JP2014040354A - 多孔質電極形成用グリーンシート、焼成用補助シートおよびその利用 - Google Patents

多孔質電極形成用グリーンシート、焼成用補助シートおよびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成の際にセッター等の焼成機材との融着が防止された多孔質電極形成用グリーンシートおよびその利用を提供すること。
【解決手段】
本発明によって提供される多孔質電極形成用グリーンシート10は、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質電極を形成するためのグリーンシート10であって、少なくともニッケル成分またはジルコニウム成分を含む多孔質電極形成層30と、セラミック粉末を含まず、天然有機粉体から実質的に構成される補助層20、とからなる積層構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質電極を焼成する際に焼成治具等との融着を防止する焼成用補助シートと該焼成時の融着が防止された多孔質電極形成用グリーンシートおよびその利用に関する。
固体電解質燃料電池とも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC,以下、単に「SOFC」ともいう。)は、化学エネルギーを電池エネルギーに変換する各種の燃料電池の中でも、発電効率が高い、環境への負荷が低い、そして、多様な燃料の使用が可能であるなどの利点を有している。SOFCの単セルは、酸素イオン伝導体からなる緻密な固体電解質を基本とし、この固体電解質の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成された構成とされている。ここで、燃料極が形成された側の固体電解質の表面には、H(水素)に代表される可燃性燃料ガスが供給され、空気極が形成された側の固体電解質の表面には空気等に代表されるO(酸素)含有ガスが供給される。そして典型的には、空気中のOがカソードで還元されてO2−アニオンとなり、固体電解質膜を通ってアノードに移動し、Hガス燃料を酸化する。
SOFC用の固体電解質としては、典型的には、酸素イオン伝導性を有するセラミック体が用いられ、さらに好ましくは酸素イオン伝導体であることに加えて電子伝導性を兼ね備えた酸素イオン−電子混合伝導体が用いられている。そして酸素イオン−電子混合伝導体としては、化学的安定性および機械的強度の高さから、ジルコニア系材料(例えばイットリア安定化ジルコニア:YSZ)やセリア系材料からなる固体電解質が広く用いられている。この固体電解質(層)は、薄くなるほどイオン透過速度が上昇して充放電特性等の電池性能が向上する。そのため、近年、SOFCの電池性能を向上させるべく、燃料極を厚く形成して多孔質支持体とし、この多孔質支持体の表面に薄膜状の固体電解質と空気極とを薄膜状に形成した平板型のアノード支持形SOFCの開発が進められている。このアノード支持形SOFCの燃料極としては、例えば酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとのサーメット(NiO/YSZサーメット)、空気極としてはLaCoO、LaMnO等のペロブスカイト構造の酸化物が広く一般に用いられている。
この種のアノード支持形SOFCは、例えば、以下の手順で作製される。すなわち、まず、燃料極の材料と造孔材とを溶媒に加えてスラリーを調製し、このスラリーをロール成形法等によりシート状に成形して燃料極形成用グリーンシート(未焼成の燃料極シート)を作製する。次いで、この燃料極形成用グリーンシートの表面にスクリーン印刷法またはディップコーティング法等により固体電解質用スラリーを層状に塗布し、これらを約1300℃以上の高温で焼成して燃料極(多孔質支持体)と固体電解質層の一体化物を得る。その後、さらに固体電解質上に空気極用スラリーを層状に塗布して約1000℃程度で焼成することにより、アノード支持形SOFCが製造される。
特開2008−308358号公報 国際公開第99/59936号公報 特開2005−8916号公報
ところで、上記の燃料極形成用グリーンシートの焼成にあたっては、一般的には、炉内に耐熱性の高いアルミナ製またはジルコニア製の焼成のための補助具(例えば、セッター、棚板、敷板等)を置き、この補助具の上にグリーンシートを載せて焼成するようにしている。そして、この補助具に加えて、アルミナ等のセラミック粉末を主体とする目砂シートが用いられてもいる。この目砂シートとしては、セラミック粉末等からなる目砂をメチルセルロース等の水性バインダ溶媒に分散させて調製したアルミナ分散液を、噴霧器等のノズルから散布し乾燥させることで、シート状のアルミナ粉末層として形成したものや、セラミック粉末等からなる目砂を有機物等の担体と共に混練してシート状に成形したもの等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のアルミナ製の焼成補助具および目砂シートは、比較的安価なためにより汎用的である。しかしながら、上記の燃料極形成用グリーンシートの焼成温度は約1300℃以上と高温のため、このグリーンシート中のNi成分(典型的にはNiO)と、上記セッター等の補助具あるいは目砂シート(以下、これらを包含して焼成治具と総称する。)のアルミナ成分とが反応し、焼成後の燃料極中のNi成分が減少するとともに、焼成治具との接触部の近傍の燃料極表面の電気伝導性が損なわれて電気抵抗が高くなるという問題があった。燃料極中のNi成分の減少は、燃料極の機械的強度の低下および電気伝導性の低下を招いてしまう。
一方のジルコニア製の焼成治具を用いる場合は、グリーンシート中のNi成分との反応は抑制できるものの、焼成治具のジルコニアと燃料極中に含まれるジルコニアとが結合して融着しやすいという問題があった。燃料極に絶縁性のジルコニア成分が付着することで、かかる付着部の電気伝導性は低下してしまう。また、ジルコニア製の焼成治具は比較的高価であるため、このような融着の問題のある燃料極形成用グリーンシートの焼成において使用するのは極力避けたいのが実情である。
この問題に対し、例えば、焼成治具にNiOを40〜90質量%と多量に含ませるようにし、燃料極中のNi成分との反応および該Ni成分の消費を防止することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このような焼成治具によると、燃料極中のNi成分の低減は抑制できるものの、焼成治具にNi以外の燃料極材料成分と同系の成分が含まれる場合には、融着の可能性が回避されていない。また、NiOおよびジルコニアは比較的高価な原料であり、消耗材であるセッターあるいは目砂シート等として用いるのは工業的には困難である。
本発明は、かかる従来の状況を鑑みて創出されたものであり、その目的とするところは、例えば約1300℃以上の高温で焼成された場合であっても、焼成治具との反応および融着等の問題が解消されている多孔質電極形成用グリーンシートを提供することである。また本発明の他の目的は、かかる高温焼成時の融着を防止する焼成用補助シートを提供すること、およびその利用に関する。
ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートは、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質電極を形成するためのグリーンシートである。かかるグリーンシートは、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質電極形成層と、セラミック粉末を含まず、天然有機粉体から実質的に構成される補助層、とからなる積層構造を有していることを特徴とする。
すなわち、ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートは、焼成によって多孔質電極となる多孔質電極形成層と、この多孔質電極形成層と焼成治具もしくは炉材(焼成炉の構成部材)との接触を防止する補助層とが、予め一体化されている。この補助層は、実質的に天然有機粉体から構成され、例えば約1300℃以上での焼成によってその殆どが燃えぬける性質のものである。しかしながら、わずかに燃え残る焼成残渣の存在によって、多孔質電極形成層(または焼成により得られる多孔質電極)と焼成治具等との接触が妨げられ、両者の反応および融着が防止されることになる。すなわち、かかるグリーンシートを用いて多孔質電極を製造すると、Ni成分の移動または反応による減少や、ジルコニア成分等の融着等の問題が生じず、高品質な多孔質電極を製造することができる。
なお、この多孔質電極形成用グリーンシートを焼成することで多孔質電極の表面に上記天然有機粉体の焼成残渣が付着することがあり得るが、この焼成残渣は簡単に払い落とすことができる。また、万一多孔質電極に焼成残渣が付着していても、当該部分の電気伝導性は低下しないことが確認されている。
また、従来より用いられてきた焼成治具と被焼成物との反応および融着を防止するシート類は、いずれも耐熱性に優れたセラミック粉末等を含み、高温での焼成後にこのセラミック粉末を焼成治具と被焼成物との間に介在させることにより互いの接触を防止するものであった。これに対し、ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートは補助層にセラミック粉末を含まない。また、従来の反応および融着を防止するシート類は、セラミック粉末同士を結合するバインダ成分やセラミック粉末を担持する担持材料として樹脂や繊維等の有機材料を含み得るが、これらの有機材料は焼成によりすべて完全に燃えぬけることを前提として、配合設計および材料選択等が為されている。この点で、これらの有機材料と本明細書における天然有機粉体とは完全に区別され得るものである。
ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートの好ましい態様では、上記天然有機粉体の550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲であることを特徴としている。
かかる550℃における焼成残渣は、汎用の食品成分表に示される「灰分」に等しく、この灰分の測定方法(直接灰化法)により求めることができる。すなわち、本明細書における灰分とは、所定の量の試料を、大気中、550℃の温度で焼成して灰化し、恒量となったときの灰の質量を、焼成前の試料に対する割合(%)として示したものである。
この550℃での焼成残渣成分(灰分)は、試料中のミネラル成分(無機質成分)の総量ととらえられているが、実際には、試料中のミネラル成分のうちの塩素、窒素、炭素などの一部の成分は加熱によって一部または全部が失われ、また有機物炭素が一部炭酸塩として残っている。そのため、灰分は、食品中のミネラル成分のおおよその量であると考えることができる。
ここに開示される発明では、上記の天然有機粉体の焼成残渣を、グリーンシートの焼成温度である1300℃程度より大幅に低い550℃での焼成残渣により評価し規定するようにしている。これは、550℃での焼成残渣が0.3質量%〜5質量%の範囲の天然有機粉体は、上記補助層として1300℃程度の高温で焼成された際にも約0.01質量%〜5質量%程度の適量の焼成残渣を生じ得ることによるものであり、適度な厚みの補助層により多孔質電極形成層と焼成治具等との接触を好適に防止できるために好ましい。以下、特にことわりのない限り、上記の550℃での焼成残渣を「灰分」と呼び、1300℃での焼成残渣を単に「焼成残渣」と呼ぶ。
ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートの好ましい態様において、上記天然有機粉体は、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上であることを特徴としている。小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉は、補助層を形成した際に粘性を備え、また麦類については弾性をも備えるためにバインダの使用を低減できるなどの利点がある。そして日本の国内で入手しやすく品質も管理された材料である。また、例えば上記のセラミック材料と比較して安価に入手が可能である。したがって、品質にバラつきを生じることなく安価に上記の多孔質電極形成用グリーンシートを実現することができる。
ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートの好ましい態様では、上記多孔質電極形成層の厚みが0.1mm〜1.5mmで、上記補助層の厚みが1mm〜10mmであることを特徴としている。多孔質電極形成用層の厚みを0.1mm〜1.5mm程度とし、これを焼成することで、例えば、厚みが0.1mm〜1.2mm程度の多孔質電極を好適に得ることができる。また、補助層の厚みを1mm〜10mm程度とすることで、多孔質電極形成層と焼成治具あるいは炉材(以下、これらを包含して「焼成治具等」という。)との間に適量の焼成残渣を燃え残すことができ、多孔質電極形成層と焼成治具との反応および融着を好適に防止することができる。これにより、より高品質な多孔質電極を無駄なく形成できるグリーンシートが提供される。
ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートの好ましい態様では、上記補助層は、上記天然有機粉体100質量部に対して、NaClが1質量部〜10質量部、水が35質量部〜55質量部の割合で配合されている。天然有機粉体は、主要な構成成分として、デンプンを含んでいる。かかるデンプンは、例えば水分を含むことで膨潤し、混練により粘性を備え得る。したがって、ここに開示されるグリーンシートは、別材料として有機樹脂成分等からなるバインダを含むことなく天然有機粉体を一体的にまとめることが可能とされる。また、上記範囲の水およびNaClを含むことで成形性および加工性に優れた補助層となり得るため、取扱いに優れ、簡便に高品質な多孔質電極を形成可能なグリーンシートを実現することができる。
ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートの好ましい態様では、上記補助層は、天然有機粉体以外のバインダ成分を含まず、バインダ層を介さずに上記多孔質電極形成用層と直接一体化されていることを特徴としている。上記のとおり、天然有機粉体は水分を含むことで適度な粘性を有するため、補助層自体に適度な粘性を備えることも可能である。したがって、多孔質電極形成用層と補助層とを積層一体化させる際には、別材料として有機樹脂成分等からなるバインダを含むことなく、補助層の備える粘性により両者を一体化させることができる。
以上のように、ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシートは、従来より用いられてきた多孔質電極形成層に、ごく簡単な構成の補助層を備えたものであり、一見したところ平易な構成であるように見える。しかしながら、かかる構成により、簡便かつ低価格で求められる機能を必要かつ十分に達成し得る、これまでにない多孔質電極形成用グリーンシートが実現されたものといえる。
他の側面で本発明が提供する焼成用補助シートは、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含むシート状の多孔質電極の未焼成体を焼成する際に該未焼成体の下面と炉材および焼成治具との融着を防止するシートである。かかる焼成用補助シートは、セラミック粉末を含まず、実質的に天然有機粉体がシート状に成形されてなることを特徴としている。この焼成用補助シートは、本質的に天然有機粉体から構成され、例えば1300℃以上での焼成によってその殆どが燃えぬける性質のものである。しかしながら、わずかに燃え残る焼成残渣の存在によって、このシートに載置した多孔質電極の未焼成体(または焼成により得られる多孔質電極)と焼成治具との接触が妨げられ、両者の反応および融着が防止されることになる。すなわち、かかる焼成用補助シートを用いて多孔質電極を製造すると、Ni成分の減少やジルコニア成分等の融着等の問題が生じず、高品質な多孔質電極を製造することができる。
なお、従来より用いられてきた焼成治具と被焼成物との反応および融着を防止するシート類は、いずれもセラミック等の耐熱性に優れる無機粉末を含み、この耐熱性無機粉末を焼成治具と被焼成物との間に介在させることにより互いの接触を防止するものである。これに対し、ここに開示される焼成用補助シートは上記の耐熱性無機粉末を含まない点で、従来のシート類とは完全に区別され得る。
ここに開示される焼成用補助シートの好ましい態様では、上記天然有機粉体の550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲であることを特徴としている。かかる天然有機粉体は、上記補助層中に配合されて1300℃程度の高温で焼成された際にも、約0.01質量%〜5質量%程度の適量の焼成残渣を生じ得る。したがって、焼成用補助シートとして扱いやすい適度な厚みに設計した場合に、適量の焼成残渣を生じ得るため、多孔質電極形成層と焼成治具等との接触を好適に防止することができる。
ここに開示される焼成用補助シートの好ましい態様では、上記天然有機粉体は、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上であることを特徴としている。小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉は、焼成用補助シートを形成した際に粘性を備え、また麦類については弾性をも備えるためにバインダの使用を低減できるなどの利点がある。そして日本の国内で入手しやすく品質も管理された材料である。また、例えば上記のセラミック材料と比較して安価に入手が可能である。したがって、品質にバラつきを生じることなく安価に上記の焼成用補助シートが実現される。
ここに開示される焼成用補助シートの好ましい態様では、厚みが1mm〜10mmであることを特徴とする。かかる焼成用補助シートの厚みを1mm〜10mmとすることで、例えば1300℃程度の高温で焼成した場合でも、このシートに載置した多孔質電極の未焼成体(または焼成により得られる多孔質電極)と焼成治具との間に適量の焼成残渣を存在させることができる。これにより、より好適に融着を防止することができる。
ここに開示される焼成用補助シートの好ましい態様では、上記天然有機粉体100質量部に対して、NaClが1質量部〜10質量部、水が35質量部〜55質量部の割合で配合されていることを特徴としている。天然有機粉体は、主要な構成成分として、デンプンを含む。かかるデンプンは、例えば水分を含むことで膨潤し、混練により粘性を備え得る。したがって、ここに開示されるグリーンシートは、天然有機粉体と別な材料として有機樹脂成分等からなるバインダを含むことなく天然有機粉体が一体的にまとめられる。また、上記範囲の水およびNaClを含むことで成形性および加工性に優れた焼成用補助シートとなり得るため、取扱いに優れた焼成用補助シートを実現することができる。
