JP6212003B2 - 円筒型sofcハーフセルグリーン体およびその焼成物である円筒型sofc - Google Patents

円筒型sofcハーフセルグリーン体およびその焼成物である円筒型sofc Download PDF

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Description

本発明は、円筒型固体酸化物形燃料電池とハーフセルグリーン体およびその製造方法に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell,以下、単に「SOFC」という場合がある。)は、種々のタイプの燃料電池の中でも、発電効率が高い、環境への負荷が低い、そして、多様な燃料の使用が可能であるなどの利点を有している。SOFCの単セルは、本質的な構成として、酸素イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質を基本とし、この固体電解質の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成されている。ここで、空気極が形成された側の固体電解質の表面には、空気等に代表されるO(酸素)含有ガスが供給され、燃料極が形成された側の固体電解質の表面には、H(水素)に代表される可燃性燃料ガスが供給される。そして一般的な動作においては、空気中のOガスがカソードで還元されてO2−アニオンとなり、固体電解質を通過し、アノードにおいてHガス燃料を酸化することに伴い、電気エネルギーを発生させている。
このようなSOFCは、固体電解質が薄くなるほど抵抗が小さくなり発電性能が向上する。そのため、厚みのあるアノードで上記セルの構成を支持するようにしたアノード支持型のSOFCが広く採用されている。また、SOFCのセル形状は、平板型と円筒型とに大別される。平板型SOFCはコンパクトに集積しやすいという利点がある一方で、円筒型SOFCはシール性が良好である、インターコネクタ部材が少なくてすむ等の利点がある。
このようなSOFCのうち、円筒型のアノード支持型SOFCは、典型的には、以下の手順で作製されている。すなわち、まず、導電性粉末等のアノード形成材料を含む坏土を押出成形法により円筒形状に成形することで円筒型アノード成形体を用意する。次いで、この円筒型アノード成形体の外周面に、固体電解質材料をディップコーティング法またはスプレーコーティング法等により層状に形成してハーフセルグリーン体とし、これを焼成することで、固体電解質層を円筒型アノードで支持したハーフセルを得る。そして、固体電解質層の形成と同様に、ハーフセルの外周面にカソード材料をディップコーティング法またはスプレーコーティング法等を利用して層状に形成した後、共焼成することで、円筒型SOFCを作製することができる。あるいは、押出成形した円筒型アノード成形体の外周面に、シート状の電解質材料成形体およびカソード材料成形体を順次巻きつけて、都度焼成することでも、円筒型SOFCを作製することができる。また、その他の円筒型SOFCの製造に関する従来技術として、特許文献1〜3等が挙げられる。
特開2004−127804号公報 特開平07−263002号公報 特開平09−283161号公報
しかしながら、上記の従来の円筒型SOFCの製造方法においては、平板型SOFCの製造と比較して、未焼成のアノード成形体の強度を十分に高くできず、また、その形状から固体電解質層の形成に利用できる手法(製膜法)が限定されてしまっていた。そのため、形成される固体電解質層の厚みにムラが生じたり、ピンホールやクラックが発生しやすい等といった問題があった。固体電解質層の厚みのムラは、円筒型SOFCの発電性能のムラに繋がり、セルの局所的な劣化を引き起こす要因となり得る。また、固体電解質層に生じたピンホールやクラックは、被毒物質のアタックおよび拡散の起点となって、SOFCまたはSOFCスタック全体の耐久性を短縮させる要因となり得る。
そして何よりも、従来の円筒型SOFCの製造方法では、アノード支持体、電解質層、カソードが異なるステップで形成されるため、製造工程が煩雑にならざるを得なかった。
本発明は、上記のような課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、簡便に製造することができ、発電性能が改良されたSOFCを提供することである。関連する他の目的は、かかるSOFCを形成するのに好適に用いることができるSOFCハーフセルグリーン体と、その製造方法を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明により、円筒型アノードの外周面上に電解質層が備えられたSOFCハーフセルと、該SOFCハーフセルの外周面上に備えられるカソードと、を含む円筒型SOFCが提供される。ここで、上記SOFCハーフセルは、下記の工程a)〜c)により作製されていることにより特徴づけられる。
a)焼成によりSOFCのアノード材料となるアノード前駆体を含むアノード形成用組成物と、焼成によりSOFCの電解質材料となる電解質前駆体を含む電解質層形成用組成物と、を用意すること。
b)上記アノード形成用組成物を円筒形状に押出成形して円筒型アノード成形体を形成するとともに、上記円筒型アノード成形体の外周面上に上記電解質層形成用組成物を層状に一体押出成形して電解質層成形体を形成し、ハーフセルグリーン体を得ること。
c)上記ハーフセルグリーン体を焼成してSOFCハーフセルを形成すること。
かかる構成によると、電解質層を一定の厚みで、緻密に、かつ、円筒型アノードの外周面に密着性良く形成することができる。これにより、得られるSOFCハーフセルの抵抗をムラなく低減することができ、発電性能が向上される。
なお、本明細書においてSOFCの形態を表す「円筒型」とは、中心部にガスを流入し得る空間を有する筒状の形態を広く一般に包含し得る。また、かかる円筒型の物体の断面形状を表す「円環」とは、中心部の空を囲むように連なる形状を広く一般に包含し得る。すなわち、本明細書における「円」との表現は、必ずしも幾何学的な円(真円)のみに限定されず、丸、楕円、不定形円等の形状をも包含する。
そして、本明細書において「グリーン体」とは、後に本焼成が施されるものの、未だかかる本焼成が施されていない段階(状態)の成形体を意味している。例えば、完全な未焼成の成形体や、例えば100℃以下の温度で養生および/または乾燥された成形体、例えば300℃以上500℃以下の温度で脱バインダ処理された成形体、仮焼成(目的や使用材料によって異なり得るが、典型的には1000℃以下、例えば800℃以下の温度での加熱処理)された成形体(仮焼成体)等も、本発明におけるグリーン体に包含される。
また、本明細書において、「ハーフセルグリーン体」とは、少なくとも円筒型アノード成形体と電解質層成形体とを含み、焼成後にカソードとなる部材(すなわちカソード形成体ともいえる。)を含まないグリーン体をいう。
ここに開示される円筒型SOFCの好ましい一態様では、上記工程a)において、さらに、焼成によりSOFCの反応防止層となる反応防止層前駆体を含む反応防止層形成用組成物を用意し、上記工程b)において、前記電解質層成形体の外周面上に、さらに、前記反応防止層形成用組成物を層状に一体押出成形して反応防止層成形体を形成することにより、上記SOFCハーフセルは、上記電解質層の外周面上にさらに上記反応防止層が備えられていることを特徴としている。かかる構成によると、電解質層とカソードとの間の反応を防止する反応防止層を備えた円筒型SOFCが提供される。
ここに開示される円筒型SOFCの好ましい一態様では、上記円筒型アノード成形体の、円筒軸に直交する横断面における厚みが0.5mm以上1mm以下であって、上記電解質層成形体の前記横断面における厚みが5mm以上30mm以下であることを特徴としている。これにより、円筒型でかつ寸法の小さな円筒型アノード成形体であっても、一体押出成形によるとその強度の低さの影響を抑えつつ、ハーフセルグリーン体およびSOFCを好適に形成することができる。
他の側面において、ここに開示される発明は、円筒型SOFCハーフセルグリーン体を提供する。かかる円筒型SOFCハーフセルグリーン体は、焼成によりSOFCのアノード材料となるアノード前駆体を含むアノード形成用組成物が円筒形状に押出成形されてなる円筒型アノード成形体と、焼成によりSOFCの電解質材料となる電解質前駆体を含む電解質層形成用組成物からなり、前記円筒型アノード成形体の外周面上に層状に一体押出成形されている電解質層成形体と、を含むことを特徴としている。かかる構成によると、円筒形状に一体押出成形された円筒型アノード成形体は、その外周面が一体押出成形された電解質層成形体により被覆されて一体化されている。一体押出成形により、塗布法等と比較して厚みの均一な電解質層成形体を備える円筒型SOFCハーフセルグリーン体が提供される。
