JP5913200B2 - 固体酸化物形燃料電池用グリーンシート - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用グリーンシート Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関し、詳しくは該電池の形成に用いられるグリーンシートに関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell;以下、単に「SOFC」ということもある。)は、種々のタイプの燃料電池のなかでも発電効率が高く、また多様な燃料の使用が可能なため、環境負荷の少ない次世代の発電装置として開発が進められている。
近年、SOFCの高性能化の一環として、燃料極(アノード)の表面に薄膜状の(例えば20μm以下の)固体電解質層を備えたアノード支持型のSOFCの開発が進められている。かかる薄膜状の固体電解質層は非常に薄いため、自立したシートとして成形することが難しく、典型的には比較的厚い(例えば、平均厚みが凡そ100μm〜1500μmの)アノード支持層の表面にスラリー状(ペースト状、インク状を包含する。以下同様。)の固体電解質層形成用組成物を付与することによって形成される。しかしながら、アノード支持層は多孔質構造であり、該アノード支持層の表面は凸凹している。そこへ直接スラリー状の組成物を付与(塗布)すると、凸凹の程度(表面粗度)等によっては固体電解質層にクラックやピンホール等の不具合が生じることがある。
これに関する技術として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、剥離剤(例えばシリコーン化合物)で表面をコートしたポリエチレンテレフタレート(PET)製のキャリアシート(以下、単に「PETフィルム」と略称する。)および該PETフィルムを用いた固体電解質層の形成方法が開示されている。
特開2009−054362号公報 特開2002−111210号公報 特開平7−025665号公報 特開2007−134248号公報 特開2004−152773号公報 特開2005−005024号公報 特開2012−146579号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、かかる方法では剥離剤の成分(例えばシリコン)が固体電解質層内に混入し、電池性能が低下することがあった。また、かかる方法ではアノード層と固体電解質層とを積層した後にPETフィルムを慎重に剥がしとる必要があり、作業効率や生産性が低下しがちであった。さらに、このPETフィルムはそれ自体が非常に高価であることに加え、基本的には使い捨てとなるため、コストが高くなりがちであった。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、固体電解質層でクラックやピンホール等の不具合が生じ難く、優れた発電性能と高い信頼性とを発揮し得るSOFC用のグリーンシートを提供することである。また、関連する他の目的は、かかるグリーンシートを用いてなるSOFCを提供することである。
本発明者は、上記目的を実現するべく鋭意検討を重ね、これを解決し得る手段を見出し、本発明を完成させた。本発明によって、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の形成に用いられるグリーンシートが提供される。かかるグリーンシートは、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層と、該固体電解質層を支持するキャリアシートと、を備えている。そして、上記キャリアシートは天然高分子化合物で構成されている。
天然高分子化合物で構成されるキャリアシートは、シリコーン化合物(ケイ素樹脂)等の合成高分子化合物を含まないため、このような化合物由来の不純物が固体電解質層内へ混入することを防止し得る。また、かかるキャリアシートは、以後の焼成時にガスとなって燃え抜けるため、例えばアノード層との積層後にキャリアシートを剥がしとる必要がなく、そのままの状態で焼成工程に供することができる。したがって製造工程を簡素化することができ、作業効率や生産性を向上させることができる。さらに、天然高分子化合物からなるキャリアシートは比較的安価なため、コストを低く抑えることができる。加えて、天然資源由来のものを利用することで、環境負荷を低減することができる。
すなわち、ここで開示されるグリーンシートは、生産性や環境性、コストの観点に優れ、且つ優れた発電性能と高い信頼性とを実現し得るものである。
なお、本明細書において「天然高分子化合物」とは、自然界に存在する(天然資源由来の)高分子化合物であって、炭素原子を基本骨格とするもの(すなわち有機高分子化合物)の総称をいう。本明細書において「グリーンシート」とは、未焼成の状態のシート(生シート)をいう。また、完全な未焼成シートの他、例えば100℃以下(典型的には50℃以下)の温度で乾燥したシート(乾燥シート)をも包含し得る。
好適な一態様では、上記キャリアシートの固体電解質層に対向する側の表面は、算術平均粗さ(Ra)および最大高さ(Rmax)が、以下の条件:
(A)0.2μm≦Ra≦1.0μm
(B)1μm≦Rmax≦10μm
をいずれも満たしている。このような性状を有するキャリアシートの表面に形成された固体電解質層は、例えば多孔質なアノード支持層の表面に直接形成されたものと比べて、より緻密である。したがって、クラックやピンホールのような不具合をより一層抑制することができ、本発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。なお、上記「Ra」および「Rmax」は、JIS B 0601(1982)に準じた測定により求めることができる。
好適な一態様では、上記固体電解質層の平均厚みは20μm以下である。固体電解質層の厚みを従来に比べてより薄く(典型的には平均厚み20μm以下と、例えば平均厚み10μm以下と)することで、酸化物イオン導電性に優れた低抵抗な固体電解質層を実現することができる。このような薄い固体電解質層は、一般に、自立したシートとして成形することが極めて困難である。また、アノード支持層の表面に固体電解質層を直接形成した場合には、該アノード支持層表面の凹凸に起因して、上述のような不具合を生じ易い。したがって、本発明を用いることが特に有効である。なお、上記「厚み」は、例えばマイクロメータや厚み計(例えばロータリーキャリパー計)等により計測することができる。
好適な一態様では、上記キャリアシートの平均厚みは30μm以上60μm以下である。30μm以上の平均厚みとすることで、キャリアシートとして好適に自立性を確保し得、グリーンシートに高い強度を付与し得る。また、平均厚みを60μm以下とすることで、製造にかかる資材やコストをより一層低減することができる。したがって、本願発明の効果をさらに高いレベルで発揮することができる。
