに重合に再使用する方法を提供する。
本発明の含フッ素共重合体の第1の製造方法は、下記の工程(I)〜(III)を有することを特徴とする。
(I)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを重合媒体中で重合し、含フッ素共重合体、未反応モノマーおよび重合媒体を含む混合物を得る工程。
(II)前記混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび重合媒体を蒸発させて回収する工程。
(III)前記工程で回収した未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび重合媒体の回収混合液を加熱して、重合開始剤を分解処理する工程。
また、本発明の含フッ素共重合体の第2の製造方法は、下記の工程(I’)〜(III’)を有する方法である。
(I’)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを重合し、含フッ素共重合体および未反応モノマーを含む混合物を得る工程。
(II’)前記混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応モノマーを蒸発させて回収する工程。
(III’)前記工程で回収した未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーを加熱して、重合開始剤を分解処理する工程。
前記カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有するモノマーは、パーフルオロモノマーであることが好ましい。
前記カルボン酸型官能基を有する含フッ素モノマーは、下式(1)で表わされるフルオロビニルエーテルであることが好ましい。
CF=CF−(O)−(CH−(CFCFX)−(O)−(CF−(CFCFX’)−A ・・・(1)。
ただし、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、X’は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、Aは、カルボン酸型官能基であり、pは、0または1であり、qは、0〜12の整数であり、rは、0〜3の整数であり、sは、0または1であり、tは、0〜12の整数であり、uは、0〜3の整数であり、1≦p+sであり、かつ1≦r+uである。
前記スルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーは、下式(2)、下式(3)または下式(4)で表わされるフルオロビニル、フルオロビニルエーテルであることが好ましい。
CF=CF−O−Rf2−A ・・・(2)
Figure 2014070081
CF=CF−Rf2−A ・・・(4)
ただし、Rf2は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキレン基であり、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよく、直鎖状または分岐状のいずれでもよく、Aは、スルホン酸型官能基である。
前記工程(III)において、加熱処理温度が、使用する重合開始剤の10時間半減期温度以上であることが好ましい。
前記工程(III’)において、加熱処理温度が、使用する重合開始剤の10時間半減期温度以上であることが好ましい。
前記工程(III)で処理された回収混合液を、前記工程(I)で使用する含フッ素モノマーの少なくとも一部として利用することが好ましい。
前記工程(III’)で処理された含フッ素モノマーを、前記工程(I’)で使用する含フッ素モノマーの少なくとも一部として利用することが好ましい。
本発明の含フッ素共重合体の製造方法によれば、含フッ素共重合体及び未反応モノマーを含む混合物から回収した未反応モノマーを、効率よく回収・再使用できるため、塩化アルカリ電解用イオン交換膜に用いられる含フッ素共重合体を低コストで製造できる。
<含フッ素共重合体の製造方法>
本発明の含フッ素共重合体の第1の製造方法は、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法等、重合媒体を用いる重合法の場合であり、下記の工程(I)〜(III)を有する方法である。
(I)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを重合媒体中で重合し、含フッ素共重合体、未反応モノマーおよび重合媒体を含む混合物を得る工程。
(II)前記混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび重合媒体を蒸発させて回収する工程。
(III)前記工程で回収した未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび重合媒体の回収混合液を加熱して、重合開始剤を分解処理する工程。
本発明の含フッ素共重合体の第2の製造方法は、バルク重合法等、重合媒体(モノマーを除く。)を用いない重合法の場合であり、下記の工程(I’)〜(III’)を有する方法である。
(I’)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを重合し、含フッ素共重合体および未反応モノマーを含む混合物を得る工程。
(II’)前記混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応モノマーを蒸発させて回収する工程。
(III’)前記工程で回収した未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーを加熱して、重合開始剤を分解処理する工程。
本発明の含フッ素共重合体の製造方法に用いる含フッ素モノマーとしては、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーであれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
前記カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有するモノマーは、パーフルオロモノマーであることが好ましい。
(カルボン酸型官能基を有する含フッ素モノマー)
カルボン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとしては、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、エチレン性の二重結合を有し、かつカルボン酸型の官能基を有する化合物であれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