ここに開示される円筒型SOFCハーフセルグリーン体の好ましい一態様においては、焼成によりSOFCの反応防止層となる反応防止層前駆体を含む反応防止層形成用組成物からなり、上記電解質層成形体の外周面上に、さらに層状に一体押出成形されている反応防止層成形体を含むことを特徴としている。かかる構成によると、電解質層とカソードとの間の反応を防止する反応防止層を備える円筒型SOFCを製造することができるハーフセルグリーン体が提供される。
ここに開示される円筒型SOFCハーフセルグリーン体の好ましい一態様においては、上記円筒型アノード成形体の、円筒軸に直交する横断面における厚みが0.5mm以上1mm以下であって、上記電解質層成形体の上記横断面における厚みが5mm以上30mm以下であることを特徴としている。かかるハーフセルグリーン体は、一体押出成形によって形成されているため、円筒型でかつ寸法の小さな円筒型アノード成形体であっても、その強度の低さの影響を抑えつつ、作製することができる。
さらに他の側面において、ここに開示される発明は、円筒型SOFCハーフセルグリーン体の製造方法を提供する。かかる製造方法は、焼成によりSOFCのアノード材料となるアノード前駆体を含むアノード形成用組成物を用意すること;焼成によりSOFCの電解質材料となる電解質前駆体を含む電解質層形成用組成物を用意すること;芯棒を中心として押出断面形状が円環となるよう形成された第一成形口と、押出断面形状が前記円環の同心外周円環となるよう形成された第二成形口と、を有する押出成形用金型を用意すること;前記アノード形成用組成物を前記金型の前記第一成形口を通して円筒形状に押出成形して円筒型アノード成形体を形成するとともに、前記電解質層形成用組成物を前記金型の前記第二成形口を通して前記円筒型アノード成形体の外周面上に層状に電解質層成形体を一体押出成形すること;を包含することを特徴としている。
かかる製造方法によると、円筒型アノード成形体と電解質層成形体とを一度の押出成形により同時に一体的に形成することができる。すなわち、円筒型アノード成形体が金型の第一成形口から押し出されるのと同時(または略同時)に電解質層成形体を一体化させるため、円筒型アノード成形体自身の強度の低さの影響を抑えることができる。また、電解質層成形体は金型の第二成形口を通じて所定の形状に変換されるため、一定の厚みに形成され得る。これにより、例えば、耐久性等に優れるSOFCを実現し得るハーフセルグリーン体を簡便に製造することが可能となる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記押出成形用金型は、上記第一成形口および上記第二成形口よりも下流側に、上記芯棒を中心とし、上記第一成形口と上記第二成形口とから連続される、押出断面形状が円環状の安定路を有している。また、この安定路の少なくとも一部は、下流側に向けて押出断面積が減少されている。そして上記一体押出成形された円筒型SOFCハーフセルグリーン体は上記安定路を通過することにより、その円筒形状の厚みを減少させるとともに、上記円筒型アノード成形体および上記電解質層成形体の界面を一体化させることを特徴としている。
かかる構成によると、円筒型SOFCハーフセルグリーン体は、安定路にて、押出方向のみならず、円筒を構成する筒壁の厚み方向で圧縮応力を受ける。これにより、円筒型アノード成形体と電解質層成形体とのより強固で安定した接合一体化が実現される。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記押出成形用金型は、上記安定路に連通し、押出断面形状が上記同心外周円環のさらに同心外周円環となるよう形成された第三成形口を有している。そして、かかる製造方法は、さらに、焼成によりSOFCの反応防止層となる反応防止層前駆体を含む反応防止層形成用組成物を用意すること;上記反応防止層形成用組成物を上記金型の上記第三成形口を通して上記電解質層成形体の外周面上に層状に反応防止層成形体を一体押出成形すること;を包含することを特徴としている。かかる構成によると、SOFCの運転に際し、固体電解質層とカソードとの反応を防止する反応防止層(反応抑制層などともいう。)を構成する反応防止層成形体を備えた円筒型SOFCハーフセルグリーン体を、一体押出成形により製造することができる。
またさらに他の側面において、ここに開示される発明は、アノード形成用組成物を提供する。かかる組成物は、導電性粉末と、バインダと、ワックスと、溶媒と、を含み、せん断応力1000MPaにおける複素粘度(複素せん断粘度ともいう。)が10Pa・s以上10Pa・s以下であることを特徴としている。かかる構成によると、円筒型アノード成形体の外周面に電解質層成形体が一体化された円筒型SOFCハーフセルを一体押出成形法により作製するのに好適なアノード形成用組成物が提供される。
なお、本明細書における「複素粘度(η*)」とは、JIS K7244−10:2005(平行平板振動レオメータによる複素せん断粘度)に準拠して測定される複素せん断粘度である。
ここに開示されるアノード形成用組成物の好ましい一態様について、さらに、天然有機粉体を含むことを特徴としている。かかる構成によると、上記の一体押出成形において、円筒型アノード成形体と電解質層成形体とをより密着性良く一体化させることが可能とされる。
ここに開示されるアノード形成用組成物の好ましい一態様について、さらに、樹脂ビーズを含むことを特徴としている。かかる構成によると、押し出し成形性が良好で、かつ所望の多孔質構造のアノードを形成することができるアノード形成用組成物が提供される。
ここに開示されるアノード形成用組成物の好ましい一態様について、さらに、カップリング剤を含むことを特徴としている。かかるカップリング剤は、アノード形成用組成物の流動性を向上させることができる。特に、かかるカップリング剤により上記の天然有機粉体や炭素粉末等の表面を処理することで、アノード形成用組成物における各構成材料の分散性や押出成形性をより一層向上させることができる。
ここに開示されるアノード形成用組成物の好ましい一態様について、さらに、炭素粉末を含むことを特徴としている。かかる構成によると、アノード形成用組成物における各構成材料の分散性を向上させることができ、円筒型アノード成形体と電解質層成形体との付着性を改善することができる。
さらに、ここに開示される発明は、電解質層形成用組成物を提供する。かかる組成物は、酸素イオン導電性を示す酸化物粉末と、バインダと、ワックスと、溶媒と、を含み、せん断応力1000MPaにおける複素粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であることを特徴としている。かかる構成によると、円筒型アノード成形体の外周面に電解質層成形体が一体化された円筒型SOFCハーフセルを一体押出成形法により作製するのに好適な電解質層形成用組成物が提供される。
さらに、ここに開示される発明は、反応防止層形成用組成物を提供する。かかる組成物は、セリウム含有酸化物粉末と、バインダと、ワックスと、溶媒と、を含み、せん断応力1000MPaにおける複素粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であることを特徴としている。かかる構成によると、円筒型アノード成形体の外周面に、電解質層成形体および反応防止層成形体が備えられた円筒型SOFCハーフセルを、一体押出成形法により作製するのに好適な反応防止層形成用組成物が提供される。
さらに、ここに開示される発明は、円筒型SOFCハーフセルを押出成形するために用いる押出成形用金型を提供する。かかる押出成形用金型は、芯棒を中心として押出断面形状が円環となるよう形成された第一成形口と、押出断面形状が上記円環の同心外周円環となるよう形成された第二成形口と、を有することを特徴としている。かかる構成によると、円筒型アノード成形体の外周面に電解質層成形体が一体化された円筒型SOFCハーフセルを、簡便かつ好適に作製することができる。
ここに開示される押出成形用金型の好ましい一態様では、上記第一成形口および上記第二成形口よりも下流側に、上記芯棒を中心とし、上記第一成形口と上記第二成形口とから連続される、押出断面形状が円環状の安定路を有することを特徴としている。かかる構成によると、円筒型アノード成形体と電解質層成形体とをより強固に一体化させることができる押出成形用金型が提供される。
ここに開示される押出成形用金型の好ましい一態様では、さらに、上記安定路に連通し、押出断面形状が上記同心外周円環のさらに同心外周円環となるよう形成された第三成形口を有することを特徴としている。かかる構成によると、固体電解質のさらに外周側に、例えば反応防止層等の追加の層を備える円筒型SOFCハーフセルを好適に作製することができる。
