JP2014063930A - 電子制御装置 - Google Patents

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義夫 河合
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弘典 大橋
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Kumiko Yoshinaga
久美子 吉永
Eiji Ichikawa
英司 市川
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Abstract

【課題】発熱性部品からの熱を筐体部材側に熱伝導し易くし、筐体部材と回路基板との間における発熱性部品の周縁側のクリアランスを狭めて、放熱性の向上を図る。
【解決手段】回路基板4のケース13側の面4bに発熱性部品3を実装し、ケース12の底壁12aの内壁面12e側における前記発熱性部品3に対向する位置には、凹陥部5を形成する。この凹陥部5の内壁面5aと発熱性部品3との間には所望の大きさの部品クリアランスCaを設け、その部品クリアランスCaの箇所に放熱材6を介在させる。凹陥部5の周縁側で回路基板4のケース13側の面4bと底壁12aの内壁面12dとの間には、周縁クリアランスCbを設ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、筐体内部の保護空間に回路基板が収容された車両の電子制御装置に関する。
一般的なエンジンコントロールユニットや自動変速機用コントロールユニットなどの車両に搭載される電子制御装置は、複数の筐体部材を接合してなる筐体内部の保護空間(防水等が図られた空間)に、各種電子部品を実装した回路基板が収容された構造となっている。この回路基板には、コンデンサ等の電子部品の他に、演算処理装置(CPU),半導体スイッチング素子等のように動作に応じて発熱する発熱性電子部品(以下、発熱性部品)が実装されている。
このような発熱性部品等による筐体内部の熱を外部へ放熱する方法として、その発熱性部品等による熱を筐体部材の内壁面に熱伝導させて、その筐体部材の外壁面から大気中へ放熱する構造により、当該発熱性部品の高温化を抑制する手法が採用されている。このような構造としては、筐体部材の内壁面側における発熱性部品に対向した位置から突出した突起であって当該発熱性部品に近接(間隙を介して近接)する凸部を形成したり、その凸部と発熱性部品との間に熱伝導性材料等の放熱材を介在させる手法が知られている(例えば特許文献1)。
特開2006−86536号公報
しかしながら、前記のように発熱性部品に近接する凸部を筐体部材の内壁面側に形成したり放熱材を介在させた構造は、単に発熱性部品からの発熱を筐体部材側に熱伝導し易くした構造に過ぎず、筐体部材外壁面側から大気中への放熱が十分に行われない虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、放熱性を向上させた電子制御装置を提供することを目的としている。
この発明に係る電子制御装置は、前記の課題を解決できる創作であり、その一態様は、複数の筐体部材を接合してなる筐体内部の空間に、発熱する発熱性電子部品を一つ以上実装した回路基板が収容された電子制御装置であって、前記発熱性電子部品に対向した筐体部材は、その発熱性電子部品が対向する位置に凹陥部が形成されたことを特徴とする。
以上示したように本発明によれば、発熱性部品からの熱が凹陥部を介して筐体部材側に熱伝導し易くなり、筐体部材と回路基板との間における発熱性部品の周縁側のクリアランスを狭めることができ、放熱性の向上を図ることが可能となる。