カルボン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとしては、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素共重合体の特性に優れる点から、下式(1)で表わされるフルオロビニルエーテルが好ましい。
CF=CF−(O)−(CH−(CFCFX)−(O)−(CF−(CFCFX’)−A ・・・(1)。
Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。また、X’は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。1分子中にXおよびX’の両方が存在する場合、それぞれは同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、カルボン酸型官能基である。カルボン酸型官能基は、カルボン酸基(−COOH)そのもの、または加水分解または中和によってカルボン酸基に変換し得る官能基をいう。カルボン酸基に変換し得る官能基としては、−CN、−COF、−COOR(ただし、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基である。)、−COOM(ただし、Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。)、−COONR(ただし、RおよびRは、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を示す。RおよびRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。)等が挙げられる。
pは、0または1であり、qは、0〜12の整数であり、rは、0〜3の整数であり、sは、0または1であり、tは、0〜12の整数であり、uは、0〜3の整数である。ただし、pおよびsが同時に0になることはなく、rおよびuが同時に0になることはない。すなわち、1≦p+sであり、1≦r+uである。
式(1)で表わされるフルオロビニルエーテルの具体例としては、下記の化合物が挙げられ、製造が容易である点から、p=1、q=0、r=1、s=0〜1、t=1〜3、u=0〜1である化合物が好ましく、CF=CF−O−CFCF−CF−COOCHが特に好ましい。
CF=CF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−CF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−CF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CF−CFCF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CF−CFCF−COOCH
(スルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマー)
スルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとしては、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、エチレン性の二重結合を有し、かつスルホン酸型の官能基を有する化合物であれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
スルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとしては、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素共重合体の特性に優れる点から、下式(2)、下式(3)または下式(4)で表わされる化合物が好ましい。
CF=CF−O−Rf2−A ・・・(2)
Figure 2014070081
CF=CF−Rf2−A ・・・(4)。
f2は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキレン基であり、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよく、直鎖状または分岐状のいずれでもよい。
は、スルホン酸型官能基である。スルホン酸型官能基は、スルホン酸基(−SOH)そのもの、または加水分解または中和によってスルホン酸基に変換し得る官能基をいう。スルホン酸基に変換し得る官能基としては、−SOM(ただし、Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。)、−SOF、−SOCl、−SOBr等が挙げられる。
式(2)で表わされる化合物としては、具体的には下記の化合物が好ましい。
CF=CF−O−(CF1〜8−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)O(CF1〜8−SOF、
CF=CF[OCFCF(CF)]1〜5SOF。
式(3)で表わされる化合物としては、具体的には下記の化合物が好ましい。
Figure 2014070081
式(4)で表わされる化合物としては、具体的には下記の化合物が好ましい。
CF=CF(CF0〜8−SOF、
CF=CF−CF−O−(CF1〜8−SOF。
スルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとしては、工業的な合成が容易である点から、下記の化合物がより好ましい。
CF=CFOCFCFSOF、
CF=CFOCFCFCFSOF、
CF=CFOCFCFCFCFSOF、
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOF、
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCFSOF、
CF=CFOCFCF(CF)SOF、
CF=CFCFCFSOF、
CF=CFCFCFCFSOF、
CF=CF−CF−O−CFCF−SOF、
Figure 2014070081
(他のモノマー)
本発明においては、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよびTFEに加えて、さらに他のモノマーを共重合させてもよい。
他のモノマーとしては、CF=CF−R、CF=CF−OR(ただし、Rは炭素原子数1〜10のペルフルオロアルキル基である。)、CF=CFO(CFCF=CF(ただし、vは1〜3の整数である。)、クロロトリフルオロエチレン(CF=CFCl)、フッ化ビニリデン(CF=CH)、フッ化ビニル(CH=CHF)、ヘキサフルオロプロピレン(CF=CFCF)等が挙げられる。他のモノマーを共重合させることによって、イオン交換膜の可撓性や機械的強度を向上できる。他のモノマーの割合は、イオン交換性能の維持の点から、全モノマー(100質量%)のうち30質量%以下が好ましい。