好適な一態様では、上記天然高分子化合物は多糖類である。多糖類は食品添加物として用いられるほど生分解性に優れているため、安全性や環境保護の観点からも好ましい。なかでも、シートへの成形容易性や入手容易性の観点から、セルロースおよび/または寒天が好適である。
また、本発明により、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体が提供される。かかるアノード層−固体電解質層グリーンシート積層体は、少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層と、上述のようなグリーンシートと、を備えている。そして、上記グリーンシートの固体電解質層側の表面は、上記アノード層と対向している。
上述の通り、ここで開示される固体電解質層は緻密性が高く、クラックやピンホールのような不具合が生じ難いものである。また、ここで開示されるキャリアシートは天然高分子化合物製であり、適度な柔軟性を有している。このため、例えばアノード層と固体電解質層とを積層する際に、両者の界面の接地面積をより広くおよび/またはより強固なものとすることができる。したがって、アノード層−固体電解質層間の界面接合性を良好に保つことができ、界面剥離の発生を好適に抑制することができる。上述のように、ここで開示されるグリーンシート積層体によれば、優れた発電性能(高出力密度)と信頼性とを高いレベルで両立可能なSOFCを実現することができる。
好適な一態様では、上記アノード層は平均厚みが100μm以上1500μm以下である。上記平均厚みの範囲とすることで、アノード層に優れた機械的強度や耐久性を付与することができる。また、好適な他の一態様では、上記アノード層は単層構造である。アノード層を単層構造とすることで、例えば100μm程度のシートを複数枚積層し一体化させた場合に比べて界面の数を削減することができ、抵抗を低く抑えることができる。したがって、かかる態様によれば優れた発電性能(高出力密度)と信頼性とをより一層高いレベルで両立可能なSOFCを実現することができる。
このような性状を満たすアノード層は、例えばロール成形の手法によって形成することができる。ロール成形法によれば、比較的厚い(例えば100μm〜1500μm程度の)アノード層を、等方的に(例えば厚み方向に対して組成や気孔率にバラつきが少なく、均質に)製造することができる。また、ロール成形法では溶媒を用いる必要がないため簡便である。溶媒レスとし得ることは、作業効率(典型的には乾燥時間の短縮)や製造コスト、環境衛生の観点からも好ましい。このように、ロール成形法によれば、従来に比べ簡便かつ安価に発電性能の優れたSOFCを実現することができる。なお、ロール成形に係る従来技術としては、例えば特許文献2〜7が挙げられる。
アノード層が単層構造であるか否かは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)観察によって把握することができる。より具体的には、まずクロスセクションポリッシャ加工等によってグリーンシートの断面出しを行い、かかる断面をSEMで観察する。そして、得られた観察画像の色調等に基づいて、アノード層を構成する層の数(シートの枚数)および各層の平均厚みを求める。これによって、該アノード層が単層構造であるか否かを明らかにすることができる。
また、本発明により、上記グリーンシート積層体を焼成してなるアノード層ならびに固体電解質層と、カソード層と、を備えた固体酸化物形燃料電池(SOFC)が提供される。上述のように、ここで開示される固体電解質層は薄膜状でイオン伝導性に優れるため、高い発電性能を発揮することができる。また、アノード層−固体電解質層間の接合強度が高いため、界面剥離を生じ難く、長期に渡って高い発電性能を安定的に発揮することができる。すなわち、ここで開示されるSOFCは、高性能且つ高耐久である。
一実施形態に係るグリーンシートを模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るアノード層−固体電解質層グリーンシート積層体を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図である。 一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図である。 一実施形態に係るアノード支持型のSOFCを備えた発電システムを模式的に示す断面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
≪グリーンシート24≫
本発明により、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の形成に用いられるグリーンシートが提供される。図1に、本発明の一実施形態に係るグリーンシートを模式的に示す。
図1に示すように、本発明に係るグリーンシート24は、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層20と、該固体電解質層を支持するキャリアシート22と、を備えている。グリーンシート24全体の平均厚みは特に限定されないが、例えば30μm以上(典型的には40μm以上)であって、120μm以下(典型的には100μm以下、好ましくは80μm以下)とすることができる。
<キャリアシート22>
キャリアシート22は、天然高分子化合物から構成される。天然高分子化合物からなるキャリアシートは、シリコーン化合物(ケイ素樹脂)等の合成高分子化合物を含まないため、このような化合物由来の不純物が固体電解質層内へ混入することを防止し得る。また、かかるキャリアシートは、以後の焼成時にガスとなって(例えば二酸化炭素ガスやメタンガスとなって)燃え抜けるため、例えばアノード層との積層後にキャリアシートを剥がしとる必要がなく、そのまま(すなわち固体電解質層がキャリアシートに担持されたまま)の状態で焼成工程に供することができる。また、天然高分子化合物からなるキャリアシートは比較的安価なため、コストを低く抑えることができる。さらに、天然資源由来のものを利用することで環境負荷を低減することもできる。このようなキャリアシート22としては市販品を購入してもよく、あるいは天然高分子化合物を用いて従来公知の手法で作製してもよい。
天然高分子化合物としては、天然資源由来の高分子化合物を特に限定なく使用することができる。例えば、多糖類、ポリペプチド、タンパク質、脂質、天然ゴム等の天然高分子化合物、およびこれらの誘導体を用いることができる。このような化合物は、1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