本実施形態における電子制御装置の一例を示す分解斜視図(上方側からの斜視図)。 本実施形態における電子制御装置の一例を示す分解斜視図(下方側からの斜視図)。 ケース12の下方側からの概略説明図。 ケース12の部分断面図(図3のX−X線に沿う概略断面図)。 実施例1による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例2による凹陥熱を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例2による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例3による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例3による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例4による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例5による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図。 実施例5による凹陥部を形成した電子制御装置の概略説明図(図11のY−Y線に沿う概略断面図)。 従来法による電子制御装置の一例を示す概略説明図。 本実施形態による凹陥部の一例を示す概略説明図。
本発明の実施形態の電子制御装置は、複数の筐体部材を接合してなる筐体内部の空間に、発熱性部品を実装した回路基板を収容したものであり、例えば前述の従来法のように筐体部材の内壁面側における発熱性部品に対向した位置に当該発熱性部品に近接(間隙を介して近接)する凸部を形成するのではなく、当該対向した位置に対して凹陥部を形成したものである。
従来法のように凸部を形成するという技術的思想の場合、その凸部と発熱性部品とが互いに干渉(接触等)しないようにする点や、回路基板に実装された各種電子部品(発熱性部品を含む)のうち最も高さが大きい部品(以下、間隙目安部品と称する)と筐体部材とが干渉しないようにする点を考慮し、凸部の先端部と発熱性部品との間や間隙目安部品と筐体部材との間にクリアランス(隙間;以下、部品クリアランスと称する)を設けたり、発熱性部品に係るクリアランスには放熱材を介在させる等の手法が採られていた。しかしながら、この従来法の場合、例えば図13に示すように、間隙目安部品3aと筐体部材1との間に部品クリアランスCaを設けると、各種電子部品が実装されていない箇所(図13では発熱性部品3や間隙目安部品3aの周縁側)にもクリアランス(以下、周縁クリアランスと称する)Cbが形成される。そして、筐体部材1の内壁面側において、間隙目安部品3aよりも高さの低い発熱性部品3に対向する位置には、当該発熱性部品3との部品クリアランスCaを確保できるように凸部2を設けることになる。この凸部の高さH2は、周縁クリアランスCbから当該発熱性部品3の高さH1と部品クリアランスCaを差し引いた寸法を算出することにより、設定されることになる。
したがって、従来法の場合、間隙目安部品3aよりも高さ低い発熱性部品3の周縁側においても、周縁クリアランスCbの領域が存在することになり、この周縁クリアランスCbの領域に大きな中空部Vが形成されてしまう。この中空部Vは単なる空気等であり、筐体部材1等と比較して熱伝導性が悪いため、中空部Vの容量が大きいと放熱性の低下を招く虞がある。
一方、本実施形態のような構成によれば、図14に示すように、凹陥部5の内壁面と発熱性部品3との間において部品クリアランスCaを確保すれば良い。この凹陥部5は、前記のように発熱性部品3に対向するように形成するだけでなく、その他の各種電子部品(間隙目安部品3a等)に対向する位置にも形成して良い。例えば発熱性部品3の先端部が図示するように凹陥部5の開口位置にある場合、周縁クリアランスCbにおいては当該凹陥部5の開口位置(開口縁)から回路基板4までの寸法が基準となり、発熱性部品3の少なくとも一部(先端部側)が凹陥部5内に位置し当該凹陥部5の内壁面によって包覆されるようにした場合には、周縁クリアランスCbを更に狭めることが可能となる。すなわち、本実施形態による周縁クリアランスCbは、従来法のように間隙目安部品3aの高さに応じて設定される周縁クリアランスCbと比較して小さく、その周縁クリアランスCbの領域に形成され得る中空部Vの容量を減少させることができ、放熱性の向上を図ることが可能となる。
