JP2014054631A - 水素精製フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】水素精製において優れた水素透過効率を示す安価な水素精製フィルタを提供する。
【解決手段】水素精製フィルタを、複数の孔部4からなる孔部領域3を有する多孔支持体2と、多孔支持体2の一方の面に孔部領域3を覆うように配設されたPdまたはPd合金からなる水素透過膜6とを備えたものとし、水素透過膜6は孔部領域3の周辺部3aにてPd層7またはPd合金層7を介して多孔支持体2に接合され、周辺部3aの幅は該幅方向での孔部領域3の長さの2.5〜25%の範囲であり、周辺部3aの面積は孔部領域3の面積の10〜75%の範囲であり、接合部位よりも内側の孔部領域3では、多孔支持体2と水素透過膜6が接合されておらず、かつ、多孔支持体2にPd層7またはPd合金層7が存在しないか、あるいは痕跡程度に存在するものとした。
【選択図】 図2
【解決手段】水素精製フィルタを、複数の孔部4からなる孔部領域3を有する多孔支持体2と、多孔支持体2の一方の面に孔部領域3を覆うように配設されたPdまたはPd合金からなる水素透過膜6とを備えたものとし、水素透過膜6は孔部領域3の周辺部3aにてPd層7またはPd合金層7を介して多孔支持体2に接合され、周辺部3aの幅は該幅方向での孔部領域3の長さの2.5〜25%の範囲であり、周辺部3aの面積は孔部領域3の面積の10〜75%の範囲であり、接合部位よりも内側の孔部領域3では、多孔支持体2と水素透過膜6が接合されておらず、かつ、多孔支持体2にPd層7またはPd合金層7が存在しないか、あるいは痕跡程度に存在するものとした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、水素精製用フィルタに係り、特に各種の炭化水素系燃料を水蒸気改質して水素リッチガスを生成するための改質器等に使用する水素精製フィルタに関する。
近年、地球規模の環境やエネルギー・資源の問題が顕在化し、これらと産業との調和を図るエネルギー供給システムの一つとして燃料電池が注目されている。燃料電池は、予め用意した水素ガスや、天然ガス、ガソリン、ブタンガス、メタノール等の炭化水素系燃料を改質して得られる水素リッチガスを、空気中の酸素と電気化学的に反応させて直接電気を取り出す発電装置である。上記の水素リッチガスを用いる燃料電池は炭化水素系燃料を水蒸気改質して水素リッチガスを生成する改質器と、電気を発生させる燃料電池本体と、発生した直流電気を交流に変換する変換器等で構成されている。
このような燃料電池は、燃料電池本体に使用する電解質、反応形態等により、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体電解質型燃料電池(SOFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体高分子型燃料電池(PEFC)の5種類がある。このうち、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)等の他の燃料電池と比較して、電解質が固体である点において有利な条件を備えている。
このような燃料電池は、燃料電池本体に使用する電解質、反応形態等により、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体電解質型燃料電池(SOFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体高分子型燃料電池(PEFC)の5種類がある。このうち、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)等の他の燃料電池と比較して、電解質が固体である点において有利な条件を備えている。
しかし、固体高分子型燃料電池(PEFC)は触媒に白金を使用し、かつ、作動温度が低いため、電極触媒が少量のCOによって被毒し、特に高電流密度領域において性能劣化が著しいという欠点がある。このため、改質器で生成された改質ガス(水素リッチガス)に含有されるCO濃度を10ppm程度まで低減する必要がある。
改質ガスからCOを除去して水素を精製する手段の一つとして、Pd合金膜を備えた水素精製フィルタが開発されており、Pd合金膜は、膜にピンホールやクラック等がなければ原理的には水素のみが透過可能であり、改質ガス側を高温高圧(例えば、500℃、3〜10kg/cm2(0.29〜0.98MPa))とすることにより、低水素分圧側に水素を透過する。
改質ガスからCOを除去して水素を精製する手段の一つとして、Pd合金膜を備えた水素精製フィルタが開発されており、Pd合金膜は、膜にピンホールやクラック等がなければ原理的には水素のみが透過可能であり、改質ガス側を高温高圧(例えば、500℃、3〜10kg/cm2(0.29〜0.98MPa))とすることにより、低水素分圧側に水素を透過する。
上記のようなPd合金膜を使用した水素精製法では、水素の透過速度は膜厚に反比例するため薄膜化が要求されるが、Pd合金膜は機械的強度の面から、単体では30μm程度までの薄膜化が限度であり、膜厚が十数μm程度のPd合金膜を使用する場合には、Pd合金膜の低水素分圧側に多孔構造の支持体を配置していた。しかし、Pd合金膜と支持体とを別体で改質器に装着するので、良好なシーリングを得るための作業性が悪く、また、Pd合金膜と支持体との擦れが生じてPd合金膜の耐久性が十分ではないという問題があった。
上記の問題を解消するために、支持体上に直接Pd合金膜を形成し、Pd合金膜と支持体とを一体化した水素精製フィルタが開発されている。例えば、金属支持体の片面にPd合金膜を形成し、この金属支持体に片面エッチングにより細孔を形成して第1支持体とし、上記のPd合金膜上に、エッチングにより予め貫通孔が形成された第2支持体を積層して製造された水素精製フィルタがある(特許文献1)。また、仮支持体上にPd合金膜を形成し、このPd合金膜上にレジストパターンを形成し、次に、Pd合金膜の30〜95%を覆うように、微細な開口部を有する金属ベース膜を電気めっきで形成し、その後、仮支持体を除去することにより製造された水素精製フィルタがある(特許文献2)。
上記の問題を解消するために、支持体上に直接Pd合金膜を形成し、Pd合金膜と支持体とを一体化した水素精製フィルタが開発されている。例えば、金属支持体の片面にPd合金膜を形成し、この金属支持体に片面エッチングにより細孔を形成して第1支持体とし、上記のPd合金膜上に、エッチングにより予め貫通孔が形成された第2支持体を積層して製造された水素精製フィルタがある(特許文献1)。また、仮支持体上にPd合金膜を形成し、このPd合金膜上にレジストパターンを形成し、次に、Pd合金膜の30〜95%を覆うように、微細な開口部を有する金属ベース膜を電気めっきで形成し、その後、仮支持体を除去することにより製造された水素精製フィルタがある(特許文献2)。