多糖類は、単糖分子がグリコシド結合によって重合した重合体であり、典型的には炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3元素より構成される。このような多糖類は以後の焼成時にガスとなって完全に燃え抜けるため、特に好適である。例えば、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース等を単糖とする単純多糖類(ホモグリカン);グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース等を構成糖とする複合多糖類(ヘテログリカン);ムコ多糖類(プロテオグリカン);等を用いることができる。具体例として、セルロース、ヘミセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース等のセルロース類;澱粉、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ等の澱粉類;寒天、ふのり、カラギーナン、フコイダン、ラミラン、アルギン酸等の藻類から得られるもの;デキストリン、キチン、キトサン、リグニン、パキマン、ラミナラン、グルコマンナン、コンニャクマンナン、グルカン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、アミロペクチン、アミロース、イヌリン、レバン、キシラン、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、クインシードガム、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、プルラン、カードラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ヘパリン等が例示される。なかでも、シートへの成形容易性や入手容易性の観点から、セルロースおよび/または寒天を好適に用いることができる。
ポリペプチドは、多数(典型的には50個以下)のアミノ酸がペプチド結合によって連なった重合体である。アミノ酸はアミノ基(−NH)とカルボキシル基(−C(=O)OH)とを有することから、該アミノ酸から構成されるポリペプチドは典型的には炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)の4元素より構成される。アミノ酸の具体例としては、20種の必須アミノ酸、α−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、サルコシン、酸性アミノ酸、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸等のアミノ酸およびアミノ酸誘導体等が例示される。なお、ここで「アミノ酸」とは、光学異性体(L型、D型)およびラセミ体を包含する用語である。
タンパク質は、上述のポリペプチドと厳格な境界があるわけではないが、多数(典型的には50個以上)のアミノ酸がペプチド結合によって連なった重合体である。具体例として、にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ケラチン、アルブミン、オボアルブミン、フェリチン、ヘモシデリン、アクチン、ミオシン、グロブリン、フィブロネクチン、フィブリノゲン、フィブリン、ラミニン、セリシン、フィブロイン、カゼイン等が例示される。
キャリアシート22は、典型的にはシート状(板状、箔状を包含する用語である。以下同様。)である。キャリアシート22の平均厚みは、使用する天然高分子化合物の種類等によっても異なり得るため特に限定されないが、シートとしての自立性や強度を維持向上する観点からは、例えば10μm以上(典型的には30μm以上、好ましくは40μm以上)とすることができる。また、低コストに抑えるためには、例えば100μm以下(典型的には60μm以下、好ましくは50μm以下)とすることができる。
キャリアシート22の少なくとも一方の表面は、緻密な固体電解質層20を形成する観点から、凹凸が少ない(より平滑な)ことが好ましい。このような表面の状態は、例えばJIS B 0601(1982)に規定される「表面粗さ」として表すことができる。好適な一態様では、キャリアシート22の固体電解質層20に対向する側の表面における算術平均粗さ(Ra)が1μm以下(好ましくは1μm未満、より好ましくは0.5μm以下)である。Raの下限値は特に限定されないが、作製容易性や入手容易性の観点から、典型的には0.2μm以上であり得る。また、好適な他の一態様では、キャリアシート22の固体電解質層20に対向する側の表面における最大高さ(Rmax)が10μm以下(好ましくは10μm未満、より好ましくは5μm以下)である。Rmaxの下限値は特に限定されないが、作製容易性や入手容易性の観点から、典型的には1μm以上(例えば3μm以上)であり得る。キャリアシート22の性状が上記RaまたはRmaxのうち1つ以上(好ましくは両方)を満たすことで、該キャリアシート上に形成される固体電解質層20をより緻密なものとし得る。したがって、クラックやピンホール等の発生を一層抑制することができる。
<固体電解質層20>
固体電解質層20は、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含んでいる。
酸化物イオン伝導体としては、従来からSOFCの固体電解質層の形成に用いられる物質の1種を単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。好適例として、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)等の元素を含んだ酸化物材料が挙げられる。具体的には、イットリア(Y)、カルシア(CaO)、スカンジア(Sc)、マグネシア(MgO)、イッテルビア(Yb)、エルビア(Er)等の安定化剤で結晶構造を安定化させたジルコニア(ZrO);イットリア(Y)、ガドリニア(Gd)、サマリア(Sm)等のドープ剤をドープした酸化セリウム(CeO);等を採用し得る。なかでも、酸化物イオン伝導性の観点から、ジルコニア(ZrO)にイットリウムの酸化物(例えばイットリア(Y))を固溶させたイットリア安定化ジルコニア(YSZ;Yttria stabilized zirconia)、または、スカンジウムの酸化物(例えばスカンジア(Sc))を固溶させたスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)を好適に用いることができる。固溶させる酸化物の量は特に限定されないが、例えば凡そ1mol%〜20mol%(通常、凡そ5mol%〜10mol%)とすることができる。
