JP5546560B2 - 固体酸化物形燃料電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用電極およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」ともいう。)に関し、詳しくは、SOFCに用いられる電極およびその製造方法に関する。
固体電解質燃料電池とも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は、種々のタイプの燃料電池の中でも、発電効率が高い、環境への負荷が低い、そして、多様な燃料の使用が可能であるなどの利点を有している。SOFCは、その基本構造(単セル)として、酸素イオン伝導体(典型的には酸素イオン伝導性のセラミック体、好ましくは酸素イオン伝導体であることに加え、電子伝導性を兼ね備えた酸素イオン−電子混合伝導体)から成る緻密な固体電解質(例えば緻密膜層)の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成(例えば積層)されることにより構成されている。燃料極が形成された側の固体電解質の表面には燃料ガス(典型的にはH(水素))が供給され、空気極が形成された側の固体電解質の表面にはO(酸素)含有ガス(典型的には空気)が供給される。
SOFC用の固体電解質としては、化学的安定性および機械的強度の高さから、ジルコニア系材料(例えばイットリア安定化ジルコニア:YSZ)やセリア系材料からなる固体電解質が広く用いられている。かかる固体電解質(層)は、薄くなるほどイオン透過速度が上昇して充放電特性等の電池性能が向上する。そのため、近年、SOFCの電池性能を向上させるべく、燃料極を厚く形成して多孔質支持体とし、該多孔質支持体の表面に薄膜状の固体電解質と空気極とを形成したアノード支持形SOFCの開発が進められている。SOFC用の燃料極としては、例えば酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとのサーメット(NiO/YSZサーメット)、空気極としてはLaCoO、LaMnO等のペロブスカイト構造の酸化物がよく用いられる。
この種のアノード支持形SOFCを製造する方法としては、まず、燃料極の材料と造孔材(例えばカーボン)とを溶媒に加えてスラリーを調製し、このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形してグリーンシート(未焼成の基材シート)を作製し、これを焼成して燃料極(多孔質支持体)とする。次いで、燃料極の表面にスクリーン印刷またはディップコーティング等により固体電解質(層)を形成し、さらに固体電解質上に空気極層を形成して焼成することによりアノード支持形SOFCが製造され得る。この種のSOFCの製造に関する従来技術としては特許文献1,2が挙げられる。
特開2002−175814号公報 特開平08−319181号公報
ところで、上記アノード支持形SOFCにおいては、強度面よりアノード(燃料極)をある程度厚くする必要があるが、1枚で厚膜(例えば0.5mm以上)のグリーンシートを一体に形成しようとすると、比重の大きいセラミック粒子がシート下部に沈降するため、厚さ方向での粒子の充填状態が異なる。このため、その後の焼成工程において1000℃以上(例えば1400℃程度)の温度域で焼成した際に厚さ方向の収縮率が微妙に異なり、反りあるいは変形が生じ、平坦な燃料極の形成が難しいという問題がある。
この点に関し、近年、1枚で厚膜のグリーンシートを一体に形成するのではなく、薄膜のグリーンシートを目的の厚みとなるように積層することが試みられている。例えば、図6に示すように、薄膜(例えば0.1mm)のグリーンシート1を複数枚(図では5枚)用意し、該シート1の表面に有機接着剤(例えばエポキシ樹脂)を塗布して接着層2を形成する。次いで、上記シート1の各々を接着層2により接合し、目的の厚み(例えば0.5mm)となるように積層する。その後、積層体3を1000℃以上の温度域で焼成することにより、湾曲のない平坦な燃料極を形成することができる。
しかしながら、上述のように、薄厚のグリーンシートを目的の厚みとなるように積層する構成は、焼成時におけるグリーンシートの反り変形を防止して平坦な燃料極を形成するのに有利である一方で、該シートを積層する際、接着剤に塗布ムラがあると、接着面が凹凸になるため、接着界面に隙間(気泡)が形成されやすく、かかる隙間(気泡)を起点として燃料極が破損する虞がある。また、上記接着層に用いられる有機接着剤は、高温(例えば70℃以上)かつ高加圧(例えば5MPa以上)でないと接合できないため、適正な接合条件の選定が難しく、例えば高温かつ高圧に設定しすぎると、シート中の樹脂成分が溶解して積層体に変形が生じる虞がある。また、焼成後の積層体(燃料極)にも変形や割れが生じる虞がある。本発明は上記課題を解決するものである。
本発明によって提供される電極製造方法は、多孔質構造の固体酸化物形燃料電池(SOFC)用電極を製造する方法である。上記製造方法は、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシートを用意することを包含する。また、上記複数のグリーンシートを上記澱粉粒子の接着作用により貼り合わせてグリーンシート積層体を形成することを包含する(積層工程)。さらに、上記グリーンシート積層体を焼成して多孔質構造の電極を得ることを包含する(焼成工程)。
本発明の構成では、従来のような有機接着剤(接着層)を用いずに、グリーンシート中に含まれる澱粉粒子(特にシート表面に露出している澱粉粒子)の接着作用のみで各シートを接合する。かかる構成によると、低温(例えば60℃以下)かつ無加圧に近い状態で各シートを接合できるので、高温かつ高圧条件で接合したときのようなグリーンシート積層体の割れ、変形等が有効に防止され、高品質の電極が得られる。さらに、接着剤レスになることから、従来のような接着剤の塗布ムラに起因して接着界面に空隙が形成されることが防止され、該空隙を起点として電極が破損するような不具合を解消することができる。したがって、本発明によると、接着不良等による電極の破損が防止された、優れた品質の電極を安定して容易に製造することができる。