本実施形態の凹陥部は、筐体部材内壁面側の発熱性部品に対向した位置毎に形成しても良く、複数の発熱性部品(互いに近接する発熱性部品等)に対して一つの凹陥部を形成しても良いが、それら発熱性部品の形状,大きさ,高さ,実装位置等に応じて、当該凹陥部の形状,大きさ,深さ,形成箇所等を適宜設定して設けることが好ましい。例えば、発熱性部品の少なくとも一部が、凹陥部内に位置し当該凹陥部の内壁面によって包覆されるようにする場合、その凹陥部について、開口形状や底壁形状を発熱性部品の横断面形状(包覆される部分の横断面形状)よりも大きくし、その凹陥部内に位置する発熱性部品と当該凹陥部の内壁面(底壁等)との間に所望の部品クリアランスを確保できるように設定することが挙げられる。さらに、内壁面のうち側壁面をテーパー状にすることにより、底壁面積よりも開口面積が大きい凹陥部を形成しても良い。
また、前記のように凹陥部によって包覆された各発熱性部品間に対し、凹陥部から各発熱性部品間方向に突出形成した仕切り壁を介在(各発熱性部品と接触しないようにクリアランスを設けて介在)させた構成であっても良い。このような構成によれば、各発熱性部品間に筐体部材の一部(すなわち仕切り壁)を近接させることができ、放熱性をより向上させることが可能となる。
さらに、それぞれ形状(厚さ,大きさ等)が異なり互いに隣接する複数の発熱性部品に対して一つの凹陥部を形成する場合、その凹陥部の底壁面の形状については平坦なものに限定されることはなく、例えば各発熱性部品の高さが異なる場合には、それら各高さに合わせて段差状に形成して部品クリアランスを確保することが挙げられる。
凹陥部の内壁面と発熱性部品との間の部品クリアランスには、放熱材を配置しても良い。この放熱材としては、電子制御装置の分野で利用されているものであれば適宜適用可能であり、例えばシリコン系の樹脂材料から成りゲル状で弾性を有する放熱材が挙げられる。また、前記のように弾性を有する他に、例えば接着性を有し間隙に介在して位置ズレ,流出等が起こらないようにしたものや、耐環境性を有し放熱性を長期間保持できるようにしたものを適用することが好ましい。本実施形態においては、部品クリアランスに配置される放熱材が凹陥部の内壁面によって包囲されるため、その放熱材が部品クリアランスから位置ズレしたり流出することを抑制できることになる。
なお、例えば従来法のように凸部と発熱性部品との間に放熱材を介在させる場合、その凸部の周縁部に突起を設けることにより放熱材の流出等を抑制できるが(特許文献1等)、その突起と発熱性部品との間にも部品クリアランスを設ける必要があり、その結果、周縁クリアランスの増大を招くことにもなる。前記のような流出を想定して予め多量の放熱材を介在し残存(多少の流出が起こったとしても部品クリアランスに放熱材が残存)させる手法も考えられていたが、その放熱材の増加により高コスト化を招く虞があった。
また、本実施形態における凹陥部は、発熱性部品に対向する位置に限定して形成されるものではなく、例えば発熱性部品以外の電子部品(以下、非発熱性部品と称する)に対向する箇所にも形成しても良い。これにより、非発熱性部品が比較的高さを有するものであっても、その非発熱性部品に係る部品クリアランスを確保し易くなり、周縁クリアランスを狭めることも容易になる。この非発熱性部品の部品クリアランスに対して放熱材を介在させる必要は無い。
凹陥部が形成される筐体部材の外壁面側においては、形状等が特に限定されるものではないが、内壁面側の凹陥部等を反映した形状にすることが挙げられる。例えば、筐体部材の凹陥部が形成された箇所における外壁面側を凸状にし、当該筐体部材の周縁クリアランスの領域における外壁面側を凹状にすることが挙げられる。また、筐体部材の外壁面側に放熱フィン(例えば凹部底面から突出するピン状,短冊状等の放熱フィン)を設けた場合には、放熱表面積を大きくすることができ、より放熱し易くなる。この放熱フィンの形状は、特に限定されるものではないが、例えば複数個の放熱フィンの場合には互いに高さを合わせる等の調整を行うことにより、筐体の外観性を良好にしたり、電子制御装置のサイズを大きくせずに放熱性の向上を図ることが可能となる。
筐体部材に適用する材料は、特に限定されるものではないが、凹陥部を形成する筐体部材においては、熱伝導率の高い材料を適用することが好ましく、例えば金属材料(アルミニウム,鉄等)を型成形法,鋳造法(ダイカスト等)により所望の形状に一体成形して成るものが挙げられる。また、筐体部材の表面からの熱放射率を高める目的で、例えば筐体部材表面に薄膜の絶縁処理(例えば、アルマイト等の表面処理,カチオン電着等の塗装処理)を施しても良い。