バインダとしては、熱可塑性を有し、且つ脱バインダ処理(典型的には、300℃以上で加熱焼成すること)によって蒸発除去し得るものであればよく、特に限定なく用いることができる。具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系ポリマー;メタクリル酸エステル等のエステル系ポリマー;ポリエーテルイミド、ポリチオエーテル、ポリエーテルサルフォン等のエーテル系ポリマ−;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリアミドイミド、ポリイミド等のイミド系ポリマー;ポリエチレンオキサイド等のエチレン系ポリマー;ポリアクリロニトリル、ポリメタリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリアルキレンオキシド、ポリフェニレンオキシド;ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンポリフッ化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系重合体;スチレンブタジエンゴム等のゴム類;等を用いることができる。なかでも、セルロース系ポリマー(例えばエチルセルロース)やポリビニルブチラールを好適に用いることができる。
固体電解質層20は、さらに、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、分散剤等の各種添加剤等を必要に応じて含み得る。
固体電解質層20全体に占める酸化物イオン伝導体の割合は、凡そ50質量%以上であり、通常は凡そ60質量%〜70質量%であり得る。固体電解質層20全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ1質量%〜10質量%であり、通常は凡そ1質量%〜5質量%であり得る。各種添加剤を使用する場合、固体電解質層20全体に占める添加剤の割合は、例えば0.1質量%〜20質量%であり、通常は凡そ0.5質量%〜15質量%であり得る。
固体電解質層20の平均厚みは特に限定されないが、例えば20μm以下(好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下)とすることが好ましい。固体電解質層の厚みを従来に比べて薄くすることで、抵抗をより低く抑えることができ、優れた酸化物イオン導電性を実現することができる。また、平均厚みの下限値は、塗工を良好に行う観点から、例えば1μm以上、典型的には2μm以上、好ましくは3μm以上とすることが好ましい。平均厚みを1μm以上とすることで、ピンホールやクラック等不具合の発生を一層抑制することができる。
なお、図1に示す態様では、キャリアシート22と固体電解質層20とが、幅方向において略同じの幅長を有しているが、かかる態様には限定されず、例えば固体電解質層20に比べキャリアシート22の幅長が長い(より面積が広い)構成とすることもできる。換言すれば、固体電解質層20は、キャリアシート22の表面の少なくとも一部に設けられていればよく、その大きさや形状等は適宜選択することができる。
≪グリーンシート24の製造方法≫
図1に示すようなグリーンシート24を作製する方法は特に限定されないが、例えば先ず酸化物イオン伝導体とバインダとその他必要に応じて用いられる他の成分(典型的には造孔材や可塑剤)とを適当な溶媒中で混合して、スラリー状の組成物を調製する。この組成物をキャリアシート22の片側の表面に付与、乾燥することで固体電解質層20を形成する。これにより、キャリアシート22上に固体電解質層20が担持された形態のグリーンシート24を作製することができる。
上記溶媒としては、上記酸化物イオン伝導体およびバインダを好適に分散(または溶解)し得るもののうち1種を単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、環状エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤または他の有機溶剤等を用いることができる。組成物の調製には従来公知の混練方法(例えば、ロールミル、ミキサー等)を適宜用いることができる。組成物の固形分濃度(NV)は特に限定されないが、例えば60質量%〜80質量%(例えば65質量%〜75質量%)程度とすることができる。
組成物を付与(塗布)する方法としては、従来公知の方法(例えば、印刷法、ドクターブレード法、ディップコーティング法、スプレー法等)を適宜用いることができる。なかでも印刷成形法(典型的にはスクリーン印刷法)やドクターブレード法を好ましく採用し得る。かかる手法によれば、薄く緻密な固体電解質層を好適に形成することができる。
≪アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体26≫
また、本発明により、図2に示すようなアノード層−固体電解質層グリーンシート積層体26が提供される。かかる積層体26は、上述のグリーンシート24(すなわち固体電解質層20およびキャリアシート22)と、アノード層10と、を備えている。なお、グリーンシート24については上記と同様のため、ここでは説明を割愛する。
<アノード層10>
アノード層10は、少なくとも導電性材料とバインダとを含んでいる。
導電性材料としては、従来からSOFCのアノード層の形成に用いられる電気触媒的作用(触媒活性)を有する物質の1種を単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ランタン(La)、金(Au)等の金属材料;酸化コバルト(CoO、Co、Co)、酸化ニッケル(NiO、Ni、Ni)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ルテニウム(RuO)等の金属酸化物材料;等を用いることができる。なかでもニッケルは他の金属に比べて比較的安価であり、且つ高い反応活性を示す(高い触媒能を有する)ことから特に好適な金属種である。したがって、ここで開示される製造方法では、導電性材料としてニッケル系材料(例えば酸化ニッケル)を特に好ましく用いることができる。
導電性材料としては、上記金属系材料と他の材料とを混合した複合材料を用いることもできる。例えば、上記金属系材料と上述の固体電解質層20の形成材料(典型的には酸化物イオン伝導体)とを任意の割合で混合した複合材料を用いることができる。好適例として、ニッケル系材料(例えばNiO)と、安定化ジルコニア(例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ;Calcia stabilized zirconia)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ;Scandia stabilized zirconia)等)とのサーメットが挙げられる。アノード層に固体電解質層の形成材料(酸化物イオン伝導体)を含ませることで、アノード層と固体電解質層との整合性(例えば熱膨張係数の調和)を向上させることができ、より一層優れた耐久性を実現することができる。金属系材料と固体電解質層形成材料との混合比率(質量比)は特に限定されないが、例えば90:10〜40:60(好ましくは、80:20〜50:50)とすることができる。
