JP7062522B2 - Sofcの接続構造とこれに用いる導電性接合材料 - Google Patents
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Description
ここで、「主相」とは、スピネル相が上記いずれか1種の酸化物からなる相を50mol%以上含んでいることを意味する。このことにより、接合材は、金属製インターコネクタの表面のスピネル層との接合性が改善される。加えて、例えば室温から、600℃以上800℃以下程度の温度範囲に亘る厳しいヒートサイクルが繰り返し付加された場合であっても、良好な接合性を維持することができる。
図1は、一実施形態に係るSOFCスタック1を模式的に示す分解斜視図である。ここに開示される技術により提供されるSOFCスタック1は、複数のSOFCの単セル10A、10Bと、複数の金属製のインターコネクタ50、50Aとを備えている。SOFCスタック1は、SOFCの単セル10A、10Bが、金属製インターコネクタ50、50Aを介して積み重ねられたスタック構造を有する。SOFCスタック1は、公知の製造方法に準じて製造することができる。
解質層30の一方の面に空気極(カソード)20を、他方の面に燃料極(アノード)40を一体的に備えている。
図1においては、空気極20の金属製インターコネクタ50に面する側の表面の全面に接合部材60を設けている。これにより、作業工程を簡略化して接合部材60を備えることができる。しかしながら、接合部材60は、セル対向面52と空気極20との間にのみ設けることもできる。また、接合部材60は、金属製インターコネクタ50、50Aの表面の一部または全部に設けることもできる。さらに、接合部材60は、セル対向面54と燃料極40との間に設けることもできる。
ここで、具体的には図示しないが、SOFCスタック1に用いられる金属製インターコネクタ50、50Aは、金属基材と、スピネル層と、を備えている。
ここに開示される接合部材60は、SOFCの空気極20と金属製インターコネクタ50、50Aとを機械的に接続する要素である。そしてまた、接合部材60は、SOFCの運転環境において空気極20と金属製インターコネクタ50、50Aとを電気的にも接続する役割を担う。この接合部材60は、一般式:ABO3;で表されるペロブスカイト相と、一般式:M2 3O4;で表される酸化物相と、を含む。なお、上記一般式中のAは、La、SrおよびBaからなる群から選択される1以上の元素であり、Bは、少なくとも遷移金属元素を含む1以上の元素である。また、M2は、遷移金属から選択される1以上の元素である。
なお、このような酸化物相に含まれ得る酸化物としては、例えば、コバルト-鉄系酸化物(例えばCoFe2O4)、ニッケル-鉄系酸化物(例えばNiFe2O4)、ニッケル-コバルト系酸化物(例えばNiCo2O4)等が好適な例として挙げられる。これら酸化物相は、スピネル型結晶構造を備える場合に、金属製インターコネクタのスピネル層との接合性が良好となることに加え、基材となるフェライト系ステンレス鋼とCTEが近くなることから、スピネル型結晶構造を備えることがより好ましい。
接合部材60は、上記の通りの気孔率とCTEとを備えることから、例えば、粉体の焼結体により構成されていることが好ましい。そこで、ここに開示する技術は、接合部材60を好ましく製造することのできる導電性接合材料を提供する。この導電性接合材料は、ペロブスカイト酸化物粉体と合金粉体とを含む。
ペロブスカイト酸化物粉体は、接合部材60におけるペロブスカイト相を形成する。換言すると、ペロブスカイト酸化物粉体が焼結されてペロブスカイト相を形成する。焼成によって原料と焼成体との組成は厳密には異なり得るが、ここに開示される接合部材は、例えば600℃~800℃という比較的低温での焼成により作製できる。このことから、ペロブスカイト酸化物粉体の組成は、上記のペロブスカイト相の組成と概ね同一とすることができる。