一実施形態に係る円筒型SOFCハーフセルグリーン体の構造を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る円筒型SOFCを押出成形するための押出成形用金型の縦断面図である。 図2のIII−III線を含む位置での押出成形用金型の横断面図である。 円筒型SOFCハーフセルの構造を模式的に示す断面図である。 円筒型SOFCの構造を模式的に示す断面図である。
以下、本発明が提供する円筒型SOFC、円筒型SOFCハーフセルグリーン体およびその製造方法、並びにこれに用いる各種組成物(被押出成形材料)について、適宜図面を参照しつつ、下記の好適な実施形態を基に併せて説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、円筒型SOFCの本質的な構成および構成材料や運転方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、図面における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
先ず、ここで開示される円筒型SOFCハーフセルグリーン体の製造方法は、以下の工程を包含している。
(1)焼成によりSOFCのアノード材料となるアノード前駆体を含むアノード形成用組成物を用意する。
(2)焼成によりSOFCの電解質材料となる電解質前駆体を含む電解質層形成用組成物を用意する。
(3)芯棒を中心として押出断面形状が円環となるよう形成された第一成形口と、押出断面形状が円環の同心外周円環となるよう形成された第二成形口と、を有する押出成形用金型を用意する。
(4)アノード形成用組成物を金型の第一成形口を通して円筒形状に押出成形して円筒型アノード成形体を形成するとともに、電解質層形成用組成物を金型の第二成形口を通して円筒型アノード成形体の外周面上に層状に電解質層成形体を一体押出成形する。
[1.アノード形成用組成物の用意]
押出成形用材料として、アノード前駆体を含むアノード形成用組成物を用意する。かかるアノード前駆体とは、焼成によりSOFCのアノード材料となる物質であれば、特に制限なく用いることができる。好適な一例として、ここに開示されるアノード形成用組成物は、導電性粉末と、バインダと、ワックスと、溶媒とを含んでいる。かかる導電性粉末がアノード前駆体に相当する。そして、このアノード形成用組成物は、複素粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下となるよう調整されている。
(導電性粉末)
導電性粉末としては、従来からSOFCのアノード(燃料極)の構成材料として用いられる各種の材料の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、各種の金属やその酸化物等を考慮することができる。かかる金属としては特に制限されないが、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)その他の白金族元素、コバルト(Co)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)等の金属および/または金属酸化物であって触媒として機能し得るものが挙げられる。なかでもNiは、他の金属に比べて安価であり、水素等の燃料ガスとの反応性が十分に大きいことから特に好適な金属種である。あるいは、上記のような金属若しくは金属酸化物と、後述する固体電解質形成材料との複合材料を用いることもできる。好適例として、ニッケル系材料(例えばNiO)と後述する安定化ジルコニアとのサーメットが挙げられる。上記アノード形成材料と後述する固体電解質形成材料との混合比(導電性粉末:固体電解質形成材料)は、質量比で、例えば、90:10〜40:60(好ましくは80:20〜45:55)程度とすることができる。かかる導電性粉末の平均粒径は特に制限されないが、0.1μm以上10μm以下程度の粉末であることが好ましく、例えば0.5μm以上5μm以下程度の粉末であるのがより好ましい。
(バインダ)
バインダとしては、上記組成物に含まれる固形分(典型的には導電性粉末)同士を結着する作用を有し、脱バインダ処理(典型的には、約300℃以上で加熱焼成すること)によって蒸発除去し得るものであれば特に限定なく用いることができる。このようなバインダとしては、例えば、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系ポリマー;メタクリル酸エステル等のエステル系ポリマー;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリアミドイミド、ポリイミド等のイミド系ポリマー;ポリエチレンオキサイド等のエチレン系ポリマー;ポリアクリロニトリル、ポリメタリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンポリフッ化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系重合体;スチレンブタジエンゴム等のゴム類;等を用いることができる。なかでも、セルロース系ポリマー(例えばエチルセルロース)やポリビニルブチラールを好適に用いることができる。これらはいずれか1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。かかるバインダの割合は特に限定されないが、例えば、固形分(上記導電性粉末および後述の粉末状の副材料の合計)100質量部に対して、例えば3質量部以上20質量部以下、より好ましくは5質量部以上10質量部以下とすることができる。
(ワックス)
ワックスは、一般に、常温(25℃)で軟らかく滑らかな固体状の物質であって、水の沸点(100℃)よりも低い融点を持ち、脱バインダ処理(典型的には、約300℃以上で加熱焼成すること)によってよく燃焼する物質である。その原料(由来)によって、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス等に大別される。かかるワックスは、押出成形用材料(アノード形成用組成物)において上記の導電性粉末等の粒子間滑りを良好にする効果を奏するものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、品質の安定性、価格、供給安定性等の面から、石油系ワックスを用いるのが好ましい。なお、本明細書における「石油系ワックス」とは、JIS K 2235(1991)にて規定される各種のワックスを包含する。
より具体的には、石油系ワックスは、原油中に存在し常温において固体または半固体の炭化水素であり、典型的には、高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステルを指す融点の高い油脂状の物質(いわゆる、ワックス・エステル)およびこれと類似する性状を示す中性脂肪や高級脂肪酸、炭化水素等であり得る。石油系ワックスとしては、具体的には、減圧蒸留留出油から分離精製したパラフィンワックスと、減圧蒸留の残査油または重質留出油から分離精製したマイクロワックス(マイクロクリスタリンワックス)と、減圧蒸留残査より分離・精製した常温において半固形のペトロラタムであってよい。パラフィンワックスおよびマイクロワックスのいずれかであることが好適な例として挙げられる。かかるワックスの割合は特に限定されないが、例えば、固形分(上記導電性粉末および後述の粉末状の副材料の合計)100質量部に対して、例えば20質量部以下(0質量部以上20質量部以下、典型的には、およそ1質量部以上10質量部以下)とすることができる。
(溶媒)