バインダとしては、脱バインダ処理(典型的には、300℃以上で加熱焼成すること)によって蒸発除去し得るものであればよく、特に限定なく用いることができる。例えば、固体電解質層20の形成用として例示したバインダのなかから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、鎖状エーテル系高分子化合物(典型的にはアルキレンオキシド類、例えばポリエチレンオキシド)を好適に用いることができる。アルキレンオキシド類は耐水性や耐薬品性に優れるため、アノード層10の形状を長期に渡り安定的に維持することができる。
アノード層10は、さらに、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば造孔材(気孔形成材)や可塑剤、酸化防止剤、増粘剤、分散剤等の各種添加剤等を必要に応じて含み得る。造孔材としては、例えばカーボン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、澱粉等を好適に用いることができる。可塑剤としては、例えばプロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル等のグリコールエーテル類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジトリデシル等のフタル酸エステル類;等を好適に用いることができる。分散剤としては、例えばカルボン酸系の高分子界面活性剤を好適に用いることができる。
アノード層10全体に占める金属系材料の割合は、凡そ30質量%以上(典型的には40質量%〜80質量%)であり、通常は凡そ45質量%〜70質量%であり得る。固体電解質層の形成材料(典型的には酸化物イオン伝導体)を使用する場合、アノード層10全体に占める固体電解質層形成材料の割合は、例えば凡そ10質量%〜50質量%であり、通常は凡そ20質量%〜40質量%であり得る。また、アノード層10全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ1質量%〜20質量%であり、通常は凡そ2質量%〜10質量%であり得る。各種添加剤を使用する場合、アノード層10全体に占める添加剤の割合は、例えば0.1質量%〜20質量%であり、通常は凡そ0.5質量%〜10質量%であり得る。好適な一態様では、アノード層10全体に占める有機物(典型的にはバインダおよび有機系添加剤)の割合が10質量%以下(好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下)である。有機物の含有割合を低く抑えることで後の焼成収縮時に発生し得る不都合(例えばアノード層10の反りや変形、アノード層10−固体電解質層20の界面剥離)を好適に抑制することができる。
アノード層10の平均厚みは、機械的強度の確保や耐久性の観点から、通常100μm以上であり、例えば200μm以上であり得る。また、抵抗を低く抑える観点から、通常2000μm以下であり、好ましくは1500μm以下である。上記平均厚みの範囲を満たすアノード層10は、機械的強度や耐久性に優れ、且つ抵抗が低減されたものであり得る。さらに、アノード層10は単層構造であることが好ましい。単層構造とすることで、例えば100μm程度の層を積層し一体化させたもの(積層構造)に比べて界面の数が少ないため、界面間の接合不良を抑制することができ、またアノード層10の抵抗を低く抑えることができる。
≪アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体26の製造方法≫
アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体26を作製する方法は特に限定されないが、例えば以下の工程:
(1)アノード層10を成形すること;および
(2)上記作製したアノード層10とグリーンシート24の固体電解質層側の表面とを対向させた状態でロール成形を行うことによって、アノード層10とグリーンシート24とを積層すること;
を包含する方法によって作製することができる。以下、各工程を順に説明する。
<(1)アノード層の成形>
アノード層10の成形方法は特に限定されないが、例えばロール成形法によって行うことができる。ロール成形法によれば、例えばドクターブレード法等を用いた場合に比べて、上述のような性状(平均厚みや構造)を有するアノード層10をより安定的に成形することができる。すなわち、ロール成形法により成形されたアノード層10は、等方性や均質性に優れ(例えば組成や気孔率にバラつきが少なく)、抵抗が低減されたものであり得る。
ロール成形法では、回転するロールで原料を圧縮し所望の性状となるようアノード層10を成形する。典型的には、反対方向に回転する一対のロールの間に原料を供給し、該一対のロール間で原料を圧縮することにより所望の性状に成形する。このため、原料(材料)を粉体状あるいはそぼろ状のままロール成形機に投入することができ、すなわち原料混合物をスラリー状に調製する必要がない。このことは、作業効率(典型的には乾燥時間の短縮)や製造コスト、環境衛生の観点からも好ましい。
図3に、一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図を示す。図3に示すロール成形機5は、大まかに言って、原料混合物1aを貯留する貯留タンク1と、一対のロール2と、を備える。貯留タンク1は、底部にフィーダー1bを備えており、該フィーダーの出口からは一対のロール2の間に原料混合物1aが連続的に供給可能なよう構成されている。一対のロール2の間に供給された原料混合物1aは、ロール2の表面との摩擦力によって一対のロール2の間に引き込まれ、ロール2の間を通過する際に圧縮成形される。例えば、後述するロール成形の条件等を調整することによって、所望の性状(例えば平均厚みや気孔率)を有するアノード層10を成形することができる。
貯留タンク1は、原料混合物1aを貯留する容器である。貯留タンク1は、底部にフィーダー1bを備えており、一定量の原料混合物1aをロール2の間に連続的に供給することができる。貯留タンク1は、貯留する原料混合物1aに含まれる材料に対して耐薬品性や耐腐食性に優れた材質からなることが好ましい。このような材質として、例えばステンレスが挙げられる。フィーダー1bは、定量性に優れるものであれば特に限定されず、例えばスクリュー式、振動式、流動式等の各種フィーダーを適宜採用することができる。
ロール2は、耐薬品性や耐腐食性に優れた材質からなることが好ましい。このような材質として、例えばステンレスが挙げられる。ロール2の直径は特に限定されないが、例えば数十cm〜数百cm程度であり得る。一般に原料混合物やロール成形機の運転条件等が等しい場合は、ロールの直径が大きくなるほど密度の高い(緻密な)アノード層10を形成することができる。