(重合開始剤)
本発明の含フッ素共重合体の製造方法に用いる重合開始剤としては、前記カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合化が可能な化合物が用いられる。
前記重合開始剤としては、ジアシルペルオキシド類(ジコハク酸ペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ビス(ペンタフルオロプロピオニル)ペルオキシド等)、アゾ化合物(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸類、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)等)、ペルオキシエステル類(t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシピバレート等)、ペルオキシジカーボネート類(ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート等)、ハイドロペルオキシド類(ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド等)等が挙げられる。
前記重合開始剤は、10時間半減期温度が40℃以上であることが好ましく、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。
(工程(I)および工程(I’))
本発明の第1の製造方法の場合、反応器内にて、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを、重合開始剤の存在下、重合媒体中で重合し、含フッ素共重合体、未反応モノマーおよび重合媒体を含む混合物(乳液、スラリー等)を得る。
本発明の第2の製造方法の場合、反応器内にて、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEを、重合開始剤の存在下で重合し、含フッ素共重合体および未反応モノマーを含む混合物を得る。
重合法は、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、バルク重合法等の重合法から選択される。重合法としては、生体蓄積性が懸念される炭素数7以上のペルフルオロアルキル基を有するフッ素系乳化剤を用いない溶液重合法が好ましい。
乳化重合法における重合媒体としては、水が好ましい。
乳化重合法における乳化剤としては、ペルフルオロカルボン酸型乳化剤が好ましい。
溶液重合法における重合媒体としては、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等が好ましく、オゾン層に影響のないハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルがより好ましい。
ハイドロフルオロカーボンは、炭素原子数が4〜10であるものが好ましく、炭素原子数が4〜8であるものがより好ましい。ハイドロフルオロカーボンの炭素原子数が4未満である、または10を超える場合、沸点が所望の温度範囲(0〜200℃、好ましくは10〜100℃)を外れてしまう。すなわち、ハイドロフルオロカーボンの炭素原子数が4以上であれば、沸点が0℃以上となるため保管や輸送に好適である。炭素原子数が10以下であれば、沸点が200℃以下となるため、重合後のスラリーからの重合媒体の回収が容易となる。
ハイドロフルオロカーボンは、モル基準での水素原子数/フッ素原子数の割合(以下、H/Fと記す。)が0.05〜20であるものが好ましく、0.06〜1であるものがより好ましい。H/F比が0.05未満では、後述する重合開始剤の溶解性が不充分となる。H/F比が20を超えると、重合反応の連鎖移動定数が大きくなり、所望の分子量の含フッ素共重合体が得られない。
ハイドロフルオロカーボンの分子構造は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ハイドロフルオロカーボンの具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CFCFCHCH
CFCHCFCH
CHFCFCFCHF
CHCFCHFCF
CFCFCHFCF
CFCFCFCFH、
(CFCFCHCH
CHCHFCFCFCHCH
CHCFCFCFCHF
CFCHFCHFCFCF
CFCFCFCFCHCH
CFCFCHCHCFCF
CFCFCFCFCFCFH、
(CFCFCHFCHFCF
CHCFCFCFCFCFCFH、
CFCFCFCFCFCFCFH、
CFCFCFCFCFCFCHCH
CFCFCFCFCFCFCFCHF
ハイドロフルオロカーボンとしては、炭素原子数が少なすぎると沸点が低くなりすぎ、炭素原子数が多すぎると沸点が高くなりすぎること、および水素原子数が多いと高分子量の共重合体を得ることが困難になることから、Cn+m2n+12m+1(ただし、nは2〜8の整数であり、mは0〜3の整数である。)で表わされるハイドロフルオロカーボンが好ましく、CFCFCFCFCFCFH(1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、H/F比=0.077)、CFCFCFCFCHCH(1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロヘキサン、H/F比=0.56)、CFCFCFCFCFCFCHCH(1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、H/F比=0.38)が特に好ましい。
ハイドロフルオロエーテルは、下式(4)で表されるハイドロフルオロアルキルエーテル(以下、HFEという。)である。
−O−R ・・・(4)。
およびRは、ポリフルオロアルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方は水素原子を有し、RとRの合計の炭素原子数は3〜8である。ポリフルオロアルキル基としては、直鎖状または分岐状の、ハイドロフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル基が好ましい。RおよびRのどちらか一方がペルフルオロアルキル基の場合は、もう一方はハイドロフルオロアルキル基である。RおよびRがともにペルフルオロアルキル基であると地球温暖化係数が高い。また、RおよびRは、同一または異なるポリフルオロアルキル基であってよい。RおよびRが有するフッ素原子の合計数は、水素原子の合計数よりも多いことが好ましい。水素原子数が多いと連鎖移動定数が大きくなるため、水素原子数はより少ないことが、連鎖移動定数が小さくなることから好ましい。RおよびRが有するフッ素原子の合計数は、水素原子とフッ素原子の合計数に対して60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。RおよびRの合計の炭素原子数は、3〜8であり、4〜6が好ましい。RおよびRの炭素原子数が少なすぎると、沸点が低く重合媒体としての取り扱い性が充分でない。RおよびRの炭素原子数が多すぎると、沸点が高く含フッ素共重合体と重合媒体との分離が困難になる。