溶媒としては、上記組成物における固形分、とりわけ導電性粉末を良好に分散させ得るものであれば、従来のこの種の組成物に用いられているものを特に制限なく使用することができる。かかる溶媒としては、水系溶媒と非水系溶媒(典型的には有機溶媒)を考慮することができる。水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒が挙げられる。この混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均質に混合し得る有機溶媒(例えば、炭素数が6以下の低級アルコール、低級ケトン等)の1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。この水系溶媒は、例えば、80質量%以上(より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が水であることが好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒(例えば水)が挙げられる。非水系溶媒としては、例えば、具体的には、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体(グリコールエーテル系溶剤)、トルエン、キシレン、ブチルカルビトール(BC)、ターピネオール等の高沸点有機溶剤の1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の割合は、アノード形成用組成物が、多層押出成形に好適な粘弾性状態となるように調整することができる。かかる粘度は、典型的には、下記の条件で測定される、せん断応力1000Paにおける複素粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下(好ましくは10Pa・s以上10Pa・s以下、例えば10Pa・s以上10Pa・s以下)となるような状態であり得る。ここで、本明細書における複素粘度は、より具体的には、回転型レオメータを用いて測定される値とすることができる。例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のHAAKE MARSIIIを用い、センサー間のギャップ2mm、振動モードの条件にて測定した値を採用することができる。
なお、アノード形成用組成物の粘度は、アノード形成用組成物を構成する各材料の性質や配合等にもよる。したがって、かかる溶媒の割合は厳密には制限されないものの、典型的には、溶媒の割合は、アノード形成用組成物の固形分濃度(NV)が60質量%〜95質量%程度、例えば75質量%〜85質量%程度となるように調整することができる。換言すれば、アノード形成用組成物全体に占める溶媒の割合は、おおよそ40質量%以下を目安とすることができる。かかる構成とすることで、例えば、押出成形により円筒型アノード成形体を好適に形成できるとともに、同時に成形される電解質層成形体との接合を良好なものとすることができる。
[アノード副材料]
ここに開示されるアノード形成用組成物は、必須ではないものの、導電性粉末やバインダ,ワックスの他に、任意の副材料を含むことができる。かかる副材料としては、造孔材,カップリング剤,滑剤,可塑剤等が代表的なものとして挙げられる。かかる副材料は、上記の本発明の特徴を損ねない範囲において、例えば、アノード形成用組成物全体の20質量%以下の割合で含むことができる。
(造孔材)
造孔材は、アノードを多孔質構造に形成するためにアノード形成用組成物に配合される材料であって、円筒型SOFCハーフセルグリーン体の焼成時(典型的には、800℃〜1500℃の高温での焼成時)にそのほぼ全てが燃え抜ける各種の材料を用いることができる。かかる造孔材としては、天然有機粉体、粒状の合成樹脂材料、炭素粉末等が好ましい例として挙げられる。
(天然有機粉体)
天然有機粉体としては、天然に存在する各種の有機物の粉末を用いることができる。かかる天然有機粉体は、グリーン体の焼成時(典型的には、800℃〜1500℃の高温での焼成時)にそのほぼ全てが燃え抜けるため、多孔質なアノードを形成する際の造孔材として好適に機能する。なお、本発明においてかかる天然有機粉体は、澱粉成分を含む植物の粉末を含むことがより好ましい。澱粉は、上記の通り焼成温度(例えば、800℃〜1500℃、好ましくは1000℃〜1500℃、より好ましくは1200℃〜1400℃)において焼失して造孔材としても機能することに加え、上記の導電性粉末に対して強い接着作用(粘着力)を示すことから、かかる発明では、造孔材とバインダとの機能を兼ね備えるものとして使用することができる。さらには、一体押出形成に適した上記粘度調整にも寄与し得るため、円筒型アノード成形体の成形性や電解質層成形体との密着性等を向上させる役割をも果たす。
以上の天然有機粉体としては、例えば、澱粉を含む各種の植物のうち、澱粉を多く含む部分(一部)を粉末状に加工したものを好ましく用いることができる。例えば、胚乳、塊根等の、澱粉を高含有率で含む植物中の特定の部位を粉末にしたものであってよい。このような澱粉を含む植物の粉末は、代表的には、各種の穀物(イネ科およびマメ科の種子)および地下茎類(イモ類など)等から好適に得ることができる。より具体的には、例えば、米、大麦、小麦、オート(燕麦)、とうもろこし、えんどう豆、じゃがいも、さつまいも、タピオカ、葛、サゴ、アマランス、バナナ、アロールート、カンナ等を例示することができる。かかる天然有機粉体は、日本国内での入手の容易さ、および、造孔材としての機能およびバインダとしての機能を両立させる観点等から、粉末状の米(いわゆる米粉)であることが好適である。かかる米は、糯種であっても良いし、粳種であってもよい。
(粒状樹脂材料)
粒状樹脂材料としては、グリーン体の焼成時(典型的には、800℃〜1500℃の高温での焼成時)に消失することができる各種の合成樹脂からなる粒子状の材料を用いることができる。典型的には、いわゆる樹脂ビーズを好ましく用いることができる。かかる粒状樹脂材料は、粒子の粒径が揃ったものを容易に入手することができ、また表面形態も滑らかであるため、アノード形成用組成物を調製したときの流動性を良好に保ち得るために好ましい。また、所望の多孔質構造(例えば、細孔径分布がシャープな多孔質構造等)のアノードを形成し得る点においても好ましい。かかる粒状樹脂材料を構成する樹脂の種類は特に制限されず、例えば、代表的には、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン,スチレン・アクリロニトリル共重合体,アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマー等のポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂およびこれらの複合体等が例示される。
(炭素粉末)
造孔材としては、各種の炭素粉末を用いることもできる。かかる炭素粉末は700℃〜900℃でほぼ焼失するため、グリーン体の焼成時(典型的には、800℃〜1500℃)にほぼ全てが燃え抜けるために好適である。炭素粉末としては、その結晶構造や製造方法等は特に制限されず、黒鉛(天然黒鉛およびその改質体、人造黒鉛)等に代表される各種の炭素材料を用いることができる。
上記の造孔材として使用される、天然有機粉体、粒状樹脂材料および炭素粉末の形状については特に制限されない。製造容易性等の観点から、通常は、略球形の粉末を好ましく使用し得る。また、かかる粉末のサイズ(平均粒子径)は、例えば、アノードにおいて所望の多孔質構造が実現され得るよう適宜決定することができる。例えば、上記の導電性粉末の平均粒径と同程度か、それよりも大きくすることが好ましい。具体的には、例えば、平均粒径がおよそ0.5μm以上であるのが好ましく、より好ましくはおよそ1μm以上であり、特に好ましくは2μm以上である。造孔材の平均粒径が小さすぎると、焼成後に得られるアノードの細孔の細孔径が小さくなりすぎるので、ガス透過性が悪化することがあり得る。一方、造孔材の平均粒径が大きすぎると、焼成後に得られるアノード中の細孔径が大きくなりすぎて機械的強度及び耐久性が低下するおそれがある。したがって、通常は、平均粒径がおよそ50μm以下(好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下)のものを用いることが好ましい。典型的には、例えば、5μm±1〜2μm程度を目安とすることができる。
上記造孔材の含有量は、導電性粉末100質量部に対して1質量部以上15質量部以下の割合とするのが好ましい。造孔材の含有量が多すぎると、焼成後に得られるアノードの気孔率が増大しすぎるため、機械的強度及び耐久性が低下することがあるため好ましくない。一方、造孔材の含有量が少なすぎると、焼成後に得られる電極の気孔率が低下してアノードのガス透過性を確保できない場合があるため好ましくない。かかる観点から造孔材の含有量は、概ね2質量部以上12質量部以下が適当であり、より好ましくは5質量部以上10質量部以下である。このような天然有機粉体の含有量の範囲内であると、得られる円筒型SOFCハーフセルグリーン体を焼成した際に、十分な強度を確保しつつ、多孔質支持体として好適な気孔率を有する円筒型アノード支持体を得ることができる。
[カップリング剤]