ここに開示される焼成用補助シートの好ましい態様では、天然有機粉体以外のバインダ成分を含まず粘着性を有し、上記多孔質電極の未焼成体にバインダ層を介さずに直接付着可能であることを特徴としている。上記のとおり、天然有機粉体は水分を含むことで適度な粘性を有するため、補助層自体に適度な粘性を備えることも可能である。したがって、多孔質電極形成用層と補助層とを積層一体化させる際には、別材料として有機樹脂成分等からなるバインダを含むことなく、補助層の備える粘性により両者を一体化させることができる。
以上のように、ここに開示される焼成用補助シートは、一見ごく簡単な材料で構成することができ、かかる簡単な構成で、求められる機能を安価でかつ必要かつ十分に達成し得る、これまでにない焼成用補助シートであるといえる。
さらに他の側面で本発明が提供する多孔質電極の製造方法は、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質構造の電極を製造する方法であって、550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲である天然有機粉体をシート状に成形して補助層を用意すること、少なくともニッケル成分またはジルコニウム成分を含む多孔質電極用材料をシート状に成形して多孔質電極形成層を用意すること、上記補助層と上記多孔質電極形成層とを貼り合わせて多孔質電極形成用グリーンシートを形成すること、および、上記多孔質電極形成用グリーンシートを焼成すること、を包含することを特徴としている。かかる製造方法によると、予め補助層と多孔質電極形成層とを別々に形成し、これを貼り合わせるという簡単な構成で多孔質電極形成用グリーンシートを用意することができ、かかるグリーンシートを焼成することで、Ni成分の減少やジルコニア成分等の融着が生じることなく、多孔質電極を製造することができる。
ここに開示される多孔質電極の製造方法の好ましい態様において、上記補助層と上記多孔質電極形成層との貼り合わせは、上記補助層および上記多孔質電極形成層の成形とほぼ同時に行われることを特徴としている。補助層と多孔質電極形成層の形成は、例えば、各層の材料を適切な溶媒等と混合した混合物を押し出し成形やロール成形等の手法によりシート状に成形することで実施できる。そして補助層と多孔質電極形成層の貼り合わせは、例えば、補助層および多孔質電極形成層が成形されると同時ないしはほぼ同時にこれらを重ねて多層ロール成形機あるいは圧延ロール機を通すことなどにより貼り合わせることで、実現することができる。かかる構成によると、例えば、補助層および多孔質電極形成層をそれぞれ別のキャリアフィルム上に載置してから貼り合わせるのではなく、補助層および多孔質電極形成層の成形とほぼ同時に一体化した状態でキャリアフィルムに載置することができ、製造における手間やコストを省くことができる。また、補助層と多孔質電極形成層の表面が乾燥する前に好適に両者を貼り合わせることができ、焼成時の焼ムラ等の少ない多孔質電極を簡便に製造することができる。
ここに開示される多孔質電極の製造方法の好ましい態様では、上記天然有機粉体100質量部に対して、NaClを1質量部〜10質量部、水を35質量部〜55質量部の割合で配合して混合し、シート状に成形することで補助層を用意することを特徴としている。天然有機粉体に含まれるデンプンは、例えば水分を含むことで膨潤し、混練により粘性を備え得る。したがって、ここに開示されるグリーンシートは、別材料として有機樹脂成分等からなるバインダを含むことなく天然有機粉体を一体的にまとめることができる。また、別材料として有機樹脂成分等からなるバインダ層を介することなく、補助層と多孔質電極形成層とを貼り合わせることができる。そして、上記範囲の水およびNaClを含むことで成形性および加工性に優れた補助層を製造できるため、取扱いに優れ、簡便に高品質な多孔質電極を形成可能なグリーンシートを実現することができる。
ここに開示される多孔質電極の製造方法の好ましい態様では、上記天然有機粉体が、小麦粉、そば粉、米粉およびライ麦粉からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上であることを特徴としている。小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉は、補助層を形成した際に粘性を備え、また麦類については弾性をも備えるために、バインダの使用を低減もしくは無くせるなどの利点がある。そして日本の国内で入手しやすく品質も管理された材料である。また、例えば上記のセラミック材料と比較して安価に入手が可能である。したがって、品質にバラつきを生じることなく安価に上記の焼成用補助シートを製造することができる。
ここに開示される多孔質電極の製造方法の好ましい態様では、さらに、上記多孔質電極形成用グリーンシートにおける上記多孔質電極形成層の表面に、固体電解質材料を含む固体電解質形成層を形成すること、を包含し、上記固体電解質形成層を備える多孔質電極形成用グリーンシートを焼成することを特徴としている。固体電解質材料としては、代表的には酸化イットリウム成分とジルコニウム成分を主体とする材料が用いられている。ここで、緻密なイットリア安定化ジルコニア膜を得るためには、固体電解質材料を例えば約1300℃以上の高温で焼成することが必要となる。また、ニッケル成分および/またはジルコニウム成分を含む多孔質電極用材料も同様の高温で焼成することが好ましい。ここに開示される製造方法においては、補助層、多孔質電極形成層および固体電解質層形成層を一体化させたグリーンシートを作製し、これらを同時に焼成することで、固体電解質層を備えた多孔質電極を好適に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る多孔質電極形成用グリーンシートの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る焼成用補助シートの使用状況を説明する模式図である。 本発明の他の形態に係る多孔質電極形成用グリーンシートを模式的に示す断面図である。 図3の多孔質電極形成用グリーンシートを焼成した後の様子を模式的に示す断面図である。 アノード支持形SOFC(単セル)の構成を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、固体酸化物形燃料電池用電極やその製造方法)以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(各種の多孔質電極の構成材料やそれらの合成方法および配合、ならびに固体酸化物形燃料電池の構築方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明が提供する多孔質電極形成用グリーンシートは、多孔質構造の電極を製造するために用いられる電極形成用材料であって、適切な焼成を施すことで多孔質構造の電極が得られるものである。かかる電極としては、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む電極を考慮することができ、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、リチウム二次電池、キャパシタ、コンデンサ等を構成する電極を考慮することができる。
図1は、多孔質電極形成用グリーンシート10の構成を示す斜視図である。かかる多孔質電極形成用グリーンシート10は、これを約1300℃以上の高温で焼成することによりシート状の多孔質電極が製造され得るシート状の未焼成物(いわゆる、グリーンシート)である。この多孔質電極形成用グリーンシート10は、実質的に焼成により多孔質電極を構成する多孔質電極形成層30と、この多孔質電極形成層30が焼成炉の炉材等と接触および融着するのを防ぐ目的で備えられる補助層20とからなる積層構造を有している。
ここで、製造対象である多孔質電極は、上記のとおり、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む材料で構成されるものである。したがって、多孔質電極形成層30は、少なくともニッケル(Ni)成分またはジルコニウム(Zr)成分を含んでいる。
また、補助層20は、天然有機粉体22を含んでいる。ここで、天然有機粉体22は、大気中、550℃における焼成残渣(灰分)が焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。かかる灰分が0.3質量%〜5質量%の範囲の天然有機粉体22は、補助層20中に含まれて1300℃程度の高温で焼成された際にも約0.01質量%〜5質量%程度の適量の焼成残渣を生じ得る。本発明者らの検証によると、1300℃ないしは1400℃程度における焼成残渣は、典型的には、550℃における焼成残渣(灰分)とほとんど変わらない。
上記の多孔質電極形成層30に含まれるNi成分は、仮に1300℃程度の高温での焼成中にアルミナ製の焼成治具等(例えば、セッターや目砂シート)と接触すると、このアルミナ成分と結びついて反応してしまう。そのため、焼成後に得られる多孔質電極に含まれるべきNi成分は消費されてしまう。また、接触部にはNi成分とアルミナ成分との反応物が形成され、この反応物近傍の電気伝導性が損なわれてしまう。仮にジルコニア製の炉材(例えば、焼成治具)と接触する場合には、グリーンシート中のNi成分の反応は抑制できるものの、焼成治具中のジルコニアと多孔質電極形成層30に含まれるジルコニアとが結合して固着してしまう。