また、一対のロール2の間隔は、目的物としてのアノード層10の平均厚み等に応じて適宜調整することができる。ここで開示されるアノード層10は、SOFCの支持体として、例えば固体電解質層20やカソード層40に比べて厚めに成形される。支持体としてのアノード層10の平均厚みは通常凡そ100μm〜2000μmであることから、一対のロール2の間隔は例えば100μm以上(典型的には200μm以上、例えば500μm以上)であって、2000μm以下(典型的には1800μm以下、例えば1500μm以下)とすることができる。ロール成形法では、ロール2の間隔を調整するだけで所望の平均厚みを有するアノード層10を成形することができるため、簡便である。
貯留タンク1内に貯留される原料混合物1aは、ロール成形に供する前に、予め該原料混合物の軟化点(典型的には原料混合物1aに含まれるバインダの融点)に近い温度に調整されていることが好ましい。好適な一態様では、原料混合物1aの温度を、例えば50℃以上(好ましくは60℃以上)であって、300℃以下(通常200℃以下、好ましくは160℃以下)に調整する。予め原料混合物の温度を高くしておくことで、ロール2の表面で原料混合物1aが上滑りし難く、均質な(例えば厚みや密度のバラつきが少ない)アノード層10を安定して形成することができる。
ロール成形時には、一対のロール2の温度を常温よりも高めに設定することが好ましい。典型的には原料混合物1aに含まれるバインダの軟化点より高く、例えばバインダの軟化点よりも10℃以上高く(例えば20℃以上高く)設定することが好ましい。具体的には、通常凡そ30℃〜200℃であり、例えば50℃〜150℃とすることができる。ロール成形時のプレス押圧(荷重)は、通常凡そ1MPa〜100MPa、例えば5MPa〜50MPaとすることができる。また、一対のロール2間のプレス線圧は、通常凡そ0.1kN/cm〜30kN/cm、例えば0.5kN/cm〜10kN/cmとすることができる。また、アノード層10の成形速度は、通常凡そ0.1m/分〜20m/分、例えば1m/分〜15m/分、好ましくは1m/分〜10m/分、より好ましくは5m/分〜10m/分とすることができる。かかる態様によれば、従来に比べて反りや変形等が生じ難く、均質なアノード層10を安定して形成することができる。
<(2)積層体の成形>
上記作製したアノード層10と上述のグリーンシート24とを用いて、グリーンシート積層体26を成形する。ここでは、アノード層10と、グリーンシート24の固体電解質層側の表面とを対向させた状態でロール成形を行うことにより、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体26を成形する。
図4に、一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図を示す。図4に示すロール成形機5は、一対のロール2を備えている。一対のロール2の供給側(図4の左手側)には、アノード層10とグリーンシート24とが一対のロール2の間に連続的に供給可能なよう構成されている。一対のロール2の間に供給されたアノード層10およびグリーンシート24は、ロール2の表面との摩擦力によって一対のロール2の間に引き込まれ、かかるロール2の間を通過する際に圧縮成形される。このようにアノード層10およびグリーンシート24を上下から強制的に押し付けることにより、界面に存在する空気を押し出しながら圧延することができる。したがって、界面間の接地点(接触面積)をより多くすることができ、界面接合性(密着性)をより一層向上させることができる。ここでは、ロール成形の条件等を調整することにより、所望の性状(例えば平均厚みや気孔率)のグリーンシート積層体26を成形する。なお、一対のロール2の材質やサイズ(直径)、ロール間距離は上記アノード層の成形時と同様とすることができる。また、ロール成形時におけるロール2の温度は、典型的にはキャリアシートを構成する天然高分子化合物の軟化点より低く、例えば室温(例えば20℃〜30℃)に設定することがより好ましい。
≪固体酸化物形燃料電池(SOFC)≫
また、本発明により、上記グリーンシート積層体を焼成してなるアノード層10ならびに固体電解質層20と、カソード層40と、を備える固体酸化物形燃料電池(SOFC)が提供される。上述の通り、ここで開示される固体電解質層20は薄膜状でイオン伝導性に優れるため、高い発電性能を発揮することができる。また、アノード層−固体電解質層間の接合強度が高いため、界面剥離を生じ難く、長期に渡って高い発電性能を安定的に発揮することができる。さらに、ここで開示されるアノード層10は等方的で(例えば厚み方向に対して組成や気孔率にバラつきが少なく、均質で)低抵抗なものである。したがって、ここで開示されるSOFCは、長期に渡って高い発電性能を安定的に発揮することができる、高性能且つ高耐久なものであり得る。なお、ここで開示されるSOFCの典型的な構成では、固体電解質層20とカソード層40との間に、さらに反応抑止層30を備えている。
焼成後のアノード層10は、ガス拡散性に優れた多孔質構造を有している。アノード層10の気孔率は通常凡そ10体積%〜50体積%であり、20体積%〜40体積%であることが好ましい。また、アノード層10の平均細孔径は、通常凡そ10μm以下であり、0.1μm〜5μmであることが好ましい。かかる範囲を満たす場合、ガスとの接触面積を十分に確保し得、高い機械的強度と優れたガス拡散性とを好適に両立することができる。なお、本明細書において「平均細孔径」とは、一般的な水銀圧入法の測定によって得られる値をいう。また、本明細書において「気孔率」とは、上記水銀圧入法の測定によって得られる気孔容積Vb(cm)を、見かけの体積Va(cm)で除して、100を掛けることにより、算出した値(Vb/Va×100(%))をいう。
焼成後の固体電解質層20は薄膜状で緻密構造を有している。固体電解質層20の気孔率は通常凡そ30体積%以下であり、20体積%以下であることが好ましい。かかる範囲を満たす場合、より出力密度の高いSOFCを実現し得る。
<反応抑止層30>
例えば固体電解質層20に酸化ジルコニウム系の材料を含み、且つ後述するカソード層40にペロブスカイト構造の酸化物材料を含む場合、これらの接触する部分(界面)で固相反応を生じ、固体電解質層20および/またはカソード層40間の酸化物イオン伝導性が低下する場合がある。このため、上記材料を用いる場合には、固体電解質層20とカソード層40との間に反応抑止層30を備えることが好ましい。これにより固体電解質層20とカソード層40との界面を安定化することができる。
反応抑止層30を構成する材料としては、セリウム酸化物やバインダが挙げられる。