筐体部材や回路基板が少なからず熱変形,撓み変形,振動変形,筐体内圧変形等による変形を起こし得る場合、その変形量を考慮した部品クリアランス,周縁クリアランスを適宜形成することになるが、例えば筐体部材や回路基板の固定箇所に近接した位置の変形量が比較的小さくても、その他の箇所(固定箇所から距離を隔てた位置)の変形量においては比較的大きくなるものと思われる。したがって、固定箇所から距離を隔てた箇所になるに連れて、部品クリアランス,周縁クリアランスを十分な大きさとすることが考えられる。
また、以上示したように凹陥部を形成する他に、筐体部材や回路基板に対して呼吸フィルタを設けて、放熱性を高めることが可能である。例えば、発熱性部品に対向する筐体部材において凹陥部の周縁側に対して呼吸フィルタを設けることが挙げられる。また、発熱性部品の実装位置における回路基板裏面側においても、当該発熱性部品の影響により高温の発熱部位となるため、その発熱部位に対向する筐体部材に対して、いわゆる呼吸フィルタを設けても良い。この呼吸フィルタ自体は特に限定されるものではなく、いわゆるスナップフィット型のものや溶着型(シール型)などを適宜適用することが可能である。
発熱性部品と非発熱性部品とにおいては、互いに所定距離を隔てて実装し、前記のように周縁クリアランスを形成することにより、その発熱性部品を非発熱性部品から熱的に隔離した状態にすることが可能となる。
<電子制御装置の構成例>
以下に、本実施形態に係る電子制御装置を、自動車のエンジンコントロールユニットに適用した一例について、図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1〜図4を参照して、複数の筐体部材(後述するケース12,カバー13等)を接合して成る筐体内部の空間に回路基板4を収容した電子制御装置10の基本構成について説明する。なお、ここでの説明においては、便宜上、図1の上下方向、つまり回路基板4の肉厚方向を装置10自体の上下方向として説明することがあるが、これは、車載状態での鉛直方向に必ずしも対応するものではなく、例えば車両搭載状態が縦置き姿勢の場合、図1の装置10の上下方向が自動車の前後方向に沿うものとなる。また、図1〜図4では便宜上、凹陥部,発熱性部品,放熱材等の説明を適宜省略し、後述の実施例で説明する。
この電子制御装置10は、車体側に取り付けられる略板状のケース12と略箱状のカバー13とを液密に接合(シール材を介して接合)してなる筐体と、この筐体内部の保護空間に収容され各種電子部品(後述の発熱性部品3や非発熱性部品14b等)を実装した回路基板4と、により大略構成されており、図示していないが、エンジンルーム等に搭載され、車体側への取付面となるケース12のブラケット23,24の底面において、車体側に取り付けられるものである。なお、車体側への取付面は、この実施形態ではケース12の底面と平行に構成されているが、車体側への取付部(ブラケット23,24)の形状等によってはケース12の底面に対して傾斜する場合もある。
各構成要素について具体的に説明すると、回路基板4は、その上方側面(カバー13側の面)4aには、コンデンサ,コイル等のような、比較的発熱しない、もしくは例えばヒートシンク等の特段の放熱処置を必要としない非発熱性部品14bが実装され、下方側面(ケース12側の面)4bには演算処理装置,トランジスタ,IC等の比較的発熱し易い発熱性部品3が実装された、いわゆるプリント配線基板であり、例えばガラスエポキシ樹脂等からなる板材の表裏面あるいはその内部に配線回路パターンが形成され、この配線回路パターンに発熱性部品3,非発熱性部品14bが半田等によりそれぞれ電気的に接続されている。
また、回路基板4の周縁側の一部には、外部のコネクタとそれぞれ接続される2つの第1,第2接続口16,17を有するコネクタ15が取り付けられている。このコネクタ15は、その接続先に応じて2つに分割された各接続口16,17が取付基部15aを介して一体化されたものであって、この取付基部15aを介して回路基板4に固定(例えば複数のビス等により固定)されている。このコネクタ15は、取付基部15aによって連結された一連の接続口16,17が、ケース12とカバー13との間に形成される空間である窓部13aを介して外部へと臨むようになっていて、ここにおいて車両側のコネクタと接続される。
