JP5916661B2 - 固体酸化物形燃料電池形成用のグリーンシートの製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池形成用のグリーンシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池を形成するために用いられるグリーンシートの製造方法およびグリーンシートならびに固体酸化物形燃料電池に関する。
固体電解質燃料電池とも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC,以下、単に「SOFC」という場合がある。)は、種々のタイプの燃料電池の中でも、発電効率が高い、環境への負荷が低い、そして、多様な燃料の使用が可能であるなどの利点を有している。SOFCの単セルは、酸素イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質を基本とし、この固体電解質の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成された構成とされている。ここで、燃料極が形成された側の固体電解質の表面には、H(水素)に代表される可燃性燃料ガスが供給され、空気極が形成された側の固体電解質の表面には空気等に代表されるO(酸素)含有ガスが供給される。そして典型的には、空気中のOガスがカソードで還元されてO アニオンとなり、固体電解質を通ってアノードに移動し、Hガス燃料を酸化する。
かかるSOFCの一形態として、アノード支持型のSOFCが挙げられる。アノード支持型のSOFCの典型的な製造方法では、まず、導電性粉末、セラミック粒子および造孔材を含むスラリー状(ペースト状、インク状を包含する。以下同様。)の組成物をドクターブレード法によって厚み100μm程度のシート状に複数枚形成する。次いで、これらを有機系接着剤等を介して積層し、相互に接合することで、比較的厚い(例えば、厚みがおよそ100μm〜1500μmの)アノード支持層用のグリーンシートとする。そしてかかるアノード支持層用グリーンシートの上に、固体電解質用のグリーンシートとカソード用のグリーンシートとをそれぞれ10μm〜50μm程度の厚みで順に形成し、焼成することで、SOFC(単セル)を得るようにしている。
しかしながら、ドクターブレード法でアノード支持層用グリーンシートを形成する場合には、上述の通りの溶媒(典型的には、有機溶媒)を使用してスラリー状組成物を調製する必要があり、乾燥時間が長くなったり、環境負荷が高くなるという問題を招いてしまっていた。また、複数枚のシートを積層する際に接合界面に空隙(気泡)が形成され易く、得られるグリーンシートの平坦性が損なわれたり、かかる気泡を起点として界面剥離等の不都合の生じるおそれがあった。したがって、より簡便で、再現性や信頼性の高いアノード支持層用グリーンシートの製造手法が求められている。これに係る技術として、例えば特許文献1,2には、ロール成形の手法によってアノード支持層用グリーンシートを形成し得ることが記載されている。その他、ロール成形にかかる従来技術として、特許文献3〜5が挙げられる。
特開2004−152773号公報 特開2012−146579号公報 特開2002−111210号公報 特開平07−25665号公報 特開2007−134248号公報
ところで、上記のアノード支持層用グリーンシートの焼成にあたって、一般的には、炉内に耐熱性の高いアルミナ製またはジルコニア製の焼成補助具(例えば、一般に、セッター,棚板,敷き板等)や目砂シート等の焼成治具が用いられている。アルミナ製の焼成補助具および目砂シート(以下、これらを包含して焼成治具と総称する。)は、比較的安価なためにより汎用的である。しかしながら、アノード支持層用グリーンシートの焼成温度はおよそ1300℃以上と高温であるため、このグリーンシート中の導電性粉末の成分(典型的にはNiO中のNi成分)と、上記焼成治具のアルミナ成分とが反応し、例えば焼成後のアノード(燃料極)中のNi成分が減少するとともに、焼成治具との接触部近傍のアノード表面の電気伝導性が損なわれて、電気抵抗が高くなるという問題があった。アノード中のNi成分の減少は、アノードの機械的強度の低下および電気伝導性の低下を招いてしまう。
一方のジルコニア製の焼成治具を用いる場合は、グリーンシート中のNi成分等との反応が抑制されるものの、焼成治具のジルコニアとアノード中に含まれるジルコニアとが結合して融着し易いという問題があった。アノードにジルコニア成分が付着することで、かかる付着部の電気伝導性は低下してしまう。また、ジルコニア製の焼成治具は比較的高価であるため、このような付着による耐用の低下はできる限り避けたいのが実情である。
本発明は、かかる従来の状況を鑑みて創出されたものであり、その目的とするところは、焼成に際して界面剥離や強度低下等の不都合が生じ難いSOFC形成用のグリーンシートをより簡便に製造し得る方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、このように製造されたグリーンシートを提供すること、さらには、かかるグリーンシートを用い、優れた発電性能と高い信頼性(例えば、耐久性)とを備えるSOFCを提供することである。
上記の目的を実現するべく、本発明は、少なくとも、付着防止シートと固体電解質層用シートとの間に多孔質燃料極用層を備える多層構造を有する、SOFC形成用のグリーンシートの製造方法を提供する。かかる製造方法は、
(a)固体電解質用シートを用意すること、
(b)少なくとも導電性粉末と第1の天然有機粉体とを含む原料粉末を混合した混合材料を用意すること、
(c)澱粉成分を含まないか、もしくは、含む場合における該澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満である第2の天然有機粉体を主成分として含む付着防止シートを用意すること、および、
(d)上記付着防止シートと上記固体電解質用シートとの間に上記混合材料を供給しながらロール成形することにより、上記固体酸化物形燃料電池形成用グリーンシートを形成すること、
を包含することを特徴としている。
かかる構成によると、固体電解質の前駆体である固体電解質用シートと、燃料極の前駆体である多孔質燃料極用層との積層体に、焼成治具として機能する付着防止シートが予め一体化された形態の、SOFC形成用のグリーンシートをロール成形法を採用して製造することができる。かかる構成によると、機械的強度の低下および電気伝導性の低下を招きやすいアルミナ製の焼成治具や、高価なジルコニア製の焼成治具を使用することなく、SOFCを製造することが可能となる。また、多孔質燃料極用層は単層構造であり、有機溶剤や有機系接着剤等を使用する必要がないために環境負荷を低減することができ、多孔質燃料極用層内での界面剥離等の問題の生じる可能性が極めて低減される。
そして、多孔質燃料極用層に含まれる第1の天然有機粉体は、造孔材およびバインダとして機能し得るため、有機系のバインダの使用を低減でき(好ましくは有機系バインダの使用を排除して)環境負荷をさらに低減できるとともに、付着防止シートと固体電解質用シートとを圧着により強固に結合することができる。すなわち、ロール成形法の採用により、例えば、アノード支持型SOFCの形成に利用可能な程度に比較的厚い多孔質燃料極用層を備えるグリーンシートを製造することができる。なお、ドクターブレード法等の湿式法によるグリーンシートの製造に比べて、かかる製造方法は作業効率や製造コストの観点からも好ましい。
また、このグリーンシートの製造方法に、必要に応じて電解質用シートの表面にカソード用層を形成する工程を加え、かかるグリーンシートを所望の大きさに切り出して焼成することで、簡便なSOFCの製造方法もが実現される。
なお、本明細書において「グリーンシート」とは、本焼成が施されていない段階(状態)のシートを意味している。例えば、完全な未焼成シートや、例えば100℃以下の温度で養生および/または乾燥したシート、例えば200℃以下の温度で仮焼成したシート(仮焼成シート)等も、本発明におけるグリーンシートに包含し得る。
また、例えば多孔質燃料極用層が単層構造であるかどうかは、例えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)等による断面組織観察により確認することができる。具体的には、例えば、先ず断面研磨加工等によってグリーンシートの断面出しを行い、この断面をSEMで観察する。そして観察断面において、多孔質燃料極用層を構成する層が1層であるか否かを、その断面組織の形態により確認することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様においては、澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%以上の第1の天然有機粉体を用いて上記混合材料を用意することを特徴としている。
かかる構成によると、第1の天然有機粉体は高い粘性を具備するものとなり、バインダとしての機能がより一層高められる。したがって、この高粘性の第1の天然有機粉体を使用した多孔質燃料極用層もまた自身の表面(界面)が高粘性を示すため、固体電解質用シートと付着防止シートとの接合を強固に実現できることに加え、高粘性の多孔質燃料極用層がロール成形機等に付着する等の問題を解消することができる。