ここで開示される電極製造方法の好ましい一態様では、上記焼成工程では、上記グリーンシート中の上記澱粉粒子を焼失させることにより上記電極中に気孔を形成する。このようにグリーンシート中の澱粉粒子を焼失して気孔を形成することにより、焼成後の電極を効率よく多孔質化することができる。また、澱粉粒子は、一般に造孔材として用いられるカーボンに比べて分散性が良好なため、気孔が均一に分散したガス透過性の良い電極を製造することができる。
ここに開示される電極製造方法の好ましい一態様では、上記積層工程では、上記複数のグリーンシートを40℃〜60℃で加熱しつつ貼り合わせる。このように60℃以下の低温状態で貼り合わせることにより、接合時におけるグリーンシート積層体の変形(例えばシート中の樹脂分が軟化・溶融することによるシート形状の変化)が有効に防止され、高い品質の電極を安定して容易に製造することができる。また、好ましい一態様では、上記積層工程では、上記複数のグリーンシートを1MPa以下の圧力条件下(好ましくは加圧されていない大気圧とほぼ等しい無加圧状態)において貼り合わせる。このような低圧力条件下においてシートを貼り合わせることにより、圧力分布のバラツキに起因する接合時や焼成時におけるグリーンシート積層体の割れ(クラック)、変形等が有効に防止され、高い品質の電極を安定して容易に製造することができる。
ここに開示される電極製造方法の好ましい一態様では、上記グリーンシートの全固形分を100質量%としたときの上記澱粉粒子の含有量が2質量%〜30質量%である。澱粉粒子の含有量が少なすぎると、接着強度が不足してシート間に剥離が生じる場合があり、また、焼成後に得られた電極の気孔率が低下するため、電極のガス透過性の確保ができない場合がある。一方、澱粉粒子の含有量が多すぎると、焼成後に得られた電極の気孔率が増大しすぎるため、電極の機械的強度及び耐久性が低下することがある。例えば、上記澱粉粒子の含有量が2質量%〜30質量%(好ましくは5質量%〜15質量%)であるグリーンシートが、接着強度及び機械的強度を両立する観点からは好適である。
ここに開示される電極製造方法の好ましい一態様では、上記澱粉粒子として、米澱粉、芋澱粉、コーン澱粉及びタピオカ澱粉からなる群から選択された少なくとも一種を使用する。これらの材料に由来する澱粉は、電極材料(例えば導電性セラミック)に対して強い接着作用(粘着力)を示すため、本発明の目的に適した澱粉粒子として好適に使用し得る。特に、接着性および接着作業性を両立させる観点からは米澱粉の使用が好ましい。
ここに開示される電極製造方法の好ましい一態様では、上記澱粉粒子中のアミロペクチンの含有量が20質量%〜60質量%である。アミロペクチンの含有量が少なすぎると、澱粉粒子の接着作用(粘着力)が低下するため、接着強度が不足してシート間に剥離が生じることがある。十分な接着強度を得る観点からは、概ね20質量%以上が適当であり、好ましくは25質量%以上であり、特に好ましくは30質量%以上である。特にアミロペクチンの含有量が30質量%以上であると、グリーンシート中の澱粉粒子の添加量を10質量%またはそれ以下(例えば5質量%〜10質量%)にしても十分な接着強度が得られる点で好ましい。その一方、アミロペクチンの含有量が多すぎると、澱粉粒子の接着作用(粘着力)が増大しすぎるため、例えば接着作業時にシートが加熱ユニットに付着するなどの不具合が生じ、接着作業性が悪化する場合がある。例えば、アミロペクチンの含有量が20質量%〜60質量%(好ましくは25質量%〜60質量%、より好ましくは25質量%〜50質量%、特に好ましくは30質量%〜50質量%)の澱粉粒子が、高い接着強度と良好な接着作業性を両立させる観点から好適である。
また、本発明は、他の側面として、上記のような製造方法により製造された固体酸化物形燃料電池用電極を提供する。即ち、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数枚のグリーンシートを貼り合わせてなるグリーンシート積層体を焼成することにより形成された多孔質構造の固体酸化物形燃料電池用電極であって、該焼成後の電極表面におけるガスクロマトグラフィーもしくは酸素気流中燃焼−赤外線吸収法に基づくC含有率が、該表面全体の1ppm〜10質量%である。このように電極中に炭素成分(典型的には澱粉粒子が燃え抜けた後の残留炭素成分)を高濃度で含有させることにより、電極の導電性が格段に向上するとともに、電極材料(例えば導電性セラミック)粒子界面に存在する炭素成分がバインダー(結着剤)として機能するため、電極の機械的強度及び耐久性を向上させることができる。したがって、より高性能な固体酸化物形燃料電池を構築するのに寄与し得る最適な電極が提供され得る。
本発明によると、また、上記のような多孔質構造の電極を備えた固体酸化物形燃料電池が提供される。すなわち、多孔質構造の燃料極と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質と、多孔質構造の空気極とを備える固体酸化物形燃料電池であって、上記燃料極として、ここで開示されるいずれかの製造方法により製造された電極を備える。かかる固体酸化物形燃料電池は、上述した製造方法により製造された電極を燃料極として備えていることから、優れた性能を示すものであり得る。例えば、耐久性が高い、発電性能に優れる、生産安定性に優れる、のうちの少なくとも一つ(好ましくは全部)を満足するものであり得る。
また、本発明によると、ここで開示されるいずれかの製造方法に好適に用いられるグリーンシート積層体が提供される。即ち、多孔質構造の固体酸化物形燃料電池用電極を形成するために用いられるグリーンシート積層体であって、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシートを上記澱粉粒子の接着作用により貼り合わせて構成されている。かかるグリーンシート積層体を用いれば、接着不良による破損が抑制された高品質のSOFC用電極を製造することができる。好ましい一態様では、上記澱粉粒子は、上記グリーンシート積層体を焼成して電極中に気孔を形成する際に造孔成分として機能する。かかるグリーンシート積層体を用いれば、多孔質支持体として優れた気孔率を有する多孔質構造の電極を安定して容易に製造することができる。