しかしながら、上記の特許文献1の水素精製フィルタでは、形成された細孔の内径がPd合金膜側で小さく水素透過効率が低いものとなり、一方、水素透過効率を高めるため、細孔の内径を大きくすると、Pd合金膜の形成時の残留応力によって第1支持体に反りが発生し易くなるという問題があった。さらに、第2支持体とPd合金膜は接合されておらず、第2支持体の支持体としての機能が十分に発現されず、強度が低いという問題があった。
また、上記の特許文献2の水素精製フィルタでは、仮支持体上に成膜されたPd合金膜の密着力が弱く、工程中に剥離を生じ易いという問題があった。また、レジストパターンの厚みが薄いと、電気めっきにて形成する金属ベース膜がレジストパターンの開口部を塞いでしまい、一方、レジストパターンを厚くすると、形成した金属ベース膜の微細な開口部にレジストが残存し易いという問題もあった。さらに、Pd合金膜上への金属ベース膜の電気めっきによる形成に長時間を要し、また、充分な強度を有する厚みの大きな金属ベース膜の形成が困難であるという問題があった。
また、上記の特許文献2の水素精製フィルタでは、仮支持体上に成膜されたPd合金膜の密着力が弱く、工程中に剥離を生じ易いという問題があった。また、レジストパターンの厚みが薄いと、電気めっきにて形成する金属ベース膜がレジストパターンの開口部を塞いでしまい、一方、レジストパターンを厚くすると、形成した金属ベース膜の微細な開口部にレジストが残存し易いという問題もあった。さらに、Pd合金膜上への金属ベース膜の電気めっきによる形成に長時間を要し、また、充分な強度を有する厚みの大きな金属ベース膜の形成が困難であるという問題があった。
このような従来の水素精製フィルタの問題点を解決するために、仮支持体の一方の平坦面にPdまたはPd合金からなる水素透過膜を形成し、これとは別に、支持体部材に両面エッチングにより複数の孔部を穿設して多孔支持体を作製し、この多孔支持体を上記の水素透過膜に間隙を設けて対向させ、間隙に電気めっきによりPdまたはPd合金を析出させてPd層またはPd合金層を形成することにより、多孔支持体を水素透過膜に接合し、その後、仮支持体を選択エッチングにより除去して製造された水素精製フィルタがあった(特許文献3)。
上述の特許文献3の水素精製フィルタは、接合部材であるPd層またはPd合金層も水素透過領域となり、水素透過可能な面積が広く水素透過効率が高いものである。
しかし、特許文献3の水素精製フィルタでは、水素透過に寄与しない多孔支持体の孔部壁面や多孔支持体の反対面(PdまたはPd合金からなる水素透過膜が接合されていない面)にも電気めっきによりPdまたはPd合金が析出してしまい、製造コストの低減に限界があった。また、水素透過膜のうち、接合部材であるPd層またはPd合金層を介して多孔支持体に接合されている部位は、接合部材が水素透過能をもたない金属部材である場合に比べると水素透過に寄与するものの、多孔支持体の孔部に位置する水素透過膜に比較すると水素透過効率が低く、水素精製フィルタの水素透過効率の向上には限界があった。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、水素精製において優れた水素透過効率を示す安価な水素精製フィルタを提供することを目的とする。
しかし、特許文献3の水素精製フィルタでは、水素透過に寄与しない多孔支持体の孔部壁面や多孔支持体の反対面(PdまたはPd合金からなる水素透過膜が接合されていない面)にも電気めっきによりPdまたはPd合金が析出してしまい、製造コストの低減に限界があった。また、水素透過膜のうち、接合部材であるPd層またはPd合金層を介して多孔支持体に接合されている部位は、接合部材が水素透過能をもたない金属部材である場合に比べると水素透過に寄与するものの、多孔支持体の孔部に位置する水素透過膜に比較すると水素透過効率が低く、水素精製フィルタの水素透過効率の向上には限界があった。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、水素精製において優れた水素透過効率を示す安価な水素精製フィルタを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、複数の孔部からなる孔部領域を有する多孔支持体と、該多孔支持体の一方の面に前記孔部領域を覆うように配設されたPdまたはPd合金からなる水素透過膜とを備えた水素精製フィルタにおいて、前記多孔支持体が有する前記孔部は開口径が15〜150μmの範囲内にある貫通孔形状の孔部であり、前記多孔支持体は少なくとも前記水素透過膜が配設されている面に拡散防止層を備え、該拡散防止層は窒化チタン、炭化チタン、窒化タンタル、炭化タンタル、窒化クロムの少なくとも1種からなる導電性を有する薄膜であり、前記水素透過膜は前記孔部領域の周辺部にてPd層またはPd合金層を介して前記多孔支持体が備える拡散防止層に接合されており、前記周辺部の幅は該幅方向での前記孔部領域の長さの2.5〜25%の範囲であり、前記周辺部の面積は前記孔部領域の面積の10〜75%の範囲であり、該接合部位よりも内側の前記孔部領域では、前記多孔支持体と前記水素透過膜は接合されておらず、かつ、前記多孔支持体にPd層またはPd合金層が存在しないか、あるいは痕跡程度に存在するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記多孔支持体は、ステンレス鋼であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記多孔支持体の厚みは10〜50μmの範囲内であり、前記水素透過膜の厚みは1〜5μmの範囲内であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記多孔支持体の厚みは10〜50μmの範囲内であり、前記水素透過膜の厚みは1〜5μmの範囲内であるような構成とした。
本発明の水素精製フィルタは、多孔支持体と水素透過膜とが孔部領域の周辺部でPd層またはPd合金層で接合されているので、水素透過膜は多孔支持体で確実に支持され耐久性に優れるとともに、孔部領域のうち接合部位よりも内側の領域では多孔支持体と水素透過膜は接合されていないので、この領域では、多孔支持体の孔部非形成部位の直下に位置する水素透過膜も、孔部に位置する水素透過膜と同等の水素透過性能を発現することができ、水素透過可能な面積が大幅に拡大し、かつ、接合部材であるPd層またはPd合金層も水素透過領域となり、水素透過効率が極めて高いものである。また、接合部位よりも内側の孔部領域では、多孔支持体にPd層またはPd合金層が存在しないか、あるいは、存在するにしても痕跡程度であるため、水素透過に寄与しない高価なPdの量が大幅に削減されており、従来より安価な水素精製フィルタである。また、多孔支持体の少なくとも水素透過膜が配設されている面に拡散防止層を備える場合には、Pd層またはPd合金層や水素透過膜への多孔支持体の構成材料の拡散が確実に防止され、高温下での長時間の使用でも高い水素透過率が維持される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[水素精製フィルタ]