ここに開示される製造方法の一態様において、上記第1の天然有機粉体は、平均粒径が
2μm以上50μm以下であることが好ましい。また、上記導電性粉末は、平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。かかる構成によると、導電性粉末と第1の天然有機粉体とを良好な状態に混合することができ、焼成により等方性や均質性に優れた多孔質燃料極を形成することができる。また、焼成後の多孔質燃料極において導電パスおよび空隙が好適に形成され得る組織を実現することができる。
なお、本明細書において「平均粒径」とは、レーザー回折光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50、メジアン径ともいう。)をいう。かかる粒径の調整は、従来公知の粉砕処理やふるいがけ、分級等によって行うことができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様においては、上記混合材料において、上記導電性粉末100質量部に対し、上記第1の天然有機粉体を5質量部以上10質量部以下の割合で配合することを特徴としている。
かかる構成によると、焼成後の多孔質燃料極において導電パスおよび空隙を好適に形成することができるために好ましい。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様においては、上記導電性粉末100質量部に対して、3質量部以上10質量部以下の割合のバインダをさらに配合して上記混合材料を用意することを特徴としている。
かかる構成とすることで、第1の天然有機粉体を主として造孔材として機能させることができ、SOFC形成用グリーンシートの構成の自由度を拡大することができる。バインダ(例えば、有機樹脂)を用いる場合であっても、第1の天然有機粉体が含まれていることから従来よりもその使用量を低減させることができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様においては、上記混合材料は、有機物含有率が10質量%以下となるよう構成されていることを特徴としている。
本発明によると、有機溶剤や有機系接着剤および有機系バインダ等の使用を抑えてグリーンシートを形成することができ、全体として環境負荷を低く抑えることができる。
ここに開示される製造方法の好ましい態様において、上記多孔質燃料極用層は、平均厚みが100μm以上1500μm以下に形成されていることを特徴としている。
本発明の方法によると、ロール成形法を採用していることから、上記の通りの比較的厚い多孔質燃料極用層であっても単層構造として簡便に製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記ロール成形は、一対の回転ロールの間に、上記付着防止シート、上記固体電解質層用シートおよびこれらのシート間に上記混合材料を供給して圧縮成型する方法であって、以下の条件;
(1)上記一対のロールの温度が、30℃以上60℃以下となるよう調整すること、
(2)線圧を0.1kN/cm以上30kN/cm以下に設定すること、および、
(3)成形速度を0.1m/min以上20m/min以下に設定すること、
を具備することを特徴としている。
かかる構成によると、焼成に際して界面剥離や強度低下等の不都合が生じ難いSOFC形成用のグリーンシートをより簡便に、信頼性が高く高品質なものとして製造することができる。すなわち、優れた発電性能と高い信頼性(耐久性)とを備えるSOFCの形成が可能なグリーンシートを製造することができる。
本発明は他の側面において、上記のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池形成用のグリーンシートの製造方法により製造されてなるSOFC形成用のグリーンシートを提供する。
かかるグリーンシートは、少なくとも、付着防止シートと固体電解質用シートとの間に多孔質燃料極用層が形成された多層構造を有したものとして把握することができる。また、特に制限されるものではないが、多孔質燃料極用層は、少なくとも導電性粉末と第1の天然有機粉体とを含む混合材料の集塊が圧着されて構成されたものであり得る。「集塊」とは、粉末状の原料が凝集して塊を為している状態を意味し、その凝集体の密度や大きさ、その凝集における各粉末の結合の種類や強度等は特に問わない。そして、上記付着防止シートは、主成分として第2の天然有機粉体を含んでおり、上記第2の天然有機粉体は、澱粉成分を含まないか、もしくは、含む場合における該澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満であり得る。このような多層構造は、典型的には、例えば、上記付着防止シートおよび上記固体電解質用シートが、上記多孔質燃料極用層との界面において上記混合材料の集塊により圧着されることで構成されたものであり得る。
すなわち、固体電解質の前駆体である固体電解質用シートと、燃料極の前駆体である多孔質燃料極用層との積層体に、焼成治具として機能する付着防止シートが予め一体化された形態の、SOFC形成用のグリーンシートが提供される。かかる構成によると、機械的強度の低下および電気伝導性の低下を招きやすいアルミナ製の焼成治具や、高価なジルコニア製の焼成治具を使用することなく、SOFCを形成することが可能なグリーンシートが提供される。また、多孔質燃料極用層は単層構造であり、有機溶剤や有機系接着剤等を使用する必要がないために環境負荷を低減することができ、多孔質燃料極用層内での界面剥離等の問題は生じない。
そして、例えば、多孔質燃料極用層に含まれる第1の天然有機粉体は、造孔材およびバインダとして機能し得るため、有機系のバインダの使用を低減でき(好ましくは有機系バインダの使用を排除して)環境負荷をさらに低減できるとともに、付着防止シートと固体電解質用シートとを圧着により強固に結合することができる。この圧着は、たとえば、ロール成形法により好ましく実現することができる。したがって、例えば、アノード支持型SOFCの形成に利用可能な比較的厚い多孔質燃料極用層を備えるグリーンシートを提供することができる。
また、かかるグリーンシートは、必要に応じて電解質用シートの表面にカソード用層を形成し、所望の大きさに切り出すだけで焼成に供することができ、簡便なSOFCの製造を実現することができる。
以上のように、ここに開示されるグリーンシートは焼成治具としての付着防止シートが予め一体化されていることから、焼成時に焼成体の機械的強度の低下および電気伝導性の低下を招くおそれが無い。また、多孔質燃料極用層は単層構造であることから、多孔質燃料極用層内での界面剥離の問題が無く、焼成後の積層体の平坦性を高く保つことができる。また、多層構造の多孔質燃料極用層と比較して層間内に内部抵抗を大幅に増大させる接合界面が形成されないため、抵抗損失の抑制されたSOFCを実現し得る。これらのことから、本発明は、ここに開示されるグリーンシートを焼成してなる多層構造体を備えた固体酸化物形燃料電池をも好適に提供するものであり得る。
一実施形態に係るグリーンシートの製造の様子を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るアノード支持形のSOFC形成用グリーンシートの構成を例示する断面模式図である。 一実施形態に係るアノード支持形のSOFC形成用グリーンシートを備えた発電システムの構成を例示する断面模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、SOFC形成用のグリーンシートの必須の構成やその製造方法)以外の事項であって、本発明の実施に必要な事柄(多孔質空気極の構成材料やそれらの合成方法および配合、ならびにスタックの構築方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1は、本発明が提供するグリーンシートの製造の様子を説明する断面模式図であり、図2はこれにより得られるアノード支持形のSOFC形成用グリーンシートの構成を例示した断面図である。これらの図を参照しつつ、ここに開示されるグリーンシートとその製造方法を、特に限定するわけではないが、具体的な一実施形態としてのアノード支持型のSOFC形成用のグリーンシートの場合を例にして説明を行う。
本発明が提供するグリーンシート10は、典型的には、少なくとも、付着防止シート40と固体電解質層用シート20との間に多孔質燃料極用層30を備える多層構造を有している。かかるグリーンシート10の製造方法は、上述の通り、以下の工程を包含する。
(a)固体電解質用シート10を用意すること。
(b)少なくとも導電性粉末と第1の天然有機粉体とを含む原料粉末を混合した混合材料を用意すること。
(c)澱粉成分を含まないか、もしくは、含む場合における該澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満である第2の天然有機粉体を主成分として含む付着防止シート40を用意すること。
(d)上記付着防止シート40と上記固体電解質用シート20との間に上記混合材料を供給しながらロール成形することにより多孔質燃料極用層30を形成し、グリーンシート10を得ること。
[a:固体電解質用シートの用意]