カップリング剤は、アノード形成用組成物の流動性を向上させるために添加される。かかるカップリング剤としては、バインダとの接合性が良好な高分子化合物を好ましく用いることができる。このような高分子化合物は、バインダ成分と結合することにより、導電性粉末や造孔材等の固形分粒子とバインダ成分との乖離性を強くするため、アノード形成用組成物の流動性を向上させることができる。かかるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等を用いることができる。また、かかるカップリング剤で上記の固形分粒子等の表面を処理しておくことで、アノード形成用組成物における固形分粒子の分散性を高め得る点でも好ましい。アノード形成用組成物全体に対するカップリング剤の割合は、例えば、0質量%(無添加)以上10質量%以下、好ましくは1質量%以上5質量%以下であるとよい。また、カップリング剤は、さらにアノード形成用組成物に含まれる固形分の種類に応じて好適なものを適宜選択するとよい。具体的には、導電性粉末と共通の構成金属元素を含む高分子化合物をカップリング剤として使用すると、アノードに含まれる不純物としてカップリング剤由来の金属成分の含有を排除できるために好ましい。また、例えば、上記造孔材として粒状樹脂材料を用いる場合、粒状樹脂材料の表面をかかるカップリング剤で処理することで、アノード形成用組成物中での粒状樹脂材料の分散性が向上されるために好ましい。カップリング剤による表面処理は、常法に従って実施することができ、例えば、乾式法または湿式法等を採用することができる。
[その他の添加剤]
滑剤は、必須の成分ではないが、上記のワックス同様、固形分の粒子間すべりを向上させるために添加することができる。例えば、滑剤としては、ステアリン,シリコーンオイルなどを用いることができる。このような滑剤のアノード形成用組成物全体に対する割合は、0質量%(無添加)以上10質量%以下、例えば1質量%以上5質量%以下とすることができる。
以上の構成材料を混合および混練することで、アノード形成用組成物を用意することができる。かかる混合の手段としては、三本ロールミル、ボールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の種々の撹拌・混合装置を適宜用いることができる。例えば、具体的には、導電性粉末、バインダおよびワックスと必要に応じて用いられる他の成分(典型的には造孔材)とを溶媒と共に任意の撹拌・混合装置に投入し、50rpm〜300rpmの攪拌速度で0.5時間〜1時間程度、撹拌混合することによって、アノード形成用組成物を調製し得る。なお、上記構成材料を装置に投入する順序は特に限定されず、例えば一度に全ての材料を投入してもよく、何度かに分けて投入してもよい。
[2.電解質層形成用組成物の用意]
また、電解質前駆体を含む電解質層形成用組成物を用意する。かかる電解質前駆体とは、焼成によりSOFCの固体電解質材料となる物質であれば、特に制限なく用いることができる。好適な一例として、ここに開示される電解質層形成用組成物は、焼成後の段階において酸素イオン導電性を示す酸化物粉末と、バインダと、ワックスと、溶媒とを含むことができる。すなわち、酸素イオン導電性酸化物そのものや、焼成により当該酸素イオン導電性酸化物を形成し得る材料が固体電解質前駆体に相当する。そして、この電解質層形成用組成物は、複素粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下(好ましくは10Pa・s以上10Pa・s以下、例えば10Pa・s以上10Pa・s以下)となるよう調整されている。かかる電解質層形成用組成物は、上述のアノード形成用組成物における導電性粉末を下記の酸素イオン導電性酸化物粉末に置き換え、粘度が上記範囲となるように溶媒量等を調整することで用意することができる。
(酸素イオン導電性酸化物粉末)
酸素イオン導電性を示す酸化物粉末としては、従来からSOFCの固体電解質の構成材料として用いられる各種の材料の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、カルシウム(Ca)、ガドリニウム(Gd)、サマリウム(Sm)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、ガリウム(Ga)、ビスマス(Bi)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)のうちから選択される2種類以上の元素を含む酸化物であることが好ましい。好適例として、イットリア(Y)等の物質(安定化剤)で安定化されたジルコニア(ZrO)、あるいはガドリニウム(Gd)またはランタン(La)等をドープしたセリア(CeO)が挙げられる。なかでも、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やガドリニウムドープセリア(GDC)を好ましく用いることができる。これらはいずれか1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
安定化剤やドープ剤の含有割合は特に限定されないが、全体を100mol%としたときに、およそ5mol%〜10mol%とすることが好ましい。
固体電解質層は、緻密な酸化物イオン伝導体により形成される。そのため、かかる酸素イオン導電性酸化物粉末の平均粒径は特に制限されるものではないが、0.1μm以上10μm以下程度の粉末であることが好ましく、例えば0.2μm以上5μm以下程度の粉末であるのがより好ましい。
[2’.反応防止層形成用組成物の用意]
なお、例えば、上記の固体電解質材料として酸化ジルコニウム系の材料を用い、且つ、後述するカソード(空気極)にペロブスカイト構造の酸化物材料を用いる場合には、SOFCの運転において両者の反応を防止するために、固体電解質層の表面に反応防止層を備えることが好ましい。これにより固体電解質層とカソードとの界面を安定化することができる。そして、円筒型SOFCハーフセルグリーン体に固体電解質層形成体を設ける場合には、反応防止層前駆体を含む反応防止層形成用組成物を用意する。かかる反応防止層前駆体とは、焼成によりSOFCの反応防止層材料となる物質であれば、特に制限なく用いることができる。すなわち、反応防止層材料そのものや、焼成により当該反応防止層材料を形成し得る材料が反応防止層前駆体に相当する。好適な一例として、ここに開示される反応防止層形成用組成物は、セリウム含有酸化物粉末と、バインダと、ワックスと、溶媒とを含んでいる。かかるセリウム含有酸化物粉末が反応防止層前駆体に相当する。そして、この反応防止層形成用組成物は、複素粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下(好ましくは10Pa・s以上10Pa・s以下、例えば10Pa・s以上10Pa・s以下)となるよう調整されている。かかる反応防止層形成用組成物は、上述のアノード形成用組成物における導電性粉末をセリウム含有酸化物粉末に置き換え、粘度が上記範囲となるように溶媒量等を調整することで用意することができる。
セリウム含有酸化物としては、Ceや、これに各種の元素をドープしたものを考慮することができる。かかるセリウム含有酸化物粉末の平均粒径は特に制限されるものではないが、0.1μm以上10μm以下程度の粉末であることが好ましく、例えば0.2μm以上5μm以下程度の粉末であるのがより好ましい。
[3.押出成形用金型の用意]
円筒型SOFCハーフセルグリーン体を一体押出成形するための押出成形用金型を用意する。図2は、ここに開示される技術で好適に用いることのできる押出成形用金型100の縦断面図を示し、図3は図2のIII−III線を含む位置での押出成形用金型の横断面図である。かかる金型100は、例えば、成形体の中空部分を構成する芯棒(マンドレル)110を中心に備えている。そしてかかる芯棒110の周囲に、押出断面形状が円環となるよう形成された第一成形口120と、押出断面形状が第一成形口120と同心外周円環となるよう形成された第二成形口130とを有している。押出成形用金型100は、典型的には、芯棒110の周囲に形成された、アノード形成用組成物を輸送するための内層材輸送路122を備えており、かかる内層材輸送路122の下流端部に第一成形口120が備えられている。また、押出成形用金型100は、典型的には、内層材輸送路122の外周側に、電解質層形成用組成物を輸送するための第一外層材輸送路132を備えており、かかる第一外層材輸送路132の下流端部に第二成形口130が備えられている。なお、押出成形用金型100の内層材輸送路122は、押出成形時には、他部材を介して、押出成形機に備えられるアノード形成用組成物を収容する内層材収容部(図示せず)にまで連通され得る。また、押出成形用金型100の第一外層材輸送路132は、押出成形時には、他部材を介して、押出成形機に備えられる電解質層形成用組成物を収容する第一外層材収容部(図示せず)にまで連通され得る。