セリウム酸化物としては、例えば固体電解質層の形成材料として例示したセリウム酸化物を用いることができる。好適例として、ガドリニア(Gd)をドープした酸化セリウム(CeO)が挙げられる。上記置換的な構成元素の量(異元素のドープ量)は、特に限定されないが、例えば当該置換元素の酸化物換算で1mol%〜20mol%(例えば5mol%〜15mol%)とすることができる。バインダとしては、例えば固体電解質層の形成用として例示したものの中から適宜採用することができる。
反応抑止層30の性状は特に限定されないが、例えば平均厚みは、通常0.5μm〜10μmであることが適当であり、例えば1μm〜5μm程度であることが好ましい。また、焼成後の反応抑止層30は薄膜状で緻密構造を有している。反応抑止層30の気孔率は通常凡そ30体積%以下であり、20体積%以下であることが好ましい。
<カソード層40>
カソード層40を構成する材料としては、ペロブスカイト型酸化物やバインダが挙げられる。ペロブスカイト型酸化物としては、例えばランタンコバルテート(LaCoO)系、ランタンマンガネート(LaMnO)系、ランタンフェライト(LaFeO)系、ランタンニッケラート(LaNiO)系のペロブスカイト型酸化物;サマリウムコバルテート(SmCoO)系ペロブスカイト型酸化物;等を用いることができる。これらの酸化物は、酸化雰囲気において優れた耐久性を発揮し得るため好ましい。
ここで、例えば上記ランタンコバルテート系酸化物とは、LaおよびCoを構成金属元素とする酸化物の他、LaおよびCo以外に他の1種以上の金属元素(遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む酸化物をも包含する意味である。また、ランタンマンガネート系酸化物、ランタンフェライト系酸化物、ランタンニッケラート系酸化物およびサマリウムコバルテート系酸化物についても同様である。典型例として、SrをドープしたLaMnO系酸化物(例えば、La0.8Sr0.2MnO)、SrをドープしたLaCoO系酸化物(例えば、La0.6Sr0.4CoO)、SrおよびFeをドープしたLaCoO系酸化物(例えば、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)等が挙げられる。これらの酸化物は、いわゆる電子−酸化物イオン混合伝導体であり、他のペロブスカイト型酸化物に比べて高い反応活性を示す(高い触媒能を有する)ことから好適である。
カソード層40は、アノード層10と同様にガス拡散性に優れた多孔質構造を有している。カソード層40の気孔率は、通常凡そ10体積%〜30体積%であり、15体積%〜25体積%であることが好ましい。また、カソード層40の平均細孔径は、通常凡そ10μm以下であり、0.1μm〜5μmであることが好ましい。かかる範囲を満たす場合、ガスとの接触面積を十分に確保し得、高い発電性能を実現することができる。カソード層40の平均厚みは、発電性能の観点から、通常凡そ50μm以下(典型的には、凡そ5μm〜20μm)であるが、かかる厚みに限定されるものではない。
このようなSOFCの製造方法は特に限定されないが、例えば、先ず、上記作製したグリーンシート積層体26を所定の温度で焼成する。これによってキャリアシート22が燃焼し、ガスとなって(例えば二酸化炭素ガスやメタンガスとなって)燃え抜けるため、アノード層10および固体電解質層20からなる積層体を得ることができる。このときの焼成温度は、例えば凡そ1200℃〜1500℃とすることができ、焼成時間は凡そ1時間〜5時間とすることができる。
次に、得られたアノード層10−固体電解質層20積層体の固体電解質層側の表面に、従来公知の手法によって反応抑止層30およびカソード層40を順に形成する。なお、反応抑止層30およびカソード層40の形成は、例えば、固体電解質層20と同様の手法によって行うことができる。そして、アノード層10、固体電解質層20、反応抑止層30、カソード層40が順に積層された積層体を再度焼成することによって、ここで開示されるSOFCを製造することができる。このときの焼成温度は、例えば700℃〜1200℃(好ましくは800℃〜1100℃)とすることができ、焼成時間は凡そ1時間〜5時間とすることができる。
図5は、ここで開示されるアノード支持型のSOFC50を備えた発電システムの断面構成を示した模式図である。ここに示す構成のSOFC50は、アノード層(燃料極)10と、固体電解質層20と、反応抑止層30と、カソード層(空気極)40と、が順に積層された構造を有している。また、アノード層10の端部12と、燃料ガスを供給するガス管70の接合面とが接続部材60によって接合され、気体が流出および/または流入しないように封止されている。一方、カソード層40は外気に露出した構造を有している。SOFCの使用時には、アノード層10側の固体電解質表面に燃料ガス(典型的には水素(H))が、カソード層40側の固体電解質表面に酸素(O)含有ガス(典型的には空気)が、それぞれ供給される。このSOFC50に負荷を加えると、カソード層40において酸素が還元され、酸化物イオンとなる。そして、該酸化物イオンが(固体電解質層20を介して)アノード層10に到達し、燃料ガスを酸化して電子を放出することによって電気エネルギーの生成(すなわち発電)が行われる。
なお、図5に示すSOFCは平型(Planar)であるが、他にも種々の構造、例えば従来公知の多角形型、円筒型(Tubular)あるいは円筒の周側面を垂直に押し潰した扁平円筒型(Flat Tubular)、マイクロチューブ型等とすることができ、形状やサイズは特に限定されない。例えば平型は、電力密度が高く円筒型に比べて安価であるという特徴を有する。また、円筒型はガスの流量を一定に保ち易く、より安定的な発電が可能であるという特徴を有する。このため、用途等に応じて適宜好ましい形状およびサイズを選択するとよい。また、平型のSOFCとしては、ここで開示されるアノード支持型(ASC;Anode-Supported Cell)の他にも、例えばアノード層の下に多孔質な金属シートを入れた、メタルサポートセル(MSC;Metal-Supported Cell)とすることもできる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔例1〕
先ず、平均粒径0.3μmのイットリア安定化ジルコニア(8mol%Y−ZrO;8YSZ)粉末と、バインダ(エチルセルロース;EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、8YSZ:EC:TE=65:12:23の質量比率で混練することにより、スラリー状の固体電解質層形成用組成物を調製した。これを有機物の繊維(セルロース)からなるキャリアシートの表面にスクリーン印刷法によって付与し、固体電解質層を形成した。表1の「キャリアシート」の欄には、固体電解質層を形成する際に支持体として用いたシートの性状を示す。また、「固体電解質層」の欄には、形成した層の厚みと有機物量を示す。なお、ここで「有機物量」とは、バインダの占める割合(重量%)を示している。