SOFCが備える固体電解質(層状であり得る。)は酸化物イオン伝導体により構成されており、固体電解質用シート20は焼成によりこの固体電解質層が形成されるよう構成されている。かかる固体電解質材料としては、従来からSOFCセルの固体電解質材料として用いられている物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、酸化(空気)雰囲気および還元(燃料ガス)雰囲気のいずれにおいても酸素イオン伝導性が高く、ガス透過性の無い緻密な層を形成できる酸化物イオン導電性材料であり得る。
かかる酸化物イオン伝導性材料としては、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)から選択される元素を含んだ酸化物が挙げられる。具体的には、イットリア(Y)、カルシア(CaO)、スカンジア(Sc)、マグネシア(MgO)、イッテルビア(Yb)、エルビア(Er)等の安定化剤で結晶構造を安定化させたジルコニア(ZrO);イットリア(Y)、ガドリニア(Gd)、サマリア(Sm)等のドープ剤をドープした酸化セリウム(CeO);等を採用し得る。なかでも、ジルコニア(ZrO)にイットリウムの酸化物(例えば、イットリア(Y))を固溶させたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、またはスカンジウムの酸化物(例えばスカンジア(Sc))を固溶させたスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)を好適に用いることができる。これらの酸化物は、比較的温度が低い場合(およそ500℃〜800℃)であっても高い酸化物イオン伝導性を示し得るため、起動性に優れたSOFCを実現し得ることから好ましい。固溶させる酸化物の量は特に限定されないが、例えばおよそ1mol%〜20mol%(通常、およそ5mol%〜10mol%)とすることができる。
そして固体電解質用シート20は、上記の固体電解質を構成する金属の酸化物、各種の塩等の材料の粉末を、バインダなどと共に所定の割合で混合し、シート状に成形することで用意することができる。より具体的には、焼成により上記の固体電解質を形成し得る粉末状の材料である。かかる固体電解質の粉末材料の平均粒径としては特に制限されないが、平均粒径0.1μm〜10μm程度の粉末の使用が好ましい。シート状への成形には、該粉末を適切な溶媒(例えば、有機溶媒あるいは水系溶媒)に分散してスラリー状組成物を調製し、このスラリー状組成物を、例えば、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スキージ法、スピンコート法、抄造法等の手法により、図示しない支持材(キャリアシート)の面に均一な厚さにコーティングすることにより成形し得る。均一な厚さ(例えば、10μm〜50μmの厚み)に成形することで実現することができる。
バインダとしては、脱バインダ処理(典型的には、約300℃以上で加熱焼成すること)によって蒸発除去し得るものであればよく、特に限定なく用いることができる。具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系ポリマー;メタクリル酸エステル等のエステル系ポリマー;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリアミドイミド、ポリイミド等のイミド系ポリマー;ポリエチレンオキサイド等のエチレン系ポリマー;ポリアクリロニトリル、ポリメタリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンポリフッ化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系重合体;スチレンブタジエンゴム等のゴム類;等を用いることができる。なかでも、セルロース系ポリマー(例えばエチルセルロース)やポリビニルブチラールを好適に用いることができる。
好適な一態様では、バインダとしてセルロースおよびその誘導体(典型的にはエチルセルロース)を、溶媒としてα−テルピネオールを用いる。好適な他の一態様では、バインダとしてポリビニルブチラールを、溶媒としてブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルジグリコールアセテート、イソボルニルアセテート等のエステル系溶剤および/またはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いる。本発明者の検討によれば、上記バインダや溶媒を用いて固体電解質層を形成することによって、後述の多孔質燃料極用層との界面密着性をより一層高めることができ、界面剥離やボイド(空隙)等の発生を抑制することができる。
固体電解質用シート20を形成する際のスラリーの固形分濃度(NV)は特に限定されないが、例えば60質量%〜80質量%(例えば65質量%〜75質量%)程度とすることができる。換言すれば、当該スラリー全体に占める溶媒の割合は、例えばおよそ20質量%〜40質量%とすることができ、通常はおよそ25質量%〜35質量%とすることが好ましい。
また、固体電解質用シート20を形成する際のスラリー全体に占める酸化物イオン伝導体の割合は、およそ50質量%以上であり、通常はおよそ60質量%〜70質量%であることが好ましい。かかるスラリー全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。これらの材料の他に、各種の添加剤を使用する場合には、当該スラリー全体に占める添加剤の割合を、例えば0.1質量%〜20質量%とすることができ、より好ましくは0.5質量%〜15質量%とすることができる。スラリーの調製には、ボールミル、ホモディスパー、超音波分散機などの適切な混合手段あるいは混練手段を用いて行うことができる。
上記のスラリーを一般的なスラリーの塗布技術、例えば印刷法(凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等)、シート成形法(ドクターブレード法等)、ディッピング法、スプレー法等を採用してシート状に成形し、その後、適当な乾燥手段で乾燥することによりスラリー状組成物中の溶媒を除去する。上記のスラリーの塗布技術としては、印刷成形法(典型的にはスクリーン印刷法)やドクターブレード法を好ましく採用し得る。かかる手法によれば、焼成により従来に比べて薄く緻密な固体電解質が得られる固体電解質用シートを好適に形成することができる。これにより、固体電解質用シート(未焼成の固体電解質用シート)20を用意することができる。
[b:混合材料の用意]
ここでは、多孔質燃料極用層30を形成するための混合材料を用意する。かかる混合材料は、少なくとも導電性粉末と第1の天然有機粉体とを含む。これらの原料粉末の混合状態に特に制限はないが、例えば、原料粉末の集塊を含むように調整してもよいし、所望の粘度(硬さ)のペースト状に調製してもよい。
<導電性粉末>
SOFCの燃料極に用いられる導電性粉末としては、従来からこの種の導電性粉末として用いられている物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、Ni等の金属の酸化物(NiO等)と、ジルコニア系セラミック(好ましくはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等の安定化ジルコニア)、セリア及び酸化マンガン等のセラミックとのサーメット等により構成することができる。各種の金属、及び金属とセラミックとの混合物などを用いてもよい。金属としては、Ru、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Rh、Ni、Co、Cu及びFe等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が例示される。また、金属とセラミックとのサーメットとしては、これらの金属又は合金と、ジルコニア系セラミック(好ましくはYSZ等の安定化ジルコニア)とのサーメットが挙げられる。中でも、酸化ニッケルと、ジルコニア系セラミックとのサーメットが好ましく、ジルコニア系セラミックがYSZまたはScSZであることがより好ましい。かかる導電性粉末の平均粒径としては特に制限されないが、平均粒径が0.1μm以上10μm以下程度の粉末の使用が好ましく、例えば、平均粒径0.5μm以上5μm以下程度の粉末の使用がより好ましい。
<第1の天然有機粉体>
第1の天然有機粉体としては、天然に存在する各種の有機物の粉末を用いることができる。かかる第1の天然有機粉体は、グリーンシートの焼成時(典型的には、800℃〜1500℃の高温での焼成時)にそのほぼ全てが燃え抜けるため、多孔質燃料極用層30を形成する際の造孔材として好適に機能する。なお、本発明においてかかる第1の天然有機粉体は、澱粉成分を含む植物の粉末を含むことがより好ましい。澱粉は、上記の通り焼成温度(例えば、800℃〜1500℃、好ましくは1000℃〜1500℃、より好ましくは1200℃〜1400℃)において焼失して造孔材としても機能することに加え、上記の導電性粉末に対して強い接着作用(粘着力)を示すことから、かかる発明では、造孔材とバインダとの機能を兼ね備えるものとして使用することができる。さらに、後述するグリーンシートを形成するためのスラリー状組成物において該組成物をシート状に成形し易い粘度に調整し得る効果をも有している。