また、合金粉体は、接合部材60における酸化物相を形成する。換言すると、合金粉体は焼成により酸化されて焼結されて酸化物相(典型的には複酸化物相)を形成する。したがって、合金粉体の組成は、上記の酸化物相に含まれている金属元素に対応したものを含むことができる。具体的には、合金粉体は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)および銅(Cu)からなる群から選択される2種以上からなる合金を含む。合金粉体は、上記の4種の金属元素のうちのいずれか2種以上のみからなる合金であってもよいし、上記の2種の金属元素と他の元素とを含む合金粉体であってもよい。この合金粉体が、金属単体からなる粉末の混合ではなく、合金を形成していることで、焼成時の反応性(酸化)が均一かつ良好に進行しうるために好ましい。また、焼成後に得られる酸化物について、良好な複酸化物(典型的には、スピネル構造を有する酸化物)を好適に形成し得るために好ましい。
なお、ここに開示される導電性接合材料は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、上記の粉体材料の他に、分散媒等の他の構成成分を含むことができる。かかる他の構成成分については、SOFCの単セル10A、10Bの形成手法などの種々の基準に照らして調整することができる。
有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体(グリコールエーテル系溶剤)、トルエン、キシレン、ブチルカルビトール(BC)、ターピネオール等の高沸点有機溶剤の1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
空気極(カソード)20は、上記燃料極40と同様に多孔質構造を有している。一般に、空気極20は接合部材60よりも気孔率が大きい。空気極20の気孔率は特に限定されないものの、気孔率は、電気化学反応のための燃料ガス,固体電解質層,空気極等による3相界面の割合と適切な強度と両立するために、10%以上50%以下(好適には10%以上40%以下、例えば15%以上30%以下)であることが好ましい。
天然有機粉体としては、例えば、澱粉を含む各種の植物のうち、澱粉を多く含む種子(胚乳)、塊根等の部位を粉体にしたものや、かかる部位か抽出した澱粉粉体であってよい。例えば、代表的には、もち米粉、米粉、大麦粉、小麦粉、オート(燕麦)粉、とうもろこし粉、えんどう豆粉、じゃがいも粉、さつまいも粉、キャッサバ粉、葛粉、サゴ粉、アマランス粉、バナナ粉、アロールート粉、カンナ粉などの食物粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ粉等の澱粉粉体を例示することができる。
[接合用材料の用意]
接合用材料として、Fe-Co合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体とを用意した。具体的には、平均粒子径(D50(Alloy))が8.0μmのFe-50%Co合金粉体(エプソンアトミックス(株)製)と、平均粒子径(D50(ABO3))が0.7μmで一般式:La0.6Sr0.4CoO3;で表される組成のペロブスカイト型酸化物(La0.6Sr0.4CoO3)粉体とを用い、合金粉体とペロブスカイト型酸化物粉体の合計に占める合金粉体の割合(質量%)を、下記の表1に示すように0.1~100質量%の間で12通りに変化させて混合した。そしてこの混合粉体に、バインダとしてのエチルセルロースと、有機溶剤としてのテルピネオールとを添加し、三本ロールミルで混合することで、例1-1~1-12の接合用ペーストを調製した。なお、Fe-Co合金粉体とペロブスカイト型酸化物粉体の合計100質量部に対して、バインダは3質量部の割合で、有機溶剤は20質量部の割合で配合した。
各例の接合用ペーストを焼成することで得られる接合部(焼成物)のCTEを測定した。すなわち、先ず、各例の接合用ペーストを所定の試験片寸法に対応した成形型に充填し、乾燥させた後、1100℃で焼成することで焼成体を得た。そして焼成体の寸法が4mm×5mm×20mmとなるように成形することで、CTE測定用の試験片とした。この試験片を用い、熱機械分析装置(株式会社リガク製、TMA8310)を使用して、室温(25℃)~800℃の温度範囲における熱膨張係数(CTE)を測定した。熱膨張係数は、JIS 1618:2002のファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法に準じ、大気中で、示差膨張式にて測定した平均線膨張率から求めた。その結果を、以下の表1の「CTE」の欄に示した。