ここで開示される好ましい一態様では、前記グリーンシートの全固形分を100質量%としたときの上記澱粉粒子の含有量が2質量%〜30質量%である。また好ましくは、上記澱粉粒子は米澱粉である。さらに上記澱粉粒子中のアミロペクチンの含有量が、20質量%〜60質量%であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電極製造方法の製造フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る電極製造方法の製造工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る電極製造方法の製造工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る電極製造方法の製造工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係るアノード支持形SOFCを示す断面模式図である。 従来のグリーンシート積層体を示す断面模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、固体酸化物形燃料電池用電極やその製造方法)以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(電極材料粉末の合成方法や単セルおよびスタックの構築方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1〜図4を参照しつつ、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)用電極の製造方法について説明する。
本実施形態に係る電極製造方法は、多孔質構造のSOFC用電極を製造する方法であって:図2に示すように、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシート(未焼成の基材シート)10を用意することを包含する(図1のステップS10)。また、図3に示すように、複数のグリーンシート10を上記澱粉粒子の接着作用により貼り合わせてグリーンシート積層体20を形成することを包含する(図1のステップS20)。さらに、図4に示すように、グリーンシート積層体20を焼成して多孔質構造の電極30を得ることを包含する(図1のステップS30)。上記焼成工程では、グリーンシート積層体20中の澱粉粒子を焼失させることにより燃料極30中に気孔を形成する。
上記製造方法によれば、従来のような有機接着剤を用いずに、グリーンシート10中に含まれる澱粉粒子の接着作用(粘着力)のみで各シート10を接合することができる。かかる構成によると、低温(例えば60℃以下)かつ無加圧に近い状態で各シート10を接合できるので、高温かつ高圧条件で接合したときのようなグリーンシート積層体20の割れ、変形等が有効に防止され、高い品質の電極30が得られる。また、接着剤レスになることから、従来のような接着剤の塗布ムラに起因して接着界面に空隙が入り込むことが防止され、該空隙を起点として電極30が破損するような不具合を解消することができる。さらに、上記焼成の際に、澱粉粒子を焼失(揮発)させることにより燃料極30中に気孔を形成するので、電極30を効率よく多孔質化できるとともに、澱粉粒子はカーボン等の造孔材に比べて分散性が良好なため、気孔が均一に分散したガス透過性の良い電極30が得られる。したがって、上記構成によると、ガス透過性が良好であり、かつ耐久性に優れたSOFC用電極30を安定して容易に製造することができる。
以下、各工程をさらに詳細に説明する。なお、以下では主として本発明を燃料極の製造に適用する場合を例として説明するが、これに限定することを意図したものではない。本発明は燃料極に限らず空気極にも適用することができる。
<用意工程>
ステップS10のグリーンシート10を用意する工程は、図2に示すように、燃料極材料と澱粉粒子とを含有するグリーンシート10を用意する工程である。
<燃料極の材料>
上記燃料極の材料には、従来からSOFCセルに用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、Ni等の金属の酸化物(NiO等)と、ジルコニア系セラミック(好ましくはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の安定化ジルコニア)、セリア及び酸化マンガン等のセラミックとのサーメットなどにより形成することができる。各種の金属、及び金属とセラミックとの混合物などを用いてもよい。金属としては、Ru、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Rh、Ni、Co、Cu及びFe等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が例示される。また、金属とセラミックとのサーメットとしては、これらの金属又は合金と、ジルコニア系セラミック(好ましくはYSZ等の安定化ジルコニア)とのサーメットが挙げられる。中でも、酸化ニッケルと、ジルコニア系セラミックとのサーメットが好ましく、ジルコニア系セラミックがYSZまたはScSZであることがより好ましい。かかる燃料極の材料粉末の平均粒径としては特に制限されないが、平均粒径0.1μm〜10μm程度の粉末の使用が好ましい。
<澱粉粒子>