図1は、本発明の水素精製フィルタの一実施形態を示す平面図であり、図2は図1に示される水素精製フィルタのI−I線における拡大断面図である。図1および図2において、水素精製フィルタ1は、複数の微細な孔部4からなる孔部領域3(図1では、斜線を付して示している)を有する多孔支持体2と、この多孔支持体2の一方の面2a側に配設されたPdまたはPd合金からなる水素透過膜6を備えるものである。尚、図1では、多孔支持体2側から見た平面を示しており、図2における孔部4の数、大きさは便宜的なものである。
[水素精製フィルタ]
図1は、本発明の水素精製フィルタの一実施形態を示す平面図であり、図2は図1に示される水素精製フィルタのI−I線における拡大断面図である。図1および図2において、水素精製フィルタ1は、複数の微細な孔部4からなる孔部領域3(図1では、斜線を付して示している)を有する多孔支持体2と、この多孔支持体2の一方の面2a側に配設されたPdまたはPd合金からなる水素透過膜6を備えるものである。尚、図1では、多孔支持体2側から見た平面を示しており、図2における孔部4の数、大きさは便宜的なものである。
この水素精製フィルタ1では、孔部領域3の周辺部3a(図1では、孔部領域3のうち、鎖線で示した部位よりも外側の回廊形状の領域)にてPd層7またはPd合金層7を介して水素透過膜6が多孔支持体2に接合されている。また、孔部領域3のうち、この接合部位よりも内側の領域では、多孔支持体2と水素透過膜6は接合されておらず、両者は間隙を介して対向した状態か、あるいは、当接した状態となっている。図2では、多孔支持体2と水素透過膜6との間に間隙Gが存在している状態を示している。さらに、孔部領域3のうち、多孔支持体2と水素透過膜6との接合部位よりも内側の領域では、多孔支持体2にPd層7またはPd合金層7が存在しないか、あるいは、存在するにしても痕跡程度である。ここで、痕跡程度とは、Pd層7またはPd合金層7が存在しているものの、多孔支持体2はPd層7またはPd合金層7により完全に被覆されておらず一部が露出している状態を意味する。
水素精製フィルタ1を構成する多孔支持体2は、SUS304、SUS430等のオーステナイト系、フェライト系のステンレス鋼等の材料を用いて作製することができ、厚みは10〜50μmの範囲内で適宜設定することができる。図示例では、多孔支持体2は長方形状であるが、これに限定されず、他の多角形状であってもよく、また、円形状、楕円形状等であってもよい。
この多孔支持体2が有する孔部4は、開口径が15〜150μmの範囲であることが好ましい。また、水素透過膜6の配設領域における孔部4の開口の合計面積は、水素透過膜6の面積の20〜80%を占めることが好ましい。尚、多孔支持体2の厚み方向において孔部4の開口径に差がある場合には、上記開口径は最小開口径を意味する。このような複数の孔部4からなる孔部領域3の形状、大きさは適宜設定することができる。
この多孔支持体2が有する孔部4は、開口径が15〜150μmの範囲であることが好ましい。また、水素透過膜6の配設領域における孔部4の開口の合計面積は、水素透過膜6の面積の20〜80%を占めることが好ましい。尚、多孔支持体2の厚み方向において孔部4の開口径に差がある場合には、上記開口径は最小開口径を意味する。このような複数の孔部4からなる孔部領域3の形状、大きさは適宜設定することができる。
また、水素透過膜6が多孔支持体2に接合されている部位(孔部領域3の周辺部3a)の幅、形状は、多孔支持体2への水素透過膜6の接合強度と水素透過率とを考慮して適宜設定することができる。例えば、周辺部3aの幅を、その幅方向と同じ方向での孔部領域3の長さの2.5〜25%となるような大きさとし、周辺部3aの面積を孔部領域3の面積の10〜75%の範囲とし、周辺部3aの幅方向(孔部領域3に向う方向)において、孔部4が2個以上存在(図2参照)するように設定することができる。周辺部3aの幅が孔部領域3の長さの2.5%未満であったり、周辺部3aの面積が孔部領域3の面積の10%未満であると、多孔支持体2への水素透過膜6の接合強度が不十分となるおそれがあり、周辺部3aの幅が孔部領域3の長さの25%を超えたり、周辺部3aの面積が孔部領域3の面積の75%を超えると、本発明の効果が十分に奏されないことがある。
水素精製フィルタ1を構成する水素透過膜6は、PdまたはPd合金からなる薄膜である。Pd合金からなる水素透過膜6としては、例えば、Pd含有量が60重量%以上であり、添加元素としてAg、Cu、Pt、Au、Ni、Co、V、Nb、Ta、Zr等の1種あるいは2種以上を含有するものであってよい。このような水素透過膜6の厚みは、水素透過速度向上の点から薄いほど好ましいが、例えば、1〜5μmの範囲内で適宜設定することができる。
水素精製フィルタ1を構成するPd層7またはPd合金層7は、孔部領域3の周辺部3aにおいて多孔支持体2と水素透過膜6とを接合するものであり、Pd合金層7は、Pd含有量が60重量%以上であり、添加元素としてAg、Cu、Pt、Au、Ni、Co、V、Nb、Ta、Zr等の1種あるいは2種以上を含有する層であってよい。このようなPd層7またはPd合金層7の厚みは、例えば、0.1〜3μm、好ましくは0.5〜2μmの範囲で設定することができる。
水素精製フィルタ1を構成するPd層7またはPd合金層7は、孔部領域3の周辺部3aにおいて多孔支持体2と水素透過膜6とを接合するものであり、Pd合金層7は、Pd含有量が60重量%以上であり、添加元素としてAg、Cu、Pt、Au、Ni、Co、V、Nb、Ta、Zr等の1種あるいは2種以上を含有する層であってよい。このようなPd層7またはPd合金層7の厚みは、例えば、0.1〜3μm、好ましくは0.5〜2μmの範囲で設定することができる。
このような水素精製フィルタ1は、多孔支持体2と水素透過膜6とが孔部領域3の周辺部3aでPd層7またはPd合金層7で接合されているので、水素透過膜6は多孔支持体2で確実に支持され耐久性に優れている。また、孔部領域3のうち接合部位よりも内側の領域では多孔支持体2と水素透過膜6は接合されていないので、多孔支持体2の孔部非形成部位の直下に位置する水素透過膜6も、孔部4に位置する水素透過膜6と同等の水素透過性能を発現することができ、かつ、接合部材であるPd層7またはPd合金層7も水素透過領域となり、水素透過可能な面積が大幅に拡大して水素透過効率が高いものである。また、孔部領域3のうち接合部位よりも内側の領域では、多孔支持体2にPd層7またはPd合金層7が存在しないか、あるいは、存在するにしても痕跡程度であるため、水素透過に寄与しない高価なPdの量が大幅に削減されたものである。
図3は、本発明の水素精製フィルタの他の実施形態を示す図2相当の拡大断面図である。図3において、水素精製フィルタ1′は、多孔支持体2の水素透過膜6が配設されている面2aに拡散防止層9を備える他は、上述の水素精製フィルタ1と同様であり、共通する部材には同じ部材番号を付して示し、ここでの説明は省略する。