HFEとしては、CFCHOCFCHF、CHFCFCHOCFCHF、CFCFCHOCFCHFからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、CFCHOCFCHFがより好ましい。
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび含フッ素オレフィンの仕込み割合は、得られる含フッ素共重合体におけるモノマー単位が所望の割合となるように選定される。
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーの仕込み割合は、含フッ素共重合体におけるカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマー単位の割合が15〜95質量%とすることが好ましい。
TFEの仕込み割合は、含フッ素共重合体におけるTFE単位の割合が5〜85質量%とすることが好ましい。
他のモノマーの仕込み割合は、含フッ素共重合体における他のモノマー単位の割合が0〜30質量%とすることが好ましい。
各モノマーは、一括で仕込んでもよく、連続的または断続的に仕込んでもよい。反応系内のモノマーの濃度を一定にして、生成する含フッ素共重合体の組成を均一化させるという点からは、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよびTFEを、連続的に添加して連続的に反応させることが好ましい。
重合開始剤の添加量は、全モノマーの100質量部に対して、0.1質量部以下が好ましく、0.05質量部がより好ましい。重合開始剤の添加量を下げることによって、含フッ素共重合体の分子量を高めることができる。重合開始剤の他に、通常の溶液重合において用いられる分子量調節剤等を添加してもよい。
分子量調節剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール等)、ハイドロカーボン類(n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハイドロフルオロカーボン類(CF等)、ケトン類(アセトン等)、メルカプタン類(メチルメルカプタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等)が好ましく、アルコール類がより好ましい。
分子量調節剤の量は、全モノマーの100質量部に対して、0.0001〜50質量部が好ましく、0.001〜10質量部がより好ましい。
重合圧力(ゲージ圧)は、0.1〜5.0 MPaGが好ましく、0.5〜2.0MPaGがより好ましい。前記の範囲であれば、重合反応の速度を実用上満足し得る速さに維持することができ、高分子量の含フッ素共重合体を得ることができる。
重合圧力以外の他の条件や操作は、特に限定されることなく、広い範囲の反応条件を採用できる。たとえば、重合温度は、モノマーの種類や反応モル比等により最適値が選定され得るが、工業的実施に好適であることから、20〜100℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。
(工程(II)および工程(II’))
本発明の第1の製造方法の場合、反応器内の混合物(乳液またはスラリー)を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら連続的に加熱することによって、未反応モノマーおよび重合媒体を連続的に蒸発させて回収し、含フッ素共重合体と分離する。
本発明の第2の製造方法の場合、反応器内の混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら連続的に加熱することによって、未反応モノマーを連続的に蒸発させて回収し、含フッ素共重合体と分離する。
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーは、酸素や水分によって分解する可能性があるため、蒸発容器は、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気下、もしくは真空または減圧雰囲気下で移送された混合物を撹拌できることが好ましい。
撹拌機における撹拌翼としては、パドル翼、タービン翼、アンカー翼、ヘリカルリボン翼等が好ましい。撹拌機は、蒸発容器の内壁への含フッ素共重合体の付着を防止するため、壁面をこすりながら回転する掻き取り翼を備えていてもよい。撹拌翼としては、粘度の高い液体を混合するのに好適なアンカー翼またはヘリカルリボン翼が好ましく、ヘリカルリボン翼が特に好ましい。
撹拌回転数は、撹拌翼の形状や蒸発容器の大きさによって最適な回転数は異なるが、おおむね30〜500rpmが好ましく、50〜300rpmがより好ましく、70〜250rpmがさらに好ましい。
蒸発容器は、重合媒体または未反応モノマーを蒸発させるため、ジャケット等で加熱できることが好ましい。加熱温度は、20〜200℃が好ましく、40〜180℃がより好ましく、50〜150℃がさらに好ましい。加熱温度は、重合媒体および含フッ素モノマーの沸点により決定されるが、含フッ素モノマーが熱分解する可能性があるため、前記温度範囲内が好ましい。より低い温度で重合媒体および未反応モノマーを蒸発させるため、蒸発容器内を大気圧以下に減圧してもよい。
蒸発容器の圧力(絶対圧)は、0.1〜200kPaが好ましく、0.5〜100kPaがより好ましい。
混合物は、蒸発容器に連続的または断続的に移送される。混合物は、蒸発容器に連続的に移送されるのが好ましい。蒸発容器に連続的に移送するとは、絶えず混合物を蒸発容器に供給し続けている状態をいい、蒸発容器に断続的に移送するとは混合物が蒸発容器に供給されている時間とされていない時間が交互に存在する状態をいう。単位時間あたりの供給量は一定であっても、不定でもよい。混合物を蒸発容器内に一括して仕込んだ状態で、撹拌しながら加熱して重合媒体および未反応モノマーを蒸発させて回収すると、含フッ素共重合体が塊状になってしまい、蒸発容器から塊状の含フッ素共重合体への伝熱が阻害され、塊状の含フッ素共重合体に含まれる重合媒体および未反応モノマーが加熱されにくい。そのため、重合媒体および未反応モノマーを効率よく回収できない。