本実施形態で用いられる澱粉粒子としては、上記燃料極の材料に対して強い接着作用(粘着力)を示す澱粉粒子であることが好ましい。また、焼成工程において燃料極を構築するために設定される焼成温度(例えば、800℃〜1500℃、好ましくは1000℃〜1500℃、より好ましくは1200℃〜1400℃)において揮発する澱粉粒子を用いることが好ましい。さらに、後述するグリーンシートを形成するためのスラリー状組成物において該組成物をシート状に成形し易い粘度に調整し得る澱粉粒子であることが好ましい。このような条件を満たす澱粉粒子を特に制限なく用いることができる。かかる澱粉粒子としては、例えば、米、もち米、とうもろこし(コーン)、芋、タピオカ、小麦、サゴ等の原料から製造されるものが挙げられる。中でも米澱粉、コーン澱粉、芋澱粉、タピオカ澱粉の使用が好ましい。これらの澱粉は、燃料極材料(例えばYSZ及びNiOなどの導電性セラミック)に対して強い接着作用(粘着力)を示すため、本発明の目的に適した澱粉粒子として好適に使用し得る。これらの澱粉は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記澱粉粒子としては、アミロペクチンの含有量が20質量%〜60質量%であるものが好ましく、25質量%〜50質量%であるものが特に好ましい。アミロペクチンの含有量が少なすぎると、澱粉粒子の接着作用(粘着力)が低下するため、各シートの接着強度が不足してシート間に剥離が生じることがある。その一方、アミロペクチンの含有量が多すぎると、澱粉粒子の接着作用(粘着力)が増大しすぎるため、例えば接合作業時にシートが加熱ユニットに付着するなどの不具合が生じ、接合作業性が低下する場合がある。例えば、アミロペクチンの含有量が20質量%〜60質量%(好ましくは25質量%〜50質量%)の澱粉粒子が、接着強度と接着作業性を両立させる観点から好適である。
<澱粉粒子の形状>
澱粉粒子の形状は特に制限されない。製造容易性等の観点から、通常は、略球形の澱粉粒子を好ましく使用し得る。また、澱粉粒子のサイズ(平均粒径)は、燃料極材料(例えば導電性セラミック)粉末の平均粒径と同程度か、それよりも大きいことが好ましい。例えば、平均粒径が凡そ2μm以上の澱粉粒子の使用が好ましく、より好ましくは凡そ5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。澱粉粒子の平均粒径が小さすぎると、焼成後に得られた燃料極中の細孔の細孔径が小さくなりすぎるので、該燃料極のガス透過性が悪化することがある。一方、澱粉粒子の平均粒径が大きすぎると、燃料極中の細孔径が大きくなりすぎて機械的強度及び耐久性が低下するため、通常は、平均粒径が凡そ50μm以下(好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下)の澱粉粒子を用いることが好ましい。澱粉粒子の平均粒径は当該分野で公知の方法、例えばレーザ回折散乱法に基づく測定によって求めることができる。
<澱粉粒子の含有量>
グリーンシートの全固形分を100質量%としたときの澱粉粒子の含有量は、概ね2質量%〜30質量%である。澱粉粒子の含有量が少なすぎると、接着強度が不足してシート間に剥離が生じることがあり、また、焼成後に得られた燃料極の気孔率が低下するため、燃料極のガス透過性の確保ができない場合がある。一方、澱粉粒子の含有量が多すぎると、燃料極の気孔率が増大しすぎるため、燃料極の機械的強度及び耐久性が低下することがある。接着強度、ガス透過性及び機械的強度の全てを満足させる観点からは、澱粉粒子の含有量は概ね2質量%〜30質量%が適当であり、より好ましくは5質量%〜15質量%であり、特に好ましくは5質量%〜10質量%である。このような澱粉粒子の含有量の範囲内であると、各シート間の十分な接着強度を維持しつつ、多孔質支持体として好適な気孔率を有する燃料極を安定して容易に得ることができる。
<他の燃料極構成成分>
グリーンシート10は、上述した燃料極材料および澱粉粒子の他に、一般的なSOFCセルにおいて燃料極の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、上記燃料極材料の結着剤(バインダー)として機能し得る各種の材料が挙げられる。該バインダーとしてはポリビニルブチラール(PVB)やポリビニルアルコール(PVA)等のポリマー材料が好ましく用いられる。その他、燃料極の成分として使用され得る材料としては、分散剤や可塑剤が挙げられる。分散剤としてはアクリル酸系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカルボン酸系樹脂等の材料が好ましく用いられる。可塑剤としてはグリセリンやフタル酸エステル等の材料が好ましく用いられる。
上記グリーンシート10の形成方法としては特に限定されないが、例えば、燃料極材料粉末、澱粉粒子、その他の燃料極形成成分を適当な溶媒に混合分散したスラリー状(ペースト状またはインク状を含む。以下同じ。)の組成物を調製し、このスラリー状組成物をシート状に成形する方法を好ましく採用することができる。スラリー状組成物に用いられる溶媒としては、例えば、プロパノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の有機溶媒またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。中でもプロパノールとトルエンとの組み合わせが好ましい。スラリー状組成物における溶媒の含有率は特に限定されないが、組成物全体の10質量%〜30質量%程度が好ましい。上記燃料極材料および澱粉粒子を溶媒に混合させる操作は、ボールミル、ホモディスパー、超音波分散機などの適当な混練機を用いて行うことができる。
スラリー状組成物をシート状に成形する操作は、従来の一般的な成形手段を特に限定することなく使用することができる。例えば、適当な塗布手段(例えば、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スキージ法、スピンコート法)を使用して、図示しない支持材(キャリアシート)の面に上記スラリー状組成物を均一な厚さにコーティングすることにより成形され得る。その後、適当な乾燥手段でシート状塗布物を乾燥することによって、スラリー状組成物中の溶媒を除去する。スラリー状組成物から溶媒を除去することによって、燃料極材料と澱粉粒子とを含有するグリーンシート(未焼成の基材シート)10が形成され得る。
上記グリーンシート10の厚みとしては特に限定されないが、焼成時の湾曲を防止する観点からは薄ければ薄いほど好ましい。例えば、グリーンシートの厚みを0.5mm以下にすることが適当であり、好ましくは凡そ0.3mm以下であり、特に好ましくは0.1mm以下である。その一方で、厚みが薄すぎるグリーンシートは、成形が難しくなってくることに加えて、グリーンシートの取扱性および耐久性が低下傾向になるため、通常は、厚みが0.05mm以上(好ましくは0.08mm以上)となるように成形することが好ましい。
<積層工程>