また、本実施形態では、押出成形用金型100は、第一成形口120および第二成形口130よりも押出下流側に、芯棒110を中心とし、第一成形口120と第二成形口130とから下流側に連通する安定路150を有することができる。かかる安定路150は、押出断面形状が第一成形口120および第二成形口130等と同心の円環状とすることができる。この安定路150の少なくとも一部は、特に制限されるものではないが、下流側に向けて押出断面積が減少されているのが好ましい形態であり得る。なお、この実施形態では、安定路150の下流端部が、押出成形用金型100の吐出口(オリフィス)160であり得る。
さらに、本実施形態に示される押出成形用金型100は、安定路150に連通する第三成形口140を有することができる。かかる第三成形口140は、押出断面形状が第一成形口120および第二成形口130のさらに同心外周円環となるよう形成されている。また、押出成形用金型100は、典型的には、第一外層材輸送路132の外周側に、反応防止層形成用組成物を輸送するための第二外層材輸送路142を備えており、かかる第二外層材輸送路142の下流端部に第三成形口140が備えられている。押出成形用金型100の第二外層材輸送路142は、押出成形時には、他部材を介して、押出成形機に備えられる反応防止層形成用組成物を収容する第二外層材収容部(図示せず)にまで連通され得る。
かかる構成の押出成形用金型100は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、その材質や構成は特に制限されない。例えば、押出成形用金型100は、単一の構成部材から構成されていても良いし、2以上の構成部材を組み合わせることで構成されていても良い。
また、押出成形用金型100は、安定路150を備えておらず、第一成形口120および第二成形口130が吐出口160そのものとなるよう構成されていても良い。
以上のような押出成形用金型100を用いることで、後述のごとく、円筒型SOFCハーフセルグリーン体を好適に形成することができる。
なお、以上のアノード形成用組成物、電解質層形成用組成物、反応防止層形成用組成物および押出成形用金型の用意に関し、実施の順番は特に制限されない。これらの用意の工程は、次工程の一体押出成形よりも前であれば、各々を任意のタイミングで行うことができる。
[4.一体押出成形]
図1は、ここに開示される円筒型SOFCハーフセルグリーン体1の構成を模式的に示した断面図である。かかる図1は、反応防止層形成体30を備えた円筒型SOFCハーフセルグリーン体1について示しているが、反応防止層形成体30を備えない円筒型SOFCハーフセルグリーン体1についてもほぼ同様の構成であり得る。
ここでは、上記で用意したアノード形成用組成物、電解質層形成用組成物および押出成形用金型を用いて、円筒型SOFCハーフセルグリーン体を一体押出成形する。なお、一体押出成形とは、アノード形成用組成物および電解質層形成用組成物をそれぞれ押出成形すると同時に、それらの成形体を順次重ね合わせて一体化させることを意味する。一体押出成形によると、例えば、アノード形成用組成物と電解質層形成用組成物とが成形と同時に(すなわち乾燥等する前に)一体化されるため、成形体の形状を維持したまま互いの界面の滑らかで密な接合が実現され得る。アノード形成用組成物および電解質層形成用組成物は、図示しない押出成形機に備えられた内層材収容部および第一外層材収容部にそれぞれ収容され得る。また、押出成形用金型100は、図示しない押出成形機の押出成形部に備えられ得る。なお、アノード形成用組成物および電解質層形成用組成物は、押出成形用金型100の内層材輸送路122および第一外層材輸送路132に対し、押出軸方向(すなわち、芯棒110の軸方向)に沿って供給されても良いし、かかる押出軸方向に対して角度を以て供給されても良い。例えば、押出軸方向に対して0°以上120°以下(典型的には、0°以上90°以下)の範囲で供給されても良い。
より具体的には、アノード形成用組成物を金型100の第一成形口120を通して円筒形状に押出成形する。これによりアノード形成用組成物からなる円筒型アノード成形体10が形成される。これと同時に、電解質層形成用組成物を金型100の第二成形口130を通して断面が円環状の電解質層成形体20に成形する。かかる電解質層成形20は、円筒型アノード成形体10の外周面上に層状に押出成形されるため、円筒型アノード成形体10と一体化される。電解質層成形体20を外周面に備えた円筒型アノード成形体10は、更に押し出されることにより安定路150を通過する。安定路150の押出断面積は一部で減少されているため、電解質層成形体20と円筒型アノード成形体10との界面には、かかる界面に直交する方向の圧縮応力が作用する。これにより、電解質層成形体20と円筒型アノード成形体10とを、所望の形状を維持したままより強固に接合することができる。また、電解質層成形体20と円筒型アノード成形体10との界面は、安定路150を通過する間に互いがより良く馴染む。これにより、円筒形状に押出成形された円筒型アノード成形体10の外周面が、押出成形された電解質層成形体20により被覆されて一体化されている、円筒型SOFCハーフセルグリーン体1を作製することができる。
なお、上記の金型100を用いることで、さらに反応防止層形成体30を備えた円筒型SOFCハーフセルグリーン体1を、一体押出成形により作製することもできる。すなわち、電解質層成形体20と円筒型アノード成形体10とが一体化される位置よりも下流側で、金型100の第三成形口140を通すことにより、反応防止層形成用組成物を断面が円環状の反応防止層成形体30に成形する。かかる反応防止層成形体30は、電解質成形体20の外周面上に層状に一体押出成形されるため、電解質成形体20の外周面に一体化される。そして、反応防止層成形体30および電解質層成形体20を備えた円筒型アノード成形体10は、さらに押し出されて安定路150を通過する。安定路150の押出断面積が一部で減少されている場合、反応防止層成形体30,電解質層成形体20および円筒型アノード成形体10の各界面には、かかる界面に直交する方向の圧縮応力が作用する。これにより、反応防止層成形体30,電解質層成形体20および円筒型アノード成形体10を、所望の形状を維持したまま互いにより強固に接合することができる。また、反応防止層成形体30と電解質層成形体20との界面は、安定路150を通過する間に互いがより良く馴染む。これにより、円筒形状に押出成形された円筒型アノード成形体10の外周面に、押出成形された電解質層成形体20および反応防止層成形体30が順に積層一体化されている、円筒型SOFCハーフセルグリーン体1を作製することができる。
なお、円筒型SOFCハーフセルグリーン体1において、円筒型アノード成形体10の寸法(例えば、内径、外径、およびこれらの差に基づき決定される厚み)は特に制限されない。かかる円筒型SOFCハーフセルグリーン体から製造されるSOFCの一例において、アノードは、例えば、平均厚み(すなわち円筒形状の筒壁の平均厚み)が約10mm以下であるのが好ましく、典型的には0.1mm以上10mm以下、例えば0.5mm以上5mm以下(例えば、0.5mm以上1.5mm以下)とすることができる。したがって、焼成後の寸法がかかる平均厚みとなり得るように、円筒型アノード成形体10の寸法および押出成形用金型100の第一成形口120の寸法を調整することができる。
また、電解質層形成体20の寸法(例えば、厚み)は特に制限されない。かかる円筒型SOFCハーフセルグリーン体1から製造されるSOFCにおいて、固体電解質層は、例えば、平均厚み(すなわち円筒形状の筒壁の平均厚み)が約50μm以下であるのが好ましく、典型的には5μm以上30μm以下、例えば10μm以上20μm以下とすることができる。したがって、焼成後の寸法がかかる平均厚みとなり得るように、電解質層形成体20の寸法および押出成形用金型100の第二成形口130の寸法を調整することができる。
さらに、反応防止層形成体30の寸法(例えば、厚み)は特に制限されない。かかる円筒型SOFCハーフセルグリーン体1から製造されるSOFCにおいて、反応防止層は、例えば、平均厚み(すなわち円筒形状の筒壁の平均厚み)が約30μm以下であるのが好ましく、典型的には1μm以上20μm以下、例えば3μm以上10μm以下とすることができる。したがって、焼成後の寸法がかかる平均厚みとなり得るように、反応防止層形成体30の寸法および押出成形用金型100の第三成形口140の寸法を調整することができる。
なお、このようにして得られた円筒型SOFCハーフセルグリーン体1を、例えば、常温で乾燥するか、必要に応じて1000℃以下(典型的には600℃〜1000℃程度)の温度で仮焼する。これにより、気孔率が20%以上(典型的には30%〜50%程度)の円筒型SOFCハーフセルグリーン体1とすることができる。かかる円筒型SOFCハーフセルグリーン体1を、1200℃〜1600℃程度で共焼成することで、図4に示したような、円筒型SOFCのハーフセル1’を得ることができる。かかる円筒型SOFCのハーフセル1’は、円筒型アノード支持体10’の外周面に、押出成形された電解質層20’および反応防止層30’が順に積層されている。