[評価用SOFCの作製]
接合性評価用のSOFCを以下の手順で作製した。
まず、酸化ニッケル(NiO,平均粒子径0.5μm)粉末と8%イットリア安定化ジルコニア(8%YSZ,平均粒子径0.5μm)粉末との質量比60:40の混合粉末48~58質量%に、有機溶剤(キシレン)24質量%、有機バインダ(ポリビニルブチラール;PVB)8.5質量%、気孔形成材(炭素成分)5~15質量%および可塑剤4.5質量%を加えて混練することにより、ペースト状の燃料極支持体形成用組成物を調製した。そしてこの燃料極支持体形成用組成物を、ドクターブレード法によりキャリアシート上に塗布・乾燥することを繰り返すことで、厚みが0.5~1.0mmの燃料極支持体グリーンシートを形成した。
評価用のSOFCのカソード表面に、用意した例1-1~1-12の接合用ペーストを乾燥膜厚が約40μmとなるようそれぞれ塗布し、乾燥させた後、850℃で焼成することで、接合層を形成した。そしてこの接合層とSOFCのカソードとの物理的(機械的)接合性について評価した。
具体的には、接合層とカソードとの接合強度を、JIS K5600-5-6:1999に規定されるクロスカット試験に準じて評価した。クロスカット試験では、まず、接合層の端部から5mm以上離れた位置に、1mmの間隔で6本の平行なカットを入れることで、25マスの格子パターンを形成した。そして格子パターンを覆うように幅24mmの透明感圧付着テープ(付着強さ4.01N/mm)を貼り付け、テープのなす角が約60°となる方向に引き剥がしたのち、クロスカットの全面積(25マス)に占める剥がれた部分の面積割合(剥離面積率)P(%)を算出した。
×:65<P
△:35<P≦65
○: 5<P≦35
◎: 0≦P≦5
上記のSOFCのカソードに代えて、金属製インターコネクタ(IC)の表面に、用意した例1-1~1-12の接合用ペーストを乾燥膜厚が約40μmとなるようそれぞれ塗布し、乾燥させた後、850℃で焼成することで、接合層を形成した。そしてこの接合層と金属製ICとの物理的(機械的)接合性について、上記カソードについての試験と同様に評価し、その結果を、表1の「IC接合強度」の欄に示した。
接合用ペーストを焼成して得られる接合部材と金属製ICとの電気的接合性について評価した。具体的には、用意した例1-1~1-12の接合用ペーストを、上記と同様のCo3O4コーティングを設けたフェライト系ステンレス板(25mm×25mm)のコーティング層の側の表面に塗布し、850℃で焼成することで、厚みが約30μmの薄層状の接合部材を作製した。そして得られた接合部材と金属製ICとの間に生じる接触抵抗を測定することで、電気的接合性を評価した。接触抵抗は、抵抗率計(型式:ソーラトロン社製ポテンショスタット、SI1287)を用い、700℃の環境下、電圧を±10mVで掃引したときのIV曲線の傾きから算出した。そして得られた接触抵抗率を、表1の「接触抵抗」の欄に評価記号によって示した。なお、各評価記号は、以下の接触抵抗率に対応している。
△:0.05Ωcm2超0.1Ωcm2以下
○:0.02Ωcm2超0.05Ωcm2以下
◎:0.02Ωcm2以下
なお、例1-5で作製した接合部材と金属製ICとの接合体の接合部の断面を、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察するとともに、その観察領域の一部について、エネルギー分散型X線分光分析(Energy Dispersive X-ray spectrometry:EDX)を行った。EDX分析装置としては、日本電子(株)製,JSM-6610LAを用い、走査型電子顕微鏡(SEM)による2000倍の観察領域(画像データ)について、LaのL線、SrのL線、FeのK線、CoのK線、CrのK線、OのK線を検出することで、各元素の元素マップを得た。その結果を、図2に示した。図2の各図は、(a)SEM像、(b)Laマップ、(c)Srマップ、(d)Feマップ、(e)Coマップ、(f)Crマップ、(g)Oマップを示している。なお、各元素マップにおいて、対象元素が検出された位置は相対的に白く(明るく)表示される。また、SEM像について示したように、各図の上下方向の下側の帯状部分がフェライト系ステンレス板に、上側が接合部材に、その界面(中央付近)がスピネル層に相当する。