このようにしてグリーンシートを用意(製造)したら、ステップS20の積層工程を実行する。積層工程では、図3に示すように、複数(ここでは5枚)のグリーンシート10を、該グリーンシート10中の澱粉粒子の接着作用(粘着力)により貼り合わせてグリーンシート積層体20を形成する。このように、複数のグリーンシート10を澱粉粒子(特にシート表面に露出している澱粉粒子)の接着作用により貼り合わせることにより、低温かつ無加圧に近い状態(すなわち加圧されていない大気圧とほぼ等しい無加圧状態)で各シートを容易に接合できる。
上記接合時の加熱温度としては、概ね40℃〜60℃の範囲内にすることができる。加熱温度が40℃以上であれば、澱粉粒子の接着作用により各シートを十分に接合することができる。その一方、加熱温度が高すぎると、シートの変形(例えばシート中の樹脂分が軟化・溶融することによるシート形状の変化)が生じ、グリーンシート積層体の平滑性が悪化するおそれがある。グリーンシート積層体の平滑性を良好にする観点からは、加熱温度は60℃以下であり、好ましくは55℃以下である。例えば、40℃〜55℃(特には40℃〜50℃)の加熱温度が、接着強度と接合後平滑性とを両立する観点からは好適である。上記加熱温度を保持する加熱時間は、加熱温度にもよるが、概ね30秒〜300秒程度とするとよい。
また、上記接合時の圧力(荷重)としては、概ね1MPa以下(例えば大気圧〜1MPa)にすることができ、好ましくは0.5MPa以下であり、より好ましくは0.2MPa以下である。1MPaを超える圧力条件下において接合した場合には、グリーンシート積層体に変形が生じるおそれがある。また、焼成後のグリーンシート積層体(即ち燃料極)にも変形や割れが生じるおそれがある。上記圧力の下限値はとくに制限されないが、概ね大気圧(例えば0.1MPa)以上であるとよい。大気圧を下回る場合には、各シートを十分に接合できない場合がある。加圧されていない大気圧とほぼ等しい無加圧状態で接合することが好ましい。
上記各シートを加熱して接合する操作は、従来の一般的な加熱手段を特に限定することなく使用することができる。例えば、複数のグリーンシートを重ね合わせた後、積層方向の上下から熱板式の加熱ユニットで挟み込み、1MPa以下の圧力条件下(好ましくは加圧されていない大気圧とほぼ等しい無加圧状態)で40℃〜60℃に加熱して接合するとよい。
上記グリーンシート積層体20の厚みとしては特に限定されないが、概ね0.2mm〜1.0mmであることが適当であり、好ましくは0.4mm〜0.8mmである。グリーンシート積層体20の厚みが0.2mm以上であれば、アノード支持形SOFCにおいて固体電解質等を支持するための十分な機械的強度を有する多孔質支持体とすることができる。また、グリーンシート積層体20を構成するグリーンシートの枚数は特に限定されないが、概ね2枚〜10枚であることが適当であり、好ましくは3枚〜5枚である。
<焼成工程>
このようにして、グリーンシート積層体20を形成したら、焼成工程を実行する。焼成工程では、図4に示すように、グリーンシート積層体20を焼成して多孔質構造の燃料極30を得る。
この実施形態では、上記グリーンシート積層体20を、例えば1000℃〜1500℃(好ましくは1200℃〜1500℃、より好ましくは1300℃〜1400℃)の焼成温度にて大気中で焼成する。このとき、グリーンシート10中に含まれる澱粉粒子を焼き飛ばし、燃料極30中に気孔を形成することにより、多孔質構造の焼成体を得ることができる。焼成温度としては1000℃〜1500℃であれば、燃料極が十分に焼結し、また、焼成時に澱粉粒子を効率よく焼き飛ばすことができる。焼成温度(最高焼成温度)を保持する時間は、焼成温度にもよるが、概ね0.5時間〜4時間程度、好ましくは1時間〜2時間程度とするとよい。また、焼成雰囲気は上述した大気雰囲気に限らず、必要に応じて大気より酸素がリッチな酸素雰囲気下、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下等とすることができる。
以上のようにして、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシート10を用いて多孔質構造のSOFC用燃料電極30を好ましく形成することができる。
このようにして得られた燃料極30は、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシート10を澱粉粒子の接着作用により貼り合わせ、得られたグリーンシート積層体20を焼成することにより形成されたものである。したがって、従来のような有機接着剤をグリーンシート10の表面に塗布する必要がなく、製造プロセスを簡略化し、製造コストの削減や製造効率の向上を実現することができる。また、接着剤レスになることから、従来のような接着剤の塗布ムラ(接着面の凹凸)に起因して接着界面に空隙が残ることが防止され、該空隙を起点として燃料極30が破損するような不都合を解消できる。
さらに、低温かつ無加圧に近い状態で各シート10を接合できるので、高温かつ高圧条件で接合したときのような、接合時や焼成時におけるグリーンシート積層体20の割れ(クラック)、変形等が有効に防止され、平滑性のよい燃料極30が得られる。好ましい一態様では、上記接合後のグリーンシート積層体20の表面粗さ(Ra)が、凡そ0.5μm以下(例えば0.1μm〜0.5μm)であり、好ましくは0.4μm以下であり、特に好ましくは0.35μm以下ある。このような平滑性のよいグリーンシート積層体(ひいては燃料極)を用いることにより、より高性能なSOFCセルが構築され得る。なお、ここでいう「表面粗さ」とは、JIS B0601−2001に基づいて求められる算術平均粗さRa(以下、「表面粗さRa」ということもある。)をいう。この表面粗さRa[μm]は、例えば測定対象物の表面を顕微鏡で観察することにより、あるいは従来公知の触針式等の表面粗さ測定装置によって容易に測定することができる。
また、本実施形態によれば、上記焼成の際に澱粉粒子が焼き飛ぶ(揮発する)ので、製造された燃料極30中に澱粉粒子が残らず、焼成後の燃料極30を容易に多孔質化することができる。加えて、澱粉粒子は、一般に造孔材として用いられるカーボンに比べて分散性が良好なため、気孔が均一に分散した(ガス透過性が良好な)燃料極30を製造することができる。好ましい一態様では、上記燃料極30の水銀圧入法に基づく気孔率が、概ね10%〜50%の範囲であり、好ましくは20%〜35%の範囲である。このような所定の範囲内の気孔率を有する燃料極30であると、高い機械的強度と、優れたガス透過性(即ち、固体電解質層におけるガス接触面積の十分な確保)とを高いレベルで両立させることができる。かかる燃料極の平均細孔径(水銀圧入法に基づく)としては、例えば5.0