なお、澱粉は本来アミロースおよびアミロペクチンの2種類の分子から構成され、中でも、本質的にアミロースを含まず、強い粘性を示すアミロペクチンのみからなる澱粉を、特に糯種の澱粉として、一般的な澱粉(粳種の澱粉)と区別して用いるようにしてもよい。すなわち、糯種の澱粉は、典型的には、アミロペクチンが100%であり、本質的にアミロースを含まず、より一層高い粘性を示す。なお、糯種の植物は、通常粳種の劣性突然変異体であることから、植物(作物)としてみた場合に粳種の混入の可能性も考えられる。したがって、例えば、澱粉成分として約90質量%以上、好適には95質量%以上、より好適には98質量%以上のアミロペクチンを含有する糯種の澱粉を含む植物の粉末を、本明細書において「糯種の澱粉」とし、第1の天然有機粉体として好適に用いることが例示される。なお、糯種の澱粉には、澱粉成分全体としてのアミロペクチンの含有量が90質量%以上であれば、粳種の澱粉が含まれていても良い。また、糯種の澱粉は、天然の植物に由来するものであっても良いし、遺伝子組み換え植物または混成育種に由来するものであっても良い。
以上の第1の天然有機粉体としては、例えば、澱粉を含む植物のうち、澱粉を多く含む部分(一部)を粉末状に加工したものを好ましく用いることができる。例えば、胚乳、塊根等の、澱粉を高含有率で含む植物中の特定の部位を粉末にしたものであってよい。このような澱粉を含む植物の粉末は、代表的には、各種の穀物(イネ科およびマメ科の種子)および地下茎類(イモ類など)等から好適に得ることができる。より具体的には、例えば、米、大麦、小麦、オート(燕麦)、とうもろこし、えんどう豆、じゃがいも、さつまいも、タピオカ、葛、サゴ、アマランス、バナナ、アロールート、カンナ等の糯種を例示することができる。これらの中でも、糯種の植物、例えば、糯種の米(すなわち、もち米)や、糯種のコーンスターチ(ワキシーコーンスターチ)に由来する糯性の澱粉は、電極材料(例えば導電性セラミック)に対して特に強い接着作用(粘着力)を示すことや、澱粉の含有率の高さ、日本国内での入手の容易さ等からも好適である。特に、造孔材としての機能および接着材としての機能を両立させる観点からは、うるち米またはもち米の粉末の使用が好ましい。
なお、第1の天然有機粉体における澱粉の含有率は、特に規定されないが、第1の天然有機粉体の全体を100質量%としたとき、50質量%以上であることが好ましく、より限定的には70質量%以上、更には、80質量%以上、例えば90質量%以上のものであることが望ましい。これらの澱粉を含む植物の粉末は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の第1の天然有機粉体の形状については特に制限されない。製造容易性等の観点から、通常は、略球形の粉末を好ましく使用し得る。また、第1の天然有機粉体のサイズ(平均粒径)は、例えば、対象とする電極に形成する所望の多孔質構造に応じて、適宜決定することができる。例えば、上記の導電性粉末の平均粒径と同程度か、それよりも大きくすることが好ましい。具体的には、例えば、平均粒径がおよそ2μm以上であるのが好ましく、より好ましくはおよそ5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。造孔材の平均粒径が小さすぎると、焼成後に得られた電極中の細孔の細孔径が小さくなりすぎるので、透過性(例えば、該燃料極であればガス透過性)が悪化することがある。一方、第1の天然有機粉体の平均粒径が大きすぎると、焼成後に得られる多孔質燃料極中の細孔径が大きくなりすぎて機械的強度及び耐久性が低下するおそれがある。したがって、通常は、平均粒径がおよそ50μm以下(好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下)のものを用いることが好ましい。
第1の天然有機粉体の含有量は、導電性粉末100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の割合とするのが好ましい。第1の天然有機粉体の含有量が多すぎると、焼成後に得られる多孔質燃料極の気孔率が増大しすぎるため、多孔質燃料極の機械的強度及び耐久性が低下することがあるため好ましくない。一方、第1の天然有機粉体の含有量が少なすぎると、接着強度が不足してしまうことがあり、また、焼成後に得られる電極の気孔率が低下するため、燃料極の透過性を確保できない場合があるため好ましくない。接着強度、気孔率(透過性)および機械的強度の全てを満足させる観点からは、第1の天然有機粉体の含有量は概ね1質量%〜15質量%が適当であり、より好ましくは2質量%〜12質量%であり、特に好ましくは5質量%〜10質量%である。このような第1の天然有機粉体の含有量の範囲内であると、多孔質燃料極層の強度を十分に確保しつつ、多孔質支持体として好適な気孔率を有する燃料極を安定して容易に得ることができる。
<造孔材>
なお、上記の第1の天然有機粉体と併用する形で、第1の天然有機粉体とは別にさらに造孔材を用いることも可能である。かかる造孔材は、多孔質燃料極用層30に含まれ、焼成の際にこの造孔材が多孔質燃料極用層30から燃え抜けることで、焼成後に得られる多孔質燃料極にかかる造孔材に基づく空孔が形成される。造孔材としては、カーボン粒子や各種の有機化合物等の公知の造孔材を用いることができる。
かかる造孔材のサイズ(平均粒径)は、上記の第1の天然有機粉体の場合と同様に、例えば、およそ2μm以上のものの使用が好ましく、より好ましくはおよそ5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。平均粒径の上限は、50μm以下、好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下である。造孔材の含有量は、上記の第1の天然有機粉体の含有量と併せて適切な量となるよう調整すればよい。
<他の多孔質燃料極用の材料>
多孔質燃料極用層30を形成するための混合材料としては、上述した導電性粉末および第1の天然有機粉体の他に、一般的な多孔質燃料極の原料として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、結着剤(バインダ)として機能し得る各種の材料が挙げられる。該バインダとしては、上記固体電解質材料と同様の各種のポリマー材料を適宜用いることができる。中でも、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVA)等のポリマー材料が好ましく用いられる。しかしながら、上記第1の天然有機粉体がバインダとしての機能をも果たし得ることから、バインダの含有率は、上記導電性粉末100質量部に対して、3質量部以上10質量部以下の割合と、通常より少量に抑えて配合するのが好ましい。より好ましくは、例えば、5質量部以上8質量部以下である。かかるバインダは、例えば、粒径が目開き1000μmのメッシュを通過した、いわゆる#1000アンダーのものであることが好ましい。かかる粒径のバインダを用いることで、後述の混合材料における原料粉末の状態を好適に整えることができる。すなわち、例えば、原料粉末を均質に混合できるとともに、原料粉末を適度な集塊を形成し得、圧着(典型的には、ロール成形)により形成される多孔質燃料極用層の組織を好適に整えることができる。
また、その他の多孔質燃料極用の材料の例として、溶剤が挙げられる。溶剤は、混合材料の調整に必ずしも必要ではないものの、混合材料の取り扱いを容易にする点において使用することができる。該溶剤としては、上記固体電解質用の材料と同様の各種の有機系溶剤あるいは無機系の溶剤を用いることができる。かかる溶剤の配合量は厳密に制限されるものではないが、例えば、おおよその目安として、固形分濃度(NV)が80質量%〜99質量%(例えば90質量%〜99質量%)程度となるように配合することができる。固形分濃度を上記の範囲とすることで、原料粉末をより均質に混合できるとともに、圧着(典型的には、ロール成形)に適した混合材料(例えば、集塊を含む混合材料ないしはペースト状の混合材料等)を好適に形成することができる。
これらの多孔質燃料極の原料粉末を混合することで、例えば上記の第1の天然有機粉体またはポリマー材等のバインダ成分の作用により、該原料粉末の混合材料(例えば、集塊を含む混合材料ないしはペースト状の混合材料等)を用意することができる。かかる混合の手段としては、ボールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の種々の撹拌・混合装置を適宜用いることができる。例えば、具体的には、導電性材料とバインダと必要に応じて用いられる他の成分(典型的には造孔材や可塑剤)とを任意の撹拌・混合装置に投入し、50rpm〜300rpmの攪拌速度で0.5時間〜1時間程度、撹拌混合することによって、原料粉末の集塊を含む混合材料を調製し得る。なお、上記原料を装置に投入する順序は特に限定されず、例えば一度に全ての材料を投入してもよく、何度かに分けて投入してもよい。
ここで開示される好適な一態様では、上記混合材料の有機物含有率が10質量%以下(好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下)である。有機物含有率を低減することで、グリーンシートを焼成した際に発生し得る不都合(例えば反りや変形、界面剥離)を一層抑制することができる。