コネクタ15には、回路基板4上の配線回路パターンに電気的に接続された複数の雄型端子16a,17aが設けられており、これらの雄型端子16a,17aが図外のコネクタに収容される複数の雌型端子と接続されることで、当該図外のコネクタ(雌型端子)に接続されるセンサー類やポンプ等の所定の機器と電気的に接続されることとなる。
ケース12は、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属材料によって略板状、より詳しくは周縁がわずかに立ち上がる浅い箱状に一体形成されたものである。具体的には、ほぼ矩形状の底壁12aの外周縁(各側辺)に側壁12bが立設され、全体が上方へ開口するように構成されている。側壁12bの四隅には、カバー13を取付固定するためのカバー固定部28が形成され、これら各カバー固定部28には上下方向に貫通する貫通孔28aが設けられている。
回路基板11の取付固定は、ケース12の底壁12aの内壁面側の周縁部に立設された基板固定部19を介して行われる。この基板固定部19は、その上端部に、回路基板4を支持する平坦状の支持面が構成されていて、これら各支持面には、回路基板4の固定に供する図外のビスが螺合する雌ねじ穴19aが形成されている。ビスが各雌ねじ穴19aに螺着されることによって、回路基板4が各基板固定部19に支持された状態でケース12に固定されることとなる。
また、ケース12における側壁12bの外側部には、電子制御装置10の車体(図示省略)への取付に供する一対のブラケット23,24が一体に設けられている。これらブラケット23,24には、上下方向に貫通する貫通孔23a,側方に開口する切欠溝24aがそれぞれ設けられていて、これら貫通孔23a,切欠溝24aを挿通するボルト等によって、車体側への取付が行われる。さらに、図3,図4(図3のX−X断面の一部)に示すように、ケース12における底壁12aの下方側の外壁面12bには、短冊状の放熱フィン12cが複数個それぞれ所定間隔を隔てて並列に設けられている。
カバー13は、金属材料に比べて軽量かつ低コストで所定の合成樹脂材料によって略箱状に一体成形されたものであり、回路基板4及びコネクタ15の上方を覆う上壁部25と、上記の窓部13aを除く上壁部25の周縁の三方を囲う側壁26と、を有している。なお、このカバー13に適用する材料においては、前述のようにケース12の材料(金属材料等)とは異なる材料(合成樹脂材料等)を適用しても良いが、ケース12の材料と同様のものを適用しても良い。
側壁26におけるケース12のカバー固定部28と対向する位置には、カバー固定部28の貫通孔28aに対して貫装可能な形状の位置決め突部27aが形成され、それら各位置決め突部27aがそれぞれ貫通孔28aに貫装されることによって、カバー13が各カバー固定部28に支持された状態でケース12に固定されることとなる。
ケース12の上側の周縁部とカバー13の下側の周縁部との接合部分、ケース12の上側の周縁部とコネクタ15の下側の周縁部との接合部分、更にはコネクタ15の外周部と窓部13aの内周縁部との接合部分は、それぞれ、防水性を確保するために、シール剤を介して液密に接合されている。詳しくは図示していないが、当該接合部分が平面状の場合には平面状のシールを形成したシール構造により、所期のシール性が得られるように構成することができる。また、接合部分の一方にシール溝を形成したり、他方に突条を設けておき、この突条をシール溝に隙間をもって入り込むようにすることで、シール溝と突条との隙間に充填されるシール剤の長さ、いわゆるシール長を十分に確保して、所期のシール性が得られるように構成することもできる。ここで、シール剤としては、流動性を有するシール剤であれば特に具体的な構成は限定されるものではなく、例えばエポキシ系やシリコーン系、アクリル系など、電子制御装置10の仕様や要求に応じて適宜に選択することができる。