μm以下(典型的には0.5μm〜2.0μm)が好ましい。
さらに、上記澱粉粒子は、一般に造孔材として用いられるカーボンに比べて電極材料(例えば導電性セラミック)との接着性が良いことから、焼成後も粒子界面に残留炭素成分を高濃度で残留させることができる。好ましい一態様では、上記焼成後の燃料極表面におけるC含有率が、該表面全体の1ppm〜10質量%(好ましくは10ppm〜5質量%、特に好ましくは100ppm〜1質量%)である。このように燃料極30中に炭素成分を高濃度で含有させることにより、燃料極30の導電性が格段に向上する。さらに、電極材料(例えば導電性セラミック)粒子界面に存在する炭素成分がバインダー(結着剤)として機能するため、燃料極30の機械的強度及び耐久性を向上させることができる。したがって、より高性能な固体酸化物形燃料電池を構築するのに寄与し得る最適な燃料極30が実現され得る。
本実施形態で用いられる澱粉粒子は、カーボンに比べて低コストで調達でき、しかも植物性であることから、人体への影響を低下させることができる。さらに、食用困難な植物原料、廃棄品のリサイクル原料由来で製造できるため、環境負荷軽減に貢献できる点でも有利である。
本実施形態に係る電極(ここでは燃料極)は、上記のように高性能であることから、種々の形態のSOFCセルの構成要素として好ましく利用され得る。例えば、ここに開示されるいずれかの方法により製造された燃料極を多孔質支持体とし、該多孔質支持体の表面に薄膜状の固体電解質と空気極とを形成したアノード支持形SOFCの構成要素として好ましく使用され得る。かかるアノード支持形SOFCの形状やサイズ、あるいはアノード支持形SOFCを構成する固体電解質(層)および空気極の構造等について特に制限はない。なお、ここに開示される電極製造方法は燃料極30に限らず、例えばカソード支持形SOFCの空気極にも適用することができる。
<アノード支持形SOFC>
以下、上述した方法を適用して製造された燃料極30を用いて構築されるアノード支持形SOFCの一実施形態につき、図5に示す模式図を参照しつつ説明する。
かかるアノード支持形SOFC100は、燃料極30と、該燃料極30の少なくとも一部の表面上に形成された(膜状の)固体電解質40と、該固体電解質40の表面上に形成された空気極50とを備えている。そして、かかる燃料極30を多孔質支持体(基材)として該燃料極30上に膜状の固体電解質(以下、単に「固体電解質膜」ということもある。)40、その上に空気極50の層(典型的には膜体)が形成されてなる積層体を基本構成要素として備えることにより上記アノード支持形SOFC100が構築されている。アノード支持形SOFC100は、燃料極30として、上述した電極製造方法を用いて製造された燃料極30が用いられている。かかる燃料極30については、先に説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
<固体電解質層>
上記アノード支持形SOFC100が備える固体電解質層40は、酸化物イオン伝導体により構成されている。固体電解質は、上記燃料極30上に積層されており、該燃料極30の形状に応じてその形状を適宜変更することができる。例えば、図5に示すように、シート状の燃料極30の上に積層されている固体電解質層40は、燃料極30と同様にシート状に形成され得る。
上記固体電解質層の材料には、従来からSOFCセルに用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、酸化(空気)雰囲気および還元(燃料ガス)雰囲気のいずれにおいても酸素イオン伝導性が高く、ガス透過性の無い緻密な層を形成できる材料から構成され得る。この好適な材料として、ジルコニア系固体電解質が用いられる。典型的にはイットリア(Y)で安定化したジルコニア(YSZ)が用いられる。その他、好適なジルコニア系固体電解質として、カルシア(CaO)で安定化したジルコニア(CSZ)、スカンジア(Sc)で安定化したジルコニア(ScSZ)等が挙げられる。
上記固体電解質層を形成(燃料極上に積層)する方法としては、一般的なアノード支持形SOFCの固体電解質層の作製方法と同様でよい。例えば、平均粒径0.1μm〜10μm程度の固体電解質材料粉末とエチルセルロース等のバインダーと分散剤とを適当な溶媒(例えば水)に混合させてスラリー状組成物を調製し、この組成物を燃料極30上にスクリーン印刷などにより塗布し乾燥させることにより未焼成の電解質層グリーンシートを作製する。この電解質層グリーンシートを大気雰囲気下にて焼成することより、薄膜状の固体電解質層40が得られる。このときの焼成温度は、例えば1000℃〜1400℃の範囲内であるとよく、焼成時間は、例えば1時間〜5時間の範囲内であるとよい。
焼成後に得られた固体電解質層40の厚さについては、固体電解質層40の緻密性が維持される程度に厚くする一方、またSOFCとして好ましい酸素イオン伝導度を供し得る程度に薄くなるように、両者をバランスさせて厚さ寸法を設定されることが好ましい。例えば、かかる厚さとして、0.01μm〜15μmが適当であり、好ましくは0.01μm〜10μmであり、より好ましくは0.1μm〜5μmである。
<空気極>
上記アノード支持形SOFCが備える空気極50は、一般的なSOFCと同様に、酸化雰囲気でも高耐久性の材料から構成されることが好ましい。例えば、ランタンコバルテート(LaCoO)系、ランタンマンガネート(LaMnO)系、ランタンフェライト(LaFeO)系、またはランタンニッケラート(LaNiO)系のペロブスカイト型酸化物、あるいはサマリウムコバルテート(SmCoO)系ペロブスカイト型酸化物等の多孔質体から構成されることが好ましい。