混合材料全体に占める導電性粉末の割合は、およそ30質量%以上(典型的には40質量%〜80質量%)であり、通常はおよそ45質量%〜70質量%とすることが好ましい。また、混合材料全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ1質量%〜20質量%とすることができ、通常はおよそ2質量%〜10質量%とすることが好ましい。各種添加剤を使用する場合、原料混合物全体に占める添加剤の割合は、例えば0.1質量%〜20質量%とすることができ、通常はおよそ0.5質量%〜10質量%とすることが好ましい。
[c:付着防止シートの用意]
ここでは、焼成治具として機能し得る付着防止シート40を用意する。かかる付着防止シート40は、第2の天然有機粉体を主成分として含んでいる。
<第2の天然有機粉体>
第2の天然有機粉体としては、天然に存在する各種の有機物の粉末であって、澱粉成分を含まないか、もしくは、含む場合における該澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満であるものを考慮することができる。好ましくは、澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満のものである。このような第2の天然有機粉体は、主として天然の有機物から構成される粉体状の物質であって、もとより粉体状のものはもちろん、植物の全部または一部を粉体状に加工したものであってよい。具体的には、例えば、植物の根、葉、茎または幹等の部位を乾燥して粉体としたもの、より好ましくは、植物の種子、根等の部位を粉体としたものが例示される。かかる粉体は、例えば、単一の植物の単一の部位から得た粉体であっても良いし、2種以上の複数の植物あるいは部位の粉体を混合したものであっても良い。
一方、澱粉成分を含まない天然有機粉体はさほど粘性を示さないものであり得る。また、アミロペクチンの割合が75質量%未満の天然有機粉体は、粘性を示す澱粉が含まれているものの、強い粘性を示すアミロペクチンの割合が制限されており、適度な成形性(まとまり性)に優れているものの有機粉体の全体として粘性が比較的低く抑えられたものであり得る。
かかる澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満の第2の天然有機粉体としては、代表的には、例えば、植物の種子および塊根等の粉体が挙げられる。具体的には、例えば、各種の穀物(イネ科およびマメ科の種子等)および地下茎類(イモ類等)等のうち、アミロペクチンの割合が75質量%以上に高くないものであり得る。例えば、大麦、小麦、ライ麦、オート(燕麦)、そば、トウモロコシ、エンドウ豆、ジャガイモ、さつま芋、タピオカ、サゴ、アマランス等の粉体を例示することができる。なお、粳米については、タイ米等のアミロペクチンの割合が75質量%未満のものは第2の天然有機粉体として好適に使用できるものの、日本国内において広く一般に流通している粳米および糯米等はアミロペクチンの割合が75質量%以上の粘性の高いものであり得るために第2の天然有機粉体として適切ではない。
澱粉成分を含まない天然有機粉体は、代表的には、例えば、植物の葉、茎または幹等の部位を乾燥して粉体としたものが例示される。
そして第2の天然有機粉体としては、さらにたんぱく質を含む天然有機粉体であるのがより好ましい。たんぱく質を含むことで付着防止シート40に粘弾性が備えられ、適度なコシが生まれるために、かかるシートの成形性に加えて加工性および取り扱い性が優れたものとなるために好ましい。かかるたんぱく質を含む第2の天然有機粉体としては、例えば、イネ科小麦属に分類される穀物の粉体が例示される。具体的には、例えば、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉等であり得る。かかる第2の天然有機粉体の平均粒径については特に制限されないが、例えば、平均粒径が0.1μm〜10μm程度のものを目安として用いることができる。
また、他の観点から、第2の天然有機粉体としては、550℃における焼成残渣が、焼成前質量を100質量%としたとき、0.3質量%〜5質量%の範囲であるものが好ましい。かかる550℃における焼成残渣は、汎用の食品成分表に示される「灰分」に等しく、この灰分の測定方法(直接灰化法)により求めることができる。すなわち、本明細書における灰分とは、所定の量の試料を、大気中、550℃の温度で焼成して灰化し、恒量となったときの灰の質量を、焼成前の試料に対する割合(%)として示したものである。
この550℃での焼成残渣成分(灰分)は、試料中のミネラル成分(無機質成分)の総量ととらえられているが、実際には、試料中のミネラル成分のうちの塩素、窒素、炭素などの一部の成分は加熱によって一部または全部が失われ、また有機物炭素が一部炭酸塩として残っている。そのため、灰分は、食品中のミネラル成分のおおよその量であると考えることができる。
ここに開示される発明では、上記の天然有機粉体の焼成残渣を、グリーンシートの焼成温度である1300℃程度より大幅に低い550℃での焼成残渣により評価し規定するようにしている。これは、550℃での焼成残渣が0.3質量%〜5質量%の範囲の天然有機粉体は、上記補助層として1300℃程度の高温で焼成された際にも約0.01質量%〜5質量%程度の適量の焼成残渣を生じ得ることによるものであり、適度な厚みの補助層により多孔質電極形成層と焼成治具等との接触を好適に防止できるために好ましい。以下、特にことわりのない限り、上記の550℃での焼成残渣を「灰分」と呼び、1300℃での焼成残渣を単に「焼成残渣」と呼ぶ。
第2の天然有機粉体の灰分が0.3質量%より少ない場合には、付着防止シート40の厚みによっては多孔質燃料極用層30と炉材等との接触を防止できない可能性が高く、付着防止シート40の厚みが必要以上に厚くなるために好ましくない。なお、灰分は5質量%を超過しても差し支えないが、かかる灰分量の高い第2の天然有機粉体は比較的入手が困難であり得ること、取扱い性の良い付着防止シート40を形成した場合に必要以上に焼成残渣が生じることが考えられること等から、灰分の好ましい上限を5質量%程度にすることができる。
以上の通りの灰分を有する天然有機粉体としては、特に制限はなく、例えば、食品成分表(例えば、国立印刷局発行、五訂増補日本食品標準成分表等)を参照した際の灰分値が上記範囲の植物の粉体等の中から、適宜選択して用いることができる。もちろん、食品成分表に記された以外の天然有機粉体も好ましく用いることができる。これらは、例えば、種子の中心に近い胚乳部や根の外皮を除いた中心部分が粉体とされたものがより広く市場に流通しているが、より外皮に近い部分を含む粉体とすることで灰分値を高めることができる。例えば、小麦粉の場合は、中心部に近い上級粉よりも、表皮部分に近い下級粉、さらには全粒粉の方が灰分値が高くなる傾向がある。
この第2の天然有機粉体に、例えば、水と共に混合および混練してペースト状(スラリー状であり得る。)に調整し、これをプレス成形、押出成形、ロール成形、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スキージ法、スピンコート法、抄造法等の各種の手法により所望の寸法のシート状に加工する。好ましくは、プレス成形、押出成形、ロール成形法等である。この場合の第2の天然有機粉体と水との混合割合は、採用する成型手法に応じて適宜調整することができる。例えば、好適には、第2の天然有機粉体100質量部に対して、水が35質量部〜55質量部程度の割合で含まれているのが好ましい。また、よりシートの弾性を高めるために、NaClを1質量部〜10質量部程度の割合で加えることが好ましい。なお、ここで、NaClとは、NaCl(塩化ナトリウム)100質量%のものを意図するものではなく、NaClを主成分(例えば、70質量%以上、好ましくは80質量%以上)とする塩であってよく、典型的には食塩等を用いることができる。かかる配合割合は、周辺の温度および湿度環境等を考慮して調整することができる。例えば、一例として、質量表示で、小麦粉:食塩:水を100:4:46〜100:3:47とすることが例示される。これにより、主成分として第2の天然有機粉体を含む付着防止シート40用意することができる。
また、成形後の付着防止シート40の固形分濃度等に特に制限はないが、好ましい構成の一例として、例えば、天然有機粉体を100質量部としたとき、溶媒が35質量部〜55質量部(すなわち、付着防止シート40における水分量とほぼ同じ)の割合で含まれていることが例示される。
付着防止シート40の厚みとしては特に限定されず、例えば、第2の天然有機粉体の灰分値を考慮に入れるなどしつつ、多孔質燃料極用層30と一体化して取り扱うに適切な厚みとすることができる。例えば、付着防止シート40の厚みは、1mm〜10mm程度とすることが適当であり、好ましくはおよそ3mm〜8mm程度であり、特に好ましくは5mm〜6mm程度である。なお、後のロール成形の工程において加圧を行う場合には、加圧後の付着防止シート40の厚みが上記範囲内となるよう考慮することができる。