また、かかる円筒型SOFCのハーフセル1’の外周面上に、カソード材料を層状に供給し、800℃〜1200℃程度(例えば900℃〜1100℃)で数時間(例えば1時間〜2時間)焼成する。これによりカソード40’を形成し、図5に示したような、円筒型SOFC2を得ることができる。かかる円筒型SOFC2は、円筒型アノード支持体10’の外周面に、押出成形された電解質層20’、反応防止層30’およびカソード40’が順に積層されている。
なお、SOFCのカソード材料としては、酸素のイオン化に活性の高い材料を好ましく用いることができる。かかる材料は特に制限されないが、例えば、銀(Ag)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)若しくは他のランタノイド元素、ストロンチウム(Sr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)のうちから選択される2種類以上の元素を含む酸化物であることが好ましい。好適例として、遷移金属含有ペロブスカイト型酸化物が挙げられる。なかでも、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)系やランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)系のペロブスカイト型酸化物を好ましく用いることができる。より具体的には、LaSrMnO3−δ、LaCaMnO3−δ、LaMgMnO3−δ、LaSrCoO3−δ、LaCaCoO3−δ、LaSrFeO3−δ、LaSrCoFeO3−δ、LaSrNiO3−δ、SmSrCoO3−δ等を用いることができる。なお、かかる表記は、当業者において広く知られている遷移金属含有ペロブスカイト型酸化物を構成する主元素の組み合わせを例示したものであって、当該遷移金属含有ペロブスカイト型酸化物の実際の化学組成を示すものではない。また、これら遷移金属ペロブスカイト型酸化物と上記固体電解質形成材料との複合材料を用いることもできる。これにより、酸化物イオン伝導性に優れたカソード40’を形成することができる。
かかるカソード材料は、上記のバインダと共に溶媒に分散させることでカソード形成用スラリーを調製し、かかるスラリーを円筒型SOFCのハーフセル1’の外周面上に常法に従って塗布、スプレーする等して供給すればよい。
なお、円筒型SOFC2の運転に際しては、典型的にはかかる円筒型SOFC2の両端部に一対のマニホールド(送ガス用配管、図示せず)を配置し、SOFCモジュールを構築する。SOFCモジュールは、複数の円筒型SOFC2から構成されていても良い。そして、中空部50に燃料ガス(水素、一酸化炭素、メタンその他の炭化水素ガス等)を、円筒型SOFC2の外側に酸素ガスや空気等の酸素含有ガスを、それぞれ供給する。これによって、酸素含有ガスに含まれるOガスがカソード40’で電気化学的に還元されてO2−アニオンとなり、反応防止層30’および固体電解質層20’を通過して、アノード10’に到達する。そして、このO2−アニオンがアノード10’において燃料ガスを酸化するのに伴い、外部負荷に電子を放出し、電気エネルギーが発生される。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
(例1)
以下の手順に従って、図5に示すような形状の円筒型SOFCを製造した。すなわち、まず、酸化ニッケル粉末(平均粒径:約0.7μm)および8mol%イットリア安定化ジルコニア(8%YSZ)粉末(平均粒径:約0.2μm)を6:4の質量比で混合することで導電性粉末を用意した。この導電性粉末に、バインダとしてのメチルセルロースおよびワックスを、順に100:4:4の質量比で混合、混練して坏土状にすることで、例1のアノード形成用組成物を用意した。このアノード形成用組成物のせん断応力1000MPaにおける複素粘度は、約10Pa・sであった。
また、固体電解質材料として上記で用いたのと同じ8%YSZを用い、この8%YSZと、バインダとしてのエチルセルロース(EC)と、ワックスとを、順に100:3:3の質量比で混合、混練して坏土状にすることで、固体電解質層形成用組成物を調製した。この固体電解質層形成用組成物のせん断応力1000MPaにおける複素粘度は、約10Pa・sであった。
また、反応防止層材料として10%ガドリニウムドープセリア(Gd0.1Ce0.9;GDC、平均粒径:約0.5μm)粉末を用い、このGDC粉末と、バインダとしてのエチルセルロース(EC)と、ワックスとを、順に100:3:3の質量比で混合、混練して坏土状にすることで、反応防止層用組成物を調製した。この反応防止層形成用組成物のせん断応力1000MPaにおける複素粘度は、約10Pa・sであった。
これらの組成物を、押出成形機の被押出成形材料収容部に収容した。すなわち、例1のアノード形成用組成物を内層材収容部に、固体電解質層形成用組成物を第一外層材収容部に、反応防止層用組成物を第二外層材収容部にそれぞれ収容した。
かかる押出成形機には、図2に示したような、アノード形成用組成物を外径10mm,内径8mmの円筒形状に成形すると同時に、かかる円筒形状体の表面に外層1および外層2を順に積層状態に、全て一体的に押出成形可能とする金型が装着されている。この押出成形機により、上記アノード形成用組成物、固体電解質層形成用組成物および反応防止層用組成物をそれぞれにかかる押出圧力が2〜5MPaとなる条件で押出成形した。そして、円筒形状に一体的に押出成形された成形体を、糸きりすることで約100cmの長さに切り出した。これにより、外径10mm,内径8mmの円筒体形状の円筒型アノード成形体の表面に、厚み約15μmの電解質層成形体および厚み約10μmの反応防止層成形体が順に積層された構成の円筒型SOFCハーフセルグリーン体を得た。
得られた円筒型SOFCハーフセルグリーン体を、回転乾燥機で乾燥させ、1400℃〜1450℃で2時間焼成することにより、例1の円筒型SOFCハーフセルを得た。
次いで、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8で表されるカソード材料を調製し、このカソード材料と、バインダ(EC)および溶媒(TE)とを、順に80:3:17の質量比で混練することにより、ペースト状のカソード形成用組成物を得た。これを上記で用意した円筒型SOFCのハーフセルの外周に塗布法により層状に供給し、乾燥させることで、厚み30μmの空気極グリーン層成形体を備える円筒型SOFCグリーン体を作製した。その後、これを1100℃で焼成し、例1の円筒型SOFCを得た。
(例2〜5)
アノード形成用組成物の副材料として、下記表1に示す米粉(例2)、樹脂ビーズ(例3)、樹脂ビーズおよびカップリング剤(例4)、カーボン(例5)を用い、一体押出成形法を利用して円筒型SOFCを作製した。具体的には、例1と同様の導電性粉末と、各副材料と、バインダとしてのメチルセルロースと、ワックスとを、順に100:10:3:3の質量比で混合、混練して坏土状にすることで、例2〜5のアノード形成用組成物を用意した。
なお、副材料の米粉としては、日本コーンスターチ社製ライススターチ(平均粒径5μm)を、樹脂ビーズとしては積水化成品工業(株)製EXM−5(平均粒径5μm)を、カーボンとしては日本カーボン(株)製のカーボン粉末(平均粒径9μm)を用いた。また、カップリング剤としては、味の素ファインテクノ(株)社製プレンアクトKR TTSを用いた。また、これらのアノード形成用組成物のせん断応力1000MPaにおける複素粘度は、約10Pa・sであった。
そして、例2〜5のアノード形成用組成物を用いること以外は、例1と同様にして、例2〜5の円筒型SOFCを得た。
(例6)
例1と同様のアノード形成用組成物を用意し、例1と同じ口金を備えた押出成形機の円筒材料容器に収容した。そして、このアノード形成用組成物のみを押出成形して、外径10mm,内径8mmの円筒型アノード成形体(グリーン体)を得た。
また、固体電解質材料として上記の8%YSZ粉末を用い、この8%YSZ粉末と、エチルセルロース(EC)と、溶媒(TE)とを、65:4:31の質量比で混練することにより、ペースト状の固体電解質層形成用組成物を調製した。
反応防止層材料として上記と同じGDC粉末を用い、このGDC粉末と、バインダ(EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、65:4:31の質量比で混練することにより、ペースト状の反応防止層用組成物を調製した。