反応器から蒸発容器へ混合物を移送する単位時間当たりの供給量は、蒸発容器の大きさや撹拌機の種類によって変化するが、蒸発容器の内部の含フッ素共重合体への伝熱が著しく悪化しない程度の移送速度に調整することが好ましい。具体的には、蒸発容器の内部の温度を、重合媒体または含フッ素モノマーの沸点付近の温度に維持できる程度が好ましい。より具体的には、蒸発容器の内部の温度を、蒸発容器内の圧力における重合媒体または含フッ素モノマーのうちより高い沸点温度から−20℃〜+20℃に維持することが好ましい。蒸発容器の内部温度を上記温度範囲とするために、混合物を蒸発容器に供給する前に加温してもよい。また、総括伝熱係数が80kJ/m・h・℃以上になるように蒸発容器へ混合物を移送するのが好ましく、120kJ/m・h・℃以上がより好ましく、200〜1300kJ/m・h・℃が最も好ましい。重合媒体および含フッ素モノマーの蒸発熱が加熱の熱量を超えなければ、蒸発容器の内温が重合媒体および含フッ素モノマーの沸点を下回ることなく、含フッ素共重合体が塊状になって伝熱が阻害されることがないため、未反応モノマーの回収率が向上する。重合媒体および含フッ素モノマーを蒸発させるのに充分な熱量が供給されていれば、蒸発容器の内温が重合媒体および含フッ素モノマーの沸点を大幅に上回ることながなく、無駄な熱エネルギーを使わずに粒子状の含フッ素共重合体が生成し、工程時間が短縮でき生産性が向上する。
総括伝熱係数は、熱伝導を表す係数であり、下式(5)から求められる。
Q=UAΔT ・・・(5)。
ただし、Qは熱量であり、Uは総括伝熱係数であり、Aは伝熱面積であり、ΔTは内部と外部との温度差である。
蒸発した未反応モノマーおよび重合媒体を回収する方法としては、冷却トラップもしくは熱交換器を介して蒸発容器内を真空引きし、未反応モノマーおよび重合媒体を回収する方法等が挙げられる。
(含フッ素共重合体)
本発明の製造方法によって得られる含フッ素共重合体は、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーと含フッ素オレフィンとの含フッ素共重合体である。
含フッ素共重合体の平均粒子径は、0.10〜10mmが好ましく、0.5〜5.0mmがより好ましく、1.0〜4.0mmが特に好ましい。含フッ素共重合体の平均粒子径が前記の範囲であれば、蒸発容器から含フッ素共重合体への伝熱が効率よくでき、好ましい。含フッ素共重合体の平均粒子径は、ふるい分け法によって評価できる。
含フッ素共重合体に残留しているカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーの量は、含フッ素共重合体の100質量%に対して、1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。未反応モノマーの残留量が前記範囲であると、高価な含フッ素モノマーを効率よく回収できるため、含フッ素共重合体の製造コストを抑えることができる。
含フッ素共重合体のイオン交換容量は、イオン交換膜として用いる場合、0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましい。含フッ素共重合体のイオン交換容量を大きくしても、含フッ素共重合体の分子量を高くすることができるため、含フッ素共重合体の機械的性質や耐久性が低下することがない。含フッ素共重合体のイオン交換容量は、イオン交換膜としての機械的性質や電気化学的性能の点から、0.6ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上が好ましく、0.7ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上がより好ましい。
含フッ素共重合体の分子量は、イオン交換膜としての機械的性能および製膜性と関連する。含フッ素共重合体の分子量は、TQ値で150℃以上が好ましく、170〜350℃がより好ましく、170〜330℃がさらに好ましい。
TQ値は、重合体の分子量に関係する値であって、容量流速:100mm/秒を示す温度で示したものである。容量流速は、重合体を3MPaの加圧下に一定温度のオリフィス(径:1mm、長さ:1mm)から溶融、流出させ、流出する重合体の量をmm/秒の単位で示したものである。TQ値は、重合体の分子量の指標となり、TQ値が高いほど高分子量であることを示す。
(工程(III)および工程(III’))
本発明の第1の製造方法の場合、工程(II)により回収した未反応モノマーおよび重合媒体の混合液を、TFE不存在下で加熱処理する。
本発明の第2の製造方法の場合、工程(II’)により回収した未反応モノマーを、TFE不存在下で加熱処理する。
加熱容器は、未反応モノマーおよび重合媒体の混合液または未反応モノマー(以下、回収液と記す。)中に含まれる未分解の重合開始剤を分解させるため、ジャケット等で加熱する。加熱温度は、前記工程(I)で使用する重合開始剤の10時間半減期温度以上であればよく、40〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。加熱温度が前記範囲を超えると、含フッ素モノマーが分解する可能性があり、前記範囲未満だと、重合開始剤の分解が進みにくく工程時間が長くなるので、前記温度範囲が好ましい。
加熱処理後の回収液に含まれる未分解の重合開始剤濃度は、回収液に対し0.001質量%以下が好ましく、0.0005質量%以下がより好ましく、0.0001質量%以下がさらに好ましい。未分解の重合開始剤濃度が前記範囲であると、電流効率の高いイオン交換膜を得ることができる。
(含フッ素モノマーの再利用)
本発明の第1の製造方法の場合、前記工程(III)で処理された未反応モノマー及び重合媒体とを含む回収混合液は、前記工程(I)で使用する含フッ素モノマー及び重合媒体の少なくとも一部として利用することが好ましい。
また、本発明の第2の製造方法の場合、前記工程(III’)で処理された含フッ素モノマーを、前記工程(I’)で使用する含フッ素モノマーの少なくとも一部として利用することが好ましい。
前記含フッ素モノマーの再利用において、工程(I)または(I’)で用いる含フッ素モノマーの組成に適合するように、不足分の1種または2種以上の含フッ素モノマーを添加することが好ましい。
前記含フッ素モノマーの再利用は、前記工程(I)と同様に、再利用する前記含フッ素モノマーを含む、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを、重合開始剤の存在下、重合媒体中で重合させ、含フッ素共重合体、未反応モノマーおよび重合媒体を含む混合物を得ることで行われる。