なお、第2の天然有機粉体の有する性質(例えば、澱粉成分の含有の有無や、かかるデンプン成分に占めるアミロペクチンの割合等)に応じて、付着防止シート40にバインダを含むこともできる。かかるバインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)やポリビニルアルコール(PVA)等のポリマー材料が好ましく用いられる。バインダの含有率は、第2の天然有機粉体の備える性質にもよるため一概には言えないが、例えば、上記第2の天然有機粉体を100質量部としたとき15質量部以下、限定的には、1質量部〜10質量部程度の割合で含むことが例示される。
[d:ロール成形によるグリーンシートの形成]
次いで、上記のa〜cで用意した固体電解質用シート20、混合材料および付着防止シート40を用いて、ロール成形によりSOFC形成用グリーンシート10を形成する。すなわち、一対の回転ロールの間に固体電解質用シート20と付着防止シート40を供給し、さらにかかるシート間に混合材料を供給しながらロール成形することにより、両シート間で混合材料を圧縮し、互いに圧着させて(例えば原料粉末の集塊を互いに圧着させて)、多孔質燃料極用層を形成する。また、原料粉末の集塊を固体電解質用シート20および付着防止シート40と圧着させて、付着防止シート40と固体電解質層用シート20との間に多孔質燃料極用層30を備える多層構造を形成する。典型的には、反対方向に回転する一対のロールの間に上記の2枚のシートおよび混合材料を供給し、該一対のロール間で原料粉末の集塊を圧縮することにより、所望の形態のグリーンシート10を成形する。ここで、多孔質燃料極用層は、混合材料を実質的にドライの状態でロール成形に供することができるため、スラリー状組成物を調製する必要がない。このことは、作業効率(典型的には乾燥時間の短縮)や製造コスト、環境負荷の観点からも好ましい。
ここで開示される好適な一態様では、上記多孔質燃料極用層30は、平均厚みが100μm以上1500μm以下の単層構造となるよう形成する。100μm以上1500μm以下の厚みとすることで、焼成後に強度や耐久性に優れた多孔質燃料極を実現し得る。加えて、単層構造とすることで、例えば100μm程度の比較的薄いシートを積層し一体化させた場合に比べて界面の数が少なくなるため、界面間の接合不良が生じ難く、且つ多孔質燃料極の抵抗を低く抑えることができる。このように、ロール成形法によれば、アノード支持型のSOFCに用いられるような比較的厚い多孔質燃料極(アノード)であっても、安定的に形成することができる。すなわち、かかる構成によると、等方性や均質性に優れた(例えば組成や気孔率にバラつきが少ない)多孔質燃料極を実現し得る。
図1に、一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図を示す。図1に示すロール成形機5は、大略として、固体電解質用シート供給部1と、付着防止シート供給部2と、貯留タンク3と、一対のロール4と、を備えている。
固体電解質用シート供給部1は、典型的にはロール状に巻き取られた固体電解質用シート20を一対のロール4間に連続的に供給可能なように構成されている。付着防止シート供給部2は、典型的にはロール状に巻き取られた付着防止シート40を一対のロール4間に連続的に供給可能なように構成されている。
貯留タンク3は、導電性粉末や第1の天然有機粉体等の原料粉末を含む混合材料3aを貯留している。この貯留タンク3は、図示しない撹拌機能を備えるように構成し、かかる貯留タンク3内で混合材料3aの用意を行うようにしても良い。貯留タンク3の底部にはフィーダー3bが備えられており、該フィーダー3bの吐出口から混合材料3aがロール4に供給された固体電解質用シート20と付着防止シート40との間に連続的に供給されるよう構成されている。
一対のロール4に供給された固体電解質用シート20および付着防止シート40は、ロール4の表面との摩擦力によって両ロール4の間(隙間)に引き込まれる。かかるシート20,40間に供給された混合材料3aは、シート20,40表面との摩擦力によってこれらシート間(隙間)に引き込まれ、シート20,40と共にロール4の間を通過する際に圧縮成形される。これにより、付着防止シート20と固体電解質用シート40との間に多孔質燃料極用層30を備える多層構造のグリーンシート10が形成される。ここで、後述するロール成形の条件等を調整することにより、所望の性状(例えば厚みや気孔率)を有する多孔質燃料極用層30を形成することができる。
貯留タンク3は、混合材料3aを貯留する容器である。貯留タンク3は、その底部にフィーダー3bを備え、一定量の混合材料3aをシート間に連続的に供給することができる。貯留タンク3としては、貯留する混合材料3aに含まれる材料に対し、耐薬品性や耐腐食性に優れた材質からなることが好ましい。このような材質として例えばステンレスが挙げられる。フィーダー3bとしては、定量性に優れるものであれば特に限定されず、例えばスクリュー式、振動式、流動式等の各種フィーダーを適宜採用し得る。
貯留される混合材料3aは、ロール成形を行う前に予め温められていてもよい。かかる温度は、例えば、第1の天然有機粉体が澱粉成分を含む場合は、かかる澱粉が粘性を帯びやすい30℃〜60℃程度の温度範囲であることが好ましい。また、混合材料3a中に樹脂等からなるバインダが含まれる場合には、かかるバインダの軟化点近傍に調整されていてもよい。具体的には、例えば30℃以上(好ましくは50℃以上)であって、例えば60℃以下であり得る。予め原料混合物の温度を高く調整しておくことで、ロール4の表面における混合材料3aの上滑りを防止するとともに、混合材料3aの圧着を確実に行うことができ、均質な(例えば厚みや密度のバラつきが少ない)多孔質燃料極用層30を安定して形成することができる。
ロール4は、耐薬品性や耐腐食性に優れた材質からなることが好ましい。このような材質として、例えばステンレスが挙げられる。また、ロール成形時には、ロール4の温度を常温よりも高めに設定することが好ましい。かかるロール4の温度は、典型的には30℃以上60℃以下であって、例えば、混合材料3aに含まれるバインダの軟化点より高くすることがより好ましい。具体的には、例えば30℃〜60℃であり、より好ましくは50℃±5℃であり得る。
一対のロール4の間隔は特に限定されず、固体電解質用シート20および付着防止シート40の厚みや、目的物とする多孔質燃料極用層30の厚みに応じて適宜調整することができる。ここで開示される多孔質燃料極用層30は、焼成後にSOFCの支持体として機能すべく、例えば固体電解質層20やカソード層(図示せず)に比べて厚めに形成されるのが一般的である。焼成後の多孔質燃料極に求められる厚みが通常およそ100μm〜2000μmであり、多孔質燃料極用層30の焼縮み等はほぼ無視できることから、多孔質燃料極用層30としてもほぼ同様の100μm〜2000μmの厚みとして形成し得る。多孔質燃料極用層30は、例えば100μm以上、典型的には200μm以上、より好ましくは500μm以上であって、2000μm以下、典型的には1800μm以下、より好ましくは1500μm以下とすることができる。固体電解質用シート20および付着防止シート40の硬度等にもよるが、ロール成形法では、ロール4の間隔を調整するだけで所望の厚みを有する多孔質燃料極用層30を形成することができる点においても簡便である。
ロール4の直径は特に限定されないが、例えば数十cm〜数百cm程度であり得る。混合材料やロール成形機の運転条件等が一定の場合には、一般にロールの直径が大きくなるほど密度の高い(緻密な)多孔質燃料極用層30を形成することができる。また、一対のロール2間のプレス線圧は特に限定されないが、通常0.1kN/cm〜30kN/cmであり、例えば0.5kN/cm〜10kN/cmであり得る。また、グリーンシート10の成形速度は、通常0.1m/分〜20m/分であり、例えば1m/分〜15m/分、好ましくは1m/分〜10m/分、より好ましくは5m/分〜10m/分であり得る。かかる態様によれば、従来に比べて反りや変形等の不都合が生じ難く、均質な多孔質燃料極用層30を備えるグリーンシート10を安定して形成することができる。
<焼成工程>
このようにして得られたグリーンシート10に対して、焼成(本焼成)を施すことで、多孔質燃料極の上に電解質層が備えられた積層体を得ることができる。焼成においては、グリーンシート10の付着防止シート40の側が炉内の焼成治具(炉材、棚板、天板など)に触れる下側となるように配置するようにする。
焼成では、例えば、多孔質燃料極用層30に含まれる導電性粉末を焼結させるとともに、第1の天然有機粉体および造孔材等を焼失させて気孔を形成する。これにより、多孔質燃料極が形成される。また、固体電解質シート20については、シート内に含まれる固体電解質を焼結させるとともにバインダ等を焼失させることで、多孔質燃料極に強固に結合した状態の固体電解質層が形成される。付着防止シート40については、焼成残渣を残して付着防止シート40のほぼ全体が消失する。しかしながら、この焼成残渣が多孔質燃料極と焼成治具等の間に介在するため、焼成途中および焼成後に至るまで、多孔質燃料極用層30および多孔質燃料極が焼成治具に接触して反応することが防止される。