上述したように、この装置10においては、回路基板4の一端に、側方へ開口するコネクタ15が取り付けられた構造となっている。この関係で、カバー13は、基板の肉厚方向の寸法(高さ)が異なる回路基板4とコネクタ15のそれぞれに応じた段付形状をなしている。具体的には、回路基板4及びコネクタ15を挟んでケース12と対向するカバーの上壁部25には、ケース12の取付面19に平行な上段部29と下段部30とが設けられている。コネクタ15の上方を覆う上段部29は、回路基板4の上方を覆う下段部30に対して、基板厚さ方向の寸法が大きく設定されている。そして、このように高さの異なる上段部29と下段部30とを滑らかに繋ぐ傾斜壁部31が設けられている。この傾斜壁部31は、ケース12の底壁12aに対して所定の傾斜角度、例えば約45度の傾斜角度で平坦に傾斜しており、従って、上段部29や下段部30に対しても同じ傾斜角度で傾斜している。また、傾斜壁部31には、いわゆる呼吸フィルタを形成する目的で肉厚方向に貫通して形成される通気孔32を保護するために、防護壁33が設けられる。通気孔32は、防水性及び通気性の双方を併せ持つゴアテックス(登録商標)などの薄膜状の通気防水膜(図示省略)が取り付けられたものであって、防護壁33により、例えば洗車時等に高温・高圧の水が通気防水膜へ直接吹き付けられないように保護される。
次に、このような本実施形態の電子制御装置10における放熱部の実施例を説明する。
<実施例1>
図5(図3のX−X断面の一部。なお、放熱フィン12cは便宜上省略)は、凹陥部を形成した電子制御装置の一例を説明するためのものであり、回路基板4の下方側面(ケース13側の面)4bに、それぞれ高さの異なる複数個の発熱性部品3が実装されている。また、ケース12の底壁12aの内壁面12e側においては、発熱性部品3に対向する位置に凹陥部5がそれぞれ形成されている。これら凹陥部5は、その内壁面5aのうち側壁面5bがテーパー状に成形され、当該内壁面5aによって発熱性部品3の外周側を包覆している。また、凹陥部5の内壁面5aと発熱性部品3との間には所望の大きさの部品クリアランスCaが設けられ、その凹陥部5の周縁側で回路基板4の下方側面4bと底壁12aの内壁面12dとの間には周縁クリアランスCbが設けられている。
なお、部品クリアランスCaの箇所には適宜放熱材6を介在させても良く、例えば図示するように、発熱性部品3の先端部と凹陥部5内の底壁面5cとの間に介在させたり、凹陥部5内に放熱材6を充填して穴埋めするように設けても良い。また、凹陥部5の表面に薄膜の絶縁処理(例えば、アルマイト等の表面処理,カチオン電着等の塗装処理)を施しても良い。
図5に示したように、ケース12における発熱性部品3に対向する位置に凹陥部を形成したことにより、その発熱性部品3の周縁側の周縁クリアランスを狭めることができると共に、発熱性部品3からの熱をケース12側に熱伝導させ易くすることができ、放熱性の向上を図ることが可能となる。また、凹陥部5内に放熱材を介在させる場合には、その凹陥部5の内壁面5aによって放熱材が包囲されることになるため、その放熱材の位置ズレや流出を抑制することができ、高コスト化を抑制することが可能となる。
<実施例2>
図6,図7は実施例1の変形例を説明するための概略図である。図6においては、カバー13に溶着型(シール型)の呼吸フィルタ7を設けた一例を示すものであって、回路基板4における発熱性部品3の上方側(裏面側)の発熱部位(上方側面4a)に対向した位置に設けられている。この呼吸フィルタ7は、カバー13に形成された通気孔7aと、その通気孔7aに取り付けられた薄膜状の通気防水膜7bと、を具備している。また、図7においては、スナップフィット型の呼吸フィルタ7を設けた一例を示すものであって、通気性,防水性を備えたフィルタ本体7cと、そのフィルタ本体7cを所謂スナップフィット方式によりカバー13に対して係合保持するスナップフィット部7dと、を具備して成る。
図6,図7に示したように呼吸フィルタ7を設けることにより、例えば凹陥部5から放熱されずに回路基板4とカバー13との間に存在する熱を当該呼吸フィルタ7によって筐体外部へ放熱し易くなり、放熱性の向上を図ることが可能となる。
<実施例3>