上記空気極を形成(固体電解質層上に積層)する方法としては、一般的なアノード支持形SOFCの空気極の作製方法と同様でよい。例えば、空気極として好適な材料、例えば平均粒径1μm〜10μm程度のLaCoO粉末とバインダーと分散剤とを適当な溶媒に混合してスラリー状組成物を調製する。この組成物を固体電解質層40上にスクリーン印刷などにより塗布し乾燥させることにより未焼成の空気極グリーンシートを作製する。この空気極グリーンシートを大気雰囲気下にて焼成することより、多孔質な空気極50が得られる。このときの焼成温度は、例えば1000℃〜1400℃の範囲内であるとよく、焼成時間は、例えば1時間〜5時間の範囲内であるとよい。
上記焼成後に得られた空気極50の厚さについては、通常は概ね100μm以下(例えば1μm〜100μm、好ましくは10μm〜100μm、例えば10μm〜50μm)であればよい。また、かかる空気極層の気孔率(水銀圧入法による)としては、凡そ20%〜60%が適当であり、好ましくは50%以下(典型的には30%〜50%)である。また、かかる空気極の平均細孔径(水銀圧入法に基づく)としては、例えば10μm以下(典型的には0.1μm〜5μm)が好ましい。
以上のようにして、燃料極30、固体電解質層40および空気極50からなる積層構造を備えたアノード支持形SOFC(単セル)100が製造される。
なお、上記説明においては、上記燃料極上に積層した未焼成の電解質層グリーンシートを焼成して固体電解質層を形成した後、未焼成の空気極グリーンシートを上記焼成後の固体電解質層の上に積層し、再び焼成することによって上記SOFCを製造したが、これに限定されない。例えば、燃料極用のグリーンシート積層体20を用意し、その上に電解質層用グリーンシートと空気極用グリーンシートとを順次積層し、それらをまとめて焼成することにより、燃料極30と固体電解質層40と空気極50とを一度の焼成で同時に形成してもよい。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1>
(1)グリーンシート積層体
8mol%イットリア安定化ジルコニア(YSZ)粉末(平均粒径:約1μm)および酸化ニッケル(NiO)粉末を6:4の質量比で混合した混合粉末に、澱粉粒子としての米澱粉A(アミロペクチン量50質量%、平均粒径5μmのものを使用した。)、バインダーとしてのPVB、分散剤としてのポリカルボン酸系樹脂、可塑剤としてのフタル酸ジブチル、および溶媒(ここでは2−プロパノールとトルエンとを質量比4:1で混合したものを使用した。)を添加して混練した。次いで、この混練物(スラリー状組成物)をドクターブレード法によりシート状に成形(塗布・乾燥)し、厚み0.1mmのグリーンシートを2枚作製した。この2枚のグリーンシートを所定サイズに切断して相互に重ね合わせ、積層方向の上下から熱板式の加熱ユニットで挟み込み、無加圧に近い状態で加熱することにより、2枚のグリーンシートが貼り合わされてなるグリーンシート積層体を形成した。なお、本例では、グリーンシートの全固形分に対して澱粉粒子の含有量を5質量%とした。また、上記加熱ユニットによる加熱を、40℃、50℃、60℃、70℃の異なる温度で行った。
<実施例2>
本例では、米澱粉Aの含有量を10質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてグリーンシート積層体を作製した。
<実施例3>
本例では、澱粉粒子として米澱粉B(アミロペクチン量25質量%、平均粒径5μm)を使用し、かつ米澱粉Bの含有量を15質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてグリーンシート積層体を作製した。
<実施例4>
本例では、澱粉粒子としてコーン粉(アミロペクチン量20質量%、平均粒径15μm)を使用し、かつコーン粉の含有量を10質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてグリーンシート積層体を作製した。
<実施例5>
本例では、澱粉粒子としてもち米粉(アミロペクチン量80質量%以上、平均粒径5.0μm)を使用し、かつもち米粉の含有量を10質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてグリーンシート積層体を作製した。
<比較例1>
本例では、澱粉粒子の代わりにカーボン(造孔材)を使用し、かつカーボンの含有量を10質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてグリーンシート積層体を作製した。
<比較例2>
本例では、澱粉粒子を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にしてグリーンシート積層体を作製した。
上記得られた各例のグリーンシート積層体のシート界面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察し、グリーンシート間で剥離が確認されたか否かで「接合状態」を評価した。また、各グリーンシート積層体の表面粗さ(Ra)を前記方法により測定した。結果を表1に示す。表1においては、グリーンシート間に剥離が観察されず接合状態が良好なものを「◎」、グリーンシート間に若干の剥離が観察されたものの実使用レベルでは問題がないものを「○」、グリーンシート間に剥離が観察され、接合状態が不良なものを「×」と表記した。
Figure 0005546560
表1に示すように、比較例1,2に係るグリーンシート積層体は、いずれもグリーンシート間に剥離が観察され、接合状態が不良(×)であった。これに対し、澱粉粒子を添加した実施例1〜5では、加熱温度を40℃〜60℃とした場合、シート間に剥離がほとんど観察されず、接合状態が良好(◎)もしくは適(○)であった。この結果から、澱粉粒子を添加したグリーンシートを低温(60℃以下)かつ無加圧に近い状態で貼り合わせることにより、接着状態が良好なグリーンシート積層体が得られることが確認された。
なお、実施例1〜4において、加熱温度が70℃の場合、シート間の接着は可能であるものの、接合時にシートが溶解して変形したため、表面粗さ(Ra)が大きく上昇した。一方、加熱温度が40℃〜60℃の場合、上記シートの変形が抑制され、平滑性が良好であった。ここで供試したグリーンシート積層体の場合、加熱温度を60℃以下にすることによって、0.5μm以下という極めて低い表面粗さ(Ra)を達成できた。平滑性を良好にする観点からは、接合時の加熱温度を60℃以下(好ましくは50℃以下)にすることが好ましい。