焼成温度については、例えば、対象とする多孔質燃料極の構成材料(導電性粉末)に応じた温度(例えば、900℃以上の温度範囲)で適宜決定することができる。この実施形態では、例えば、SOFC用の固体電解質層と多孔質燃料極とからなる積層体を焼成するにあたり、上記のグリーンシート10を、例えば1000℃〜1500℃、好ましくは1200℃〜1500℃、より好ましくは1300℃〜1400℃の焼成温度にて大気中で焼成するようにしている。1000℃〜1500℃で焼成することで、付着防止シート40および多孔質燃料極用層30中に含まれる天然有機粉体、造孔材およびバインダ等の成分が焼失されるとともに、十分に焼結が進行した固体電解質および多孔質燃料極の積層体を得ることができる。焼成温度(最高焼成温度)での保持時間は、焼成温度にもよるが、概ね0.5時間〜4時間程度、好ましくは1時間〜2時間程度とするとよい。また、焼成雰囲気は上述した大気雰囲気に限らず、必要に応じて大気よりも酸素リッチな酸素雰囲気下、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下等のように様々に調整することができる。
これにより、多孔質燃料極および固体電解質を備える積層体を好ましく製造することができる。
このようにして得られた積層体は、付着防止シート40および焼成残渣の存在により焼成治具との接触が防止されているため、例えば、多孔質燃料極と焼成治具との間で反応は生じない。また、例えば、多孔質燃料極と焼成治具との間で融着は生じない。したがって、焼成治具との反応により多孔質燃料極からNi成分が消費(減少)されて組成のズレが生じたり、反応生成物に因る電気伝導性等の性能の低下が防止される。したがって、融着に起因する多孔質燃料極の不良品を減少させることができ、同時に、焼成治具の消耗を抑制することができる。なお、焼成残渣については、焼成直後は多孔質燃料極に付着するものが幾らかあるが、簡単な払落しやブロー等により容易に除去することができる。また、一部が多孔質燃料極に付着したままであっても、多孔質燃料極の電気伝導性等の特性に悪影響を及ぼすことはない。したがって、例えば、多孔質燃料極用層に含ませるNi量をあらかじめ増量する必要や、高価なジルコニア製の焼成治具を損傷させたりすることがなく、製品性能の向上及び歩留まりの改善を実現することができる。
また、かかる付着防止シート40は比較的安価な材料でかつ簡便に用意することができ、寸法、形状および柔軟性等の物性を容易に所望のものに調整して形成することが可能である。そして、例えば接着剤レスで多孔質燃料極用層30に接合可能とされていることから、コストの面でも作業性の面でも容易に実施することが可能とされる。
以上のようにして得られる積層体(例えば、ここではSOFC用の多孔質燃料極と電解質層との積層体)は、上記のとおり高性能であることから、種々の形態のSOFCセルの構成要素として好ましく利用され得る。例えば、ここに開示される方法により製造された積層体の電解質層の表面に空気極を形成するアノード支持形SOFCの構成要素として好ましく使用され得る。かかるアノード支持形SOFCの形状や寸法、あるいはアノード支持形SOFCを構成する空気極の詳細な組成、構造等について特に制限はない。
<アノード支持形SOFC>
以下、上記で本発明の製造方法により作製した多孔質燃料極および固体電解質の積層体を用い、アノード支持形SOFCを製造する場合について、図3に示す模式図を参照しつつ説明する。
アノード支持形SOFC100を製造するに際しては、上記のようにして得られた多孔質燃料極60および固体電解質70の積層体50における固体電解質70の表面上に空気極80を形成する。ここで開示されるアノード支持形SOFC100が備える空気極80は、一般的なSOFC100と同様に、酸化雰囲気でも高耐久性の材料から構成されることが好ましい。例えば、ランタンコバルテート(LaCoO)系、ランタンマンガネート(LaMnO)系、ランタンフェライト(LaFeO)系、またはランタンニッケラート(LaNiO)系のペロブスカイト型酸化物、あるいはサマリウムコバルテート(SmCoO)系ペロブスカイト型酸化物等の多孔質体から構成されることが好ましい。
また、空気極80の作製(積層)方法としては、一般的なアノード支持形SOFCの空気極80の作製方法と同様でよい。例えば、空気極80として好適な材料、例えば平均粒径1μm〜10μm程度のLaSrO粉末、バインダ、分散剤、溶媒等からなるスラリー状の空気極用の成形材料を調製する。この空気極用成形材料を上記のとおり得られた膜状の焼成後の固体電解質70の表面に膜厚100μm以下(典型的には1μm〜100μm、好ましくは10μm〜100μm、例えば10μm〜50μm)で印刷成形することにより、未焼成の空気極用層を形成する。これを乾燥後、例えば1000℃〜1200℃の焼成温度で大気中にて焼成する。このようにして、上記固体電解質70上に多孔質な空気極(層)80を形成することができる。かかる空気極80の気孔率としては、例えば、水銀圧入法による測定値がおよそ20体積%〜60体積%が適当であり、好ましくは50体積%以下、典型的には30体積%〜50体積%である。また、かかる空気極の平均細孔径(水銀圧入法に基づく)としては、例えば10μm以下、典型的には0.1μm〜5μmが好ましい。これにより、支持体としての多孔質燃料極60、固体電解質70および空気極80からなる積層構造を備えたアノード支持形SOFC(単セル)100が製造される。
このようにして得られるSOFC100は、図3に示されるように、例えば、ジルコニア系酸化物またはセリア系酸化物から構成される絶縁性の多孔質基材であって燃料ガスを流通させるガス流路65を備えた中空箱型形状の多孔質燃料極60と、該燃料極60の外側表面における緻密化された表面部分(固体電解質70との界面)上に積層された固体電解質70と、該固体電解質70上に積層された多孔質空気極80とから構成されるアノード支持形SOFC100(すなわち、多孔質燃料極60の2つの表面にそれぞれ1組の単セルが構築されて計2組の単セルを備えるスタック)である。かかるSOFC100に供給される燃料ガスは、典型的には上記ガス流路65に直結するように上記燃料極60と連結されているガス管(図示せず)から上記ガス流路65に供給される。供給された該燃料ガスは、その一部は多孔質燃料極60内を透過(拡散)してSOFC100における充放電に寄与するとともに、残りはガス流路65を通って燃料極60から排出される。また、多孔質空気極80に供給される空気は、上記空気極80に接触するように供給される。なお、図3に示されたSOFC100は、上記燃料極60の対向する一対の外側表面の両方にそれぞれ1組ずつの単セルを備えたスタックとして構成されているが、ここで開示されるSOFCとしては、1つの外側表面のみに固体電解質膜と空気極層とが形成されて1組の単セルが構築されている構成のSOFCであってもよい。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<例1>
多孔質燃料極を構成する材料として、8mol%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)粉末(平均粒径:約0.3μm)と酸化ニッケル(NiO)粉末(平均粒径:3μm〜4μm)とを6:4の質量比で混合した導電性粉末、第1の天然有機粉体としての米粉(平均粒径:5μm)、バインダとしてのポリエチレンオキシド(PEO)、およびエーテル系溶剤を用意した。これらを、導電性粉末に対する米粉の割合が 0.5質量% となるように混合し、これにバインダとしてのPEOを、上記導電性粉末と米粉との合計100質量%に対して3質量%、溶剤を固形分濃度が10%となるように加え、混合することで、これらの材料の集塊が形成された状態の混合材料を用意した。この混合材料は、図1に示したロール成形機の貯留タンク3に収容した。
また、以下の手順で固体電解質用シートを用意した。すなわち、8mol%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)粉末(平均粒径:約1μm)にバインダ(ここではポリビニルアルコール(PVA))、分散剤、および溶媒を添加して混練した。次いで、この混練物(ペースト状の固体電解質用成形材料)をキャリアシート上にドクターブレード法によりシート状に成形し、乾燥させることで、厚み0.02mmの固体電解質用シートを作製した。
さらに、以下の手順で付着防止シートを用意した。すなわち、第1の天然有機粉体として小麦粉を用い、小麦粉:食塩:水が100:4:46となるように混合混練し、この混練物をロール成形により厚み5mmのシート状に成形して付着防止シートを作製した。
ロール成形機の一対のロールを予め50℃に加熱しておき、上記で用意した固体電解質用シートと付着防止シートとをかかるロールの間に供給すると同時に、これらのシート間に貯留タンク3の底部から混合材料を供給した。このようにして、固体電解質用シートと付着防止シートとの間に混合材料を挟み込んだ状態で圧縮成形(ロール成形)することによって、総厚みが約1.3mmの三層構造のグリーンシートを得た。なお、ロール成形の条件は、以下の通りとした。
線圧 :10kN/cm
成形速度:0.5m/min
<例2>
ロールの間に付着防止シートを供給せずに、固体電解質用シートと混合材料のみを供給し、その他は例1と同様にして、総厚みが約1.3mmの二層構造のグリーンシートの製造を試みた。
<例3>
ロール成形機の一対のロールを加熱することなく、すなわち室温(25℃)状態とした以外は、例2と同様にして、総厚みが約1.3mmの二層構造のグリーンシートを製造した。
<例4>
米粉に代えて、カーボン粉末を用い、総厚みを約0.5mmとしたこと以外は、例2と同様にして、二層構造のグリーンシートを製造した。
<例5>