次いで、円筒型アノード成形体の側面の開口を酢酸ビニル樹脂で封止した後、この成形体を上記ペースト状の固体電解質層形成用組成物と、ペースト状の反応防止層用組成物とに順に浸漬し、乾燥させること(ディップコーティング法)により、当該成形体の外表面に電解質層成形体および反応防止層成形体を順に積層させた。これにより、例6の円筒型SOFCハーフセルグリーン体を得た。
得られた円筒型SOFCハーフセルグリーン体を、上記酢酸ビニル樹脂の封止を除去した状態で回転乾燥機により乾燥させ、1400℃〜1450℃で2時間焼成することにより、例6の円筒型SOFCハーフセルを得た。
次いで、例1と同様にして、円筒型SOFCのハーフセルの外周にカソード材料を塗布、乾燥し、焼成することで、例6の円筒型SOFCを得た。
[電解質層成形性]
上記で得られた例1〜6の円筒型SOFCについて電解質層の厚みを測定した。なお、電解質層の厚みは、円筒型SOFCの任意の一方の端部(側面)における円環状の電解質層断面において、当該円環の任意の直径に沿う2カ所で厚みを測定した。また、かかる電解質層の厚みは、各例で作製した100個ずつのSOFCについて測定した。このように測定した電解質層の厚みのばらつきが、±3μm以内の場合を成形性良;「○」と判定し、±3μmを超えて±5μm以内の場合を成形性可;「△」、ばらつきが±5μmを超える場合を成形性不良;「×」と判定した。その結果を、下記表1の「成形性」の欄に併せて示した。
[緻密性]
得られた例1〜6の円筒型SOFCについて、アルコールを用いたリークチェックを行った。具体的には、焼成後の円筒型SOFCの表面全面にアルコールを滴下し、その浸み込み具合によってピンホール(貫通孔)やクラックの有無を確認した。かかるリークチェックは、各例で作製した100個ずつのSOFCについて行った。その結果、全てのSOFCについてアルコールの浸み込みが1つも認められなかった場合を「◎」と判定し、浸み込みが確認されたSOFCが5個以下だった場合を「○」と判定し、浸み込みが確認されたSOFCが6個以上だった場合を「×」(不良)と判定した。この結果を、下記表1の「緻密性」の欄に示した。
[不良発生率]
また、上記「電解質層成形性」および「緻密性」の評価において、いずれか一方でも不良と評価されたSOFCの割合を、下記表1の「不良発生率」の欄に示した。
[発電性能]
得られた例1〜6の円筒型SOFCについて、下記の条件で運転させた際の電力密度を測定し、得られた最大出力密度(W/cm)を発電性能として、下記表1の「発電性能」の欄に示した。
燃料極供給ガス:水素ガス(50ml/min)
空気極供給ガス:空気(100ml/min)
運転温度:650℃
Figure 0006212003
表1に示すように、例1と例6との比較から、ここに開示された一体押出成形法によると、円筒型のアノード支持体の表面に緻密で均一な厚みの電解質層を同時に成形できることが示された。特に、従来のディップコーティング法により形成された電解質層と比較して、より厚みが均一な電解質層を形成することができ、不良品発生率を約半分以下と、著しく低下できることが確認できた。また、一回の成形作業でアノード支持体と電解質層、さらには反応防止層までをも一度に成形することができ、ハーフセルグリーン体を簡便に製造できることも確認された。
そして、アノード副材料を用いるようにした例2〜4については、アノード副材料を用いない例1と比較して、より一層不良発生率が低減されることが確認された。これは以下の理由によると考えられる。すなわち、例1のSOFCでは、焼成後のアノードと電解質層との間に一部界面剥離が観察されたのに対し、例2のSOFCではかかる界面剥離は観察されなかった。これは、アノード副材料としての米粉を用いることにより、アノード構成材料間のまとまりが改善され、各材料が例えば凝集することなく均質に混合した状態の坏土が得られたことで一体押出成形性が改善されたものと考えられる。さらに、副材料としての米粉を用いた例2では、米粉に含まれるアミロペクチンの作用により一体押出成形時のアノード成形体と電解質層成形体との界面の接合性が向上され、焼成前後に亘りアノード成形体と電解質層成形体との界面の良好な接合を実現し得たものと考えられる。
なお、アノード副材料として樹脂ビーズを用いた例3の場合には、アミロペクチンが含まれないために米粉ほどの効果は得られなかった。しかしながら、焼成時のアノード成形体と電解質層成形体との間に生じる熱膨張係数の差による熱応力差をうまく緩和することができ、アノード成形体と電解質層成形体との良好な接合を維持したSOFCを得ることができた。
そして、アノード副材料として樹脂ビーズを用いた場合には、例4のように、かかる樹脂ビーズの表面をカップリング剤により処理することで、一体押出成形性および緻密等のいずれをも改善でき、さらに不良発生率を低減できることがわかった。これは、樹脂ビーズの表面をカップリング剤により処理することで、樹脂ビーズと、導電性粉末およびワックス等との親和性、さらには電解質層成形体との界面状態が改善されて、一体押出成形により適した坏土が実現されたことに因るものと考えられる。
一方で、アノード副材料としてカーボンを用いた例5の場合には、成形性の改善は見られなかった。カーボン粉末にはアミロペクチンのような成分が含まれないこと、また、本実施形態で使用したカーボンの外形が不均一であることに因るものと推察された。
また、発電性能については、アノード,電解質層および反応防止層を一体押出成形により形成することで、発電性能がよくなることが確認された。これは、一体押出成形によると、電解質層が緻密かつ成形性良く形成されるとともに、アノードとの密着性が向上され、SOFC全体としての電気的な抵抗が低減されたことに因るものと考えられる。なお、成形性に若干劣った例5のSOFCについては、例1のSOFCよりも、発電性能が良くなることがわかった。これは、副材料としてカーボンを用いると若干の焼成残渣が生じ、炭素材料に由来するかかる残渣が導電性の向上に寄与するためであると考えられる。以上のことから、押出一体成型法を採用することで、不良品発生率を低く抑えて、良好な円筒型SOFCのハーフセルクリーン体および円筒型SOFCを製造できることが示された。そしてまた、概ね不良発生率の低いSOFCほど、安定して良好な発電性能を示し得ると言える。
上述の通り、本発明によれば、円筒型SOFCのハーフセルを一体押出成形により簡便に製造することができる。かかる製法によると、電解質層の厚み等を均一に成形することができ、発電性能に優れた円筒型SOFCを簡便に作製することが可能とされる。また、本発明によれば、かかる円筒型SOFCを作製するに適した押出成形用金型および一体型押出成形に適したアノード/電解質層/反応防止層形成用組成物が提供される。
1 円筒型SOFCハーフセルグリーン体
1’ 円筒型SOFCハーフセル
2 円筒型SOFC
10 円筒型アノード成形体
10’ 円筒型アノード支持体
20 電解質成形体
20’ 固体電解質層
30 反応抑止層成形体
30’ 反応抑止層
40’ カソード
50 中空部
100 押出成形用金型
110 芯棒
120 第一成形口
130 第二成形口
140 第三成形口
150 安定路

Claims (4)

  1. 導電性粉末とバインダとワックスとを含むアノード形成用組成物からなる円筒型アノード成形体と、
    酸素イオン導電性を示す酸化物粉末と、バインダと、ワックスとを含む電解質層形成用組成物からなり、前記円筒型アノード成形体の外周面上に層状に備えられた電解質層成形体と、
    の一体押出成形品であって、当該一体押出成形品を支持する支持材を含まない、円筒型SOFCハーフセルグリーン体。
  2. 反応防止層前駆体と、バインダと、ワックスとを含む反応防止層形成用組成物からなり、前記電解質層成形体の外周面上に備えられた反応防止層成形体をさらに含み前記円筒型アノード成形体と、前記電解質層成形体と、前記反応防止層成形体との一体押出成形品である、請求項に記載の円筒型SOFCハーフセルグリーン体。
  3. 前記円筒型アノード成形体の、円筒軸に直交する横断面における厚みが0.5mm以上1mm以下であって、
    前記電解質層成形体の前記横断面における厚みが5μm以上30μm以下である、請求項1または2に記載の円筒型SOFCハーフセルグリーン体。
  4. 円筒型アノードの外周面上に電解質層が備えられたSOFCハーフセルと、
    該SOFCハーフセルの外周面上に備えられるカソードと、を含む円筒型SOFCであって、
    前記SOFCハーフセルは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の円筒型SOFCハーフセルグリーン体の焼成物である、円筒型SOFC。
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