また、上記EDX分析にて得られた元素マップ(例えばCoやFe等)を基に、画像解析法によって、各例の接合部の断面におけるペロブスカイト相と酸化物相との割合を調べた。画像解析には、米国国立衛生研究所(NIH)製の画像解析ソフト、Image J(1.45p)を用いた。例1-5のCoマップについて解析した様子を図4(a)~(d)に例示した。
具体的には、まず(a)に示す元素マップ(ここではCoマップ)から、全領域が接合部で占められるように接合部の領域を切取り、画像解析に供した(b~d参照)。次いで、画像全体に対し、Binary(二値化)サブメニューにてMake Binary(二値化画像の作成)処理を行い、(b)に示す二値画像を得た。ここで、Coが多く検出された領域が白、Coが多く検出されなかった領域が黒で表されている。次いで、NioseサブメニューにてDespeckle(ノイズ除去)処理をした後、Binary(二値化)サブメニューにてDilate(ダイレーション)処理を行い、再びNioseサブメニューにて、Remove Outliers (外れ値の除去)処理を行ったのち、Binary(二値化)サブメニューにて、Erode(エロージョン)処理を行うことで、(c)に示す図を得た。なお、外れ値の除去条件は、Radius(半径):2pixels、Threshold(閾値):50、Which Outliers(外れ方向):brightとした。以上の処理により、Coマップを、酸化物相の領域(白)と、ペロブスカイト相の領域(黒)とに区別した。次いで、Analyze Particles(粒子解析)処理を行うことで、(d)に示すように、このバイナリー画像における酸化物相領域(白)の数を数え、その面積(単位:ピクセル)等の計測を実施した。この結果から、次式:酸化物相の面積率(%)=酸化物相領域の面積(白色部のピクセル数)÷接合部解析全面積(全ピクセル数)×100);として酸化物相の面積率を算出し、表1に示した。
表1に示されるように、接合用ペースト中に含まれるCo-Fe合金の割合が多くなるほど、焼成後に得られる接合部における酸化物相の割合が増えることがわかった。なお、例1-12で面積率が0%となっているのは、全体が酸化物相となって二値化できなかったことによるものであり、実際は酸化物相100%の意味である。また、接合部の物性については、CTEが比較的大きいペロブスカイト型酸化物粉体(ABO3)に対し、合金粉体(Alloy)を加えて接合用ペーストを調製することで、得られる接合部材のCTEを合金粉体の混合比(質量比)に応じて変化させられることがわかった。本例の接合用ペーストを焼成して得られる接合部材のCTEは、19.2×10-6/K~18.0×10-6/Kの範囲で変化することが確認できた。また、例1-1、1-2に示されるように、接合用ペーストのペロブスカイト型酸化物粉末に加える合金粉末の量が少ないと、形成される接合部材とカソードとの接合強度は十分であるものの、従来と同様に金属製ICとの良好な接合を実現することができず、接合強度は極めて低くなってしまう。これは、金属製ICの表面に焼成によってスピネル層(スピネルコーティング)が形成され、このスピネル層と、ペロブスカイト型酸化物粉体のみを用いた接合部材との接合性が良好ではないことによる。具体的には示さないが、合金粉末を加えない接合用ペーストでは、金属製ICとの接合強度はさらに低くなる。このことから、接合用ペーストに合金粉末を加えることで、金属製ICのスピネル層と接合部材との接合性を改善できることがわかった。また、これら接合部材と金属製ICとの接合性を接触抵抗により評価すると、接合用ペーストに加える合金粉末の割合は、5質量%程度以上とすることがよく、10質量%程度以上が好適であり、20質量%程度以上とすることがより好適であることがわかった。
[接合用材料の用意]