水素精製フィルタ1′を構成する拡散防止層9は、Pd層7またはPd合金層7中へ、さらに水素透過膜6中へ、多孔支持体2の構成材料が拡散するのを防止し、かつ、多孔支持体2とPd層7またはPd合金層7に対して高い密着性を確保するための層である。このような拡散防止層9は、Ti、Ta、Si、Al、Mg、Ce、Cr、Ca、Zr等から選択される1種以上の元素の窒化物、酸化物、炭化物からなる導電性を有する薄膜であり、例えば、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化タンタル(TaN)、炭化タンタル(TaC)、窒化クロム(CrN)等の薄膜とすることができる。また、拡散防止層9として、Zr、Mo、Ta、W、Cr、Hf、Nb、Ru等の高融点金属からなる水素透過性を有する薄膜であってもよい。このような拡散防止層9の厚みは適宜設定することができ、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.5〜2μm程度とすることができる。尚、拡散防止層9は多孔支持体2の全面に設けられていてもよい。
水素精製フィルタ1′を構成する拡散防止層9は、Pd層7またはPd合金層7中へ、さらに水素透過膜6中へ、多孔支持体2の構成材料が拡散するのを防止し、かつ、多孔支持体2とPd層7またはPd合金層7に対して高い密着性を確保するための層である。このような拡散防止層9は、Ti、Ta、Si、Al、Mg、Ce、Cr、Ca、Zr等から選択される1種以上の元素の窒化物、酸化物、炭化物からなる導電性を有する薄膜であり、例えば、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化タンタル(TaN)、炭化タンタル(TaC)、窒化クロム(CrN)等の薄膜とすることができる。また、拡散防止層9として、Zr、Mo、Ta、W、Cr、Hf、Nb、Ru等の高融点金属からなる水素透過性を有する薄膜であってもよい。このような拡散防止層9の厚みは適宜設定することができ、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.5〜2μm程度とすることができる。尚、拡散防止層9は多孔支持体2の全面に設けられていてもよい。
このような水素精製フィルタ1′は、上述の水素精製フィルタ1と同様の効果を奏するとともに、Pd層7またはPd合金層7や水素透過膜6への多孔支持体2の構成材料の拡散が確実に防止され、高温下での長時間の使用でも高い水素透過効率が維持される。
上述の実施形態は例示であり、本発明の水素精製フィルタは、これらに限定されるものではない。
上述の実施形態は例示であり、本発明の水素精製フィルタは、これらに限定されるものではない。
[水素精製フィルタの製造方法]
次に、本発明の水素精製フィルタの製造方法を説明する。
図4は、本発明の水素精製フィルタの製造方法の一実施形態を、上述の本発明の水素精製フィルタ1を例として示す工程図である。
本発明の製造方法は、まず、膜形成工程において、仮支持体8の一方の平坦面にPdまたはPd合金からなる水素透過膜6を形成する(図4(A))。仮支持体8は、別工程にて作製される多孔支持体2に対して選択的にエッチング可能な材料からなるものであり、例えば、多孔支持体2がSUS304、SUS430等のオーステナイト系、フェライト系のステンレス鋼である場合には、銅、ニッケル等とすることができる。尚、仮支持体8の水素透過膜6を形成しない面は平坦面でなくてもよい。
次に、本発明の水素精製フィルタの製造方法を説明する。
図4は、本発明の水素精製フィルタの製造方法の一実施形態を、上述の本発明の水素精製フィルタ1を例として示す工程図である。
本発明の製造方法は、まず、膜形成工程において、仮支持体8の一方の平坦面にPdまたはPd合金からなる水素透過膜6を形成する(図4(A))。仮支持体8は、別工程にて作製される多孔支持体2に対して選択的にエッチング可能な材料からなるものであり、例えば、多孔支持体2がSUS304、SUS430等のオーステナイト系、フェライト系のステンレス鋼である場合には、銅、ニッケル等とすることができる。尚、仮支持体8の水素透過膜6を形成しない面は平坦面でなくてもよい。
また、水素透過膜6は、仮支持体8が銅等のような導電性材料である場合には、電気めっきによりPdを仮支持体8上に析出させて形成することができる。また、電気めっきにより、Pd合金を構成する各成分の薄膜を仮支持体8上に積層し、その後、熱処理を施して成分拡散によりPd合金膜を形成して水素透過膜6を形成することもできる。この場合、例えば、めっきによりPdを3μmの厚みで形成し、この上にめっきによりAgを1μmの厚みで形成し、その後、500℃、24時間の熱処理を施すことによりPd合金化することができる。また、Pd/Ag/Pd3層、Pd/Ag/Pd/Ag4層等の多層めっきを行った後、熱処理を施してもよい。また、仮支持体8が導電性を具備しない場合には、無電解めっきにより、あるいは、無電解めっきと電気めっきを組み合わせて水素透過膜6を形成することができる。このように形成する水素透過膜6の厚みは1〜5μm程度とすることができる。
一方、エッチング工程にて、導電性部材からなる支持体部材に、両面エッチングにより複数の孔部4を穿設して、これらの孔部4からなる孔部領域3を有する多孔支持体2を作製する(図4(B))。多孔支持体2を作製するための支持体部材は、上述のように、仮支持体8を選択エッチングすることができる導電性部材であり、例えば、SUS304、SUS430等のオーステナイト系、フェライト系のステンレス鋼等を用いることができ、厚みは10〜50μmとすることが好ましい。
孔部4の穿設は、孔部4対応する開口部を有するレジストパターンを支持体部材の両面に形成し、スプレー方式、浸漬方式、吹きかけ方式等のエッチングにより行うことができる。穿設する孔部4の開口径は、例えば、15〜150μmの範囲で適宜設定することができる。このように両面エッチングにより孔部4を形成するので、多孔支持体2の両面における孔部4の開口径を任意に設定することができる。
孔部4の穿設は、孔部4対応する開口部を有するレジストパターンを支持体部材の両面に形成し、スプレー方式、浸漬方式、吹きかけ方式等のエッチングにより行うことができる。穿設する孔部4の開口径は、例えば、15〜150μmの範囲で適宜設定することができる。このように両面エッチングにより孔部4を形成するので、多孔支持体2の両面における孔部4の開口径を任意に設定することができる。