しかしながら、上記の積層構造を有する多孔質電極形成用グリーンシート10を、補助層20からなる面が焼成治具に当接するように炉内に配置させて焼成することで、補助層20に含まれる天然有機粉体22の殆どが燃え抜けてもわずかな量、典型的には約0.01質量%〜5質量%、例えば、0.1〜4質量%程度の焼成残渣が残されて、多孔質電極形成層30と焼成治具との間に介在するため、多孔質電極形成層30が焼成治具に接触して反応するのを防ぐことができる。
このような補助層20は、予め多孔質電極形成層30と一体化されて、積層構造の多孔質電極形成用グリーンシート10を構成しても良いが、例えば、多孔質電極形成層30と一体化されることなく単独で用意されていても良い。すなわち、補助層20は、単独で、焼成用補助シート20として提供されても良い。かかる焼成用補助シート20は、例えば図2に示したように、焼成の前に、所望の構成の多孔質電極形成層30と重ね合わされ、焼成用補助シート20の側が焼成治具に当接するように炉内に配置されて、焼成に供される。かかる場合においても、焼成用補助シート20に含まれる天然有機粉体22の殆どが燃え抜けた後にわずかではあるが充分な量の、例えば約0.01質量%〜5質量%の焼成残渣が残されるため、多孔質電極形成層30と焼成治具との間の接触および反応を防止することができる。
以下、図1〜図4を適宜に参照しつつ、具体的な一実施形態としてSOFC用の多孔質電極130を製造する場合を基にして、ここに開示される多孔質電極形成用グリーンシート10および焼成用補助シート20について、さらに詳しく説明を行う。
ここに開示される多孔質電極130の製造方法は、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質構造を有する電極を製造する方法であって、
(1)550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲である天然有機粉体22をシート状に成形して補助層20を用意すること、
(2)少なくともニッケル成分またはジルコニウム成分を含む多孔質電極用材料をシート状に成形して多孔質電極形成層30を用意すること、
(3)補助層20と多孔質電極形成層30とを貼り合わせて多孔質電極形成用グリーンシート10を形成すること、および、
(4)多孔質電極形成用グリーンシート10を焼成すること、
を包含している。
<補助層の用意>
上記の工程(1)は、天然有機粉体22をシート状に成形して補助層20を用意する工程である。
補助層20は、天然有機粉体22を適切な媒体と混合する等してシート状に成形することで得ることができる。天然有機粉体22をシート状に成形する手法については特に限定されないが、典型的には、例えば、天然有機粉体22を水等の媒体と混合して適切なペースト状(スラリー状等であり得る。)に調製し、適切な手段にてシート状に成形する手法を好ましく採用することができる。補助層20は、必要であればバインダを含むこともできるが、バインダを含まない簡単な構成とすることができる。
天然有機粉体22としては、主として天然の有機物から構成される粉体状の物質であって、もとより粉体状のものはもちろん、植物の全部または一部を粉体状に加工したものであってよい。具体的には、例えば、植物の根、葉、茎または幹等の部位を乾燥して粉体としたもの、より好ましくは、植物の種子、根等の部位を粉体としたものが例示される。かかる粉体は、例えば、単一の植物の単一の部位から得た粉体であっても良いし、2種以上の複数の植物あるいは部位の粉体を混合したものであっても良い。
そして、天然有機粉体22は、上記の通り、灰分が0.3質量%〜5質量%の範囲のものを用いるようにしている。灰分が0.3質量%より少ない場合には、補助層の厚みによっては多孔質電極形成層30と炉材等との接触を防止できない可能性が高く、補助層20の厚みが必要以上に厚くなるために好ましくない。なお、灰分は5質量%を超過しても差し支えないが、かかる灰分量の高い天然有機粉体22は比較的入手が困難であり得ること、取扱い性の良い補助層20を形成した場合に必要以上に焼成残渣が生じることが考えられること等から、本発明においては好ましい上限を5質量%程度にする。
以上の通りの灰分を有する天然有機粉体22としては、特に制限はなく、例えば、食品成分表(例えば、国立印刷局発行、五訂増補日本食品標準成分表等)を参照した際の灰分値が上記範囲の植物の粉体等の中から、適宜選択して用いることができる。もちろん、食品成分表に記された以外の天然有機粉体22も好ましく用いることができる。これらは、例えば、種子の中心に近い胚乳部や根の外皮を除いた中心部分が粉体とされたものがより広く市場に流通しているが、より外皮に近い部分を含む粉体とすることで灰分値を高めることができる。例えば、小麦粉の場合は、中心部に近い上級粉よりも、表皮部分に近い下級粉、さらには全粒粉の方が灰分値が高くなる傾向がある。
このような天然有機粉体22のなかでも、植物の種子および塊根等からなる粉体は、デンプンを高含有率で含むために粘性を備え、補助層20の成形性(まとまり性)に優れていることから好ましい。かかるデンプンを含む植物の粉体は、例えば、代表的には、各種の穀物(イネ科およびマメ科の種子など)および地下茎類(イモ類など)等から好適に得ることができる。より具体的には、例えば、米、大麦、小麦、ライ麦、オート(燕麦)、そば、とうもろこし、えんどう豆、じゃがいも、さつまいも、タピオカ、葛、サゴ、アマランス等の粉体を例示することができる。
またさらに、タンパク質を含むものについては、補助層20に粘弾性を備え、シート状に形成する際の成形性に加えて加工性および取り扱い性にも優れることから、天然有機粉体22として用いるのに好ましい。かかるたんぱく質を含む天然有機粉体22としては、例えば、イネ科コムギ属に分類される穀物の粉体が例示される。具体的には、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉等が例示される。
以上の天然有機粉体22の平均粒径については特に制限されないが、例えば、平均粒径0.1μm〜10μm程度を目安にすることが例示される。
なお、本明細書における「平均粒径」とは、特記しない限り、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置により測定した粒度分布における、積算値50%での粒径(50%体積平均粒子径)を意味するものとする。
天然有機粉体22は、例えば、水と共に混合・混練してペースト状(スラリー状であり得る。)に調製し、これをプレス成形、押し出し成形、ロール成形、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スキージ法、スピンコート法、抄造法等の各種の手段により所望の寸法のシート状に加工する。この場合の天然有機粉体22と水との混合割合は、採用する成形手段や、後工程の積層の手法等に応じて適切に設定することができる。例えば、好適な配合の一例として、天然有機粉体100質量部に対して、水が35質量部〜55質量部の割合で含まれていることが例示される。また、より弾性を高めるために、さらにNaClを1質量部〜10質量部程度の割合で加えることが好ましい態様として例示される。NaClとしては、NaClが100質量%のものを意図するものではなく、NaClを主成分(例えば、70質量%以上、好ましくは80質量%以上)とする塩であってよく、典型的には食塩等を用いることができる。かかる配合割合は、周辺の温度および湿度環境等を考慮して調整することができる。例えば、一例として、下記の表1に示すような配合の調整等が好ましい例として示される。
Figure 2014040354
また、成形後の補助層20の固形分濃度等に特に制限はないが、好ましい構成の一例として、例えば、天然有機粉体を100質量部としたとき、溶媒が35質量部〜55質量部(すなわち、補助層20における水分量とほぼ同じ)の割合で含まれていることが例示される。
補助層20の厚みとしては特に限定されず、例えば、天然有機粉体22の灰分値を考慮に入れるなどしつつ、多孔質電極形成層30と一体化して取り扱うに適切な厚みとすることができる。例えば、補助層20の厚みは、1mm〜10mm程度とすることが適当であり、好ましくはおよそ3mm〜8mm程度であり、特に好ましくは5mm〜6mm程度である。なお、後の積層工程において加圧を行う場合には、加圧後の補助層20の厚みが上記範囲内となるよう考慮することができる。
なお、天然有機粉体22の有する性質に応じて、補助層20にバインダを含むこともできる。かかるバインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)やポリビニルアルコール(PVA)等のポリマー材料が好ましく用いられる。バインダの含有率は、天然有機粉体22の備える性質にもよるため一概には言えないが、例えば、上記天然有機粉体22を100重量部としたとき15質量部以下、限定的には、1重量部〜10重量部程度の割合で含むことが例示される。
<多孔質電極形成層の用意>
上記の工程(2)は、多孔質電極用材料をシート状に成形して多孔質電極形成層30を用意する工程である。ここで製造される電極は、少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む。このような電極としては、典型的には、SOFC用の燃料極が挙げられ、典型的には、改質反応やシフト反応に活性の高いNiをベースとし、これを酸化物からなる電解質材料と混合したサーメットにより構成され得る。具体的には、Niと、ジルコニア系酸化物、セリア系酸化物、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等とのサーメットが例示される。