上記試験例1と同様にして、例2-1~2-5の接合用ペーストを調製した。ただし、接合用ペーストにおける、合金粉体(Alloy)とペロブスカイト型酸化物粉体(ABO3)との混合比(質量%比)は20:80で一定とした。また、合金(Fe-50%Co)粉体とペロブスカイト型酸化物(La0.6Sr0.4CoO3)粉体の平均粒子径およびその組み合わせを下記表2に示すように変化させた。なお、その他の条件は試験例1と同様にした。
表2の例2-1,2-3,2-4に示されるように、接合用ペーストを構成する粉末の平均粒子径は、合金粉末については、小さくしても大きくしても各種接合性に影響は見られないことがわかる。しかしながら、ペロブスカイト型酸化物粉末については、比較的小粒径の場合に接合部材とカソードおよび金属製ICとの接合が良好になることがわかった。特に本試験例は、ペロブスカイト型酸化物粉末に対する合金粉末の割合が比較的少ない条件であることから、ペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒子径が大きすぎると焼結後の接合部材におけるペロブスカイト型酸化物粉末の気孔部分に合金粉末が十分充填できず、接合性の低下が生じる虞がある。しかしながら、ペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒子径を合金粉末よりも小さく設定することで、比較的良好な接合が実現できることがわかった。
[接合用材料の用意]
合金粉体の組成とペロブスカイト型酸化物粉体の組成とを、下記の表3のとおり変化させ、その他の条件(各粉体の平均粒子径および配合)は上記試験例1の例1-5と同様にして、例3-1~3-5の接合用ペーストを調製した。合金粉体としては、Fe-Co合金、Fe-Ni合金、Cu-Fe合金を用いた。
また、参考までに、Fe-Ni合金のみを含むペーストとFe-Co合金のみを含むペースト(例1-12参照)とを、850℃で焼成した焼成体についてのXRD分析結果を、図3(1)および(2)に示した。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10,10A,10B 単セル
20 空気極(カソード)
30 固体電解質
40 燃料極(アノード)
50,50A 金属製インターコネクタ
52 ,54 セル対向面
53 空気流路
55 燃料ガス流路
Claims (10)
- 固体酸化物形燃料電池の空気極と、金属製インターコネクタと、前記空気極および前記金属製インターコネクタを接合する接合部材とを含み、
前記金属製インターコネクタは、
少なくともFeとCrとを含む金属基材と、
前記金属基材の前記接合部材に対向する側の表面に備えられ、一般式:M1 3O4(ただし、式中のM1は、遷移金属から選択される1以上の元素);で表される第1スピネル相を含むスピネル層と、を備え、
前記接合部材は、
一般式:ABO3(ただし、式中のAは、La、SrおよびBaからなる群から選択される2以上の元素であり、Bは、少なくともCoを含む1以上の元素);で表されるペロブスカイト相と、
一般式:M2 3O4(ただし、式中のM2は、Ni、Fe,CoおよびCuからなる群から選択される2以上の元素であり、前記第1スピネル相と共通の元素を少なくとも1つ含む);で表される酸化物相と、
を含み、
前記ペロブスカイト相および前記酸化物相の合計を100質量%としたときに、前記酸化物相の割合は、10質量%以上70質量%以下であり、
前記ペロブスカイト相は、前記元素AとしてLaおよびSrを含み、前記元素BとしてCoを含む、接合構造。 - 固体酸化物形燃料電池の空気極と、金属製インターコネクタと、前記空気極および前記金属製インターコネクタを接合する接合部材とを含み、
前記金属製インターコネクタは、
少なくともFeとCrとを含む金属基材と、
前記金属基材の前記接合部材に対向する側の表面に備えられ、一般式:M1 3O4(ただし、式中のM1は、遷移金属から選択される1以上の元素);で表される第1スピネル相を含むスピネル層と、を備え、
前記接合部材は、
一般式:ABO3(ただし、式中のAは、La、SrおよびBaからなる群から選択される2以上の元素であり、Bは、少なくともCoを含む1以上の元素);で表されるペロブスカイト相と、