また前記工程(I’)と同様に、再利用する前記含フッ素モノマーを含む、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを、重合開始剤の存在下、重合媒体無しで重合させ、含フッ素共重合体および未反応モノマーを含む混合物を得ることで行われる。
前記含フッ素モノマーの再利用において、前記工程(I)または(I’)の終了後、前記工程(II)および(III)、または前記工程(II’)および(III’)を行うこともできる。
(イオン交換膜)
本発明で得られた含フッ素共重合体を製膜することによって、イオン交換膜を得ることができる。イオン交換膜の製造方法は、含フッ素共重合体を製膜する工程、含フッ素共重合体のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を加水分解によりカルボン酸に転換する工程を有する。製膜工程と転換工程は、どちらを先に行ってもよいが、製膜工程後に転換工程を行う方が好ましい。
イオン交換膜は、本発明の製造方法で得られた含フッ素共重合体を含む層を複数有し、各層における含フッ素共重合体のイオン交換容量がそれぞれ異なる積層体であってもよく;本発明の製造方法で得られたカルボン酸型官能基を有する含フッ素共重合体を含む層と、スルホン酸型官能基を有する含フッ素共重合体を含む層とを有する積層体であってもよく;補強材を有する積層体であってもよい。
スルホン酸型官能基は、スルホン酸基(−SOH)そのもの、または加水分解または中和によりスルホン酸基に変換し得る官能基をいう。スルホン酸基に変換し得る官能基としては、−SOM、−SOF、−SOCl、−SOBr等が挙げられる。
補強材としては、織布(クロス)、繊維、不織布等が挙げられる。
イオン交換膜は、塩化アルカリ電解、拡散透析、オゾン発生電解、電解還元、燃料電池の隔膜、高分子触媒等に用いることができ、塩化ナトリウム等の塩化アルカリ電解に好適である。
(作用効果)
TFE不存在下で未反応モノマーおよび重合媒体の混合液を加熱処理すると、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーは、TFEより反応性に乏しい。そのため、重合反応を生じさせずに重合開始剤を分解することができる。しかし、TFE存在下で未反応モノマーおよび重合媒体の混合液を加熱処理すると、未分解の開始剤により重合反応が進行し、含フッ素ポリマーが生成する。そのため、工程(III)および工程(III’)により加熱処理せずに、回収した未反応モノマーおよび重合媒体の混合液を重合に再使用すると、反応槽に仕込んで、昇温・昇圧する工程において、意図しない組成の含フッ素共重合体が生成し、得られるイオン交換膜の電流効率が低下する。工程(III)、(III’)後は、重合開始剤が分解されているので、工程(III)、(III’)終了後の含フッ素モノマーを再使用し、工程(I)、(I’)を行う場合に、反応槽に仕込んで、昇温・昇圧する工程において、意図しない重合反応が生じることを防止できる。
その結果、本発明の含フッ素共重合体の製造方法によれば、含フッ素共重合体及び未反応モノマーを含む混合物から回収した未反応モノマーを、効率よく重合に再使用できる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(TQ値)
TQ値は、重合体の分子量に関係する値であって、容量流速が100mm/秒になる温度を示したものである。容量流速は、島津フローテスターCFT−100D(株式会社島津製作所製)を用い、含フッ素共重合体を3MPaの加圧下に一定温度のオリフィス(径:1mm、長さ:1mm)から溶融、流出させたときの流出量をmm/秒の単位で示したものである。
(イオン交換容量)
含フッ素共重合体の約0.5gをそのTQ値より約10℃高い温度にて平板プレスしてフィルム状にし、これを透過型赤外分光分析装置により分析し、得られたスペクトルのCFピーク、CFピーク、OHピークの各ピーク高さを用いて、イオン交換容量を算出した。
(イオン交換膜の作製)
TFEと下式(1−1)で表されるカルボン酸型官能基を有するペルフルオロビニルエーテル化合物との含フッ素共重合体(イオン交換容量:1.07ミリ当量/グラム乾燥樹脂、TQ:235℃)(以下、重合体Cと記す。)を合成した。
CF=CF−O−CFCF−CF−COOCH ・・・(1−1)。
TFEと下式(2−1)で表されるスルホン酸型官能基を有するペルフルオロビニルエーテル化合物との含フッ素共重合体(イオン交換容量:1.10ミリ当量/グラム乾燥樹脂、TQ:235℃)(以下、重合体Sと記す。)を合成した。
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOF ・・・(2−1)。
後述する実施例1または比較例1で得られた重合体Cと重合体S、または重合体Cと後述する実施例2で得られた重合体Sとを共押し出し法により成形し、重合体Cからなる層(厚さ:18μm)および重合体Sからなる層(厚さ:65μm)の2層構成のフィルムAを得た。また、重合体Sを溶融押し出し法により成形し、フィルムB(厚さ:30μm)を得た。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す。)フィルムを急速延伸した後、100デニールの太さにスリットして得たモノフィラメントのPTFE糸と、5デニールのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)繊維を6本引きそろえて撚ったマルチフィラメントのPET糸とを、PTFE糸1本に対し、PET糸2本の交互配列で平織りし、補強用の織布(糸密度:30本/cm)を得た。該織布を、ロールプレス機を用い、厚さが約80μmとなるように扁平化した。
得られた織布およびフィルムを、フィルムB、織布、フィルムA、離型用PETフィルム(厚さ:100μm)の順に、かつフィルムAの重合体Cからなる層が離型用PETフィルム側となるように重ね、ロールを用いて積層した。離型用PETフィルムを剥がし、補強された積層膜を得た。
酸化ジルコニウム(平均粒子径:1μm)の29.0質量%、メチルセルロースの1.3質量%、シクロヘキサノールの4.6質量%、シクロヘキサンの1.5質量%および水の63.6質量%からなるペーストを、積層膜のフィルムBの側にロールプレスにより転写し、ガス開放性被覆層を付着させた。酸化ジルコニウムの付着量は、20g/mとした。
ガス開放性被覆層付き積層膜を、ジメチルスルホキシドの5質量%および水酸化カリウムの30質量%の水溶液に、95℃で10分間浸漬し、重合体Cの−COOCHおよび重合体Sの−SOFを加水分解して、イオン交換基に転換した。
重合体Sの酸型ポリマーを2.5質量%含むエタノール溶液に、酸化ジルコニウム(平均粒子径:1μm)を13質量%の濃度で分散させた分散液を調製した。該分散液を、加水分解後の積層膜のフィルムA側に噴霧し、ガス開放性被覆層を付着させ、イオン交換膜を得た。酸化ジルコニウムの付着量は3g/mとした。