そしてかかる燃料極を構成する多孔質電極用材料は、少なくともニッケル成分またはジルコニウム成分を含み、電子伝導性および/またはイオン伝導性を有する電極を構成可能な材料と造孔材とを含むことで特徴づけられる。より詳細には、例えば、従来からSOFCセルの燃料極材料として用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、Ni等の金属の酸化物(NiO等)と、ジルコニア系セラミック(好ましくはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の安定化ジルコニア)、セリア及び酸化マンガン等のセラミックとのサーメットなどにより形成することができる。各種の金属、及び金属とセラミックとの混合物などを用いてもよい。金属としては、Ru、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Rh、Ni、Co、Cu及びFe等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が例示される。また、金属とセラミックとのサーメットとしては、これらの金属又は合金と、ジルコニア系セラミック(好ましくはYSZ等の安定化ジルコニア)とのサーメットが挙げられる。中でも、酸化ニッケル(NiO)と、ジルコニア系セラミックとのサーメットが好ましく、ジルコニア系セラミックがYSZまたはScSZであることがより好ましい。かかる燃料極の材料粉末の平均粒径としては特に制限されないが、平均粒径0.1μm〜10μm程度の粉末の使用が好ましい。
造孔材は、典型的には多孔質電極形成層30に含まれ、焼成の際にこの造孔材が多孔質電極形成層30から燃え抜けることで、焼成後に得られる電極に空孔が形成されて多孔質構造とすることができる。造孔材としては、カーボン粒子や各種の有機化合物等の公知の造孔材を用いることができる。また、かかる造孔材として、澱粉粒子も好ましく用いることができる。澱粉粒子は、上記の電極を構成可能な材料に対して強い接着作用(粘着力)を示すことから、多孔質電極形成層30を形成するのにバインダを必要としない、またはその使用量を削減できる点で好ましい。これらの造孔材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる造孔材のサイズ(平均粒径)は、例えば、対象とする電極に形成する所望の多孔質構造に応じて、適宜決定することができる。例えば、電極を構成可能な材料の平均粒径と同程度か、それよりも大きくすることが好ましい。具体的には、例えば、SOFCセルの燃料極用の電極材料(例えば、NiO−YSZサーメット)の場合は、平均粒径がおよそ2μm以上の造孔材の使用が好ましく、より好ましくはおよそ5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。造孔材の平均粒径が小さすぎると、焼成後に得られた電極中の細孔の細孔径が小さくなりすぎるので、透過性(例えば、該燃料極であればガス透過性)が悪化することがある。一方、造孔材の平均粒径が大きすぎると、電極中の細孔径が大きくなりすぎて機械的強度及び耐久性が低下するため、通常は、平均粒径がおよそ50μm以下(好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下)の造孔材を用いることが好ましい。
造孔材の含有量は、上記の電極材料と造孔材との合計を100質部としたとき、概ね1質量部〜15質量部とするのが好ましい。造孔材の含有量が少なすぎると、接着強度が不足してシート間に剥離が生じることがあり、また、焼成後に得られる電極の気孔率が低下するため、電極の透過性の確保ができない場合がある。一方、造孔材の含有量が多すぎると、電極の気孔率が増大しすぎるため、電極の機械的強度及び耐久性が低下することがある。接着強度、気孔率(透過性)および機械的強度の全てを満足させる観点からは、造孔材の含有量は概ね1質量部〜15質量部が適当であり、より好ましくは2質量部〜12質量部であり、特に好ましくは5質量部〜10質量部である。このような造孔材の含有量の範囲内であると、各シート間の十分な接着強度を維持しつつ、多孔質支持体として好適な気孔率を有する燃料極を安定して容易に得ることができる。
<他の電極構成成分>
多孔質電極形成層30には、上述した多孔質電極用材料および造孔材の他に、一般的な電極の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、上記多孔質電極用材料の結着剤(バインダ)として機能し得る各種の材料が挙げられる。かかるバインダは、補助層20を形成するのと同様に、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)やポリビニルアルコール(PVA)等のポリマー材料を好ましく用いることができる。バインダの配合量は、上記電極材料と造孔材との合計を100質量部としたとき、5質量部〜15質量部程度の割合で含まれるのが好ましい。なお、上記造孔材として澱粉粒子を用いる場合は、造孔材がバインダとしての機能をも果たし得ることから、バインダの割合は、上記電極材料と造孔材との合計を100質量部としたときの、その5質量部以下で含まれるのが好ましい。
その他、燃料極の成分として使用され得る材料としては、分散剤や可塑剤等の添加剤が挙げられる。分散剤としてはアクリル酸系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカルボン酸系樹脂等の材料が好ましく用いられる。可塑剤としてはグリセリンやフタル酸エステル等の材料が好ましく用いられる。
以上の電極を形成する各材料は、例えば、適切な液体媒体(溶媒)と共に混合・混練してペースト状(スラリー状であり得る。)に調製し、これを各種の手段により所望の寸法のシート状に加工することで、多孔質電極形成層30とすることができる。溶媒としては、例えば、プロパノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の有機溶媒またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。中でもプロパノールとトルエンとの組み合わせが好ましい。上記ペーストにおける溶媒の含有率は特に限定されず、所望の固形分濃度を実現するべく調製することができる。例えば、上記電極材料と造孔材との合計を100質量部としたとき、溶媒の配合量を10質量部〜30質量部程度の範囲とすることが例示される。上記電極材料および造孔材等を溶媒に混合させる操作は、ボールミル、ホモディスパー、超音波分散機などの適切な混練機を用いて行うことができる。
シート状に成形する操作は、従来の一般的な成形手段を特に限定することなく使用することができる。例えば、適当な塗布手段あるいは成形手段(例えば、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スキージ法、スピンコート法、抄造法、プレス成形、ロール成形等)を使用して、支持材(キャリアシート)等の上に上記ペースト状組成物を均一な厚さのシート状に成形することにより成形し得る。その後、適当な乾燥手段でシート状塗布物を乾燥することによって、ペースト状組成物中の溶媒を除去する。ペースト状組成物から溶媒を除去することによって、上記の多孔質電極材料等を含有する多孔質電極形成層30が形成され得る。成形後の多孔質電極形成層30の固形分濃度等に特に制限はないが、好ましい構成の一例として、例えば、固形分濃度を70質量%〜95質量%(典型的には、80%程度)とすることが例示される。
多孔質電極形成層30の厚みとしては特に限定されず、所望の電極を構成するに適切な厚みとすることができる。例えば、焼成時の湾曲を防止する観点からは厚ければ厚いほど好ましいが、厚みが厚すぎる多孔質電極形成層30は嵩張るなどするために好ましくない。その一方で、厚みが薄すぎる多孔質電極形成層30は、成形が難しくなってくることに加えて、多孔質電極形成層30の取扱性および耐久性が低下する傾向にある。そこで、例えば、多孔質電極形成層30の厚みを0.1mm〜1.5mm程度することが適当であり、好ましくはおよそ0.3mm〜1.2mm程度であり、特に好ましくは0.5mm〜1.0mm程度である。なお、後の積層工程において加圧を伴う場合には、加圧後の多孔質電極形成層30の厚みがこれらの範囲内となるよう考慮することができる。
<積層工程>
このようにして用意される補助層20および多孔質電極形成層30を、工程(3)において積層する。この積層工程では、図2に示すように、多孔質電極形成層30に補助層20を貼り合わせて積層一体化する。この積層工程では、有機樹脂成分等からなるバインダを介して補助層20と多孔質電極形成層30とを接合し、一体化することも可能ではあるが、かかるバインダは必ずしも必要ではない。例えば、補助層20は天然有機粉体22を含むことから粘着力を有する状態であり得る。また、多孔質電極形成層30も、造孔材として澱粉粒子を用いた場合には、特に層30表面に露出している造孔材により粘着力を有する状態であり得る。したがって、上記いずれかあるいは両方の接着作用によって貼合することにより、低温かつ無加圧に近い状態(すなわち加圧されていない大気圧とほぼ等しい無加圧状態)で補助層20および多孔質電極形成層30を容易に接合することができる。