ロール成形機の一対のロールを加熱することなく室温(25℃)状態とし、さらに、米粉に代えてカーボン粉末を用い、総厚みを約0.5mmとしたこと以外は、例2と同様にして、二層構造のグリーンシートを製造した。
上記例1〜5のグリーンシートの製造状況について観察したところ、例1においては、三層構造のグリーンシートが好適に形成されたことが確認できた。一方、例2においては、付着防止シートを積層させなかったため、ロール成形の際に混合材料が加熱されたロールに付着してしまい、グリーンシートを得ることができなかった。また、例3においては、付着防止シートを積層させなかったものの、ロールを加熱していなかったため二層構造のグリーンシートを形成することができた。また、米粉に代えて造孔材としてカーボンを用いた例4では、ロールを加熱した状態で付着防止シートを積層させなかったものの、混合材料の粘性が低いために二層構造のグリーンシートを得ることができた。さらに、米粉に代えて造孔材としてカーボンを用いた例5においては、ロールを加熱せず、付着防止シートを積層させなかった場合においても二層構造のグリーンシートを得ることができた。
上記で得られた例1、3〜5のグリーンシートについては、断面出しを行い、かかる断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、いずれのグリーンシートにおいても、混合粉末がロール成形されて形成された多孔質燃料極用層は、単層構造であることが確認できた。すなわち、多孔質燃料極用層を構成する断面において、混合材料の集塊と、集塊の間に形成される空隙とがかかる断面にほぼ均一に分布しており、多孔質燃料極用層の内部(すなわち端部でない)の集塊の境界が特定の線(すなわち層)を形成していないことから、単層構造であると判断することができた。
また、例1のグリーンシートについては、固体電解質用シートおよび付着防止シートと、多孔質燃料極用層との界面に、目立った気泡や界面剥離の存在は観察されず、かかる界面での接合状態が良好であることが確認できた。
例3〜5のグリーンシートについては、固体電解質用シートと多孔質燃料極用層との界面に、目立った気泡や界面剥離の存在は観察されず、かかる界面での接合状態が良好であることが確認できた。
さらに、例1、3〜5で得られたグリーンシートについて、シートの平面方向で引張強度試験を行った結果を下記の表1に示した。なお、引張強度は、グリーンシートを1.5cm×3.0cmに切り出して試験片とし、引張試験機(例えばインストロン型の万能試験機等であり得る。)にセットして引っ張り応力を印加した際の、破断強度である。本実施例では、島津製作所製のインストロン型試験機を用いた。
例1のグリーンシートは、多孔質燃料極用層において米粉のバインダ作用により混合材料が強固に結合しているため、1300MPaを超過する高い引張強度を備えたグリーンシートが得られたことが確認できた。一方の例3〜5のグリーンシートは、一見良好に形成されているように見えたものの、多孔質燃料極用層におけるバインダ量が不十分であったため、グリーンシートの引張強度が800MPa未満と強度が不十分であることが確認できた。かかる低強度のグリーンシートを焼成した場合は、焼成中にシートに反り等の変形が生じたり、焼成後の積層体において十分な強度が得られなかったりするために好ましくない。
Figure 0005916661
<例6〜8>
上記例1と同様にして、混合材料および固体電解質用シートを用意した。
さらに、以下の手順で付着防止シートを用意した。すなわち、下記の表2に示す第2の天然有機粉体を用い、かかる第2の天然有機粉体:食塩:水が100:4:46となるように混合混練し、この混練物をロール成形により厚み5mmのシート状に成形することで、付着防止シートを作製した。
なお、例6では、第2の天然有機粉体としてそば粉を、例7ではライ麦粉を、例8ではデキストリンを用いた。
次いで、例1と同様の条件で、ロール成形機の一対のロールを予め50℃に加熱しておき、上記で用意した固体電解質用シートと付着防止シートとをかかるロールの間に供給すると同時に、これらのシート間に貯留タンクの底部から混合材料を供給した。このようにして、固体電解質用シートと付着防止シートとの間に混合材料を挟み込んだ状態で圧縮成形(ロール成形)することによって、総厚みが約1.3mmの三層構造のグリーンシートを製造した。
上記例6〜8のグリーンシートの製造状況について観察したところ、例6および例7においては、例1と同様の三層構造のグリーンシートが好適に形成されたことが確認できた。一方、例8においては、加水分解で低分子量化されたアミロペクチンであるデキストリンを第2の天然有機粉体として使用したため、ロール成形の際にロールへの付着防止シートの付着が確認された。すなわち、付着防止シートに用いられる第2の天然有機粉体は、澱粉成分を含まないか、該澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が低く(75質量%未満)抑えられていることが必要であることが確認できた。
Figure 0005916661
[発電性能]
上記の例1、6〜8で得られたグリーンシートを、付着防止シートを下にして、大気中、1400℃で1時間の条件で焼成し、多孔質燃料極と固体電解質からなる積層体を得た。かかる積層体に対し、空気極を形成してアノード支持形SOFCを構築し、発電性能を調べた。その結果、詳細なデータは示さないものの、同様の材料を用い、従来のドクターブレード法を採用して形成した多孔質燃料極を備えるアノード支持型のSOFCに比べて発電性能が1.4倍となることが確認できた。
以上の結果から、本試験例によると、シート間の剥離等の不具合が抑制された耐久性の高いSOFC用のグリーンシートを簡便に製造することができ、かかるグリーンシートを用いることで高性能且つ高品質なSOFCを実現することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
1 固体電解質用シート供給部
2 付着防止シート供給部
3 貯留タンク
4 ロール
10 グリーンシート
20 固体電解質用シート
30 多孔質燃料極層
40 付着防止シート
50 積層体
60 多孔質燃料極
70 固体電解質(層)
80 多孔質空気極
100 アノード支持形SOFC(固体酸化物形燃料電池)

Claims (9)

  1. 少なくとも、付着防止シートと固体電解質層用シートとの間に多孔質燃料極用層を備える多層構造を有する、固体酸化物形燃料電池形成用のグリーンシートの製造方法であって、
    固体電解質用シートを用意すること、
    少なくとも導電性粉末と第1の天然有機粉体とを含む原料粉末を混合した混合材料を用意すること、
    澱粉成分を含まないか、もしくは、含む場合における該澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%未満である第2の天然有機粉体を主成分として含む付着防止シートを用意すること、および、
    前記付着防止シートと前記固体電解質用シートとの間に前記混合材料を供給しながらロール成形することにより、前記固体酸化物形燃料電池形成用グリーンシートを形成すること、
    を包含する、製造方法。
  2. 澱粉成分に占めるアミロペクチンの割合が75質量%以上の第1の天然有機粉体を用いて前記混合材料を用意する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第1の天然有機粉体は、平均粒径が2μm以上50μm以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記導電性粉末は、平均粒径が0.1μm以上10μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記混合材料において、
    前記導電性粉末100質量部に対し、前記第1の天然有機粉体を5質量部以上10質量部以下の割合で配合する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記導電性粉末100質量部に対して、3質量部以上10質量部以下の割合のバインダをさらに配合して前記混合材料を用意する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記混合材料は、有機物含有率が10質量%以下となるよう構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記多孔質燃料極用層は、平均厚みが100μm以上1500μm以下に形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記ロール成形は、一対の回転ロールの間に、前記付着防止シート、前記固体電解質層用シートおよびこれらのシート間に前記混合材料を供給して圧縮成型する方法であって、以下の条件;
    (1)前記一対のロールの温度が、30℃以上60℃以下となるよう調整すること、
    (2)線圧を0.1kN/cm以上30kN/cm以下に設定すること、および、
    (3)成形速度を0.1m/min以上20m/min以下に設定すること、
    を具備する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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