(イオン交換膜の評価)
得られたイオン交換膜を、フィルムA側が陰極に面するように、電解槽内に配置して、塩化ナトリウム水溶液の電解を行った。
電解槽(有効通電面積:25cm)としては、陰極室の供給水入り口を陰極室下部に配し、生成する水酸化ナトリウム水溶液出口を陰極室上部に配し、陽極室の塩化ナトリウム水溶液入口を陽極室下部に配し、電解反応により希釈された塩化ナトリウム水溶液出口を陽極室上部に配したものを用いた。
陽極としては、チタンのパンチドメタル(短径:4mm、長径:8mm)に酸化ルテニウムと酸化イリジウムと酸化チタンとの固溶体を被覆したものを用いた。
陰極としては、SUS304のパンチドメタル(短径:5mm、長径:10mm)にルテニウム入りラネーニッケルを電着したものを用いた。
塩化ナトリウム水溶液の電解は、以下のように行った。
陽極とイオン交換膜とが接触するように陰極側を加圧状態にし、290g/Lの塩化ナトリウム水溶液および水をそれぞれ陽極室および陰極室に供給しながら、陽極室から排出される塩化ナトリウム濃度を190g/L、陰極室から排出される水酸化ナトリウム濃度を32質量%に保ちつつ、温度:90℃、電流密度:6kA/mの条件で1週間電解を行い電流効率を測定した。
〔実施例1〕
(工程(I))
内容積:94Lのステンレス鋼製反応器(オートクレーブ)を真空に脱気した後、CFCFCFCFCFCFH(H/F比=0.077、以下、溶媒Aと記す。)に下式(1−1)で表されるカルボン酸型官能基を有するペルフルオロビニルエーテル化合物(以下、モノマーAと記す。)を36.6質量%溶解させた溶液53.5kgを仕込み、反応器の内温が67℃になるまで昇温した。
CF=CF−O−CFCF−CF−COOCH ・・・(1−1)。
TFEを、反応器の内圧が0.95MPaGになるまで仕込み、さらに重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを溶媒Aに0.35質量%溶解させた溶液の4.0Lを仕込んで重合を開始させた。重合反応中は、圧力が0.95MPaGに保持されるようにTFEを連続的に添加すると同時に、TFE/モノマーAモル比が6.3に相当するモノマーAを連続的に添加した。反応開始からのTFEの導入量が3.6kgとなった時点で反応器を40℃まで冷却した後、未反応のTFEを系外に放出して重合を終了させた。得られた含フッ素共重合体、溶媒AおよびモノマーAの混合物をスラリーAと呼ぶ。また、スラリーAに含まれる含フッ素共重合体の濃度が10質量%になるように溶媒Aを加え、スラリーBを調製した。
(工程(II))
ヘリカルリボン撹拌翼を備えた内容積:10Lのステンレス製オートクレーブの内部を、真空度4kPaAまで脱気した。また、オートクレーブのジャケットに、圧力:0.3MPaGのスチームを2kg/hの速度で流して加温した。
オートクレーブの撹拌機を85rpmの速度で回転させながら、スラリーBを連続的に移送し、重合媒体およびモノマーAを蒸発させて回収した。スラリーBを移送している間は、オートクレーブの内圧を2〜10kPaA、内温を55〜65℃(前記圧力におけるモノマーAの沸点は40〜70℃)、に維持するようにスラリーBの移送速度を調整し、75kgのスラリーBを3時間かけて処理した(単位当たりの平均供給量:25kg/h)。オートクレーブを冷却し、窒素ガスで常圧にしてから開放したところ、粒子状の含フッ素共重合体が得られた。また、回収した重合媒体およびモノマーAの混合液(溶液C)に含まれるアゾビスイソブチロニトリルは0.02質量%であった。
(工程(III))
内容積:94Lのステンレス製オートクレーブを真空に脱気した後、溶液Cの46.5kgとモノマーAの7kgを仕込み、窒素で0.22MPaGまで昇圧した後、反応器の内温が85℃になるまで昇温し、8時間加熱した。処理後の溶液CおよびモノマーAの混合液(溶液D)に含まれるアゾビスイソブチロニトリルは0.00001質量%以下であった。
得られた溶液Dを使用して、工程(I)及び工程(II)に従い含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体のイオン交換容量は1.07ミリ当量/グラム乾燥樹脂であり、TQ値は236℃であった。
また、得られた含フッ素共重合体を用いてイオン交換膜を作製し、評価を行ったところ、電解開始1週間後の電流効率は96.0%であった。
〔比較例1〕
(工程(I)、(II))
例1と同様にして、溶液C’を回収した。回収した溶液C’に含まれるアゾビスイソブチロニトリルは0.03質量%であった。
得られた溶液C’の46.5kgとモノマーAの7kgを使用して、工程(I)及び工程(II)に従い含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体のイオン交換容量は1.06ミリ当量/グラム乾燥樹脂であり、TQ値は233℃であった。
また、得られた含フッ素共重合体を用いてイオン交換膜を作製し、評価を行ったところ、電解開始1週間後の電流効率は93.5%であった。
〔実施例2〕
(工程(I))
内容積:94Lのステンレス製オートクレーブを真空に脱気した後、溶媒Aに下式(1−2)で表されるスルホン酸型官能基を有するペルフルオロビニルエーテル化合物(以下、モノマーBと記す。)を69.8質量%溶解させた溶液42.0kgを仕込み、反応器の内温が75℃になるまで昇温した。
CF=CF−O−CFCF(CF)OCFCF−SOF・・・(1−2)。
TFEを、反応器の内圧が1.085MPaGになるまで仕込み、さらに重合開始剤であるジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートを溶媒Aに0.16質量%溶解させた溶液の2.0Lを仕込んで重合を開始させた。重合反応中は、圧力が1.085MPaGに保持されるようにTFEを連続的に添加した。反応開始からのTFEの導入量が4.1kgとなった時点で反応器を40℃まで冷却した後、未反応のTFEを系外に放出して重合を終了させた。得られた含フッ素共重合体、溶媒AおよびモノマーBの混合物をスラリーEと呼ぶ。また、スラリーEに含まれる含フッ素共重合体の濃度が10質量%になるように溶媒Aを加え、スラリーFを調製した。
(工程(II))
ヘリカルリボン撹拌翼を備えた内容積:10Lのステンレス製オートクレーブの内部を、真空度4kPaAまで脱気した。また、オートクレーブのジャケットに、常圧のスチームを10kg/hの速度で流して加温した。