図8,図9は実施例2の変形例を説明するための概略図であり、図8においては、底壁12aにおける周縁クリアランスCbの領域の位置に溶着型(シール型)の呼吸フィルタ7が設けられている。また、図9においては、スナップフィット型の呼吸フィルタ7を設けた一例を示すものであって、図8同様に底壁12aにおける周縁クリアランスCbの領域の位置に設けられている。
図8,図9に示したように呼吸フィルタ7を設けることにより、例えば凹陥部5から放熱されずに周縁クリアランスCbの領域に存在する熱を当該呼吸フィルタ7によって筐体外部へ放熱し易くなり、放熱性の向上を図ることが可能となる。
<実施例4>
図10は、実施例1の変形例を説明するための概略図であり、筐体部材や回路基板が変形し得ることを想定して部品クリアランスを設定する一例を示すものであって、各発熱性部品3に対するそれぞれの部品クリアランスCa1〜Ca3がCa1>Ca2>Ca3の関係式を満たすようにし、基板固定部19から距離を隔てた箇所になるに連れて順次大きくなるように設定している。
図10に示したように各発熱性部品3に対する部品クリアランスCa1〜Ca3を基板固定部19からの距離に応じて設定することにより、底壁12aや回路基板4の熱変形等による変形に応じて必要十分な部品クリアランスを保つことができ、例えば周縁クリアランスの領域の中空部を増大させることなく発熱性部品3と底壁12aとが互いに干渉しないように抑制でき、放熱性の向上を図ることが可能となる。
<実施例5>
図11,図12(図11のY−Y断面の一部)は、実施例4の変形例を説明するための概略図であり、発熱性部品3を所定の領域に実装し他の電子部品(非発熱性部品等)から距離を隔てるようにした場合の一例を示すものであって、発熱性部品3が回路基板4における基板固定部19に近接した領域に対して実装し、その実装された発熱性部品3に応じて凹陥部5,部品クリアランスCa,放熱フィン12cが設けられている。
図11,図12に示したように発熱性部品3を実装することにより、他の電子部品との間に距離(幅の広い周縁クリアランスによる距離)を隔てることができ、発熱性部品による熱が他の電子部品に影響しないように抑制できる。また、基板固定部19に近接した領域に実装したことにより、例えば周縁クリアランスの領域の中空部を増大させることなく発熱性部品3と底壁12aとが互いに干渉しないように抑制でき、放熱性の向上を図ることが可能となる。
なお、図1〜図4に示したような電子制御装置で実施例1〜5に示すように凹陥部を形成した構成について、CAE熱解析法により装置動作時の最大発熱部位の温度ΔTの解析を行ったところ、従来法による電子制御装置の場合には例えばΔT35.5℃であったのに対し、本実施例1〜5による電子制御装置の場合には例えばΔT33.0℃〜ΔT30.7℃という結果が得られた。このCAE熱解析結果から、本実施形態による電子制御装置によれば、従来法による電子制御装置と比較して、放熱性が数%〜数十%程度向上するものと判断できる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変更等が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変更等が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
3…発熱性電子部品
4…回路基板
5…凹陥部
6…放熱材
7…呼吸フィルタ
12…ケース
13…カバー
Ca,Cb…クリアランス
V…中空部

Claims (3)

  1. 複数の筐体部材を接合してなる筐体内部の空間に、発熱する発熱性電子部品を一つ以上実装した回路基板が収容された電子制御装置であって、
    前記発熱性電子部品に対向した筐体部材は、その発熱性電子部品が対向する位置に凹陥部が形成されたことを特徴とする電子制御装置。
  2. 前記凹陥部と発熱性電子部品との間に放熱材が介在したことを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
  3. 前記発熱性電子部品の少なくとも一部が、凹陥部の内壁面により包覆されていることを特徴とする請求項1記載の電子制御装置。
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