一般式:M2 3O4(ただし、式中のM2は、Ni、Fe,CoおよびCuからなる群から選択される2以上の元素であり、前記第1スピネル相と共通の元素を少なくとも1つ含む);で表される酸化物相と、
を含み、
前記ペロブスカイト相および前記酸化物相の合計を100質量%としたときに、前記酸化物相の割合は、10質量%以上70質量%以下であり、
前記酸化物相は、NiFe 2 O 4 、NiCo 2 O 4 、およびCoFe 2 O 4 から選択されるいずれか1種を主相とする、接合構造。 - 前記金属基材は、フェライト系ステンレス鋼である、
請求項1または2に記載の接合構造。 - 固体酸化物形燃料電池の空気極と金属製インターコネクタとを接合する接合部材を形成するための導電性接合材料であって、
ここで、前記金属製インターコネクタは、
少なくともFeとCrとを含む金属基材と、
前記金属基材の前記接合部材に対向する側の表面に備えられ、一般式:M1 3O4(ただし、式中のM1は、遷移金属から選択される1以上の元素を含む);で表される第1スピネル相を含むスピネル層と、を備え、
前記導電性接合材料は、
一般式:ABO3(ただし、式中のAは、La、SrおよびBaからなる群から選択される2以上の元素であり、Bは、少なくともCoを含む1以上の元素);で表されるペロブスカイト型結晶構造を有するペロブスカイト酸化物粉体と、
Ni、Fe,CoおよびCuからなる群から選択される2以上の元素を含み、前記第1スピネル相と共通の元素を少なくとも1つ含む合金粉体と、を含み、
前記ペロブスカイト酸化物粉体および前記合金粉体の合計を100質量%としたときに、前記合金粉体の割合は、10質量%以上70質量%以下であり、
前記ペロブスカイト酸化物粉体の平均粒子径は、前記合金粉体の平均粒子径よりも小さい、導電性接合材料。 - 前記ペロブスカイト酸化物粉体の平均粒子径は0.1μm以上5μm以下であって、
前記合金粉体の平均粒子径は0.1μm以上10μm以下である、
請求項4に記載の導電性接合材料。 - 焼結助剤として、金属成分含有粉体をさらに含む、
請求項4または5に記載の導電性接合材料。 - 前記焼結助剤として、Cu含有粉体を含み、
前記ペロブスカイト酸化物粉体は、前記BサイトにCuを含む、
請求項6に記載の導電性接合材料。 - 前記ペロブスカイト酸化物粉体および前記合金粉体を分散させる分散媒を含み、ペースト状に調製されている、
請求項4~7のいずれか1項に記載の導電性接合材料。 - 前記ペースト状に調製された前記導電性接合材料であって、
150℃で乾燥後に850℃で焼成したときの焼成収縮率が3%以下である、
請求項8に記載の導電性接合材料。 - 燃料極と固体電解質と空気極とを備える固体酸化物形燃料電池と、
金属製インターコネクタと、
前記空気極と前記金属製インターコネクタとを接合する接合部材と、
を備え、
前記接合部材は、請求項4~9のいずれか1項に記載の導電性接合材料の焼成物により構成されている、SOFCスタック。
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JP2014509440A (ja) | 2011-02-15 | 2014-04-17 | プランゼー エスエー | 高温型燃料電池のインターコネクタとカソードとの間のセラミック層構造を形成する層構造及びその利用 |
JP2017084509A (ja) | 2015-10-23 | 2017-05-18 | 株式会社デンソー | 燃料電池セルスタック |
JP2018037340A (ja) | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 導電性ペーストとその利用 |
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- 2018-05-31 JP JP2018104569A patent/JP7062522B2/ja active Active
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