次いで、レジスト膜形成工程にて、多孔支持体2の一方の面2bの孔部領域3に、孔部領域3の周辺部3aのみが露出するようにレジスト膜11を形成する(図4(C))。このレジスト膜11は、後工程である接合工程にて、孔部領域3のうち、周辺部3aよりも内側の領域での電気めっきによるPdまたはPd合金の析出を抑制する目的で形成される。レジスト膜11の材質は特に制限はなく、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、シロキサン樹脂、シルセスキオキサン樹脂等を挙げることができる。また、レジスト膜11は、例えば、所定の形状、寸法のレジストフィルムを多孔支持体2にラミネートしたり、感光性樹脂フィルムを多孔支持体2にラミネートした後、フォトリソグラフィーでパターニングすることにより形成することができる。
次に、上述のように別工程で作製した多孔支持体2と水素透過膜6を、接合工程において接合する。すなわち、多孔支持体2のレジスト膜11を形成した面2bと反対側の面2aを、孔部領域3と水素透過膜6との間に間隙Gを設けるようにして水素透過膜6に対向させる(図5(A))。次いで、これをカソードとし、アノード板(図示せず)と対向させて電気めっきにより間隙GにPdまたはPd合金を析出させるが、レジスト膜11が形成されていない部位(周辺部3a)では間隙Gへの優先的な析出が生じてPd層7またはPd合金層7が形成され、密着性の高い接合が行われる。一方、レジスト膜11が形成された部位では新たな電気めっき液の供給がレジスト膜11により阻害されるので、間隙Gへの析出が生じても僅かである。さらに、周辺部3aでの析出が開始されて間隙Gが閉塞されると、レジスト膜11が形成された部位の孔部4は密閉状態となり、新たな電気めっき液の供給が阻止されて析出が停止する。これにより、孔部領域3の周辺部3aにおいて多孔支持体2と水素透過膜6とが接合され、これよりも内側の孔部領域3では多孔支持体2と水素透過膜6は接合されないものとなる(図5(B))。孔部領域3の周辺部3aにおける多孔支持体2と水素透過膜6との間隙Gは、Pd層7またはPd合金層7の厚みを決定するものであり、間隙Gへの優先的な析出が生じ易いように、例えば、0.1〜3μmの範囲で適宜設定することができる。
次いで、除去工程にて、レジスト膜11を除去し、仮支持体8を選択エッチングにより除去することにより、本発明の水素精製フィルタ1を得る(図5(C))。選択エッチングは、例えば、仮支持体8が銅からなる場合には、アンモニア系のエッチング液を使用し、スプレー方式、浸漬方式、吹きかけ方式等により行うことができる。
このような本発明の水素精製フィルタの製造方法は、仮支持体8の平坦面上に水素透過膜6を形成するので、形成された水素透過膜6は厚みが均一なものとなる。また、この水素透過膜6の形成とは別に、支持体部材に両面エッチングで複数の孔部4を穿設して多孔支持体2を作製するので、高開口率の多孔支持体2を得ることができるとともに、水素透過膜6の形成と多孔支持体2の作製を並行して進行できるので、製造時間の短縮が可能である。また、孔部領域3の周辺部3aにおいて多孔支持体2と水素透過膜6とが接合され、これよりも内側の孔部領域3では多孔支持体2と水素透過膜6は接合されないので、多孔支持体2の孔部非形成部位の直下に位置する水素透過膜6は、孔部4に位置する水素透過膜6と同等の水素透過性能を発現することが可能となる。また、孔部領域3のうち接合部位よりも内側の領域では、多孔支持体2にPd層7またはPd合金層7が存在しないか、あるいは、存在するにしても痕跡程度であるため、水素透過に寄与しない高価なPdの量を大幅に削減することができ、製造コストの低減が可能である。さらに、仮支持体8は選択エッチングにより容易に除去可能であり、この仮支持体8として銅を用いる場合には、水素透過膜6との密着性が良好であり、工程途中での剥離が防止される。
また、本発明の水素精製フィルタの製造方法では、接合工程において、多孔支持体2の孔部領域3と水素透過膜6との間に設ける間隙Gを、図6に示されるように、周辺部3aから中央部に向けて大きくなるようにしてもよい。この場合、周辺部3aでは間隙Gに優先的なPdまたはPd合金の析出が生じ易いように、例えば、0.1〜3μmの範囲で適宜設定し、周辺部3aから中央部に向けて間隙Gを3〜20μm程度に設定する。これにより、レジスト膜11が形成されていない部位(孔部領域3の周辺部3a)での間隙GへのPdまたはPd合金の析出に比べて、レジスト膜11が形成されている部位での間隙GへのPdまたはPd合金の析出が生じ難くなり、周辺部3aよりも内側の孔部領域3でのPd層またはPd合金層の形成をより確実に抑制でき、水素透過に寄与しない高価なPdの量を更に削減することができる。このように間隙Gを周辺部3aから中央部に向けて大きくするには、例えば、水素透過膜6が形成された仮支持体8と多孔支持体2とを孔部領域3の外側の領域にて圧着し、圧着応力で両者の中央部を引き離して間隙Gを大きくすることができる。
また、本発明の水素精製フィルタの製造方法では、エッチング工程とレジスト膜形成工程との間に、多孔支持体2の少なくとも一方の面に導電性の拡散防止層9を形成する拡散防止層形成工程を有するものであってもよい。図7は、拡散防止層9が形成された多孔支持体2の一例を示すものであり、多孔支持体2の一方の面2aに拡散防止層9が形成されている。このように拡散防止層9を形成した後、レジスト膜形成工程では、多孔支持体2の他方の面2bにレジスト膜11を形成し、これにより、図3に示されるような水素精製フィルタ1′を作製することができる。また、図8に示される例では、多孔支持体2の両面と孔部4の壁面にも拡散防止層9が形成されている。このように多孔支持体2を拡散防止層9で被覆することにより、Pd層7またはPd合金層7や水素透過膜6への多孔支持体2の構成材料の拡散をより確実に防止することができる。
このような拡散防止層9の形成は、非形成部位にレジストパターンを設けたり、所望のマスクを介して、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の真空成膜法により行うことができる。また、所望の部位に触媒付与を行って無電解めっきにより拡散防止層9を形成することもできる。具体的には、Ti、Ta、Si、Al、Mg、Ce、Cr、Ca、Zr等から選択される1種以上の元素の窒化物、酸化物、あるいは炭化物の薄膜として形成することができ、例えば、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化タンタル(TaN)、炭化タンタル(TaC)、窒化クロム(CrN)等の薄膜が挙げられる。また、拡散防止層9は、Zr、Mo、Ta、W、Cr、Hf、Nb、Ru等の高融点金属の薄膜として形成することもできる。このような拡散防止層9の厚みは、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.5〜2μmの範囲で適宜設定することができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明の水素精製フィルタの製造方法は、これらに限定されるものではない。
上述の実施形態は例示であり、本発明の水素精製フィルタの製造方法は、これらに限定されるものではない。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