次に、導電性材料としての平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)粉末と、平均粒径0.3μmの8YSZ粉末とを、NiO:8YSZ=60:40の質量比率で混ぜ合わせ、混合粉末を得た。かかる混合粉末と、バインダ(ポリエチレンオキサイド;PEO)と、造孔材(カーボン)とを、81:12:7の質量比で混練し、微量の溶媒(エーテル系)を加えて粘度を調整することにより、原料混合物を調製した。この原料混合物を一対のロールの間に供給して圧縮成形すること(すなわちロール成形法)により、厚みが凡そ500μmのシート状のアノード層を形成した。
そして、上記作製したアノード層およびキャリアシートに担持された形態の固体電解質層を、アノード層と固体電解質層とが対向するように配置して再びロール成形することにより、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体(例1)を得た。
〔例2〕
上記固体電解質層の形成時に、キャリアシートとして寒天製のものを用いたこと以外は例1と同様に、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体(例2)を得た。
〔例3〕
本例では、印刷法によって、アノード層の表面に直接固体電解質層を形成した。すなわち、調製したスラリー状の固体電解質層形成用組成物を、スクリーン印刷の手法によって上記成形したアノード層の上に直接付与し、固体電解質層を形成した。これによって、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体(例3)を得た。
〔例4〕
本例では、ディップコーティング法によって、アノード層の表面に直接固体電解質層を形成した。すなわち、調製したスラリー状の固体電解質層形成用組成物に、上記成形したアノード層の表面を浸して引き上げることにより、固体電解質層を形成した。これによって、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体(例4)を得た。
〔例5〕
本例では、キャリアシートとしてPETフィルムを用いて、固体電解質層を形成した。すなわち、調製したスラリー状の固体電解質層形成用組成物を、ドクターブレード法によってPETフィルム上に形成し、これをアノード層と共にロール成形することで、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体(例5)を得た。
各例に係るグリーンシートの性状を表1に纏める。
Figure 0005913200
<積層体の焼成および焼成後の状態観察>
上記作製したグリーンシート積層体(例1〜5)を大気雰囲気中において1400℃の温度で3時間焼成した。そして、焼成後の積層体について、アルコールを用いたリークチェックを行った。具体的には、焼成後の積層体の全面にアルコールを滴下し、その浸み込み具合によってピンホール(貫通孔)の有無を確認した。結果を、表1の「焼成後のリーク」の欄に示す。当該欄の「○」は浸み込みがなかったことを、「△」は浸み込み点数が5個以下だったことを、「×」は浸み込み点数が6個以上だったことを、それぞれ示している。
表1に示すように、アノード層の表面に直接固体電解質層を形成した例3および例4では、焼成後の積層体でピンホール等の不具合が確認された。この原因としては、表面の粗い(凸凹が大きい)アノード層上に固体電解質層を直接形成したために、固体電解質層の緻密性が低下したことが考えられる。また、固体電解質層の形成時にキャリアシートとしてPETフィルムを用いた例5においても、リークが確認された。この原因としては、例えば、キャリアシートの柔軟性が不足したためにアノード層−固体電解質層間の密着性が低下したことが考えられる。一方、キャリアシートとして有機物繊維または寒天を用いた例1および例2では、焼成後の積層体においてリークの発生は認められなかった。したがって、キャリアシートとして天然高分子化合物由来のものを用いることの技術的意義が示された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 貯留タンク
1a 原料混合物
1b フィーダー
2 ロール
5 ロール成形機
10 アノード層
20 固体電解質層
22 キャリアシート
24 グリーンシート(キャリアシート−固体電解質層グリーンシート)
26 アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体
30 反応抑止層
40 カソード層
50 SOFC
60 接合部材
70 ガス管

Claims (9)

  1. 固体酸化物形燃料電池の形成に用いられるグリーンシートであって、
    少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層と、該固体電解質層を支持するキャリアシートと、を備え、
    ここで、前記キャリアシートはセルロース以外の天然高分子化合物からなり、前記固体電解質層とともに焼成された場合、ガスとなって燃え抜けるものである、固体酸化物形燃料電池用グリーンシート。
  2. 前記キャリアシートの前記固体電解質層に対向する側の表面は、JIS B 0601(1982)に準じて測定される算術平均粗さ(Ra)および最大高さ(Rmax)が、以下の条件:
    0.2μm≦Ra≦1.0μm
    1μm≦Rmax≦10μm
    をいずれも満たしている、請求項1に記載のグリーンシート。
  3. 前記固体電解質層の平均厚みは20μm以下である、請求項1または2に記載のグリーンシート。
  4. 前記キャリアシートの平均厚みは30μm以上60μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のグリーンシート。
  5. 前記天然高分子化合物は多糖類である、請求項1から4のいずれか一項に記載のグリーンシート。
  6. 前記天然高分子化合物は寒天である、請求項1から5のいずれか一項に記載のグリーンシート。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のグリーンシートの前記固体電解質層側の表面に、少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層を備える、アノード層−固体電解質層グリーンシート積層体。
  8. 前記アノード層は単層構造であって、且つ、平均厚みが100μm以上1500μm以下である、請求項7に記載のグリーンシート積層体。
  9. 請求項7または8に記載のグリーンシート積層体焼成と、カソード層と、を備える固体酸化物形燃料電池。
JP2013116127A 2013-05-31 2013-05-31 固体酸化物形燃料電池用グリーンシート Active JP5913200B2 (ja)

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