さらに、澱粉粒子を添加した実施例1〜5を比較すると、コーン粉を用いた実施例4では、加熱温度を40℃とした場合、シート間に若干の剥離が生じた。また、もち米粉を用いた実施例5では、シートの粘着力が増大しすぎたため、シートが加熱ユニットに付着して若干の剥離が生じた。一方、米粉を用いた実施例1〜3では、シートが加熱ユニットに付着することなくシート間を十分に接着できた。接着性及び接着作業性を両立させる観点からは米粉の使用が好ましい。換言すると、アミロペクチン量が概ね20質量%〜60質量%、さらには25質量%〜50質量%、特には30質量%〜50質量%の澱粉粒子を用いることが好ましい。
(2)燃料極
さらに、上記各例の60℃で接合したグリーンシート積層体を用いて燃料極を作製した。具体的には、各例のグリーンシート積層体を大気中において1400℃まで昇温し、1時間保持して焼結体(燃料極)を得た。かかる燃料極の気孔率を測定したところ、実施例1〜5及び比較例1に係る燃料極は、気孔率がそれぞれ21%,27%,33%,29%,30%,25%であり、多孔質支持体として好適であった。一方、造孔材を用いなかった比較例2に係る燃料極は、気孔率が5%であり、多孔質支持体として不適であった。
また、上記各例の燃料極表面におけるC含有率を前記方法により測定した。その結果、カーボンを添加した比較例2に係る燃料極は、C含有率が1ppm未満であるのに対し、澱粉粒子を添加した実施例1〜5では、C含有率が1ppm以上10%以下となった。澱粉粒子は電極材料との接着性が良いため、澱粉粒子を用いた燃料極(実施例1〜5)は、澱粉粒子が燃え抜けた後の炭素成分が残留しやすくなり、カーボンを用いた燃料極(比較例1)に比べて高いC含有率を示したものと考えられる。
さらに、各例の燃料極の強度評価試験をJIS R1601に準拠して行った。その結果、カーボンを添加した比較例2に係る燃料極は、耐性強度が30MPaであり、耐久性に欠けるものであった。これに対し、澱粉粒子を添加した実施例1〜5に係る燃料極は、耐性強度が100MPaとなり、極めて高い耐久性性能を示した。実施例1〜5に係る燃料極は、澱粉粒子が燃え抜けた後の残留炭素成分を多く含むため、粒子界面に存在する炭素成分がバインダーとして機能することで燃料極の機械的強度が向上したものと考えられる。耐久性向上の観点からは、燃料極表面におけるC含有率を1ppm以上10%以下にすることが好ましい。
以上の結果から、本試験例によると、澱粉粒子を含むグリーンシートを低温かつ無加圧に近い状態で貼り合わせることによって、接着状態が良好なグリーンシート積層体を形成することができた。そのため、本構成によると、シート間の剥離等の不具合が抑制された耐久性の高い固体酸化物形燃料電池用電極を実現することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
10 グリーンシート
20 グリーンシート積層体
30 燃料極(電極)
40 固体電解質層
50 空気極
100 アノード支持形SOFC(固体酸化物形燃料電池)

Claims (12)

  1. 多孔質構造の固体酸化物形燃料電池用電極を製造する方法であって、
    電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシートであって厚みが0.05mm〜0.5mmである複数のグリーンシートを用意する工程と、
    前記複数のグリーンシートを前記澱粉粒子の接着作用により貼り合わせてグリーンシート積層体を形成する積層工程と、
    前記グリーンシート積層体を焼成して多孔質構造の電極を得る焼成工程と
    を包含し、
    ここで澱粉粒子中のアミロペクチンの含有量が、25質量%〜60質量%である、固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法。
  2. 前記焼成工程では、前記グリーンシート中の澱粉粒子を焼失させることにより前記電極中に気孔を形成する、請求項1に記載の電極製造方法。
  3. 前記積層工程では、前記複数のグリーンシートを40℃〜60℃の温度域で加熱しつつ貼り合わせる、請求項1または2に記載の電極製造方法。
  4. 前記積層工程では、前記複数のグリーンシートを1MPa以下の圧力条件下において貼り合わせる、請求項1〜3の何れか一つに記載の電極製造方法。
  5. 前記グリーンシートの全固形分を100質量%としたときの前記澱粉粒子の含有量が、2質量%〜30質量%である、請求項1〜4の何れか一つに記載の電極製造方法。
  6. 前記澱粉粒子として、米澱粉を使用する、請求項1〜5の何れか一つに記載の電極製造方法。
  7. 前記グリーンシートの全固形分を100質量%としたときの前記澱粉粒子の含有量が10質量%以下であり、かつ、
    前記澱粉粒子中のアミロペクチンの含有量が、30質量%〜50質量%である、請求項1〜6の何れか一つに記載の電極製造方法。
  8. 前記澱粉粒子のレーザ散乱法に基づく平均粒径が、2μm〜50μmである、請求項1〜7の何れか一つに記載の電極製造方法。
  9. 多孔質構造の燃料極と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質と、多孔質構造の空気極とを備える固体酸化物形燃料電池であって、
    前記燃料極として、請求項1〜8の何れかに記載の製造方法により製造された電極を備える、固体酸化物形燃料電池。
  10. 多孔質構造の固体酸化物形燃料電池用電極を形成するために用いられるグリーンシート積層体であって、電極材料と澱粉粒子とを含有する複数のグリーンシートであって厚みが0.05mm〜0.5mmである複数のグリーンシートを前記澱粉粒子の接着作用により貼り合わせて構成されており、該澱粉粒子中のアミロペクチンの含有量が25質量%〜60質量%である、グリーンシート積層体。
  11. 前記グリーンシートの全固形分を100質量%としたときの前記澱粉粒子の含有量が2質量%〜30質量%である、請求項10に記載のグリーンシート積層体。
  12. 前記澱粉粒子は、米澱粉である、請求項10または11に記載のグリーンシート積層体。
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