(膜形成工程)
仮支持体として厚み100μmの銅材を準備し、この銅材の一方の面に下記の条件で電気めっきによりPd合金膜(厚み4μm)を形成して水素透過膜とした。
(Pd合金膜の成膜条件)
・使用浴 : 塩化Pdめっき浴(Pd濃度:12g/L)
・pH : 7〜8
・電流密度 : 1A/dm2
・液温 : 40℃
[実施例1]
(膜形成工程)
仮支持体として厚み100μmの銅材を準備し、この銅材の一方の面に下記の条件で電気めっきによりPd合金膜(厚み4μm)を形成して水素透過膜とした。
(Pd合金膜の成膜条件)
・使用浴 : 塩化Pdめっき浴(Pd濃度:12g/L)
・pH : 7〜8
・電流密度 : 1A/dm2
・液温 : 40℃
(エッチング工程)
支持体として厚み40μmのSUS304材を準備した。次いで、このSUS304材の両面に感光性レジスト材料(東京応化工業(株)製 OFPR)をディップ法により塗布(塗布量7μm(乾燥時))した。次に、所定のフォトマスクを介して両面のレジスト塗膜を露光し、炭酸水素ナトリウム水溶液を使用して現像した。これにより、SUS304材の両面に、直径が80μmの円形開口をピッチ110μmで複数備えたレジストパターンを形成した。尚、表裏の円形開口はSUS304材を介して対向するものであった。また、この円形開口が複数形成された領域は40mm×60mmの長方形状とした。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、下記の条件でSUS304材を両面からスプレー方式でエッチングした。
(エッチング条件)
・温度 : 50℃
・塩化第二鉄濃度: 45ボーメ
・圧力 : 0.30MPa
上記のエッチング処理が終了した後、水酸化ナトリウムを用いてレジストパターンを除去し、水洗した。これにより、複数の孔部を穿設して40mm×60mmの長方形状の孔部領域を有する多孔支持体とした。これらの孔部は、SUS304材の表面の開口径が85μmであり、深さ方向の中央部での開口径が80μmである断面円形状のものであった。
支持体として厚み40μmのSUS304材を準備した。次いで、このSUS304材の両面に感光性レジスト材料(東京応化工業(株)製 OFPR)をディップ法により塗布(塗布量7μm(乾燥時))した。次に、所定のフォトマスクを介して両面のレジスト塗膜を露光し、炭酸水素ナトリウム水溶液を使用して現像した。これにより、SUS304材の両面に、直径が80μmの円形開口をピッチ110μmで複数備えたレジストパターンを形成した。尚、表裏の円形開口はSUS304材を介して対向するものであった。また、この円形開口が複数形成された領域は40mm×60mmの長方形状とした。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、下記の条件でSUS304材を両面からスプレー方式でエッチングした。
(エッチング条件)
・温度 : 50℃
・塩化第二鉄濃度: 45ボーメ
・圧力 : 0.30MPa
上記のエッチング処理が終了した後、水酸化ナトリウムを用いてレジストパターンを除去し、水洗した。これにより、複数の孔部を穿設して40mm×60mmの長方形状の孔部領域を有する多孔支持体とした。これらの孔部は、SUS304材の表面の開口径が85μmであり、深さ方向の中央部での開口径が80μmである断面円形状のものであった。
(レジスト膜形成工程)
上記のように作製した多孔支持体の一方の面の孔部領域(40mm×60mmの長方形状)の中央に、28mm×48mmの長方形状でレジスト膜(厚み25μm)を形成した。これにより、孔部領域は幅6mmの回廊形状の周辺部のみが露出したものとなった。レジスト膜は、28mm×48mmの長方形状のドライフィルムレジスト(デュポン(株)製 FRA063)を多孔支持体にラミネートすることにより形成した。
上記のように作製した多孔支持体の一方の面の孔部領域(40mm×60mmの長方形状)の中央に、28mm×48mmの長方形状でレジスト膜(厚み25μm)を形成した。これにより、孔部領域は幅6mmの回廊形状の周辺部のみが露出したものとなった。レジスト膜は、28mm×48mmの長方形状のドライフィルムレジスト(デュポン(株)製 FRA063)を多孔支持体にラミネートすることにより形成した。
(接合工程)
上記のように作製した多孔支持体のレジスト膜が形成されていない面を、仮支持体(銅材)上に形成した水素透過膜に対向させ、孔部領域の長手方向の両外側の部位を圧着(トルク値2N・m)した。これにより多孔支持体の孔部領域を水素透過膜に対して約1.5μmの間隙を設けて対向させた。この状態で多孔支持体と水素透過膜をカソードとし、アノード板(チタン−白金合金板)と対向させ、下記の条件で電気めっきを行った。これにより、多孔支持体の孔部領域の周辺部(レジスト膜が形成されていない部位)において、多孔支持体と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。また、この接合部位よりも内側では、多孔支持体と水素透過膜は接合されていないものとなった。
(Pd合金膜の成膜条件)
・使用浴 : 塩化Pdめっき浴(Pd濃度:12g/L)
・pH : 7〜8
・電流密度 : 1A/dm2
・液温 : 40℃
上記のように作製した多孔支持体のレジスト膜が形成されていない面を、仮支持体(銅材)上に形成した水素透過膜に対向させ、孔部領域の長手方向の両外側の部位を圧着(トルク値2N・m)した。これにより多孔支持体の孔部領域を水素透過膜に対して約1.5μmの間隙を設けて対向させた。この状態で多孔支持体と水素透過膜をカソードとし、アノード板(チタン−白金合金板)と対向させ、下記の条件で電気めっきを行った。これにより、多孔支持体の孔部領域の周辺部(レジスト膜が形成されていない部位)において、多孔支持体と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。また、この接合部位よりも内側では、多孔支持体と水素透過膜は接合されていないものとなった。
(Pd合金膜の成膜条件)
・使用浴 : 塩化Pdめっき浴(Pd濃度:12g/L)
・pH : 7〜8
・電流密度 : 1A/dm2
・液温 : 40℃
(除去工程)
次に、レジスト膜を5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて除去し、その後、アンモニア系のエッチング液を使用し、スプレー方式にて仮支持体(銅材)を選択的にエッチングして除去した。
上記の除去工程が終了した後、40mm×60mmの長方形状の孔部領域が中央に位置するように50mm×70mmの長方形状に切断して、水素精製用フィルタとした。この水素精製フィルタを改質器に装着し、メタノールと水蒸気の混合物を高温高圧条件(500℃、0.50MPa)で連続100時間供給し、水素精製フィルタの多孔支持体側へ透過する水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低く、また、水素リッチガスの流量は1.8L/分であり、本発明の水素精製フィルタが優れた耐久性、水素透過効率を有することを確認した。