オートクレーブの撹拌機を150rpmの速度で回転させながら、スラリーFを連続的に移送し、重合媒体およびモノマーBを蒸発させて回収した。スラリーFを移送している間は、オートクレーブの内圧を2〜20kPaA、内温を55〜65℃(前記圧力におけるモノマーBの沸点は42〜90℃)に維持するようにスラリーFの移送速度を調整し、87kgのスラリーFを8時間かけて処理した(単位時間当たりの平均供給量:11kg/h)。オートクレーブを冷却し、窒素ガスで常圧にしてから開放したところ、粒子状の含フッ素共重合体が得られた。また、回収した重合媒体およびモノマーBの混合液(溶液G)に含まれるジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートは0.0007質量%であった。
(工程(III))
内容積:94Lのステンレス製オートクレーブを真空に脱気した後、溶液Gの25.6kgとモノマーBの12.7kgを仕込み、窒素で0.22MPaGまで昇圧した後、反応器の内温が85℃になるまで昇温し、8時間加熱した。処理後の溶液GおよびモノマーBの混合液(溶液H)に含まれるジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートは0.00001質量%以下であった。
得られた溶液Hを使用して、工程(I)及び工程(II)に従い含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体のイオン交換容量は1.10ミリ当量/グラム乾燥樹脂であり、TQ値は229℃であった。
また、得られた含フッ素共重合体を用いてイオン交換膜を作製し、評価を行ったところ、電解開始1週間後の電流効率は97.0%であった。
以上の結果から、本発明に係る実施例1,2においては、工程(II)によって含フッ素共重合体から分離した含フッ素モノマーを、工程(III)で加熱し、重合開始剤を分解処理することにより、未反応の含フッ素モノマーを効率よく回収・再使用できた。
本発明の含フッ素共重合体の製造方法によれば、未反応の含フッ素モノマーを効率よく回収・再使用できるため、塩化アルカリ電解用イオン交換膜に用いられる含フッ素共重合体を低コストで製造できる。

Claims (9)

  1. 下記の工程(I)〜(III)を有する、含フッ素共重合体の製造方法。
    (I)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとテトラフルオロエチレンとを重合媒体中で重合し、含フッ素共重合体、未反応モノマーおよび重合媒体を含む混合物を得る工程。
    (II)前記混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび重合媒体を蒸発させて回収する工程。
    (III)前記工程で回収した未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーおよび重合媒体の回収混合液を加熱して、重合開始剤を分解処理する工程。
  2. 下記の工程(I’)〜(III’)を有する、含フッ素共重合体の製造方法。
    (I’)重合開始剤の存在下にカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとテトラフルオロエチレンとを重合し、含フッ素共重合体および未反応モノマーを含む混合物を得る工程。
    (II’)前記混合物を、撹拌機付き蒸発容器に連続的または断続的に移送しつつ、該蒸発容器中にて撹拌しながら加熱することによって、未反応モノマーを蒸発させて回収する工程。
    (III’)前記工程で回収した未反応のカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーを加熱して、重合開始剤を分解処理する工程。
  3. 前記カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有するモノマーがパーフルオロモノマーである、請求項1または2に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
  4. 前記カルボン酸型官能基を有する含フッ素モノマーが、下式(1)で表わされるフルオロビニルエーテルである、請求項1または2に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
    CF=CF−(O)−(CH−(CFCFX)−(O)−(CF−(CFCFX’)−A ・・・(1)。
    ただし、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、X’は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、Aは、カルボン酸型官能基であり、pは、0または1であり、qは、0〜12の整数であり、rは、0〜3の整数であり、sは、0または1であり、tは、0〜12の整数であり、uは、0〜3の整数であり、1≦p+sであり、かつ1≦r+uである。
  5. 前記スルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーが、下式(2)、下式(3)または下式(4)で表わされるフルオロビニル、フルオロビニルエーテルである、請求項1または2に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
    CF=CF−O−Rf2−A ・・・(2)
    Figure 2014070081
    CF=CF−Rf2−A ・・・(4)
    ただし、Rf2は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキレン基であり、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよく、直鎖状または分岐状のいずれでもよく、Aは、スルホン酸型官能基である。
  6. 前記工程(III)において、加熱処理温度が、使用する重合開始剤の10時間半減期温度以上である請求項1、3〜5のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
  7. 前記工程(III’)において、加熱処理温度が、使用する重合開始剤の10時間半減期温度以上である請求項2〜5のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
  8. 前記工程(III)で処理された回収混合液を、前記工程(I)で使用する含フッ素モノマーの少なくとも一部として利用する請求項1、3〜6のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
  9. 前記工程(III’)で処理された含フッ素モノマーを、前記工程(I’)で使用する含フッ素モノマーの少なくとも一部として利用する請求項2〜5、7のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体の製造方法。
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