接合にバインダを用いる場合は、例えば、補助層20と多孔質電極形成層30とをバインダを介して重ね合わせ、両者を外方から加圧しながら当該バインダが硬化するに適した温度にまで加熱することで接合することができる。かかる加熱と加圧の条件は、使用するバインダ等にもよるが、一般的には、例えば5MPa以上の圧力で加圧しながら、70℃以上の温度とすることが例示される。
接合にバインダを使用しない場合は、概ね60℃以下の範囲内、例えば40℃未満の温度範囲、好ましくは室温で接合を行うことができる。このような比較的低い温度範囲であっても、天然有機粉体22や造孔材による接着作用により各シートを十分に接合することができる。また、上記接合時の圧力(荷重)は、補助層20および多孔質電極形成層30の硬さや水分量等にもよるため一概には言えないが、概ね70MPa以下にすることができ、例えば、5MPa〜70MPa、好ましくは10MPa〜60MPaであり、より好ましくは20MPa〜50MPaとすることが例示される。
上記各シートを積層一体化する操作は、従来の一般的な加熱手段を特に限定することなく使用することができる。例えば、上記で用意された補助層20および多孔質電極形成層30を重ね合わせた後、積層方向の上下から熱板式の加熱ユニットで挟み込み、所定の圧力条件下で接合することが例示される。
あるいは、補助層20および多孔質電極形成層30を成形するのとほぼ同時に積層一体化するようにしてもいい。この場合は、例えば、多層ロール成形、多層押出成形等の成形手段を利用することで補助層20および多孔質電極形成層30を好適に積層一体化することができる。これにより、多孔質電極形成用グリーンシート10を得ることができる。かかる成形と同時に積層一体化する手法によると、例えば、補助層20および多孔質電極形成層30をそれぞれ別のキャリアフィルム上に載置してから貼り合わせるのではなく、補助層20および多孔質電極形成層30の成形とほぼ同時に一体化した状態でキャリアフィルムに載置することができ、製造における手間やコストを省くことができる。また、補助層20と多孔質電極形成層30の表面の乾燥が起こらない状態で両者が一体化されるため、焼成時の焼ムラ等の少ない多孔質電極130を簡便に製造することができる。
<付加的な工程>
なお、SOFC用の多孔質電極を製造する際には、上記の工程(1)〜(3)に加えて、さらに、固体電解質形成層32を形成する付加的工程を含むようにしても良い。かかる工程4においては、例えば図3に示したように、多孔質電極形成用グリーンシート10の表面のうち、多孔質電極形成層30側の表面に固体電解質材料を含む固体電解質形成層32を形成する。
固体電解質層132を構成するための固体電解質材料としては、従来からSOFCセルに用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、酸化(空気)雰囲気および還元(燃料ガス)雰囲気のいずれにおいても酸素イオン伝導性が高く、ガス透過性の無い緻密な層を形成できる材料から構成され得る。このような材料の好適な一例としては、ジルコニア系固体電解質が用いられる。典型的にはイットリア(Y)で安定化したジルコニア(すなわち、YSZ)が用いられる。その他、好適なジルコニア系固体電解質として、カルシア(CaO)で安定化したジルコニア(すなわち、カルシア安定化ジルコニア:CSZ)、スカンジア(Sc)で安定化したジルコニア(すなわち、スカンジア安定化ジルコニア:ScSZ)等が挙げられる。
固体電解質形成層32は、一般的なアノード支持形SOFCにおける固体電解質層の形成手法と同様にして形成することができる。例えば、平均粒径0.1〜10μm程度の固体電解質材料粉末とエチルセルロース等のバインダと分散剤とを適当な溶媒(例えば水)に混合させてスラリー状組成物を調製し、この組成物を多孔質電極形成層30上にスクリーン印刷あるいはディップコーティングなどにより塗布し乾燥させればよい。固体電解質形成層32の厚みは、焼成後に得られる固体電解質層132の厚さを考慮して適宜に設定することができる。例えば、固体電解質層の緻密性が維持される程度に厚くする一方、SOFCとして好ましい酸素イオン伝導度を供し得る程度に薄くなるよう、両者をバランスさせて厚さを設定するのが好ましい。かかる厚さとしては、例えば、0.01μm〜15μmが適当であり、好ましくは0.01μm〜10μmであり、より好ましくは0.1μm〜5μmである。
<焼成工程>
このようにして、多孔質電極形成用グリーンシート10を形成した後に、上記焼成工程(4)を行う。焼成においては、焼成治具等の焼成治具50と接触するのが多孔質電極形成用グリーンシート10の補助層20となるように、多孔質電極形成用グリーンシート10を炉内に配置する(図3参照)。付加的に固体電解質形成層32を備える多孔質電極形成用グリーンシート10についても、同様に焼成することができる。
焼成では、多孔質電極形成用グリーンシート10における多孔質電極形成層130中に含まれる多孔質電極用材料を焼結させるとともに、造孔材を焼失させて気孔を形成することにより、多孔質構造の焼成体、すなわち多孔質電極130を得る(図4参照)。固体電解質形成層32を備える多孔質電極形成用グリーンシート10については、固体電解質材料の焼結が行われる。
補助層20については、焼成残渣122を残して補助層20のほぼ全体が消失する。しかしながら、この焼成残渣122が多孔質電極130と焼成治具50の間に介在するため、焼成途中および焼成後に至るまで、多孔質電極形成層30および多孔質電極130が焼成治具50に接触し反応することが防止される。
焼成温度については、対象とする電極の構成材料に応じた温度(例えば、900℃以上の温度範囲)で適宜決定することができる。この実施形態では、例えば、SOFC用の燃料極を焼成するにあたり、上記の多孔質電極形成用グリーンシート10を、例えば1000℃〜1500℃、好ましくは1200℃〜1500℃、より好ましくは1300℃〜1400℃の焼成温度にて大気中で焼成するようにしている。1000℃〜1500℃で焼成することで、補助層20および多孔質電極形成層30中の造孔材が焼失されるとともに、十分に焼結が進行した多孔質電極130を得ることができる。焼成温度(最高焼成温度)での保持時間は、焼成温度にもよるが、概ね0.5時間〜4時間程度、好ましくは1時間〜2時間程度とするとよい。また、焼成雰囲気は上述した大気雰囲気に限らず、必要に応じて大気より酸素がリッチな酸素雰囲気下、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下等のように様々に調整することができる
これにより、多孔質電極130あるいは固体電解質層132を備える多孔質電極130を好ましく作製することができる。
このようにして得られた多孔質電極130は、補助層20および焼成残渣122の存在により焼成治具50との接触が防止されているため、例えば、多孔質電極130と焼成治具50との間で反応は生じない。また、例えば、多孔質電極130と焼成治具50との間で融着は生じない。したがって、焼成治具50との反応により多孔質電極130からNi成分が消費(減少)されて組成のズレが生じたり、反応生成物に因る電気伝導性等の性能の低下が防止される。したがって、融着に起因する多孔質電極130の不良品を減少させることができ、同時に、焼成治具50の消耗を抑制することができる。なお、焼成残渣122については、焼成直後は多孔質電極130に付着するものが幾らかあるが、簡単な払落しやブロー等により容易に除去することができる。また、一部が多孔質電極130に付着したままであっても、多孔質電極130の電気伝導性等の特性に悪影響を及ぼすことはない。したがって、従来のように、多孔質電極形成層30に含ませるNi量をあらかじめ増量する必要や、高価なジルコニア製の焼成治具を損傷させたりすることがなく、製品性能の向上及び歩留まりの改善を実現することができる。
また、かかる補助層20は比較的安価な材料でかつ簡便に用意することができ、寸法、形状および柔軟性等の物性を容易に所望のものに調整して形成することが可能である。そして接着剤レスで多孔質電極形成層30に接合可能とされていることから、コストの面でも作業性の面でも容易に実施することが可能とされる。
なお、かかる補助層20は、多孔質電極形成層30と一体化されて多孔質電極形成用グリーンシート10の一部として提供されることに限らない。例えば、上記のとおり用意される補助層20のみを、単独で焼成用補助シート20として用いることも可能である。かかる焼成用補助シート20は、適度な弾性を備え得るものであることから、従来より用いられている多孔質電極形成層(いわゆる従来の多孔質電極を作製するためのグリーンシート)を焼成する際に、多孔質電極形成層の下面に重ね当てて、あるいは、セッター等の焼成治具の代わりに多孔質電極形成層の下に敷いて、用いることができる。かかる使用形態において、焼成用補助シート20は多孔質電極形成層と接合されて一体化されることなく、別部材として焼成に供することができる。これによっても、上記補助層20の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態で造孔材として用いられる天然有機粉体22は、従来のセッター等の焼成治具に比較して極めて低コストで調達できる。しかも植物性であることから、人体への影響を低下させることができる。さらに、食用困難な植物原料、廃棄品のリサイクル原料由来で製造できるため、環境負荷軽減に貢献できる点でも有利である。