次に、レジスト膜を5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて除去し、その後、アンモニア系のエッチング液を使用し、スプレー方式にて仮支持体(銅材)を選択的にエッチングして除去した。
上記の除去工程が終了した後、40mm×60mmの長方形状の孔部領域が中央に位置するように50mm×70mmの長方形状に切断して、水素精製用フィルタとした。この水素精製フィルタを改質器に装着し、メタノールと水蒸気の混合物を高温高圧条件(500℃、0.50MPa)で連続100時間供給し、水素精製フィルタの多孔支持体側へ透過する水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低く、また、水素リッチガスの流量は1.8L/分であり、本発明の水素精製フィルタが優れた耐久性、水素透過効率を有することを確認した。
また、水素精製用フィルタの水素透過膜と多孔支持体との接合部位よりも内側の領域において、多孔支持体上のPd合金層の存在を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、多孔支持体の孔部非形成部位と水素透過膜の間に隙間が存在し、両者は密着しておらず、多孔支持体の孔部非形成部位上にはPd合金めっきがほとんどされていない状態であり、Pd合金層の存在は痕跡程度であることが確認された。
[実施例2]
(膜形成工程)
実施例1と同様にして、仮支持体(銅材)の一方の面に水素透過膜を形成した。
(エッチング工程)
実施例1と同様にして、SUS304材に複数の孔部を穿設して多孔支持体を作製した。
(膜形成工程)
実施例1と同様にして、仮支持体(銅材)の一方の面に水素透過膜を形成した。
(エッチング工程)
実施例1と同様にして、SUS304材に複数の孔部を穿設して多孔支持体を作製した。
(拡散防止層形成工程)
上記のように作製した多孔支持体の両面に感光性レジスト材料(東京応化工業(株)製 OFPR)をディップ法により塗布(塗布量7μm(乾燥時))した。次に、多孔支持体の一方の面をマスクで遮蔽してレジスト塗膜を露光し、炭酸水素ナトリウム水溶液を使用して現像した。これにより、多孔支持体の一方の面のみが露出するようにレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、多孔支持体が露出する面にスパッタリング法により窒化チタン(TiN)の薄膜(厚み1μm)を形成し、その後、水酸化ナトリウムを用いてレジストパターンを除去し、水洗した。これにより拡散防止層を多孔支持体の一方の面に形成した。
上記のように作製した多孔支持体の両面に感光性レジスト材料(東京応化工業(株)製 OFPR)をディップ法により塗布(塗布量7μm(乾燥時))した。次に、多孔支持体の一方の面をマスクで遮蔽してレジスト塗膜を露光し、炭酸水素ナトリウム水溶液を使用して現像した。これにより、多孔支持体の一方の面のみが露出するようにレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、多孔支持体が露出する面にスパッタリング法により窒化チタン(TiN)の薄膜(厚み1μm)を形成し、その後、水酸化ナトリウムを用いてレジストパターンを除去し、水洗した。これにより拡散防止層を多孔支持体の一方の面に形成した。
(レジスト膜形成工程)
多孔支持体の上記拡散防止層が形成されていない面に、実施例1と同様にして、レジスト膜を形成した。
多孔支持体の上記拡散防止層が形成されていない面に、実施例1と同様にして、レジスト膜を形成した。
(接合工程)
多孔支持体に形成した拡散防止層を、仮支持体(銅材)上に形成した水素透過膜に対向させた他は、実施例1と同様にして電気めっきを行った。これにより、多孔支持体の孔部領域の周辺部(レジスト膜が形成されていない部位)において、多孔支持体(拡散防止層)と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。また、この接合部位よりも内側では、多孔支持体(拡散防止層)と水素透過膜は接合されていないものとなった。
多孔支持体に形成した拡散防止層を、仮支持体(銅材)上に形成した水素透過膜に対向させた他は、実施例1と同様にして電気めっきを行った。これにより、多孔支持体の孔部領域の周辺部(レジスト膜が形成されていない部位)において、多孔支持体(拡散防止層)と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。また、この接合部位よりも内側では、多孔支持体(拡散防止層)と水素透過膜は接合されていないものとなった。
(除去工程)
次に、実施例1と同様にして、レジスト膜と仮支持体(銅材)を除去した。
上記の除去工程が終了した後、40mm×60mmの長方形状の孔部領域が中央に位置するように50mm×70mmの長方形状に切断して、水素精製用フィルタとした。この水素精製フィルタを改質器に装着し、実施例1と同様にして、水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低く、また、水素リッチガスの流量は1.8L/分であり、本発明の水素精製フィルタが優れた耐久性、水素透過効率を有することを確認した。
次に、実施例1と同様にして、レジスト膜と仮支持体(銅材)を除去した。
上記の除去工程が終了した後、40mm×60mmの長方形状の孔部領域が中央に位置するように50mm×70mmの長方形状に切断して、水素精製用フィルタとした。この水素精製フィルタを改質器に装着し、実施例1と同様にして、水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低く、また、水素リッチガスの流量は1.8L/分であり、本発明の水素精製フィルタが優れた耐久性、水素透過効率を有することを確認した。
また、拡散防止層の効果を確認するために、上記の条件でメタノールと水蒸気の混合物を更に1000時間連続供給した。その結果、多孔支持体とPd合金層の相互拡散はみられず、水素リッチガスのCO濃度は5〜10ppm、水素リッチガスの透過流量は1.8L/分が維持され、優れた耐久性、水素透過効率を有することが確認された。
また、水素精製用フィルタの水素透過膜と多孔支持体との接合部位よりも内側の領域において、多孔支持体上のPd合金層の存在を実施例1と同様に観察した。その結果、多孔支持体の孔部非形成部位と水素透過膜の間に隙間が存在し、両者は密着しておらず、多孔支持体の孔部非形成部位上にはPd合金めっきがほとんどされていない状態であり、Pd合金層は痕跡程度の存在であることが確認された。