本実施形態に係る多孔質電極(例えば、ここではSOFC用の燃料極)は、上記のように高性能であることから、種々の形態のSOFCセルの構成要素として好ましく利用され得る。例えば、ここに開示される方法により製造された燃料極を多孔質支持体とし、この多孔質支持体の表面に薄膜状の固体電解質と空気極とを形成したアノード支持形SOFCの構成要素として好ましく使用され得る。なお、燃料極の焼成と同時に固体電解質層を形成した場合には、固体電解質層の表面に空気極を形成するだけでアノード支持形SOFCの構成要素とすることができる。かかるアノード支持形SOFCの形状や寸法、あるいはアノード支持形SOFCを構成する固体電解質(層)および空気極の詳細な組成、構造等について特に制限はない。
また、上記の多孔質電極形成用グリーンシートおよび多孔質電極の詳細な構成および製造方法等は、SOFCを対象とするものに限定されることなく、酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質電極の広く一般のものを考慮することができる。
<アノード支持形SOFC>
以下、上記で本発明の製造方法により作製した多孔質電極としてのSOFC用の燃料極130を用い、アノード支持形SOFC150を製造する場合について図3〜5に示す模式図を参照しつつ説明する。
かかるアノード支持形SOFC150は、図5に例示したように、燃料極130と、この燃料極130の少なくとも一部の表面上に形成された固体電解質層132と、この固体電解質層132の少なくとも一部の表面上に形成された空気極140とを備えている。そして、かかる燃料極130を多孔質支持体(基材)とし、この燃料極130上に膜状の固体電解質層(以下、単に「固体電解質膜」ということもある。)132、その上に空気極140の層(典型的には膜体)が形成されてなる積層体を基本構成要素として備えることにより上記アノード支持形SOFC150が構築されている。アノード支持形SOFC150は、燃料極130として、上述した電極製造方法を用いて製造された燃料極130が用いられている。かかる燃料極130については、先に説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
なお、燃料極130と固体電解質層132の焼結温度は同程度の高温であるため、上記の実施形態のとおり、燃料極130と固体電解質層132とを同時に焼結するのが効率的である。したがって、燃料極130と固体電解質層132とを同時に焼成してなる、固体電解質層132を備える燃料極130についても、先に説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
<固体電解質層>
上記アノード支持形SOFCが備える固体電解質層132は、酸化物イオン伝導体により構成されている。固体電解質は、例えば、図5に示すように、上記燃料極130上に積層されており、該燃料極130の形状に応じてその形状等を適宜変更することができる。上記のとおり製造されたシート状の燃料極130の上に固体電解質層132を形成する場合は、以下の手順で行うことができる。
固体電解質層132を構成する固体電解質材料は上述のとおりである。この固体電解質材料粉末とエチルセルロース等のバインダと分散剤とを適当な溶媒(例えば水)に混合させてスラリー状組成物を調製し、この組成物を燃料極130上にスクリーン印刷などにより塗布し乾燥させることにより未焼成の固体電解質形成用層32を作製する。この固体電解質形成用層32を大気雰囲気下にて焼成することより、薄膜状の固体電解質層132が得られる。なお、この焼成に際し、本発明の焼成用補助シート20を燃料極130下に敷いても良い。このときの焼成温度は、例えば1000℃〜1400℃の範囲内であるとよく、焼成時間は、例えば1時間〜5時間の範囲内であるとよい。固体電解質形成層32の厚みは、上記のとおり、固体電解質層132の緻密性が維持される程度に厚くする一方、またSOFCとして好ましい酸素イオン伝導度を供し得る程度に薄くなるように、両者をバランスさせて厚さ寸法を設定することができる。
<空気極>
上記アノード支持形SOFCが備える空気極140は、一般的なSOFCと同様に、酸化雰囲気でも高耐久性の材料から構成されることが好ましい。例えば、ランタンコバルテート(LaCoO)系、ランタンマンガネート(LaMnO)系、ランタンフェライト(LaFeO)系、またはランタンニッケラート(LaNiO)系のペロブスカイト型酸化物、あるいはサマリウムコバルテート(SmCoO)系ペロブスカイト型酸化物等の多孔質体から構成されることが好ましい。
上記空気極を形成(固体電解質層上に積層)する方法としては、一般的なアノード支持形SOFCの空気極の作製方法と同様でよい。例えば、空気極として好適な材料、例えば平均粒径1μm〜10μm程度のLaCoO粉末とバインダと分散剤とを適当な溶媒に混合してスラリー状組成物を調製する。この組成物を固体電解質層132上にスクリーン印刷などにより塗布し乾燥させることにより未焼成の空気極用グリーンシートを作製する。この空気極用グリーンシートを大気雰囲気下にて焼成することより、多孔質な空気極140が得られる。なお、この焼成に際し、本発明の焼成用補助シート20を燃料極130下に敷いても良い。このときの焼成温度は、例えば900℃〜1200℃の範囲内であるとよく、焼成時間は、例えば1時間〜5時間の範囲内であるとよい。
上記焼成後に得られた空気極140の厚さについては、通常は概ね100μm以下(例えば1μm〜100μm、好ましくは10μm〜100μm、例えば10μm〜50μm)であればよい。また、かかる空気極層の気孔率(水銀圧入法による)としては、およそ20%〜60%が適当であり、好ましくは50%以下(典型的には30%〜50%)である。また、かかる空気極の平均細孔径(水銀圧入法に基づく)としては、例えば10μm以下(典型的には0.1μm〜5μm)が好ましい。
以上のようにして、多孔質構造の燃料極130と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質層132と、多孔質構造の空気極140とを備えるアノード支持形の固体酸化物形燃料電池(単セル)150が製造される。
なお、SOFCの製造方法は上記説明に限定されない。例えば、本発明の多孔質電極形成用グリーンシート10を用意し、その上に固体電解質形成層32と空気極用グリーンシートとを順次積層し、それらをまとめて焼成することにより、燃料極130と固体電解質層132と空気極140とを一度の焼成で同時に形成してもよい。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<サンプル1>
平均粒径が0.3μmのイットリア安定化ジルコニア粉末(以下、YSZと記す。)と、平均粒径が3μmの酸化ニッケル粉末(以下、NiOと記す。)とを、質量比が、YSZ:NiO=6:4となるように混合した。この混合粉末100質量%に、造孔材としてのカーボンを10質量%、バインダとしてのPVBを7質量%、可塑剤としてのフタル酸ジブチルを8質量%を溶媒とともに混練した。溶媒としては、2−プロパノールとトルエンとを質量比4:1で混合したものを使用した。この混練物(ペースト状組成物)をロール成形により100mm×100mm×厚み1mmのシート状に成形し多孔質電極形成層を作製した。
天然有機粉体として小麦粉を用い、小麦粉:食塩:水が100:4:46となるように混合混練し、この混練物(ペースト状組成物)をロール成形により100mm×100mm×厚み5mmのシート状に成形して補助層を作製した。
上記で作製した多孔質電極形成層の上に補助層を重ねて載せ、25℃、50MPaの条件で圧着することで、二層構造の多孔質電極形成用グリーンシートを用意した。
上記で用意した多孔質電極形成用グリーンシートを、焼成治具としてのアルミナセッター(三井金属鉱業株式会社製、アロスーパー995Y−1H)上に補助層の側を下にして載置し、大気雰囲気の下、1350℃で2時間の焼成を行った。これにより、補助層がほぼ燃えぬけ、多孔質電極1が得られた。
<サンプル2>
上記サンプル1と同様の多孔質電極形成層を、補助層無しに単独でアルミナセッターの上に載せて、大気雰囲気の下1350℃で2時間の焼成を行って多孔質電極2を得た。
<サンプル3>
上記サンプル1と同様の多孔質電極形成層を、補助層無しに単独で、アルミナセッターの表面に更にアルミナ目砂シートを敷いた上に載せて、大気雰囲気の下1350℃で2時間の焼成を行って多孔質電極3を得た。
<サンプル4>
上記サンプル1と同様の多孔質電極形成層を、補助層無しに単独で、ジルコニアセッターの表面に更にジルコニア目砂シートを敷いた上に載せて、大気雰囲気の下1350℃で2時間の焼成を行って多孔質電極4を得た。
[焼成治具との固着]
上記で焼成された多孔質電極1〜4をとり出し、その下面(焼成治具に対向している面)を目視で観察することで、電極の下面と焼成治具との固着の有無を観察した。
[焼成治具との反応]
上記で得られた多孔質電極1〜4の下面(セッター等に対向している点)を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、電極下面と焼成治具との反応の有無を観察した。観察は、各電極に対し5つの視野について行った。
[元素分析]
また、この下面(表面)の元素分析を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−6490LA)を用いて、加速電圧:20kV、電子線スポットサイズ:55、観察倍率:5000倍の条件にて行った。
[電気伝導性]