また、水素精製用フィルタの水素透過膜と多孔支持体との接合部位よりも内側の領域において、多孔支持体上のPd合金層の存在を実施例1と同様に観察した。その結果、多孔支持体の孔部非形成部位と水素透過膜の間に隙間が存在し、両者は密着しておらず、多孔支持体の孔部非形成部位上にはPd合金めっきがほとんどされていない状態であり、Pd合金層は痕跡程度の存在であることが確認された。
[実施例3]
接合工程において、仮支持体(銅材)と多孔支持体との圧着を更に高い圧力(トルク値8N・m)した他は、実施例1と同様にして、水素精製用フィルタを作製とした。この接合工程では、多孔支持体の孔部領域の周辺部と水素透過膜の間隙が約1.5μmであり、孔部領域のレジスト膜が存在する部位と水素透過膜の間隙が3〜10μmであり、周辺部よりも大きな間隙となっていた。そして、多孔支持体の孔部領域の周辺部(レジスト膜が形成されていない部位)において、多孔支持体と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。また、この接合部位よりも内側では、多孔支持体と水素透過膜は接合されていないものとなった。
接合工程において、仮支持体(銅材)と多孔支持体との圧着を更に高い圧力(トルク値8N・m)した他は、実施例1と同様にして、水素精製用フィルタを作製とした。この接合工程では、多孔支持体の孔部領域の周辺部と水素透過膜の間隙が約1.5μmであり、孔部領域のレジスト膜が存在する部位と水素透過膜の間隙が3〜10μmであり、周辺部よりも大きな間隙となっていた。そして、多孔支持体の孔部領域の周辺部(レジスト膜が形成されていない部位)において、多孔支持体と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。また、この接合部位よりも内側では、多孔支持体と水素透過膜は接合されていないものとなった。
このように作製した水素精製フィルタを改質器に装着し、実施例1と同様にして、水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低く、また、水素リッチガスの流量は1.8L/分であり、本発明の水素精製フィルタが優れた耐久性、水素透過効率を有することを確認した。
また、水素精製用フィルタの水素透過膜と多孔支持体との接合部位よりも内側の領域において、多孔支持体上のPd合金層の存在を実施例1と同様に観察した。その結果、多孔支持体の孔部非形成部位と水素透過膜の間に隙間が存在し、両者は密着しておらず、多孔支持体の孔部非形成部位上にはPd合金めっきがほとんどされていない状態であり、Pd合金層の存在は痕跡程度であり、実施例1よりも更に微量であることが確認された。
また、水素精製用フィルタの水素透過膜と多孔支持体との接合部位よりも内側の領域において、多孔支持体上のPd合金層の存在を実施例1と同様に観察した。その結果、多孔支持体の孔部非形成部位と水素透過膜の間に隙間が存在し、両者は密着しておらず、多孔支持体の孔部非形成部位上にはPd合金めっきがほとんどされていない状態であり、Pd合金層の存在は痕跡程度であり、実施例1よりも更に微量であることが確認された。
[比較例]
レジスト膜を形成しない他は、実施例1と同様にして、水素精製用フィルタを作製とした。この場合、接合工程では、多孔支持体の孔部領域全域において、多孔支持体と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。
このように作製した水素精製フィルタを改質器に装着し、実施例1と同様にして、水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低いものであったが、水素リッチガスの流量は1.2L/分であり、実施例1の水素精製フィルタに比べて水素透過効率が低いものであった。
また、水素精製用フィルタの多孔支持体の孔部領域におけるPd合金層の存在を実施例1と同様に観察した。その結果、孔部領域の全域において多孔支持体上にPd合金層が形成されていることが確認された。
レジスト膜を形成しない他は、実施例1と同様にして、水素精製用フィルタを作製とした。この場合、接合工程では、多孔支持体の孔部領域全域において、多孔支持体と水素透過膜との間隙にPd合金が析出してPd合金層が形成され、多孔支持体と水素透過膜との接合がなされた。
このように作製した水素精製フィルタを改質器に装着し、実施例1と同様にして、水素リッチガスのCO濃度、および、水素リッチガスの流量を測定した。その結果、改質開始直後から300時間経過するまでの間のCO濃度は5〜10ppmと極めて低いものであったが、水素リッチガスの流量は1.2L/分であり、実施例1の水素精製フィルタに比べて水素透過効率が低いものであった。
また、水素精製用フィルタの多孔支持体の孔部領域におけるPd合金層の存在を実施例1と同様に観察した。その結果、孔部領域の全域において多孔支持体上にPd合金層が形成されていることが確認された。
高純度の水素リッチガスを必要とする種々の分野に利用することができる。
1,1′…水素精製フィルタ
2…多孔支持体
3…孔部領域
4…孔部
6…水素透過膜
7…Pd層またはPd合金層
8…仮支持体
9…拡散防止層
11…レジスト膜
G…間隙
2…多孔支持体
3…孔部領域
4…孔部
6…水素透過膜
7…Pd層またはPd合金層
8…仮支持体
9…拡散防止層
11…レジスト膜
G…間隙
Claims (3)
- 複数の孔部からなる孔部領域を有する多孔支持体と、該多孔支持体の一方の面に前記孔部領域を覆うように配設されたPdまたはPd合金からなる水素透過膜とを備えた水素精製フィルタにおいて、
前記多孔支持体が有する前記孔部は開口径が15〜150μmの範囲内にある貫通孔形状の孔部であり、前記多孔支持体は少なくとも前記水素透過膜が配設されている面に拡散防止層を備え、該拡散防止層は窒化チタン、炭化チタン、窒化タンタル、炭化タンタル、窒化クロムの少なくとも1種からなる導電性を有する薄膜であり、
前記水素透過膜は前記孔部領域の周辺部にてPd層またはPd合金層を介して前記多孔支持体が備える拡散防止層に接合されており、前記周辺部の幅は該幅方向での前記孔部領域の長さの2.5〜25%の範囲であり、前記周辺部の面積は前記孔部領域の面積の10〜75%の範囲であり、
該接合部位よりも内側の前記孔部領域では、前記多孔支持体と前記水素透過膜は接合されておらず、かつ、前記多孔支持体にPd層またはPd合金層が存在しないか、あるいは痕跡程度に存在することを特徴とする水素精製フィルタ。 - 前記多孔支持体は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載の水素精製フィルタ。
- 前記多孔支持体の厚みは10〜50μmの範囲内であり、前記水素透過膜の厚みは1〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水素精製フィルタ。
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