さらに、得られた多孔質電極1〜4を、800℃で水素を4%含むアルゴンガス雰囲気中で還元処理した後、常温(25℃)で下面の導電率測定を行った。
以上の結果を、下記の表2に示した。なお、導電率については、4端子法により多孔質電極の下面の任意の測定点(10点)において測定した結果から、平均値を算出し、上段に平均値、下段に測定値の範囲を示した。
Figure 2014040354
[評価]
表2に示した通り、多孔質電極1の下面を目視で観察したところ、補助層の燃え残りの灰がみられたものの刷毛により軽く払うことで容易に取り除くことができ、焼成治具との固着は確認できなかった。また、多孔質電極2についても、焼成治具との固着は確認できなかった。これに対し、多孔質電極3および4は、下面に目砂が付着しているのが確認できた。多孔質電極3の目砂は刷毛により容易に除去できるものであったが、多孔質電極4の目砂は容易に除去できないほど強く固着していた。
SEM観察の結果、多孔質電極1および4の下面には焼成治具と反応した様子は特に確認されなかった。一方の多孔質電極2および3の下面には、焼成治具と反応した様子が確認された。
元素分析の結果から、多孔質電極2および3の下面にみられる反応生成物はニッケルアルミネートであり、多孔質電極中のNi成分がアルミナ成分と反応していることが確認できた。反応生成物の近傍では、上記表2のNi:Zr質量比として示したように、焼成後のNi成分量が、NiおよびZrの合計に対して、5質量%ほど低下していることが確認された。
なお、多孔質電極1および4については、アルミナ成分は検出されず、Zr成分に対するNi成分の割合も焼成前後で有意に変化することはなかった。
電気伝導率の測定結果から、多孔質電極1は補助層の焼成残渣が付着していたにもかかわらず、導電性の低下は見られなかった。多孔質電極2および3については、絶縁性のアルミナ成分が付着していることにより導電性が大きく低下してしまっていた。多孔質電極4については、Ni成分の減少により導電性が低下してしまったものと考えられる。
以上の結果から、本試験例によると、多孔質電極形成用のグリーンシートが天然有機粉体からなる補助層を備えていることにより、多孔質電極と焼成治具との接触が妨げられ、両者の融着や反応を極めて効果的に防止できることが確認された。これにより、導電性に優れた多孔質電極を、低コストで簡便に製造することができる。
<天然有機粉体>
小麦粉(日清製粉株式会社製、中力小麦粉)、米粉(共立食品株式会社製、米の粉)、そば粉(有限会社大西製粉製、石臼びきそば粉)、でんぷん(日本コーンスターチ株式会社製、米澱粉)を焼成した際の焼成残渣量を調べた。焼成温度は、550℃、1400℃の2通りとした。焼成残渣は、粉体試料100gを各々アルミナるつぼに入れて150℃で予備灰化した後、前記の焼成温度で恒量となるまで焼成したときの灰の質量を測定することで算出した。その結果を表3に示した。
Figure 2014040354
小麦粉、米粉、そば粉については、550℃での焼成残渣(灰分)がいずれも0.3質量%以上で、1400℃での焼成残渣がいずれも0.3質量%以上であることが確認できた。一方のでんぷん試薬については、550℃での焼成残渣(灰分)がうっすらと目視で確認できるものの、その割合は0.1質量%以下と少量であった。
なお、小麦粉、米粉、そば粉を用いて作製した補助層と焼成治具との反応は確認できなかったが、でんぷんを用いた場合にはアルミナセッターとの反応が確認された。天然有機粉体としては、灰分が0.3質量%以上であるのが望ましいことが確認できた。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
10 多孔質電極形成用グリーンシート
20 補助層(焼成用補助シート)
22 天然有機粉体
30 多孔質電極形成層
32 固体電解質形成層
50 焼成治具
122 焼成残渣
130 多孔質電極(燃料極)
132 固体電解質層
140 空気極
150 アノード支持形SOFC

Claims (18)

  1. 少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質電極を形成するためのグリーンシートであって、
    少なくともニッケル成分またはジルコニウム成分を含む多孔質電極形成層と、
    セラミック粉末を含まず、天然有機粉体から実質的に構成される補助層、とからなる積層構造を有する、多孔質電極形成用グリーンシート。
  2. 前記天然有機粉体の550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲である、請求項1記載の多孔質電極形成用グリーンシート。
  3. 前記天然有機粉体は、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上である、請求項1または2に記載の多孔質電極形成用グリーンシート。
  4. 前記多孔質電極形成層の厚みが0.1mm〜1.5mmで、
    前記補助層の厚みが1mm〜10mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質電極形成用グリーンシート。
  5. 前記補助層は、前記天然有機粉体100質量部に対して、NaClが1質量部〜10質量部、水が35質量部〜55質量部の割合で配合されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質電極形成用グリーンシート。
  6. 前記補助層は、天然有機粉体以外のバインダ成分を含まず、また、バインダ層を介さずに前記多孔質電極形成層と直接一体化されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質電極形成用グリーンシート。
  7. 少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含むシート状の多孔質電極の未焼成体を焼成する際に該未焼成体の下面と炉材および焼成治具との融着を防止するシートであって、
    セラミック粉末を含まず、実質的に天然有機粉体がシート状に成形されてなる、焼成用補助シート。
  8. 前記天然有機粉体の550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲である、請求項7に記載の焼成用補助シート。
  9. 前記天然有機粉体は、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉およびそば粉からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上である、請求項7または8に記載の焼成用補助シート。
  10. 厚みが1mm〜10mmである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の焼成用補助シート。
  11. 前記天然有機粉体100質量部に対して、NaClが1質量部〜10質量部、水が35質量部〜55質量部の割合で配合されている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の焼成用補助シート。
  12. 天然有機粉体以外のバインダ成分を含まず粘着性を有し、前記多孔質電極の未焼成体にバインダ層を介さずに直接付着可能である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の焼成用補助シート。
  13. 少なくとも酸化ニッケルまたはジルコニアを含む多孔質構造の電極を製造する方法であって、
    セラミック粉末を含まず、実質的に天然有機粉体をシート状に成形して補助層を用意すること、
    少なくともニッケル成分またはジルコニウム成分を含む多孔質電極用材料をシート状に成形して多孔質電極形成層を用意すること、
    前記補助層と前記多孔質電極形成層とを貼り合わせて多孔質電極形成用グリーンシートを形成すること、および、
    前記多孔質電極形成用グリーンシートを焼成すること、
    を包含する、多孔質電極の製造方法。
  14. 前記補助層と前記多孔質電極形成層との貼り合わせは、前記補助層および前記多孔質電極形成層の成形とほぼ同時に行われる、請求項13に記載の多孔質電極の製造方法。
  15. 前記天然有機粉体100質量部に対して、NaClを1質量部〜10質量部、水を35質量部〜55質量部の割合で配合して混合し、シート状に成形することで補助層を用意する、請求項13または14に記載の多孔質電極の製造方法。
  16. 前記天然有機粉体として、550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲である天然有機粉体を用いて補助層を用意する、請求項13〜15のいずれか1項に記載の多孔質電極の製造方法。
  17. 前記天然有機粉体が、小麦粉、そば粉、米粉およびライ麦粉からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の多孔質電極の製造方法。
  18. さらに、
    前記多孔質電極形成用グリーンシートにおける前記多孔質電極形成層の表面に、固体電解質材料を含む固体電解質形成層を形成すること、
    を包含し、前記固体電解質形成層を備える多孔質電極形成用グリーンシートを焼成する、請求項13〜17のいずれか1項に記載の多孔質電極の製造方法。
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